(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156486
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】気閘室及び気閘室システム
(51)【国際特許分類】
E02D 23/04 20060101AFI20221006BHJP
E02D 23/06 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
E02D23/04 Z
E02D23/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060205
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000207780
【氏名又は名称】大豊建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000116769
【氏名又は名称】旭コンクリート工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】特許業務法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】内田 哲男
(72)【発明者】
【氏名】大久保 健治
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 春生
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭仁
(72)【発明者】
【氏名】岸 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】坂口 周示
(72)【発明者】
【氏名】福田 俊
(72)【発明者】
【氏名】坂元 直也
(57)【要約】
【課題】グラウト注入作業が不要で、部品点数の少ない、気閘室を提供する。
【解決手段】気閘室としてのマンロック2は、ニューマチックケーソン1において、作業室スラブ12の上に設置されるマンロック2であって、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のボックスカルバート51~53と、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のプレート41~43と、1つ又は複数のボックスカルバート51~53と、1つ又は複数のプレート41~43と、を着脱可能に連結する複数の連結機構60、・・・と、から構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューマチックケーソンにおいて、作業室スラブの上に設置される気閘室であって、
プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のボックスカルバートと、
プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のプレートと、
1つ又は複数の前記ボックスカルバートと、1つ又は複数の前記プレートと、を着脱可能に連結する複数の連結機構と、から構成される、気閘室。
【請求項2】
請求項1に記載された、連繋された複数の前記気閘室と、
複数の前記気閘室のうちの第1の気閘室の底版に接続された作業室ハッチと、
複数の前記気閘室のうちの第1の気閘室の頂版に接続されたエレベータシャフトと、
から構成される、気閘室システム。
【請求項3】
請求項1に記載された、連繋された複数の前記気閘室と、
複数の前記気閘室のうちの第1の気閘室の妻壁に接続されたロックシャフトであって、前記作業室スラブを貫通して作業室に連通するように設置された、ロックシャフトと、
を備える、請求項2に記載された、気閘室システム。
【請求項4】
請求項1に記載された、1つの前記気閘室と、
前記第1の気閘室の妻壁に接続されたロックシャフトであって、前記作業室スラブを貫通して作業室に連通するように設置された、ロックシャフトと、
を備える、請求項2に記載された、気閘室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューマチックケーソン工法で使用される気閘室に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ニューマチックケーソン工法では、ケーソン下部に設けた作業室に圧縮空気を送り込むことにより、空気の圧力で地下水を排除した状態で掘削作業を行っている。作業室からは、地上に向かってマテリアルシャフト及びマンシャフトが延びており、その途中にマテリアルロックやマンロック等のロック(気閘室)が設置されている。通常、マテリアルロックやマンロックは鋼製で、シャフトの上部に設置されるが、シャフトの下部、作業室スラブの直上に配置される場合もある。
【0003】
このようなロック(気閘室)の1つとして、鉄筋コンクリート製の下部ロック型のマンロックが知られている。この鉄筋コンクリート製の下部ロック型のマンロックは、上部に設置するマンロックと比べて面積を広くとることができるため、作業員は足を伸ばしてリラックスした状態で減圧することが可能になり、減圧症の抑制に役立つことが知られている。
【0004】
また、特許文献1には、組立分解可能に構成された、断面半円または馬蹄形の半円筒形の回収ロックが、鋼製又はプレストレストコンクリート製によって構成されている例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の現場打ち鉄筋コンクリート製のマンロックでは、撤去する際に鉄筋コンクリートを破砕する必要があるため、撤去に時間がかかるという課題があった。さらに、特許文献1の回収ロックでは、作業室スラブに対してアンカーボルトによって接合されるため、接合強度や気密性に問題が生じるおそれがあった。
【0007】
また、出願人らは、プレキャストブロックを作業室の上に設置してロックを構築するに当り、気密性と構造強度を確保するために、多数のPC鋼棒を配置して緊張するロック構造を開発した。しかしながら、開発したロック構造は、作業室スラブ上にロック構造を組み立てる際に、底版として作業室スラブを利用する構造となっていた。そのため、側壁(隔壁、妻壁)と作業室スラブとの接合箇所が問題になる。すなわち、作業室スラブは現場打設コンクリートによって構築されるため不陸が生じる。この不陸を修正(調整)するためにグラウト注入作業が必要となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、グラウト注入作業が不要で、部品点数の少ない、気閘室を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明の気閘室は、ニューマチックケーソンにおいて、作業室スラブの上に設置される気閘室であって、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のボックスカルバートと、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のプレートと、1つ又は複数の前記ボックスカルバートと、1つ又は複数の前記プレートと、を着脱可能に連結する複数の連結機構と、から構成されている。
【発明の効果】
【0010】
このように、本発明の気閘室は、ニューマチックケーソンにおいて、作業室スラブの上に設置される気閘室であって、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のボックスカルバートと、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のプレートと、1つ又は複数のボックスカルバートと、1つ又は複数のプレートと、を着脱可能に連結する複数の連結機構と、から構成されている。このような構成であれば、ボックスカルバートとプレートから構成される気閘室を、作業室スラブの上に構築することによって、グラウト注入作業が不要で、部品点数の少ない、気閘室となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ニューマチックケーソンを垂直な平面で切断した断面図である。
【
図5】第1変形例の気閘室システムの説明図である。
【
図6】第2変形例の気閘室システムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例0013】
(ニューマチックケーソンの構成)
まず、
図1を用いて本発明の気閘室システムとしてのマンロック2を備えるニューマチックケーソン1の全体構成について説明する。
図1に示すように、ニューマチックケーソン1の側壁10の下部には、先端が細くなった刃口11が形成されており、この刃口11の内面と作業室スラブ12の下面とに囲まれて作業室13が形成されている。作業室13内には、少なくとも1台以上の掘削機(不図示)が配置されており、遠隔操作される掘削機によって地盤を掘削してニューマチックケーソン1を沈下させていくようになっている。
【0014】
作業室13からは、地上に向かってマテリアルシャフト(不図示)が延びており、上部にマテリアルロック(不図示)が設置されている。そして、作業室13からは、さらに、地上に向かってエレベータシャフト(マンシャフト)14が延びており、下部に気閘室であるマンロック2が側壁10から距離をおいて設置されている。さらに、図示しないが、作業室13やマンロック2内に圧縮空気を送り込んだり排気したりするための圧気設備が配置されている。
【0015】
この他、図示しないが、ニューマチックケーソン1に近接する地上には、中央監視室が設置されている。中央監視室では、掘削機、マテリアルシャフト及びマテリアルロックを介した資材の搬入と掘削した土砂の搬出、エレベータシャフト14及びマンロック2を介した作業員の入退室、マンロック2内での加圧・減圧等の圧力管理、ケーソンの沈下量、傾斜等の姿勢表示等、全体の監視や管理が行われる。
【0016】
(マンロックの構成)
次に、本実施例の気閘室システムとしてのマンロック2の構成について説明する。マンロック2は、全体として平面形状が四角形(矩形)の2つの部屋である主室31と副室32とが水平方向に並設されて構成されている。このうち、気閘室としての主室31の底版には作業室ハッチ設置用アンカーリングが埋設されており、頂版にはエレベータシャフト14設置用アンカーリングが埋設されている。
【0017】
そして、本実施例のマンロック2(の気閘室)は、
図2~
図4に示すように、設置作業が簡単で、運搬、クレーンによる吊り上げ、吊り下ろし作業も容易になるように、プレキャストコンクリート製の複数のボックスカルバート51~53と、プレキャストコンクリート製の複数のプレート41~43とに分割されている。すなわち、本実施例の気閘室システムとしてのマンロック2は、ボックスカルバート51~53と、妻壁、底版、及び頂版となるプレート41~43と、を連結機構60を用いて連結することで構成される。
【0018】
ボックスカルバート51~53は、箱型(立方体形状)のコンクリート構造物であり、プレキャストコンクリート製とすることで、高い寸法精度を有している。さらに、ボックスカルバート51~53は、頂版と底版にPC鋼材が埋設された、いわゆるPRC構造とされている。また、図示しないが、ボックスカルバート51~53の接合面には、止水部材が取り付けられており、面間を互いに押しつけることによって止水できるようになっている。
【0019】
そして、左から順に、妻壁であるプレート41、上部のボックスカルバート51と下部のボックスカルバート51、上部のボックスカルバート51と下部のボックスカルバート51、底版であるプレート42、横置きされるボックスカルバート52とボックスカルバート53、頂版であるプレート43、によって、2つの気閘室31、32が区画されている。
【0020】
そして、本実施例のボックスカルバート51~53は、断面内で2つの部材に分割されて構成されている。具体的には、
図4(a)に示すように、主室31は、頂版と左右の側壁を有する上部のボックスカルバート51と、底版と左右の側壁を有する下部のボックスカルバート51と、に垂直方向に2分割されている。すなわち、上下のボックスカルバート51、51は同一形状となっている。さらに、この組み合わせを2つ連続させることで、全体として4つのボックスカルバート51、・・・によって主室31が区画される。一方、副室32は、隔壁を兼ねる主室31側のボックスカルバート52と、妻壁を兼ねる副室32側のボックスカルバート53と、に水平方向に2分割されている。
【0021】
さらに、図示しないが、ボックスカルバート51~53どうしの接合面には、位置合わせ用の嵌合凹部又は嵌合凸部を設けることが好ましい。なお、上下のボックスカルバート51、51は、組み合わせた後に、連結機構60によって垂直方向に連結される。同様に、左右のボックスカルバート52、53は、組合わせた後に、連結機構60によって水平方向に連結される。
【0022】
そして、上述したように、金物の埋め込みや箱抜きのない、主室31を構成するボックスカルバート51は、4つすべて同じ構造のものを共通して使用することができる。このように部品を共通化することによって、製造する際に型枠を再利用することができる。さらに、連結するユニット数を増やすことによって、全体の長さを変えることができる。ただし、ボックスカルバートが分割される場合には、同じ構造にはならない。
【0023】
一方、複数のプレート41~43は、妻壁となるプレート41と、底版となるプレート42と、頂版となるプレート43と、を含んでいる。底版となるプレート42には、作業室ハッチ15用の金物が設置され、頂版となるプレート43には、エレベータシャフト14用の金物が設置される。
【0024】
なお、前述したボックスカルバート51~53やプレート41~43の分割数は、具体例に限定されるものではない。これらの部材の分割数は、マンロック2の大きさ(スパン)や、運搬時の大きさ制限や、クレーンによる吊り上げ/吊り下げ能力等を考慮して適宜決定されるものである。また、マンロック2の大きさによっては、
図4(b)に示すように、分割されることなく、断面内で一体に構成されるカルバートボックスを使用することもできる。なお、分割する場合の分割位置は、隣接するボックスカルバート間で接合面(継目)が交互(千鳥状)に配置されるように適宜変えることが好ましい。
【0025】
そして、本実施例の複数のボックスカルバート51~53とプレート41~43には、これらの複数の部品を着脱可能に連結する連結機構60が設置されている。なお、連結機構60の設置数は、図示する数に限定されるものではなく、必要とされる圧縮力・強度等によって適宜決定されるものである。
【0026】
連結機構60としては、一般的なボックスカルバートを連結するPC鋼材(PC鋼棒又はPC鋼より線)と定着具(必要に応じてカプラ)を使用することができる。具体的には、ボックスカルバート51~53に複数のシース孔を設け、シース孔に挿通したPC鋼棒をジャッキによって引張力を作用させた状態で定着具を用いて定着することができる。なお、連結機構60は、PC鋼材を使用する以外の手法、例えば高力ボルトによる連結であってもよい。
【0027】
(気閘室を構築する方法)
次に、気閘室を構築する方法について説明する。気閘室を構築する方法は、以下に示す、1)~9)の各工程を有している。
1)底版となるプレート42を設置する。
2)副室32となる横倒しのボックスカルバート52、53を設置する。
3)左右のボックスカルバート52、53をPC鋼棒で水平方向に連結する。
4)頂版となるプレート43を設置する。
5)プレート42、ボックスカルバート52、53、プレート43をPC鋼棒で垂直方向に連結する。
6)主室31となるボックスカルバート51、・・・を設置する。
7)上下のボックスカルバート51、51をPC鋼棒で垂直方向に連結する。
8)妻壁となるプレート41を設置する。
9)プレート41、ボックスカルバート51、51をPC鋼棒で水平方向に連結する。
【0028】
・垂直・水平方向のPC鋼棒による接合・緊張は、その都度行うようにして、カプラーで連結してもよいし、複数個を一度に接合してもよい。
・底版となるプレート42を設置後に、アンカーリングにわん型ハッチを設置する。
・頂版となるプレート43を設置後に、アンカーリングにエレベータシャフト14を設置する。なお、エレベータシャフト14の代わりに梯子式のマンシャフトを設置する場合もある。
【0029】
(気閘室を解体・撤去する方法)
・気閘室を撤去する方法は、構築する方法の工程が逆順で実施される。
・解体後のボックスカルバート51~53とプレート41~43は、接合面等を清掃し、所定の場所に保管される。
【0030】
(加圧・減圧)
次に、実施例のマンロック2を用いて加圧・減圧する手順について説明する。
(加圧)
・隔壁の扉を開けたまま、加圧・減圧を行う。
・加圧は、所定の速度で行い、減圧は、減圧表にしたがって行う。必要に応じてヘリウム混合ガスや酸素ガスを吸って加圧・減圧を行う。
・加圧・減圧の途中で函内に入る場合は、隔壁の扉を閉め、昇降設備側の部屋(副室32)を大気圧に戻してから部屋の中に入り、加圧後、作業室内に入って作業を行う。
・その後、昇降設備側の部屋(副室32)を加圧し、同圧になったら隔壁の扉を開けて大気圧まで減圧し、昇降設備を介して地上に移動する。
【0031】
(効果)
次に、本実施例の気閘室としての主室31や副室32が奏する効果を列挙して説明する。
(1)上述してきたように、本実施例の気閘室としての主室31及び副室32は、ニューマチックケーソン1において、作業室スラブ12の上に設置される気閘室であって、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のボックスカルバート51~53と、プレキャストコンクリート製の1つ又は複数のプレート41~43と、1つ又は複数のボックスカルバート51~53と、1つ又は複数のプレート41~43と、を着脱可能に連結する複数の連結機構60、・・・と、から構成されている。このような構成であれば、ボックスカルバート51~53とプレート41~43から構成されるマンロック2を、作業室スラブ12の上に構築することによって、グラウト注入作業が不要で、部品点数の少ない、マンロック2となる。
【0032】
つまり、実施例の主室31及び副室32であれば、作業室スラブ12とは別に工場製作の底版を備えているため、高い精度で部品どうしを接合することができる。つまり、ボックスカルバート51~55の一部として底版を組み込むことで、従来のように作業室スラブ12との間のグラウト注入作業は不要となる。
【0033】
加えて、プレキャストブロックを用いる場合と比べて、多数の鋼棒を埋め込む必要がないため、作業室スラブ12への構造上の影響が少なくなる。さらに、プレキャストブロックを用いる場合と比べて、全体の剛性が高くなる。また、部品どうしの接合箇所が少なく、気密性・水密性に優れている。さらに、ボックスカルバートをPRC構造とすれば、頂版及び底版にはPC鋼棒が埋め込まれており、撤去後もPC鋼棒を製品から取り出すことなく保管でき、PC鋼棒が損傷・腐食する恐れがない。なお、製品外面から突出して配置される場合は、PC鋼棒に防錆処理を施すことが好ましい。
【0034】
・また、1つ又は複数のボックスカルバート51~53は、断面内で一体に構成されるか、又は、断面内で複数の部材に分割されて構成されることが好ましい。分割される場合には、運搬時の制約や、クレーンの吊り上げ/吊り下げ能力の影響を受けることなく、マンロック2を構成することができる。さらに、高さや幅を規格化する(揃える)ことによって、ボックスカルバート51~53をユニット化することができる。例えば、別の場所に同一の部品を使用できる。さらに言うと、ボックスカルバート51~53を連結する数を増減することでマンロック2全体の長さを変えることができる。
【0035】
・また、1つ又は複数のボックスカルバート51~53と、1つ又は複数のプレート41~43とは、水平方向に隣接して配置されて、連結機構60によって水平方向に連結されるようにされることが可能である。このように構成すれば、主室31と副室32の間を水平方向に移動できるため、移動が容易となる。特に、負傷者を減圧して搬送する際には搬送が容易になる。
【0036】
・また、1つ又は複数のボックスカルバート51~53と、1つ又は複数のプレート41~43とは、垂直方向に隣接して配置されて、連結機構60によって垂直方向に連結されることが可能である。このように構成すれば、主室31と副室32の占有する平面積が狭くなるため、断面積の狭いニューマチックケーソン1であってもマンロック2を配置できる。
【0037】
・さらに、連結機構60は、例えば、テンションロッドと、テンションロッドの少なくとも一方の端部に設置される定着具と、を有することが好ましい。このように構成すれば、連結機構60によってボックスカルバート51~53やプレート41~43を相互に締め付けて固定し、かつ、接合面からの漏気を防止できる。さらに、容易に連結機構60を取り付け/取り外しすることが可能となる。
【0038】
(2)また、実施例の気閘室システムとしてのマンロック2は、上述した連繋された複数の主室31及び副室32と、複数の気閘室のうちの第1の気閘室である主室31の底版に接続された作業室ハッチと、同じ第1の気閘室である主室31の頂版に接続されたエレベータシャフト14と、から構成されることができる。このように構成すれば、副室32に作業室ハッチ15とエレベータシャフト14を集約することで、主室31の広い空間で加圧・減圧することができる。
【0039】
・さらに、副室32側は、ボックスカルバート52、53を横にして重ねることで、ボックスカルバート52、53の開口部を少なくすることができる。つまり、頂版及び底版に箱抜きの必要ない主室31側はボックスカルバート51を縦にして設置し、頂版及び底版に箱抜きが必要となる副室32側はボックスカルバート52、53を横にして設置するようにすれば、開口部が少なく、構造的に優れている。
そして、ロックシャフト16で減圧可能であるため、そのまま作業室13に出入りできる。つまり、主室31内で減圧中に、別のメンバーが作業室13内に入る場合でも、入れ替わりは不要であり、主室31内の減圧を継続できる。さらに、減圧が終了すれば、主室31から外に出て、図示しない昇降設備を介して地上へ戻ることができる。
そして、ロックシャフト16で減圧可能であるため、そのまま作業室13に出入りできる。つまり、主室31内や副室32内で減圧中に、別のメンバーが作業室13内に入る場合でも、入れ替わりは不要であり、主室31内や副室32内の減圧を継続できる。さらに、減圧が終了すれば、主室31から外に出て、図示しない昇降設備を介して地上へ戻ることができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、実施例は、気閘室としての主室31や副室32が、ボックスカルバートとプレートとで構成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、全体をプレートのみを用いて構築することもできる。
例えば、実施例では、ボックスカルバート51~53やプレート41~43を並べる方向を説明するために、便宜的に「水平方向」や「垂直方向」として説明したが、これらは厳密な定義ではなく、多少の傾きがあってもこれらの概念に含まれる。その意味では、これらを「略水平方向」や「略垂直方向」と称することも可能である。