(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156311
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】卵調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 29/02 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A47J29/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059918
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000103976
【氏名又は名称】株式会社オリジン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 信幸
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 健
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA28
4B055BA28
4B055CB17
4B055DB02
4B055FA04
4B055FB23
4B055FB36
(57)【要約】
【課題】構造を簡素にした卵調理器を提供する。
【解決手段】卵調理器1は、卵の一部を収容する第1の釜12と、第1の釜12を加熱する発熱部材17と、第1の釜12に収容されていない卵の残部を収容する第2の釜52とを備える。第2の釜52は、第1の釜12に対して熱伝達が生じるように接触した閉蓋状態と、第1の釜12から離れた開蓋状態と、の間で第1の釜12に対して開閉可能である。第2の釜52は、閉蓋状態のときに、第1の釜12から伝達された熱によって加熱されて、第2の釜52に収容された卵を加熱する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵の一部を収容する第1の釜と、
前記第1の釜を加熱する発熱部材と、
前記第1の釜に収容されていない前記卵の残部を収容する第2の釜であって、前記第1の釜に対して熱伝達が生じるように接触した閉蓋状態と、前記第1の釜から離れた開蓋状態と、の間で前記第1の釜に対して開閉可能な第2の釜と、を備え、
前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに、前記第1の釜から伝達された熱によって加熱されて、前記第2の釜に収容された前記卵を加熱する、
卵調理器。
【請求項2】
前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに前記第1の釜に載置される載置構造を有する、
請求項1に記載の卵調理器。
【請求項3】
前記第1の釜は、前記閉蓋状態のときに前記第2の釜に接触する第1接触部を有し、
前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに前記第1の釜に接触する第2接触部を有し、
前記第1接触部及び前記第2接触部の少なくとも一方が、前記第1の釜及び前記第2の釜に収容された前記卵の外側に延びる幅広に構成されている、
請求項1又は請求項2に記載の卵調理器。
【請求項4】
前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに、前記第1の釜の鉛直上方に配置されるように構成され、
前記第1の釜は、前記卵が収容される内面の底部に平坦部が形成されている、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の卵調理器。
【請求項5】
前記第1の釜は、前記卵が収容される内面にフッ素コーティング又はセラミックコーティングが施されている、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の卵調理器。
【請求項6】
前記発熱部材は面状ヒータであり、
前記面状ヒータが設置された前記第1の釜の外周側面は、円錐側面の形状を有する、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の卵調理器。
【請求項7】
前記面状ヒータの外側に設けられ、前記面状ヒータを覆って前記第1の釜に密着させるカバーを備える、
請求項6に記載の卵調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は卵調理器に関し、特に鍋やフライパンを用いずに簡便に卵を調理可能な卵調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
卵は、栄養が豊富で価格が手頃なことから、食用として広く供されている。卵の伝統的な調理法としては、殻を割って中身をフライパンで焼く、あるいは、鍋に張ったお湯に殻を割らずに投入して茹でる、等がある。他方、近年の労働者の可処分時間の減少を背景に、卵を簡単に調理できる専用機器が登場している。このような機器の例として、相対向する位置に凹所を有する上下一対の保温体を備えており、上保温体の上凹所と下保温体の下凹所とで形成される収容空間に生卵を収容して水なしで加熱するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
卵を調理する機器は、信頼性やコスト低減等の観点から、構造をより簡素にすることが望まれている。
【0005】
本開示は上述の課題に鑑み、構造を簡素にした卵調理器を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係る卵調理器は、卵の一部を収容する第1の釜と、前記第1の釜を加熱する発熱部材と、前記第1の釜に収容されていない前記卵の残部を収容する第2の釜であって、前記第1の釜に対して熱伝達が生じるように接触した閉蓋状態と、前記第1の釜から離れた開蓋状態と、の間で前記第1の釜に対して開閉可能な第2の釜と、を備え、前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに、前記第1の釜から伝達された熱によって加熱されて、前記第2の釜に収容された前記卵を加熱する。
【0007】
このように構成すると、第2の釜は第1の釜から伝達された熱で卵を加熱するので、第2の釜に発熱部材を設けなくて済んで構造を簡素にすることができる。
【0008】
また、本開示の第2の態様に係る卵調理器は、上記本開示の第1の態様に係る卵調理器において、前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに前記第1の釜に載置される載置構造を有する。
【0009】
このように構成すると、例えば卵から出た水分が蒸発したときに内部圧力の上昇によって第2の釜が第1の釜から離れることができ、内部で発生した蒸気を外部へ逃がすことができる。
【0010】
また、本開示の第3の態様に係る卵調理器は、上記本開示の第1の態様又は第2の態様に係る卵調理器において、前記第1の釜は、前記閉蓋状態のときに前記第2の釜に接触する第1接触部を有し、前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに前記第1の釜に接触する第2接触部を有し、前記第1接触部及び前記第2接触部の少なくとも一方が、前記第1の釜及び前記第2の釜に収容された前記卵の外側に延びる幅広に構成されている。
【0011】
このように構成すると、閉蓋状態のときに第1の釜と第2の釜との接触が不良になることを抑制することができる。
【0012】
また、本開示の第4の態様に係る卵調理器は、上記本開示の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る卵調理器において、前記第2の釜は、前記閉蓋状態のときに、前記第1の釜の鉛直上方に配置されるように構成され、前記第1の釜は、前記卵が収容される内面の底部に平坦部が形成されている。
【0013】
このように構成すると、第1の釜に収容された卵が底部のみに接触した状態で直立してしまうことを回避することができ、少なくとも底部及び底部以外の一点の2箇所で卵と第1の釜又は第2の釜とが接触して卵を加熱することができる。
【0014】
また、本開示の第5の態様に係る卵調理器は、上記本開示の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る卵調理器において、前記第1の釜は、前記卵が収容される内面にフッ素コーティング又はセラミックコーティングが施されている。
【0015】
このように構成すると、例えば卵から出た水分の突沸を防ぐことができる。
【0016】
また、本開示の第6の態様に係る卵調理器は、上記本開示の第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係る卵調理器において、前記発熱部材は面状ヒータであり、前記面状ヒータが設置された前記第1の釜の外周側面は、円錐側面の形状を有する。
【0017】
このように構成すると、面状ヒータと第1の釜の外周側面との間に隙間が生じてしまうことを抑制することができ、面状ヒータで発生した熱を効率よく第1の釜に伝達することができる。
【0018】
また、本開示の第7の態様に係る卵調理器は、上記本開示の第6の態様に係る卵調理器において、前記面状ヒータの外側に設けられ、前記面状ヒータを覆って前記第1の釜に密着させるカバーを備える。
【0019】
このように構成すると、面状ヒータを第1の釜に密着させることができ、面状ヒータから第1の釜への伝熱効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、第2の釜は第1の釜から伝達された熱で卵を加熱するので、第2の釜に発熱部材を設けなくて済んで構造を簡素にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一の実施の形態に係る卵調理器の開蓋状態を示す斜視図である。
【
図2】一の実施の形態に係る卵調理器の分解斜視図である。
【
図3】一の実施の形態に係る卵調理器の閉蓋状態を示す斜視図である。
【
図4】一の実施の形態に係る卵調理器が備える下釜の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
まず
図1~
図3を参照して、一の実施の形態に係る卵調理器1を説明する。
図1は、開蓋状態における卵調理器1の斜視図である。
図2は、卵調理器1の分解斜視図である。
図3は、閉蓋状態における卵調理器1の斜視図である。卵調理器1は、殻が割られていない状態の鶏卵を加熱調理する機器であり、典型的には生卵を加熱する機器である。卵調理器1は、下釜12が取り付けられた下本体10と、上釜52が取り付けられた上本体50とを備えている。下本体10には、下釜12を加熱する面状ヒータ17も設けられている。卵調理器1は、下本体10の下釜12と上本体50の上釜52とで卵を覆い、覆った卵を面状ヒータ17による発熱で加熱することができるように構成されている。
【0024】
下釜12は、加熱調理する卵の概ね下半分を収容するものであり、第1の釜に相当する。上釜52は、加熱調理する卵の概ね上半分を収容するものであり、第2の釜に相当する。下釜12及び上釜52は、典型的にはアルミニウムで形成されている。下釜12は、概ね椀状の外観を呈しており、下本体10において、本実施の形態では椀状の開口部が鉛直上方を向く位置で取り付けられている。上釜52は、概ね椀状の外観を呈しており、椀状の開口部を、下釜12の開口部に合わせて用いられる。このような使用状態で下釜12と上釜52とを合わせると、卵を1個収容できる収容空間が形成されることとなる。下釜12及び上釜52で形成される収容空間は、市販のLサイズ又はLLサイズの卵を収容できる大きさに形成されている。収容空間をこのような大きさに形成することで、当該サイズよりも小さいMサイズ、MSサイズ、Sサイズ、SSサイズ等、種々の大きさの卵を収容することができる。下釜12及び上釜52は、収容空間の形状が、概ね、卵の外形に類似の楕球形状に形成されている。収容空間の楕球形状は、楕円を三次元に拡張したような形状であり、楕円体ともいえる。下釜12及び上釜52は、本実施の形態では、収容空間の楕球形状における長軸が、鉛直上下に延びる向きで使用されるように構成されている。
【0025】
図4に下釜12の縦断面図を示す。下釜12は、内部に、収容空間Sの下半分が形成されている。下釜12は、上面の開口の外周に、下接触部13が設けられている。下接触部13は、下本体10(
図1参照)に上本体50(
図1参照)を合わせた閉蓋状態(
図3参照)のときに、上釜52が接触する部分であり、第1接触部に相当する。下接触部13は、下釜12の上面の開口から外側に広がるように幅広に形成されている。下接触部13の幅は、下釜12の平均的な厚さの約2~5倍、好ましくは約3~4倍に形成されている。下接触部13の上面は、本実施の形態では、水平に広がる平坦に形成されている。
【0026】
下釜12は、内面(収容空間Sを形成する面)の底部に、平坦部14が形成されている。平坦部14は、全体として卵の外形に類似の楕球形状を呈する下釜12の内面のうちで、平面となっている部分である。仮に平坦部14がなくて当該部分も楕球状である場合、卵を、その曲率が最大となる部分を下端にして下釜12に載置したときに、卵が立ってしまい、その卵は、下端以外の下釜12との間全体に空気が介在してしまうことがあり得る。本実施の形態における下釜12は、平坦部14が形成されているので、卵を下釜12に載置したときにその卵が立ってしまうことを防ぐことができ、卵の下端と、卵の側面の少なくとも一部との、少なくとも2点で下釜12の内面に接することとなる。このため、卵と下釜12との接触面積を確保することができ、下釜12から卵への熱伝達が低下することを抑制することができる。なお、平坦部14は、卵が立たない大きさとすればよいが、例えば10mm2、15mm2、20mm2、25mm2、30mm2程度としてもよい。
【0027】
下釜12は、収容空間Sを形成する内面に、フッ素コーティングが施されている。フッ素コーティングは、典型的にはフッ素樹脂コーティングである。下釜12の内面は、フッ素コーティングが施されていることで、水との接触角が大きくなり、水との接触面積を減少させることができる。このため、下釜12に収容した卵を加熱した際に、卵から水分が出た場合でも、この水分への伝達熱量を抑制することができて、卵から出た水分の突沸を防ぐことができる。また、下釜12の内面にフッ素コーティングが施されていることで、下釜12の内面に汚れが付着することを抑制することができる。
【0028】
下釜12は、外面に、円錐側面15が形成されている。円錐側面15は、円錐の側面の形状となっている。換言すれば、円錐側面15は、縦断面において直線状に形成されている。円錐側面15は、本実施の形態では、下釜12の上部2/3~3/4の位置に形成されている。換言すれば、下釜12は、下接触部13から、鉛直下方に(収容空間Sの長軸方向に)向かって下釜12の高さの2/3~3/4の範囲の外面に、円錐側面15が形成されている。下釜12の外面は、円錐側面15以外の部分は、概ね惰球状に形成されている。したがって、下釜12の外面の円錐側面15以外の部分は、縦断面において曲線状に形成されている。下釜12の厚さは、部分によって異なるものの、本実施の形態では平均して1mm~2mm程度に形成されている。本実施の形態では、下釜12の厚さを比較的小さくすることにより、下釜12の熱容量を比較的小さくして、面状ヒータ17(
図2及び
図1参照)の発熱を効果的に卵へ伝えることができるようにしている。
【0029】
面状ヒータ17(
図2及び
図1参照)は、下釜12の円錐側面15に取り付けられ、下釜12を加熱するものであり、発熱部材に相当する。面状ヒータ17は、本実施の形態では、電気エネルギーを入力して熱に変換する、シート状の発熱体である。面状ヒータ17は、下釜12の外面に巻いたときに、下釜12の円錐側面15に適合するように構成されている。つまり、面状ヒータ17は、展開すると(平面の形状が)、大きな扇形の中心部分まわりを小さな扇形で取り除いた形状になっている。下釜12の円錐側面15の縦断面が直線状に形成されているので、面状ヒータ17を円錐側面15に隙間なく取り付けることができる。面状ヒータ17は、シート状のものを扇形に形成することで製造することができるので、製造効率の低下を抑制することができる。面状ヒータ17は、収容空間に収容した卵を200℃程度まで加熱することができる出力を有していることが好ましい。面状ヒータ17は、加熱温度が、上限温度よりも低い、例えば180℃、160℃、130℃、120℃、100℃、85℃等のあらかじめ決められた温度になるように、又は無段階で任意の温度になるように、出力を調節できるように構成されているとよい。
【0030】
再び
図1~
図3に戻り、上釜52は、下面の開口の外周に、上接触部53が設けられている。上接触部53は、閉蓋状態(
図3参照)のときに、下釜12が接触する部分であり、第2接触部に相当する。上接触部53は、上釜52の下面の開口から外側に広がるように幅広に形成されている。上接触部53の幅は、典型的には下接触部13の幅と同等か下接触部13の幅よりも狭い(下接触部13の幅の0.8~0.9倍程度)が、下接触部13の幅よりも広くてもよい。しかしながら、上接触部53の幅を狭くすることで、上釜52の体積を減少させることができ、上釜52の熱容量を小さくすることができて、面状ヒータ17で発生した熱のより多くを、卵の加熱に利用することができる。上釜52は、本実施の形態では、内面(収容空間を形成する面)全体が楕球形状に形成されている。つまり、本実施の形態では、上釜52の内面には、下釜12の平坦部14に対応する平坦な部分が形成されていない。他方、上釜52は、収容空間を形成する内面に、下釜12の内面と同様に、フッ素コーティングが施されている。上釜52は、外面の形状が、内面の形状と概ね相似形の楕球形状に形成されている。上釜52は、典型的には、上接触部53を除く全体の厚さが概ね均一に形成されている。
【0031】
下本体10は、前述した下釜12及び面状ヒータ17のほか、本実施の形態では、さらに、断熱円筒19と、下外装25と、基板37と、その他の
図2に示した部品とを備えている。以下、下本体10を構成する、下釜12及び面状ヒータ17以外の各部材を説明する。断熱円筒19は、下釜12の円錐側面15に巻き付けられた面状ヒータ17の外側に取り付けられ、面状ヒータ17を下釜12に密着させるものであり、カバーに相当する。断熱円筒19は、防水性及び耐熱性に優れた材料が用いられるとよく、典型的にはシリコーンが用いられる。断熱円筒19は、円錐から先端部分を除いて中空にしたような環状に形成されており、内側の大きさが、円錐側面15に巻き付けられた面状ヒータ17よりも一回り小さくなっている。断熱円筒19は、下釜12に取り付ける際、弾性変形させて内径を広げた状態で、円錐側面15に巻き付けられた面状ヒータ17を包み込む。その後、断熱円筒19を広げていた外力を取り除くと、弾性力により縮み、面状ヒータ17と共に下釜12に密着することになる。この断熱円筒19の働きにより、面状ヒータ17を下釜12から浮かずに密着させることができると共に、面状ヒータ17に水分が侵入することを防ぐことができる。なお、断熱円筒19と面状ヒータ17との間に、アルミニウム等で形成された薄板円筒18を設けてもよい。
【0032】
下外装25は、面状ヒータ17等が取り付けられた下釜12を収容するケースである。下外装25は、卵調理器1の使用者が直接触れることが多い部品となる。下外装25は、軽量化を図る観点及び成形のしやすさの観点から、典型的には合成樹脂で形成されている。しかしながら、下外装25は、剛性を高める観点から、金属等の、合成樹脂以外の材料で形成されていてもよい。下外装25は、下釜12等を収容する円筒状の部分26と、当該円筒状の下端に接続された楕円状の部分27とを有している。楕円状部分27の構成は、円筒状部分26の下端よりも一回り大きい円の2つが、中心が離れて相互に重なり合い、この2つの円弧の間を、この2つの円の中心を結んだ仮想直線に平行な直線でつないだ形状となっている。換言すれば、楕円状部分27は、長方形の長手方向両端を半円弧とした形状となっている。楕円状部分27の2つの円のうちの一方と、円筒状部分26とは同心に配置されている。楕円状部分27の2つの円のうち、円筒状部分26とは同心ではない方の円の上面には、使用者が操作をするつまみ31や表示部33が設けられている。つまみ31は、柱状(本実施の形態では円柱状)に形成されており、柱状の軸線まわりに回すことで、卵調理器1のオン-オフ、卵を加熱する際の温度や時間の設定を行うためのものである。温度の例として、130℃と160℃とから選択できるようになっていてもよい。時間の例として、最大20分までの間で1分刻みで設定できるようになっていてもよい。なお、つまみ31に代えて、又はつまみ31と共に、ボタンやタッチパネル等を用いて、つまみ31の機能の全部または一部を実現させてもよい。表示部33は、例えば、調理の残り時間、調理の種類(焼き卵やゆで卵等)、起動の有無等、卵調理器1の操作に必要な表示を設けることができる。下外装25の円筒状部分26の上部側面には、上本体50の一部が嵌まる窪み29が形成されている。窪み29は、平面視(円筒状部分26の上端から見た状態)において、円周方向に等間隔で複数が形成されており、本実施の形態では120°間隔で3箇所が形成されている。
【0033】
下外装25は、上方から下釜12等が嵌め込まれ、下方からは下断熱樹脂35が嵌め込まれている。下断熱樹脂35は、下釜12等を収容する椀状の部材であり、断熱円筒19を外側から覆う大きさに形成されている。また、下釜12と円筒状部分26との間には、下シリコン16が挿入されている。下釜12と円筒状部分26との隙間を下シリコン16で塞ぐことで、楕円状部分27の内側に水分が侵入することを防いでいる。下シリコン16は、典型的には、耐熱性を有するシリコーンによってリング状(環状)に形成されている。下外装25は、下釜12等と下断熱樹脂35とに挟まれている。下外装25に嵌め込まれた下釜12には、温度センサ23(
図2参照)が取り付けられている。温度センサ23は、下釜12の温度を検出する部品である。温度センサ23は、下釜12の外面の、円錐側面15よりも下方に取り付けられている。この位置に取り付けられていることにより、温度センサ23は、面状ヒータ17の影響を極力排除して、下釜12の温度を検出することができるようになっている。なお、温度センサ23を、下釜12に埋め込むこととしてもよい。
【0034】
基板37は、卵調理器1を作動させるための電子回路が実装された部品である。基板37には、面状ヒータ17への電力の供給を調節する回路や、前述のつまみ31及び表示部33等が実装されており、制御装置の機能を有している。また、基板37には、温度センサ23が電気的に接続されており、温度センサ23で検出された温度に基づいて面状ヒータ17への出力を調節するように構成されている。基板37は、下外装25の楕円状部分27の2つの円のうちの円筒状部分26とは同心ではない方の円の下方に設置されている。基板37には、典型的には、外部からの電力(典型的には商用電源)を入力するためのケーブル(不図示)が接続されている。なお、外部電力入力ケーブル(不図示)に代えて、バッテリ(乾電池を含む)を装着可能な構成であってもよい。下外装25に下断熱樹脂35や基板37が装着された後、下外装25の底面には底蓋39が取り付けられる。下外装25に底蓋39が取り付けられることにより、下断熱樹脂35や基板37等が、下外装25及び底蓋39に覆われることとなる。底蓋39は、典型的には、下外装25と同じ材料で形成されている。底蓋39の底面は、卵調理器1を使用する際にテーブルや調理台の上に安定して載置することができるように、平坦に形成されている。このように、下本体10が構築されている。
【0035】
上本体50は、前述した上釜52のほか、本実施の形態では、上外装56を備えている。上外装56は、上釜52を収容するケースである。上外装56は、卵調理器1の使用者が直接触れることが多い部品となる。上外装56は、軽量化を図る観点及び成形のしやすさの観点から、典型的には合成樹脂で形成されている。しかしながら、上外装56は、剛性を高める観点から、金属等の、合成樹脂以外の材料で形成されていてもよい。上外装56は、全体として、円筒状に形成されている。上外装56の円筒状の直径は、下外装25の円筒状部分26の直径と同じになっている。上外装56は、円筒状の一端に上接触部53が現れるようにして、上釜52が収容されている。上釜52は、上シリコン55を介して上外装56に取り付けられている。上シリコン55は、耐熱性を有するシリコーンによってリング状(環状)に形成された部品である。上シリコン55は、本実施の形態では、外径が上外装56の内径に等しく、内径が上釜52の上接触部53との境界の外径に等しい大きさに形成されている。上シリコン55を介して上釜52が上外装56に取り付けられることにより、上釜52の上接触部53が現れる上外装56の端面において、上接触部53と上外装56との間には、上シリコン55がリング状に現れることになる。上外装56に収容された上釜52には、上釜52を加熱するためのヒータが設けられていない。つまり、上本体50はヒータを有していない。上釜52は、加熱された下釜12に接触することによる下釜12からの熱伝達によって加熱されるように構成されている。なお、図示は省略するが、上釜52から外側への放熱を防ぐために、上釜52の外面全体を断熱材で覆ったうえで、上釜52を上外装56に収容することが好ましい。
【0036】
上外装56は、上接触部53が現れる端面とは反対側の円筒状の端面が、上蓋57で塞がれている。上蓋57の外側には、取っ手58が設けられている。上外装56は、上接触部53が現れる側の円筒状の端面の周囲に、円筒状の軸線方向外側に突き出る突起59が形成されている。突起59は、上本体50を下本体10に合わせたときに、下外装25の窪み29に嵌まるように構成されている。したがって、突起59は、円周方向に等間隔で複数が形成されており、本実施の形態では120°間隔で3箇所が形成されている。
【0037】
このように構成された上本体50は、下本体10に対して完全に分離可能であり、下本体10に合わせた閉蓋状態のときに、下本体10に載置された状態となる載置構造になっている。閉蓋状態のときに、上本体50が下本体10に対して載置された構造になっていることにより、上本体50に装着された上釜52は、下本体10に装着された下釜12に載置される載置構造となっている。ここで、載置構造とは、蝶番等の機械的な接続部がなく載せただけで閉蓋状態となる、完全分離が可能な構造である。上本体50が下本体10に載置された閉蓋状態になったとき、下釜12の下接触部13の上面全体に上釜52の上接触部53が接触して、収容空間Sが密閉されるようになっている。上本体50は、下本体10に対して載置構造であると共に、ヒータを有していないことで、上釜52の水洗いが可能になっている。
【0038】
そして、上本体50は、全体の重量が所定の重量になっている。ここでの所定の重量は、密閉された収容空間Sの内部圧力が所定の圧力になるまでは上本体50が下本体10から離れず、所定の圧力を超えたときに上本体50が持ち上げられて収容空間Sの密閉が解かれる重量である。所定の圧力は、収容空間S内で加熱された卵から出た水分の蒸発によって上昇した収容空間Sの内部圧力の許容できる上限の圧力である。したがって、収容空間Sの内部圧力の許容できる上限値から、上本体50の重量を決定すればよい。上本体50の重量は、典型的には、上釜52と、上シリコン55と、断熱材と、上外装56とを合計した重量であるが、この合計重量が所定の重量に満たない場合は、上釜52と上外装56との間に錘(不図示)を取り付ける等により、上本体50の重量を調節すればよい。上本体50の所定の重量は、例えば、300g、500g、200g等、蒸気逃がし圧力を勘案して適切に決定すればよい。
【0039】
引き続き
図1~
図4を参照して、卵調理器1の作用を説明する。卵調理器1を使用するのに際し、まず、電源に接続する。次に、上本体50の取っ手58をつかみ、上本体50を持ち上げて下本体10から外す。こうして現れた下釜12の内部の惰球状の部分に、調理する卵を入れる。このとき、上本体50が下本体10から完全に分離可能なので、下釜12に卵を入れやすい。また、下釜12の底部には平坦部14が形成されているので、卵が下釜12内で立ってしまうことを防ぐことができ、少なくとも2点で下釜12の内面に卵を接触させることができる。下釜12に卵を入れたら、上本体50を下本体10に載置する。このとき、上外装56の各突起59が、下外装25の各窪み29に嵌まるようにして、上本体50を下本体10に載置する。このようにすることで、上本体50の位置が下本体10に対して大きくずれることを防ぐことができる。本実施の形態では、上本体50を下本体10に載置する前に、下釜12内に水を入れなくてもよい。上本体50が下本体10に載置されると、下釜12の下接触部13の上面全体に、上釜52の上接触部53が接することとなる。このとき、下接触部13に幅があるので、上本体50を下本体10に嵌めたときの遊びによって下本体10に対する上本体50のずれが生じた場合でも、下接触部13の上面全体への上接触部53の接触を維持することができる。下接触部13の上面全体に上接触部53が接することで、下釜12及び上釜52の内面で形成される収容空間Sが密閉されることとなる。
【0040】
卵を収容空間Sに収容したら、つまみ31を操作して、卵の加熱温度及び加熱時間をセットし、調理をスタートさせる。調理が開始すると、基板37を介して面状ヒータ17へ電力が供給され、面状ヒータ17は発熱する。面状ヒータ17で発生した熱は、円錐側面15から下釜12へ伝わる。このとき、円錐側面15に面状ヒータ17が隙間なく巻き付けられているので、面状ヒータ17の発熱を効率よく下釜12に伝達させることができる。面状ヒータ17から円錐側面15に伝達した熱は、下釜12全体に伝導し、下釜12全体の温度が上昇する。その後、全体の温度が上昇してきた下釜12から、相互に接している下接触部13及び上接触部53を介して、上釜52に熱が伝達する。下釜12から上釜52に伝達された熱は、上釜52全体に伝導し、上釜52全体の温度が上昇する。本実施の形態では、下釜12及び上釜52がアルミニウムで形成されているので、下釜12及び上釜52の全体に効率よく熱が伝わり、下釜12及び上釜52の温度を迅速に上昇させることができる。このように、面状ヒータ17を上釜52に設けずに下釜12だけに設け、下釜12だけを発熱させて上釜52に熱伝達させる構造により、卵調理器1の装置構成を単純化できて、コスト低減及び手入れ容易性の向上を実現することができる。
【0041】
下釜12及び上釜52の温度が上昇すると、内部に収容されている卵に熱が伝わり、卵が加熱される。卵が加熱されている最中、温度センサ23は下釜12の温度を検出している。基板37は、温度センサ23で検出された温度が、調理の開始時に設定した温度に対して適切な温度となるように、面状ヒータ17の出力を制御している。このようにして卵が加熱されると、卵に含まれていた水分が出てきて、出てきた水分が蒸発することがある。本実施の形態では、下釜12及び上釜52の内面にフッ素コーティングが施されているので、卵から出た水分が下釜12及び上釜52の内面に広がることを抑制することができ、卵から出た水分の突沸を防ぐことができる。また、密閉された収容空間S内で蒸気が発生すると、収容空間Sの内部の圧力が上昇する。収容空間Sの内部圧力が上昇し、所定の圧力を超えると、上本体50が当該圧力によって持ち上げられる。上本体50が持ち上げられると、下釜12と上釜52との間に隙間が生じ、この生じた隙間を通って、収容空間S内の蒸気が外部へ流出する。収容空間S内の蒸気が外部へ流出し、収容空間S内の圧力が所定の圧力以下に下がると、上本体50は、その自重により、下本体10に載置される。これにより、再び下接触部13の上面全体に上接触部53が接触し、収容空間Sが密閉される。下本体10及び上本体50には、特に蒸気の逃がし穴が形成されていないので、下接触部13及び上接触部53の周方向のどこからでも蒸気が吹き出し可能であり、適宜に分散して蒸気が排出される。卵調理器1の作動中、典型的には、発生した蒸気による上本体50の持ち上げが複数回行われることとなる。この上本体50の開閉動作により、下本体10に対して上本体50が水平方向にずれることがあり得る。本実施の形態では、下接触部13の幅が広めに形成されていることで、上釜52が水平方向にずれたり移動したりしても、下接触部13と上接触部53との接触を確保することができ、下釜12から上釜52への熱伝達を継続することができる。
【0042】
上述の要領で卵を加熱することで、鍋やフライパンを用いることなく、卵を加熱調理することができる。本実施の形態の卵調理器1を用いた場合、下釜12に卵を入れた際に水を加えることがないという意味において無水で調理するので、下釜12及び上釜52の熱を直接卵に伝達させることができる。そして、密封・無水で調理することで、素材の旨味が閉じ込められて、卵本来のおいしさ及び栄養を逃がさずに調理することができる。卵調理器1を作動させ、最初に設定した時間が経過すると、卵の加熱調理が終了する。なお、設定時間が経過したときに、音やメローディーを流し、及び/又は光を出して、調理の完了を知らせることとしてもよい。調理が終了したら、上本体50の取っ手58をつかみ、上本体50を持ち上げて下本体10から外すことで、調理済みの卵を簡単に取り出すことができる。なお、調理直後の卵は高温になっているので、専用トングで調理直後の卵を簡単に取り出し可能にしてもよい。また、卵調理器1は、卵を入れて時間を設定しスタートするだけの簡単操作で、無水調理のために味が濃厚で焼き卵の風味が楽しめる卵を作ることができる。また、加熱時間の設定で、半熟や固焼き等の好みの状態に調理することが可能となる。また、調理に対する準備と後片付けが不要、小型軽量で取り扱いが容易という利点もある。
【0043】
以上で説明したように、本実施の形態に係る卵調理器1によれば、上釜52にヒータを設けずに、面状ヒータ17で加熱された下釜12から伝達された熱で卵の上部を加熱するので、構造を簡素にすることができる。また、下釜12の底部に平坦部14が形成されているので、下釜12内に卵を入れたときに卵が立ってしまうことを防ぐことができ、下釜12から卵への伝熱を確保することができる。また、下接触部13及び上接触部53が幅広になっているので、閉蓋状態のときに下釜12と上釜52との接触が不良になることを抑制することができる。また、下釜12及び上釜52の内面にフッ素コーティングが施されているので、卵から出た水分が下釜12及び上釜52の内面に広がることを抑制することができ、卵から出た水分の突沸を防ぐことができる。また、上本体50を下本体10に載置する構造としているので、密閉された収容空間S内で水分が蒸発したときに、内部圧力の上昇によって上釜52が下釜12から離れることができ、内部で発生した蒸気を外部へ逃がすことができる。
【0044】
以上の説明では、下釜12が卵の下半分を覆い、上釜52が卵の上半分を覆うこととした。ここで、下釜12及び上釜52のそれぞれが卵を覆う「半分」は、厳密に半分であることを要求するものではなく、両者で卵全体を覆うことができればよい。さらに、下釜12及び上釜52で卵全体を覆うことができれば、それぞれが概ね半分の割合で覆う場合以外の、例えば、6:4、7:3、8:2等(比率は逆でもよい)で覆うこととしてもよい。しかしながら、下釜12及び上釜52と、収容した卵との隙間を極力小さくする観点から、概ね半分の割合で覆うこととするのが好ましい。
【0045】
以上の説明では、下釜12及び上釜52がアルミニウムで形成されていることとした。しかしながら、下釜12及び/又は上釜52は、銅や鉄等の、アルミニウム以外の金属で形成されていてもよく、耐熱樹脂や耐熱ガラス等で形成されていてもよい。しかしながら、下釜12及び上釜52は、伝熱性能、耐食性、入手容易性等を総合的に勘案して、アルミニウムで形成されていることが好ましい。また、以上の説明では、下釜12及び上釜52は、同じ材料で形成されていることとしたが、異なる材料で形成されていてもよい。
【0046】
以上の説明では、下釜12及び上釜52で形成される収容空間が、さまざまな大きさの卵を加熱調理することができるようにする観点から、市販のLサイズ又はLLサイズの卵を収容できる大きさに形成されていることとした。しかしながら、調理する頻度の高い大きさの卵に最適となるように、より小さい大きさの卵に適した大きさの収容空間となるように下釜12及び上釜52を形成してもよい。下釜12及び上釜52の内面形状が卵に適合していて平坦部14がなくても卵と下釜12及び上釜52の内面との間に大きな隙間が生じない場合は、平坦部14を形成せずに下釜12の内面全体を惰球状にしてもよい。
【0047】
以上の説明では、下釜12及び上釜52の収容空間Sを形成する内面に、フッ素コーティングが施されていることとしたが、フッ素コーティングに代えて、セラミックコーティングが施されていてもよい。
【0048】
以上の説明では、発熱部材が面状ヒータ17であることとしたが、ニクロム線、ニクロムリボンヒータ、シースヒータ等であってもよい。
【0049】
以上の説明では、下釜12と上釜52とが鉛直方向に分離することとしたが、水平方向や斜め方向に分離する構成としてもよい。
【0050】
以上の説明では、上本体50が下本体10に対して載置構造を有することとしたが、ヒンジ(着脱ヒンジを含む)を介して接続されていてもよい。上本体50及び下本体10をヒンジを介して接続することとすると、開蓋状態としたときに上本体50を持っていたり別の場所に置いて管理する煩わしさから解放されることとなる。上本体50及び下本体10がヒンジを介して接続される場合、開蓋状態は、下釜12に対して卵を出し入れできる程度に開くことができれば足りる。このように、上本体50及び下本体10がヒンジを介して接続されていてもよいが、上本体50を載置構造とすると、収容空間Sの内圧が上昇したときに、蒸気を好適に逃がすことができることとなり、好ましい。
【0051】
以上の説明では、卵調理器1の使用者が加熱温度及び加熱時間を設定することとした。しかしながら、下釜12に入れられた卵の重量を計測する重量センサを設け、計測した卵の重量と、設定した調理の仕上がり(焼き卵、半熟等)から基板37が加熱温度及び加熱時間を算出して、自動で加熱温度及び加熱時間を制御することとしてもよい。
【0052】
以上の説明では、卵調理器1は、収容空間Sの内部の圧力が上昇したときに、下接触部13及び上接触部53の周方向のどこからでも蒸気が吹き出し可能であることとした。しかしながら、卵調理器1の使用状態を考慮して、収容空間Sの内部の圧力が上昇したときに、下接触部13及び上接触部53の周方向のあらかじめ決定した特定の位置から蒸気が吹き出すように構成してもよい。
【0053】
以上の説明では、本発明の実施の形態に係る卵調理器を、一例として主に
図1乃至
図4を用いて説明したが、各部の構成、構造、数、配置、形状、材質などに関しては、上記具体例に限定されず、当業者が適宜選択的に採用したものも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0054】
1 卵調理器
12 下釜(第1の釜)
13 下接触部(第1接触部)
17 面状ヒータ
19 断熱円筒(カバー)
52 上釜(第2の釜)
53 上接触部(第2接触部)