(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156401
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷装置、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221006BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221006BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221006BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 335
B41J29/38 204
G03G21/00 396
G03G21/00 510
H04N1/00 C
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060068
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】出浦 祐視
(72)【発明者】
【氏名】奥野 哲也
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HK15
2C061HN05
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ17
2H270KA61
2H270LA77
2H270LA78
2H270LA87
2H270NA10
2H270NA12
2H270NA15
2H270NC03
2H270NC06
2H270NC16
2H270NC22
2H270QB03
2H270RA02
2H270RA04
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC34
5C062AC68
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF02
5C062AF07
5C062AF08
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】印刷許可量に応じた通知をユーザに対して実行し、ユーザに対する利便性を向上できる印刷システム、印刷装置、及びサーバを提供すること。
【解決手段】印刷システム1のプリンタ20は、印刷可能枚数の範囲で印刷動作を印刷部25に実行させる。プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なく(S11:NO)、印刷可能枚数が、インク残量に基づく印刷実行可能枚数26B4より少ない場合(S13:NO)、印刷可能枚数を増加させるチャージの実行を催促するチャージ催促通知を実行する(S15)。ユーザは、チャージ催促通知を受け取ることで、印刷可能枚数のチャージタイミングを適切に判断できる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、
前記情報処理装置と通信可能な印刷装置と、
を備える印刷システムであって、
前記印刷装置は、
着色剤を収容する収容体と、
前記着色剤を用いてシートに印刷を実行する印刷部を備え、
前記印刷部による印刷動作を許可する印刷許可量の範囲で、印刷動作を前記印刷部に実行させ、
前記印刷システムは、
前記印刷許可量の状態、及び前記収容体に収容される前記着色剤の残量の状態の2つの状態に応じて通知を行なう通知処理を実行する、印刷システム。
【請求項2】
前記印刷システムは、
前記通知処理において、前記印刷許可量の状態として、前記印刷許可量が許可量閾値以上であるか否かに応じて通知を実行し、前記印刷許可量が前記許可量閾値より少ない場合、前記通知として前記印刷許可量を増加させるチャージの実行を促すチャージ催促通知を実行し、前記2つの状態に応じて、前記チャージ催促通知の実行の有無を変更する、請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷システムは、
前記通知処理において、前記2つの状態として、前記印刷許可量が、前記着色剤の残量である着色剤残量で印刷が可能な印刷実行可能量以上であるか否かを判断し、前記印刷許可量が前記印刷実行可能量以上である場合、前記チャージ催促通知の実行を制限する、請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷システムは、
前記通知処理において、前記情報処理装置及び前記印刷装置の表示部のうち、少なくとも一方にチャージの実行を促す内容を表示し前記チャージ催促通知を実行する、請求項2又は請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷システムは、
前記通知処理において、前記2つの状態として、前記着色剤の残量である着色剤残量が残量閾値以上であるか否かに応じて通知を実行し、前記着色剤残量が前記残量閾値より少ない場合、前記収容体の交換をユーザに通知し、
前記残量閾値は、
前記着色剤残量が前記残量閾値より少ないと判断した時点から印刷の実行により前記着色剤残量がなくなると予想される期間に比べ、前記収容体の交換をユーザに通知してから交換用の前記収容体を前記ユーザに届けるまでの期間が短くなる値である、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記印刷装置は、
前記許可量閾値の変更を受け付け可能である、請求項2から請求項5の何れか1項に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷装置と通信可能なサーバをさらに備え、
前記サーバは、
前記印刷許可量を増加させるチャージの指示を受け付けるチャージページと、
前記印刷装置の交換の指示を受け付ける交換申請ページと、
を有し、
前記印刷システムは、
前記通知処理において、前記2つの状態に応じて、前記チャージページ及び前記交換申請ページの少なくとも一方のページに係わる情報を、前記情報処理装置へ通知する、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記印刷システムは、
前記通知処理において、前記印刷許可量の状態として前記印刷許可量が許可量閾値以上であるか否かに応じて前記通知処理を実行し、前記印刷許可量が前記許可量閾値より少ない場合、前記チャージページに係わる情報を、前記情報処理装置へ通知する、請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記印刷システムは、
前記通知処理において、前記着色剤の残量の状態として前記着色剤の残量である着色剤残量が残量閾値以上であるか否かに応じて前記通知処理を実行し、前記着色剤残量が前記残量閾値より少ない場合、前記交換申請ページに係わる情報を、前記情報処理装置へ通知する請求項8に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記印刷システムは、
前記印刷許可量が前記許可量閾値より少なく、且つ、前記着色剤残量が前記残量閾値より少ない場合、前記通知処理において、前記チャージページに係わる情報を通知せず、前記交換申請ページに係わる情報を通知する、請求項9に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記印刷装置は、
前記通知処理を実行し、前記チャージページに係わる情報として、前記チャージページにアクセスする情報を、前記情報処理装置へ通知し、前記交換申請ページに係わる情報として、前記交換申請ページにアクセスする情報を、前記情報処理装置へ通知する、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項12】
前記サーバは、
前記通知処理を実行し、前記チャージページに係わる情報として、前記チャージページを前記情報処理装置に通知し、前記交換申請ページに係わる情報として、前記交換申請ページを前記情報処理装置に通知する、請求項10に記載の印刷システム。
【請求項13】
前記印刷装置は、
前記情報処理装置からアクセス可能な内部サーバを有し、前記情報処理装置から前記内部サーバにアクセスがあった場合に、前記サーバにアクセスするリンクを表示した内部サーバページを、前記情報処理装置に表示させ、前記印刷許可量が許可量閾値より少ない場合、チャージを促すメッセージを、前記内部サーバページに表示させ、前記着色剤の残量である着色剤残量が残量閾値より少ない場合、交換を促すメッセージを、前記内部サーバページに表示させる表示処理を実行する、請求項7から請求項12の何れか1項に記載の印刷システム。
【請求項14】
情報処理装置及びサーバと通信可能な通信部と、
着色剤を収容する収容体と、
前記着色剤を用いてシートに印刷を実行する印刷部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記印刷部による印刷動作を許可する印刷許可量の範囲で、印刷動作を前記印刷部に実行させる印刷処理と、
前記印刷許可量の状態、及び前記収容体に収容される前記着色剤の残量の状態の2つの状態に応じて通知を行なう通知処理と、
を実行する、印刷装置。
【請求項15】
情報処理装置及び印刷装置と通信可能な通信部と、
制御部と、
を備え、
前記印刷装置は、
着色剤を収容する収容体と、
前記着色剤を用いてシートに印刷を実行する印刷部と、を備え、
前記印刷部による印刷動作を許可する印刷許可量の範囲で、印刷動作を前記印刷部に実行させ、
前記制御部は、
前記印刷許可量の状態、及び前記収容体に収容される前記着色剤の残量の状態の2つの状態に応じて通知を行なう通知処理を実行する、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、印刷システム、印刷装置、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタの印刷可能枚数を管理するプリントシステムについて記載されている。特許文献1のプリンタは、メモリカードを装着するカードインタフェース手段を備え、メモリカードに記憶された印刷可能枚数に基づいて印刷を実行する。プリンタを使用するユーザは、メモリカードの印刷可能枚数だけ、印刷をプリンタに実行させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1のプリントシステムでは、ユーザは、印刷可能枚数を購入することで、印刷サービスを継続して利用することができる。このため、印刷サービスをより快適に利用してもらうために、印刷可能枚数の残枚数に応じた通知をユーザに対して行える技術が必要となる。
【0005】
本願は、上記した課題を解決するためになされたものであって、印刷許可量に応じた通知をユーザに対して実行し、ユーザに対する利便性を向上できる印刷システム、印刷装置、及びサーバを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される印刷システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能な印刷装置と、を備える印刷システムであって、前記印刷装置は、着色剤を収容する収容体と、前記着色剤を用いてシートに印刷を実行する印刷部を備え、前記印刷部による印刷動作を許可する印刷許可量の範囲で、印刷動作を前記印刷部に実行させ、前記印刷システムは、前記印刷許可量の状態、及び前記収容体に収容される前記着色剤の残量の状態の2つの状態に応じて通知を行なう通知処理を実行する。
【0007】
また、本明細書に開示の内容は、印刷システムとしての実施に限らず、例えば、情報処理装置及びサーバと通信可能な印刷装置や、情報処理装置及び印刷装置と通信可能なサーバとして実施しても有益である。
【発明の効果】
【0008】
上記構成の印刷システム、印刷装置、サーバによれば、印刷許可量に応じた通知をユーザに対して実行し、ユーザに対する利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の第1実施形態に係る印刷システムの構成図である。
【
図2】
図1に示すプリンタ管理テーブルの説明図である。
【
図3】
図1に示すサーバ管理テーブルの説明図である。
【
図4】プリンタが実行するチャージ催促通知判断処理の内容を示すフローチャートである。
【
図5】プリンタが実行する交換通知判断処理の内容を示すフローチャートである。
【
図6】チャージ催促通知処理、交換通知処理が実行された場合のシーケンス図である。
【
図7】印刷可能枚数と印刷実行可能枚数の関係と、各閾値を説明するためのグラフである。
【
図8】チャージ及び交換申請をする際に携帯端末装置に表示する画面の遷移を示す図である。
【
図9】チャージ及び交換申請をする際に携帯端末装置に表示する画面の遷移を示す図である。
【
図10】チャージ処理、及び交換申請処理を実行する場合のシーケンス図である。
【
図11】印刷可能枚数、インク残量、リダイレクト先情報の関係を示す図である。
【
図12】ケース2の場合に表示するEWSページを示す図である。
【
図13】別例のケース2の場合に表示するEWSページを示す図である。
【
図14】印刷可能枚数がゼロになった場合に表示するEWSページを示す図である。
【
図15】ケース3,4の場合に表示するEWSページを示す図である。
【
図16】別例のケース3,4の場合に表示するEWSページを示す図である。
【
図17】アプリケーションによってサーバにアクセスする指示を受け付ける場合のシーケンス図である。
【
図18】アプリケーションによってサーバにアクセスする指示を受け付ける場合の携帯端末装置10の表示画面の遷移を示す図である。
【
図19】第2実施形態に係わるチャージ処理、及び交換申請処理を実行する場合のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本願の印刷システムを具体化した一実施形態である第1実施形態の印刷システム1について説明する。
図1は、印刷システム1の構成図である。印刷システム1は、例えば、複数のプリンタ20や携帯端末装置10を備え、ユーザに印刷サービスを提供する。この印刷サービスでは、プリンタ20によって印刷可能なシート(用紙やOHPなど)の枚数である印刷可能枚数に対して課金を行なったユーザに、金額に応じた印刷可能枚数を提供し、印刷に利用してもらうサービスである。以下の説明では、印刷可能枚数を設定することや、追加で課金して印刷可能枚数を増加させることを、「チャージする」という場合がある。本実施形態の印刷システム1は、後述するように、携帯端末装置10からサーバ30に対して、印刷可能枚数を増加させるチャージの指示を行なうことができる。
【0011】
プリンタ20は、例えば、インクジェットプリンタである。ベンダからユーザに送付されるプリンタ20には、所定の印刷可能枚数以上(例えば2000枚+α枚)の印刷をするために必要な量のインクが充填されている。このため、本印刷サービスでは、ユーザは、プリンタ20を入手した後に上記した所定の印刷可能枚数の印刷を行うまでの間に、プリンタ20にインクを充填したり、インクカートリッジを交換したりする手間が不要となる。従って、本印刷サービスは、プリンタ20へのインクの補充作業が不要となり、ユーザにとっての利便性が高いサービスである。
【0012】
また、ユーザが上記した所定の印刷可能枚数を超えて印刷を行いたい場合は、追加の費用を支払って、チャージを行なう。そして、追加の印刷可能枚数を購入することにより、ユーザはプリンタ20を継続して利用可能である。ユーザが追加の印刷可能枚数の購入を繰り返したために、プリンタ20のインク残量が少なくなった場合、ユーザは、プリンタ20の交換を申請する。ユーザは、新たに発送されたプリンタ20を使用することで、印刷サービスを継続して利用できる。尚、プリンタ20自体を交換する場合、プリンタ20は、本願の着色剤を収容する収容体の一例となる。
【0013】
図1に示すように、印刷システム1は、携帯端末装置10、プリンタ20及びサーバ30を備えている。尚、図面が煩雑となるのを避けるため、
図1には、1台の携帯端末装置10と1台のプリンタ20のみを図示している。携帯端末装置10とプリンタ20とは、ルータ2を介して相互に通信可能に接続されている。また、携帯端末装置10及びプリンタ20は、ルータ2及びインターネット3を介してサーバ30と相互に通信可能に接続されている。尚、上記したネットワークの構成は、一例である。例えば、サーバ30をLAN内に配置し、携帯端末装置10及びプリンタ20を、インターネット3を介さずにサーバ30に接続しても良い。また、サーバ30に接続される携帯端末装置10やプリンタ20は、1台でも複数台でも良い。また、複数の携帯端末装置10で1つのプリンタ20を共用して使用しても良く、1つの携帯端末装置10が、複数のプリンタ20を使い分けても良い。
【0014】
(携帯端末装置10の構成)
携帯端末装置10は、シートに対して画像の印刷をプリンタ20に実行させるものである。携帯端末装置10は、例えば、スマートフォンである。携帯端末装置10は、端末制御部11、近距離通信部13、タッチパネル14、及び、外部通信部16を備えている。これらの構成要素は、バス19を介して互いに通信可能とされている。
【0015】
端末制御部11は、端末CPU17、端末記憶部18を備えている。端末記憶部18は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を組み合わせて構成されている。端末記憶部18には、端末プログラム18A、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという場合がある)18B、ブラウザソフトウェア(以下、ブラウザソフトという場合がある)18C、印刷可能枚数18Dが記憶されている。端末プログラム18A、アプリケーション18B、ブラウザソフト18C、印刷可能枚数18Dは、例えば、端末記憶部18における読み取り及び書き込みが可能なフラッシュメモリやSSDなどのROMに記憶されている。端末プログラム18Aは、携帯端末装置10を統括的に制御するプログラムであり、アプリケーション18Bやブラウザソフト18Cに基本的な機能やサービスを提供する。端末プログラム18Aは、例えば、Android(登録商標)OSやiOS(登録商標)である。また、携帯端末装置10が例えばPCである場合、端末プログラム18Aは、Windows(登録商標)OSなどである。
【0016】
アプリケーション18Bは、例えば、プリンタ20のベンダから提供されるプログラムであり、端末プログラム18Aの機能等を利用して、プリンタ20に対する設定処理や印刷指示、サーバ30に対するチャージ指示等の各種処理を実行するプログラムである。端末制御部11は、端末プログラム18Aやアプリケーション18Bを端末CPU17で実行し、携帯端末装置10を統括的に制御する。
【0017】
ブラウザソフト18Cは、例えば、WebサーバのWebページを表示するソフトウェアであり、Safari(登録商標)、Microsoft Edge(登録商標)やGoogle Chrome(登録商標)、Firefox(登録商標)などである。ブラウザソフト18Cは、サーバ30のWebページを表示する際に使用される。印刷可能枚数18Dは、プリンタ20の印刷可能枚数(
図2参照)の情報を、携帯端末装置10側で記憶した情報である。携帯端末装置10は、例えば、プリンタ20へ印刷指示を受け付ける画面で、現在の印刷可能枚数18Dを表示する。
【0018】
尚、以下の説明では、端末プログラム18A、アプリケーション18B、ブラウザソフト18Cを端末CPU17で実行する端末制御部11のことを、単に装置名で記載する場合がある。例えば、「携帯端末装置10は」という記載は、「端末プログラム18A、アプリケーション18Bやブラウザソフト18Cを端末CPU17で実行する端末制御部11は」ということを意味する場合がある。また、本明細書では、主に、プログラムに記述された命令に従った端末CPU17の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「送信」等の処理は、端末CPU17の処理を表している。端末CPU17による処理は、ハードウェア制御も含む。また、後述するプリンタプログラム26B1をプリンタCPU26Aで実行するプリンタ制御部26(プリンタ20)や、サーバプログラム32B1をサーバCPU32Aで実行するサーバ制御部32(サーバ30)についても同様である。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0019】
また、プログラム(端末プログラム18A、アプリケーション18B等)を記憶する端末記憶部18は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種である信号媒体であるが、non-transitoryなストレージ媒体には含まれない。尚、後述するプリンタプログラム26B1を記憶するプリンタ記憶部26B、サーバプログラム32B1を記憶するサーバ記憶部32Bについても同様である。
【0020】
近距離通信部13は、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communicationの略)などの近距離無線が可能な通信インタフェースである。タッチパネル14は、例えば、液晶パネルや液晶パネルの表面に貼り合わされた接触感知膜等を備え、端末制御部11の制御に基づいて液晶パネルの表示内容を変更する。また、タッチパネル14は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作入力に応じた信号を端末制御部11に出力する。尚、携帯端末装置10は、タッチパネル14の他に、電源ボタン等を備えても良い。また、携帯端末装置10が備えるユーザインタフェースは、タッチパネル14に限らない。例えば、携帯端末装置10は、LCDや有機ELディスプレイ等の表示装置と、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等の入力装置を別々に備えても良い。
【0021】
外部通信部16は、例えば、Wi-Fi(登録商標)の通信規格に準じた無線通信が可能な通信インタフェースである。携帯端末装置10は、外部通信部16を介してルータ2に接続されている。ルータ2は、インターネット3を介してサーバ30に接続されている。尚、外部通信部16は、無線方式の通信インタフェースに限らず、LANケーブル等の有線ケーブルが接続可能な有線方式の通信インタフェースでも良い。
【0022】
(プリンタ20の構成)
プリンタ20は、例えば、インクジェット方式のカラー印刷機である。プリンタ20は、近距離通信部21、外部通信部22、タンク部23、インク残量検出部24、印刷部25、ユーザIF(インタフェースの略)27及び、プリンタ制御部26を備えている。近距離通信部21は、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFCなどの近距離無線が可能な通信インタフェースである。プリンタ20は、近距離通信部21を介して近距離通信部13と通信可能であり、携帯端末装置10から設定情報や、印刷指示を取得する。本願における「取得」とは、要求を必須とはしない概念で用いる。即ち、プリンタ20が要求することなく指示を受信するという処理も、「プリンタ20が指示を取得する」という概念に含まれる。
【0023】
外部通信部22は、例えば、Wi-Fi(登録商標)の通信規格に準じた無線通信が可能な通信インタフェース、及びLANケーブルが接続可能な有線方式の通信インタフェースをそれぞれ備えている。プリンタ20は、外部通信部22を介してルータ2に接続される。尚、外部通信部22は、無線方式の通信インタフェース又は有線方式の通信インタフェースの一方のみを備える構成でも良い。
【0024】
タンク部23は、インクを貯留するものである。本実施形態においてインクは4種類あり(マゼンタM、シアンC、イエローY及びブラックBK)、タンク部23は、インクの種類毎に複数設けられている。即ち、プリンタ20は、複数のタンク部23を用いて4種類のインクそれぞれを独立させて貯留する。尚、プリンタ20は、モノクロ印刷のプリンタでも良い。また、本実施形態において、ベンダからユーザにプリンタ20が供給される際には、複数のタンク部23それぞれには、例えば、単色カバレッジを5%とした場合において、上記した所定の印刷可能枚数(例えば、2000枚+α)のシートを印刷可能なインクの量が充填されている。
【0025】
また、タンク部23は、ユーザがインクを充填不能に設けられている。具体的には、タンク部23は、ユーザによっては触れることができない位置に配置されている。また、タンク部23は、プリンタ20に着脱不能に固定されている。インク残量検出部24は、タンク部23に貯留されたインクの残量であるインク残量を検出するものである。尚、プリンタ20は、タンク部23をユーザが交換可能な構成でも良い。この場合、プリンタ20から取り外し可能なタンク部23(インクカートリッジなど)は、本願の収容体の一例である。また、プリンタ20が、インクジェット方式以外、例えば、レーザ方式のプリンタである場合、トナーを収容し交換不能なトナー収容部や、交換可能なトナーカートリッジは、本願の収容体の一例である。従って、本願の収容体の交換の通知とは、着色剤を収容するプリンタ20そのものの交換の通知でも良く、プリンタ20内の着色剤を収容するタンク等の部品の交換の通知でも良い。
【0026】
インク残量検出部24は、タンク部23に配置され、インクの液面の高さを検出することにより、インク残量を検出する光学センサである。インク残量検出部24は複数のタンク部23それぞれに配置され、複数のタンク部23それぞれのインク残量を検出する。尚、インク残量を検出する方法は、上記した光学センサを用いる方法に限らない。例えば、プリンタ20は、印刷の実行時のドットをカウントし、カウントしたドットの数に基づいてインクの消費量やインク残量を演算しても良い。ここでいうドットのカウントとは、プリンタ20が印刷する画像データに含まれ、インクによって印刷されるドットの数である。即ち、ソフトウェア処理によってインク残量を演算しても良い。
【0027】
印刷部25は、タンク部23に貯留されたインクを用いて印刷を実行する。印刷部25は、例えば、インクジェットヘッド等を備え、携帯端末装置10から取得した印刷指示に含まれる画像データを、既知のインクジェット方式でシートに印刷する。ユーザIF27は、例えば、タッチパネル、押しボタンスイッチ等であり、ユーザからの操作入力の受け付けや各種の情報の表示を行う。尚、プリンタ20は、タッチパネル等のユーザIF27を備えない構成でも良い。
【0028】
プリンタ制御部26は、プリンタ20を統括制御するものである。プリンタ制御部26は、プリンタCPU26A、プリンタ記憶部26Bを備えている。プリンタCPU26Aは、プリンタ記憶部26B内のプリンタプログラム26B1を実行することで、プリンタ20の動作を制御する。プリンタプログラム26B1は、プリンタ20を統括的に制御するプログラムであり、プリンタ20に各種処理を実行させるプログラムである。また、プリンタプログラム26B1には、例えば、EWS(Embedded Web Server)プログラムなどのプリンタ20をWebサーバとして機能させるプログラムが含まれている。プリンタ20は、プリンタCPU26Aでプリンタプログラム26B1を実行することで、Webサーバへのアクセスを受け付ける。プリンタ記憶部26Bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDDなどが組み合わされて構成されている。プリンタプログラム26B1は、例えば、プリンタ記憶部26Bの書き換え可能なROM(フラッシュメモリ等)に記憶されている。
【0029】
また、プリンタ記憶部26Bには、プリンタ管理テーブルPTが記憶されている。プリンタ管理テーブルPTは、例えば、プリンタ記憶部26Bの書き換え可能なROMに記憶されている。プリンタ管理テーブルPTは、印刷サービスの利用に関して、プリンタ20に関する情報が記憶されたデータである。
図2に示すように、プリンタ管理テーブルPTには、デバイスID、印刷可能枚数、インク残量、及びデバイス設定が対応付けられて記憶されている。デバイスIDは、例えば、プリンタ20のベンダによって設定されたシリアル番号であり、任意のプリンタ20を他のプリンタ20と識別できる固有の情報である。尚、デバイスIDは、シリアル番号に限らず、例えば、近距離通信部21や外部通信部22のMACアドレスなど、他の装置固有の情報でも良い。印刷可能枚数は、プリンタ20によって印刷を実行可能なシートの枚数を示すものである。プリンタ20を利用するユーザは、プリンタ管理テーブルPTに記憶された印刷可能枚数の範囲で(枚数だけ)印刷することができる。
【0030】
印刷可能枚数は、ユーザによって課金されることにより、課金された額に応じた枚数が加算(チャージ)される。一方、印刷可能枚数は、プリンタ20の印刷によって使用されたシートの枚数が減算される。プリンタ20は、例えば、印刷可能枚数がゼロ以下となると、印刷が実行できない状態となる。プリンタ20は、例えば、印刷指示を受け付けるごとに印刷を実行して、印刷枚数を印刷可能枚数から減算し、印刷可能枚数がゼロになるまで印刷を実行する。プリンタ20は、印刷可能枚数がゼロになると印刷の実行を禁止し、エラーを携帯端末装置10に通知等する。あるいは、プリンタ20は、印刷指示を受け付けた時点で、その印刷指示の印刷枚数が印刷可能枚数以上であった場合、印刷を実行せずに印刷可能枚数を残したままエラーを携帯端末装置10に通知しても良い。
【0031】
インク残量は、インク残量検出部24によって検出されたインク残量を示すものである。プリンタ20は、例えば、インクジェットヘッドへのインクの補充、ノズルチェック、印刷等のインクを使用する動作を実行した後、インク残量検出部24によって検出したインク残量をプリンタ管理テーブルPTに記憶する。デバイス設定は、プリンタ20の機能(印刷等)、各機能の設定(シートサイズ、カラー、倍率等)、及びユーザIF27に表示する言語等の設定情報である。
【0032】
また、プリンタ記憶部26Bには、印刷枚数閾値26B2、インク残量閾値26B3、印刷実行可能枚数26B4、パスワード情報26B5が、例えば、プリンタ記憶部26Bの書き換え可能なROMに記憶されている。印刷枚数閾値26B2は、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数、即ち、自装置の印刷可能枚数の残り枚数の判断に用いる値である。プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なくなると、チャージの催促通知やチャージページの通知などを実行する。プリンタ20は、例えば、印刷枚数閾値26B2の初期値がベンダで設定されており、ユーザからの指示に基づいて、この印刷枚数閾値26B2の値を変更可能となっている。印刷枚数閾値26B2の変更指示をユーザから受け付ける方法は、特に限定されないが、例えば、プリンタ20のユーザIF27に対する操作入力により変更指示を受け付けても良く、上記したEWSのWebページで変更指示を受け付けても良く、携帯端末装置10のアプリケーション18Bの画面で変更指示を受け付けても良い。ユーザは、印刷枚数閾値26B2を変更することで、チャージの催促通知を受け取るタイミングなどを、所望のタイミングに変更できる。尚、プリンタ20は、ベンダで設定された印刷枚数閾値26B2が変更できない構成でも良い。
【0033】
インク残量閾値26B3は、プリンタ管理テーブルPTのインク残量、即ち、自装置のインク残量の判断に用いる値である。後述するように、プリンタ20は、インク残量がインク残量閾値26B3より少なくなると、プリンタ20の交換を促す通知や交換を申請する交換申請ページの通知などを実行する。ユーザは、この交換通知を認識することで、アプリケーション18B等を操作して交換用のプリンタ20の発送を依頼する。インク残量閾値26B3は、例えば、インク残量がインク残量閾値26B3より少ないと判断した時点から印刷の実行によりインク残量がなくなると予想される期間に比べ、インク残量閾値26B3に基づいてプリンタ20の交換をユーザに通知してから交換用のプリンタ20をユーザに届けるまでの期間が短くなる値が設定される。例えば、インク残量閾値26B3は、プリンタ20の発送に必要な平均日数と、1日当たりのインクの使用量の平均値を乗算した値以上の値が設定される。1日当たりのインクの使用量の平均値は、例えば、サーバ30のサーバ管理テーブルSTに登録された複数のプリンタ20のインク残量から演算しても良い。あるいは、プリンタ20は、使用が開始された後に、1日当たりのインクの使用量の平均値を演算して用いても良い。
【0034】
また、仮に、プリンタ20が、タンク部23の交換が可能な構成である場合、プリンタ20は、インク残量がインク残量閾値26B3以下になった場合、タンク部23の交換を促す通知や交換を申請する交換申請ページの通知などを実行しても良い。この場合にも、インク残量閾値26B3を、インク残量がインク残量閾値26B3以下であると判断した時点からインク残量がなくなる予想期間に比べ、タンク部23の交換をユーザに通知してから交換用のタンク部23をユーザに届けるまでの期間が短くなる値を設定しても良い。従って、本願の「収容体の交換」とは、プリンタ20自体の交換や、プリンタ20の着色剤を収容する収容体だけの交換を含む概念である。
【0035】
印刷実行可能枚数26B4は、タンク部23のインク残量で印刷が可能な枚数である。プリンタ20は、例えば、予め設定された1枚のシート当たりのインクの平均消費量でインク残量を除算することで、印刷実行可能枚数26B4を演算する。あるいは、プリンタ20は、所定期間当たりのインク残量の低減量と、その所定期間で印刷した印刷枚数とに基づいて1枚のシート当たりのインクの平均消費量を演算し、印刷実行可能枚数26B4を演算しても良い。プリンタ20は、各色の印刷実行可能枚数26B4を演算する。プリンタ20は、インク残量検出部24でインク残量を検出するごとに印刷実行可能枚数26B4を演算して情報を更新しても良く、後述する印刷実行可能枚数26B4の用いた処理を実行する際に印刷実行可能枚数26B4を適宜演算しても良い。尚、プリンタ20は、各色の印刷実行可能枚数26B4を演算し、最も少ない印刷実行可能枚数26B4だけをプリンタ記憶部26Bに記憶しても良い。また、印刷実行可能枚数26B4は、本願の印刷実行可能量の一例である。本願の印刷実行可能量は、枚数(1シート)単位で規定される量に限らず、例えば、1シートの片面(1面)単位で規定される量でも良い。この場合、プリンタ20は、残り何面だけ印刷可能であるかを印刷実行可能量で判断しても良い。
【0036】
パスワード情報26B5は、EWSのWebページを介したログイン認証に用いられるパスワードの情報である。Webページを介したログイン認証の詳細については、後述する(
図8参照)。パスワード情報26B5のパスワードを設定する方法は、特に限定されない。例えば、ベンダが予め初期パスワードをパスワード情報26B5に設定し、プリンタ20に記憶させても良い。また、プリンタ20は、パスワード情報26B5のパスワードの変更をEWSページやユーザIF27を介して、ユーザから受け付けも良い。
【0037】
(サーバ30の構成)
図1に示すように、サーバ30は、外部通信部31及びサーバ制御部32を備えている。外部通信部31は、インターネット3、ルータ2を介して携帯端末装置10やプリンタ20に接続されている。サーバ制御部32は、サーバCPU32A及びサーバ記憶部32Bを備えている。サーバCPU32Aは、サーバ記憶部32B内のサーバプログラム32B1を実行することで、サーバ30の動作を統括的に制御する。サーバプログラム32B1は、サーバ30を統括的に制御するプログラムであり、サーバ30に各種処理を実行させるプログラムである。
【0038】
サーバ記憶部32Bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD等を組み合わせて構成されている。また、サーバ記憶部32Bには、サーバ管理テーブルSTが記憶されている。サーバ管理テーブルSTは、印刷サービスを利用するにあたって必要な情報が記憶されたデータである。サーバ管理テーブルSTは、印刷サービスを利用する各プリンタ20の情報が、プリンタ20のデバイスIDに関連付けて記憶され、ベンダによって管理されている。
【0039】
図3に示すように、サーバ管理テーブルSTには、例えば、デバイスID、及び印刷可能枚数が対応付けられて記憶されている。デバイスID、印刷可能枚数は、上述したプリンタ管理テーブルPTと同じデータであり、同じデバイスIDに対応するプリンタ管理テーブルPTのデータが記憶される。本実施形態のサーバ30は、印刷サービスを利用する複数のプリンタ20について、デバイスIDと印刷可能枚数を関連付けたサーバ管理テーブルSTによって、各プリンタ20の印刷可能枚数を管理する。サーバ30は、携帯端末装置10の印刷指示やチャージ指示に応じて増減する印刷可能枚数を、プリンタ20との間で同期する同期処理を実行し、最新の印刷可能枚数をサーバ管理テーブルSTで管理する。
【0040】
図2、
図3に示すプリンタ管理テーブルPT、サーバ管理テーブルSTの情報は、一例である。例えば、サーバ30は、プリンタ20に対する印刷の実行の可否をサーバ管理テーブルSTで管理しても良い。例えば、サーバ30は、個々のデバイスIDに、アクティベーション情報を関連付けて記憶しても良い。ここでいうアクティベーション情報とは、例えば、オンを示すデータが設定された場合に印刷部25による印刷の実行を許容し、オフを示すデータが設定された場合に印刷部25による印刷の実行を制限するものである。サーバ30は、例えば、個々のデバイスIDのプリンタ管理テーブルPTのアクティベーション情報と、サーバ管理テーブルSTのアクティベーション情報とを同期させることで、プリンタ20の印刷動作を制限しても良い。また、サーバ30は、個々のプリンタ20のインク残量を、プリンタ管理テーブルPTから取得してサーバ管理テーブルSTに記憶し、インク残量の低減に応じて、プリンタ20の交換を携帯端末装置10へ通知しても良い。
【0041】
(チャージ催促通知処理、交換通知処理)
次に、印刷システム1が実行するチャージ催促通知処理、交換通知処理について説明する。まず、プリンタ20が実行するチャージ催促通知判断処理について説明する。
図4は、チャージ催促通知判断処理の内容を示している。プリンタ20は、例えば、印刷の実行が終了し、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数から印刷枚数を減算した後、
図4に示す処理を開始する。尚、
図4の処理の開始条件は、上記した印刷終了の条件に限らない。プリンタ20は、例えば、印刷の開始、電源の起動時等の他のタイミングで
図4の処理を開始しても良い。
【0042】
まず、プリンタ20は、
図4の処理を開始すると、ステップ(以下、単に「S」と記載する)11において、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上であるか否かを判断する。プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数を読み出して、読み出した印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上であるか否かを判断する。プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上であると判断すると(S11:YES)、
図4に示す処理を終了する。この場合、プリンタ20は、後述するチャージ催促通知を実行しない。
【0043】
一方、プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少ない場合(S11:NO)、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4以上であるか否かを判断する(S13)。プリンタ20は、例えば、印刷終了時にインク残量検出部24でインク残量を検出し、各色の印刷実行可能枚数26B4を演算し、最も少ない印刷実行可能枚数26B4と、印刷可能枚数を比較する。プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4以上である場合(S13:YES)、
図4に示す処理を終了する。この場合にも、プリンタ20は、後述するチャージ催促通知を実行しない。
【0044】
そして、プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4より少ない場合(S13:NO)、チャージ催促通知指示をサーバ30に送信する(S15)。このチャージ催促通知指示は、携帯端末装置10に対するチャージ催促通知の実行を、サーバ30に対して指示する情報である。プリンタ20は、S15を実行すると、
図4に示す処理を終了する。
【0045】
(1)印刷可能枚数が印刷実行可能枚数より少ない場合
図6は、チャージ催促通知処理、後述する交換通知処理における各装置の処理の内容を示している。まず、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4より少ない場合について説明する。プリンタ20は、例えば、
図4に示すチャージ催促通知判断を印刷終了ごとに実行し、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なく(S11:NO)、且つ印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4より少ない場合(S13:NO)、チャージ催促通知指示をサーバ30へ送信する(S15)。
【0046】
サーバ30は、プリンタ20からS15の指示を取得すると、チャージ催促通知を携帯端末装置10へ送信する(S21)。このチャージ催促通知は、ユーザに対するチャージ催促の通知を、携帯端末装置10に実行させる情報である。通知先の携帯端末装置10を決定する方法は、特に限定されない。例えば、サーバ管理テーブルSTに登録されたプリンタ20のそれぞれについて、チャージを実行可能な携帯端末装置10(管理者の携帯端末装置10など)を登録しておき、サーバ30が、登録済みの携帯端末装置10へ、チャージ催促通知を送信しても良い。あるいは、プリンタ20が、直前まで印刷指示を受け付けていた携帯端末装置10の端末IDをS15でサーバ30に通知し、この端末IDに基づいてサーバ30が通知先を決定しても良い。
【0047】
携帯端末装置10は、S21の通知を取得すると、チャージ催促の表示を実行する(S23)。チャージ催促を表示する方法は、特に限定されない。携帯端末装置10は、例えば、「印刷可能枚数が少なくなってきました、チャージを実行して下さい」などのメッセージをタッチパネル14に表示する。あるいは、携帯端末装置10は、メッセージとともに、後述するチャージページのリンク先を表示しても良い。
【0048】
携帯端末装置10は、例えば、S23のチャージ催促の表示を実行した後、チャージの指示をユーザから受け付ける(S25)。携帯端末装置10は、例えば、チャージする印刷可能枚数(以下、チャージ枚数という場合がある)と、そのチャージ枚数のチャージに必要な料金の組み合わせを複数表示し、その中からチャージ枚数の選択を受け付ける(S25)。尚、携帯端末装置10は、チャージしたいチャージ枚数の値を、ユーザから受け付けても良い。
【0049】
携帯端末装置10は、チャージの指示を受け付けると(S25)、チャージ指示をサーバ30へ送信する(S27)。プリンタ20は、例えば、選択されたチャージ枚数の情報と、チャージを実行するプリンタ20のデバイスIDをサーバ30へ送信する。サーバ30は、チャージ指示を取得すると、指示を受けたプリンタ20に対するチャージを実行する。サーバ30は、例えば、予め登録されたクレジットカード等の支払い方法に基づいてチャージの料金を徴収する処理等を実行し、S27で指示を受けたチャージ枚数を加算する指示を、指定されたデバイスIDのプリンタ20に送信する(S29)。
【0050】
プリンタ20は、S29の加算指示を取得すると、指示を受けたチャージ枚数を、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数に加算する(S31)。プリンタ20は、S31の加算処理が完了すると、完了通知をサーバ30へ送信する(S33)。プリンタ20は、完了通知の送信において、加算後の印刷可能枚数をサーバ30へ送信する。サーバ30は、完了通知をプリンタ20から取得すると、プリンタ20から取得した印刷可能枚数でサーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数を更新(上書き)する(S35)。これは、プリンタ20は、印刷の実行に応じてプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数を減算しており、最新の印刷可能枚数の情報は、プリンタ20が保持しているためである。このため、サーバ30は、プリンタ20からの情報(加算後の印刷可能枚数)で、サーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数を上書きする。
【0051】
サーバ30は、サーバ管理テーブルSTを更新すると、チャージが完了したことを携帯端末装置10へ通知する(S37)。サーバ30は、S37において、更新後の印刷可能枚数を携帯端末装置10へ送信する。携帯端末装置10は、取得した印刷可能枚数で自装置の印刷可能枚数18Dを更新する(S39)。これにより、印刷枚数閾値26B2に基づいて、所定の枚数まで印刷可能枚数が低下した場合に、チャージの催促をユーザに行い、チャージさせることができる。
【0052】
(2)印刷可能枚数が印刷実行可能枚数以上の場合
一方、
図4、
図6に示すように、プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少ない場合でも(S11:NO)、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4以上である場合(S13:YES)、チャージ催促通知指示を送信しない(
図6のバツ印参照)。
【0053】
(交換通知処理)
次に、交換通知処理について、
図5、
図6を用いて説明する。
図6は、交換通知処理の内容を示している。プリンタ20は、例えば、印刷が終了すると、インク残量検出部24の検出値に基づいてプリンタ管理テーブルPTのインク残量を更新し、
図6に示す処理を開始する。尚、プリンタ20は、印刷の途中など、他のタイミングで
図6の処理を開始しても良い。
【0054】
まず、プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTのインク残量がインク残量閾値26B3以上であるか否かを判断する(S17)。プリンタ20は、例えば、全ての色のインク残量がインク残量閾値26B3以上である場合、S17で肯定判断し(S17:YES)、
図5に示す処理を終了する。この場合、プリンタ20は、後述する交換通知の指示を送信しない。一方、プリンタ20は、全ての色のインク残量のうち、少なくとも1色のインク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合(S17:NO)、交換通知指示をサーバ30へ送信し(S19)、
図5に示す処理を終了する。プリンタ20は、全ての色で同一のインク残量閾値26B3を用いても良く、色ごとに異なるインク残量閾値26B3を用いて判断しても良い。
【0055】
図6に示すように、サーバ30は、S19の指示をプリンタ20から取得すると、上記したチャージ催促通知と同様に、携帯端末装置10に対して交換通知を送信する(S41)。携帯端末装置10は、S41の交換通知を取得すると、交換通知をタッチパネル14に表示する(S43)。例えば、携帯端末装置10は、「インク残量が少なくなってきたため、継続して印刷サービスを利用する場合は、交換用のプリンタ20の発送をご依頼下さい」などのメッセージや、後述する交換申請ページへのリンクなどをタッチパネル14に表示する。これにより、インク残量に応じて、プリンタ20の交換をユーザに促すことができる。
【0056】
尚、チャージを催促する方法や交換を通知する方法は、上記した方法に限らない。例えば、プリンタ20から携帯端末装置10へ、サーバ30を介さずに、チャージ催促通知や交換通知を直接送信しても良い。また、
図4に示すチャージ催促通知判断処理や
図5の交換通知判断処理を、サーバ30が実行しても良い。サーバ30は、例えば、印刷が終了するごとにプリンタ20から印刷可能枚数やインク残量を取得し、印刷実行可能枚数26B4を演算して、印刷可能枚数を判断しても良い。同様に、携帯端末装置10のアプリケーション18Bが、
図4や
図5の処理を実行し、チャージ催促の通知や交換通知を実行しても良い。また、チャージ催促や交換の通知先は、携帯端末装置10に限らない。例えば、プリンタ20は、チャージを催促するメッセージを、ユーザIF27のタッチパネルに表示しても良い。
【0057】
次に、上記したチャージ催促通知処理、及び交換通知処理を実行した実行例について、
図7を用いて説明する。
図7は、横軸にプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数を設定し、縦軸に印刷実行可能枚数26B4を設定したグラフを示している。
図7に示す直線41は、印刷可能枚数と印刷実行可能枚数26B4が同一値となる直線である。また、
図7のハッチングを付加した領域43は、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4以上となる領域である。即ち、領域43に遷移した場合、プリンタ20は、自装置のタンク部23のインク残量で印刷可能な枚数よりも、ユーザが印刷する権利として保有している印刷可能枚数の方が多い状態となる。このような状態で印刷可能枚数をさらにチャージすると、チャージされたチャージ枚数は、インクがなくなるまでの間に使用できない可能性が高い。即ち、ユーザが、チャージ枚数を使い切れない可能性が高い。その結果、印刷可能枚数を、古いプリンタ20から交換用の新しいプリンタ20に引き継ぐ処理が発生する。そこで、本実施形態のプリンタ20は、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4以上となる領域43に遷移すると、チャージ催促通知の実施を禁止する。
【0058】
詳述すると、例えば、インク残量閾値26B3として、500枚の印刷が可能なインク残量に相当する値が設定されているものとする。また、印刷枚数閾値26B2として、500枚が設定されているものとする。また、印刷実行可能枚数26B4の初期値は、10000枚とする。即ち、プリンタ20が、初期状態として10000枚だけ印刷できるインク残量を保有しているものとする。また、印刷可能枚数の初期値を2000枚とする。
【0059】
印刷実行可能枚数26B4及び印刷可能枚数は、ユーザが印刷を実行するごとに、印刷処理で印刷された印刷枚数に応じて低減する。例えば、タイミングT1において、印刷可能枚数が、印刷枚数閾値26B2(この場合、500枚)に到達する。プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なくなり(
図4のS11:NO)、且つ、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4より少ないため(
図4のS13:NO)、チャージ催促通知を実行する(S15)。その結果、ユーザによって1回目のチャージが実行され、印刷可能枚数が2000枚まで増加する。
【0060】
同様に、ユーザは、印刷を実行し、チャージ催促通知を見てチャージを実行する(タイミングT2など)。そして、タイミングT3でチャージが実行され、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4以上となる。即ち、プリンタ20の状態が領域43内に移行する。その後、印刷処理の実行に伴って、インク残量がインク残量閾値26B3より少なくなる(印刷実行可能枚数26B4が500枚より少なくなる)と、プリンタ20は、交換通知を実行する(タイミングT4)。
【0061】
また、プリンタ20は、タイミングT5において、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なくなるが(S11:NO)、印刷可能枚数が印刷実行可能枚数26B4以上となっているため(S13:YES)、チャージ催促通知を実行しない(
図4参照)。これにより、印刷可能枚数が印刷できる枚数以上まで過剰にチャージされることを抑制できる。尚、
図7に示すグラフの値や変位等は、一例である。例えば、インク残量閾値26B3は、印刷枚数閾値26B2より少ない値でも良く、多い値でも良い。インク残量閾値26B3が印刷枚数閾値26B2より少ない場合、例えば、インク残量閾値26B3が100枚である場合、タイミングT4がタイミングT5の後になる。この場合、チャージ催促通知を実行しない制限処理が実行されるタイミングT5の後に、タイミングT4の交換通知が実行される。
【0062】
また、チャージ催促通知を制限する方法は、通知を実行しない(実行を禁止する)方法に限らない。例えば、プリンタ20は、チャージ催促通知の通知回数を制限しても良い。プリンタ20は、2回に1回実施するなどの回数制限を設定しても良い。また、プリンタ20は、印刷実行可能枚数26B4が印刷可能枚数以上であっても(S13:YES、
図7の直線41を挟んで領域43とは反対の領域でも)、チャージ催促通知の制限を実行しても良い。例えば、
図7のタイミングT6に示すように、一度、チャージ催促通知を実行した後、チャージを実行してもチャージ枚数が少ないために印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少ない場合、チャージ催促通知の実行を制限しても良い。また、
図4のS13で用いる印刷実行可能枚数26B4は、
図7の破線45に示すように、印刷実行可能枚数26B4に+αだけ補正した値を用いても良い。これにより、インク残量で印刷可能な枚数が、印刷可能枚数より+αだけ多い段階でチャージ催促通知の制限を開始できる。ユーザは、インク残量がなくなるまでに印刷可能枚数をより確実に使い切ることができる。換言すれば、印刷可能枚数の引き継ぎがより確実に発生しないようにできる。逆に、
図4のS13で用いる印刷実行可能枚数26B4として、印刷実行可能枚数26B4に-αだけ補正した値を用いても良い。
【0063】
(チャージ処理、交換申請処理)
次に、プリンタ20のEWSによってサーバ30へアクセスする指示を受け付け、チャージ処理及び交換申請処理を実行する場合について説明する。本実施形態のプリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なくなった場合や、インク残量がインク残量閾値26B3より少なくなった場合に、通知するWebページのアクセス先情報を変更する。
【0064】
(ケース1:印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上、インク残量がインク残量閾値26B3以上の場合)
まず、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上、且つ、インク残量がインク残量閾値26B3以上の場合(以下、「ケース1」という)について説明する。
図8、
図9は、チャージ及び交換申請をする際に携帯端末装置10に表示する画面の遷移を示している。
図10は、チャージ処理、及び交換申請処理を実行する場合の各装置の処理内容を示している。
【0065】
まず、
図10のS51に示すように、携帯端末装置10からプリンタ20のEWSへアクセスする。携帯端末装置10からプリンタ20のEWSのWebページ(以下、EWSページという場合がある)へアクセスする方法は、特に限定されない。例えば、携帯端末装置10でブラウザソフト18Cを起動してURLを入力しても良く、プリンタ20のユーザIF27にアクセス先のQRコード(登録商標)を表示して携帯端末装置10で読み取ってアクセスしても良い。プリンタ20は、携帯端末装置10からEWSページにアクセスがあった場合や、アクセス後に所定の操作が行われた場合、ログインページを携帯端末装置10へ送信する(S53)。プリンタ20は、後述するように、このログインページにおいて、パスワードを受け付け、受け付けたパスワードによる認証に成功した場合のみ、サーバ30のアクセス先情報の通知を実行する。これにより、認証に成功したユーザのみに、チャージ処理や交換申請処理を実行させることができる。
【0066】
図8の画面51は、携帯端末装置10のタッチパネル14に、EWSのログインページをブラウザソフト18Cで表示した状態を示している。
図8に示すように、画面51には、URL等を入力するためのアドレスボックス53、EWSページ55(ログインページ)等が表示されている。EWSページ55には、パスワードを入力するための入力ボックス57、ログインの実行を指示するログインボタン59等が表示されている。また、EWSページ55には、例えば、プリンタ20の各種ステータスが表示されている。ユーザは、入力ボックス57にパスワードを入力してログインボタン59をタッチ操作する。
【0067】
携帯端末装置10は、ログインボタン59をタッチ操作されると、入力ボックス57に入力されたパスワードをプリンタ20へ送信する(
図10のS55)。プリンタ20は、S55で取得したパスワードと、パスワード情報26B5のパスワードとが一致するか判断する認証処理を実行する(S57)。プリンタ20は、EWSページ55で入力されたパスワードと、パスワード情報26B5に設定されたパスワードが一致すると判断した場合、ログイン後のEWSページ61(
図8参照)に表示するメッセージを設定する(S59)。
【0068】
プリンタ20は、刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上、且つ、インク残量がインク残量閾値26B3以上の場合、
図8に示す現在の印刷可能枚数を示すメッセージ63を表示するメッセージとして設定する(S59)。また、後述するように、プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なくなった場合や、インク残量がインク残量閾値26B3より少なくなった場合、EWSページ61に表示するメッセージを追加する。尚、追加するメッセージの詳細については後述する。プリンタ20は、表示するメッセージを設定すると(S59)、ログイン後のEWSページ61(
図8参照)を携帯端末装置10へ送信する(S61)。
図8の画面60に示すように、ログイン後のEWSページ61には、印刷可能枚数のメッセージ63、サーバ30へアクセスするためのリンク65、ログアウトの実行を指示するためのログアウトボタン67が表示されている。プリンタ20は、例えば、自装置のプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数をメッセージ63に表示する。また、プリンタ20は、「Webサイトに移動」の文字をリンク65に表示する。また、プリンタ20は、ログアウトボタン67のタッチ操作に基づいて、ログアウト処理を実行する。
【0069】
携帯端末装置10は、画面60をタッチパネル14に表示した状態で、リンク65に対するタッチ操作を受け付けると(S63)、プリンタ20との間で物理認証を実行する(S65~S71)。この物理認証は、不正なユーザによるチャージや交換申請を防ぐための認証処理であり、プリンタ20に対する操作を受け付けて、プリンタ20の近くにいる、即ち、プリンタ20を使用可能な正規のユーザであるか否かを確認する処理である。例えば、携帯端末装置10は、リンク65のタッチ操作を受け付けると(S63)、物理認証の開始通知をプリンタ20へ送信する(S65)。プリンタ20のEWSは、開始通知を携帯端末装置10から取得すると(S65)、
図8に示すポップアップ画面69を携帯端末装置10に表示させる(S66)。EWSは、「Webサイトに移動します」、「Waiting action」、「本体パネルでOKを押して下さい」などのメッセージ71をポップアップ画面69に表示させる。
【0070】
また、プリンタ20は、開始通知を取得すると、
図8の画面73をユーザIF27に表示し、物理認証を受け付ける(S67)。
図8に示すように、プリンタ20は、「Allow access to advanced settings」のメッセージ75、OKボタン77、キャンセルボタン79を画面73に表示する。プリンタ20は、OKボタン77をタッチ操作されると、物理認証を受け付けたことを携帯端末装置10へ通知する(S71)。これにより、物理認証の成功に基づいて後述するサーバ30のWebページの表示処理を開始できる。
【0071】
また、プリンタ20は、キャンセルボタン79がタッチ操作された場合や、画面73を表示してから一定時間経過してもOKボタン77のタッチ操作を検出できない場合、物理認証に失敗したことを携帯端末装置10へ通知する。これにより、プリンタ20の近くに存在する正規のユーザのみに、サーバ30のチャージページ等を案内することができる。尚、物理認証を実行する方法は、上記したプリンタ20の物理操作を要求する方法に限らず、例えば、NFC等による近距離無線通信により携帯端末装置10とプリンタ20との認証を実行しても良い。
【0072】
携帯端末装置10は、S71の通知を取得すると、サーバ30のトップページ、チャージページ、又は交換申請ページ(以下、Webポータルページという)にアクセスするためのURL(以下、WebポータルワンタイムURLという)をプリンタ20へ要求する(S73)。このWebポータルワンタイムURLは、例えば、下記に記載するように、サーバ30のWebページにアクセするためのベースとなるURLにワンタイムトークンとアクセス先情報を追加した情報である。
WebポータルワンタイムURL=ベースURL+ワンタイムトークン+アクセス先情報
【0073】
ここでいうベースURLとは、例えば、サーバ30のチャージページや交換申請ページが設けられたWebサーバのホスト名やドメイン名の情報である。ベースURL情報は、例えば、予めサーバ30のWebサーバの情報に基づいて、サーバ記憶部32B等に設定される。ワンタイムトークンは、例えば、アクセス元の機器(携帯端末装置10)を識別するための情報であり、なりすましなどの不正アクセスを防止するために一時的に送信元の機器に向けて発行する数字やアルファベットの文字列である。サーバ30は、このワンタイムトークを携帯端末装置10とやり取りすることで、アクセス元を認証しながら通信を実行しても良く、ワンタイムトークの値を用いて送受信するデータの暗号化を実行しても良い。
【0074】
アクセス先情報は、トップページ、チャージページ、又は交換申請ページの何れにアクセスするのかを示す情報であり、携帯端末装置10に表示するWebページを変更するための情報である。プリンタ20は、S73の要求を取得すると、ワンタイムトークをサーバ30へ要求する(S75)。サーバ30は、S75の要求を取得すると、所定の演算式等に基づいてワンタイムトークを生成し(S77)、生成したワンタイムトークをプリンタ20へ送信する(S79)。
【0075】
プリンタ20は、サーバ30からワンタイムトークを取得すると、アクセス先情報を設定する(S81)。サーバ30は、S81において、アクセス先情報として、トップページ、チャージページ、又は交換申請ページの何れのWebページにアクセスさせるかを示す情報を設定する。アクセス先情報のデータ形式は、特に限定されないが、例えば、トップページの場合は「1」、チャージページの場合は「2」、交換申請ページの場合は「3」などの異なる数字を設定しても良い。後述するように、サーバ30は、このアクセス先情報に基づいて、携帯端末装置10に表示するWebポータルサイトを変更する。このため、各ページを識別するアクセス先情報は、例えば、プリンタ20とサーバ30とのそれぞれに、共通のデータとして予め設定される。あるいは、プリンタ20は、各ページと、アクセス先情報の値との関係性を示す情報を、サーバ30から取得しても良い。
【0076】
図11は、印刷可能枚数、インク残量、及びアクセス先情報の関係を示している。プリンタ20は、例えば、
図11に示すテーブルデータをプリンタ記憶部26Bに有しており、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上、且つ、インク残量がインク残量閾値26B3以上の場合(ケース1)、トップページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定する(S81)。また、プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なく(未満で)、且つ、インク残量がインク残量閾値26B3以上の場合(以下、「ケース2」という)、チャージページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定する。また、プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上で、且つ、インク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合(以下、「ケース3」という)、交換申請ページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定する。また、プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なく、且つ、インク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合(以下、「ケース4」という)、交換申請ページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定する。即ち、印刷可能枚数が少なく、且つインク残量も少ない場合、プリンタ20は、交換申請の案内を優先する(ケース4)。尚、
図11に示すアクセス先情報の設定値は、一例である。例えば、プリンタ20は、ケース4の場合、トップページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定しても良い。
【0077】
今回は、ケース1であるため、プリンタ20は、トップページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定する(S81)。プリンタ20は、S81を実行すると、ベースURLの情報に、S79で取得したワンタイムトークの情報、S81で設定したアクセス先情報を追加して、WebポータルワンタイムURLを生成する(S83)。プリンタ20は、生成したWebポータルワンタイムURLを携帯端末装置10へ送信する(S85)。
【0078】
携帯端末装置10は、S85で取得したWebポータルワンタイムURLにブラウザソフト18Cでアクセスする(S87)。サーバ30は、S87のアクセスを受け付けると、アクセスを受けたWebポータルワンタイムURLに基づいて、アクセス先等を判断する(S89)。今回は、トップページを示すアクセス先情報が設定されているため、サーバ30は、トップページのWebページをプリンタ20へ送信する(S91)。携帯端末装置10は、S91で取得したWebページ、即ち、トップページをタッチパネル14に表示する(S93)。
【0079】
尚、サーバ30は、S87のアクセスや、トップページを表示した後のアクセスにおいて、URLのワンタイムトークに基づいて、接続元の携帯端末装置10が正規のユーザであるか否かを判断する。例えば、サーバ30は、携帯端末装置10との間のデータの送受信において、ワンタイムトークを用いた認証を実行しても良く、ワンタイムトークを用いたデータの暗号化を実行しても良い。また、携帯端末装置10の認証方法は、ワンタイムトークを用いた方法に限らず、例えば、登録されたメールアドレスにワンタイムパスを送信して認証を実行する方法等でも良い。
【0080】
図8の画面81に示すように、携帯端末装置10は、S91のWebページを取得すると、サーバ30のトップページ83をブラウザソフト18Cで表示し、トップページ83のURLをアドレスボックス85に表示する。画面81に示すように、トップページ83には、「プリンタ管理ページ」、「印刷可能枚数」、「最終同期時刻」を示すメッセージ87が表示されている。この印刷可能枚数は、例えば、サーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数の情報である。最終同期時刻は、プリンタ20のプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数と、サーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数の同期処理を実行した最新の時刻である。
【0081】
また、トップページ83には、チャージボタン88、プリンタ交換ボタン89が表示されている。サーバ30は、チャージボタン88のタッチ操作を受け付けたことを示す情報を携帯端末装置10から取得すると、
図9に示すチャージページ91を表示する。また、サーバ30は、プリンタ交換ボタン89のタッチ操作を受け付けたことを示す情報を携帯端末装置10から取得すると、
図9に示す交換申請ページ105を表示する。従って、サーバ30は、プリンタ20による物理認証に成功すると、その後、認証を必要とせず、トップページ、チャージページ、や交換申請ページを表示する。このため、チャージや交換申請を実行するユーザが、物理認証に成功したユーザと一致していることを担保することが、セキュリティ上好ましい。そこで、サーバ30は、ワンタイムトークを発行してアクセス元を判断する。換言すれば、ワンタイムトークを用いることで、チャージや交換申請の指示を受け付けるページにおける認証を省略することができる。尚、サーバ30は、ワンタイムトークを発行せずに、トップページ、チャージページ、又は交換申請ページを表示する際に、改めてユーザの認証を実行しても良い。また、サーバ30は、インク残量がインク残量閾値26B3以上の場合など、プリンタ20の交換が不要である場合、プリンタ交換ボタン89をグレーアウトして操作できないように制御しても良い。
【0082】
図9の上側の画面遷移は、チャージページ91,92,93の画面遷移を示している。サーバ30は、チャージページ91~93を携帯端末装置10に表示して、チャージの指示を受け付ける。尚、チャージページ91~93は、アドレスボックス85等の図示を省略している。サーバ30は、画面81のチャージボタン88がタッチ操作されると、チャージページ91を携帯端末装置10に表示する。サーバ30は、複数のチャージ枚数と、各チャージ枚数の購入に必要な料金を示すチャージボタン95を、チャージページ91に表示する。サーバ30は、複数のチャージボタン95の何れか(図示例では、100枚のチャージボタン95)がタッチ操作されると、チャージページ92を表示する。サーバ30は、選択されたチャージボタン95のチャージ枚数、料金の他に、クレジットカード番号を入力するための入力ボックス97、決済の指示を受け付ける決済ボタン99をチャージページ92に表示する。ユーザは、料金の支払いに使用するクレジットカード番号を入力ボックス97に入力し、決済ボタン99をタッチ操作する。尚、チャージ枚数を受け付ける方法は、表示したチャージ枚数から選択を受け付ける方法に限らず、チャージ枚数の値の入力を受け付ける方法でも良い。
【0083】
サーバ30は、決済ボタン99のタッチ操作に基づいて、
図6のS27~S39と同様に、入力ボックス97で指定されたクレジットカードから料金を徴収して、印刷可能枚数の加算処理を実行する。尚、料金の支払い方法は、クレジットカードに限らず、減金、電子マネー、銀行口座等の他の方法を用いても良い。また、
図9に示すように、チャージを実行中のプリンタ20を確認するために、プリンタのシリアル番号の情報101をチャージページ91等に表示しても良い。そして、サーバ30は、印刷可能枚数のチャージが完了すると、チャージページ93を携帯端末装置10に表示する。サーバ30は、チャージを実行したチャージ枚数の情報や、決済が完了した旨、チャージ後の印刷可能枚数を確認してほしい旨のメッセージ103をチャージページ93に表示する。これにより、印刷可能枚数のチャージを実行することができる。
【0084】
また、
図9の下側の画面遷移は、交換申請ページ105,106の画面遷移を示している。サーバ30は、交換申請ページ105,106を携帯端末装置10に表示して、プリンタ20の交換の申請指示を受け付ける。サーバ30は、画面81のプリンタ交換ボタン89がタッチ操作されると、交換申請ページ105を携帯端末装置10に表示する。サーバ30は、交換用のプリンタ20の送付先住所を入力するための入力ボックス107、交換申請を指示するための交換申請ボタン108を交換申請ページ105に表示する。
【0085】
ユーザは、交換用のプリンタ20の送付先住所を入力ボックス107に入力し、交換申請ボタン108をタッチ操作する。サーバ30は、交換申請ボタン108をタッチ操作されると、入力ボックス107に入力された住所に交換用のプリンタ20を発送する指示を、ベンダの作業者等に通知する。また、サーバ30は、交換申請ページ106を携帯端末装置10に表示する。サーバ30は、交換申請を受け付けた旨、受付番号、到着まで待ってほしい旨のメッセージ109を交換申請ページ106に表示する。これにより、交換用のプリンタ20の発送をサーバ30に申請することができる。尚、受付番号は、発送状況等をベンダ側に確認するための番号である。
【0086】
(ケース2:印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なく、且つインク残量がインク残量閾値26B3以上の場合)
次に、
図11のケース2の場合について説明する。尚、以下の説明では、上記したケース1の場合と同様の内容については、その説明を適宜省略する。まず、プリンタ20は、
図10のS59において、ログイン後のEWSページ61に表示するメッセージを設定し(S59)、ログイン後のEWSページ61を携帯端末装置10に表示させる(S61)。
図12は、ケース2のEWSページ61を示している。
図12に示すように、プリンタ20は、ケース2の場合、
図8のケース1のEWSページ61に表示したメッセージに加え、チャージを促すメッセージ111を追加する。これにより、ログインページにアクセスしたユーザにチャージが必要であることを認識させることができる。
【0087】
S61でEWSページ61を表示させると、携帯端末装置10等は、ケース1と同様に、S63~S79を実行する。プリンタ20は、S81において、アクセス先情報として、チャージページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定する。これにより、S87でWebポータルサイトへアクセスされると、サーバ30は、S89でアクセス先情報に基づいて、チャージページを表示することを決定し、
図9のチャージページ91を携帯端末装置10に表示させる(S91、S93)。即ち、プリンタ20は、S81でアクセス先情報を変更することで、携帯端末装置10に表示させるWebポータルサイトを、トップページからチャージページ91へ変更する。これにより、
図12のEWSページ61のメッセージ111でチャージを促しつつ、リンク65のタッチ操作に応じてチャージページ91を表示させることで、ユーザのチャージ操作の手間を減らすことができ、チャージ操作をユーザにスムーズに行わせることができる。
【0088】
尚、
図12に示すメッセージ111の表示態様は、一例であり、適宜変更可能である。例えば、
図13に示すように、リンク65とは別に、リンク113を表示しても良い。プリンタ20等は、リンク65がタッチ操作された場合には、トップページ83を携帯端末装置10に表示させ、リンク113をタッチ操作された場合には、チャージページ91を表示させる。また、サーバ30は、リンク113に、「いますぐチャージする」などのチャージを示唆する文字を表示しても良い。あるいは、
図14に示すように、サーバ30は、印刷可能枚数がゼロになった場合、表示するメッセージ111を変更しても良い。例えば、サーバ30は、
図12の「もうすぐ印刷可能枚数がなくなります。」などの文字を削除して、「以下のページでチャージして下さい。」の文字だけをメッセージ111に表示しても良い。そして、プリンタ20等は、リンク65をタッチ操作された場合には、チャージページ91を表示させる。また、サーバ30は、例えば、印刷可能枚数が印刷枚数閾値(例えば、500枚)からより少なくなるごとに、チャージをより強調するような表示を行っても良い。サーバ30は、印刷可能枚数が400枚、300枚、200枚・・・と減るごとに、メッセージ111の文字の大きさ、太さ、色などを変更し、チャージをより強調しても良い。これにより、チャージが必要であることをより強調してユーザに伝えることができる。
【0089】
(ケース3:印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上、且つインク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合、ケース4:印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なく、且つインク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合)
次に、
図11のケース3,4の場合について説明する。プリンタ20は、
図10のS59において、ログイン後のEWSページ61に表示するメッセージを設定し(S59)、ログイン後のEWSページ61を携帯端末装置10に表示させる(S61)。
図15は、ケース3,4のEWSページ61を示している。
図15に示すように、プリンタ20は、ケース3,4の場合、
図8のケース1のEWSページ61に表示したメッセージに加え、交換を促すメッセージ115を追加する。これにより、ログインページにアクセスしたユーザに交換の申請が必要であることを認識させることができる。
【0090】
S61でEWSページ61を表示させると、携帯端末装置10等は、ケース1と同様に、S63~S79を実行する。プリンタ20は、S81において、アクセス先情報として、交換申請ページへアクセスさせる情報をアクセス先情報に設定する。これにより、サーバ30は、S89でアクセス先情報に基づいて、交換申請ページを表示することを決定し、
図9の交換申請ページ105を携帯端末装置10に表示させる(S91、S93)。即ち、プリンタ20は、S81でアクセス先情報を変更することで、携帯端末装置10に表示させるWebポータルサイトを、トップページから交換申請ページ105へ変更する。これにより、
図15のEWSページ61のメッセージ115で交換を促しつつ、リンク65のタッチ操作に応じて交換申請ページ105を表示させることで、ユーザの交換申請を行うための操作の手間を減らすことができ、交換申請の操作をユーザにスムーズに行わせることができる。尚、
図13のチャージの場合と同様に、
図16に示すように、交換申請の場合にも、トップページ83を表示させるためのリンク65とは別に、交換申請ページ105を表示させるためのリンク117を表示しても良い。
【0091】
(アプリケーション18Bによるアクセス)
次に、アプリケーション18Bによってサーバ30へアクセスする指示を受け付け、チャージ処理及び交換申請処理を実行する場合について説明する。上記した
図10に示す例では、携帯端末装置10からプリンタ20のEWSにアクセスした後(S51~S61)、サーバ30にアクセスした。しかしながら、サーバ30へアクセスする指示を受け付ける方法は、EWSを用いる方法に限らず、アプリケーション18Bを用いる方法でも良い。尚、以下の説明では、
図10のEWSを用いる場合と同様の内容については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0092】
図17は、アプリケーション18Bによってサーバ30にアクセスする指示を受け付ける場合のシーケンス図を示している。まず、
図17に示すように、携帯端末装置10は、アプリケーション18Bに対する操作を受け付ける(S101)。
図18は、アプリケーション18Bに対して所定の操作を受け付けた後に携帯端末装置10に表示される画面121を示している。例えば、ユーザは、タッチパネル14に表示されたアプリケーション18Bのアイコンをタッチ操作しアプリケーション18Bを起動する。携帯端末装置10は、端末CPU17でアプリケーション18Bを実行し、メニュー画面(図示略)をタッチパネル14に表示させる。携帯端末装置10は、メニュー画面でプリンタ管理などの設定項目をタッチ操作されると、画面121をタッチパネル14に表示する。アプリケーション18Bは、プリンタ名123、印刷可能枚数メッセージ124、移動ボタン125を画面121に表示する。プリンタ名123は、選択中のプリンタ20のプリンタ名であり、チャージや交換申請を行う対象のプリンタ20のプリンタ名である。印刷可能枚数メッセージ124は、印刷可能枚数18Dを示すメッセージである。
【0093】
携帯端末装置10は、画面121を表示する状態で移動ボタン125をタッチ操作されると(S103)、プリンタ名123(選択中の)プリンタ20との間でS105以降の物理認証を実行する。携帯端末装置10は、上記したEWSの場合と同様に、例えば、プリンタ20との間で、物理認証等を実行する。携帯端末装置10は、移動ボタン125のタッチ操作を受け付けると(S103)、物理認証の開始通知をプリンタ20へ送信する(S105)。プリンタ20は、開始通知を携帯端末装置10から取得すると(S105)、開始通知を取得した旨の取得通知を携帯端末装置10へ送信する(S106)。携帯端末装置10のアプリケーション18Bは、S106の通知を取得すると、携帯端末装置10に表示する画面を、
図18に示す画面121から画面127に遷移させる(S107)。携帯端末装置10は、
図8のポップアップ画面69と同様に、「本体パネルでOKを押して下さい」などのメッセージ129を画面127に表示させる。尚、携帯端末装置10は、画面127に表示したキャンセルボタン131をタッチ操作されると、実行中の物理認証を中断し、画面121を表示してS103からの処理を再度実行する。
【0094】
また、プリンタ20は、S106の取得通知を送信すると、
図8のEWSの場合と同様に、画面73をユーザIF27に表示し、物理認証を受け付ける(S67)。ユーザIF27のOKボタン77が操作されると、即ち、物理認証に成功すると、プリンタ20や携帯端末装置10は、
図10の場合(EWSの場合)と同様に、S71以降の処理を実行する。尚、
図18は、トップページ83を表示する場合(ケース(1))を示している。携帯端末装置10は、例えば、アプリケーション18BによってS73(
図10参照)以降の処理を実行する。携帯端末装置10は、
図10のS85において、WebポータルワンタイムURLを取得すると、ブラウザソフト18Cを起動して、取得したURLにアクセスする。これにより、アプリケーション18Bによってサーバ30へのアクセスの指示を受け付けた場合にも、上記したEWSで受け付けた場合と同様に、印刷可能枚数及びインク残量に応じて、携帯端末装置10に表示させるWebポータルサイトを、チャージページ91や交換申請ページ105に変更することができる。
【0095】
尚、アプリケーション18Bは、S101,S103で画面121を表示する際に、
図12~
図16に示すEWSページ61と同様に、チャージを促すメッセージ111、チャージのリンクを示すボタン(リンク113)、交換申請を促すメッセージ115、交換申請のリンクを示すボタン(リンク117)を、画面121に表示しても良い。また、表示するメッセージ111等を決定するために、
図11に示すような印刷可能枚数と印刷枚数閾値26B2、インク残量とインク残量閾値26B3を比較する主体や方法は、特に限定されない。例えば、アプリケーション18Bが、メッセージ111等を決定する処理を実行しても良い。詳述すると、アプリケーション18Bは、
図17のS102に示すように、画面121を表示する前に、プリンタ20からプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数、インク残量、印刷枚数閾値26B2、インク残量閾値26B3を取得し、
図11のケース1~4に従って表示するメッセージ111やボタンの表示を変更しても良い。これにより、メッセージ111等を用いて、チャージや交換申請の必要性をユーザに伝えることができる。あるいは、プリンタ20が、印刷可能枚数と印刷枚数閾値26B2を比較した結果等や、ケース1~4の何れに該当するかの情報を携帯端末装置10に通知しても良い。また、携帯端末装置10は、サーバ30から印刷可能枚数等の情報を取得し、メッセージ111の決定等に用いても良い。
【0096】
因みに、上記した第1実施形態において、携帯端末装置10は、情報処理装置の一例である。プリンタ20は、印刷装置の一例である。タンク部23は、収容体の一例である。印刷可能枚数は、印刷許可量の一例である。S15、S19、S85は、通知処理の一例である。印刷枚数閾値26B2は、許可量閾値の一例である。インク残量閾値26B3は、残量閾値の一例である。S59,S61は、表示処理の一例である。
【0097】
(効果)上記した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1実施形態のプリンタ20は、印刷可能枚数の範囲で印刷動作を印刷部25に実行させる。プリンタ20は、
図4に示すように、印刷可能枚数の状態(S11)、及びインク残量の状態(S13、印刷実行可能枚数26B4)の2つの状態に応じてS15のチャージ催促通知を実行する。また、プリンタ20は、
図10において、印刷可能枚数の状態、及びインク残量の状態の2つの状態に応じてアクセス先情報を変更して通知を行なう(S81、S85)。これによれば、印刷可能枚数やインク残量に応じて、より適切なタイミングで通知を行なうことができ、過剰な通知の発生を抑制できる。
【0098】
(2)プリンタ20は、
図4の処理において、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2以上であるか否かに応じて通知を実行し、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少ない場合(S11:NO)、印刷可能枚数を増加させるチャージの実行を促すチャージ催促通知を実行する(S15)。また、プリンタ20は、S11、S13の判断結果に応じて、S15の実行の有無を変更する。これによれば、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なくなってきたタイミングでチャージ催促通知を実行し、ユーザに適切なタイミングでチャージを実行させることができる。また、チャージ催促通知の実行の有無を、S11、S13の判断結果に応じて変更することで、過剰なチャージ催促通知の実行を抑制できる。
【0099】
(3)プリンタ20は、印刷可能枚数が、インク残量で印刷が可能な印刷実行可能枚数26B4以上である場合(S13:YES)、S15のチャージ催促通知の実行を制限する。これによれば、インク残量で印刷可能な印刷実行可能枚数26B4以上のチャージを抑制し、古いプリンタ20から新しいプリンタ20へ交換する際に、印刷可能枚数を引く継ぐ処理が発生することを抑制できる。その結果、交換作業の手間を少なくし、ユーザビリティを向上できる。
【0100】
(4)プリンタ20は、S15を実行し、携帯端末装置10にチャージの実行を促す内容を表示させる(S23)。尚、プリンタ20のユーザIF27に、チャージの実行を促す内容を表示させて実行しても良く、携帯端末装置10とユーザIF27の両方に、チャージの実行を促す表示を実行しても良い。これによれば、携帯端末装置10やプリンタ20のユーザIF27を通じて、プリンタ20を使用するユーザにチャージを催促することができる。
【0101】
(5)プリンタ20は、インク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合(S17:NO)、プリンタ20の交換をユーザに通知する(S19)。インク残量閾値26B3は、インク残量がインク残量閾値26B3より少ないと判断した時点から印刷の実行によりインク残量がなくなると予想される期間に比べ、プリンタ20の交換をユーザに通知してから交換用のプリンタ20をユーザに届けるまでの期間が短くなる値が設定されている。これによれば、交換用のプリンタ20が届かないことでユーザがプリンタ20を使用できなくなるダウンタイムの発生をなくす、あるいは短くし、ユーザビリティを向上できる。尚、プリンタ20が、タンク部23を交換可能な構成である場合、プリンタ20は、タンク部23の交換を通知しても良い。この場合、タンク部23は、本願の収容体の一例である。また、インク残量閾値26B3は、上記したプリンタ20を届ける期間に応じて予め設定された値でなくとも良い。例えば、サーバ30が、プリンタ20の発送の混雑具合等に応じて、プリンタ20のインク残量閾値26B3を変更しても良い。
【0102】
(6)プリンタ20は、印刷枚数閾値26B2の変更を受け付け可能となっている。これによれば、ユーザが、チャージ催促通知を受け取りたい印刷枚数閾値26B2を設定でき、所望のタイミングでチャージ催促通知を実行させることができる。尚、プリンタ20は、印刷枚数閾値26B2の変更をユーザから受け付けない構成でも良い。
【0103】
(7)サーバ30は、印刷実行可能枚数を増加させるチャージの指示を受け付けるチャージページ91~93と、プリンタ20の交換の指示を受け付ける交換申請ページ105,106と、を有している。プリンタ20は、印刷可能枚数及びインク残量の状態に応じて、チャージページ91~93及び交換申請ページ105,106の少なくとも一方のページに係わるアクセス先情報を携帯端末装置10へ通知する(S85)。これによれば、印刷可能枚数の残り枚数やインク残量の状態に応じて、ユーザに通知するページを変更することができる。
【0104】
(8)プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少ない場合、チャージページ91のアクセス先情報を携帯端末装置10に通知する(S81、
図11のケース2)。これによれば、印刷可能枚数の低減に応じてチャージページ91を案内し、印刷可能枚数のチャージをユーザに促すことができる。
【0105】
(9)プリンタ20は、インク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合、交換申請ページ105のアクセス先情報を携帯端末装置10へ通知する(S81、
図11のケース3、4)。これによれば、インク残量の低減に応じて交換申請ページ105を案内し、プリンタ20の交換をユーザに促すことができる。
【0106】
(10)プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少なく、且つ、インク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合、チャージページ91のアクセス先情報を通知せず、交換申請ページ105のアクセス先情報を通知する(
図11のケース4)。これによれば、インク残量が少なくなり交換が必要な状態では、チャージを促すことよりも交換を促すことを優先する。プリンタ20の交換手続きにおいて、チャージにより余った印刷可能枚数を引き継ぐ処理が発生することを抑制できる。
【0107】
(11)プリンタ20は、チャージページに係わる情報として、チャージページ91にアクセスするWebポータルワンタイムURLを携帯端末装置10へ通知し、交換申請ページに係わる情報として、交換申請ページ105にアクセスするWebポータルワンタイムURLを携帯端末装置10へ通知する(S85)。これによれば、携帯端末装置10に表示させるWebページを、チャージページ91や交換申請ページ105に変更(リダイレクト)させることができ、チャージや交換申請をよりスムーズにユーザに実行させることができる。
【0108】
(12)プリンタ20は、携帯端末装置10からアクセス可能なEWS(内部サーバの一例)を有し、携帯端末装置10からEWSにアクセスがあった場合に(S51)、サーバ30にアクセスするリンク65を表示したEWSページ61(内部サーバページの一例)を、携帯端末装置10に表示させる(S61)。プリンタ20は、印刷可能枚数が印刷枚数閾値26B2より少ない場合、チャージを促すメッセージ111を、EWSページ61に表示させる(
図12参照、S59,S61))。これにより、メッセージ111によって、チャージを必要としている状態であることをユーザにより確実に認識させることができる。また、プリンタ20は、インク残量がインク残量閾値26B3より少ない場合、交換を促すメッセージ115を、EWSページ61に表示させる(
図15、S59,S61)。これにより、メッセージ115によって、プリンタ20の交換が必要であることをユーザにより確実に認識させることができる。
【0109】
(第2実施形態)
次に、本願の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、プリンタ20が
図10のS81(
図11)の印刷可能枚数及びインク残量の判断を実行し、携帯端末装置10に通知するWebポータルワンタイムURL(アクセス先情報)を変更したが、他の装置が印刷可能枚数等の判断を実行しても良い。第2実施形態では、サーバ30が、印刷可能枚数及びインク残量の判断を実行する場合について説明する。以下の説明では、上記した第1実施形態と同様の内容については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0110】
図19は、第2実施形態におけるシーケンス図を示している。
図19に示すように、第2実施形態において、携帯端末装置10とプリンタ20は、第1実施形態と同様に、S51からS73を実行する。携帯端末装置10は、S73において、WebポータルワンタイムURLをプリンタ20へ要求する(S73)。プリンタ20は、S73の要求を取得すると、ワンタイムトークをサーバ30へ要求する(S111)。また、プリンタ20は、自装置のプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数及びインク残量、即ち、最新の印刷可能枚数及びインク残量の情報をサーバ30へ送信する(S111)。これにより、サーバ30は、後述するように、印刷可能枚数等を用いた判断が可能となる。
【0111】
サーバ30は、S111の要求を取得すると、ワンタイムトークを生成し(S113)、生成したワンタイムトークをプリンタ20へ応答する(S79)。また、サーバ30は、生成したワンタイムトークと、S111で取得した印刷可能枚数、インク残量の情報を関連付けてサーバ記憶部32Bに記憶する(S113)。プリンタ20は、サーバ30からワンタイムトークを取得すると(S79)、WebポータルワンタイムURLを生成する(S115)。第2実施形態では、S111で送信した情報に基づいてサーバ30が表示させるWebポータルページを決定する。このため、プリンタ20は、第1実施形態のアクセス先情報を判断する処理(S81)を実行しない。プリンタ20は、S115において、WebポータルワンタイムURLとして、下記に示すように、第1実施形態のWebポータルワンタイムURLからアクセス先情報を除いた、ベースURLにワンタイムトークンを追加した情報を生成する。
WebポータルワンタイムURL=ベースURL+ワンタイムトークン
【0112】
プリンタ20は、S115で生成したWebポータルワンタイムURLを携帯端末装置10へ送信する(S85)。携帯端末装置10は、S85で取得したWebポータルワンタイムURLにブラウザソフト18Cでアクセスする(S87)。サーバ30は、S87のアクセスを受け付けると、アクセスを受けたWebポータルワンタイムURLに基づいて、ワンタイムトークンを検出する(S117)。サーバ30は、検出したワンタイムトークンについて、S113で関連付けた印刷可能枚数及びインク残量をサーバ記憶部32Bから読み出し判断する。即ち、サーバ30は、S111のアクセス元のプリンタ20について、印刷可能枚数及びインク残量の判断を実行する。
【0113】
サーバ30は、
図11に示すように、第1実施形態と同様に、印刷可能枚数と印刷枚数閾値26B2、インク残量とインク残量閾値26B3に基づく比較を実行し(ケース1~4)、表示するWebポータルページを判断する(S117)。例えば、サーバ30は、
図11のケース1の場合、トップページ83を携帯端末装置10へ送信する(S91)。また、サーバ30は、ケース2の場合、チャージページ91を携帯端末装置10へ送信する(S91)。また、サーバ30は、ケース3,4の場合、交換申請ページ105を携帯端末装置10へ送信する。このようにして、サーバ30側で印刷可能枚数及びインク残量を判断する場合でも、第1実施形態と同様に、携帯端末装置10に表示するWebポータルページを適切なページに変更できる。
【0114】
尚、S117の判断に用いる印刷枚数閾値26B2及びインク残量閾値26B3を、サーバ30に設定する方法は、特に限定されない。例えば、全てのプリンタ20で同一値の印刷枚数閾値26B2及びインク残量閾値26B3を使用する場合、その同一値の印刷枚数閾値26B2及びインク残量閾値26B3をサーバ記憶部32Bに予め記憶させても良い。また、プリンタ20で印刷枚数閾値26B2の変更等をユーザから受け付ける場合、サーバ30は、
図19のS111において、プリンタ20から印刷枚数閾値26B2及びインク残量閾値26B3を取得しても良い。
【0115】
また、上記した印刷可能枚数、インク残量の判断処理は、携帯端末装置10のアプリケーション18Bが実行しても良い。例えば、携帯端末装置10がチャージページ91や交換申請ページ105の情報を保有しており、プリンタ20から取得した印刷可能枚数及びインク残量を判断し、アクセスするWebポータルページを決定しても良い。また、サーバ30は、S115よりも前に、例えば、S113の時点で、携帯端末装置10へ通知するWebポータルページを決定しても良い。
【0116】
(アプリケーション18Bによるアクセス)
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、アプリケーション18Bによってサーバ30へアクセスする指示を受け付けても良い。携帯端末装置10のアプリケーション18B及びプリンタ20は、
図17、
図18に示すように、S101からS71までの処理を実行し、サーバ30のWEbサイトへ移動する指示をアプリケーション18Bで受け付け、物理認証が終了した後、
図19のS73以降の処理を実行する。これにより、アプリケーション18Bによってサーバ30へのアクセスの指示を受け付け、且つ、サーバ30が印刷可能枚数等を判断する場合にも、携帯端末装置10に表示させるWebポータルサイトを変更できる。
【0117】
因みに、上記した第2実施形態において、S91は、通知処理の一例である。
【0118】
(効果)上記した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(1)また、第2実施形態のサーバ30は、印刷可能枚数及びインク残量の状態に応じて、チャージページ91~93及び交換申請ページ105,106の少なくとも一方のページを携帯端末装置10へ通知する(S91)。これによれば、印刷可能枚数の残り枚数やインク残量の状態に応じて、ユーザに通知するWebポータルページを変更することができる。
【0119】
(2)また、サーバ30は、チャージページに係わる情報として、チャージページ91を携帯端末装置10に通知し、交換申請ページに係わる情報として、交換申請ページ105を携帯端末装置10に通知する。これにより、印刷可能枚数、インク残量に応じてより適切なWebポータルページを携帯端末装置10に表示させることができる。
【0120】
(変形例)
以上、本願の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0121】
例えば、上記各実施形態の印刷システム1は、EWSを用いてサーバ30へのアクセスを受け付ける方法と、アプリケーション18Bを用いてサーバ30へのアクセスを受け付ける方法の少なくとも一方のみを実行可能な構成でも良い。
また、印刷システム1は、
図6に示すチャージ催促通知や交換通知の処理と、
図8~
図19に示す携帯端末装置10に表示するWebポータルサイトを変更する処理のうち、一方の処理のみを実行可能な構成でも良い。
上記各実施形態において、印刷可能枚数をプリンタ管理テーブルPT等に記憶させ、その印刷可能枚数を印刷ごとに減算し、印刷の可否を決定した。これに対し、プリンタ20で印刷した印刷済枚数などの印刷により増加する量を用いて、印刷可能枚数を管理しても良い。この場合、例えば、チャージ枚数の累計値である累計チャージ枚数から、印刷枚数の累計である累計印刷枚数を差し引いた値を印刷可能枚数(本願の印刷許可量)として管理しても良い。
また、印刷システム1は、デバイスIDと印刷可能枚数を関連付けてサーバ管理テーブルSTに記録し、プリンタ20ごとの印刷可能枚数を管理するシステムであったが、これに限らない。印刷システム1は、例えば、印刷可能枚数をユーザに関連付けて管理するシステムでも良い。ここでいうユーザとしては、アプリケーション18Bに登録されたユーザ、携帯端末装置10を使用するユーザなどを採用できる。
【0122】
また、上記第1実施形態では、プリンタ20が
図4、
図5の処理を実行し、チャージ催促通知や交換通知の実行を判断したが、他の装置が実行しても良い。例えば、サーバ30や携帯端末装置10のアプリケーション18Bが、印刷可能枚数、印刷実行可能枚数26B4、インク残量閾値26B3等に応じて、チャージ催促通知や交換通知の実行を判断しても良い。
また、プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTを、プリンタ記憶部26Bに記憶する構成であったが、これに限らない。例えば、プリンタ20は、ICカードやメモリカード等を読み取り可能な読み取りIFを備えても良い。そして、プリンタ20は、読み取りIFに装着されたICカード等から、デバイスIDや印刷可能枚数などのプリンタ管理テーブルPTの情報を読み取って用いても良い。即ち、プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTを、ICカード等で管理される構成でも良い。
あるいは、プリンタ20は、印刷可能枚数等のプリンタ管理テーブルPTの情報を、タンク部23のインクタンクに設けられたメモリ、レーザプリンタの場合であれば、トナーカートリッジのメモリ、感光体ドラムのメモリなど、プリンタプログラム26B1が記憶された記憶部以外のメモリ等に記憶して管理しても良い。
また、本願における印刷許可量は、印刷可能枚数に限らない。例えば、印刷許可量は、インクやトナーの消費量でも良い。印刷許可量は、何ドット(ピクセル)だけインクの吐出を許可する量、インクの使用を許可する量(何mlなど)でも良い。あるいは、印刷許可量は、感光体ドラム等の印刷動作にともなって回転する部材の回転数で規定しても良い。
【0123】
また、上記各実施形態の印刷システム1の構成は、一例である。印刷システム1は、サーバ30を備えない構成でも良い。また、印刷システム1は、複数の携帯端末装置10で1つのプリンタ20を使用しても良く、1つの携帯端末装置10で複数のプリンタ20を使用しても良い。例えば、1つのプリンタ20から、複数の携帯端末装置10に対してチャージ催促通知や交換通知を実施しても良い。
また、印刷システム1は、1台の携帯端末装置10と、1台のプリンタ20だけを備える構成でも良い。また、印刷システム1は、1台の携帯端末装置10と、複数台のプリンタ20を備える構成や、複数台の携帯端末装置10と、1台のプリンタ20を備える構成でも良い。
プリンタ20は、S67等のユーザIF27を用いた物理認証を実行しなくとも良い。
また、本願の情報処理端末として、スマートフォンである携帯端末装置10を採用したが、これに限らない。情報処理装置としては、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC等の端末を採用できる。
プリンタ20は、ユーザがインクを補充可能(タンク部23の各インクタンクを交換可能)な構成でも良い。また、インクなどの消耗品を補充するための手段としては、他にはタンク部23に対してインクなどが入ったボトルから注入可能にする構成などが挙げられる。
また、本願の印刷装置として、インクジェット方式のプリンタ20を採用したが、レーザ方式やサーマル方式のプリンタでも良い。また、印刷装置は、個人ユーザ向けのプリンタに限らず、商業用・産業用の印刷機でも良い。従って、印刷装置は、印刷機能の他に、スキャン機能、コピー機能、FAX機能等を備える複合機でも良い。
【符号の説明】
【0124】
1 印刷システム、10 携帯端末装置(情報処理装置)、20 プリンタ(印刷装置)、23 タンク部(収容体)、25 印刷部、26B2 印刷枚数閾値(許可量閾値)、26B3 インク残量閾値(残量閾値)、30 サーバ、65 リンク、91,92,93 チャージページ、105,106 交換申請ページ、111,115 メッセージ。