(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156520
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】管理プログラム、管理装置、管理システムおよび管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221006BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F3/12 335
G06F3/12 304
G06F3/12 310
G06F3/12 373
B41J29/38 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060260
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢橋 義文
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061HK05
2C061HK11
2C061HK15
2C061HN15
(57)【要約】
【課題】消耗品の準備に関する利便性を向上させる。
【解決手段】管理プログラム62aは、プリンタ3と端末装置2とサービスサーバ4とを備える管理システム1のサービスサーバ4が備える制御部51に、ステータス情報取得処理と、発送判断処理とを実行させるように構成されている。ステータス情報取得処理は、情報の更新を要求する情報更新要求を端末装置2から受信すると、プリンタ3から、プリンタ3の第1,2,3,4カートリッジ37a,37b,37c,37dの残量に関する消耗品残量情報を含むステータス情報を取得する。発送判断処理は、プリンタ3から取得した消耗品残量情報に基づいて、第1~4サービス専用カートリッジを使用者へ発送するための判断を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に画像を印刷する機能を有する印刷装置と、
前記印刷装置を使用する使用者によって操作される端末装置と、
前記印刷装置および前記端末装置と通信可能に構成された管理装置とを備える管理システムの前記管理装置が備える制御部に、
情報の更新を要求する情報更新要求を前記端末装置から受信すると、前記印刷装置から、前記印刷装置の消耗品の残量に関する残量情報を含み且つ前記印刷装置の状態に関する情報であるステータス情報を取得するステータス情報取得処理と、
前記印刷装置から取得した前記残量情報に基づいて、前記消耗品を前記使用者へ発送するための判断を行う発送判断処理と
を実行させるように構成されている管理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の管理プログラムであって、
前記制御部に、更に、
前記発送判断処理による判断結果を示す判断結果情報を前記端末装置へ送信する結果送信処理を実行させるように構成されている管理プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の管理プログラムであって、
前記ステータス情報は、前記印刷装置の使用量に関する使用量情報を含み、
前記制御部に、更に、
前記印刷装置から取得した前記使用量情報に基づいて、前記使用量に応じて前記使用者に対して課金する課金量を示す課金情報を更新する課金更新処理と、
前記課金更新処理によって更新された前記課金情報を前記端末装置へ送信する課金送信処理と
を実行させるように構成されている管理プログラム。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の管理プログラムであって、
前記ステータス情報取得処理は、前記印刷装置から前記ステータス情報を取得できない場合に、前記印刷装置と通信可能な状態になるまで待機し、前記印刷装置と通信可能な状態になると、前記印刷装置から前記ステータス情報を取得する管理プログラム。
【請求項5】
印刷媒体に画像を印刷する機能を有する印刷装置、および、前記印刷装置を使用する使用者によって操作される端末装置と通信するように構成された通信部と、
前記通信部を制御するように構成された制御部と
を備える管理装置であって、
前記制御部は、
情報の更新を要求する情報更新要求を前記端末装置から受信すると、前記印刷装置から、前記印刷装置の消耗品の残量に関する残量情報を含み且つ前記印刷装置の状態に関する情報であるステータス情報を取得するステータス情報取得処理と、
前記印刷装置から取得した前記残量情報に基づいて、前記消耗品を前記使用者へ発送するための判断を行う発送判断処理と
を実行するように構成されている管理装置。
【請求項6】
印刷媒体に画像を印刷する機能を有する印刷装置と、前記印刷装置を使用する使用者によって操作される端末装置と、管理装置とが通信可能に構成される管理システムであって、
前記管理装置の制御部は、
情報の更新を要求する情報更新要求を前記端末装置から受信すると、前記印刷装置から、前記印刷装置の消耗品の残量に関する残量情報を含み且つ前記印刷装置の状態に関する
情報であるステータス情報を取得するステータス情報取得処理と、
前記印刷装置から取得した前記残量情報に基づいて、前記消耗品を前記使用者へ発送するための判断を行う発送判断処理と
を実行するように構成されている管理システム。
【請求項7】
印刷媒体に画像を印刷する機能を有する印刷装置と、前記印刷装置を使用する使用者によって操作される端末装置と、管理装置とが通信可能に構成される管理システムの前記管理装置で実行される管理方法であって、
情報の更新を要求する情報更新要求を前記端末装置から受信すると、前記印刷装置から、前記印刷装置の消耗品の残量に関する残量情報を含み且つ前記印刷装置の状態に関する情報であるステータス情報を取得するステータス情報取得ステップと、
前記印刷装置から取得した前記残量情報に基づいて、前記消耗品を前記使用者へ発送するための判断を行う発送判断ステップと
を備える管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷装置を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パーソナルコンピュータ上で起動されたプリンタユーティリティのインク残量表示画面の更新ボタンが押されると、プリンタユーティリティは、インク残量を示すステータス情報をプリンタから取得し、このステータス情報に基づいてインク残量を表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プリンタの使用者は、プリンタユーティリティによってインク残量を確認し、インク残量が少なくなっている場合に、消耗品を別途準備する必要がある。
本開示は、消耗品の準備に関する利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、印刷装置と、端末装置と、管理装置とを備える管理システムの管理装置が備える制御部に、ステータス情報取得処理と、発送判断処理とを実行させるように構成されている管理プログラムである。
【0006】
印刷装置は、印刷媒体に画像を印刷する機能を有する。端末装置は、印刷装置を使用する使用者によって操作される。管理装置は、印刷装置および端末装置と通信可能に構成される。
【0007】
ステータス情報取得処理は、情報の更新を要求する情報更新要求を端末装置から受信すると、印刷装置から、印刷装置の消耗品の残量に関する残量情報を含み且つ印刷装置の状態に関する情報であるステータス情報を取得する。
【0008】
発送判断処理は、印刷装置から取得した残量情報に基づいて、消耗品を使用者へ発送するための判断を行う。
このように構成された本開示の管理プログラムは、消耗品を発送するべきか否かの発送判断を管理装置に行わせることができる。このため、本開示の管理プログラムは、使用者による発送判断を不要にすることができ、消耗品の準備に関する利便性を向上させることができる。
【0009】
本開示の別の態様は、印刷装置、および、端末装置と通信するように構成された通信部と、通信部を制御するように構成された制御部とを備える管理装置であって、制御部は、ステータス情報取得処理と、発送判断処理とを実行するように構成されている。
【0010】
本開示の管理装置は、本開示の管理プログラムによって制御される装置であり、本開示の管理プログラムと同様の効果を得ることができる。
本開示の更に別の態様は、印刷装置と、印刷装置を使用する使用者によって操作される端末装置と、管理装置とが通信可能に構成される管理システムであって、管理装置の制御
部は、ステータス情報取得処理と、発送判断処理とを実行するように構成されている。
【0011】
本開示の管理システムは、本開示の管理プログラムによって制御されるシステムであり、本開示の管理プログラムと同様の効果を得ることができる。
本開示の更に別の態様は、印刷装置と、端末装置と、管理装置とが通信可能に構成される管理システムの管理装置で実行される管理方法であって、ステータス情報取得ステップと、発送判断ステップとを備える。
【0012】
本開示の管理方法は、本開示の管理プログラムにて実行される方法であり、当該方法を実行することで、本開示の管理プログラムと同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】端末装置、プリンタおよびサービスサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】印刷サービスの申し込みの手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本開示の実施形態を図面とともに説明する。
(1)管理システム1の構成
本実施形態の管理システム1は、印刷サービスを管理するシステムであり、
図1に示すように、端末装置2と、プリンタ3と、サービスサーバ4と、発送サーバ5とを備える。
【0015】
印刷サービスは、プリンタ3に装着可能なカートリッジを自動配送する発送サービスと、プリンタ3によって印刷された印刷媒体の枚数(以下、印刷枚数)に応じて課金する課金サービスとを含む。この課金サービスは、サービス単位期間(例えば、1カ月)内でサービスプラン毎に規定された印刷枚数(以下、規定枚数)までは定額で、規定枚数を超える印刷に対して追加課金されるサービスである。なお、サービス単位期間内での印刷枚数が規定枚数未満である場合には、余剰分が次のサービス単位期間に繰り越される。
【0016】
端末装置2、プリンタ3、サービスサーバ4および発送サーバ5は、WAN6を介して互いに通信可能に構成されている。WANは、Wide Area Networkの略である。本実施形態のWAN6は、インターネットである。
【0017】
端末装置2は、本実施形態ではパーソナルコンピュータであり、
図2に示すように、制御部11と、通信部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15とを備える。なお、端末装置2は、スマートフォンまたはタブレットなどの携帯端末であってもよい。
【0018】
制御部11は、CPU21およびメモリ22を備える。CPU21は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行し、これにより、端末装置2の各種機能が実現される。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0019】
メモリ22は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備える。
通信部12は、WAN6を介してサービスサーバ4との間でデータ通信を行う。
【0020】
表示部13は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部14は、キーボードとマウスとを備える。そして入力部14は、端末装置2の使用者がキーボードおよびマウスを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0021】
記憶部15は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。HDDは、Hard Disk Driveの略である。SSDは、Solid State Driveの略である。
【0022】
プリンタ3は、制御部31と、通信部32と、表示部33と、入力部34と、印刷部35と、装着部36とを備える。
制御部31は、CPU41およびメモリ42を備える。CPU41は、メモリ42に記憶されたプログラムを実行し、これにより、プリンタ3の各種機能が実現される。なお、制御部31により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。メモリ42は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
【0023】
通信部32は、WAN6を介してサービスサーバ4との間でデータ通信を行う。
表示部33は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部34は、表示部33の表示画面上に設置されたタッチパネルと、表示部33の表示画面の周囲に設置されたスイッチとを備える。そして入力部34は、使用者がタッチパネルおよびスイッチを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0024】
印刷部35は、インクジェット技術または電子写真技術の印刷機構を有し、印刷媒体に画像を印刷することができる。
装着部36は、第1カートリッジ37a、第2カートリッジ37b、第3カートリッジ37cおよび第4カートリッジ37dが着脱可能に装着される。第1,2,3,4カートリッジ37a~37dは、印刷媒体に画像を印刷するために印刷部35よって印刷媒体に付着させる色材(本実施形態では、インク)を収容する。第1,2,3,4カートリッジ37a,37b,37c,37dはそれぞれ、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの色材を収容する。
【0025】
サービスサーバ4は、制御部51と、通信部52と、記憶部53とを備える。
制御部51は、CPU61およびメモリ62を備える。CPU61は、メモリ62に記憶されたプログラムを実行し、これにより、サービスサーバ4の各種機能が実現される。なお、制御部51により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。メモリ62は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
【0026】
メモリ62は、管理プログラム62aを記憶する。管理プログラム62aは、印刷サービスを管理する機能を、CPU61に実現させるためのコンピュータプログラムである。
通信部52は、WAN6を介して端末装置2、プリンタ3および発送サーバ5との間でデータ通信を行う。記憶部53は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。
【0027】
発送サーバ5は、後述するカートリッジ発送指示をサービスサーバ4から受信すると、カートリッジ発送指示の内容に従ったカートリッジ発送を行うように発送作業者へ通知する。これにより、カートリッジ発送指示に対応したカートリッジ発送が行われる。
【0028】
(2)印刷サービス申し込み
次に、プリンタ3の所有者(以下、サービス利用者)が印刷サービスを申し込むときの手順を説明する。
【0029】
まず、サービス利用者が入力部14を介して端末装置2に対して入力操作することにより、
図3の処理P1で示すように、端末装置2が、印刷サービスを提供するためにサービスサーバ4に開設されたウェブサイト(以下、サービスウェブサイト)にアクセスする。
【0030】
さらに、サービス利用者が端末装置2に対して入力操作することにより、処理P2で示すように、端末装置2が、印刷サービスを利用するためのアカウントを作成して、サービスウェブサイトにログインする。アカウントは、少なくとも、サービス利用者の氏名、メールアドレスおよびパスワードを登録することによって作成される。
【0031】
次に、サービス利用者が端末装置2に対して入力操作することにより、処理P3で示すように、端末装置2が、サービスウェブサイトに対してプリンタ3を登録する。具体的には、端末装置2は、サービスサーバ4に対して、プリンタ3を特定するためのプリンタ識別情報を送信する。
【0032】
サービスサーバ4は、プリンタ識別情報を受信すると、処理P4で示すように、WAN6を介してプリンタ3との間で通信を行い、プリンタ識別情報に対応するプリンタ3を検出する。
【0033】
サービスサーバ4は、プリンタ3を検出すると、プリンタ3を、サービス利用者のアカウントに対する登録プリンタとして登録し、処理P5で示すように、登録が成功した旨を示す登録成功通知を端末装置2へ送信する。
【0034】
次に、サービス利用者が端末装置2に対して入力操作することにより、処理P6で示すように、端末装置2が、登録プリンタを対象として印刷サービスを申し込むサービス開始要求をサービスサーバ4へ送信する。サービス開始要求には、申し込んだ印刷サービスのプランの種類を示すプラン情報と、カートリッジの配送先を示す配送先情報と、印刷サービスの利用料金を引き落とすための決済情報(例えば、クレジットカード番号)が含まれる。
【0035】
サービスサーバ4は、サービス開始要求を受信すると、処理P7で示すように、プリンタ3に対して、定期的(例えば、12時間毎)に通知情報を送信させる定期情報通知設定を行う。通知情報には、ファーム識別情報と、ページカウント情報と、消耗品残量情報と、交換カウント情報と、カートリッジ種別情報とが含まれる。
【0036】
ファーム識別情報は、プリンタ3のファームウェアの種類とバージョンを示す。ページカウント情報は、プリンタ3による印刷枚数を示す。消耗品残量情報は、第1,2,3,4カートリッジ37a,37b,37c,37dの色材の残量を示す。交換カウント情報は、第1,2,3,4カートリッジ37a,37b,37c,37dの交換回数を示す。
【0037】
カートリッジ種別情報は、第1~4カートリッジ37a~37dが、市販カートリッジであるか、同梱カートリッジであるか、サービス専用カートリッジであるかを示す。市販カートリッジは、店舗で購入可能なカートリッジである。同梱カートリッジは、プリンタ3に同梱されるカートリッジである。サービス専用カートリッジは、印刷サービスの専用のカートリッジである。
【0038】
以下、第1,2,3,4カートリッジ37a,37b,37c,37dに対応するサービス専用カートリッジをそれぞれ、第1,2,3,4サービス専用カートリッジという。
プリンタ3に対して定期情報通知設定が行われると、プリンタ3は、処理P8で示すように、1回目の通知情報をサービスサーバ4へ送信する。
【0039】
サービスサーバ4は、通知情報を受信すると、処理P9で示すように、プリンタ3に対して、サービス有効化設定を行う。これにより、プリンタ3が、通常モードからサービスモードに設定される。
【0040】
プリンタ3は、サービスモードに設定されると、処理P10で示すように、有効化完了通知をサービスサーバ4へ送信する。
サービスサーバ4は、有効化完了通知を受信すると、処理P11で示すように、登録完了通知を端末装置2へ送信する。これにより、サービス利用者は、印刷サービス申し込みが完了したことを認識することができる。
【0041】
(3)印刷サービス管理画像
端末装置2は、有効化完了通知を受信した後にサービスウェブサイトにアクセスすると、
図4に示すように、印刷サービス管理画像SMを表示部13の表示画面に表示することができる。
【0042】
印刷サービス管理画像SMは、シアン残量表示領域R1と、マゼンタ残量表示領域R2と、イエロー残量表示領域R3と、ブラック残量表示領域R4と、発送情報表示領域R5と、ステータス表示領域R6と、印刷枚数表示領域R7と、繰越印刷枚数表示領域R8と、追加印刷枚数表示領域R9と、更新ボタンB1とを備える。
【0043】
シアン残量表示領域R1は、第1カートリッジ37aに収容されているシアンの色材の残量を示す。マゼンタ残量表示領域R2は、第2カートリッジ37bに収容されているマゼンタの色材の残量を示す。イエロー残量表示領域R3は、第3カートリッジ37cに収容されているイエローの色材の残量を示す。ブラック残量表示領域R4は、第4カートリッジ37dに収容されているブラックの色材の残量を示す。
【0044】
発送情報表示領域R5は、サービス専用カートリッジの発送状況を示す。発送情報表示領域R5には、例えば、「発送しました」、「発送準備中」、「発注を受け付けました」、「発送を指示しました」等が表示される。
【0045】
ステータス表示領域R6は、プリンタ3の現在状況を示す。例えば、プリンタ3とサービスサーバ4との間で通信可能な状態である場合には、ステータス表示領域R6に「オンライン」と表示される。また、プリンタ3とサービスサーバ4との間で通信できない状態である場合には、「オフライン」と表示される。また、プリンタ3で故障が発生している場合には、「エラー」と表示される。
【0046】
印刷枚数表示領域R7は、現時点のサービス単位期間内において定額で印刷可能な印刷枚数(すなわち、規定枚数)と、規定枚数を上限としてプリンタ3が現時点のサービス単位期間内で印刷した印刷枚数(以下、定額利用枚数)とを表示する。
図4の印刷枚数表示領域R7は、規定枚数が100枚であり、定額利用枚数が100枚であることを示している。
【0047】
繰越印刷枚数表示領域R8は、過去のサービス単位期間において規定枚数まで印刷されないことにより現時点のサービス単位期間に繰り越された印刷枚数(以下、繰越枚数)と、繰越枚数を上限としてプリンタ3が現時点のサービス単位期間内で印刷した印刷枚数(
以下、繰越利用枚数)とを表示する。
図4の繰越印刷枚数表示領域R8は、繰越枚数が40枚であり、繰越利用枚数が10枚であることを示している。
【0048】
追加印刷枚数表示領域R9は、追加購入により印刷可能になった印刷枚数(以下、追加枚数)と、追加枚数を上限としてプリンタ3が追加購入分で印刷した印刷枚数(以下、追加利用枚数)とを表示する。
図4の追加印刷枚数表示領域R9は、追加枚数が20枚であり、追加利用枚数が0枚であることを示している。
【0049】
上記の定額利用枚数および繰越利用枚数は、サービス単位期間内の定額料金で利用可能な印刷枚数である。そして、上記の追加枚数を利用するための料金が追加料金として課金される。
【0050】
更新ボタンB1は、印刷サービス管理画像SMにおける表示内容を更新するときに操作される。更新ボタンB1に対するクリック操作が行われると、端末装置2は、情報更新要求をサービスサーバ4へ送信する。
【0051】
(4)サービスサーバ4において実行される処理
次に、サービスサーバ4のCPU61が実行する更新処理の手順を説明する。更新処理は、制御部51の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0052】
更新処理が実行されると、CPU61は、
図5に示すように、まずS10にて、情報更新要求を受信したか否かを判断する。ここで、情報更新要求を受信していない場合には、CPU61は、更新処理を終了する。
【0053】
一方、情報更新要求を受信した場合には、CPU61は、S20にて、S10で受信した情報更新要求の送信元のアカウント(以下、サービス対象アカウント)の登録プリンタがオンライン状態であるか否かを判断する。「オンライン状態」とは、登録プリンタとサービスサーバ4とがWAN6を介してデータ通信を行うことができる状態である。
【0054】
ここで、登録プリンタがオンライン状態でない場合には、S20の処理を繰り返すことによって登録プリンタがオンライン状態になるまで待機する。そして、登録プリンタがオンライン状態になると、CPU61は、S30にて、登録プリンタからステータス情報を取得する。ステータス情報には、ページカウント情報と、消耗品残量情報と、カートリッジ種別情報とが含まれる。
【0055】
次にCPU61は、S40にて、後述する発送判断処理を実行する。そしてCPU61は、S50にて、S40の処理においてカートリッジ発送指示の送信が行われたか否かを判断する。ここで、カートリッジ発送指示の送信が行われていない場合には、CPU61は、S70に移行する。
【0056】
一方、カートリッジ発送指示の送信が行われた場合には、CPU61は、S60にて、カートリッジ発送指示を送信した旨を示す発送指示通知を端末装置2へ送信し、S70に移行する。端末装置2は、発送指示通知を受信すると、印刷サービス管理画像SMの発送情報表示領域R5に「発送を指示しました」と表示する。
【0057】
S70に移行すると、CPU61は、S30で受信したステータス情報に含まれるページカウント情報に基づいて、上記の定額利用枚数、繰越利用枚数および追加利用枚数を算出し、算出した定額利用枚数、繰越利用枚数および追加利用枚数を、登録プリンタの課金情報として更新する。
【0058】
そしてCPU61は、S80にて、更新された課金情報を端末装置2へ送信し、更新処理を終了する。端末装置2は、課金情報を受信すると、課金情報に含まれる定額利用枚数、繰越利用枚数および追加利用枚数に基づいて、印刷サービス管理画像SMの印刷枚数表示領域R7、繰越印刷枚数表示領域R8および追加印刷枚数表示領域R9の表示内容を更新する。
【0059】
次に、S40で実行される発送判断処理の手順を説明する。
発送判断処理が実行されると、CPU61は、
図6に示すように、まずS210にて、S30で受信したステータス情報に含まれる消耗品残量情報に基づいて、予め設定された第1残量不足条件が成立したか否かを判断する。本実施形態の第1残量不足条件は、第1カートリッジ37aの色材の残量が予め設定された第1不足量以下であることである。
【0060】
ここで、第1残量不足条件が成立していない場合には、CPU61は、S230に移行する。一方、第1残量不足条件が成立している場合には、CPU61は、S220にて、第1カートリッジ発送指示を発送サーバ5へ送信し、S230に移行する。第1カートリッジ発送指示は、サービス対象アカウントの配送先へ、サービス対象アカウントの登録プリンタに対応した第1サービス専用カートリッジを発送させる指示である。
【0061】
S230に移行すると、CPU61は、S30で受信したステータス情報に含まれる消耗品残量情報に基づいて、予め設定された第2残量不足条件が成立したか否かを判断する。本実施形態の第2残量不足条件は、第2カートリッジ37bの色材の残量が予め設定された第2不足量以下であることである。
【0062】
ここで、第2残量不足条件が成立していない場合には、CPU61は、S250に移行する。一方、第2残量不足条件が成立している場合には、CPU61は、S240にて、第2カートリッジ発送指示を発送サーバ5へ送信し、S250に移行する。第2カートリッジ発送指示は、サービス対象アカウントの配送先へ、サービス対象アカウントの登録プリンタに対応した第2サービス専用カートリッジを発送させる指示である。
【0063】
S250に移行すると、CPU61は、S30で受信したステータス情報に含まれる消耗品残量情報に基づいて、予め設定された第3残量不足条件が成立したか否かを判断する。本実施形態の第3残量不足条件は、第3カートリッジ37cの色材の残量が予め設定された第3不足量以下であることである。
【0064】
ここで、第3残量不足条件が成立していない場合には、CPU61は、S270に移行する。一方、第3残量不足条件が成立している場合には、CPU61は、S260にて、第3カートリッジ発送指示を発送サーバ5へ送信し、S270に移行する。第3カートリッジ発送指示は、サービス対象アカウントの配送先へ、サービス対象アカウントの登録プリンタに対応した第3サービス専用カートリッジを発送させる指示である。
【0065】
S270に移行すると、CPU61は、S30で受信したステータス情報に含まれる消耗品残量情報に基づいて、予め設定された第4残量不足条件が成立したか否かを判断する。本実施形態の第4残量不足条件は、第4カートリッジ37dの色材の残量が予め設定された第4不足量以下であることである。
【0066】
ここで、第4残量不足条件が成立していない場合には、CPU61は、発送判断処理を終了する。一方、第4残量不足条件が成立している場合には、CPU61は、S280にて、第4カートリッジ発送指示を発送サーバ5へ送信し、発送判断処理を終了する。第4カートリッジ発送指示は、サービス対象アカウントの配送先へ、サービス対象アカウントの登録プリンタに対応した第4サービス専用カートリッジを発送させる指示である。
【0067】
(5)効果
このように構成された管理プログラム62aは、プリンタ3と端末装置2とサービスサーバ4とを備える管理システム1のサービスサーバ4が備える制御部51に、ステータス情報取得処理と、発送判断処理とを実行させるように構成されている。
【0068】
プリンタ3は、印刷媒体に画像を印刷する機能を有する。端末装置2は、プリンタ3を使用する使用者によって操作される。サービスサーバ4は、プリンタ3および端末装置2と通信可能に構成される。
【0069】
ステータス情報取得処理は、情報の更新を要求する情報更新要求を端末装置2から受信すると、プリンタ3から、プリンタ3の第1,2,3,4カートリッジ37a,37b,37c,37dの残量に関する消耗品残量情報を含むステータス情報を取得する。
【0070】
発送判断処理は、プリンタ3から取得した消耗品残量情報に基づいて、第1~4サービス専用カートリッジを使用者へ発送するための判断を行う。なお、「発送するための判断」とは、「カートリッジを発注するための判断」と、「カートリッジの発送準備をする判断」と、「カートリッジの発注準備をする判断」とを含む。
これにより、管理プログラム62aは、第1~4サービス専用カートリッジを発送するべきか否かの発送判断をサービスサーバ4に行わせることができる。このため、管理プログラム62aは、使用者による発送判断を不要にすることができ、第1~4カートリッジ37a~37dの準備に関する利便性を向上させることができる。
【0071】
また管理プログラム62aは、制御部51に、更に、結果送信処理を実行させるように構成されている。結果送信処理は、カートリッジ発送指示の送信が行われた場合に、発送指示通知を端末装置2へ送信する。これにより、管理プログラム62aは、発送判断の結果を使用者に認識させることができる。
【0072】
ステータス情報は、プリンタ3による印刷枚数を示すページカウント情報を含む。そして管理プログラム62aは、制御部51に、更に、課金更新処理と、課金送信処理とを実行させるように構成されている。
【0073】
課金更新処理は、プリンタ3から取得したページカウント情報に基づいて、印刷枚数に応じて使用者に対して課金する課金量(すなわち、定額利用枚数、繰越利用枚数および追加利用枚数)を示す課金情報を更新する。課金送信処理は、課金更新処理によって更新された課金情報を端末装置2へ送信する。
【0074】
これにより、管理プログラム62aは、課金情報を使用者に認識させることができる。
またステータス情報取得処理は、プリンタ3からステータス情報を取得できない場合に、プリンタ3と通信可能な状態になるまで待機し、プリンタ3と通信可能な状態になると、プリンタ3からステータス情報を取得する。これにより、管理プログラム62aは、サービスサーバ4にステータス情報をより確実に取得させることができる。
【0075】
以上説明した実施形態において、プリンタ3は印刷装置に相当し、サービスサーバ4は管理装置に相当する。
また、S10~S30はステータス情報取得処理およびステータス情報取得ステップに相当し、S40は発送判断処理および発送判断ステップに相当し、第1~4カートリッジ37a~37dは消耗品に相当し、消耗品残量情報は残量情報に相当する。
【0076】
また、S50,S60は結果送信処理に相当し、発送指示通知は判断結果情報に相当し
、ページカウント情報は使用量情報に相当し、S70は課金更新処理に相当し、S80は課金送信処理に相当する。
【0077】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
例えば上記実施形態では、サービスサーバ4が1台の物理サーバである形態を示した。しかし、サービスサーバ4が複数台の物理サーバで構成されてもよい。またサービスサーバ4は、1台の物理サーバを仮想化ソフトウェアによって分割することによって構築された複数台の仮想サーバのうちの少なくとも1台で構成されてもよい。
【0078】
また上記実施形態では、第1~4残量不足条件は、第1~4カートリッジ37a~37dの色材の残量が第1~4不足量以下である形態を示した。しかし、第1~4カートリッジ37a~37dの色材の残量の減少傾向に基づいて、色材の残量が0になるまでの時間を算出し、この時間が短い場合に第1~4残量不足条件が成立したと判断するようにしてもよい。
【0079】
また上記実施形態では、本開示の印刷装置がプリンタ3である形態を示した。しかし、本開示の印刷装置は、原稿から画像を読み取るスキャナ機能を有する複合機、コピー機およびファクシミリを含む。また印刷装置は、インクジェットプリンタに限らず、レーザプリンタやLEDプリンタを含む。LEDプリンタとは、感光体を露光する手段がLEDヘッドであるものを指す。この場合、消耗品の残量はトナーの残量となる。
【0080】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0081】
上述したサービスサーバ4の他、当該サービスサーバ4を構成要素とするシステム、当該サービスサーバ4としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、管理方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0082】
1…管理システム、2…端末装置、3…プリンタ、4…サービスサーバ、51…制御部、52…通信部、62a…管理プログラム