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  • 特開-二丁掛け安全帯 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015650
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】二丁掛け安全帯
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A62B35/00 C
A62B35/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020118643
(22)【出願日】2020-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】591153145
【氏名又は名称】ユニオン建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391030125
【氏名又は名称】保線機器整備株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】梶井 敏史
(72)【発明者】
【氏名】松井 良博
(72)【発明者】
【氏名】望月 俊孝
(72)【発明者】
【氏名】青井 宏貴
(72)【発明者】
【氏名】下村 満
(72)【発明者】
【氏名】細川 誠二
【テーマコード(参考)】
2E184
【Fターム(参考)】
2E184JA03
2E184KA11
2E184LA15
(57)【要約】
【課題】二丁の安全フックそれぞれにおいて開閉部が同時に回動することを防止する。
【解決手段】二丁の安全フック1それぞれの安全フック本体11は、インナーケーブル4を通したアウターケーブル5の両端部を支持するアウターケーブル支持部11dが設けられている一方、二丁の安全フック1それぞれの開閉部ロック・解除レバー13にはインナーケーブル4が連結されており、一方の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13を引き一方の安全フック1の開閉部12の回動を許可した場合には、他方の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13は引けず開閉部12の回動を禁止する。その反対に他方の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13を引いた場合は、一方の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13は引けず他方の安全フック1の開閉部12の回動が禁止される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二丁の安全フックが命綱を介し設けられた二丁掛け安全帯であって、
前記二丁の安全フックは、それぞれ、基端側が命綱に連結される一方、先端側の開口部から落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物に掛止される安全フック本体と、基端側が前記安全フック本体の基端側に回動可能に設けられ、回動することによって前記安全フック本体先端の開口部を開閉する開閉部と、その安全フック本体に回動可能に設けられ、前記開閉部の回動を許可および禁止を制御する開閉部ロック・解除レバーとを有し、
前記二丁の安全フックそれぞれの安全フック本体には、インナーケーブルを通したアウターケーブルの両端部を支持するアウターケーブル支持部が設けられている一方、
前記二丁の安全フックそれぞれの開閉部ロック・解除レバーには、前記インナーケーブルが連結されており、
前記二丁の安全フックの内、一方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーを引いて、当該一方の安全フックの開閉部の回動を許可した場合には、他方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの安全フックは引けず当該他方の安全フックの開閉部の回動を禁止する一方、その反対に他方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーを引いて、当該他方の安全フックの開閉部の回動を許可した場合には、一方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの安全フックは引けず当該他方の安全フックの開閉部の回動を禁止するように構成したことを特徴とする二丁掛け安全帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二丁の安全フックが命綱を介し設けられた二丁掛け安全帯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、高所作業においては二丁の安全フックがそれぞれ所要長さの命綱を介して胴巻きベルトやハーネス等に連結された二丁掛け安全帯が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。このような二丁掛け安全帯では、作業者は胴巻きベルトやハーネス等を体に装着して、二丁の安全フックそれぞれを高所に設置された落下防止用のパイプや安全ロープ等に引掛けて作業し、作業中の落下の防止を図っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開20189‐79128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の二丁掛け安全帯では、二丁の安全フックそれぞれにおいて開閉部ロック・解除レバーを引かない場合には開閉部が回動しないように構成して安全性を向上させているが、二丁の安全フックそれぞれにおいて同時に開閉部ロック・解除レバーを引くことが可能で、二丁の安全フックそれぞれにおいて同時に開閉部が回動して二丁の安全フックが引掛対象物から外れるおそれがある、という問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、二丁の安全フックそれぞれにおいて開閉部が同時に回動することを防止できる二丁掛け安全帯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る二丁掛け安全帯は、二丁の安全フックが命綱を介し設けられた二丁掛け安全帯であって、前記二丁の安全フックは、それぞれ、基端側が命綱に連結される一方、先端側の開口部から落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物に掛止される安全フック本体と、基端側が前記安全フック本体の基端側に回動可能に設けられ、回動することによって前記安全フック本体先端の開口部を開閉する開閉部と、その安全フック本体に回動可能に設けられ、前記開閉部の回動を許可および禁止を制御する開閉部ロック・解除レバーとを有し、前記二丁の安全フックそれぞれの安全フック本体には、インナーケーブルを通したアウターケーブルの両端部を支持するアウターケーブル支持部が設けられている一方、前記二丁の安全フックそれぞれの開閉部ロック・解除レバーには、前記インナーケーブルが連結されており、前記二丁の安全フックの内、一方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーを引いて、当該一方の安全フックの開閉部の回動を許可した場合には、他方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの安全フックは引けず当該他方の安全フックの開閉部の回動を禁止する一方、その反対に他方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーを引いて、当該他方の安全フックの開閉部の回動を許可した場合には、一方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの安全フックは引けず当該他方の安全フックの開閉部の回動を禁止するように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る二丁掛け安全帯では、二丁の安全フックそれぞれの安全フック本体は、インナーケーブルを通したアウターケーブルの両端部を支持するアウターケーブル支持部が設けられている一方、二丁の安全フックそれぞれの開閉部ロック・解除レバーは、インナーケーブルが連結されており、二丁の安全フックの内、一方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーを引いて、当該一方の安全フックの開閉部の回動を許可した場合には、他方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの安全フックは引けず当該他方の安全フックの開閉部の回動を禁止する一方、その反対に他方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーを引いて、当該他方の安全フックの開閉部の回動を許可した場合には、一方の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの安全フックは引けず当該他方の安全フックの開閉部の回動を禁止するように構成する。
そのため、本発明に係る二丁掛け安全帯によれば、二丁の安全フックそれぞれにおいて同時に開閉部ロック・解除レバーを引くことは不可能となるので、二丁の安全フックそれぞれにおいて開閉部が同時に回動することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態の二丁掛け安全帯を示す平面図である。
図2】本発明に係る実施形態の二丁掛け安全帯を構成する左側の安全フックの要部拡大平面図である。
図3】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の二丁掛け安全帯を構成する左側の安全フックの開閉部ロック・解除レバーを握って開閉部の開閉を許可した状態、開閉部ロック・解除レバーを握って、かつ、開閉部を回動して安全フックの開口部を開いた状態を示す要部拡大平面図である。
図4】本発明に係る実施形態の二丁掛け安全帯を構成する右側の安全フックの要部拡大平面図である。
図5】本発明に係る実施形態の二丁掛け安全帯を構成する左側の安全フックにおいて開閉部ロック・解除レバーを握って、右側の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの回動を禁止した状態を示す説明図である。
図6】本発明に係る実施形態の二丁掛け安全帯を構成する右側の安全フックにおいて開閉部ロック・解除レバーを握って、左側の安全フックの開閉部ロック・解除レバーの回動を禁止した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態の二丁掛け安全帯1について図面を参照しながら具体的に説明する。尚、下記に説明する実施形態は、形状や寸法なども含めあくまで本発明の一例であり、本発明に係る実施形態の二丁掛け安全帯1は、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0010】
<実施形態の二丁掛け安全帯1の構成>
本発明に係る実施形態に係る二丁掛け安全帯1は、図1に示すように二丁の安全フック1がそれぞれ所要長さの命綱(ランヤードともいう。)2を介して作業員が装着する装身具3に連結されたものである。尚、図1では、装身具3は、胴巻きベルトやハーネス等の多種多様なものがあって、本発明では特にこだわらないため、一点鎖線で簡易に図示している。
【0011】
(安全フック1)
二丁の安全フック1は、それぞれ、安全フック本体11と、開閉部12と、開閉部ロック・解除レバー13等を備えて構成される。
【0012】
安全フック本体11は、ほぼ釣り針形状に形成されており、基端部11a側に連結孔11a1が設けられており、その連結孔11a1に命綱3が連結される一方、先端側であるフック先端部11bと基端部11aとの間に開口部11cが形成されており、その開口部11cから落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物(図示せず。)に掛止される。
【0013】
開閉部12は、その基端側が安全フック本体11の基端部11aに回動軸12aによって回動可能に設けられており、その回動軸12aを中心に回動することによって安全フック本体11のフック先端部11bと基端部11aとの間に開口部11cを開閉するもので、図示しないスプリングによって常時α方向(時計回り)に付勢されていてその先端の背板ストッパー部12bがフック先端部11bの内側に当接しており、作業員が開閉部ロック・解除レバー13の後述するレバー部13bを握って図3(a)に示すようにα方向(時計回り)に回動して開閉部12のロック状態を解除し、かつ、図3(b)に示すように開閉部12をβ方向(反時計回り)に押して回動しない限り、安全フック本体11の開口部11cを開口させないように構成されている。
【0014】
開閉部ロック・解除レバー13は、安全フック本体11に回動軸13aにより回動可能に設けられおり、回動軸13aを中心に回動することによって開閉部12の回動を許可および禁止を制御するもので、図2に示す状態は開閉部ロック・解除レバー13後端側のロック部13cが開閉部12の被ロック部12cに当接して開閉部12をロックした状態を示している。そのため、この状態では、作業員は開閉部12を握って内側へ押圧しても開閉部12は回動せず、安全フック本体11の開口部11cは開閉部12によって閉められた状態である。
【0015】
これに対し、作業員が開閉部ロック・解除レバー13の後述するレバー部13bを握って図3(a)に示すようにα方向(時計回り)に回動させると、開閉部ロック・解除レバー13後端側のロック部13cが開閉部12の被ロック部12cから離れて開閉部12を回動可能状態に解除するため、図3(b)に示すように開閉部12をβ方向(反時計回り)に押して回動しない限り、安全フック本体11の開口部11cを開口させないように構成している。
【0016】
また、開閉部ロック・解除レバー13の後端部には、図3(a),(b)に示すように開閉部ロック・解除レバー13が作業員に握られて回動軸13aを中心に回動した際、後述するインナーケーブル4に当接して回転してインナーケーブル4がアウターケーブル5から効率良く繰り出させると共にインナーケーブル4の引出し量を増大させるインナーケーブル当接回転ピン13dが設けられている。
【0017】
尚、図1において右側の安全フック1も同様に構成されており、ここまでの左右2丁の安全フック1,1の構成は、従来の物と同じである。
【0018】
そして、本実施形態の二丁掛け安全帯では、以上のように構成された二丁の安全フック1,1それぞれをインナーケーブル4およびアウターケーブル5で連結して、二丁の安全フック1,1それぞれの開閉部ロック・解除レバー13,13が同時に回動することを禁止して、それぞれの開閉部12,12が同時に回動しないようにしたことを特徴とする。
【0019】
そのため、左右二丁の安全フック1,1それぞれの安全フック本体11,11には、それぞれ、図2図4等に示すようにインナーケーブル4を通したアウターケーブル5の両端部をそれぞれ支持するアウターケーブル支持部11d,11d’を設ける一方、左右二丁の安全フック1,1それぞれの開閉部ロック・解除レバー13,13に、それぞれ、図2図4等に示すようにインナーケーブル左端通し部11e、インナーケーブル右端通し部11f,11gを設けている。
【0020】
(インナーケーブル4およびアウターケーブル5)
【0021】
インナーケーブル4は、その両端部が図2および図4等に示すように左右二丁の安全フック1,1それぞれの開閉部ロック・解除レバー13,13に連結されるもので、左端部にはインナーケーブル4の左端部に固定されたインナーケーブル左端留め部4aが設けられている一方、右端部にはカシメ等してインナーケーブル4の右端部の任意の位置に固定できるインナーケーブル右端留め部4bが設けられている。
【0022】
アウターケーブル5は、インナーケーブル4を内部に通すもので、その両端部は図2および図4等に示すように左右二丁の安全フック1,1の安全フック本体11,11に設けたアウターケーブル支持部11d,11d’に支持されるように構成されており、右端部には外周面に雄ネジ部が形成されたケーブル繰出量調整スリーブ5aおよびケーブル繰出量調整スリーブ5aの雄ネジ部に螺合する2つのケーブル繰出量調整ナット5b,5bが設けられている。
【0023】
左側の安全フック1では、図2等に示すように、安全フック本体11に設けられたアウターケーブル支持部11dはアウターケーブル5の左端部を支持すると共に、アウターケーブル5の左端部からインナーケーブル4の左端部を繰り出し、開閉部ロック・解除レバー13に設けられたインナーケーブル左端通し部11eでは、インナーケーブル4の左端部に固定されたインナーケーブル左端留め部4aを留めている。
【0024】
一方、右側の安全フック1では、図4等に示すように、安全フック本体11に設けられたアウターケーブル支持部11d’がアウターケーブル5右端部のケーブル繰出量調整スリーブ5aを支持すると共に、アウターケーブル支持部11d’の両側にケーブル繰出量調整スリーブ5aの雄ネジ部に螺合するケーブル繰出量調整ナット5b,5bが設けられ、アウターケーブル5の右端部からインナーケーブル4の右端部を繰り出して、開閉部ロック・解除レバー13に設けられたインナーケーブル右端通し部11f,11gに通している。
【0025】
そのため、インナーケーブル4に対するインナーケーブル左端留め部4aの位置や、ケーブル繰出量調整スリーブ5aの雄ネジ部に螺合するケーブル繰出量調整ナット5b,5bの回転によってインナーケーブル4のテンションや、アウターケーブル5に対するインナーケーブル4の繰出し量(繰出し長さ)や遊びの量等を調整することによって、二丁の安全フック1,1それぞれの開閉部ロック・解除レバー13,13が同時に回動できないように調整する。
【0026】
<実施形態の二丁掛け安全帯1の動作>
次に、以上のように構成された実施形態の二丁掛け安全帯1の動作について説明する。
【0027】
(左右二丁の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13を操作しない場合)
左右二丁の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13を操作しない場合は、図1に示すように左右二丁の安全フック1において図示しないスプリング等によって付勢された開閉部12先端が安全フック本体11のフック先端部11bに当接しているため、右二丁の安全フック1の安全フック本体11をそれぞれ落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物(図示せず。)に引掛けた状態を保持することができる。
【0028】
(左側の安全フック1において開閉部ロック・解除レバー13を引いて回動させた場合)
二丁の安全フック1の内、例えば、図5に示すように作業員が左側の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13を握ってα方向(時計回り)に回動させ、左側の開閉部ロック・解除レバー13のロック部13cが開閉部12の被ロック部12cから離れた場合には、左側の安全フック1の開閉部12の回動が許可され、左側の開閉部12を内側であるβ方向(反時計回り)に押すことが可能となり、図3(b)にも示すように左側の安全フック1の開口部11cが開き安全フック本体11を落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物(図示せず。)に引掛けたり、引掛対象物から取外すことができる。
【0029】
しかし、左側の安全フック1において、開閉部ロック・解除レバー13を押してα方向(時計回り)に回動させた場合、左側の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13のインナーケーブル左端通し部11eが図3(a)や図5に示すようにインナーケーブル4がアウターケーブル5から図上、左側に引き出される。
【0030】
そのため、作業員が右側の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13のレバー部13bを押しても、右側の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13は回動せず、右側の安全フック1の開閉部12も回動しないので、右側の安全フック1では、その安全フック本体11を落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物(図示せず。)に引っ掛け状態を確実に保持することができる。
【0031】
(右側の安全フック1において開閉部ロック・解除レバー13を引いて回動させた場合)
これに対し、二丁の安全フック1の内、例えば、図6に示すように作業員が右側の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13を握ってβ方向(反時計回り)に回動させ、右側の開閉部ロック・解除レバー13のロック部13cが開閉部12の被ロック部12cから離れた場合には、右側の安全フック1の開閉部12の回動を許可するため、右側の開閉部12を内側であるα方向(時計回り)に押すことが可能となり、右側の安全フック1の開口部11cを開いて、右側の安全フック本体11を落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物(図示せず。)に引掛けたり、引掛対象物から取外すことができる。
【0032】
しかし、この場合は右側の安全フック1における開閉部ロック・解除レバー13の回動によって図6に示すようにインナーケーブル4がアウターケーブル5から図上、右側に引き出されるため、作業員が左側の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13のレバー部13bを押しても、左側の安全フック1の開閉部ロック・解除レバー13は回動不可となる。
【0033】
そのため、左側の安全フック1の開閉部12も回動不可となるので、左側の安全フック1では、その安全フック本体11を落下防止用のパイプや安全ロープ等の引掛対象物(図示せず。)に引っ掛け状態を確実に保持することができる。
【0034】
従って、本実施形態の二丁掛け安全帯1では、二丁の安全フック1,1それぞれをインナーケーブル4およびアウターケーブル5で連結して、二丁の安全フック1,1それぞれの開閉部ロック・解除レバー13,13が同時に回動することを禁止したため、左右二丁の安全フック1の開閉部12が同時に開いて開口部11cが同時に開口することを防止することができ、安全性を向上させることができる。
【0035】
尚、上記実施形態の説明では、図1に示すように二丁の安全フック1,1がそれぞれ命綱2,2を介して胴巻きベルトやハーネス等の装身具3に連結された二丁掛け安全帯1を一例に説明したが、本発明では、これに限らず、二丁の安全フック1,1が命綱を介し設けられていれば十分で、二丁の安全フック1、1が命綱2を介して直接連結され、胴巻きベルトやハーネス等の装身具3が省略されていても勿論良い。
【符号の説明】
【0036】
1 安全フック
11 安全フック本体
11a 基端部
11a1 連結孔
11b フック先端部
11c 開口部
11d、11d’ アウターケーブル支持部
11e インナーケーブル左端通し部
11f,11g インナーケーブル右端通し部
11h ナット部
11i ケーブル繰出量調整スリーブ。
12 開閉部
12a 回動軸
12b 背板ストッパー部
13 開閉部ロック・解除レバー
13a 回動軸
13b レバー部
13c ロック部
13d インナーケーブル当接回転ピン
2 命綱
3 装身具
4 インナーケーブル
4a インナーケーブル左端留め部
4b インナーケーブル右端留め部
5 アウターケーブル
5a ケーブル繰出量調整スリーブ
5b ケーブル繰出量調整ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6