(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156521
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】サービス提供プログラム、サーバ、サービスシステム及びサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/00 20120101AFI20221006BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20221006BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q30/00 330
G06F3/12 303
G06F3/12 310
G06F3/12 329
G06F3/12 331
B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060261
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 香澄
【テーマコード(参考)】
2C061
5L049
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】プリンタ等のデバイスを対象とする複数のサービスそれぞれから同種のサービスメニューが重複して提供されることを抑制する。
【解決手段】サーバは、デバイスを対象とする第1のサービスを提供する。サーバはさらに、第1のサービスと互いに競合関係にある第2のサービスを提供可能である。サーバは、第1のサービスを対象とする特定のサービス要求を受信することに応じて、デバイスが第2のサービスにすでに加入しているか否かを判断する。サーバは、デバイスが第2のサービスにすでに加入していると判断した場合、そのすでに加入している第2のサービスを解約することを案内する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを対象とする第1のサービスを提供するための、サーバが備えるコンピュータが実行可能なサービス提供プログラムであって、
前記サーバは、情報処理装置及び前記デバイスのそれぞれと通信可能であり、
前記サーバは、前記第1のサービスと互いに競合関係にある1以上の第2のサービスを提供可能であって、前記競合関係とは、前記第1のサービスが有する機能と前記1以上の第2のサービスそれぞれが有する機能とが少なくとも部分的に重複する関係を含み、
前記サービス提供プログラムは、前記コンピュータに、
前記情報処理装置から、前記第1のサービスを対象とする特定のサービス要求を受信することに応じて、前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入しているか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理により前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入していると判断されることに応じて、そのすでに加入している前記第2のサービスを解約することを案内する解約案内処理と、
を実行させる、サービス提供プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のサービス提供プログラムであって、
前記情報処理装置は、表示部を備え、
前記解約案内処理は、前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入していることを認識し得る第1の画面を前記表示部に表示するように前記情報処理装置に要求することを含む、
サービス提供プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のサービス提供プログラムであって、
前記第1の画面は、前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入していることを示す第1のメッセージを含む、サービス提供プログラム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のサービス提供プログラムであって、
前記第1の画面は、前記デバイスがすでに加入している前記第2のサービスの解約を促す第2のメッセージを含む、サービス提供プログラム。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれか1項に記載のサービス提供プログラムであって、
前記第1の画面は、第1の解約要求画像を含み、
前記第1の解約要求画像は、前記デバイスがすでに加入している前記第2のサービスの解約手続へ移行する要求を受け付けるための画像であり、
前記情報処理装置は、前記第1の解約要求画像に対する選択操作を受け付けることに応じて、前記第1の解約要求画像が選択されたことを示す第1の解約要求情報を前記サーバへ送信するように構成されている、
サービス提供プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のサービス提供プログラムであって、
前記解約案内処理は、前記情報処理装置から前記第1の解約要求情報を受信することに応じて、前記デバイスがすでに加入している前記第2のサービスへ、前記表示部に第2の画面を表示させるように要求することを含み、
前記第2の画面は、前記デバイスがすでに加入している前記第2のサービスの解約の指示を受け付けるための画像である第2の解約要求画像を含み、
前記情報処理装置は、前記第2の解約要求画像に対する選択操作を受け付けることに応じて、前記第2の解約要求画像が選択されたことを示す第2の解約要求情報を前記サーバへ送信するように構成されている、
サービス提供プログラム。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のサービス提供プログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記判断処理により前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのいずれにも加入していないと判断されることに応じて、前記デバイスを前記第1のサービスに加入する加入処理、
を実行させる、サービス提供プログラム。
【請求項8】
情報処理装置及びデバイスのそれぞれと通信可能な通信部と、
前記デバイスを対象とする第1のサービスを提供するように構成された第1のサービス提供部と、
前記デバイスを対象とする、前記第1のサービスと互いに競合関係にある1以上の第2のサービスを提供するように構成された第2のサービス提供部であって、前記競合関係とは、前記第1のサービスが有する機能と前記1以上の第2のサービスそれぞれが有する機能とが少なくとも部分的に重複する関係を含む、第2のサービス提供部と、
を備え、
前記第1のサービス提供部は、
前記情報処理装置から、前記第1のサービスを対象とする特定のサービス要求を受信することに応じて、前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入しているか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理により前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのいずれにも加入していないと判断されることに応じて、前記デバイスを前記第1のサービスに加入する加入処理と、
前記判断処理により前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入していると判断されることに応じて、そのすでに加入している前記第2のサービスを解約することを案内する解約案内処理と、
を実行する、サーバ。
【請求項9】
サーバシステムと、デバイスと、情報処理装置とを備えるサービスシステムであって、
前記サーバシステムは、第1のサーバ及び第2のサーバを含み、
前記第1のサーバは、前記デバイスを対象とする第1のサービスを提供するように構成されており、
前記第2のサーバは、前記デバイスを対象とする、前記第1のサービスと互いに競合関係にある1以上の第2のサービスを提供するように構成され、前記競合関係とは、前記第1のサービスが有する機能と前記1以上の第2のサービスそれぞれが有する機能とが少なくとも部分的に重複する関係を含み、
前記情報処理装置は、前記第1のサービスを対象とする特定のサービス要求を前記サーバシステムへ送信するサービス要求処理を実行し、
前記第1のサーバは、
前記情報処理装置から前記サービス要求を受信することに応じて、前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入しているか否かを判断する判断処理と、
前記判断処理により前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのいずれにも加入していないと判断されることに応じて、前記デバイスを前記第1のサービスに加入する加入処理と、
前記判断処理により前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入していると判断されることに応じて、そのすでに加入している前記第2のサービスを解約することを案内する解約案内処理と、
を実行する、サービスシステム。
【請求項10】
デバイスと通信可能なサーバにおいて用いられる、前記デバイスを対象とするサービスを提供するサービス提供方法であって、
前記サービスは、第1のサービスと、1以上の第2のサービスとを含み、
前記1以上の第2のサービスの各々は前記第1のサービスと互いに競合関係にあり、前記競合関係とは、前記第1のサービスが有する機能と前記1以上の第2のサービスそれぞれが有する機能とが少なくとも部分的に重複する関係を含み、
前記サービス提供方法は、
前記第1のサービスを対象とする特定のサービス要求を受けることに応じて、前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入しているか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのいずれにも加入していないと判断されることに応じて、前記デバイスを前記第1のサービスに加入する加入ステップと、
前記判断ステップにより前記デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入していると判断されることに応じて、そのすでに加入している前記第2のサービスを解約することを案内する解約案内ステップと、
前記加入ステップにより前記デバイスが前記第1のサービスに加入されることに応じて、前記デバイスから前記デバイスに関する情報を取得してその取得した情報に基づいて前記第1のサービスを提供する提供ステップと、
を有するサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリンタ等のデバイスを対象とするサービスを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタを対象とする各種のサービスが知られている。特許文献1は、プリンタに装着されているインクカートリッジ内のインク残量が少なくなった場合に新たなインクカートリッジを自動的に発送する発送サービスを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つのプリンタが複数種類のサービスに加入され得る。しかし、1つのプリンタが複数のサービスに加入された場合、複数のサービスそれぞれの内容によっては、同じサービスメニューが複数のサービスそれぞれから重複して提供される可能性がある。同じサービスメニューが重複して提供されることは、ユーザにとって無駄なサービス加入状況となり得る。
【0005】
本開示の一局面は、プリンタ等のデバイスを対象とする複数のサービスそれぞれから同種のサービスメニューが重複して提供されることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面におけるサービス提供プログラムは、サーバが備えるコンピュータが実行可能なプログラム(コンピュータプログラム)である。サービス提供プログラムは、デバイスを対象とする第1のサービスを提供するためのプログラムである。
【0007】
サーバは、情報処理装置及びデバイスのそれぞれと通信可能である。サーバは、第1のサービスと互いに競合関係にある1以上の第2のサービスを提供可能である。競合関係とは、第1のサービスが有する機能と、前記1以上の第2のサービスそれぞれが有する機能とが、少なくとも部分的に重複する関係を含む。
【0008】
サービス提供プログラムは、コンピュータに、判断処理と、解約案内処理とを実行させる。
判断処理は、情報処理装置から、第1のサービスを対象とする特定のサービス要求を受信することに応じて、デバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入しているか否かを判断する。
【0009】
解約案内処理は、判断処理によりデバイスが前記1以上の第2のサービスのうちの少なくとも1つにすでに加入していると判断されることに応じて、そのすでに加入している第2のサービスを解約することを案内する。
【0010】
このようなサービス提供プログラムによれば、互いに競合する第1のサービスと第2のサービスとに重複して加入すること、即ち複数のサービスそれぞれから同種のサービスメニューが重複して提供されること、が抑制される。
【0011】
本開示の別の一局面では、上記のサービス提供プログラムが実行されるように構成されたサーバが提供されてもよい。本開示のさらに別の一局面では、上記のサービス提供プログラムが実行されるサーバで用いられるサービス提供方法が提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態のデバイスサービスシステムの概要を示す説明図である。
【
図3】管理情報テーブルの一例を示す説明図である。
【
図4】デバイスサービスシステムで実行される処理の一部を示すシーケンス図である。
【
図5】デバイスサービスシステムで実行される処理の他の一部を示すシーケンス図である。
【
図6】デバイスサービスシステムで実行される処理の残りを示すシーケンス図である。
【
図7】サービススタート画面の一例を示す説明図である。
【
図8】第1サービスメイン画面の一例を示す説明図である。
【
図9】第2サービスメイン画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)デバイスサービスシステムの概要
図1に示す本実施形態のデバイスサービスシステム1は、サービスサーバ10と、デバイス30と、情報処理装置40とを備える。デバイスサービスシステム1は、各種デバイスを対象とする各種のサービスを提供可能である。本実施形態では、サービスサーバ10によって各種サービスが提供される。本実施形態のサービスサーバ10は、例えば、第1サービス、第2サービス及び第3サービスを提供可能である。
【0014】
各種のサービスに契約可能なデバイスは、本実施形態では例えば、プリンタ或いは複合機などの、印刷機能を有するデバイスである。印刷機能は、印刷する画像のデータを取得してそのデータが示す画像をシート状の被記録媒体に印刷する機能である。デバイス30は印刷機能を有する。そのため、デバイス30は各種のサービスに契約可能である。各サービスの契約(登録)はデバイス毎に個別に行われる。一人の契約者が複数のサービス契約を締結できる。
【0015】
サービスサーバ10は、デバイス30及び情報処理装置40のそれぞれと互いに通信可能である。本実施形態では、デバイス30及び情報処理装置40は、通信ネットワーク100に接続されている。
【0016】
通信ネットワーク100は、WAN(Wide Area Network)150に接続されている。サービスサーバ10は、WAN150に接続されている。そのため、本実施形態では、サービスサーバ10は、WAN150及び通信ネットワーク100を介して、デバイス30及び情報処理装置40のそれぞれと互いに通信可能である。
【0017】
なお、サービスサーバ10は、通信ネットワーク100に接続されていてもよい。情報処理装置40は、WAN150に接続され、WAN150を介して通信ネットワーク100に接続可能であってもよい。情報処理装置40は、WAN150を介さずにサービスサーバ10と通信可能であってもよい。
【0018】
通信ネットワーク100は、有線のネットワークを含んでいてもよいし、無線のネットワークを含んでいてもよい。WAN150はどのようなネットワークでもよい。本実施形態のWAN150は、例えば、TCP/IPプロトコルに従って通信が行われるように構成されたインターネットである。
【0019】
(1-2)サービスサーバの構成
図1に示すように、サービスサーバ10は、制御部11と、記憶部12と、通信I/F13とを備える。「I/F」はインタフェースの略称である。
【0020】
制御部11は、例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態のサービスサーバ10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0021】
制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12は、プログラムを格納したnon-transitory computer-readable storage mediumに該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0022】
通信I/F13は、他の装置と通信するためのインタフェースである。通信I/F13は、例えば有線LAN、無線LANその他の各種通信方式に対応していてもよい。通信I/F13は、本実施形態ではWAN150に接続されている。
【0023】
記憶部12には、第1プログラム12aと、第2プログラム12bと、第3プログラム12cと、管理プログラム12dと、管理情報テーブル12eとが記憶されている。管理情報テーブル12eは、管理プログラム12dによって管理される。
【0024】
第1プログラム12aは、第1サービスを提供する機能を有する。つまり、第1サービスに関する各種機能は、制御部11が第1プログラム12aを実行することによって実現される。
【0025】
第2プログラム12bは、第2サービスを提供する機能を有する。つまり、第2サービスに関する各種機能は、制御部11が第2プログラム12bを実行することによって実現される。
【0026】
第3プログラム12cは、第3サービスを提供する機能を有する。つまり、第3サービスに関する各種機能は、制御部11が第3プログラム12cを実行することによって実現される。
【0027】
管理プログラム12dは、サービスサーバ10が提供可能な各種サービスを補助的に管理する管理機能を有する。
本実施形態では、一例として、いわゆる仮想サーバが構築されている。具体的には、第1プログラム12aに基づいて制御部11が第1サービスを提供する機能は、サービスサーバ10における仮想的な第1サーバ21によって実現される。以下の説明で「第1サーバ21は」という記載は、「第1プログラム12aに従って第1サービスを提供している制御部11は」を意味する。
【0028】
第2プログラム12bに基づいて制御部11が第2サービスを提供する機能は、サービスサーバ10における仮想的な第2サーバ22によって実現される。以下の説明で「第2
サーバ22は」という記載は、「第2プログラム12bに従って第2サービスを提供している制御部11は」を意味する。
【0029】
第3プログラム12cに基づいて制御部11が第3サービスを提供する機能は、サービスサーバ10における仮想的な第3サーバ23によって実現される。以下の説明で「第3サーバ23は」という記載は、「第3プログラム12cに従って第3サービスを提供している制御部11は」を意味する。
【0030】
管理プログラム12dに基づいて制御部11が提供する管理機能は、サービスサーバ10における仮想的な管理サーバ24によって実現される。以下の説明で「管理サーバ24は」という記載は、「管理プログラム12dに従って管理機能を提供している制御部11は」を意味する。管理機能には、第1~第3サービスそれぞれにおける、契約者の登録情報(例えばアカウント、ユーザID、氏名等)を管理する機能や、契約者が契約している、デバイス毎の契約情報を管理する機能などが含まれる。
【0031】
管理情報テーブル12eは、管理サーバ24において契約者毎に生成される。管理情報テーブル12eには、
図3に示すように、契約者のアカウントと、当該契約者により登録されているデバイス(以下、登録デバイス)と、登録デバイス毎の、サービスの加入(契約)状況の有無などが登録される。
【0032】
第1サービスについて、より具体的に説明する。本実施形態の第1サービスは、例えば、当該第1サービスに契約しているデバイス(第1契約デバイス)における特に消耗品をターゲットとしたサービスであり、いわゆるサブスクリプションサービス(定額制サービス)を含む。
【0033】
即ち、本実施形態では、第1サービスに契約すると、印刷機能に用いられる色剤(トナーあるいはインク)が収容されたカートリッジとして、サービス専用のカートリッジが提供される。契約者は、その専用カートリッジを第1契約デバイスに装着して第1契約デバイスを使用する。専用カートリッジは、契約中のみ使用可能であり、第1サービスを解約すると使用できなくなる。
【0034】
契約者に対する第1サービスの対価は、月額が設定される。即ち、契約毎に、規定枚数(例えば1月あたりM枚)までは定額で印刷できる。1月内において印刷枚数が規定枚数を超えると、追加料金が課金される。例えば、規定枚数よりもN枚超過する毎に一定額が追加課金される。1月の実際の印刷枚数が規定枚数未満の場合は、余剰分を翌月に持ち越すことができる。
【0035】
第1サーバ21は、第1契約デバイスから定期的に各種データを収集、蓄積する。即ち、第1サーバ21は、あるデバイスを対象として第1サービスの契約が締結されると、管理サーバ24を介してその契約された第1契約デバイスへ、定期的に通知対象情報を通知するように指示する。その指示には、通知すべき通知対象情報の種類や通知間隔が含まれる。通知対象情報としては、例えば、印刷枚数、消耗品の残量、ファームウェアのバージョン、各種ステータス情報などが挙げられる。指示を受けた第1契約デバイスは、指定された通知対象情報を、指定された通知間隔で定期的に、管理サーバ24を介して第1サーバ21へ送信する。
【0036】
また、第1サーバ21は、第1契約デバイスに対してアクション指示を行うことができる。アクション指示として、例えば、第1契約デバイスで使用されている各種設定値の変更の指示、印刷実行指示などが挙げられる。第1契約デバイスは、第1サーバ21からアクション指示を受けると、指示に従って処理を実行する。
【0037】
消耗品の残量(ここでは専用カートリッジの色剤の残量)は上記のように第1サーバ21によって定期的に監視される。そして、残量が一定レベル未満になると、新たな専用カートリッジが自動で発注され、契約者に発送される。
【0038】
第2サービスについて概略説明する。第2サービスは、第1サービスとは異なるが、第1サービスの一部機能を提供する。即ち、第2サービスは、例えば、消耗品の自動発注に特化したサービスを提供する。第2サービスには、印刷枚数の定額サービスは含まれない。第1サービスと第2サービスとは、消耗品の自動発注を行うという点で重複する。このように、異なる複数のサービスの相互間でそれぞれが有する機能が少なくとも部分的に重複している関係を、競合関係と称する。
【0039】
本実施形態では、同じ1つのデバイスに対して、互いに競合関係にある複数のサービスを提供することができない。よって、1つのデバイスに第1サービスと第2サービスとを重複して契約することはできない。
【0040】
第3サービスは、第1サービス及び第2サービスのいずれとも競合関係にないサービスである。第3サービスは、例えば、クラウドプリントサービスであってもよい。クラウドプリントサービスは、遠隔地から契約デバイスへ印刷データを送って印刷させる機能を提供する。
【0041】
(1-3)デバイスの構成
デバイス30について、
図2Aを参照して具体的に説明する。デバイス30は、制御部31と、記憶部32と、入力I/F33と、表示I/F34と、通信I/F35と、印刷部36とを備える。
【0042】
制御部31は、例えばCPUを有する。記憶部32は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態のデバイス30は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。記憶部32には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。制御部31は、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行することにより各種機能を実現する。なお、制御部31により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0043】
入力I/F33は、ユーザによる各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F33が有する入力用デバイスは、例えば、不図示の操作スイッチ、不図示のタッチパネルなどを含んでいてもよい。表示I/F34は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。通信I/F35は、デバイス30を通信ネットワーク100に接続するためのI/Fである。印刷部36は、前述の印刷機能を実現する。印刷部36は、前述の消耗品を含む。
【0044】
なお、本実施形態では、デバイス30は、例えばXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)の通信プロトコルを用いてサービスサーバ10と通信可能である。
【0045】
(1-4)情報処理装置の構成
情報処理装置40は、例えばスマートフォン、タブレット端末、モバイルパソコン、据え置き型のパソコンなどの、各種の情報処理装置である。
【0046】
図2Bに示すように、情報処理装置40は、制御部41と、記憶部42と、入力I/F43と、表示I/F44と、通信I/F45とを備える。
制御部41は、例えばCPUを有する。記憶部42は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の情報処理装置40は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0047】
制御部41は、記憶部42に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部42は、プログラムを格納したnon-transitory computer-readable storage mediumに該当する。なお、制御部41により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0048】
入力I/F43は、ユーザによる各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F43が有する入力用デバイスには、例えばタッチパネルが含まれる。表示I/F44は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。通信I/F45は、情報処理装置40を通信ネットワーク100に接続するためのI/Fである。
【0049】
記憶部42には、OS42aと、端末プログラム42bとが記憶されている。OS42a及び端末プログラム42bはコンピュータシステムにインストールされている。
端末プログラム42bは、サービスサーバ10が提供する各種サービスを享受するために用いられる。サービスの契約者は、サービスサーバ10にアクセスして、当該契約者が契約しているサービスに関する各種の情報を取得することができる。各種の情報を取得するツールの1つが、端末プログラム42bである。端末プログラム42bは、サービスサーバ10と通信(詳しくは各サーバ21~24と通信)することにより契約サービスに関する各種情報を取得して表示I/F44に表示する機能を有する。また、端末プログラム42bは、管理者等のユーザにより入力I/F43を介して入力された各種情報、要求等をサービスサーバ10へ送信する機能を有する。
【0050】
端末プログラム42bは、本実施形態では例えばWebブラウザの機能を有する。一方、サービスサーバ10の各サーバ21~24は、例えばWebサーバの機能を有する。そのため、本実施形態の端末プログラム42bは、例えば、HTTPまたはHTTPSの通信プロトコルを用いて各サーバ21~24と通信する。
【0051】
(1-5)サービス契約の流れ
次に、本実施形態のデバイスサービスシステム1において実現される、デバイスに対する各種サービスの契約手順の一例について、
図4~
図6を参照して説明する。
図4~
図6は、アカウントを登録していないユーザがまずデバイス30に第2サービスを契約し、次に第3サービスを契約し、その後第1サービスを契約する場合の処理の流れを例示している。
【0052】
デバイス30に第2サービスを契約したいユーザは、情報処理装置40において端末プログラム42b(本実施形態では例えばWebブラウザ)を起動させ、管理サーバ24にアクセスして、情報処理装置40の表示I/F44にサービススタート画面50(
図7参照)を表示させる(S11)。
【0053】
図7に示すサービススタート画面50において、ユーザがアカウント登録ボタン54をタップまたはクリックすると、アカウントの登録に進むことができる。第1ボタン51は、第1サービスにログインするためのボタンである。第2ボタン52は、第2サービスにログインするためのボタンである。第3ボタン53は、第3サービスにログインするため
のボタンである。なお、ユーザは、第1~第3ボタン51~53のいずれかをタップまたはクリックすることによってもアカウントの登録に進むことができる。
【0054】
ここでは、ユーザは、第2サービスの契約を行う予定であることから、第2サービスの選択操作、即ち第2ボタン52をタップまたはクリックする。端末プログラム42bは、第2サービスの選択操作を受け付けると(S12)、管理サーバ24へ第2サーバアクセス要求を送信する(S13)。第2サーバアクセス要求は、第2サーバ22へアクセスすることを第2サーバ22へ要求する。
【0055】
第2サーバアクセス要求を受信した第2サーバ22は、第2ログイン画面情報を端末プログラム42bへ送信する(S61)。第2ログイン画面情報は、第2ログイン画面(不図示)を表示させるための情報である。第2ログイン画面は、第2サーバ22にログインするためのユーザ操作、若しくはアカウントを登録するためのユーザ操作を受け付ける画面である。
【0056】
端末プログラム42bは、第2サーバ22から第2ログイン画面情報を受信することに応じて、表示I/F44に第2ログイン画面を表示する(S14)。ここでユーザは、アカウントを登録するための操作を行う。具体的には、アカウント登録を要求し、その要求に応じて表示されるアカウント情報入力画面に、アカウント登録に必要な情報(アカウント情報)を入力する。端末プログラム42bは、ユーザにより入力されるアカウント情報を受け付ける(S15)。アカウント情報を受け付けた端末プログラム42bは、第2サーバ22へ、アカウント情報を送信すると共にアカウント登録を要求する(S16)。
【0057】
端末プログラム42bからアカウント情報及びアカウント登録の要求を受けた第2サーバ22は、その要求に応じてアカウントを登録する(S62)。アカウントを登録した第2サーバ22は、その登録したアカウント情報を管理サーバ24へ通知する(S63)。アカウント情報の通知を受けた管理サーバ24は、アカウント情報を登録する(S51)。これにより、管理サーバ24は、今回新規に登録したアカウントに対応する管理情報テーブル(
図3参照)を新規に生成する。この時点での管理サーバ24における当該アカウントの管理状態を、「第1状態」とする。第1状態では、アカウントが新規に登録されたばかりであり、
図3に示すように、デバイスはまだ登録されず、いずれのサービスにもまだ加入していない。
【0058】
アカウントを登録したユーザは、サービスの契約対象のデバイスをシステムに登録するために、デバイス30から、デバイス登録に必要なデバイス情報を取得する。そして、デバイス登録を要求操作を行うことにより、端末プログラム42bに、デバイス登録のためのデバイス登録画面(不図示)を表示させる。ユーザは、そのデバイス登録画面を起点として、デバイスから取得したデバイス情報を入力することを含む、各種のデバイス登録操作を行う。
【0059】
端末プログラム42bは、ユーザによるデバイス登録操作を受け付ける(S17)。そして、ユーザにより入力されたデバイス情報と共に、デバイス登録要求を第2サーバ22へ送信する(S18)。
【0060】
デバイス登録要求を受けた第2サーバ22は、送られてきたデバイス情報を受信し、登録する(S64)。さらに、第2サーバ22は、登録したデバイス情報を管理サーバ24へ通知する(S65)。この通知を受信した管理サーバ24は、デバイス情報を登録する。この時点での管理サーバ24における当該アカウントの管理状態を、「第2状態」とする。第2状態では、デバイス30が登録されたため、
図3に例示するように、登録デバイスとして当該デバイス30が登録される。これにより、デバイス30をいずれかのサービ
スに契約することが可能となる。
【0061】
第2サーバ22は、デバイスの登録を完了すると、第2サービスへの加入を促す画面を情報処理装置40に表示させる。ユーザは、この画面に対して、第2サービスへの加入に必要な加入情報を入力することを含む、各種の加入操作を行う。端末プログラム42bは、ユーザによる第2サービスへの加入操作を受け付ける(S19)。そして、ユーザにより入力された加入情報と共に、第2サービス加入要求を第2サーバ22へ送信する(S20)。
【0062】
第2サービス加入要求を受けた第2サーバ22は、送られてきた加入情報を受信し、その加入情報に基づいて、デバイス30の第2サービスへの加入を登録する(S66)。さらに、第2サーバ22は、デバイス30の加入情報を管理サーバ24へ通知する(S67)。この通知を受信した管理サーバ24は、デバイス30の第2サービスへの加入を正式に登録する(S53)。
【0063】
第2サービスの契約を完了したユーザは、デバイス30をさらに第3サービスに契約させるべく、第3サービスの契約に必要な各種操作を行う。具体的には、
図7のサービススタート画面50を表示I/F44に表示させる(S21)。そして、そのサービススタート画面50を起点として、第3サービスの加入操作を行う。この加入操作には、例えば、サービススタート画面50における第3ボタン53をタップまたはクリックする操作が含まれる。端末プログラム42bは、加入操作に従い、第3サーバ23と通信することにより、デバイス30を第3サービスに加入させるための第3サービス加入処理を行う(S22)。この加入処理の結果は管理サーバ24に通知され、これにより、管理サーバ24は、デバイス30の第3サービスへの加入を正式に登録する(S54)。
【0064】
この時点での管理サーバ24における当該アカウントの管理状態を、「第3状態」とする。第3状態では、デバイス30が第2サービス及び第3サービスに契約されたため、
図3に例示するように、第2サービス及び第3サービスの加入状況がいずれも「加入」に設定される。
【0065】
次に、デバイス30を第1サービスに契約させたいユーザは、
図7のサービススタート画面50を表示I/F44に表示させる(S23)。そして、第1サービスの選択操作、即ち第1ボタン51をタップまたはクリックする。端末プログラム42bは、第1サービスの選択操作を受け付けると(S24)、管理サーバ24へ第1サーバアクセス要求を送信する(S25)。第1サーバアクセス要求は、第1サーバ21へアクセスすることを第1サーバ21へ要求する。
【0066】
第1サーバアクセス要求を受信した第1サーバ21は、第1ログイン画面情報を端末プログラム42bへ送信する(S81)。第1ログイン画面情報は、第1ログイン画面(不図示)を表示させるための情報である。第1ログイン画面は、第1サーバ21にログインするためのユーザ操作、若しくはアカウントを登録するためのユーザ操作を受け付ける画面である。
【0067】
端末プログラム42bは、第1サーバ21から第1ログイン画面情報を受信することに応じて、表示I/F44に第1ログイン画面を表示する(S26)。この第1ログイン画面に対し、ユーザは、第1サーバ21にログインするためのログイン操作を行う。ログイン操作は、登録済みのアカウント情報を入力することを含む。端末プログラム42bは、ユーザによるログイン操作を受け付ける(S27)。そして、その受け付けた情報と共にログイン要求を第1サーバ21へ送信する(S28)。このログイン要求を受信した第1サーバ21は、第1サーバ21へのログインを受け付ける。そして、デバイス30のサー
ビス加入状況を確認する(S83)。具体的には、第1サービス以外の他のサービスへの加入状況を確認する。
【0068】
第1サーバ21は、S83の確認結果に基づき、デバイス30が第1サービスと競合関係にある別のサービス(競合サービス)に加入済みであるか否か判断する(S84)。本例では、この時点でデバイス30は第2,第3サービスに加入済みである。このうち第2サービスは第1サービスと競合関係にある。
【0069】
デバイス30が第1サービスと競合する別のサービスに加入していない場合は、第1サーバ21は、第1サービスへの加入を許容し、後述するユーザ操作を経て第1サービスへの加入を登録する。一方、デバイス30が競合サービスにすでに加入済みである場合は(S84:YES)、第1サーバ21は、現時点における第1サービスへの加入を許容せず、そのすでに加入している競合サービスを解約することをユーザに案内する。つまり、競合するサービスに契約している限り第1サービスへの加入手続に移行しない。
【0070】
より具体的には、本実施形態では、第1サービスメイン画面60(
図8参照)を情報処理装置40に表示させるための画面情報を端末プログラム42bへ送信することにより、第1サービスメイン画面60の表示を指示する(S85)。この指示を受けた端末プログラム42bは、第1サービスメイン画面60を表示I/F44に表示する(S31)。
【0071】
このとき表示される第1サービスメイン画面60には、
図8に示すように、他サービス解約メッセージ61と、他サービス解約ボタン62とが表示される。他サービス解約メッセージ61には、デバイス30が既に第1サービスと競合関係にある第2サービスに加入していることを示す第1のメッセージと、その競合関係にある第2サービスの解約を促す第2のメッセージとが含まれる。他サービス解約ボタン62は、加入済みの競合サービスの解約を要求するユーザの意思を受け付けるためのボタンである。ユーザは、他サービス解約メッセージ61を見ることで、デバイス30が既に第1サービスと競合する第2サービスに加入していることを認識できると共に、第1サービスを契約するためには第2サービスを解約する必要があることを認識できる。
【0072】
第2サービスよりも第1サービスを優先したいユーザは、第2サービスを解約すべく、競合サービスの解約を要求する操作、即ち他サービス解約ボタン62のタップまたはクリックを行う。端末プログラム42bは、その解約を要求する操作を受け付けることに応じて(S32)、第1サーバ21へ、競合サービス解約要求を送信する(S33)。
【0073】
第1サーバ21は、競合サービス解約要求を受信すると、解約対象の第2サービスを提供する第2サーバ22へ、解約の要求を受けたことを通知する(S86)。この通知を受けた第2サーバ22は、第2サービスメイン画面70を表示させるための画面情報を端末プログラム42bへ送信することにより、第2サービスメイン画面70の表示を指示する(S68)。この指示を受けた端末プログラム42bは、第2サービスメイン画面70を表示I/F44に表示する(S34)。
【0074】
このとき表示される第2サービスメイン画面70には、
図9に示すように、サービス解約ボタン71が表示される。サービス解約ボタン71は、第2サービスの解約要求を受け付けるためのボタンである。
【0075】
第1サービスに契約するために第2サービスを解約したいユーザは、第2サービスの解約を指示する操作、即ちサービス解約ボタン71のタップまたはクリックを行う。端末プログラム42bは、その解約を指示する操作を受け付けることに応じて(S35)、第2サーバ22へ、第2サービスの解約要求を送信する(S36)。
【0076】
第2サーバ22は、解約要求を受信すると、デバイス30に対する第2サービスの解約を登録する(S69)。そして、管理サーバ24へ、デバイス30に対する第2サービスの解約を通知する(S70)。
【0077】
第2サーバ22から第2サービスの解約通知を受けた管理サーバ24は、デバイス30に対する第2サービスの解約を正式に登録する(S55)。この時点での管理サーバ24における当該アカウントの管理状態を、「第4状態」とする。第4状態では、デバイス30に対する第2サービスの契約が解除されたため、
図3に例示するように、第2サービスの加入状況が「未加入」に設定される。
【0078】
デバイス30に対する第2サービスの解約を正式に登録した管理サーバ24は、第1サーバ21へ、第2サービスの解約が完了したことを通知する(S56)。この通知を受けた第1サーバ21は、再びS83以降の処理を実行する。
【0079】
S84で、デバイス30が第1サービスと競合するサービスに加入していない場合は(S84:NO)、第1サーバ21は、第1サービスメイン画面を表示するように端末プログラム42bに指示する。端末プログラム42bは、この指示を受けて、第1サービスメイン画面を表示I/F44に表示する(S41)。
【0080】
ここで表示される第1サービスメイン画面は、基本的な画面構成は
図7の第1サービスメイン画面60と同様であるが、他サービス解約メッセージ61及び他サービス解約ボタン62は表示されない。ここでは、第1サービスへの加入をユーザに促すメッセージと、第1サービスへの加入要求を受け付ける加入要求ボタンとが表示される。
【0081】
デバイス30を第1サービスに加入させたいユーザは、第1サービスへの加入操作を行う。具体的には、加入要求ボタンをタップまたはクリックする。この加入操作を受け付けた端末プログラム42bは(S42)、ユーザの加入情報と共に、第1サービス加入要求を第1サーバ21へ送信する(S43)。
【0082】
この第1サービス加入要求を受信した第1サーバ21は、送られてきた加入情報を受信し、その加入情報に基づいて、デバイス30の第1サービスへの加入を登録する(S91)。さらに、第1サーバ21は、デバイス30の加入情報を管理サーバ24へ通知する(S92)。この通知を受信した管理サーバ24は、デバイス30の第1サービスへの加入を正式に登録する(S57)。この時点での管理サーバ24における当該アカウントの管理状態を、「第5状態」とする。第5状態では、デバイス30に対する第1サービスの契約が登録されたため、
図3に例示するように、第1サービスの加入状況が「加入」に設定される。
【0083】
なお、本実施形態において、サービスサーバ10は本開示におけるサーバの一例に相当する。第1サービスを提供する第1プログラム12aは本開示におけるサービス提供プログラムの一例に相当する。第1サーバ21は本開示における第1のサービス提供部の一例に相当する。第2サーバ22は本開示における第2のサービス提供部の一例に相当する。
図8の第1サービスメイン画面60は本開示における第1の画面の一例に相当する。
図8の他サービス解約ボタン62は本開示における第1の解約要求画像の一例に相当する。
図9の第2サービスメイン画面70は本開示における第2の画面の一例に相当する。
図9の解約ボタン71は本開示における第2の解約要求画像の一例に相当する。S33で第1サーバ21へ送信される情報は本開示における第1の解約要求情報の一例に相当する。S36で第2サーバ22へ送信される情報は本開示における第2の解約要求情報の一例に相当する。
【0084】
S28の処理は本開示におけるサービス要求処理(第1のサービスを対象とする特定のサービス要求を送信する処理)の一例に相当する。S83~S84の処理は本開示における判断処理の一例に相当する。S85,S86の処理は本開示における解約案内処理の一例に相当する。S91の処理は本開示における加入処理の一例に相当する。なお、上記実施形態では、解約案内処理の一例として、S85及びS86の両方の処理を実行することを示したが、解約案内処理として、S85及びS86の少なくとも一方の処理が実行されてもよい。
【0085】
[2.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0086】
(2-1)加入(契約)しようとするサービスと競合する別のサービスにすでに加入している場合、どのような方法でその競合する別サービスの解約をユーザに案内してもよい。
【0087】
例えば、単に他サービス解約メッセージ61に相当するメッセージを表示するだけでもよい。
また例えば、他サービス解約ボタン62を表示することなく(つまりユーザ操作を待つことなく)、
図9の第2サービスメイン画面またはこれに類する画面を表示して、第2サービスの解約を促してもよい。その際、第2サービスメイン画面70を表示する前に一時的に他サービス解約メッセージ61を表示させてもよいし、他サービス解約メッセージ61を表示させることなく第2サービスメイン画面を表示させてもよい。
【0088】
(2-2)「競合関係」はどのように定義されてもよい。つまり、上記実施形態のような機能の重複があることに限定されない。例えば、互いに特定の関係を持っている場合に「競合関係」にあると判断するようにしてもよい。
【0089】
(2-3)サービスを提供する各サーバ21~23が、管理サーバ24の機能を備えていてもよい。つまり、管理サーバ24を省略して、各サーバ21~23間で互いに契約情報を共有するようにしてもよい。
【0090】
(2-4)サービスサーバ10における各サーバ21~24は、仮想サーバではなく、物理的に異なる複数のサーバによって構成されてもよい。
(2-5)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…デバイスサービスシステム、10…サービスサーバ、11,41…制御部、12,42…記憶部、12a…第1プログラム、12b…第2プログラム、12c…第3プログラム、12d…管理プログラム、12e…管理情報テーブル、21…第1サーバ、22…第2サーバ、23…第3サーバ、24…管理サーバ、30…デバイス、40…情報処理装置、42b…端末プログラム、50…サービススタート画面、60…第1サービスメイン画面、61…他サービス解約メッセージ、62…他サービス解約ボタン、70…第2サービ
スメイン画面、71…サービス解約ボタン。