(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156354
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】有機系廃棄物の処理システム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/65 20220101AFI20221006BHJP
B09B 3/70 20220101ALI20221006BHJP
C02F 11/04 20060101ALI20221006BHJP
C02F 11/08 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B09B3/00 C ZAB
B09B3/00 304H
C02F11/04 A
C02F11/08
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021059991
(22)【出願日】2021-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】521136264
【氏名又は名称】テラサークルテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085257
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 有
(72)【発明者】
【氏名】水口 浩
【テーマコード(参考)】
4D004
4D059
【Fターム(参考)】
4D004AA01
4D004AC05
4D004BA03
4D004CA15
4D004CA18
4D004CA39
4D004CB04
4D004CB28
4D004CC07
4D004DA03
4D004DA06
4D059AA07
4D059AA23
4D059BA15
4D059BA16
4D059BC03
4D059BJ03
4D059CA01
4D059CA14
4D059CC01
4D059EB08
4D059EB10
4D059EB16
(57)【要約】
【課題】 食品残渣などの有機系廃棄物からバイオガスのみでなく堆肥原料も効率よく製造できる有機系廃棄物の処理システムを提供する。
【解決手段】
消化液は再び高温高圧水解処理装置1の反応槽4に送られ高温高圧水解処理が行われる。また、高温高圧水解処理装置1の反応槽4で有機系廃棄物を低分子化と滅菌した後、反応槽4内を空にし、この反応槽4内に発酵槽12からの消化液を送り込む。送り込まれた消化液は高温高圧水解処理されることで悪臭の基になる化合物や菌や有機系毒物が分解または失活され、固液分離装置17の下流側に従来のように高度水処理装置を配置することなく、固液分離装置17で分離した水を河川に放流することが可能になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温高圧水解処理装置で有機系廃棄物を高温高圧水解による低分子化と解重合を行い、この低分子化と解重合した有機物を可溶化槽を介さずに発酵槽にてメタン発酵させ、バイオガスを生成し、前記発酵槽で発生したバイオガス発生後の残滓としての消化液を、悪臭の除去や無菌化や有機毒の分解や固液分離し易くする高温高圧水解処理装置を設けたことを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記有機系廃棄物を低分子化と解重合する高温高圧水解処理装置で、反応槽加熱装置と過熱蒸気発生装置を付帯させた装置の処理条件は0.2~3MPa、120~300℃、5分~1時間程度とし、発酵槽からの処理液を処理する高温高圧水解処理装置の処理条件は0.5~2MPa、120~300℃、10分~1時間とすることを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記有機系廃棄物を低分子化と解重合する高温高圧水解処理装置及び消化液を処理する高温高圧水解処理装置は同一の装置の使用時間をずらして使用することを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加水分解領域と亜臨界水処理領域(以下、「高温高圧水解」と呼ぶ)を用いて食物残渣などの有機系廃棄物を分解し、バイオガスを発生し発電ならびに熱源として使用するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
日本には、数多くのメタンガス発生を基とする発電システムが存在するが、発電量が低すぎて、採算に乗らないことが多い。これらの原因は、メタンガスの発生量が少なく採算に乗らない場合と、従来型に見られる可溶化(スラリー)槽が必要なため、それを温める熱源として、メタンガスを使用するため、発電に供されるメタンガス量が減って、結果として発電量が大幅に減ってしまう場合が多く見られる。
又、発酵槽から排出される消化液は、強烈な悪臭や菌を放つことから、液肥として十分な効果があるにも係わらず、大半は廃棄物として処理されていた。
【0003】
有機系廃棄物を直接可溶化槽に投入しスラリー化後、発酵槽に投入すると、可溶化槽の処理時間や加熱などで、イニシャルコストやランニングコストが大きくかかる。
しかし、有機系廃棄物を高温高圧水解で処理すると可溶化槽を不要とし、バイオガス発生までの時間が大幅に短縮され、加えてバイオガス発生量が増大する。
【0004】
特許文献1には、有機系廃棄物を処理するための高温高圧水解処理装置として、飽和蒸気を発生するボイラと、このボイラからの飽和蒸気を高温高圧水解状態の過熱蒸気に変換する加熱蒸気発生装置と、この加熱蒸気発生装置からの加熱蒸気を反応槽の天井部から供給する加熱蒸気供給路と、前記反応槽の筐体外側に沿って配置され前記過熱蒸気発生装置からの過熱蒸気を前記ボイラに戻す循環経路とから構成される装置が提案されている。
【0005】
特許文献2及び3には、有機性廃棄物処理システムとして、有機性廃棄物を低分子化する高温高圧水解処理装置と、低分子化された有機性廃棄物からメタン生成菌によりバイオガスを生成するメタン発酵装置と、メタン発酵により生成されたバイオガスから二酸化炭素を取り除くガス精製装置と、メタン発酵により生成された消化液から有害物質を加圧浮上分離させる固液分離装置とを備えるものが記載されている。
【0006】
特許文献4には、生ごみを破砕してスラリー状とし、搾液とケーキに分離する工程、該搾液をメタン発酵させて生成したガスを回収する第1ガス回収工程、該ケーキに水を混合する工程、該ケーキと水の混合物を該第1槽リアクター内で高温高圧水解処理する工程、該第1槽リアクターの内容物をバッファータンクで貯蔵する工程、該内容物をメタン発酵して生成されたガスを回収する第2ガス回収工程、前記工程で生成されたガスを精製してメタンガスを回収する工程からなるバイオガス回収方法が記載されている。
【0007】
特許文献5には、有機性廃棄物を可溶化処理したのち、嫌気性細菌により分解してバイオガスを得るメタン発酵処理として、有機性廃棄物を密閉された処理容器中で高温高圧水解により処理した後、加圧状態である高温高圧水解処理物を減圧させることで脱水させて脱水処理物を得、この脱水処理物をメタン発酵処理槽に投入してメタン発酵させることが記載されている。
【0008】
また、非特許文献1には、食品廃棄物からメタン発酵を行う工程に、亜臨界水処理技術を導入した場合、プラスチックの分解により、入口側(原料)において分別手間の軽減が期待されるとともに、出口側(製造)において、処理による栄養価の向上、高温下での処理による殺菌効果が期待されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第6737561号公報
【特許文献2】特許第6755057号公報
【特許文献3】特許第6755058号公報
【特許文献4】特開2013-034988号公報
【特許文献5】特開2009-119378号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】https://www.maff.go.jp/j/shokusan/biomass/attach/pdf/arinkai-9.pdf(メタン発酵前処理施設としての亜臨界水処理施設の導入検討)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図4は上記した先行技術を適用した従来の有機系廃棄物の処理システム(バイオガス発電システム)の概略図である。
この図に示すように、有機系廃棄物は加水分解や亜臨界水処理装置において低分子化され、次いで可溶化槽にてスラリー化し、発酵槽においてメタン生成菌によりバイオガスを生成する。生成されたバイオガスはメタンガスの他に二酸化炭素や硫化水素を含んでいるため、脱硫装置及びガス精製装置を経てメタンガスが発電装置に燃料として供給される。
【0012】
発酵槽が湿式か乾式かの種類によって、水分を調整する必要がある。
【0013】
発酵槽内に残った消化液は固液分離槽で固形分を除去した後、ろ過膜を使用した高度水処理装置を経て排水される。
【0014】
上述した従来の有機系廃棄物のバイオガス化において、可溶化槽の存在により、イニシャルコストが高く、可溶化槽を加熱するためのエネルギーロスが増える。又、可溶化日数が1週間から10日間程度必要とするため、ランニングコストもかかる。加えて、発酵槽内に残った消化液を固液分離槽にそのまま投入すると、悪臭や発酵菌の飛散、また害虫が発生することがある。更に、固液分離槽で分離できない固形分を除去するために、高度水処理装置が必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解消するため本発明は、有機系廃棄物を高温高圧水解処理により、低分子化並びに解重合し、バイオガスが発生しやすい状態にした有機物を可溶化槽を介せずに、直接、発酵槽に投入しメタン発酵させバイオガスを生成する有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記発酵槽で発生したバイオガスの残滓としての消化液を処理する高温高圧水解を設けた。
【0016】
上記構成において、有機系廃棄物を低分子化と解重合する高温高圧水解の処理条件は0.2~2MPa、100~300℃、5分~1時間程度とし、発酵槽からの処理液を処理する亜臨界水処理装置の処理条件は0.2~2MPa、100~300℃、30分以上とするのが好ましい。
【0017】
また、1つの高温高圧水解処理装置を効率よく使用するため、先ず高温高圧水解処理装置で有機系廃棄物を低分子化と解重合し、この後、高温高圧水解処理装置の処理室を空にし、この処理室内に発酵槽での発酵後の消化液を供給して処理することも可能である。
【0018】
有機物を加水分解状態や亜臨界水処理状態(以下、「高温高圧水解処理状態」という)におくと、低分子化と解重合されることは良く知られている。加水分解とは、水がヒドロキシ基と水素(プロトン)に分かれ、分解生成物が得られる反応と定義されている。一方、亜臨界水処理とは、高温高圧下において、蒸気が反応することにより、低分子化が行われると定義されており、そこに差異があることが、明文化されている。
【0019】
しかし、高温高圧下の液状水に有機物を置くと、細分化が行われても、低分子化は進まない。従って、当該発明は、一定条件の高温高圧水解の状態において有機物を蒸気に触れさせると、バイオガスの発生量の増大や発生するまでの時間の短縮等に著しい効果が見られることから、加水分解装置等に加熱蒸気発生装置と筐体加熱装置を取り付け、分解の程度を調整できるようにし、バイオガスの増大を図った。
【0020】
加えて、メタンガス発酵槽は、中温発酵と高温発酵に分かれるが、どちらも一定温度以上に温められた有機物を使うことにより、原材料の投入時に起こる発酵槽内温度の低下を防ぎ、発酵が促進される。
【0021】
又、メタンガスの発酵槽は、湿式と乾式が見られるが、どちらも水分調整を必要とするが、当該装置には、筐体加熱装置と過熱蒸気発生装置が付与されているため、水分含有量が多い物質の時は、筐体加熱装置と過熱蒸気発生装置から生み出される加熱蒸気とにより、水分含有量を減らしながら、有機系廃棄物を適正分解することができる。
【0022】
又、水分含有量が低い物質のときには、低温度の飽和蒸気を投入することにより、水分を増やしながら、反応槽内の温度を下げ凝縮水を産み、水分含有量を増やすことができる。
以上のことから、水分含有量の多寡に係わらず、バイオガスの発生時期の短縮や発生量を増やすことができる。
【0023】
又、筐体加熱装置にて使用した蒸気は、高温が保たれているので、循環させ再度ボイラに戻すことにより、熱の回収と熱効率を上げようとするもので、コンデンサーや熱交換器を使用しても構わないが、水は無駄に使用されることになる。
【0024】
発酵槽内でのメタン発酵によりバイオガスと共に消化液が生じるが、高温高圧水解処理を行うと消化液の量が減る。この消化液は再び亜臨界水処理装置の反応槽に送られ高温高圧水解処理が行われる。また、亜臨界水処理装置の反応槽で有機系廃棄物を低分子化と滅菌した後、反応槽内を空にし、この反応槽内に発酵槽からの消化液を送り込む。送り込まれた消化液は高温高圧水解処理されることで悪臭の基になる化合物や菌や有機系毒物が分解または失活され、固液分離装置の下流側に従来のように高度水処理装置を配置することなく、固液分離装置で分離した水を河川に放流することが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、高温高圧水解処理により、有機物をバイオガス発生菌が分解し、バイオガスを発生し易い顆粒化状態や水分を調整し、活動し易い物質を発酵槽に投入すると、発酵槽におけるバイオガス発生量が増える。又、発酵後の消化液を高温高圧水解処理した後に固液分離装置を通して処理するようにしたので、固液分離装置において菌の飛散などによって悪臭が発生することがない。
【0026】
また、従来にあっては、亜臨界水処理と特定していたが、従来の亜臨界水処理装置は、水分調整ができないため、分解が進んでいない状態が多々見られ、イメージだけで終わっていたが、筐体加熱装置や過熱蒸気発生装置を設けた加水分解装置等にすると、バイオガスの発生時間の短縮、発生量の増大などの効果が見られた。
【0027】
消化液を未処理状態で液肥として使用するとバイオガス発生菌や悪臭や内部の固形物があるため、極めて使いにくい液肥として扱われ、多くは廃棄されていた。それらの問題を取り除くために、固液分離を行うが、固液分離時の悪臭、菌の飛散、害虫の発生等の公害を発生している。又、装置にて固形分が除去された水は、ろ過膜を組み込んだ高度水処理装置を介して廃棄していたため、コストアップになっていたが、本発明によれば、高度水処理装置を省略することができ、公害防止やコストダウンにつながる。
【0028】
高温高圧水解における有機系廃棄物の処理条件を0.2MPa以上、120℃以上、21分以上とすることで、十分な低分子化と解重合と滅菌が行えるため可溶化槽を省略することができる。しかし、滅菌されたため、新たにメタンガス発生菌の投入が必要になる。この可溶化槽は低気温時には加熱や攪拌が必要なため、エネルギー損失が大きかったが、本発明によりそれを解消することが可能になる。
【0029】
一方、極端に加水分解や高温高圧水解処理状態から高温高圧になると装置内が酸性雰囲気になり、有機物の酸化や装置の腐食が発生するが、処理条件を2MPa以下、300℃以下、1時間以下とすることで、有機物の酸化や装置の腐食を抑制することができる。
【0030】
有機系廃棄物の高温高圧水解と消化液の高温高圧水解を、1つの装置を時間をずらして使用することで、高温高圧水解処理装置自体を遊ばせることなく有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明に係る有機系廃棄物の処理システムの概略図
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
有機系廃棄物の処理システムは、有機系廃棄物を高温高圧水解処理装置1に投入して低分子化と解重合を行う。
【0033】
図1及び
図2に示すように、高温高圧水解処理装置1は高温高圧水解状態(1~3MPa、100~250℃)の蒸気を発生する貫流及び循環型ボイラ2と、このボイラ2からの蒸気を更に高温高圧の過熱蒸気に変換する加熱蒸気発生装置3と、この加熱蒸気発生装置3からの過熱蒸気を反応槽4に供給する加熱蒸気供給路5と反応槽4を筐体加熱した使用済み蒸気を回収する回収配管6とを備えている。
【0034】
反応槽4は全体形状が両側端を閉じた筒状をなし、上部には有機系廃棄物または後述する消化液の投入部7が設けられ、底部には反応後の被処理物の取出部8が設けられ、また、反応槽4内には攪拌装置が配置されている。攪拌装置は反応槽4の中心部に挿入される回転軸9に所定間隔で支持ロッド10を取付け、この支持ロッド10の先端にスプリングを介して屈曲プレート11を取付けた構造になっている。
【0035】
前記取出部8から取り出した処理後有機物は発酵槽12に投入される。従来では、被処理物は可溶化槽に送られ、スラリー化した後に発酵槽12に投入していたが、本発明の条件で高温高圧水解処理を行うことで、有機系廃棄物の低分子化と解重合と滅菌が進み、可溶化槽を省略した状態で、短時間でバイオガスの増産ができる。
【0036】
発酵槽12内では嫌気性メタン生成菌によって発酵が行われる。発酵によって生じたバイオガス中には固形分が混じっているため、固体・水分分離装置13で固形分を除去し、更にバイオガス中にはイオウ、炭酸ガスを含んでいるため、脱硫装置14及び炭酸ガス除去装置15で除去してメタンガスのみを取り出し、これを例えば発電装置16の燃料とする。
【0037】
一方、発酵槽12内でのメタン発酵によりバイオガスと共に消化液が生じる。この消化液は再び高温高圧水解処理装置1の反応槽4に送られ高温高圧水解処理が行われる。本実施例では1つの高温高圧水解処理装置1を使用する例を示している。この場合、有機系廃棄物と消化液とを同じ反応槽4内で処理することはできない。
したがって、本発明ではバッチ式の高温高圧水解処理装置1の反応槽4で有機系廃棄物を低分子化と解重合した後、反応槽4内を空にし、この反応槽4内に発酵槽12からの消化液を送り込む。
【0038】
送り込まれた消化液は高温高圧水解処理されることで悪臭の基になる化合物や菌や有機毒が分解または失活され、固液分離装置17の下流側に従来のように高度水処理装置を配置することなく、固液分離装置17で分離した水を河川に放流することが可能になる。また、固液分離装置17で回収した固体分は、固体肥料として利用される。
【0039】
実施例にあっては1つの高温高圧水解処理装置を、時間をずらして、有機系廃棄物の低分子化処理と、発酵槽からの消化液処理に用いるようにしたが、有機系廃棄物の処理と消化液の処理に個別の高温高圧水解処理装置を用いてもよく、また、1つの高温高圧水解処理装置の処理空間を2つに分け、それぞれの空間に有機系廃棄物と消化液を投入する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…高温高圧水解処理装置、2…貫流型及び循環型ボイラ、3…過熱蒸気発生装置、4…反応槽(筐体)、5…過熱蒸気供給路、7…投入部、8…取出部、9…回転軸、10…支持ロッド、11…屈曲プレート、12…発酵槽、13…固体・水分分離装置、14…脱硫装置、15…炭酸ガス除去装置、16…発電装置、17…固液分離装置。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温高圧水解処理装置が備える加熱蒸気発生装置によって、1~3Mpa、100~250℃の蒸気を更に高温高圧の過熱蒸気に変換し、この過熱蒸気によって有機系廃棄物の低分子化と解重合を行い、同時に、有機系廃棄物の水分量が多い時は過熱蒸気によって水分含有量を減らし、水分量が少ない時は飽和蒸気を投入し凝縮水によって水分含有量を増やし、この水分調整され且つ低分子化と解重合した有機物を可溶化槽を介さずにメタン発酵槽にてメタン発酵させ、バイオガスを生成し、前記メタン発酵槽で発生したバイオガス発生後の残渣としての消化液を、悪臭の除去や無菌化や有機毒の分解や固液分離し易くする高温高圧水解処理装置を設けたことを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記メタン発酵槽へ送り込む前の有機系廃棄物を低分子化と解重合する高温高圧水解処理装置の処理条件は0.2~3Mpa、120~300℃、5分~1時間程度とし、前記メタン発酵槽からの処理液を処理する高温高圧水解処理装置の処理条件は0.5~2Mpa、120~300℃、10分~1時間とすることを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記有機系廃棄物を低分子化と解重合する高温高圧水解処理装置及び消化液を処理する高温高圧水解処理装置は同一の装置の使用時間をずらして使用することを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2021-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温高圧水解処理装置が備える加熱蒸気発生装置によって、1~3Mpa、100~250℃の蒸気を更に高温高圧の過熱蒸気に変換し、この過熱蒸気によって有機系廃棄物の低分子化と解重合を行い、同時に、有機系廃棄物の水分量が多い時は過熱蒸気によって水分含有量を減らし、水分量が少ない時は飽和蒸気を投入し凝縮水によって水分含有量を増やし、この水分調整され且つ低分子化と解重合した有機物を可溶化槽を介さずにメタン発酵槽にてメタン発酵させ、バイオガスを生成し、前記メタン発酵槽で発生したバイオガス発生後の残渣としての消化液を、悪臭の除去や無菌化や有機毒の分解や固液分離し易くする高温高圧水解処理装置を設けたことを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記有機系廃棄物を低分子化と解重合する高温高圧水解処理装置及び消化液を処理する高温高圧水解処理装置は同一の装置の使用時間をずらして使用することを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温高圧水解処理装置が備える加熱蒸気発生装置によって、1~3Mpa、100~250℃の蒸気を更に高温高圧の過熱蒸気に変換し、この過熱蒸気を反応槽に供給して有機系廃棄物の低分子化と解重合を行い、同時に、加水分解による低分子化が進まない程度に有機系廃棄物の水分量が多い時は過熱蒸気によって有機系廃棄物の水分含有量を減らし、加水分解に必要とされる水分量が不足する程度に水分量が少ない時は飽和蒸気を前記反応槽に投入して、反応槽及び有機系廃棄物と飽和蒸気とを接触せしめて凝縮水を生じさせこの凝縮水によって水分含有量を増やし、この水分調整され且つ低分子化と解重合した有機物を可溶化槽を介さずにメタン発酵槽にてメタン発酵させ、バイオガスを生成し、前記メタン発酵槽で発生したバイオガス発生後の残渣としての消化液を、悪臭の除去や無菌化や有機毒の分解や固液分離し易くする高温高圧水解処理装置を設けたことを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の有機系廃棄物の処理システムにおいて、前記有機系廃棄物を低分子化と解重合する高温高圧水解処理装置及び消化液を処理する高温高圧水解処理装置は同一の装置の使用時間をずらして使用することを特徴とする有機系廃棄物の処理システム。