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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156499
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20221006BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20221006BHJP
   B63J 3/02 20060101ALI20221006BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20221006BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20221006BHJP
   F02D 19/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B63B25/16 D
B63H21/38 Z
B63J3/02 Z
F17C13/00 302A
F02M37/00 341D
F02D19/02 A
F02D19/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060225
(22)【出願日】2021-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】518022743
【氏名又は名称】三菱造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】森本 晋介
(72)【発明者】
【氏名】桑畑 一志
【テーマコード(参考)】
3E172
3G092
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB04
3E172AB13
3E172AB20
3E172BA06
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD01
3E172EB02
3E172EB03
3E172GA11
3E172HA07
3E172HA08
3G092AA02
3G092AB08
3G092AC10
3G092DE09
3G092DE12
3G092DE13
3G092DE16
3G092DE18
3G092DE19
3G092HB03
3G092HB04
(57)【要約】
【課題】ボイルオフガスの処理を適切に行い、ボイルオフガスをエネルギーとして有効利用する。
【解決手段】船舶は、液化ガスタンクの液化ガスを主機に導入する第一ラインと、第一ラインに備えられて液化ガスを圧送する上流側ポンプと、第一ラインにおける上流側ポンプよりも下流側に備えられ、液化ガスを上流側ポンプよりも高い圧力で圧送する下流側ポンプと、液化ガスタンク内のボイルオフガスを補機に導入する第二ラインと、第二ラインに備えられ、ボイルオフガスを上流側ポンプの吐出側よりも高く、かつ下流側ポンプの吐出側よりも低い圧力で圧送する圧縮機と、第一ラインにおける上流側ポンプと下流側ポンプとの中間部と第二ラインにおける圧縮機よりも下流側の部分とを接続し、第二ラインのボイルオフガスを第一ラインの液化ガスに混合可能な混合ラインと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体と、
前記船体に備えられ、液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
前記液化ガスタンクの前記液化ガスを主機に導入する第一ラインと、
前記第一ラインに備えられて前記液化ガスを圧送する上流側ポンプと、
前記第一ラインにおける前記上流側ポンプよりも下流側に備えられ、前記液化ガスを前記上流側ポンプよりも高い圧力で圧送する下流側ポンプと、
前記液化ガスタンク内で前記液化ガスが蒸発することで生成されたボイルオフガスを補機に導入する第二ラインと、
前記第二ラインに備えられ、前記ボイルオフガスを前記上流側ポンプの吐出側よりも高く、かつ前記下流側ポンプの吐出側よりも低い圧力で圧送する圧縮機と、
前記第一ラインにおける前記上流側ポンプと前記下流側ポンプとの中間部と前記第二ラインにおける前記圧縮機よりも下流側の部分とを接続し、前記第二ラインの前記ボイルオフガスを前記第一ラインの前記液化ガスに混合可能な混合ラインと、を備える
船舶。
【請求項2】
前記第二ラインにおける前記圧縮機よりも下流側に配置され、冷媒との熱交換を行う第一熱交換器、をさらに備える
請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記第一ラインは、前記第一ラインと前記混合ラインとの合流部よりも下流側に、少なくとも一つの屈曲部を有する
請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
前記第一ラインは、前記第一ラインと前記混合ラインとの合流部よりも下流側に、内部流体による熱収縮および前記船体の船首尾方向の伸縮変形を吸収するオフセットベントが備えられ、
前記屈曲部は、前記オフセットベントの一部を構成する
請求項3に記載の船舶。
【請求項5】
前記混合ラインと、前記第一ラインにおける前記下流側ポンプよりも下流側の部分との間で熱交換を行う第二熱交換器、をさらに備える
請求項1から4の何れか一項に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
液化ガスを運搬する船舶等では、ガスタンクに収容した液化ガスが外部からの自然入熱等によって気化して、いわゆるボイルオフガスが生成される。ボイルオフガスが生成されると、タンク内の圧力が上昇する。タンク内の圧力の過度な上昇を抑えるためにボイルオフガスを処理する様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、高圧圧縮ラインと、低圧圧縮ラインと、を備えた船舶又は海洋構造物の蒸発ガス処理システムが開示されている。高圧圧縮ラインは、LNG貯蔵タンクで発生するボイルオフガス(蒸発ガス)を高圧圧縮機で圧縮する。低圧圧縮ラインは、LNG貯蔵タンクで発生するボイルオフガスを低圧圧縮機で圧縮する。さらに、高圧圧縮ラインと低圧凝縮ラインで圧縮されたボイルオフガスは、船舶又は海洋構造物のガスエンジン、GCU(GAS Combustion Unit)、ボイラーを含むガス消費先に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6366727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、例えば船舶の主機として用いられるガスエンジンにボイルオフガスを供給する場合、主機で消費されるボイルオフガスの量は、主機の回転数、すなわち船舶の航行速度に応じて異なる。また、ボイルオフガスを、船舶の発電機に供給する場合、補機で消費されるボイルオフガスの量は、主機で消費されるボイルオフガスの量に比較すれば少ない。そのため、LNG貯蔵タンクで発生するボイルオフガスの量と、主機や補機で消費されるボイルオフガスの量とのバランスが取れない場合がある。
また、ボイルオフガスをGCUで燃焼させる場合、ボイルオフガスの燃焼エネルギーを有効利用せずに捨てることになる。
さらに、ボイルオフガスを再液化させる手法もあるが、この場合、再液化装置が必要となり、設備コストの上昇に繋がる。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、ボイルオフガスの処理を、より効率良く行うことができる船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る船舶は、船体と、液化ガスタンクと、第一ラインと、上流側ポンプと、下流側ポンプと、第二ラインと、圧縮機と、混合ラインと、を備える。前記液化ガスタンクは、前記船体に備えられる。前記液化ガスタンクは、液化ガスを貯留する。前記第一ラインは、前記液化ガスタンクの前記液化ガスを主機に導入する。前記上流側ポンプは、前記第一ラインに備えられる。前記上流側ポンプは、前記液化ガスを圧送する。前記下流側ポンプは、前記第一ラインにおける前記上流側ポンプよりも下流側に備えられる。前記下流側ポンプは、前記液化ガスを前記上流側ポンプよりも高い圧力で圧送する。前記第二ラインは、前記液化ガスタンク内で前記液化ガスが蒸発することで生成されたボイルオフガスを補機に導入する。前記圧縮機は、前記第二ラインに備えられる。前記圧縮機は、前記ボイルオフガスを前記上流側ポンプの吐出側よりも高く、かつ前記下流側ポンプの吐出側よりも低い圧力で圧送する。前記混合ラインは、前記第一ラインにおける前記上流側ポンプと前記下流側ポンプとの中間部と前記第二ラインにおける前記圧縮機よりも下流側の部分とを接続する。前記混合ラインは、前記第二ラインの前記ボイルオフガスを前記第一ラインの前記液化ガスに混合可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の船舶によれば、ボイルオフガスの処理を、より効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る船舶の側面図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る船舶に備えられた燃料供給システムの構成を示す図である。
図3】本開示の第二実施形態に係る船舶に備えられた燃料供給システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態に係る船舶について、図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
(船舶の全体構成)
図1は、本開示の実施形態に係る船舶の側面図である。
図1に示すように、この実施形態の船舶1は、船体2と、液化ガスタンク10と、主機21と、補機22と、燃料供給システム30Aと、を主に備えている。船舶1の船種は、特定のものに限られない。船舶1の船種は、例えば、液化天然ガス(LNG)、二酸化炭素、アンモニア等の液化ガスの運搬船、フェリー、RORO船(Roll-on/Roll-off船)、PCTC(Pure Car & Truck Carrier)等を例示できる。
【0010】
船体2は、その外殻をなす、一対の舷側3A,3Bと、船底4と、を有している。舷側3A,3Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を備える。船底4は、これら舷側3A,3Bを接続する船底外板を備える。これら一対の舷側3A,3B及び船底4により、船体2の外殻は、船首尾方向FAに直交する断面において、U字状を成している。
【0011】
船体2は、最も上層に配置される全通甲板である上甲板5を更に備えている。この上甲板5上には、上部構造7が形成されている。上部構造7内には、居住区等が設けられている。本実施形態の船舶1では、例えば、上部構造7よりも船首尾方向FAの船首側に、貨物を搭載するカーゴスペース(図示無し)が設けられている。
【0012】
(主機、補機の構成)
主機21、及び補機22は、船体2内に設けられている。主機21、及び補機22は、液化ガスを燃料とする。この実施形態では、主機21、及び補機22がLNGを燃料とする場合を例示する。
主機21は、船舶1を航行させる推進力を発揮する。主機21は、例えば、船体2の船尾2bの外部に設けられたスクリュー9を回転駆動させる。主機21としては、蒸気タービン用ボイラー、ガスタービン、レシプロエンジン等を例示できる。
【0013】
補機22は、船舶1内で使用される動力を発生する。本実施形態の船舶1は、補機22として、発電機(図示せず)を駆動させるための発電機用エンジンを備えている。補機22としては、例えばガスタービンやレシプロエンジン等を例示できる。補機22で発生した回転エネルギーは、発電機で電気エネルギーに変換され、船体2内各部へ供給される。
【0014】
(液化ガスタンクの構成)
液化ガスタンク10は、主機21や補機22の燃料となるLNGを貯留する。この実施形態における液化ガスタンク10は、上甲板5上に配置されている。なお、液化ガスタンク10の配置は、上甲板5上に限られない。液化ガスタンク10は、例えば、船体2内に配置されていてもよい。
【0015】
(燃料供給システムの構成)
燃料供給システム30Aは、主機21、及び補機22に対し、燃料となるLNGを供給する。図2に示すように、燃料供給システム30Aは、第一ライン31と、第二ライン32と、混合ライン33Aと、廃棄ライン34と、を備えている。
【0016】
第一ライン31は、液化ガスタンク10と主機21とを接続している。第一ライン31は、液化ガスタンク10内に貯留された液化ガスLGを主機21に導く流路を形成している。この第一ライン31には、上流側ポンプ41と、下流側ポンプ42と、蒸発器46と、がそれぞれ設けられている。
【0017】
上流側ポンプ41は、液化ガスタンク10内に貯留された液化ガスLGを、主機21に向けて圧送する。上流側ポンプ41は、液化ガスタンク10内の第一ライン31に設けられている。本実施形態の上流側ポンプ41は、液化ガスタンク10内の下部に配置されるとともに、第一ライン31における液化ガスLGの流れる方向において、第一ライン31の上流側の端部に設けられている。
【0018】
下流側ポンプ42は、第一ライン31における液化ガスLGの流れ方向において、上流側ポンプ41よりも下流側に配置されている。下流側ポンプ42は、液化ガスLGを上流側ポンプ41よりも高い圧力で、主機21に向けて圧送する。
【0019】
蒸発器46は、第一ライン31において下流側ポンプ42よりも、第一ライン31における液化ガスLGの流れ方向の下流側に配置されている。蒸発器46は、下流側ポンプ42によって圧送されてきた液化ガスLGを気化させる。この蒸発器46により気化された液化ガスLGが、主機21に送り込まれる。
【0020】
第一ライン31は、更に、オフセットベント48を備えている。オフセットベント48は、下流側ポンプ42よりも、第一ライン31における液化ガスLGの流れ方向の上流側に設けられている。オフセットベント48は、少なくとも内部流体による熱収縮および船首尾方向FAにおける船体2の伸縮変形に応じて、船首尾方向FAに弾性変形可能となっている。つまり、オフセットベント48は、このように弾性変形することで内部流体による熱収縮および船首尾方向FAの船体2の伸縮変形分を吸収している。
【0021】
オフセットベント48は、少なくとも一つの屈曲部48kを有している。本実施形態のオフセットベント48は、複数の屈曲部48kを備えており、これら複数の屈曲部48kによって矩形波状をなしている。これら複数の屈曲部48kを設けることで、オフセットベント48内を流れる液化ガスLGが蛇行することとなる。そして、この実施形態におけるオフセットベント48は、屈曲部48kを備えることで、船体2の船首尾方向FAの伸縮変形に応じて、容易に船首尾方向FAに弾性変形可能になっている。オフセットベント48は、混合ライン33Aと第一ライン31との合流部31jよりも、第一ライン31における液化ガスLGの流れ方向の下流側に備えられている。
【0022】
第二ライン32は、液化ガスタンク10内の気相と、補機22と、を接続する。液化ガスタンク10内では、外部からの自然入熱によって、液状態の液化ガスLGが蒸発し、ボイルオフガスBOGが発生する。第二ライン32は、液化ガスタンク10内で発生したボイルオフガスBOGを、補機22に導入する。
【0023】
第二ライン32には、圧縮機44と、第一熱交換器45と、がそれぞれ設けられている。
圧縮機44は、液化ガスタンク10で発生したボイルオフガスBOGを圧縮して送り出す。圧縮機44により圧縮されたボイルオフガスBOGの圧力は、第一ライン31に設けられた上流側ポンプ41の吐出側の圧力よりも高く、かつ下流側ポンプ42の吐出側の圧力よりも低い。
【0024】
第一熱交換器45は、第二ライン32におけるボイルオフガスBOGの流れる方向において、圧縮機44よりも下流側の第二ライン32に設けられている。第一熱交換器45は、冷媒である船体2の外部から導入した海水等の水と、圧縮機44により圧縮されたボイルオフガスBOGとを熱交換する。
【0025】
混合ライン33Aは、第一ライン31における上流側ポンプ41と下流側ポンプ42との中間部の合流部31jと、第二ライン32における圧縮機44、及び第一熱交換器45よりも下流側の部分32sとを接続している。混合ライン33Aは、第二ライン32において圧縮機44及び第一熱交換器45を経たボイルオフガスBOGの一部を、合流部31jから第一ライン31の液化ガスLGに合流させる。このように第一ライン31の液化ガスLGにボイルオフガスBOGの一部を合流させることにより、ボイルオフガスBOGの一部が第一ライン31の液化ガスLGに混合される。
【0026】
廃棄ライン34は、第二ライン32における圧縮機44及び第一熱交換器45よりも下流側の部分32sから分岐して廃棄ライン34に至っている。廃棄ライン34は、第二ライン32において圧縮機44及び第一熱交換器45を経たボイルオフガスBOGの一部を、GCU23に送り込む流路を形成している。GCU23に送り込まれたボイルオフガスBOGは、GCU23により燃焼することで処分される。
【0027】
このような燃料供給システム30Aでは、液化ガスタンク10に貯留された液化ガスLGが、第一ライン31を通して主機21に導入される。ここで、液化ガスLGが、LNGである場合、液化ガスタンク10内には、例えば、-163℃程度の液化ガスLGが貯留されている。第一ライン31において、液化ガスLGは、上流側ポンプ41で昇圧され、例えば圧力0.5MPaG、-150℃程度となる。この昇圧された液化ガスLGは、下流側ポンプ42で、さらに高い圧力に昇圧され、例えば30MPaG、-120℃程度となる。そして、下流側ポンプ42で昇圧された液化ガスLGは、蒸発器46で気化され、主機21に導入される。主機21に導入された液化ガスLGは、主機21で燃焼されることで消費される。
【0028】
また、液化ガスタンク10内における液化ガスLGの蒸発により発生したボイルオフガスBOGは、例えば、0.05MPaG程度の圧力となる。ボイルオフガスBOGは、液化ガスタンク10の気相から第二ライン32を通して圧縮機44に導入される。そして、ボイルオフガスBOGは、圧縮機44で圧縮され、例えば、0.6MPaG、100℃程度となる。圧縮機44を経たボイルオフガスBOGは、第一熱交換器45で海水等の水と熱交換することで、常温程度、例えば、0.6MPaG、30℃程度となる。この第一熱交換器45を経たボイルオフガスBOGは、補機22に導入される。補機22に導入されたボイルオフガスBOGは、補機22で燃焼されることで消費される。
【0029】
補機22におけるボイルオフガスBOGの消費量を上回るボイルオフガスBOGは、混合ライン33Aを通し、第一ライン31における上流側ポンプ41と下流側ポンプ42との中間部の合流部31jから、第一ライン31に合流し、液化ガスLGに混合される。このとき、第二ライン32から混合ライン33Aに流れ込むボイルオフガスBOGは、圧縮機44で圧縮されることによって、上流側ポンプ41の吐出側よりも高く、かつ下流側ポンプ42の吐出側よりも低い圧力(例えば0.6MPaG)となる。ボイルオフガスBOGが混合ライン33Aから第一ライン31に流れ込む部分(言い換えれば、合流部31j近傍)において、第一ライン31の液化ガスLGは、上流側ポンプ41の吐出側の圧力(例えば0.5MPaG)である。つまり、混合ライン33Aから流れ込むボイルオフガスBOGの圧力の方が、第一ライン31の液化ガスLGの圧力よりも高い。そのため、これら圧力差によって、混合ライン33AのボイルオフガスBOGは、第一ライン31の液化ガスLG中に円滑に合流する。また、液化ガスLGは上流側ポンプ41で加圧されることで例えば-150℃程度まで昇温するが、加圧後(例えば0.5MPaG)における飽和温度(例えば-134℃程度)よりも低い温度であるため、混合ライン33Aから流れ込むボイルオフガスBOGは冷却され凝縮する。このようにして液化ガスLGに混合されたボイルオフガスBOGは、液化ガスLGとともに主機21に送り込まれて燃焼される。
【0030】
また、補機22,及び主機21におけるボイルオフガスBOGの消費量を上回るボイルオフガスBOGが第二ライン32を流れている場合、余剰分のボイルオフガスBOGは、廃棄ライン34を通してGCU23に送り込まれる。GCU23では、余剰分のボイルオフガスBOGが上述した通り処分される。
【0031】
(作用効果)
上記実施形態の船舶1では、船体2と、船体2に備えられ、液化ガスLGを貯留する液化ガスタンク10と、液化ガスタンク10の液化ガスLGを主機21に導入する第一ライン31と、第一ライン31に備えられて液化ガスLGを圧送する上流側ポンプ41と、を備えている。更に、上記実施形態の船舶1では、第一ライン31における上流側ポンプ41よりも下流側に備えられ、液化ガスLGを上流側ポンプ41よりも高い圧力で圧送する下流側ポンプ42と、液化ガスタンク10内で液化ガスLGが蒸発することで生成されたボイルオフガスBOGを補機22に導入する第二ライン32と、を備えている。更に、上記実施形態の船舶1では、第二ライン32に備えられ、ボイルオフガスBOGを上流側ポンプ41の吐出側よりも高く、かつ下流側ポンプ42の吐出側よりも低い圧力で圧送する圧縮機44と、第一ライン31における上流側ポンプ41と下流側ポンプ42との中間部と第二ライン32における圧縮機44よりも下流側の部分とを接続し、第二ライン32のボイルオフガスBOGを第一ライン31の液化ガスLGに混合可能な混合ライン33Aと、を備えている。
【0032】
このような船舶1によれば、補機22で消費しきれない余剰のボイルオフガスBOGを、主機21で燃焼させることによって、GCU23で燃焼させるボイルオフガスBOGの量を抑えることができる。したがって、ボイルオフガスBOGの処理を、より効率良く行うことが可能となる。
【0033】
上記実施形態の船舶1では、更に、第二ライン32における圧縮機44よりも下流側に配置され、船体2の外部の海水等の水との熱交換を行う第一熱交換器45、を備えている。
このようにすることで、第二ライン32から混合ライン33Aを経て第一ライン31に流れ込むボイルオフガスBOGの温度が、第一熱交換器45における海水等の水との熱交換によって、例えば、常温程度となる。そのため、ボイルオフガスBOGと混合された後の第一ライン31の液化ガスLGの温度が高められる。したがって、下流側ポンプ42を経た後、主機21で燃焼させるために液化ガスLGを蒸発器46で気化させる際に必要なエネルギー量が少なくて済む。この点においても、ボイルオフガスBOGの処理を、より効率良く行うことが可能となる。
【0034】
上記実施形態の船舶1では、更に、第一ライン31が、第一ライン31と混合ライン33A、33Bとの合流部31jよりも下流側に、少なくとも一つの屈曲部48kを有している。
このようにすることで、混合ライン33AからボイルオフガスBOGが流れ込んだ第一ライン31の液化ガスLGの流れが、屈曲部48kを通ることで蛇行して攪拌される。したがって、ボイルオフガスBOGと液化ガスLGとの混合を促進することが可能となる。
【0035】
上記実施形態の船舶1では、更に、第一ライン31は、第一ライン31と混合ライン33A、33Bとの合流部31jよりも下流側に、内部流体による熱収縮および船体2の船首尾方向FAの伸縮変形を吸収するオフセットベント48が備えられ、屈曲部48kが、オフセットベント48の一部を構成している。
したがって、内部流体による熱収縮および船体2の船首尾方向FAの伸縮変形を吸収するために第一ライン31に設けられたオフセットベント48の屈曲部48kを、ボイルオフガスBOGと液化ガスLGとの混合を促進させるために有効利用することができる。その結果、ボイルオフガスBOGと液化ガスLGとの混合を促進させるための攪拌器や追加の屈曲部48kを別途設ける必要が無く、コスト上昇を抑えることができる。
【0036】
<第二実施形態>
次に、本開示に係る船舶の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と第二熱交換器の構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
この実施形態の船舶1における燃料供給システム30Bは、上記第一実施形態における燃料供給システム30Aの構成に加えて、第二熱交換器49を備えている。第二熱交換器49は、混合ライン33Bを流れるボイルオフガスBOGと、第一ライン31における下流側ポンプ42よりも下流側を流れる液化ガスLG、すなわちボイルオフガスBOGと混合された後の液化ガスLGとの間で熱交換を行う。
【0037】
下流側ポンプ42を経た第一ライン31内の液化ガスLGは、温度が、例えば-110℃程度となっている。第二熱交換器49で、この液化ガスLGと熱交換を行うことで、混合ライン33B内のボイルオフガスBOGは、例えば30℃から-50℃程度に温度が低下する。これにより、第一ライン31における下流側ポンプ42よりも下流側を流れる液化ガスLGを昇温させることができる。また、合流部31jで混合ライン33Bから第一ライン31に送り込まれるボイルオフガスBOGの温度が低下するため、第一ライン31の液化ガスLGで凝縮されるボイルオフガスBOGの質量流量を増加させることができる。
【0038】
上記第二実施形態の船舶1によれば、混合ライン33Bと、第一ライン31における下流側ポンプ42よりも下流側の部分との間で熱交換を行う第二熱交換器49を備えていることで、第一実施形態と同様に、ボイルオフガスBOGの処理を、より効率良く行うことが可能となる。
【0039】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記実施形態では、補機22として、発電機用エンジンを例示したが、これに限るものではなく、補機22として、発電機用エンジン以外の用途のものを採用してもよい。
【0040】
さらに、上記実施形態では、第一熱交換器45、オフセットベント48を備える場合について説明したが、第一熱交換器45やオフセットベント48は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。また、オフセットベント48が矩形波状に屈曲された屈曲部48kを備える場合について説明したが、屈曲部48kは混合が促進される形状であれば良く、矩形波状に屈曲される場合に限られない。屈曲部48kは、例えば、鋸歯状に屈曲させたり、らせん状に湾曲させたりしてもよい。
【0041】
また、主機21や補機22の設置台数、設置位置は適宜変更可能である。
また、上記実施形態で示した、燃料供給システム30A、30Bの各部における液化ガスLGやボイルオフガスBOGの圧力や温度の数値は一例に過ぎない。
また、上記実施形態では、主機21や補機22で燃焼させる液化ガスとして、LNGを例に挙げたが、主機21や補機22で燃焼させることができるのであれば、LNG以外の液化ガスであってもよい。液化ガスの種類によっては、蒸発器46を装備しない機器構成もあり得る。
また、第一熱交換器45における熱交換の冷媒としては海水の例を挙げたが、船内で使用可能な例えば清水やグリコール水を用いても良い。
【0042】
<付記>
各実施形態に記載の船舶1は、例えば以下のように把握される。
【0043】
(1)第1の態様に係る船舶1は、船体2と、前記船体2に備えられ、液化ガスLGを貯留する液化ガスタンク10と、前記液化ガスタンク10の前記液化ガスLGを主機21に導入する第一ライン31と、前記第一ライン31に備えられて前記液化ガスLGを圧送する上流側ポンプ41と、前記第一ライン31における前記上流側ポンプ41よりも下流側に備えられ、前記液化ガスLGを前記上流側ポンプ41よりも高い圧力で圧送する下流側ポンプ42と、前記液化ガスタンク10内で前記液化ガスLGが蒸発することで生成されたボイルオフガスBOGを補機22に導入する第二ライン32と、前記第二ライン32に備えられ、前記ボイルオフガスBOGを前記上流側ポンプ41の吐出側よりも高く、かつ前記下流側ポンプ42の吐出側よりも低い圧力で圧送する圧縮機44と、前記第一ライン31における前記上流側ポンプ41と前記下流側ポンプ42との中間部と前記第二ライン32における前記圧縮機44よりも下流側の部分とを接続し、前記第二ライン32の前記ボイルオフガスBOGを前記第一ライン31の前記液化ガスLGに混合可能な混合ライン33A、33Bと、を備える。
補機としては、発電機用エンジンが挙げられる。
液化ガスLGとしては、LNGが挙げられる。
【0044】
この船舶1は、液化ガスタンク10に貯留された液化ガスLGが、第一ライン31を通して主機21に導入される。第一ライン31において、液化ガスLGは、上流側ポンプ41で昇圧された後、下流側ポンプ42で、さらに高い圧力に昇圧されて主機21に導入される。主機21に導入された液化ガスLGは、気化された後、主機21で燃焼されることで消費される。
液化ガスタンク10内で液化ガスLGが蒸発することで生成されたボイルオフガスBOGは、第二ライン32を通して補機22に導入される。補機22に導入されたボイルオフガスBOGは、補機22で燃焼されることで消費される。
補機22におけるボイルオフガスBOGの消費量を上回るボイルオフガスBOGは、混合ライン33A、33Bを通し、第一ライン31における上流側ポンプ41と下流側ポンプ42との中間部で、第一ライン31の液化ガスLGに混合される。このとき、第二ライン32から混合ライン33A、33Bに流れ込むボイルオフガスBOGは、圧縮機44で圧縮されることによって、上流側ポンプ41の吐出側よりも高く、かつ下流側ポンプ42の吐出側よりも低い圧力とされている。混合ライン33A、33BからボイルオフガスBOGが第一ライン31に流れ込む部分において、第一ライン31の液化ガスLGは、上流側ポンプ41の吐出側の圧力である。つまり、混合ライン33A、33Bから流れ込むボイルオフガスBOGの圧力が、第一ライン31の液化ガスLGの圧力よりも高い。このため、第一ライン31における上流側ポンプ41と下流側ポンプ42との中間部で、混合ライン33A、33Bから第一ライン31に流れ込むボイルオフガスBOGが、第一ライン31の液化ガスLGに混合される。また、液化ガスLGは上流側ポンプ41で加圧されることで昇温するものの、加圧後における飽和温度よりも低い温度であるため、混合ライン33A、33Bから流れ込むボイルオフガスBOGは冷却され凝縮する。このようにして液化ガスLGに混合されたボイルオフガスBOGは、液化ガスLGとともに主機21に送り込まれて燃焼される。
このように、補機22で消費しきれない余剰のボイルオフガスBOGを、主機21で燃焼させることによって、GCU23で燃焼させるボイルオフガスBOGの量を抑えることができる。したがって、ボイルオフガスBOGの処理を、より効率良く行うことが可能となる。
【0045】
(2)第2の態様に係る船舶1は、(1)の船舶1であって、前記第二ライン32における前記圧縮機44よりも下流側に配置され、冷媒との熱交換を行う第一熱交換器45、をさらに備える。
【0046】
これにより、第二ライン32から混合ライン33A、33Bを経て第一ライン31に流れ込むボイルオフガスBOGは、第一熱交換器45における冷媒との熱交換によって、温度が常温程度まで上昇している。このため、ボイルオフガスBOGが混合した後の第一ライン31の液化ガスLGの温度を高めることができる。したがって、下流側ポンプ42を経た後、主機21で燃焼させるために液化ガスLGを気化させる際に必要なエネルギー量が少なくて済む。この点においても、ボイルオフガスBOGの処理を、より効率良く行うことが可能となる。
【0047】
(3)第3の態様に係る船舶1は、(1)又は(2)の船舶1であって、前記第一ライン31は、前記第一ライン31と前記混合ライン33A、33Bとの合流部31jよりも下流側に、少なくとも一つの屈曲部48kを有する。
【0048】
これにより、混合ライン33A、33BからボイルオフガスBOGが流れ込んだ第一ライン31の液化ガスLGの流れが、屈曲部48kを通ることで攪拌される。これにより、ボイルオフガスBOGと液化ガスLGとの混合が促進される。
【0049】
(4)第4の態様に係る船舶1は、(3)の船舶1であって、前記第一ライン31は、前記第一ライン31と前記混合ライン33A、33Bとの合流部31jよりも下流側に、内部流体による熱収縮および前記船体2の船首尾方向の伸縮変形を吸収するオフセットベント48が備えられ、前記屈曲部48kは、前記オフセットベント48の一部を構成する。
【0050】
これにより、ボイルオフガスBOGと液化ガスLGとの混合を促進させるため、内部流体による熱収縮および船体2の船首尾方向の伸縮変形を吸収するために第一ライン31に設けられたオフセットベント48の屈曲部48kを利用することができる。したがって、ボイルオフガスBOGと液化ガスLGとの混合を促進させるために屈曲部48kを別途設ける必要が無く、コスト上昇を抑えることができる。
【0051】
(5)第5の態様に係る船舶1は、(1)から(4)の何れか一つの船舶1であって、前記混合ライン33Bと、前記第一ライン31における前記下流側ポンプ42よりも下流側の部分との間で熱交換を行う第二熱交換器49、をさらに備える。
【0052】
これにより、混合ライン33Bから第一ライン31へと送られるボイルオフガスBOGの温度が、下流側ポンプ42よりも下流側の部分での第二熱交換器49による熱交換で、低下する。これにより、ボイルオフガスBOGの体積が減少し、混合ライン33Bから第一ライン31の液化ガスLGに混合されるボイルオフガスBOGの質量流量を増加させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1…船舶 2…船体 2b…船尾 3A、3B…舷側 4…船底 5…上甲板 7…上部構造 9…スクリュー 10…液化ガスタンク 21…主機 22…補機 30A、30B…燃料供給システム 31…第一ライン 31j…合流部 32…第二ライン 32s…部分 33A…混合ライン 33B…混合ライン 34…廃棄ライン 41…上流側ポンプ 42…下流側ポンプ 44…圧縮機 45…第一熱交換器 46…蒸発器 48…オフセットベント 48k…屈曲部 49…第二熱交換器 FA…船首尾方向 BOG…ボイルオフガス LG…液化ガス
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体と、
前記船体に備えられ、液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
前記液化ガスタンクの前記液化ガスを主機に導入する第一ラインと、
前記第一ラインに備えられて前記液化ガスを圧送する上流側ポンプと、
前記第一ラインにおける前記上流側ポンプよりも下流側に備えられ、前記液化ガスを前記上流側ポンプよりも高い圧力で圧送する下流側ポンプと、
前記液化ガスタンク内で前記液化ガスが蒸発することで生成されたボイルオフガスを補機に導入する第二ラインと、
前記第二ラインに備えられ、前記ボイルオフガスを前記上流側ポンプの吐出側よりも高く、かつ前記下流側ポンプの吐出側よりも低い圧力で圧送する圧縮機と、
前記第一ラインにおける前記上流側ポンプと前記下流側ポンプとの中間部と前記第二ラインにおける前記圧縮機よりも下流側の部分とを接続し、前記第二ラインにより前記ボイルオフガスを前記補機へ導入させつつ、前記補機で消費しきれない余剰の前記ボイルオフガスを前記第一ラインの前記液化ガスに混合可能な混合ラインと、を備える
船舶。
【請求項2】
船体と、
前記船体に備えられ、液化ガスを貯留する液化ガスタンクと、
前記液化ガスタンクの前記液化ガスを主機に導入する第一ラインと、
前記第一ラインに備えられて前記液化ガスを圧送する上流側ポンプと、
前記第一ラインにおける前記上流側ポンプよりも下流側に備えられ、前記液化ガスを前記上流側ポンプよりも高い圧力で圧送する下流側ポンプと、
前記液化ガスタンク内で前記液化ガスが蒸発することで生成されたボイルオフガスを補機に導入する第二ラインと、
前記第二ラインに備えられ、前記ボイルオフガスを前記上流側ポンプの吐出側よりも高く、かつ前記下流側ポンプの吐出側よりも低い圧力で圧送する圧縮機と、
前記第一ラインにおける前記上流側ポンプと前記下流側ポンプとの中間部と前記第二ラインにおける前記圧縮機よりも下流側の部分とを接続し、前記第二ラインの前記ボイルオフガスを前記第一ラインの前記液化ガスに混合可能な混合ラインと、を備え、
前記第二ラインにおける前記圧縮機よりも下流側に配置され、冷媒との熱交換を行う第一熱交換器、をさらに備える
舶。
【請求項3】
前記第一ラインは、前記第一ラインと前記混合ラインとの合流部よりも下流側に、少なくとも一つの屈曲部を有する
請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
前記第一ラインは、前記第一ラインと前記混合ラインとの合流部よりも下流側に、内部流体による熱収縮および前記船体の船首尾方向の伸縮変形を吸収するオフセットベントが備えられ、
前記屈曲部は、前記オフセットベントの一部を構成する
請求項3に記載の船舶。
【請求項5】
前記混合ラインと、前記第一ラインにおける前記下流側ポンプよりも下流側の部分との間で熱交換を行う第二熱交換器、をさらに備える
請求項1から4の何れか一項に記載の船舶。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る船舶は、船体と、液化ガスタンクと、第一ラインと、上流側ポンプと、下流側ポンプと、第二ラインと、圧縮機と、混合ラインと、を備える。前記液化ガスタンクは、前記船体に備えられる。前記液化ガスタンクは、液化ガスを貯留する。前記第一ラインは、前記液化ガスタンクの前記液化ガスを主機に導入する。前記上流側ポンプは、前記第一ラインに備えられる。前記上流側ポンプは、前記液化ガスを圧送する。前記下流側ポンプは、前記第一ラインにおける前記上流側ポンプよりも下流側に備えられる。前記下流側ポンプは、前記液化ガスを前記上流側ポンプよりも高い圧力で圧送する。前記第二ラインは、前記液化ガスタンク内で前記液化ガスが蒸発することで生成されたボイルオフガスを補機に導入する。前記圧縮機は、前記第二ラインに備えられる。前記圧縮機は、前記ボイルオフガスを前記上流側ポンプの吐出側よりも高く、かつ前記下流側ポンプの吐出側よりも低い圧力で圧送する。前記混合ラインは、前記第一ラインにおける前記上流側ポンプと前記下流側ポンプとの中間部と前記第二ラインにおける前記圧縮機よりも下流側の部分とを接続する。前記混合ラインは、前記第二ラインにより前記ボイルオフガスを前記補機へ導入させつつ、前記補機で消費しきれない余剰の前記ボイルオフガスを前記第一ラインの前記液化ガスに混合可能である。