(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156142
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/54 20060101AFI20221006BHJP
B65D 5/10 20060101ALI20221006BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B65D5/54 301B
B65D5/10 B
B65D5/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059691
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】脇本 篤宏
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BA08
3E060BB03
3E060BC02
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CF05
3E060CG12
3E060CG23
3E060DA14
3E060DA16
3E060EA14
(57)【要約】
【課題】落下等の衝撃に対して外箱の角部が破損し難い包装部材を提供する。
【解決手段】包装箱1は、胴部20が、対向する一対の第1周面板21、22と、一対の第1周面板21、22と直交して対向する一対の第2周面板23、24と、により構成される。蓋部30は、第1蓋板31と、第2蓋板32と、を有する。第1蓋板31は、一対の第1周面板の一方の第1周面板21の開口面側の第1端縁21aに連設され、開口面を閉じる。第2蓋板は、一対の第1周面板の他方の第1周面板22の開口面側の第2端縁22aに連設され、第1蓋板31の上面に接着領域P2を介して接着される。第2蓋板32は、第1蓋板31に接着される接着片321と、一辺が第2端縁22aに連設されて、一辺に対向するように形成された破断線32aに沿って、接着片321から剥離される剥離片322と、に分離される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダンボール板を折り曲げて組み立てられ、
断面矩形の角筒状の胴部と、
前記胴部の開口面を塞ぐ蓋部と、を有し、
前記胴部は、対向する一対の第1周面板と、一対の前記第1周面板と直交して対向する一対の第2周面板と、により構成され、
前記蓋部は、
前記一対の第1周面板の一方の第1周面板の前記開口面側の第1端縁に連設され、前記開口面を閉じる第1蓋板と、
前記一対の第1周面板の他方の第1周面板の前記開口面側の第2端縁に連設され、前記第1蓋板の上面に接着領域を介して接着される第2蓋板と、を有し、
前記第2蓋板は、前記第1蓋板に接着される接着片と、一辺が前記第2端縁に連設されて、前記一辺に対向するように形成された破断線に沿って、前記接着片から剥離される剥離片と、に分離されることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記第2蓋板は、前記破断線の延在方向の中央部に隣接して配置され、手指を挿入可能な貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記第1蓋板は、前記貫通孔と対向する領域の周りに切込線が設けられ、前記切込線に沿って分離して押込み可能な押込み片を有することを特徴とする請求項2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記破断線が、前記第2端縁に向けて凸のV字形状に形成されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の包装箱。
【請求項5】
前記破断線が、前記第1端縁に向けて凸のV字形状に形成されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の包装箱。
【請求項6】
前記第2端縁の両端に切断線が形成され、前記破断線は、前記切断線の内端から前記第1端縁に向かって延びる一対の傾斜部を有することを特徴とする請求項5に記載の包装箱。
【請求項7】
前記蓋部は、
一対の前記第2周面板の側端縁にそれぞれ連設された一対のフラップ板を有し、
一方の前記フラップ板は、差込孔が貫通し、
他方の前記フラップ板は、前記差込孔に挿入可能な差込片が形成されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の包装箱は特許文献1に開示されている。この包装箱は、胴部の開口面を塞ぐ蓋部を有する。蓋部は、開口面を覆う第1蓋板と、第1蓋板の上面に接着領域を介して接着される第2蓋板と、を有する。第2蓋板は、破断線に囲まれた帯状部を有する。
【0003】
帯状部を平行に延びる破断線に沿って引き剥がすことにより、第2蓋板が分割されて胴部の開口面が開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の包装箱によると、開封時に帯状部が包装箱から分離されるため、ゴミの数が増える問題があった。また、開封時に帯状部が途中で破断して利便性が低い問題があった。
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、ゴミの数を削減しながら開封時の利便性を向上できる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成の包装箱は、ダンボール板を折り曲げて組み立てられ、断面矩形の角筒状の胴部と、胴部の開口面を塞ぐ蓋部と、を有する。胴部が、対向する一対の第1周面板と、一対の前記第1周面板と直交して対向する一対の第2周面板と、により構成される。蓋部は、第1蓋板と、第2蓋板と、を有する。第1蓋板は、一対の第1周面板の一方の第1周面板の開口面側の第1端縁に連設され、開口面を閉じる。第2蓋板は、一対の第1周面板の他方の第1周面板の開口面側の第2端縁に連設され、第1蓋板の上面に接着領域を介して接着される。第2蓋板は、第1蓋板に接着される接着片と、一辺が第2端縁に連設されて、一辺に対向するように形成された破断線に沿って、接着片から剥離される剥離片と、に分離される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成では、ゴミの数を削減しながら開封時の利便性を向上できる包装箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱の斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る包装箱の長手方向の一端部を拡大して示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る包装箱の展開図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る包装箱の長手方向の一端部を拡大して示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る包装箱の長手方向の一端部を拡大して示す斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る包装箱の長手方向の一端部を拡大して示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る包装箱の長手方向の一端部を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1、第1実施形態に係る包装箱1の斜視図であり、
図2は、包装箱1の長手方向の一端部を拡大して示す斜視図であり、開封前の状態を示している。
【0011】
包装箱1は、被包装物(本実施形態では例えばトナーカートリッジ)を個別に包装する個装箱である。包装箱1は、長手方向の一端部が開封可能な直方体の箱体である。包装箱1は、所定の形状に打ち抜いたダンボール板を折り曲げて組み立てられる。複数の包装箱1は、包装箱1よりも大きい集合箱(不図示)内に、互いに接触して隙間無く収容される。
【0012】
包装箱1は、胴部20と、蓋部30と、を有する。胴部20は、対向する一対の第1周面板21、22と、一対の第1周面板21、22と直交して対向する一対の第2周面板23、24と、により構成される。本実施形態では、上下に対向する一対の第1周面板21、22と、前後に対向する一対の第2周面板23、24と、で構成される。第2周面板23は、一対の第1周面板21、22の前端を連結する。第2周面板24は、一対の第1周面板21、22の後端を連結する。
【0013】
蓋部30は、胴部20の開口面を塞ぎ、包装箱1の開封後に開閉可能である。蓋部30は、第1蓋板31と、第2蓋板32と、一対のフラップ板33、34と、で構成される(
図3参照)。第1蓋板31は、第1周面板21の開口面側の第1端縁21aに連設される。第2蓋板32は、第1周面板22の開口面側の第2端縁22aに連設される。第2蓋板32は、第1蓋板31の上面に接着領域P2を介して接着される。
【0014】
フラップ板33は、第2周面板23の開口面側の端縁に連設される。フラップ板34は、第2周面板24の開口面側の端縁に連設される。
【0015】
第2蓋板32は、破断線32aと、貫通孔32bと、を有する。破断線32aは、接着領域P2と、第2端縁22aと、の間を横断する。第2蓋板32が破断線32aに沿って分割される。破断線32aは、第2端縁22aに向けて凸のV字状に形成される。貫通孔32bは、破断線32aの延在方向の中央部に隣接して配置され。本実施形態では、貫通孔32bは、破断線32aの頂点部に隣接して配置され、手指を挿入可能である。
【0016】
第1蓋板31は、一対の切込線31aを有する。一対の切込線31aは、直線状に形成され、貫通孔32bと対向する領域の周りに配置される。切込線31aの一端は、第1蓋板31の先端に配置される。これにより、貫通孔32bと対向する領域を下側に押圧したときに、切込線31aに沿って第1蓋板31が分離し、押込み片31bが形成される。
【0017】
フラップ板33は、スリット状の差込孔33aが設けられる。フラップ板34は、差込孔33aに挿入可能な台形状の差込片34aが設けられている。差込片34aを差込孔33aに挿入することにより、フラップ板33とフラップ板34とを係合できる。
【0018】
図3は、包装箱1の展開図を示している。包装箱1は、糊代片25、第2周面板24、第1周面板21、第2周面板23、第1周面板22が折り線Lを介して順に連設される。第1周面板21、22、第2周面板23、24は、矩形に形成される。
【0019】
第1周面板21の長手方向の一端には折り線L(第1端縁21a)を介して第1蓋板31が連設され、第1周面板21の長手方向の他端には折り線Lを介して底面板28が連設されている。第1周面板22の長手方向の一端には折り線L(第2端縁22a)を介して第2蓋板32が連設され、第1周面板22の長手方向の他端には折り線Lを介して底面板26が連設されている。
【0020】
第2周面板23の長手方向の一端には折り線Lを介してフラップ板33が連設され、第2周面板23の長手方向の他端には折り線Lを介してフラップ板27が連設されている。第2周面板24の長手方向の一端には折り線Lを介してフラップ板34が連設され、第2周面板24の長手方向の他端には折り線Lを介してフラップ板29が連設されている。
【0021】
第2蓋板32には上述した破断線32a及び貫通孔32bが形成される。第1蓋板31には上述した切込線31aが形成される。破断線32a及び切込線31aは、包装箱1を貫通する複数の切込みが不連続に連なって形成されたミシン目状に形成される。
【0022】
包装箱1の組立ては、まず、各折り線L上で山折りし、接着領域P1を介して糊代片25の内面と第1周面板21の外面とを接着する。これにより、筒状の胴部20が形成される。次に、接着領域P2を介して第1蓋板31の外面と第2蓋板32の内面とを接着する。これにより、包装箱1の長手方向の一端部が閉蓋される。
【0023】
次に、包装箱1内に例えば、トナーカートリッジ(不図示)を挿入し、接着領域P3を介して底面板28の外面と底面板26の内面とを接着する。これにより、包装箱1の長手方向の他端部が閉蓋され、包装箱1の組立て及びトナーカートリッジの梱包作業が完了する。
【0024】
図4、
図5は、包装箱1の斜視図であり、開封後の状態を示している。開封時において、貫通孔32bに人差し指を押込み、第1蓋板31を切込線31aに沿って破断させて押込み片31bを押し破る。次に、重なる第1蓋板31及び第2蓋板32を親指と人差し指で摘持して持ち上げる。これにより、第2蓋板32が破断線32aに沿って破断し、接着片321と剥離片322とに分離される。分離された第2蓋板32の接着片321は、接着領域P2を介して第1蓋板31に接着された状態で残る。また、分離された第2蓋板32の剥離片322は、一辺が第2端縁22aと連設され、一辺に対向するように形成された破断線32aに沿って接着片321から剥離された状態で残る。従って、ゴミの数を削減しながら開封時の利便性を向上できる包装箱1を提供することができる。
【0025】
第2蓋板32の剥離片322と、第1蓋板31と、フラップ板33、34と、を外側に折り返すことにより、包装箱1の長手方向の一端が開口する。これにより、包装箱1から内容物を容易に取出すことができる。
【0026】
また、包装箱1の開封後、差込片34aを差込孔33aに差し込んでフラップ板33とフラップ板34とを係合することにより、包装箱1を閉蓋することができる。
【0027】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
図6、
図7は第2実施形態の包装箱1の長手方向の一端部を拡大して示す斜視図である。
図6は、開封前の状態を示し、
図7は、開封後の状態を示している。説明の便宜上、前述の
図1~
図5に示す第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付している。本実施形態では破断線32aの形状が異なる。
【0028】
破断線32aは、第1端縁21aに向けて凸のV字状に形成される。第2端縁22aの両端には、切断線321aが形成される。切断線321aは、段ボール板を貫通する切込みにより形成される。切断線321aは、切込みが不連続に連なって形成されたミシン目状でもよい。
【0029】
破断線32aは、切断線321aの内端から第1端縁21aに向かって延びる一対の傾斜部322aを有する。切込線31aは、平面視コ字状に形成され、貫通孔32bと対向する領域を囲む。これにより、貫通孔32bと対向する領域を下側に押圧したときに、切込線31a上で第1蓋板31が破断し、押込み片31bが形成される。
【0030】
開封時において、貫通孔32bに人差し指を押込み、重なる第1蓋板31及び第2蓋板32を親指と人差し指で摘持して持ち上げる。これにより、破断線32aは、傾斜部322aに沿って破断し、切断線321aに到達する。これにより、接着片321と剥離片322とに分離される。このとき、剥離片322は、略三角形状に形成される。
【0031】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0032】
例えば、上記実施形態では、包装箱1は、一対の第1周面板21、22が上下に対向しているが、一対の第1周面板21、22を前後又は左右に対向して配置してもよい。また、破断線32aは、V字状以外に直線状又は波線状等でもよい。
【0033】
また、上述した実施形態および変形例の構成を適宜組み合わせて得られる構成についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0034】
1 包装箱
20 胴部
21、22 第1周面板
21a 第1端縁
22a 第2端縁
23、24 第2周面板
25 糊代片
26 底面板
27 フラップ板
28 底面板
29 フラップ板
30 蓋部
31 第1蓋板
31a 切込線
31b 押込み片
32 第2蓋板
32a 破断線
32b 貫通孔
33、34 フラップ板
33a 差込孔
34a 差込片
321 接着片
321a 切断線
322a 傾斜部
322 剥離片
L 折り線
P1、P2、P3、 接着領域