(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156460
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0338 20130101AFI20221006BHJP
【FI】
G06F3/0338 411
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060171
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中井 隆
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一成
(72)【発明者】
【氏名】冨山 達弘
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087BC02
5B087BC13
(57)【要約】
【課題】複数の操作方向への操作軸の可動範囲を容易に調整できるようにすること。
【解決手段】入力装置は、任意の方向へ傾倒操作またはスライド操作可能な操作軸と、操作軸の操作を検出可能な検出手段と、操作軸が挿通される開口部を有し、開口部の内周縁部において、操作軸の可動範囲を規制する規制手段とを備え、規制手段は、開口部の大きさを調整可能である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の方向へ傾倒操作またはスライド操作可能な操作軸と、
前記操作軸の操作を検出可能な検出手段と、
前記操作軸が挿通される開口部を有し、前記開口部の内周縁部において、前記操作軸の可動範囲を規制する規制手段と
を備え、
前記規制手段は、
前記開口部の大きさを調整可能である
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記規制手段は、
前記内周縁部を全周に亘り同時に移動させることによって、前記内周縁部から前記操作軸の中立位置までの距離を前記内周縁部の全周に亘り同時に調整可能である
ことを特徴とする請求項1に入力装置。
【請求項3】
前記規制手段は、
前記操作軸を取り囲むように同一円周上に並べて配置された複数の羽根部材を有し、
前記開口部は、
前記複数の羽根部材の各々の内縁部が組み合わされて形成され、
前記規制手段は、
前記複数の羽根部材を同時に移動させることにより、前記開口部の大きさを調整可能である
ことを特徴とする請求項2に入力装置。
【請求項4】
前記複数の羽根部材の各々は、湾曲形状を有し、
前記開口部は、略円形状である
ことを特徴とする請求項3に入力装置。
【請求項5】
回転することによって前記複数の羽根部材を同時に回動させる回転部材を備える
ことを特徴とする請求項3または4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記規制手段は、
手動操作によって前記回転部材を回転させることが可能な操作レバーを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の入力装置。
【請求項7】
前記規制手段は、
制御信号による制御によって前記回転部材を回転駆動することが可能な駆動手段を有する
ことを特徴とする請求項5に記載の入力装置。
【請求項8】
前記駆動手段は、
前記回転部材側からの回転によって前記駆動手段が駆動されることを抑制するセルフロック機構を有したウォームギアを備える
ことを特徴とする請求項7に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ゲーム機等に用いられるジョイスティック装置において、規制片によって、レバーの傾きを規制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の入力装置は、複数の操作方向へのレバーの可動範囲を容易に調整することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る入力装置は、任意の方向へ傾倒操作またはスライド操作可能な操作軸と、操作軸の操作を検出可能な検出手段と、操作軸が挿通される開口部を有し、開口部の内周縁部において、操作軸の可動範囲を規制する規制手段とを備え、規制手段は、開口部の大きさを調整可能である。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態に係る入力装置によれば、複数の操作方向への操作軸の可動範囲を容易に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】一実施形態に係る入力装置(規制手段が分離した状態)の外観斜視図
【
図3】一実施形態に係る入力装置が備える規制手段の分解斜視図
【
図4】一実施形態に係る規制手段の第1の状態を示す図
【
図5】一実施形態に係る規制手段が備える可動部材の第1の状態を示す図
【
図6】一実施形態に係る規制手段の第2の状態を示す図
【
図7】一実施形態に係る規制手段が備える可動部材の第2の状態を示す図
【
図8】一実施形態に係る規制手段によるレバーの傾倒角度の規制の一例を示す図
【
図9】一実施形態に係る規制手段によるレバーの傾倒角度の規制の一例を示す図
【
図11】一変形例に係る入力装置(支持台が取り外された状態)の外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
【0009】
(入力装置100の構成)
図1は、一実施形態に係る入力装置100の外観斜視図である。
図2は、一実施形態に係る入力装置100(規制手段200が分離した状態)の外観斜視図である。なお、以降の説明では、便宜上、レバー120の軸方向を上下方向(Z軸方向)とし、レバー120の軸方向と直交する方向を、前後方向(X軸方向)および左右方向(Y軸方向)とする。
【0010】
図1に示す入力装置100は、ゲーム機等のコントローラ等に用いられる。
図1に示すように、入力装置100は、ケース102の開口部102Aから上方に向って延在する柱状の、傾倒操作可能なレバー120を有する。入力装置100は、レバー120による前後方向(図中矢印D1,D2方向)および左右方向(図中矢印D3,D4方向)のみならず、これらの方向の間の全方向への傾倒操作が可能である。また、入力装置100は、レバー120の傾倒操作(傾倒方向および傾倒角度等)に応じた操作信号を、アクチュエータ104,106から外部へ出力することができる。
【0011】
図1および
図2に示すように、入力装置100は、ケース102、レバー120、アクチュエータ104、アクチュエータ106、回転角度検出器105、回転角度検出器107、押圧スイッチ109、および規制手段200を備える。
【0012】
ケース102は、概ね立方体形状を有する箱状の部材である。ケース102の上面には、平面視において円形状をなす開口部102Aが形成されている。
【0013】
レバー120は、「操作軸」の一例である。レバー120は、操作者によって傾倒操作がなされる部材である。レバー120は、柱状の軸部120Aを有し、当該軸部120Aがケース102の開口部102Aを挿通して設けられる。レバー120は、ケース102の開口部102Aから上方に突出した軸部120Aにより、操作者による傾倒操作が可能である。
【0014】
アクチュエータ104は、「検出手段」の一例である。アクチュエータ104は、ケース102の内部において、回動軸104Bを回転中心として、前後方向(X軸方向)に回動可能に設けられる。アクチュエータ104は、レバー120が前後方向(X軸方向)に傾倒したときに、レバー120から付勢されて前後方向(X軸方向)に回動する。
【0015】
アクチュエータ106は、「検出手段」の一例である。アクチュエータ106は、ケース102の内部において、回動軸106Bを回転中心として、左右方向(Y軸方向)に回動可能に設けられる。アクチュエータ106は、レバー120が左右方向(Y軸方向)に傾倒したときに、レバー120から付勢されて左右方向(Y軸方向)に回動する。
【0016】
回転角度検出器105は、ケース102の側面に設けられており、アクチュエータ104の回動軸104Bと係合し、当該回動軸104Bの回動角度(すなわち、レバー120の前後方向(X軸方向)の傾倒角度)を検出する。
【0017】
回転角度検出器107は、ケース102の側面に設けられており、アクチュエータ106の回動軸106Bと係合し、当該回動軸106Bの回動角度(すなわち、レバー120の左右方向(Y軸方向)の傾倒角度)を検出する。
【0018】
押圧スイッチ109は、レバー120が下方に押し下げられたときに、アクチュエータ104のY軸負側の回動軸104Bによって下方に押し下げられてオン状態に切り替わることにより、レバー120が下方へ押し下げられたことを検出する。
【0019】
なお、ケース102の内部には、復帰機構(図示省略)が設けられている。復帰機構は、レバー120の傾倒操作が解除されたときに、レバー120を傾倒した状態から中立状態へ復帰させる。
【0020】
規制手段200は、円形の開口部200Aを有する円環状の部材である。規制手段200は、ケース102の上面に固定的に設置される。開口部200A内には、当該開口部200Aの中心と、レバー120の軸部120Aの中心とが一致するように、レバー120の軸部120Aが挿通される。規制手段200は、開口部200Aの内周縁部において、レバー120の軸部120Aが当接することによって、レバー120の可動範囲を規制する。規制手段200は、開口部200Aの内周縁部を全周に亘り同時に移動させることによって、開口部200Aの内周縁部からレバー120の軸部120Aの中立位置までの距離を開口部200Aの内周縁部の全周に亘り同時に調整可能である。
【0021】
図3は、一実施形態に係る入力装置100が備える規制手段200の分解斜視図である。
図3に示すように、規制手段200は、ケース201、回転部材202、可動部材210、止め部材203、および操作レバー204を有する。
【0022】
ケース201は、上下方向において比較的薄型の円筒状の部材である。ケース201の内側には、回転部材202および可動部材210が収容される。ケース201の内側には、当該ケース201の内周面に沿って、台座部201Aが設けられている。台座部201Aは、半径方向に一定の幅を有する円環状の水平な上面を有する部分である。台座部201Aの上面には、円環状をなす可動部材210(すなわち、5枚の羽根部材212)が配置される。台座部201Aには、当該台座部201Aを上下方向に貫通する複数の支持孔201Bが等間隔で設けられている。複数の支持孔201Bの各々は、円形状を有する。複数の支持孔201Bの各々は、可動部材210が有する羽根部材212の回転軸部212Aが嵌め込まれることにより、羽根部材212を回動可能に支持する。本実施形態では、可動部材210が5枚の羽根部材212を有するのに伴って、台座部201Aには、5つの支持孔201Bが等間隔(72°間隔)で設けられている。
【0023】
可動部材210は、規制手段200の開口部200Aの開口面積を変化させる部材である。可動部材210は、複数の羽根部材212を有する。本実施形態では、一例として、可動部材210は、5枚の羽根部材212を有する。可動部材210は、ケース201の台座部201Aに対し、5枚の羽根部材212が、円周方向に沿って同一円周上に等間隔で並べて配置されることにより、略円環状を有するものとなる。
【0024】
羽根部材212は、薄板状の部材である。羽根部材212は、平面視において、一定の幅を有して曲線状に延在する帯状且つ湾曲形状を有する。羽根部材212は、回転軸部212Aおよび操作軸部212Bを有する。回転軸部212Aおよび操作軸部212Bは、いずれも円柱状を有する。
【0025】
回転軸部212Aは、羽根部材212の末端部において、羽根部材212の下面から下方に突出して設けられている。羽根部材212は、回転軸部212Aがケース201の台座部201Aに形成されている支持孔201Bに嵌め込まれることにより、当該支持孔201Bによって回動可能に支持される。
【0026】
操作軸部212Bは、羽根部材212の先端部において、羽根部材212の上面から上方に突出して設けられている。操作軸部212Bは、回転部材202の係合溝202A内に配置される。これにより、羽根部材212は、回転部材202の回転に伴って、操作軸部212Bが回転部材202によって回動操作される。
【0027】
なお、複数の羽根部材212の各々は、
図5に示すように、先端側(操作軸部212B側)の一部が、隣接する他の羽根部材212の末端側の一部の上側に重ねられており、末端側(回転軸部212A側)の一部の上側には、隣接する他の羽根部材212の先端側の一部が重ねられている。
【0028】
回転部材202は、円環状の部材である。回転部材202は、ケース201の内側において、可動部材210の上側で回転可能に設けられる。回転部材202の外形および内径は、ケース201の台座部201Aの外形および内径と略等しい。回転部材202の底面には、複数の係合溝202Aが等間隔で形成されている。本実施形態では、可動部材210が5枚の羽根部材212を有するのに伴って、回転部材202の底面には、5つの係合溝202Aが等間隔(72°間隔)で形成されている。各係合溝202Aは、一定の幅を有して、回転部材202の半径方向に向かって直線状に切り欠かれている。各係合溝202Aには、可動部材210が有する羽根部材212の操作軸部212Bが配置される。各係合溝202Aは、回転部材202の回転に伴って、羽根部材212の操作軸部212Bを、半径方向に移動させる。これにより、回転部材202は、羽根部材212を回動させることができる。
【0029】
具体的には、各係合溝202Aは、回転部材202の時計回り方向への回転に伴って、羽根部材212の操作軸部212Bを、半径方向における外側に向かって移動させる。これにより、回転部材202は、羽根部材212を半径方向における外側に向かって回動させることができる。
【0030】
反対に、各係合溝202Aは、回転部材202の反時計回り方向への回転に伴って、羽根部材212の操作軸部212Bを、半径方向における内側に向かって移動させる。これにより、回転部材202は、羽根部材212を半径方向における内側に向かって回動させることができる。
【0031】
回転部材202の外周面には、ねじ孔202Bが形成されている。ねじ孔202Bには、回転部材202を回転操作するための操作レバー204の先端部が螺合する。
【0032】
止め部材203は、金属製または合成樹脂製の板状の部材である。止め部材203は、一部が途切れた円環状を有する。止め部材203は、回転部材202の上側に配置され、当該止め部材203の外周縁部において、ケース201の内周面の上端部近傍に形成されている係合溝201Cに係合する。これにより、止め部材203は、回転部材202および可動部材210がケース201内から抜け落ちないように、回転部材202および可動部材210の上方への移動を規制する。
【0033】
操作レバー204は、回転部材202の外周面から突出して設けられる。操作レバー204は、回転部材202が操作者によって直接、または他の部材を介して間接的に回転操作されることによって操作される。操作レバー204は、ケース201の外周面の外側から、ケース201の外周面に形成された開口部201Dを貫通して、回転部材202の外周面に取り付けられる。操作レバー204の先端部は、ねじ山が形成されており、回転部材202の外周面に形成されたねじ孔202Bに螺合することにより、回転部材202の外周面に固定される。
【0034】
(規制手段200の動作)
図4は、一実施形態に係る規制手段200の第1の状態(開口部200Aの開口面積が最も拡大した状態)を示す図である。なお、
図4(a)は、規制手段200の平面図である。また、
図4(b)は、規制手段200の側面図である。また、
図4(c)は、規制手段200のA-A断面線(
図4(b)参照)による断面図である。
図5は、一実施形態に係る規制手段200が備える可動部材210の第1の状態(開口部200Aの開口面積が最も拡大した状態)を示す図である。
【0035】
図4に示すように、操作レバー204の時計回り方向への手動操作による回動操作によって、回転部材202が時計回り方向に回動した場合、複数の羽根部材212の各々の操作軸部212Bが、回転部材202の係合溝202A内を、半径方向における外側に向かって移動する。これにより、複数の羽根部材212の各々が、回転軸部212Aを回転中心として、半径方向における外側に向かって回動する。その結果、
図4および
図5に示すように、複数の羽根部材212の各々の内縁部が組み合わされることによって形成される、略円形状の開口部200Aの開口面積が拡大する。すなわち、開口部200Aの中心からの全方向に対する開口面積を同時に拡大可能である。
【0036】
図6は、一実施形態に係る規制手段200の第2の状態(開口部200Aの開口面積が最も縮小した状態)を示す図である。なお、
図6(a)は、規制手段200の平面図である。また、
図6(b)は、規制手段200の側面図である。また、
図6(c)は、規制手段200のB-B断面線(
図6(b)参照)による断面図である。
図7は、一実施形態に係る規制手段200が備える可動部材210の第2の状態(開口部200Aの開口面積が最も縮小した状態)を示す図である。
【0037】
図6に示すように、操作レバー204の反時計回り方向への手動操作による回動操作によって、回転部材202が反時計回り方向に回動した場合、複数の羽根部材212の各々の操作軸部212Bが、回転部材202の係合溝202A内を、半径方向における内側に向かって移動する。これにより、複数の羽根部材212の各々が、回転軸部212Aを回転中心として、半径方向における内側に向かって回動する。その結果、
図6および
図7に示すように、複数の羽根部材212の各々の内縁部が組み合わされることによって形成される、略円形状の開口部200Aの開口面積が縮小する。すなわち、開口部200Aの中心からの全方向に対する開口面積を同時に縮小可能である。
【0038】
なお、開口部200Aの開口面積は、回転部材202を時計回り方向に最大に回動させることにより、
図4および
図5に示すように最大となる。反対に、開口部200Aの開口面積は、回転部材202を反時計回り方向に最大に回動させることにより、
図6および
図7に示すように最小面積となる。但し、規制手段200は、回転部材202の回動角度を任意に調整することにより、開口部200Aの開口面積を、最小面積と最大面積との間で、任意の開口面積に無段階に調整可能である。また、規制手段200は、操作レバー204をねじ締めることにより、回転部材202を任意の回動角度で固定して、開口部200Aの開口面積を任意の開口面積で固定することができる。
【0039】
また、本実施形態では、複数の羽根部材212の各々の内縁部が曲線状を有するため、
図4~
図7に示すように、開口部200Aの開口面積に依らず、開口部200Aの形状を略円形状とすることができる。
【0040】
(規制手段200によるレバー120の傾倒角度の規制の一例)
図8および
図9は、一実施形態に係る規制手段200によるレバー120の傾倒角度の規制の一例を示す図である。
図8(a)および
図9(a)は、入力装置100の平面図である。
図8(b)および
図9(b)は、入力装置100の側面図である。
【0041】
一実施形態に係る入力装置100は、レバー120が規制手段200の開口部200Aの内周縁部に当接することにより、レバー120の傾倒角度が規制される。よって、一実施形態に係る入力装置100は、開口部200Aの開口面積を調整することで、レバー120の最大傾倒角度を調整できるようになっている。
【0042】
例えば、
図8に示す例では、可動部材210が第2の状態となっており、すなわち、開口部200Aの開口面積が最も縮小した状態となっている。このため、
図8に示す例では、レバー120の全ての傾倒方向の最大傾倒角度が、調整可能な角度範囲の最小角度(例えば、10°)に規制される。
【0043】
また、
図9に示す例では、可動部材210が第1の状態となっており、すなわち、開口部200Aの開口面積が最も拡大した状態となっている。このため、
図9に示す例では、レバー120の全ての傾倒方向の最大傾倒角度が、調整可能な角度範囲の最大角度(例えば、20°)に規制される。
【0044】
(規制手段200の変形例)
図10は、一変形例に係る入力装置100-2の外観斜視図である。
図11は、一変形例に係る入力装置100-2(支持台221が取り外された状態)の外観斜視図である。
【0045】
図10および
図11に示すように、一変形例に係る入力装置100-2は、規制手段200-2を備える。規制手段200-2は、操作レバー204を有しない。代わりに、規制手段200-2は、回転部材202の外周面にねじ山202Cが形成されている。
【0046】
また、規制手段200-2は、駆動手段220を有する。駆動手段220は、支持台221、モータ222、およびギヤ223を有する。
【0047】
支持台221は、モータ222およびギヤ223を所定の位置で保持する。
【0048】
モータ222は、水平に配置された丸棒状の回転軸222Aを有する。モータ222は、外部からの制御信号に応じて、回転軸222Aを回転させることができる。モータ222には、例えば、ステッピングモータが用いられる。
【0049】
ギヤ223は、モータ222の回転軸222Aが取り付けられている。ギヤ223は、回転部材202のねじ山202Cと螺合している。ギヤ223は、モータ222の回転軸222Aとともに回転することにより、回転部材202を回動させることができる。
【0050】
本変形例に係る規制手段200-2は、外部からの制御信号によって制御されるモータ222の駆動によって、回転部材202を回転駆動して時計回り方向に回動させることで、複数の羽根部材212の各々の内縁部が組み合わされることによって形成される、略円形状の開口部200Aの開口面積を拡大させることができる。
【0051】
反対に、本変形例に係る規制手段200-2は、外部からの制御信号によって制御されるモータ222の駆動によって、回転部材202を回転駆動して反時計回り方向に回動させることで、複数の羽根部材212の各々の内縁部が組み合わされることによって形成される、略円形状の開口部200Aの開口面積を縮小させることができる。
【0052】
すなわち、本変形例に係る規制手段200-2は、外部からモータ222を制御することによって、回転部材202の回転角度を調整することで、開口部200Aの開口面積を任意のサイズに調整できる。
【0053】
このため、本変形例に係る規制手段200-2は、例えば、ゲームのシーン等に応じて、レバー120の可動範囲を動的にソフトウェア的に動的に変更することができる。
【0054】
なお、ギヤ223はウォームギアであってよく、好適には、非通電時でも回転部材202側からの駆動によってギヤ223が駆動されることを抑制するセルフロック機構を備えたウォームギアであってよい。これによって、開口部200Aの任意の開口状態を保持することが容易となる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【0056】
例えば、操作軸のスライド操作可能な入力装置に対して一実施形態と同様の規制手段を設けることにより、操作軸の複数のスライド操作方向への可動範囲を規制手段によって規制するようにしてもよい。
【0057】
また、例えば、羽根部材212は、曲線状に限らず、直線状であってもよい。
【0058】
また、例えば、規制手段200が有する羽根部材212の枚数は、5枚に限らず、4枚以下、または、6枚以上であってもよい。
【符号の説明】
【0059】
100,100-2 入力装置
102 ケース
102A 開口部
104 アクチュエータ
104B 回動軸
105 回転角度検出器
106 アクチュエータ
106B 回動軸
107 回転角度検出器
109 押圧スイッチ
120 レバー
120A 軸部
200,200-2 規制手段
200A 開口部
201 ケース
201A 台座部
201B 支持孔
202 回転部材
202A 係合溝
202B ねじ孔
202C ねじ山
203 止め部材
204 操作レバー
210 可動部材
212 羽根部材
212A 回転軸部
212B 操作軸部
220 駆動手段
221支持台
222 モータ
222A 回転軸
223 ギヤ