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特開2022-156522サービス提供プログラム、サーバ、サービスシステム及びサービス提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156522
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】サービス提供プログラム、サーバ、サービスシステム及びサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221006BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221006BHJP
   G06Q 30/00 20120101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 310
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G03G21/00 396
G06Q30/00 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060262
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】南山 幸紀
【テーマコード(参考)】
2H270
5L049
【Fターム(参考)】
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA62
2H270LA60
2H270LA79
2H270MF14
2H270MF17
2H270MF22
2H270NA06
2H270NC02
2H270NC09
2H270NC20
2H270ND11
2H270ND12
2H270ND15
2H270ND21
2H270ND33
2H270QB10
2H270RA02
2H270RA08
2H270RB01
2H270RB03
2H270RC04
2H270RC18
2H270ZB02
2H270ZC03
2H270ZC04
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】デバイスを対象とするサービスにおける、契約対象のデバイスの交換を効率よく行えるようにする。
【解決手段】サーバは、デバイスを対象とするサービスを提供する。サーバは、サービスに契約している契約デバイスの使用情報を契約デバイスから取得する。使用情報は、契約デバイスの使用状況を示す。サーバは、取得した使用情報に基づいて、サービスの利用状況を示すサービス利用情報を生成する。サーバは、交換要求を取得する。交換要求は、契約デバイスを、現在サービスに契約している第1デバイスから、第1デバイスとは別の第2デバイスに変更することを要求する。サーバは、交換要求を取得することに応じて、契約デバイスを第1デバイスから第2デバイスに変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを対象とするサービスを提供するための、サーバが備えるコンピュータが実行可能なサービス提供プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記サービスに契約した前記デバイスである契約デバイスの使用状況を示す使用情報を前記契約デバイスから取得する第1取得処理と、
前記第1取得処理により取得された前記使用情報に基づいて、前記サービスの利用状況を示すサービス利用情報を生成する生成処理と、
交換要求を取得する第2取得処理であって、前記交換要求は、前記契約デバイスを、現在前記サービスに契約している前記デバイスである第1のデバイスから、前記第1のデバイスとは別の前記デバイスである第2のデバイスに変更することを要求する、第2取得処理と、
前記第2取得処理により前記交換要求が取得されることに応じて、前記契約デバイスを前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに変更する変更処理と、
を実行させる、サービス提供プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のサービス提供プログラムであって、
前記サーバは、前記使用情報及び前記サービス利用情報が記憶された記憶部を備え、
前記サービス提供プログラムは、前記コンピュータに、さらに、
前記第1取得処理により取得された前記使用情報を前記記憶部に記憶する記憶処理であって、前記使用情報が取得されることに応じてその取得された前記使用情報に基づいて前記記憶部に記憶されている前記使用情報を更新する記憶処理、
を実行させ、
前記生成処理は、前記記憶部に記憶されている前記使用情報を参照して前記サービス利用情報を生成する、
サービス提供プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載のサービス提供プログラムであって、
前記記憶処理は、前記第2取得処理により前記交換要求が取得される前は、前記使用情報として、前記第1のデバイスの使用状況を示す第1使用情報を前記記憶部に記憶し、前記第2取得処理により前記交換要求が取得された後は、前記使用情報として、前記第2のデバイスの使用状況を示す第2使用情報を前記記憶部に記憶する、
サービス提供プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のサービス提供プログラムであって、
前記記憶処理は、前記変更処理により前記契約デバイスが前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに変更されることに応じて、前記記憶部における前記第1使用情報を残しつつ前記第2使用情報を別途記憶する、
サービス提供プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のサービス提供プログラムであって、
前記生成処理は、前記変更処理により前記契約デバイスが前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに変更されたタイミングを含む一定期間における前記サービス利用情報に関しては、前記記憶部に記憶されている前記第1使用情報に基づく、前記一定期間の始期から前記タイミングまでの期間の前記第1のデバイスの使用状況と、前記記憶部に記憶されている前記第2使用情報に基づく、前記タイミングから前記一定期間の終期までの期間の前記第2のデバイスの使用状況とに基づいて、前記サービス利用情報を生成する、
サービス提供プログラム。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のサービス提供プログラムであって、
前記コンピュータに、さらに、
前記第2取得処理により前記交換要求が取得されることに応じて、前記変更処理を実行可能な変更可能条件が成立しているか否か判断する判断処理、
を実行し、
前記変更処理は、前記判断処理により前記変更可能条件が成立していると判断されることに応じて実行される、
サービス提供プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のサービス提供プログラムであって、
前記サーバは、前記契約デバイスを前記サービスに契約した契約者の種別を示す契約者情報を有し、
前記変更可能条件は、前記契約者情報が示す前記種別が、複数種類の種別のうちの1以上の特定の種別のいずれかであること、を含む、
サービス提供プログラム。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のサービス提供プログラムであって、
前記サーバは、
前記第1のデバイスを示す固有の第1識別情報と、
前記第2のデバイスを示す固有の第2識別情報と、
を有し、
前記変更可能条件は、前記第2識別情報が前記第1識別情報とは異なること、を含む、
サービス提供プログラム。
【請求項9】
請求項6~請求項8のいずれか1項に記載のサービス提供プログラムであって、
前記サーバは、
前記第1のデバイスのユーザを示す第1のユーザ情報と、
前記第2のデバイスのユーザを示す第2のユーザ情報と、
を有し、
前記変更可能条件は、前記第1のユーザ情報及び前記第2のユーザ情報がそれぞれ同一のユーザを示していること、を含む、
サービス提供プログラム。
【請求項10】
請求項6~請求項9のいずれか1項に記載のサービス提供プログラムであって、
前記サーバは、前記契約デバイスが契約している前記サービスに対する対価の支払いが適正に行われているか否かを示す支払情報を有し、
前記変更可能条件は、前記支払情報が、前記対価の支払いが適正に行われていることを示していること、を含む、
サービス提供プログラム。
【請求項11】
請求項6~請求項10のいずれか1項に記載のサービス提供プログラムであって、
前記第1のデバイスが契約している前記サービスには、所定の契約可能条件を満たす前記デバイスが契約可能であり、
前記変更可能条件は、前記第2のデバイスが前記契約可能条件を満たしていること、を含む、
サービス提供プログラム。
【請求項12】
請求項6~請求項11のいずれか1項に記載のサービス提供プログラムであって、
前記変更可能条件は、前記第1のデバイスが契約している前記サービスと競合関係にある別のサービスに前記第2のデバイスが契約していないこと、を含み、
前記競合関係とは、前記サービスが有する機能と前記別のサービスが有する機能とが少なくとも部分的に重複する関係を含む、
サービス提供プログラム。
【請求項13】
デバイスを対象とするサービスを提供可能な制御部と、
前記サービスに契約している前記デバイスである契約デバイスと通信可能な通信部と、
を備え、
前記制御部は、
前記契約デバイスの使用状況を示す使用情報を前記契約デバイスから取得する第1取得処理と、
前記第1取得処理により取得された前記使用情報に基づいて、前記サービスの利用状況を示すサービス利用情報を生成する生成処理と、
交換要求を取得する第2取得処理であって、前記交換要求は、前記契約デバイスを、現在前記サービスに契約している前記デバイスである第1のデバイスから、前記第1のデバイスとは別の前記デバイスである第2のデバイスに変更することを要求する、第2取得処理と、
前記第2取得処理により前記交換要求が取得されることに応じて、前記契約デバイスを前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに変更する変更処理と、
を実行する、サーバ。
【請求項14】
サーバと、第1のデバイスと、第2のデバイスと、情報処理装置とを備え、
前記サーバは、
契約されたデバイスである契約デバイスを対象とするサービスを提供可能な制御部と、
前記契約デバイスと通信可能な通信部と、
を備え、
前記制御部は、
前記契約デバイスの使用状況を示す使用情報を前記契約デバイスから取得する第1取得処理と、
前記第1取得処理により取得された前記使用情報に基づいて、前記サービスの利用状況を示すサービス利用情報を生成する生成処理と、
前記情報処理装置から交換要求を取得する第2取得処理であって、前記交換要求は、前記契約デバイスを、現在前記サービスに契約している前記デバイスである前記第1のデバイスから、前記第1のデバイスとは別の前記デバイスである前記第2のデバイスに変更することを要求する、第2取得処理と、
前記第2取得処理により前記交換要求が取得されることに応じて、前記契約デバイスを前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに変更する変更処理と、
を実行し、
前記情報処理装置は、
前記契約デバイスを前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに変更することを指示する指示操作を受け付ける受付処理と、
前記受付処理により前記指示操作が受け付けられることに応じて前記サーバへ前記交換要求を送信する送信処理と、
を実行する、サービスシステム。
【請求項15】
契約されたデバイスである契約デバイスを対象とするサービスを提供するサービス提供方法であって、
前記契約デバイスの使用状況を示す使用情報を前記契約デバイスから取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップにより取得された前記使用情報に基づいて、前記サービスの利用状況を示すサービス利用情報を生成する生成ステップと、
交換要求を取得する第2取得ステップであって、前記交換要求は、前記契約デバイスを、現在前記サービスに契約している前記デバイスである第1のデバイスから、前記第1のデバイスとは別の前記デバイスである第2のデバイスに変更することを要求する、第2取得ステップと、
前記第2取得ステップにより前記交換要求が取得されることに応じて、前記契約デバイスを前記第1のデバイスから前記第2のデバイスに変更する変更ステップと、
を有するサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリンタ等のデバイスを対象とするサービスを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、デバイスを対象とする各種サービスを提供するサーバが開示されている。このサーバは、消耗品保守定額サービスを提供する。消耗品保守定額サービスは、当該サービスに登録されたデバイスで用いられる消耗品(例えばトナーや用紙)を、保守期間中において定額で提供するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-156531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サービス契約の対象のデバイスを別の新たなデバイスに交換する必要性が生じ得る。この場合、契約対象のデバイスの交換が効率よく行われることが望まれる。
本開示の一局面は、デバイスを対象とするサービスにおける、契約対象のデバイスの交換を効率よく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一局面におけるサービス提供プログラムは、サーバが備えるコンピュータが実行可能なプログラム(コンピュータプログラム)である。サービス提供プログラムは、デバイスを対象とするサービスを提供するためのプログラムである。
【0006】
サービス提供プログラムは、コンピュータに、第1取得処理と、生成処理と、第2取得処理と、変更処理とを実行させる。
第1取得処理は、契約デバイスの使用情報を契約デバイスから取得する。契約デバイスは、サービスに契約したデバイスである。使用情報は、契約デバイスの使用状況を示す。
【0007】
生成処理は、第1取得処理により取得された使用情報に基づいて、サービスの利用状況を示すサービス利用情報を生成する。
第2取得処理は、交換要求を取得する。交換要求は、契約デバイスを、現在サービスに契約しているデバイスである第1のデバイスから、第1のデバイスとは別のデバイスである第2のデバイスに変更することを要求する。
【0008】
変更処理は、第2取得処理により交換要求が取得されることに応じて、契約デバイスを第1のデバイスから第2のデバイスに変更する。
このようなサービス提供プログラムが実行されるサーバでは、契約デバイスが第1のデバイスである間は、第1のデバイスの使用情報が取得され、契約デバイスが第2のデバイスに変更されると、取得される使用情報が第2のデバイスに変更される。一方、サービス利用情報は、デバイス毎に個別に生成されるのではなく、契約しているサービス単位で生成される。つまり、生成処理は、サービスの契約対処のデバイスが変更される毎にデバイス毎に別個のサービス利用情報を生成するのではなく、参照する使用情報を変更前の契約デバイスから変更後の契約デバイスに切り替える。そのため、変更前は、変更前の契約デバイスの使用情報が取得されることに応じてサービス利用情報が更新されていき、変更後
は、直前まで生成されていたサービス利用情報が、変更後の契約デバイスの使用情報に応じてさらに更新されていく。そのため、契約対象のデバイスの変更に伴うリソースの増大(即ち生成、管理すべき情報の増大)が抑制され、契約対象のデバイスの変更を効率よく行うことが可能となる。
【0009】
本開示の別の一局面では、上記のサービス提供プログラムが実行されるように構成されたサーバが提供されてもよい。
本開示のさらに別の一局面では、上記のサービス提供プログラムが実行されるサーバと、第1のデバイスと、第2のデバイスと、情報処理装置とを備えたサービスシステムが提供されてもよい。この場合、情報処理装置は、契約デバイスを第1のデバイスから第2のデバイスに変更することを指示する指示操作を受け付ける受付処理と、受付処理により指示操作が受け付けられることに応じてサーバへ交換要求を送信する送信処理とを実行してもよい。
【0010】
本開示のさらに別の一局面では、上記のサービス提供プログラムが実行されるサーバで用いられるサービス提供方法が提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態のデバイスサービスシステムの概要を示す説明図である。
図2図2Aは第1,第2デバイスのブロック図、図2Bは情報処理装置60のブロック図である。
図3】サービスサーバのデータベースに登録される各種テーブルを示す説明図である。
図4】契約デバイスの変更に伴うデータベースの変化を示す説明図である。
図5】定期通知対応処理のフローチャートである。
図6】契約デバイスの交換時にデバイスサービスシステムで実行される処理の一部を示すシーケンス図である。
図7】契約デバイスの交換時にデバイスサービスシステムで実行される処理の残りを示すシーケンス図である。
図8】サービスメイン画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1-1)デバイスサービスシステムの概要
図1に示す本実施形態のデバイスサービスシステム1は、サービスサーバ10と、第1デバイス41と、第2デバイス42と、情報処理装置60とを備える。デバイスサービスシステム1は、デバイス管理サービスを提供する。より具体的には、デバイスサービスシステム1では、デバイス管理サービスに契約したデバイス(以下、「契約デバイス」と称する)を対象に、サービスサーバ10が当該デバイス管理サービスを提供する。デバイス管理サービスの契約(登録)はデバイス毎に個別に行われる。
【0013】
デバイス管理サービスに契約可能なデバイスは、本実施形態では例えば、プリンタ或いは複合機などの、印刷機能を有するデバイスである。印刷機能は、印刷する画像のデータを取得してそのデータが示す画像をシート状の被記録媒体に印刷する機能である。第1デバイス41及び第2デバイス42はいずれも印刷機能を有する。そのため、第1デバイス41及び第2デバイス42はいずれもデバイス管理サービスに契約可能である。
【0014】
なお、本実施形態では、一例として、第1デバイス41はすでにデバイス管理サービスに契約しており、第2デバイス42はデバイス管理サービスに契約していない状況を想定
する。第1デバイス41に対して現在契約が締結(登録)されているデバイス管理サービスのことを、以下、第1契約と称する。なお、第1,第2デバイス41,42以外の他の1以上のデバイスが存在していて、それら他の1以上のデバイスに対して個別に第2契約、第3契約・・・が締結されていてもよい。本実施形態では、第1契約の契約対象のデバイスを、現在の第1デバイス41から第2デバイス42に交換することを想定している。
【0015】
サービスサーバ10は、第1デバイス41、第2デバイス42及び情報処理装置60のそれぞれと互いに通信可能である。本実施形態では、第1デバイス41、第2デバイス42及び情報処理装置60は、通信ネットワーク100に接続されている。通信ネットワーク100は、WAN(Wide Area Network)150に接続されている。サービスサーバ10は、WAN150に接続されている。
【0016】
そのため、本実施形態では、サービスサーバ10は、WAN150及び通信ネットワーク100を介して、第1デバイス41、第2デバイス42及び情報処理装置60のそれぞれと互いに通信可能である。
【0017】
なお、サービスサーバ10は、通信ネットワーク100に接続されていてもよい。情報処理装置60は、WAN150に接続され、WAN150を介して通信ネットワーク100に接続可能であってもよい。情報処理装置60は、WAN150を介さずにサービスサーバ10と通信可能であってもよい。第1デバイス41がデバイス管理サービスに契約している状況においては、第2デバイス42は通信ネットワーク100に接続されていなくてもよい。
【0018】
通信ネットワーク100は、有線のネットワークを含んでいてもよいし、無線のネットワークを含んでいてもよい。WAN150はどのようなネットワークでもよい。本実施形態のWAN150は、例えば、TCP/IPプロトコルに従って通信が行われるように構成されたインターネットである。
【0019】
(1-2)デバイス管理サービスの概要
サービスサーバ10によって提供されるデバイス管理サービスの具体的な内容や、デバイス管理サービスに契約する際の手続及び処理の流れについて、概略的に説明する。
【0020】
本実施形態のデバイス管理サービスは、例えば、契約デバイスにおける特に消耗品をターゲットとしたサービスであり、いわゆるサブスクリプションサービス(定額制サービス)を含む。
【0021】
即ち、本実施形態では、サービスに契約すると、印刷に用いられる色剤(トナーあるいはインク)が収容されたカートリッジとして、サービス専用のカートリッジが提供される。契約ユーザは、その専用カートリッジを契約デバイスに装着して契約デバイスを使用する。専用カートリッジは、契約中のみ使用可能であり、サービスを解約すると使用できなくなる。
【0022】
契約ユーザに対するサービスの対価は、月額が設定される。即ち、契約毎に、規定枚数(例えば1月あたりM枚)までは定額で印刷できる。1月内において印刷枚数が規定枚数を超えると、追加料金が課金される。例えば、規定枚数よりもN枚超過する毎に一定額が追加課金される。1月の実際の印刷枚数が規定枚数未満の場合は、余剰分を翌月に持ち越すことができる。
【0023】
サービスサーバ10は、契約デバイスから定期的に各種データを収集、蓄積する。即ち、サービスサーバ10は、あるデバイスを対象として契約が締結されると、契約デバイス
へ、定期的に通知対象情報を通知するように指示する。その指示には、通知すべき通知対象情報の種類や通知間隔が含まれる。通知対象情報としては、例えば、印刷枚数、消耗品の残量、ファームウェアのバージョン、各種ステータス情報などが挙げられる。指示を受けた契約デバイスは、指定された通知対象情報を、指定された通知間隔で定期的にサービスサーバ10へ送信する。
【0024】
また、サービスサーバ10は、契約デバイスに対してアクション指示を行うことができる。アクション指示として、例えば、契約デバイスで使用されている各種設定値の変更の指示、印刷実行指示などが挙げられる。契約デバイスは、サービスサーバ10からアクション指示を受けると、指示に従って処理を実行する。
【0025】
消耗品の残量(ここでは専用カートリッジの色剤の残量)は上記のようにサービスサーバ10によって定期的に監視される。そして、残量が一定レベル未満になると、新たな専用カートリッジが自動で発注され、契約者に発送される。
【0026】
所望のデバイスをデバイス管理サービスに契約する手順は、概ね次の通りである。ユーザは、まず、情報処理装置60における後述する端末プログラム62bを利用して(即ち本例ではWebブラウザを利用して)、サービスサーバ10における後述するサーバプログラム21によって提供されるWebページにアクセスする。具体的には、例えばログインページにアクセスする。そして、ログインページを起点に、サービスサーバ10にアカウントを作成(登録)する。アカウントを登録することにより、当該ユーザはデバイス管理サービスに契約可能な状態となる。
【0027】
アカウントを登録したユーザは、サービスの提供を受けたいデバイスをサービスサーバ10に登録する。この時点では、当該デバイスは、契約可能なデバイスとしてサービスサーバ10に登録された状態であって、まだ契約には至っていない。デバイスの登録も、情報処理装置60の端末プログラム62bを利用してサービスサーバ10のWebページにアクセスすることにより行われる。
【0028】
デバイスを登録したユーザは、当該登録デバイスを対象とする契約手続を行う。具体的には、サービスサーバ10における契約用のWebページにアクセスして、必要事項を入力する。必要事項として、例えば、契約プラン(例えば月額)、消耗品の配送先の住所、支払に必要な情報(例えばクレジットカード情報)などが挙げられる。
【0029】
なお、デバイス管理サービスに契約するためには、契約対象のデバイスが契約可能条件を満たしている必要がある。契約可能条件はどのように定められてもよい。契約可能条件は例えばデバイスのスペックを基準に定められてもよい。契約可能条件は、契約プラン毎に異なっていてもよい。契約可能条件を満たさないデバイスが契約されようとした場合、サービスサーバ10は、後述するようにエラー通知を出す。
【0030】
契約手続が完了すると、当該登録デバイスを契約対象とする契約が正式に締結される。契約者は、契約内容や契約デバイスの使用状況などの、契約に関する各種情報を、サービスサーバ10における契約者用のWebページにアクセスして確認できる。契約者用のWebページには、後述するサービスメイン画面71が含まれる。契約者は、例えばサービスメイン画面71を起点として、自身のアカウント、当該アカウントの登録プリンタ、登録ブリンタ毎のサービス契約状況、契約デバイス毎の使用状況などを確認できる。確認可能な使用状況には、例えば、印刷枚数、消耗品の残量などが上げられる。また、サービスメイン画面71を起点として、登録デバイスの追加、契約デバイスの変更、契約プランの変更、解約などを行うことができる。
【0031】
なお、サービスサーバ10は、契約毎に、必要な対価の支払いが適正に行われているか否かを示す支払情報を有する。
(1-3)サービスサーバの構成
図1に示すように、サービスサーバ10は、制御部11と、記憶部12と、通信I/F13とを備える。「I/F」はインタフェースの略称である。
【0032】
制御部11は、例えばCPUを有する。記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態のサービスサーバ10は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0033】
制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部12は、プログラムを格納したnon-transitory computer-readable storage mediumに該当する。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0034】
通信I/F13は、他の装置と通信するためのインタフェースである。通信I/F13は、例えば有線LAN、無線LANその他の各種通信方式に対応していてもよい。通信I/F13は、本実施形態ではWAN150に接続されている。
【0035】
記憶部12には、サーバプログラム21と、データベース22とが記憶されている。データベース22は、サーバプログラム21によって管理される。サーバプログラム21は、デバイス管理サービスを提供する機能を有する。つまり、デバイス管理サービスに関する各種機能は基本的にはサーバプログラム21によって実現される。なお、以下の説明では、プログラムを実行する主体(例えばサービスサーバ10においては制御部11)のことを、単にプログラム名あるいはソフトウェア名で記載する場合がある。例えば、「サーバプログラム21は」という記載は、詳しくは「サーバプログラム21を実行する制御部11は」を意味する場合がある。
【0036】
(1-4)第1,第2デバイスの構成
第1,第2デバイス41,42について、図2Aを参照して具体的に説明する。本実施形態では、第1,第2デバイス41,42は、細部では異なるものの、互いに機能が共通する機能ブロックを備えている。図2Aは、互いに機能が共通する機能ブロックを抜粋して図示している。
【0037】
図2Aに示すように、第1,第2デバイス41,42の各々は、制御部51と、記憶部52と、入力I/F53と、表示I/F54と、通信I/F55と、印刷部56とを備える。
【0038】
制御部51は、例えばCPUを有する。記憶部52は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の第1,第2デバイス41,42の各々は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。記憶部52には、各種のソフトウェアやデータが記憶されている。制御部51は、記憶部52に記憶された各種プログラムを実行することにより各種機能を実現する。なお、制御部51により実現される各種機能は、プログラムの実行によって(即ち、ソフトウェア処理によって)実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0039】
入力I/F53は、ユーザによる各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F53が有する入力用デバイスは、例えば、不図示の操作スイッチ、不図
示のタッチパネルなどを含んでいてもよい。表示I/F54は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。通信I/F55は、第1,第2デバイス41,42を通信ネットワーク100に接続するためのI/Fである。印刷部56は、前述の印刷機能を実現する。
【0040】
なお、本実施形態では、第1,第2デバイス41,42の各々は、例えばXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)の通信プロトコルを用いてサービスサーバ10と通信可能である。
【0041】
(1-5)情報処理装置の構成
情報処理装置60は、例えばスマートフォン、タブレット端末、モバイルパソコン、据え置き型のパソコンなどの、各種の情報処理装置である。
【0042】
図2Bに示すように、情報処理装置60は、制御部61と、記憶部62と、入力I/F63と、表示I/F64と、通信I/F65とを備える。
制御部61は、例えばCPUを有する。記憶部62は、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。即ち、本実施形態の情報処理装置60は、CPU及び半導体メモリを含むマイクロコンピュータを備えている。
【0043】
制御部61は、記憶部62に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。本実施形態では、記憶部62は、プログラムを格納したnon-transitory computer-readable storage mediumに該当する。なお、制御部61により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0044】
入力I/F63は、ユーザによる各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを有する。入力I/F63が有する入力用デバイスには、例えばタッチパネルが含まれる。表示I/F64は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの、画像を表示可能な表示デバイスを有する。通信I/F65は、情報処理装置60を通信ネットワーク100に接続するためのI/Fである。
【0045】
記憶部62には、OS62aと、端末プログラム62bとが記憶されている。OS62a及び端末プログラム62bはコンピュータシステムにインストールされている。
端末プログラム62bは、デバイス管理サービスを享受するために用いられる。第1契約の契約者は、サービスサーバ10にアクセスして、第1契約に関する各種の情報を取得することができる。各種の情報を取得するツールの1つが、端末プログラム62bである。端末プログラム62bは、サービスサーバ10と通信(詳しくはサーバプログラム21と通信)することにより第1契約に関する各種情報を取得して表示I/F64に表示する機能を有する。また、端末プログラム62bは、管理者等のユーザにより入力I/F63を介して入力された各種情報、要求等をサーバプログラム21へ送信する機能を有する。
【0046】
端末プログラム62bは、本実施形態では例えばWebブラウザの機能を有する。一方、サービスサーバ10のサーバプログラム21は、例えばWebサーバの機能を有する。そのため、本実施形態の端末プログラム62bは、例えば、HTTPまたはHTTPSの通信プロトコルを用いてサービスサーバ10のサーバプログラム21と通信する。
【0047】
(1-6)データベースで管理されるデータテーブル
次に、デバイス管理サービスにおける、契約毎にサービスサーバ10のデータベース22に作成されるデータテーブル群について、図3を参照して説明する。図3は、第1契約に関するデータテーブル群を例示している。第1契約が締結されることにより、図3に示
すようなデータテーブル群がデータベース22に構築される。
【0048】
図3に示すように、データテーブル群は、アカウントテーブル30と、契約管理テーブル31と、契約情報テーブル32と、総印刷枚数関連テーブル33と、デバイス情報テーブル34と、デバイス印刷枚数テーブル35とを備える。
【0049】
アカウントテーブル30は、図3に例示するように、ユーザIDやアカウント種別などの、契約者に関する基本情報を含む。ユーザIDは、契約者を識別する。アカウント種別は、複数の種別のうちのいずれかに設定される。本実施形態では、例えば、「顧客」、「管理者」及び「システム」のいずれか1つがアカウント種別として設定される。一般には、サービスを受けるユーザは、アカウント登録時、アカウント種別が「顧客」に設定される。なお、アカウント種別は、本開示における契約者情報の一例に相当する。
【0050】
デバイス情報テーブル34は、デバイスが登録される毎に、即ち登録デバイス毎に個別に作成される。デバイス情報テーブル34は、アカウントテーブル30に紐付けられている。デバイス情報テーブル34は、図3に例示するように、ユーザIDのほか、登録デバイスに関するデバイス情報レコードを含む。デバイス情報レコードには、図3に例示するように、例えば、デバイスID、デバイス有効/無効設定、その他登録デバイスに関する各種情報が含まれる。デバイスIDは、デバイスを識別する。デバイス有効/無効設定は、当該デバイスがサービスに契約しているか否かを示す。当該デバイスがサービスに契約すると、デバイス有効/無効設定が「有効」に設定される。なお、図3に示すデバイス情報テーブル34には、第1契約の現在の契約デバイスである第1デバイス41のデバイス情報レコード、即ち第1デバイス情報レコード34aが含まれている。このデバイス情報テーブル34において、ユーザIDは、本開示における第1のユーザ情報及び第2のユーザ情報の一例に相当し、デバイスIDは、本開示における第1識別情報の一例に相当する。
【0051】
契約管理テーブル31は、アカウント登録したユーザが契約しているサービスの状況に関する情報を含む。契約管理テーブル31は、サービスに契約中のデバイスのデバイス情報テーブル34と紐付けられている。
【0052】
契約情報テーブル32は、図3に例示するように、契約中のサービスの具体的内容を示す各種情報を含む。契約情報テーブル32は、契約管理テーブル31に紐付けされている。
デバイス印刷枚数テーブル35は、登録デバイス毎に個別に作成される。デバイス印刷枚数テーブル35は、対応する登録デバイスのデバイス情報テーブルと紐付けされる。デバイス印刷枚数テーブル35は、図3に例示するように、ユーザIDのほか、登録デバイスに関するデバイス印刷枚数レコードを含む。デバイス印刷枚数レコードには、図3に例示するように、例えば、デバイスID、当月印刷枚数などを含む。当月印刷枚数は、対応する登録デバイスにおいて当月(現在の契約単位月)に印刷が実行された枚数である。デバイス印刷枚数テーブル35は、デバイス情報テーブル34及び総印刷枚数関連テーブル33に紐付けされる。なお、図3に示すデバイス印刷枚数テーブル35には、第1契約の現在の契約デバイスである第1デバイス41のデバイス印刷枚数レコード、即ち第1デバイス印刷枚数レコード35aが含まれている。デバイス情報テーブル34及びデバイス印刷枚数テーブル35は、本開示における使用情報の一例に相当する。
【0053】
総印刷枚数関連テーブル33は、登録デバイス毎に個別に生成されるのではなく、1契約につき共通の1つが生成される。総印刷枚数関連テーブル33は、図3に例示するように、当月印刷枚数、当月超過枚数などを含む。当月印刷枚数は、当月中における、当該契約の契約デバイスで実行された印刷の総枚数である。当月超過枚数は、当月印刷枚数が契
約枚数を超過した場合におけるその超過枚数である。総印刷枚数関連テーブル33は、契約情報テーブルに紐付けされている。総印刷枚数関連テーブル33は、さらに、契約デバイスに対応したデバイス印刷枚数テーブル35(詳しくは現在の契約デバイスのデバイス印刷枚数レコード)に紐付けされている。なお、総印刷枚数関連テーブル33は、本開示におけるサービス利用情報の一例に相当する。
【0054】
(1-7)契約対象デバイス交換の概要
例えば、契約デバイスが故障したり、契約デバイスにはない機能を有する別のデバイスを使いたくなった場合などのように、現在の契約デバイスを別のデバイスに交換する需要が生じることが予想される。この場合、本実施形態では、別のデバイスを登録した上で、契約デバイスを現在のデバイスから別のデバイスへ切り替える処理が行われる。
【0055】
このとき、別のデバイスに対して図3に示したテーブル30~35が別途新たに作成されるのではなく、一部のテーブルについては引き続き参照される。具体的には、図4に例示するように、例えば契約デバイスが第1デバイス41から第2デバイス42に交換された場合、新たに生成されるのは、デバイス情報テーブル34における第2デバイス情報レコード34b、及びデバイス印刷枚数テーブル35における第2デバイス印刷枚数レコード35bである。つまり、デバイス情報テーブル34においては、既存の第1デバイス情報レコード34aとは別に新たに第2デバイス情報レコード34bが生成される。デバイス印刷枚数テーブル35においては、既存の第1デバイス印刷枚数レコード35aとは別に新たに第2デバイス印刷枚数レコード35bが生成される。そして、契約デバイスの交換後は、デバイス情報テーブル34においては第1デバイス情報レコード34aに代えて第2デバイス情報レコード34bが参照され、デバイス印刷枚数テーブル35においては第1デバイス印刷枚数レコード35aに代えて第2デバイス印刷枚数レコード35bが参照される。第2デバイス情報レコード34bは、第1契約の新たな契約デバイスである第2デバイス42の情報を示す。第2デバイス情報レコード34bに含まれる情報の種類は基本的には第1デバイス情報レコード34aの情報の種類と同様である。第2デバイス印刷枚数レコード35bは、第2デバイスにおいて当月(現在の契約単位月)に印刷が実行された枚数である当月印刷枚数を含む。第2デバイス印刷枚数レコード35bに含まれる情報の種類は基本的には第1デバイス印刷枚数レコード35aの情報の種類と同様である。総印刷枚数関連テーブル33を含むその他のいくつかのテーブルについても、第2デバイス42用に別途生成されるのではなく、交換前にすでに生成されて参照されていたテーブルが引き続き参照される。
【0056】
即ち、図4に例示するように、契約管理テーブル31に対する、デバイス情報テーブル34における第1デバイス情報レコード34aの紐付けを解除し、新たな第2デバイス情報レコード34bと紐付けする。また、総印刷枚数関連テーブルに対する、デバイス印刷枚数テーブル35における第1デバイス印刷枚数レコード35aの紐付けを解除し、新たな第2デバイス印刷枚数レコード35bと紐付けする。ただし、交換が行われた当月に関しては、当月分の課金が正しく行われるように、総印刷枚数関連テーブル33は、第1デバイス印刷枚数レコード35a及び第2デバイス印刷枚数レコード35bの両方を参照して更新される。第1デバイス情報レコード34a及び第1デバイス印刷枚数レコード35aは、参照はされなくなるものの、削除されずに残されてもよい。
【0057】
なお、第2デバイス情報レコード34bに含まれる、第2デバイス42のデバイスIDは、本開示における第2識別情報の一例に相当する。また、第1デバイス印刷枚数レコード35aは本開示における第1使用情報の一例に相当し、第2デバイス印刷枚数レコード35bは本開示における第2使用情報の一例に相当する。
【0058】
サーバプログラム21は、契約月ごとの印刷枚数を計算する(即ち総印刷枚数関連テー
ブル33を更新する)にあたり、契約月の途中で契約デバイスが第1デバイス41から第2デバイス42に交換された場合は、交換前までの印刷枚数に関しては交換前の第1デバイス41(以下、「旧デバイス」とも称する)の第1デバイス印刷枚数レコード35aを参照し、交換後の印刷枚数に関しては交換後の第2デバイス42(以下、「新デバイス」とも称する)の第2デバイス印刷枚数レコード35bを参照する。
【0059】
(1-8)サービス提供にかかわる処理
デバイス管理サービスを提供するためにサービスサーバ10で実行される処理、即ちサーバプログラム21に従って実行される処理について、図5図7を参照して説明する。
【0060】
(1-8-1)定期通知対応処理
サービスサーバ10の制御部11は、図5に示す定期通知対応処理を、前述の通知間隔で定期的に実行する。定期通知対応処理は、サーバプログラム21に含まれる。
【0061】
制御部11は、定期通知対応処理を開始すると、S110で、契約デバイスから通知対象情報を取得する。S120では、制御部11は、S110で取得した通知対象情報に基づいて、デバイス情報テーブル34(詳しくは現契約デバイスのデバイス情報レコード34a)及びデバイス印刷枚数テーブル35(詳しくは現契約デバイスのデバイス印刷枚数レコード35a)を更新する。
【0062】
S130では、制御部11は、S120による更新結果を総印刷枚数関連テーブル33に反映させることにより総印刷枚数関連テーブル33を更新する。例えば、S120の処理によりデバイス印刷枚数テーブル35において当月印刷枚数が30枚から40枚に更新(つまり10枚増加)された場合は、総印刷枚数関連テーブル33において現在の当月印刷枚数に10加算する。このような定期通知対応処理が定期的に繰り返し実行されることで、デバイス情報テーブル34、デバイス印刷枚数テーブル35及び総印刷枚数関連テーブル33が更新される。
【0063】
また、契約デバイスが第1デバイス41から第2デバイス42に変更された場合は、前述の通り、デバイス情報テーブル34においては第1デバイス情報レコード34aを残しつつ第2デバイス情報レコード34bを生成し、デバイス印刷枚数テーブル35においては第1デバイス印刷枚数レコード35aを残しつつ第2デバイス印刷枚数レコード35bを生成する。そして、変更後における総印刷枚数関連テーブル33の更新は、第2デバイス印刷枚数レコード35bを参照して行う。
【0064】
この結果、契約デバイスの交換が行われた課金月(本開示における一定期間の一例に相当)における、総印刷枚数関連テーブル33の当月印刷枚数は、次のように算出される。即ち、当該課金月の始期から交換時までの当月印刷枚数に関しては第1デバイス印刷枚数レコード35aの当月印刷枚数を参照して算出(更新)される。一方、交換時以降、当該課金月の終期までの当月印刷枚数に関しては、交換時の当月印刷枚数に対して、第2デバイス印刷枚数レコード35bの当月印刷枚数を参照して算出(加算により更新)される。
【0065】
(1-8-2)契約デバイス交換に関わる処理
次に、契約デバイスの交換時の際にデバイスサービスシステム1で実行される処理について、図6図7を参照して説明する。ここでは、第1契約の契約デバイスを現状の第1デバイス(旧デバイス)41から第2デバイス(新デバイス)42に交換することを想定して説明する。
【0066】
契約デバイスを新デバイスに交換するために、ユーザは、まずサービスサーバ10にログインすべく、情報処理装置60において端末プログラム62b(本実施形態では例えば
Webブラウザ)を起動させ、サービスサーバ10にアクセスして、情報処理装置60の表示I/F64にログイン画面を表示させる。そして、必要事項を入力することを含むログイン操作を行う。
【0067】
これにより、端末プログラム62bは、サーバプログラム21へ、ログイン操作で入力された情報と共にログイン要求を送信する(S11)。端末プログラム62bからログイン要求を受信したサーバプログラム21は、ログイン要求を受け付ける(S30)。これによりユーザのログインが受け付けられる。
【0068】
ユーザのログインを受け付けたサーバプログラム21は、ログインユーザに対応するサービスメイン画面71(図8参照)の画面情報を端末プログラム62bへ送信する(S31)。この画面情報を受信した端末プログラム62bは、画面情報に基づいてサービスメイン画面71を表示I/F64に表示する(S12)。
【0069】
サービスメイン画面71が表示されると、ユーザは、新デバイスを登録するための、デバイス追加要求操作を行う。具体的には、サービスメイン画面71に表示されている追加ボタン71aをタップまたはクリックする。
【0070】
端末プログラム62bは、デバイス追加要求操作を受けると、デバイス登録要求処理を実行する(S13)。具体的には、まず、新デバイスの登録を受け付けるための不図示のデバイス登録画面を表示する。そして、そのデバイス登録画面を起点とする、ユーザの新デバイス登録操作を受け付ける。新デバイス登録操作には、新デバイスに対する操作も含まれる。新デバイス登録操作により新デバイスが選択され、ユーザにより登録指示が行われると、端末プログラム62bは、新デバイスを登録するようにサーバプログラム21に要求する。
【0071】
この要求を受けたサーバプログラム21は、新デバイスをデバイス管理サービスに登録するための、新デバイス登録処理を実行する(S32)。この処理には、新デバイスに対応する新たな第2デバイス情報レコード34b及び第2デバイス印刷枚数レコード35bを生成することが含まれる。なお、この時点では、新デバイスはまだ第1契約の契約デバイスとして登録されておらず、第1契約の契約デバイスは依然として旧デバイスである。新デバイスが登録されると、図4に示すように、新デバイスの第2デバイス情報レコード34bがアカウントテーブル30に紐付けられる。
【0072】
サーバプログラム21は、新デバイスを登録すると、ログインユーザに対応するサービスメイン画面71の画面情報を端末プログラム62bへ送信する(S33)。この画面情報を受信した端末プログラム62bは、画面情報に基づいてサービスメイン画面71を表示I/F64に表示する(S14)。図8には示されていないが、ここで表示されるサービスメイン画面71には、登録デバイスのリストとして、現在の契約デバイスである旧デバイスに加えて、新デバイスも表示される。
【0073】
S14でサービスメイン画面71が表示されると、ユーザは、契約デバイスを交換するための交換要求操作を行う。具体的には、例えば、サービスメイン画面71に表示されている交換ボタン71bをタップまたはクリックする。端末プログラム62bは、交換要求操作を受けると、デバイス交換要求処理を実行する(S15)。具体的には、交換対象のデバイスを選択させるための不図示の交換受付画面を表示する。そして、その交換受付画面を起点として、ユーザによる旧デバイス選択操作及び新デバイス選択操作を受け付ける。これにより、端末プログラム62bは、新デバイスと旧デバイスを認識する。端末プログラム62bはさらに、ユーザによる交換決定操作を受け付ける。交換決定操作を受け付けた端末プログラム62bは、サーバプログラム21へ交換要求を送信する。つまり、契
約デバイスを現在の旧デバイスから新デバイスへ変更することをサーバプログラム21に要求する。
【0074】
端末プログラム62bからの交換要求を受信したサーバプログラム21は、交換要求受付処理を実行する(S34)。例えば、新デバイスと旧デバイスを把握する。そして、交換の妥当性を検証する(S35)。
【0075】
具体的には、例えば、ログインユーザのアカウント種別が「顧客」であるか否かを、ログインユーザのアカウントテーブル30を参照して確認する。アカウント種別が「顧客」であれば妥当性有りと仮判断し、「顧客」以外であれば妥当性無しと判断する。
【0076】
また例えば、旧デバイスと新デバイスとが同一か否かを、例えばそれぞれのデバイス情報レコード34a,34bにおけるデバイスIDを参照して判断する。デバイスIDが互いに一致した場合は、旧デバイスと新デバイスとが同一であると判断する。この場合、妥当性無しと判断する。デバイスIDが互いに一致しない場合は、旧デバイスと新デバイスとは同一ではないと判断する。この場合、妥当性有りと判断する。このように、いくつかの検証項目について、妥当性の有無を検証する。
【0077】
妥当性の検証を行ったサーバプログラム21は、検証結果に基づいて、交換が妥当か否か判断する(S36)。サーバプログラム21は、S35による検証結果がいずれも妥当性有りであった場合、妥当と判断する。一方、妥当性無しと判断された検証項目があった場合は、妥当では無いと判断する。
【0078】
交換が妥当ではないと判断した場合(S36:NO)、サーバプログラム21は、端末プログラム62bへエラー通知を送信する(S37)。このエラー通知を受信した端末プログラム62bは、表示I/F64を介して、交換が拒否されたことを報知する。交換が妥当であると判断した場合(S36:YES)、サーバプログラム21は、テーブル情報を取得する(S38)。即ち、データベース22に保存されている、旧デバイス及び新デバイスそれぞれのデータテーブル群(図4参照)を取得する。そして、取得したデータテーブル群の検証を行う(S39)。この検証の目的は、S35の検証と同じく、交換を許容できるか否かを確認することにある。
【0079】
S39では、例えば、旧デバイスと新デバイスがいずれも同一のログインユーザに紐付いているか判断する。この判断は、例えば、旧デバイスの第1デバイス情報レコード34aと新デバイスの第2デバイス情報レコード34bとがいずれも同じアカウントテーブル30に紐付いているか否かを確認することにより行う。つまり、第1デバイス情報レコード34aと第2デバイス情報レコード34bとがいずれも同じログインユーザのものであるかを確認する。各デバイス情報レコード34a,34bが同じアカウントテーブル30に紐付いている場合(つまり各デバイス情報レコード34a,34bのユーザIDが同一である場合)は、検証OKと判断する。一方、各デバイス情報レコード34a,34bが同じアカウントテーブル30に紐付いていない場合(つまり各デバイス情報レコード34a,34bのユーザIDが異なる場合)は、検証NGと判断する。
【0080】
また例えば、S39では、ログインユーザによるサービス対価の支払が適正に行われているか否かを判断する。この判断は例えば、サービスサーバ10が管理している前述の支払情報に基づいて行ってもよい。例えば滞納があるなど、支払が適正に行われていない場合は、検証NGとする。一方、支払が適正に行われている場合は、検証OKと判断する。
【0081】
また例えば、S39では、旧デバイス及び新デバイスがそれぞれ有効になっているか否か判断する。具体的には、各デバイスのデバイス情報レコード34a,34bにおける「
デバイス有効/無効」の設定を確認する。そして、「有効」に設定されている場合は検証OKと判断し、「無効」に設定されている場合は検証NGと判断する。
【0082】
また例えば、S39では、新、旧デバイスの、契約に対する紐付けの有無を判断する。具体的には、契約管理テーブル31において登録デバイス毎に設定されている契約状態(有効または無効)を確認する。有効に設定されていれば契約に紐付いていると判断し、無効に設定されていれば契約に紐付いていないと判断する。そして、旧デバイスが有効に設定されている場合は、旧デバイスは現在契約に紐付いていると判断し、検証OKとする。一方、旧デバイスが無効に設定されている場合は、検証NGと判断する。新デバイスに関しては、旧デバイスとは逆に、契約状態が無効に設定されている場合に検証OKと判断し、契約状態が有効に設定されている場合は検証NGと判断する。
【0083】
また例えば、S39では、新デバイスが前述の契約可能条件を満たしているか否か判断する。つまり、旧デバイスが現在契約している契約条件を新デバイスも引き続き満たすか否か(換言すれば契約の互換性)を判断する。新デバイスが契約可能条件を満たしている場合は、検証OKと判断し、契約可能条件を満たしていない場合は検証NGと判断する。
【0084】
このようにして、必要な項目の検証を行うと、サーバプログラム21は、検証が成功したか否か判断する(S40)。具体的には、S39で行った各検証が全て検証OKであった場合、検証成功と判断する。一方、S39において検証NGの項目があった場合は、検証失敗と判断する。
【0085】
検証失敗と判断した場合(S40:NO)、サーバプログラム21は、端末プログラム62bへエラー通知を送信する(S41)。このエラー通知を受信した端末プログラム62bは、表示I/F64を介して、検証が失敗したこと(つまり交換が拒否されたこと)を報知する。検証成功と判断した場合(S40:YES)、サーバプログラム21は、旧デバイスを無効化する(図7のS42)。具体的には、サーバプログラム21は、デバイス情報テーブル34における第1デバイス情報レコード34aにおいて、デバイス有効/無効の設定を「無効」に設定する。
【0086】
旧デバイスを無効化したサーバプログラム21は、さらに、旧デバイスに対し、サービスモードをオフに設定すると共に通知登録を解除する(S43)。これらは、旧デバイスに対して直接行われる。即ち、契約可能条件を満たしているデバイスには、サービスを受けているか否かを示すサービスモードが設定されており、これをオフにするのである。また、旧デバイスについては前述の定期通知が不要となるため、これを解除して、旧デバイスから定期通知が行われないようにする。
【0087】
そして、サーバプログラム21は、新デバイスのサービス加入状況を確認する(S44)。即ち、これから契約しようとしているデバイス管理サービスとは別のサービスに既に加入(契約)しているか否かを確認する。そして、その確認結果に基づき、これから契約しているデバイス管理サービスと競合関係にある別のサービスに既に加入しているか否かを判断する。競合関係とは、互いのサービスが有する機能が少なくとも部分的に重複する関係を含む。例えば、当該デバイス管理サービスの一機能である消耗品の自動発注のみに特化した別のサービスがある場合、その別のサービスは当該デバイス管理サービスと競合関係にある。
【0088】
競合関係にある別サービスに新サービスが既に加入している場合は(S45:YES)、サーバプログラム21は、端末プログラム62bへエラー通知を送信する(S46)。このエラー通知を受信した端末プログラム62bは、表示I/F64を介して、交換が拒否されたことを報知する。競合関係にある別サービスに新デバイスが加入していない場合
は(S45:NO)、サーバプログラム21は、新デバイスを有効化する(S47)。具体的には、サーバプログラム21は、デバイス情報テーブル34における第2デバイス情報レコード34bにおいて、デバイス有効/無効の設定を「有効」に設定する。
【0089】
新デバイスを有効化したサーバプログラム21は、旧デバイスの契約を新デバイスに付け替える(S48)。つまり、ここで契約デバイスの変更が行われる。具体的には、図4を用いて説明したように、第2デバイス情報レコード34bを、デバイス情報テーブル34に属するデバイス情報レコードとして対応づけ、第2デバイス印刷枚数レコード35bを、デバイス印刷枚数テーブル35に属するデバイス印刷枚数レコードとして対応付ける。そして、テーブル相互間の紐付けを、図4において<交換後>に示すように変更する。これにより、総印刷枚数関連テーブル33を更新する際の、デバイス印刷枚数テーブル35における参照先のレコードが、第1デバイス印刷枚数レコード35aから第2デバイス印刷枚数レコード35bに切り替わる。
【0090】
契約デバイスの変更を行ったサーバプログラム21は、新デバイスから初期情報(印刷枚数などの現在の情報)を取得し(S49)、新デバイスの第2デバイス印刷枚数レコード35bなどに反映させる。
【0091】
さらに、サーバプログラム21は、新デバイスに対し、サービスモードをオンに設定すると共に通知登録を設定する(S50)。これにより、新デバイスから定期的に通知対象情報が送信されるようになる。
【0092】
なお、本実施形態において、サーバプログラム21は本開示におけるサービス提供プログラムの一例に相当する。S110の処理は本開示における第1取得処理の一例に相当する。S120の処理は本開示における記憶処理の一例に相当する。S130の処理は本開示における生成処理の一例に相当する。S34の処理は本開示における第2取得処理の一例に相当する。S35,S36,S38~S40,S44,S45の処理は本開示における判断処理の一例に相当する。S48の処理は本開示における変更処理の一例に相当する。
【0093】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0094】
(1)S35における交換の妥当性の検証事項は、上記実施形態で例示した事項に限らない。上記例示した事項に加えて、或いは上記例示した事項の少なくとも一部に代えて別の検証事項を設けてもよい。
【0095】
(2)S39におけるデータテーブル群の検証事項は、上記実施形態で例示した事項に限らない。上記例示した事項に加えて、或いは上記例示した事項の少なくとも一部に代えて別の検証事項を設けてもよい。
【0096】
(3)サービスサーバ10におけるサーバプログラム21の機能は、物理的に異なる複数のサーバによって構成されてもよい。サーバプログラム21の機能が複数のサーバで分担されてもよい。また、サービスサーバ10は、いわゆる仮想サーバとして設けられてもよい。
【0097】
(4)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によっ
て実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…デバイスサービスシステム、10…サービスサーバ、11,61…制御部、12,62…記憶部、21…サーバプログラム、22…データベース、30…アカウントテーブル、31…契約管理テーブル、32…契約情報テーブル、33…総印刷枚数関連テーブル、34…デバイス情報テーブル、35…デバイス印刷枚数テーブル、41…第1デバイス、42…第2デバイス、60…情報処理装置、62b…端末プログラム、71…サービスメイン画面、71a…追加ボタン、71b…交換ボタン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8