(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156528
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】予後予測装置、予後予測方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/00 20180101AFI20221006BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20221006BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20221006BHJP
【FI】
G16H50/00
G06N20/00
G06T7/00 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060268
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(72)【発明者】
【氏名】角谷 倫之
(72)【発明者】
【氏名】梅田 真梨子
(72)【発明者】
【氏名】菅井 裕斗
(72)【発明者】
【氏名】田中 祥平
(72)【発明者】
【氏名】神宮 啓一
【テーマコード(参考)】
5L096
5L099
【Fターム(参考)】
5L096BA06
5L096BA13
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
5L099AA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】腫瘍疾患を患う患者の予後予測の精度を向上させる予後予測装置、予後予測方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】予後予測システム100において、グラフ理論で定義される量を用いて表現された腫瘍の像の情報であるグラフ腫瘍情報と腫瘍を有する人又は動物の予後との関係を示す情報である予後予測情報を取得する予後予測情報取得装置1と、推定対象が有する腫瘍の像を示すグラフ腫瘍情報に基づき推定対象の予後を予測する予後予測装置2と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフ理論で定義される量を用いて表現された腫瘍の像の情報であるグラフ腫瘍情報と前記腫瘍を有する人又は動物の予後との関係を示す情報である予後予測情報を用いて、推定対象が有する腫瘍の像を示すグラフ腫瘍情報に基づき前記推定対象の予後を予測する予後予測部、
を備える予後予測装置。
【請求項2】
前記グラフ理論で定義される量は、グラフの頂点に関する量である、
請求項1に記載の予後予測装置。
【請求項3】
前記グラフの頂点は、互いに隣接する1又は複数の画素の集まりである単位画素ごとに定義される、
請求項2に記載の予後予測装置。
【請求項4】
前記グラフの頂点に関する量は、重みが定義された頂点間の位置関係と各頂点の重みとを示す量である、
請求項3に記載の予後予測装置。
【請求項5】
前記重みは、前記単位画素が含む各画素の画素値に関する予め定義された指標の値である、
請求項4に記載の予後予測装置。
【請求項6】
前記グラフ理論で定義される量は、グラフの辺に関する量である、
請求項1に記載の予後予測装置。
【請求項7】
前記グラフ理論で定義される量は、グラフの次数に関する量である、
請求項1に記載の予後予測装置。
【請求項8】
前記グラフ理論で定義される量は、グラフの最小全域木に関する量である、
請求項1に記載の予後予測装置。
【請求項9】
グラフ理論で定義される量を用いて表現された腫瘍の像の情報であるグラフ腫瘍情報と前記腫瘍を有する人又は動物の予後との関係を示す情報である予後予測情報を用いて、推定対象が有する腫瘍の像を示すグラフ腫瘍情報に基づき前記推定対象の予後を予測する予後予測ステップ、
を有する予後予測方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の予後予測装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予後予測装置、予後予測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ラジオミクス(Radiomics)と呼称される技術が研究されている。ラジオミクスは、大量の医用画像から抽出した何千種類もの表現型情報であるラジオミクス特徴量と病理情報、予後、副作用等の臨床情報との関係を大規模かつ網羅的に扱う技術である。ラジオミクスの応用の1つとして、腫瘍疾患を患う患者の予後予測への応用が研究されている。
【0003】
より具体的には、腫瘍の表現型の情報を用いて腫瘍疾患を患う患者の予後予測を行う技術が研究されている。このような研究では、腫瘍の表現型の情報として、例えば腫瘍の球状度や、腫瘍内全CT値の2乗や、腫瘍内CT値のばらつきを用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/067481号
【特許文献2】特表2008-522273号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ahmed Hosny et.al.,”Deep learning for lung cancer prognostication: A retrospective multi-cohort radiomics study”, PLoS Medicine, 15(11):e1002711, Nov 30, (2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、腫瘍の球状度や、腫瘍内全CT値の2乗や、腫瘍内CT値のばらつき等のこれまで提案されてきた腫瘍の表現型の情報は正確ではない場合があり、施設や患者間で情報の精度のばらつきが大きい。また、腫瘍の表現型の情報から腫瘍内の局所情報を取得することは難しいという問題もある。そのため、腫瘍の表現型の情報を用いた腫瘍疾患を患う患者の予後予測は、予測が正確ではない場合があった。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、腫瘍疾患を患う患者の予後予測の精度を向上させる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、グラフ理論で定義される量を用いて表現された腫瘍の像の情報であるグラフ腫瘍情報と前記腫瘍を有する人又は動物の予後との関係を示す情報である予後予測情報を用いて、推定対象が有する腫瘍の像を示すグラフ腫瘍情報に基づき前記推定対象の予後を予測する予後予測部、を備える予後予測装置である。
【0009】
本発明の一態様は、グラフ理論で定義される量を用いて表現された腫瘍の像の情報であるグラフ腫瘍情報と前記腫瘍を有する人又は動物の予後との関係を示す情報である予後予測情報を用いて、推定対象が有する腫瘍の像を示すグラフ腫瘍情報に基づき前記推定対象の予後を予測する予後予測ステップ、を有する予後予測方法である。
【0010】
本発明の一態様は、上記の予後予測装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、腫瘍疾患を患う患者の予後予測の精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態の予後予測システム100の概要を説明する説明図。
【
図2】実施形態における予後予測情報取得装置1のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図3】実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図。
【
図4】実施形態における予後予測情報取得装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図5】実施形態における予後予測装置2のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図6】実施形態における制御部21の機能構成の一例を示す図。
【
図7】実施形態における予後予測装置2が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図8】実施形態における腫瘍画像とグラフ腫瘍情報との関係の一例を説明する第1の説明図。
【
図9】実施形態における腫瘍画像とグラフ腫瘍情報との関係の一例を説明する第2の説明図。
【
図10】実施形態におけるグラフ量の一例を説明する第1の説明図。
【
図11】実施形態におけるグラフ量の一例を説明する第2の説明図。
【
図12】実施形態におけるグラフ量の一例を説明する第3の説明図。
【
図13】実施形態における実験を説明する第1の説明図。
【
図14】実施形態における実験を説明する第2の説明図。
【
図15】実施形態における実験を説明する第3の説明図。
【
図16】実施形態における実験を説明する第4の説明図。
【
図17】実施形態における実験を説明する第5の説明図。
【
図18】実施形態における実験を説明する第6の説明図。
【
図19】実施形態における実験を説明する第7の説明図。
【
図20】実施形態における実験を説明する第8の説明図。
【
図21】実施形態における実験を説明する第9の説明図。
【
図22】実施形態における実験を説明する第10の説明図。
【
図23】実施形態における実験を説明する第11の説明図。
【
図24】実施形態における実験を説明する第12の説明図。
【
図25】変形例におけるグラフ量の一例を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
図1は、実施形態の予後予測システム100の概要を説明する説明図である。予後予測システム100は、予後予測情報取得装置1と予後予測装置2とを備える。
【0014】
予後予測情報取得装置1は、画像に写る腫瘍の像(以下「腫瘍像」という。)の情報であってグラフ量を用いて表現された腫瘍の像の情報(以下「グラフ腫瘍情報」という。)と腫瘍疾病の患者の予後との関係を示す情報(以下「予後予測情報」という。)を取得する。腫瘍疾病の患者は、腫瘍を有する人又は動物の一例である。グラフ量は、グラフ理論で定義される量である。グラフ量は、グラフ理論で定義される量であればどのような量であってもよい。
【0015】
なお、腫瘍像を写す画像(以下「腫瘍画像」という。)は腫瘍を写すことが可能な技術によって得られた画像であればどのような画像であってもよい。腫瘍画像は、例えばCT(computed tomography)画像である。腫瘍画像は、例えばMRI(magnetic resonance imaging)画像であってもよいし、超音波画像であってもよい。
【0016】
グラフ量は、例えばグラフ理論におけるグラフのトポロジーを示す情報である。グラフ理論におけるトポロジーを示す情報とは、具体的には少なくともグラフの各頂点の位置関係を示す情報である。グラフ量は、例えばグラフ理論で定義される頂点の重みである。そのため、グラフ量は、重みが定義された頂点間の位置関係と各頂点の重みとを示す量であってもよい。グラフ量は、例えばグラフ理論で定義される辺の重みであってもよい。グラフ量は、例えばグラフ理論で定義される頂点の次数であってもよい。
【0017】
グラフ量は、例えばグラフ理論で定義される隣接行列であってもよい。グラフ量は、例えばグラフ理論で定義される次数行列であってもよい。グラフ量は、例えばグラフ理論で定義される接続行列であってもよい。
【0018】
グラフ量は、例えばグラフ理論で定義される離心数であってもよい。グラフ量は、例えばグラフ理論で定義されるグラフの半径であってもよい。グラフ量は、例えばグラフ理論で定義されるグラフの直径であってもよい。
【0019】
グラフ量は、例えばグラフの経路に関する量であってもよい。グラフの経路に関する量は、例えばグラフの最小全域木(参考文献1参照)に関する量であってもよい。グラフの経路に関する量は、例えばグラフがオイラー閉路である場合には、オイラー閉路に関する量であってもよい。グラフの経路に関する量は、例えばグラフがハミルトン閉路である場合には、ハミルトン閉路に関する量であってもよい。
【0020】
参考文献1:B.コルテ/J.フィーゲン著(浅野孝夫・浅野泰仁・小野孝男・平田富夫訳)「組合せ最適化 第2版 理論とアルゴリズム」丸善出版、2012年、pp.160-163
【0021】
グラフ腫瘍情報は、グラフ量を用いて表現されればよい。そのため、グラフ腫瘍情報は必ずしもグラフ量そのものだけで表現される必要は無い。グラフ腫瘍情報は、例えば複数のグラフ量間の関係を示す情報によって表現されてもよい。
【0022】
複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍の情報を表現するグラフ(以下「腫瘍表現グラフ」という。)が無向グラフか否かという情報であってもよい。複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍表現グラフが有向グラフか否かという情報であってもよい。複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍表現グラフが積グラフか否かという情報であってもよい。複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍表現グラフが正則グラフか否かという情報であってもよい。
【0023】
複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍表現グラフがオイラー閉路か否かという情報である。複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍表現グラフがハミルトン閉路か否かという情報であってもよい。
【0024】
複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍の情報を示す隣接行列について、エルミート行列か否か等の所定の行列の性質を有するか否かを示す情報であってもよい。複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍の情報を示す次数行列について、エルミート行列か否か等の所定の行列の性質を有するか否かを示す情報であってもよい。複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍の情報を示す接続行列について、エルミート行列か否か等の所定の行列の性質を有するか否かを示す情報であってもよい。
【0025】
複数のグラフ量間の関係を示す情報は、例えば腫瘍表現グラフと予め定められた基準のグラフとの違いを示す情報であってもよい。腫瘍表現グラフと予め定められた基準のグラフとの違いを示す情報は、例えば、腫瘍表現グラフと予め定められた基準のグラフとが同型であるか否かを示す情報である。
【0026】
予後予測情報は、例えば機械学習の方法によって取得された学習済みの学習モデルである。以下、説明の簡単のため、予後予測情報が、機械学習の方法によって取得された学習済みの学習モデルである場合を例に、予後予測システム100を説明する。
【0027】
予後予測情報取得装置1は、グラフ腫瘍情報に基づきグラフ腫瘍情報が示す腫瘍を有する人又は動物の予後を予測する学習モデル(以下「予後予測学習モデル」という。)を機械学習の方法により更新する。
【0028】
なお、学習モデルは、実行される条件と順番と(以下「実行規則」という。)が予め定められた1又は複数の処理を含む数理モデルである。以下説明の簡単のため、機械学習の方法による学習モデルの更新を学習という。また、学習モデルの更新とは、学習モデルにおけるパラメータの値を好適に調整することを意味する。また、学習モデルの実行とは、学習モデルが含む各処理を実行規則にしたがって実行することを意味する。
【0029】
なお学習モデルは、例えばニューラルネットワークによって表現される。なお、ニューラルネットワークとは、電子回路、電気回路、光回路、集積回路等の回路であって学習モデルを表現する回路である。学習モデルの更新とは、学習モデルを表現するニューラルネットワークが学習によって更新されることでもある。学習によってニューラルネットワークが更新されるとは、ニューラルネットワークのパラメータの値が更新されることを意味する。またニューラルネットワークのパラメータは、ニューラルネットワークを構成する回路のパラメータであり、ニューラルネットワークを構成する回路が表現する学習モデルのパラメータでもある。
【0030】
予後予測学習モデルを表現するニューラルネットワークは、予後予測学習モデルを表現可能なニューラルネットワークであればどのようなニューラルネットワークであってもよい。予後予測学習モデルを表現するニューラルネットワークは、例えば深層ニューラルネットワークである。
【0031】
予後予測情報取得装置1は、より具体的には、グラフ腫瘍情報と予後情報との対のうち、グラフ腫瘍情報を説明変数として用い予後情報を正解ラベル(すなわち目的変数)として用いた機械学習の方法により、予後予測学習モデルを更新する。予後情報は、予後を示す情報である。以下、グラフ腫瘍情報と予後情報との対を、学習データセットという。
【0032】
予後予測情報取得装置1は、所定の終了条件(以下「学習終了条件」という。)が満たされるまで予後予測学習モデルを更新する。学習終了条件は、例えば所定の数の学習データセットを用いた学習が行われたという条件である。学習済みの予後予測学習モデルが、予後予測情報の一例である。学習済みの予後予測学習モデルは、学習終了条件が満たされたタイミングにおける予後予測学習モデルである。
【0033】
予後予測装置2は、腫瘍画像の画像データ(以下「腫瘍画像データ」という。)を受け付ける。予後予測装置2は、予後予測情報を用いて、被写体腫瘍を有する予測対象の予後を予測する。被写体腫瘍は、腫瘍画像データが示す腫瘍画像に写る腫瘍である。予測対象は、人又は動物である。予測対象は、例えば患者である。予後予測装置2が用いる予後予測情報は、例えば予後予測情報取得装置1によって得られた予後予測情報である。そのため、予後予測装置2が用いる予後予測情報は、例えば学習済みの予後予測学習モデルである。
【0034】
なお、予後予測情報取得装置1には、腫瘍画像データと予後情報との対(以下「処理前学習データセット」という。)が入力される。予後予測情報取得装置1は、予め定められた所定の規則に従って、処理前学習データセットに基づき1又は複数の学習データセットを生成する。以下、処理前学習データセットに基づき1又は複数の学習データセットを生成する処理を、学習データセット生成処理という。学習データセット生成処理は、処理前学習データセットが含む腫瘍画像データに基づき1又は複数のグラフ腫瘍情報を生成することで、学習データセットから1又は複数の学習データセットを生成する処理である。
【0035】
腫瘍画像データに基づき生成されたグラフ腫瘍情報は、腫瘍画像データが示す腫瘍画像に写る腫瘍の像を示す情報であって、予め定義されたグラフ量の値を示す情報である。腫瘍画像データに基づき1又は複数のグラフ腫瘍情報を生成する処理は、例えば予め定義されたグラフ量の値を腫瘍画像データに基づき算出する処理である。以下、腫瘍画像データに基づき1又は複数のグラフ腫瘍情報を生成する処理を、グラフ腫瘍情報取得処理という。
【0036】
図2は、実施形態における予後予測情報取得装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。予後予測情報取得装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部11を備え、プログラムを実行する。予後予測情報取得装置1は、プログラムの実行によって制御部11、通信部12、入力部13、記憶部14及び出力部15を備える装置として機能する。
【0037】
より具体的には、プロセッサ91が記憶部14に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させたプログラムを実行することによって、予後予測情報取得装置1は、制御部11、通信部12、入力部13、記憶部14及び出力部15を備える装置として機能する。
【0038】
制御部11は、予後予測情報取得装置1が備える各種機能部の動作を制御する。制御部11は、例えば学習データセット生成処理を実行する。制御部11は、例えば予後予測学習モデルを実行する。
【0039】
制御部11は、例えば出力部15の動作を制御する。制御部11は、例えば予後予測学習モデルの実行により生じた各種情報を記憶部14に記録する。制御部11は、例えば通信部12又は入力部13に入力された情報を記憶部14に記録する。
【0040】
通信部12は、予後予測情報取得装置1を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部12は、有線又は無線を介して外部装置と通信する。外部装置は、例えば処理前学習データセットの送信元の装置である。通信部12は、処理前学習データセットの送信元の装置との通信により、処理前学習データセットの送信元の装置が送信した処理前学習データセットを受信する。外部装置は、例えば予後予測装置2である。通信部12は、予後予測装置2との通信によって予後予測装置2に、例えば予後予測情報を送信する。通信部12が予後予測装置2に送信する予後予測情報は、例えば学習済みの予後予測学習モデルである。
【0041】
入力部13は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部13は、これらの入力装置を予後予測情報取得装置1に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部13は、予後予測情報取得装置1に対する各種情報の入力を受け付ける。入力部13には、例えば学習の開始の指示が入力される。入力部13には処理前学習データセットが入力されてもよい。
【0042】
記憶部14は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部14は予後予測情報取得装置1に関する各種情報を記憶する。記憶部14は、例えば入力部13又は通信部12を介して入力された情報を記憶する。記憶部14は、例えば予後予測学習モデルの実行により生じた各種情報を記憶する。
【0043】
なお、処理前学習データセットは、必ずしも通信部12だけに入力される必要もないし、入力部13だけに入力される必要もない。処理前学習データセットは、通信部12と入力部13とのどちらから入力されてもよい。また処理前学習データセットは、予め記憶部14に記憶済みであってもよい。
【0044】
出力部15は、各種情報を出力する。出力部15は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部15は、これらの表示装置を予後予測情報取得装置1に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部15は、例えば入力部13に入力された情報を出力する。出力部15は、例えば予後予測学習モデルの実行結果を表示してもよい。出力部15は、例えば学習データセット生成処理の実行により生成された学習データセットが含むグラフ腫瘍情報を出力してもよい。
【0045】
図3は、実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図である。制御部11は、通信制御部101、入力制御部102、出力制御部103、学習データセット取得部104、モデル実行部105、更新部106、終了判定部107及び記憶制御部108を備える。
【0046】
通信制御部101は、通信部12の動作を制御する。通信制御部101の制御により通信部12は、学習済みの予後予測学習モデル(すなわち予後予測情報)を予後予測装置2に送信する。入力制御部102は、入力部13の動作を制御する。出力制御部103は、出力部15の動作を制御する。
【0047】
学習データセット取得部104は、処理前学習データセットに対して学習データセット生成処理を実行する。学習データセット取得部104は学習データセット生成処理の実行により1又は複数の学習データセットを生成する。学習データセット取得部104は、このように、学習データセット生成処理の実行により学習データセットを生成することで学習データセットを取得する。
【0048】
学習データセット取得部104による学習データセット生成処理の実行の対象の処理前学習データセットは、例えば通信部12又は入力部13に入力された処理前学習データセットである。学習データセット取得部104による学習データセット生成処理の実行の対象の処理前学習データセットは、例えば予め記憶部14に処理前学習データセットが記録済みの場合には、記憶部14が記憶する処理前学習データセットであってもよい。
【0049】
モデル実行部105は、学習データセット取得部104が取得した学習データセットに含まれるグラフ腫瘍情報に対して予後予測学習モデルを実行する。モデル実行部105は予後予測学習モデルの実行により、学習データセット取得部104が取得したグラフ腫瘍情報が示す腫瘍を有する人又は動物の予後を予測する。
【0050】
更新部106は、予測損失に基づき、予後予測学習モデルを更新する。予測損失は、モデル実行部105の予測の結果と学習データセット取得部104が取得した学習データセットに含まれる正解ラベル(すなわち予後情報)との違いである。
【0051】
モデル実行部105の予測の結果と予後情報とはどちらも、例えば1階のテンソル(すなわちベクトル)で表現される。モデル実行部105の予測の結果と予後情報とはどちらも、例えば2階のテンソル(すなわち行列)で表現されてもよい。モデル実行部105の予測の結果と予後情報とはどちらも、例えば3階以上のテンソルで表現されてもよい。予測損失は、例えばモデル実行部105の予測の結果を表現するテンソルと予後情報を表現するテンソルとの内積の逆数で表現される。内積の値が大きいほど、モデル実行部105の予測の結果を表現するテンソルと予後情報を表現するテンソルとの違いが小さいので、予測損失は小さい。
【0052】
終了判定部107は、学習終了条件が満たされたか否かを判定する。記憶制御部108は、各種情報を記憶部14に記録する。
【0053】
図4は、実施形態における予後予測情報取得装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。通信部12又は入力部13に処理前学習データセットが入力され、入力された処理前学習データセットに対する学習データセット生成処理の実行により学習データセット取得部104が学習データセットを取得する(ステップS101)。
【0054】
次にモデル実行部105がステップS101で取得された学習データセットが含むグラフ腫瘍情報に対して予後予測学習モデルを実行する(ステップS102)。予後予測学習モデルの実行によりモデル実行部105は、ステップS101で取得されたグラフ腫瘍情報が示す腫瘍を有する人又は動物の予後を予測する。
【0055】
次に更新部106が、ステップS102で得られた予測の結果とステップS101で得られた学習データセットに含まれる正解ラベルとの違い(すなわち予測損失)に基づき、違いを小さくするように予後予測学習モデルを更新する(ステップS103)。
【0056】
次に終了判定部107が、学習終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS104)。学習終了条件が満たされた場合(ステップS104:YES)、処理が終了する。一方、学習終了条件が満たされない場合(ステップS104:NO)、ステップS101の処理に戻る。
【0057】
図5は、実施形態における予後予測装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。予後予測装置2は、バスで接続されたCPU等のプロセッサ93とメモリ94とを備える制御部21を備え、プログラムを実行する。予後予測装置2は、プログラムの実行によって制御部21、通信部22、入力部23、記憶部24及び出力部25を備える装置として機能する。
【0058】
より具体的には、予後予測装置2は、プロセッサ93が記憶部24に記憶されているプログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ94に記憶させる。プロセッサ93が、メモリ94に記憶させたプログラムを実行することによって、予後予測装置2は、制御部21、通信部22、入力部23、記憶部24及び出力部25を備える装置として機能する。
【0059】
制御部21は、予後予測装置2が備える各機能部の動作を制御する。制御部21は、例えば予測対象の腫瘍の像を写す腫瘍画像データを取得する。制御部21は取得した腫瘍画像データに基づき予後予測情報を用いて予測対象の予後を予測する。以下、腫瘍画像データに基づき予後予測情報を用いて予測対象の予後を予測する処理を、予後予測処理という。
【0060】
予後予測処理は、前処理と、主処理とを含む。前処理は主処理の実行前に実行される。前処理は、腫瘍画像データに基づき1又は複数のグラフ腫瘍情報を生成する処理である。前処理は、例えば予め定められたグラフ量であって学習データ生成処理において定義されていたグラフ量の値を腫瘍画像データに基づき算出する処理である。前処理は、腫瘍画像データに基づき1又は複数のグラフ腫瘍情報を生成する処理であればどのような処理であってもよく、例えば学習データセット生成処理において実行されるグラフ腫瘍情報取得処理と同様の処理であってもよい。
【0061】
主処理は、前処理で得られたグラフ腫瘍情報に基づき、予後予測情報を用いて予測対象の予後を予測する処理である。主処理は、例えば前処理で得られたグラフ腫瘍情報に対して学習済みの予後予測学習モデルを実行する処理である。
【0062】
制御部21は、例えば予後予測処理の実行の結果を記憶部24に記録する。制御部21は、例えば通信部22の動作を制御する。
【0063】
通信部22は、予後予測装置2を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部22は、有線又は無線を介して外部装置と通信する。通信部22の通信先の外部装置は、例えば予後予測情報取得装置1である。通信部22は、例えば予後予測情報取得装置1との通信により、予後予測情報取得装置1が送信した予後予測情報を受信する。
【0064】
外部装置は、例えば腫瘍画像データの送信元の装置であってもよい。このような場合、通信部22は、腫瘍画像データの送信元の装置との間の通信によって、腫瘍画像データを受信する。外部装置は、例えば腫瘍画像の撮影装置である。腫瘍画像の撮影装置は、例えばCT装置である。腫瘍画像の撮影装置は、例えばMRI装置であってもよい。
【0065】
入力部23は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部23は、これらの入力装置を予後予測装置2に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部23は、予後予測装置2に対する各種情報の入力を受け付ける。入力部23には、例えば腫瘍画像データが入力されてもよい。
【0066】
記憶部24は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などのコンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部24は予後予測装置2に関する各種情報を記憶する。記憶部24は、例えば予後予測装置2が備える各機能部の動作を制御するプログラムを予め記憶する。記憶部24は、例えば予後予測情報を記憶する。記憶部24が記憶する予後予測情報は、予後予測情報取得装置1によって得られた予後予測情報である。記憶部24は、例えば予後予測装置2による予測の結果を記憶する。
【0067】
なお、腫瘍画像データは、必ずしも通信部22だけに入力される必要もないし、入力部23だけに入力される必要もない。腫瘍画像データは、通信部22と入力部23とのどちらから入力されてもよい。
【0068】
出力部25は、各種情報を出力する。出力部25は、例えばCRTディスプレイや液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。出力部25は、これらの表示装置を予後予測装置2に接続するインタフェースとして構成されてもよい。出力部25は、例えば入力部23に入力された情報を出力する。出力部25は、例えば通信部22又は入力部23に入力された腫瘍画像データが示す腫瘍画像を表示してもよい。出力部25は、例えば予後予測処理の実行結果を表示してもよい。
【0069】
図6は、実施形態における制御部21の機能構成の一例を示す図である。制御部21は、通信制御部210、入力制御部220、出力制御部230、入力データ取得部240、予後予測部250及び記憶制御部260を備える。
【0070】
通信制御部210は、通信部22の動作を制御する。入力制御部220は、入力部23の動作を制御する。出力制御部230は、出力部25の動作を制御する。
【0071】
入力データ取得部240は、通信部22又は入力部23に入力されたデータを取得する。入力データ取得部240は、例えば通信部22又は入力部23に入力された腫瘍画像データを取得する。入力データ取得部240は、例えば予め通信部22又は入力部23に腫瘍画像データが入力されており予め記憶部24に腫瘍画像データが記録済みの場合には、記憶部24から腫瘍画像データを読み出してもよい。
【0072】
予後予測部250は、入力データ取得部240が取得した腫瘍画像データに対して予後予測処理を実行する。予後予測処理の実行により予後予測部250は、被写体腫瘍を有する人又は動物(すなわち予測対象)の予後を予測する。
【0073】
予後予測部250は、前処理実行部251及び主処理実行部252を備える。前処理実行部251は、前処理を実行する。主処理実行部252は、主処理を実行する。予後予測部250による予後予測処理は、例えば入力データ取得部240が取得した腫瘍画像データに対して前処理実行部251が前処理を実行し、前処理実行部251が得たグラフ腫瘍情報に対して主処理実行部252が主処理を実行する処理である。入力データ取得部240が取得した腫瘍画像データが示す画像に写る腫瘍は推定対象の有する腫瘍である。そして、推定対象が有する腫瘍の像を示すグラフ腫瘍情報は入力データ取得部240が取得した腫瘍画像データに対して前処理が実行されることで得られる。そのため、このように予後予測部250は、推定対象が有する腫瘍の像を示すグラフ腫瘍情報に基づき推定対象の予後を予測する。
【0074】
記憶制御部206は、各種情報を記憶部24に記録する。
【0075】
図7は、実施形態における予後予測装置2が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。入力データ取得部240が推定対象の腫瘍の像を示す腫瘍画像データを取得する(ステップS201)。推定対象は、予後予測装置2による予後の予測の推定の対象である人又は動物である。次に、予後予測部250が、予後予測処理の実行により、推定対象の予後を予測する(ステップS202)。出力制御部230が出力部25の動作を制御することで、出力部25にステップS202で得られた予測の結果を表示させる(ステップS203)。
【0076】
<腫瘍画像とグラフ腫瘍情報との関係>
図8は、実施形態における腫瘍画像とグラフ腫瘍情報との関係の一例を説明する第1の説明図である。
図8は、画像G1、画像G2及び画像G3の3つの画像とその関係とを示す。
図8の画像G1は、腫瘍画像データが示す画像(すなわち腫瘍画像)の一例である。画像G1には、推定対象の胸の断面図が写っている。画像G1には、推定対象の腫瘍の断面図も写っている。画像G1における領域A1の画像が推定対象の腫瘍の断面図である。
【0077】
図8の画像G2は、領域A1に写る腫瘍を表現するグラフ理論における頂点の一例を領域A1の画像に重畳した図である。以下、説明の簡単のため、グラフ理論における頂点を、単に、頂点という。また以下、説明の簡単のため、グラフ理論における辺を、単に、辺という。また以下、説明の簡単のため、グラフ理論におけるグラフを、単に、グラフという。
【0078】
画像G2において頂点は領域A1の画像の画素ごとに1つ存在する。そのため、頂点の位置関係は画素の位置関係に同一である。画像G2が示す各頂点の色は領域A1の画像における対応する各画素の画素値を表す。領域A1の画像はグレースケール画像である。そのため、画像G2の頂点が表す画素値はスカラーである。画素値は、例えばCT値である。
【0079】
画像G3は、画像G2内の領域A2内に存在する頂点を示す。画像G3は、辺の一例を示す。辺は、頂点と頂点とを結ぶ。しかしながら、必ずしも全ての頂点と頂点との間に辺が存在するわけではない。
図8が示す辺は、辺が結ぶ頂点間の画素値の差の絶対値が所定の閾値以上の辺である。
【0080】
図8の例において頂点は、腫瘍画像の画素ごとに定義されている。しかしながら、頂点は必ずしも画素ごとに定義される必要は無い。頂点は、予め定義された単位画素ごとに定義されれば、画素ごとに定義される必要は無い。単位画素は、互いに隣接する1又は複数の画素の集まりである。単位画素は、例えば3×3の画素である。
【0081】
図8の例のように1つの頂点が1つの画素に対応する場合、頂点は対応する画素の画素値を表す。頂点が表す画素値は、画素指標値の一例である。画素指標値は、単位画素が含む各画素の画素値に関する予め定義された指標の値である。頂点が表す画素値は、頂点の重みの一例である。
【0082】
画素指標値は、画像がグレースケール画像やモノクロ画像等の画素値がスカラーの画像であって単位画素が1つの画素である場合には、例えば画素値そのものである。画素指標値は、画像がグレースケール画像やモノクロ画像等の画素値がスカラーの画像であって単位画素が複数の画素である場合には、単位画素が含む各画素の画素値の分布の統計量である。統計量は、代表値であってもよいし、散布度であってもよい。代表値は、例えば平均であってもよいし、中央値であってもよいし、最大値であってもよいし、最小値であってもよい。散布度は、例えば標準偏差である。
【0083】
画素指標値は、画像がカラー画像等の画素値が1階以上のテンソルで表現される画像であって単位画素が1つの画素である場合には、例えば画素値を表すテンソルを示すスカラーの指標である。画素値を表すテンソルを示すスカラーの指標は、例えばテンソルがベクトル(すなわち1階のテンソル)である場合には、例えばベクトルの大きさである。画素値を表すテンソルを示すスカラーの指標は、例えばテンソルが行列(すなわち2階のテンソル)である場合には、例えば行列式の値である。画素値を表すテンソルを示すスカラーの指標は、例えばテンソルが3階以上のテンソルである場合には、例えば各要素の2乗和である。頂点が表す画素指標値は、頂点の重みの一例である。
【0084】
このように頂点は腫瘍画像の単位画素ごとに定義された量である。そこで、グラフ量として頂点を用いるグラフ腫瘍情報は、各頂点についてそれぞれ対応する単位画素の腫瘍画像内における位置を示す情報(以下「単位画素位置情報」という。)、を含む。単位画素位置情報において各単位画素の腫瘍画像内における位置は、例えば各単位画素の重心の位置で示される。単位画素位置情報において各単位画素の腫瘍画像内における位置は、例えば各単位画素の所定の端部の位置で示されてもよい。
【0085】
なお、
図8では、辺が結ぶ頂点間の画素値の差の絶対値が所定の閾値以上の辺という条件を満たす辺だけが存在していた。すなわち、
図8の例では、グラフ腫瘍情報にはグラフ量として辺が含まれており、その辺は、頂点間の画素値の差の絶対値が所定の閾値以上の辺という条件を満たす辺であった。しかしながらグラフ腫瘍情報が含む辺は、必ずしも辺が結ぶ頂点間の画素値の差の絶対値が所定の閾値以上の辺という条件を満たす辺である必要は無い。
【0086】
グラフ腫瘍情報が含む辺は、辺の結ぶ2つの頂点の各画素指標値の違いが違いに関する所定の条件(以下「違い条件」という。)を満たす、という条件(以下「辺条件」という。)を満たせばどのようなものであってもよい。なお、グラフ腫瘍情報が含む辺とはグラフが有する辺である。違い条件は、例えば辺の結ぶ2つの頂点の各画素指標値の差の絶対値が所定の値以下という条件である。違い条件は、例えば辺の結ぶ2つの頂点の各画素指標値の比の大きさが所定の範囲内の大きさという条件であってもよい。辺の結ぶ2つの頂点の各画素指標値の違いは、辺の重みの一例である。
【0087】
以下説明の簡単のため、単位画素が1つの画素であり、画像がグレースケール画像であり、違い条件が辺の結ぶ2つの頂点の各画素指標値の差の絶対値が所定の値(以下「辺閾値」という。)以下という条件である場合を例に予後予測システム100を説明する。
【0088】
図9は、実施形態における腫瘍画像とグラフ腫瘍情報との関係の一例を説明する第2の説明図である。より具体的には
図9は、辺閾値を変化させた場合のグラフの変化の一例を示す図である。辺閾値は、最小が5HUであり最大が50HUであった。辺閾値としては、5HUから50HUまで5HU間隔で区切られた10個の値が用いられた。
【0089】
図9は、画像4-1、画像4-2、画像4-3、画像4-4、画像4-5を示す。画像4-1~画像4-5はいずれも同一の腫瘍画像を示すグラフである。
図9は画像4-1~画像4-5のグラフはトポロジーが異なることを示す。同一の腫瘍画像を示すにも関わらずトポロジーが異なるのは、辺閾値が異なるためである。
【0090】
より具体的には、画像4-1は辺閾値がB1である場合におけるグラフの一例である。画像4-2は辺閾値がB2である場合におけるグラフの一例である。値B2は値B1より大きな値である。画像4-3は辺閾値がB3である場合におけるグラフの一例である。値B3は値B2より大きな値である。画像4-4は辺閾値がB4である場合におけるグラフの一例である。値B4は値B3より大きな値である。画像4-5は辺閾値がB5である場合におけるグラフの一例である。値B5は値B4より大きな値である。
【0091】
図9は、辺閾値が大きくなるほど、得られるグラフは腫瘍内部の不均質な領域を表現することを示す。辺閾値が大きくなるほどグラフが腫瘍内部の不均質な領域を表現する理由は、辺閾値が大きくなるほど、CT値の差が大きい腫瘍内部の不均質な領域の情報だけを使いグラフを作成するためである。より具体的には、以下の理由による。すなわち、辺の重みが辺閾値以上である辺のみを有するグラフの場合、辺閾値が大きいほど、辺が結ぶ2つの頂点の一方の頂点の重みと他方の頂点の重みとの差が大きいグラフが得られる。そして、辺が結ぶ2つの頂点の一方の頂点の重みと他方の頂点の重みとの差が大きいほどグラフの表現する腫瘍内部は不均質である。したがって、辺閾値が大きくなるほど、得られるグラフは腫瘍内部の不均質な領域を表現する。
【0092】
<グラフ量の例>
グラフ量の例をより詳細に説明する。
図10は、実施形態におけるグラフ量の一例を説明する第1の説明図である。
図10は、合計25個の頂点を有するグラフを示す。
図10のグラフは25個の頂点が5×5の行列状に配置されたトポロジーを有するグラフである。
図10のグラフは、重み付きグラフであり、辺の太さは辺の重みを示す。辺が太いほど辺の重みが重いことを示す。
【0093】
グラフ量は、例えば頂点に関する量であってもよい。頂点に関する量は、例えばグラフが有する頂点の個数である。
図10の例の場合、頂点の個数を示すグラフ量の値は25である。以下、グラフが有する頂点の個数を、第1グラフ特徴量という。
【0094】
グラフ量は、例えば辺に関する量であってもよい。辺に関する量は、例えばグラフが有する辺の個数である。グラフが有する辺は、辺が結ぶ2つの頂点の各画素指標値の違いが違い条件を満たすという条件を満たす。グラフが有する辺は、例えば辺が結ぶ2つの頂点の画素値の違いの絶対値が辺閾値以上という条件を満たす。
【0095】
以下、説明の簡単のため、グラフが有する辺は、辺が結ぶ2つの頂点の画素値の違いの絶対値が辺閾値以上という条件を満たす場合を例に、予後予測システム100を説明する。以下、グラフが有する辺の個数を、第2グラフ特徴量という。
【0096】
辺に関する量は、例えばグラフが有する辺の重みの合計値であってもよい。以下、グラフが有する辺の重みの合計値を、第3グラフ特徴量という。辺に関する量は、例えばグラフが有する辺の重みのグラフ内の平均値であってもよい。以下、グラフが有する辺の重みのグラフ内の平均値を、第4グラフ特徴量という。辺に関する量は、例えばグラフが有する辺の重みのグラフ内の最大値であってもよい。以下、グラフが有する辺の重みのグラフ内の最大値を、第5グラフ特徴量という。
【0097】
辺に関する量は、例えばグラフが有する辺のうち重みと辺閾値との違いが所定の違い以下の辺の数であってもよい。重みと辺閾値との違いが所定の違い以下という条件は、例えば重みが辺閾値と同一という条件であってもよい。以下、グラフが有する辺のうち重みが辺閾値と同一という条件を満たす辺の数を、第6グラフ特徴量という。
【0098】
辺に関する量は、例えばグラフが有する辺のうち、重みと辺閾値との違いが所定の違いよりも大きな辺の数であってもよい。重みと辺閾値との違いが所定の違いよりも大きいという条件は、例えば重みが辺閾値より大きいという条件であってもよい。以下、グラフが有する辺のうち重みが辺閾値より大きいという条件を満たす辺の数を、第7グラフ特徴量という。
【0099】
グラフ量は、例えば次数に関する量であってもよい。次数に関する量は、例えばグラフ内の次数の合計値である。以下、グラフ内の次数の合計値を、第8グラフ特徴量という。次数に関する量は、例えばグラフ内の次数の平均値であってもよい。以下、グラフ内の次数の平均値を、第9グラフ特徴量という。
【0100】
図11は、実施形態におけるグラフ量の一例を説明する第2の説明図である。
図11は5×5のトポロジーを有するグラフを示す。
図11は頂点C1に接続された辺の数が2であることを示す。頂点C1には2つの辺が接続されているため、頂点C1の次数は2である。頂点C1に接続された2つの辺はそれぞれ、グラフが有する辺である。
【0101】
グラフ量は、上述したように、例えば最小全域木に関する量であってもよい。最小全域木に関する量は、例えば最小全域木の辺の重みの合計値である。以下、最小全域木の辺の重みの合計値を、第10グラフ特徴量という。最小全域木に関する量は、例えば最小全域木の辺の数であってもよい。以下、最小全域木の辺の数を、第11グラフ特徴量という。
【0102】
最小全域木に関する量は、最小全域木を構成する辺のうち重みが最大の辺の重み、であってもよい。以下、最小全域木を構成する辺のうち重みが最大の辺の重みを、第12グラフ特徴量という。最小全域木に関する量は、グラフが有する辺の数に対する最小全域木を構成する辺の数の割合であってもよい。以下、グラフが有する辺の数に対する最小全域木を構成する辺の数の割合を、第13グラフ特徴量という。
【0103】
グラフ量は、必ずしも1つの腫瘍画像から得られる量である必要は無い。グラフ量は、同一の腫瘍を異なる条件で撮影した複数の画像から得られてもよい。例えばグラフ量は、第1種個別グラフ量の値の合計値であってもよい。第1種個別グラフ量は、複数の断面図それぞれから得られる予め定義されたグラフ量である。複数の断面図は、同一の腫瘍の断面図であって例えば所定の方向の位置が異なる断面図である。所定の方向は、例えばアキシャル方向である。以下、第1種個別グラフ量の値の合計値を、第14グラフ特徴量という。
【0104】
グラフ量は、例えば第1種個別グラフ量の値の合計値を腫瘍の体積で割り算した量であってもよい。以下、第1種個別グラフ量の値の合計値を腫瘍の体積で割り算した量を、第15グラフ特徴量という。グラフ量は、例えば第1種個別グラフ量の値の合計値を断面図の枚数で割り算した量であってもよい。以下、第1種個別グラフ量の値の合計値を断面図の枚数で割り算した量を、第16グラフ特徴量という。
【0105】
グラフ量は、例えば複数の断面図それぞれについて得られるグラフが辺で接続された結果得られる3次元のグラフ(すなわち空間グラフ)に関する量であってもよい。複数の断面図は、同一の腫瘍の断面図であって例えば所定の方向の位置が異なる断面図である。所定の方向は、例えばアキシャル方向である。以下、複数の断面図それぞれについて得られるグラフが辺で接続された結果得られる3次元のグラフに関する量を、第17グラフ特徴量という。
【0106】
複数の断面図は、必ずしも空間的な位置が異なる複数の断面図である必要は無く、時間的な位置が異なる複数の断面図であってもよい。すなわち、複数の断面図は、同一の断面が互いに異なる複数の時刻で撮影された結果であってもよい。
【0107】
複数の断面図は、空間的な位置と時間的な位置とが異なる断面図であってもよい。
【0108】
グラフ量は、必ずしも1つのグラフから得られる量である必要は無い。グラフ量は、第2種個別グラフ量に基づいて得られる量であってもよい。第2種個別グラフ量は、同一の腫瘍画像を示す複数のグラフであって互いに辺閾値が異なる複数のグラフそれぞれから得られる予め定義されたグラフ量の集合である。
【0109】
グラフ量は、例えばグラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の傾きである。グラフ順序集合は、第2種個別グラフ量が含む各要素を辺閾値の大きさの順番に並べた順序集合である。以下、グラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の傾きを、第18グラフ特徴量という。
【0110】
図12は、実施形態におけるグラフ量の一例を説明する第3の説明図である。より具体的には、
図12は第2種個別グラフ量の一例を示す図である。
図12の横軸は辺閾値を示し、縦軸はグラフ量の値を示す。
図12の曲線L1の各辺閾値に対応する縦軸の値の順序集合が、グラフ順序集合の一例である。すなわち
図12の曲線L1は、グラフ順序集合の一例を表現する線である。辺閾値は、最小が1HUであり最大が50HUであった。辺閾値としては、1HUから50HUまで1HU間隔で区切られた50個の値が用いられた。
【0111】
グラフ量は、例えばグラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数のy切片の値であってもよい。以下、グラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数のy切片の値を、第19グラフ特徴量という。
【0112】
グラフ量は、例えばグラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数のピークの位置であってもよい。ピークの位置は具体的には、グラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数のピークの値に対応する辺閾値である。以下、グラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数のピークの位置を、第20グラフ特徴量という。
【0113】
グラフ量は、例えばグラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の尖度であってもよい。以下、グラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の尖度を、第21グラフ特徴量という。
【0114】
グラフ量は、例えばグラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の歪度であってもよい。以下、グラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の歪度を、第22グラフ特徴量という。
【0115】
グラフ量は、例えばグラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の四分位範囲であってもよい。以下、グラフ順序集合の辺閾値と各要素の値との関係を示す関数の四分位範囲を、第23グラフ特徴量という。
【0116】
<実験結果>
予後予測システム100を用いた予後の予測の実験の結果の一例を説明する。実験で使用された症例は、肺癌の放射線治療を受けた患者のうち除外項目に該当する症例を除いた合計304の非小細胞肺癌の症例であった。すなわち、実験では合計304の腫瘍画像が用いられた。実験で用いられた腫瘍画像のそれぞれは計画CT画像又はストラクチャデータであった。除外項目の症例は、小細胞肺癌の症例と、組織型が不明の症例と、GTVの輪郭が不足している症例とであった。
【0117】
実験では合計304の腫瘍画像の7割が学習モデルの学習に用いられた。すなわち合計304の腫瘍画像の7割である213例がトレーニングデータに含まれる情報として用いられた。実験では合計304の腫瘍画像の3割である91例が学習済みの学習モデルの予測の精度の検証に用いられた。すなわち合計304の腫瘍画像の3割がテストデータとして用いられた。ただし、学習に用いられる腫瘍画像のうち死亡した患者の腫瘍画像の死亡しなかった患者の腫瘍画像に対する割合と、検証に用いられる腫瘍画像のうち死亡した患者の腫瘍画像の死亡しなかった患者の腫瘍画像に対する割合と、は略同一であった。
【0118】
図13は、実施形態における実験を説明する第1の説明図である。より具体的には
図13は、実験で用いられた症例の詳細を示す図である。
図13は、実験で304人の患者の症例が用いられたことを示す。
図13は、患者の生存期間の中央値が598日であったことを示す。
図13は、患者の生存期間の範囲は1日から3364日であったことを示す。
【0119】
図13は、304人の患者の組織型の分布を示す。
図13は、304人のうちの135人については組織型が腺癌であったことを示す。
図13は、304人のうちの149人については組織型が扁平上皮癌であったことを示す。
図13は、304人のうちの7人については組織型が大細胞癌であったことを示す。
図13は、304人のうちの13人については組織型がNOS(not otherwise specified)であったことを示す。
【0120】
図13は、組織型が腺癌である患者の生存期間は中央値が562日であって範囲が1日から3364日であったことを示す。
図13は、組織型が扁平上皮癌である患者の生存期間は中央値が775日であって範囲が8日から3253日であったことを示す。
図13は、組織型が大細胞癌である患者の生存期間は中央値が540日であって範囲が279日から2875日であったことを示す。
図13は、組織型がNOSである患者の生存期間は中央値が967日であって範囲が77日から2562日であったことを示す。
【0121】
図13は、304人の患者の病期の分布を示す。
図13は、病期がステージIの患者は83人であったことを示す。
図13は、病期がステージIIの患者は25人であったことを示す。
図13は、病期がステージIIIの患者は146人であったことを示す。
図13は、病期がステージIVの患者は41人であったことを示す。
【0122】
図13は、病期がステージIの患者の生存期間は中央値が895日であって範囲が10日から3364日であったことを示す。
図13は、病期がステージIIの患者の生存期間は中央値が418日であって範囲が49日から2875日であったことを示す。
図13は、病期がステージIIIの患者の生存期間は中央値が677.5日であって範囲が19日から3302日であったことを示す。
図13は、病期がステージIVの患者の生存期間は中央値が208日であって範囲が9日から2824日であったことを示す。
【0123】
図14は、実施形態における実験を説明する第2の説明図である。より具体的には、
図14は、実験で用いられた腫瘍画像の一例を示す図である。実験では、治療計画で用いた計画CT画像からGTV(Gross tumor volume)の領域が抽出され、抽出されたGTVの領域の画像についてグラフ腫瘍情報が生成された。すなわち、実験では、腫瘍画像として計画CT画像に含まれるGTVの領域の画像が用いられた。
図14における枠W1で囲まれた領域がGTVの領域の画像の一例である。
【0124】
図15は、実施形態における実験を説明する第3の説明図である。より具体的には、
図15は、腫瘍画像からグラフ腫瘍情報が生成されるまでの実験で行われた処理の流れの一例の概要を説明する図である。実験では、患者の断面図が複数取得された。断面図はアキシャルの断面図であった。実験では取得された複数の各断面図についてGTVの領域の画像が抽出された。
【0125】
図15における“Slice:1”は、1枚目の断面図を意味する。
図15における“Slice:2”は、2枚目の断面図を意味する。
図15における“Last Slice”は、複数の断面図のうちの最後の断面図を意味する。
図15の症例において断面図の数は20であった。そのため、
図15における“Last Slice”は、20番目の断面図を意味する。
【0126】
実験では、各GTVの領域の画像ごとにグラフが生成された。実験では、グラフが示す辺に対して所定の閾値が設定された。実験では、設定された所定の閾値未満の辺が削除される処理が実行された。所定の閾値未満の辺が削除される場合、グラフ腫瘍情報は、辺を削除しない場合よりも高い精度で腫瘍内部の不均質を示す。
【0127】
実験では、辺の削除に用いる閾値は複数であった。具体的には、実験で用いられた辺閾値は、最小が5HUであり最大が50HUであった。そして実験で用いられた辺閾値としては、5HUから50HUまで5HU間隔で区切られた10個の値が用いられた。実験では、閾値ごとにグラフ量の値が取得される処理が各GTVの領域の画像について実行された。以下、閾値ごとにグラフ量の値が取得される処理を各GTVの領域の画像について実行する処理を、第1段階グラフ量取得処理という。
【0128】
実験では、第1段階グラフ量取得処理で取得されたグラフ量の和を取得し、GTVの体積で割り算する処理が実行された。以下、第1段階グラフ量取得処理で取得されたグラフ量の和を取得し、GTVの体積で割り算する処理を第2段階グラフ量取得処理という。
【0129】
実験では、第1段階グラフ量取得処理で取得されたグラフ量と第2段階グラフ量取得処理で取得されたグラフ量とが用いられた。実験では、合計127のグラフ量が用いられた。
【0130】
合計127のグラフ量は、具体的には第1グラフ特徴量から求めた第14グラフ特徴量、第2~第12グラフ特徴量から求めた第15グラフ特徴量、第18-1~第18-13グラフ特徴量、第19-1~第19-0グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量である第20グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量である第21グラフ特徴量の総計37種の分類のいずれかに分類される量であった。
【0131】
なお、第18-1~第18-13グラフ特徴量、第19-1~第19-10グラフ特徴量については後述する。実験では、このようにして得られた127のグラフ量の各値を示す情報がグラフ腫瘍情報として用いられた。
【0132】
実験では上述した37種のグラフ量を用いたにもかかわらず、実験で用いられたグラフ量の総数が127や159等の23より大きな値である理由について説明する。その理由は、実験で用いられたグラフ量は、必ずしも1種類の分類につき1つ、では無かったからである。例えば、実験において37種の分類の一部の分類は、複数の辺閾値についてそれぞれグラフ量が取得された。なお、実験において辺閾値の数は10であった。また、実験において37種の分類の一部の分類は、断面図ごとにグラフ量が取得された。
【0133】
断面の数が1枚である場合を例により具体的に理由を説明する。実験において、第1グラフ特徴量の数は、辺閾値によらず1であった。そのため、頂点に関するグラフ量の総数は1であった。第2グラフ特徴量~第4グラフ特徴量は、辺閾値ごとに取得された。第5グラフ特徴量の数は、辺閾値によらず1であった。第6グラフ特徴量及び第7グラフ特徴量は、辺閾値ごとに取得された。辺閾値の数が10であったため、辺に関するグラフ量の総数は51であった。
【0134】
第8グラフ特徴量及び第9グラフ特徴量は、辺閾値ごとに取得された。そのため、次数に関するグラフ量の総数は20であった。第10グラフ特徴量~第13グラフ特徴量は、辺閾値ごとに取得された。そのため、次数に関するグラフ量の数は40であった。
【0135】
第14グラフ特徴量は、第1グラフ特徴量について取得された。第15グラフ特徴量は、辺閾値ごとに取得された。
【0136】
第18グラフ特徴量は、第15グラフ特徴量ごとに取得された。第19グラフ特徴量は、第15グラフ特徴量ごとに取得された。第20グラフ特徴量は、第10グラフ特徴量から求めた第15グラフ特徴量より取得された。第21グラフ特徴量は、第10グラフ特徴量から求めた第15グラフ特徴量より取得された。第22グラフ特徴量は、第10グラフ特徴量から求めた第15グラフ特徴量より取得された。
【0137】
なお、実験では事前に、どれだけの種類のグラフ量を用いることが好ましいか、LASSO-cox回帰モデルを用いた検証が行われた。その結果、検証の対象とした合計159のグラフ量のうち、上述の合計127のグラフ量を用いることで、128以上のグラフ量を用いる場合以上の予測の精度が得られることが確認された。検証の対象のグラフ量には上述の合計127のグラフ量にくわえて、さらに、第13グラフ特徴量から求めた第15グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第2グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第2グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第7グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第7グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第6グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第6グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第6グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第4グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第4グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第3グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第9グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第9グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第8グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第8グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第13グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第13グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第13グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第13グラフ特徴量である第19グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第12グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第12グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第12グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量である第22グラフ特徴量が含まれていた。
【0138】
実験では、LASSO-cox回帰モデルを学習モデルとする学習が行われた。実験では、
図15に示す処理で取得されたグラフ腫瘍情報と予後情報との対が学習データセットとして学習に用いられた。実験における予後情報は、生存死亡の情報と生存期間とであった。
【0139】
このように、実験では、説明変数を
図15に示す処理で取得されたグラフ腫瘍情報とし目的変数を予後情報とする学習によりLASSO-cox回帰モデルを更新することで、予後予測情報が取得された。したがって、実験における予後予測情報は、
図15に示す処理で取得されたグラフ腫瘍情報と予後との関係を示す情報であった。実験における学習では、具体的には各グラフ量について係数を最適化する処理であった。したがってLASSO-cox回帰モデルは予後予測学習モデルの一例である。
【0140】
図16~
図19を用い、予後予測システム100における学習を、従来の技術と比較して説明する。比較対象の従来の技術は、107個のラジオミクス(Radiomics)特徴量を用いて予後を予測する技術であった。
【0141】
比較対象の従来技術の107個のラジオミクス特徴量のうちの14個の特徴量は、腫瘍の形又は大きさを表現する特徴量であった。比較対象の従来技術の107個のラジオミクス特徴量のうちの18個の特徴量は、腫瘍の画素値の分布を表現する特徴量であった。比較対象の従来技術の107個のラジオミクス特徴量のうちの75個の特徴量は、腫瘍の不均一性を表現する特徴量であった。
【0142】
より具体的には、比較対象の従来技術の特徴量のうち、腫瘍の形又は大きさを表現する特徴量は、一般にShapeと呼称される特徴量であった。比較対象の従来技術の特徴量のうち、腫瘍の画素値の分布を表現する特徴量は、一般にStatisticalと呼称される特徴量であった。比較対象の従来技術の特徴量のうち、腫瘍の不均一性を表現する特徴量は、一般にTextureと呼称される特徴量であった。
【0143】
比較対象の従来技術は、機械学習の方法により学習モデルを更新することで、107のラジオミクス特徴量と予後との関係を示す学習済みの学習モデルを取得する技術である。比較対象の従来技術は、学習により得た学習済みの学習モデルを用いて予後を予測する技術である。以下、比較対象の従来の技術における学習モデルを比較学習モデルという。
【0144】
図16は、実施形態における実験を説明する第4の説明図である。より具体的には、
図16は、トレーニングデータを予後予測システム100の予後予測学習モデルに入力し予後予測学習モデルの学習をおこなった結果の一例を示す第1の図である。
図16の縦軸は条件付きの確率の部分尤度(Partial Likelihood Deviance)を示す。
図16の横軸はLog Lambdaを示す。Log Lambdaはモデルの最適化に使うパラメータを意味する。モデルの最適化に使うパラメータとは具体的には、正則化係数を意味する。
【0145】
図16は、横軸の各値について条件付きの確率の部分尤度を示す。
図16の線L2-1は、予後予測システム100による予後の予測の結果の誤差を最小にした結果を示す。
図16の線L2-2は、予後予測システム100による予後の予測の結果の誤差が最小となる正則化係数を示す。予後の予測の結果の誤差とは、予後の予測の結果が誤りである度合である。
図16の枠W2で囲まれた各数値は、正則化係数を意味する。
【0146】
図17は、実施形態における実験を説明する第5の説明図である。より具体的には、
図17は、トレーニングデータを予後予測システム100の予後予測学習モデルに入力し予後予測学習モデルの学習をおこなった結果の一例を示す第2の図である。
図17の縦軸は係数(Coefficients)を示す。係数は具体的には、rad scoreの算出に用いる係数である。Rad scoreは、予後を示す指標である。Rad scoreは、値が高いほど予後が悪いことを示す。
図17の横軸はLog Lambdaを示す。Log Lambdaはモデルの最適化に使うパラメータを意味する。モデルの最適化に使うパラメータとは具体的には、正則化係数を意味する。すなわち、
図17は、各特徴量と正則化との関係を示す。なお実験における特徴量であって予後予測システム100における特徴量は、合計159のグラフ量である。
【0147】
なお、予後予測システム100における特徴量は、グラフ腫瘍情報を表現するグラフ量であればどのような量であってもよい。そのため、予後予測システム100における特徴量は、例えば上述又は後述の第1グラフ特徴量から第22グラフ特徴量のそれぞれであってもよい。
図17の例では、予後予測システム100における特徴量は、上述の合計159の各グラフ量であった。このように、予後予測システム100における特徴量は、グラフ腫瘍情報を表現するグラフ量であればどのような量であってもよく、使用される予後予測システム100における特徴量は予後予測システム100の適用場面に応じて定義された量であってよい。
【0148】
図17の線L3は、予後予測システム100による予後の予測の結果の誤差が最小となる正則化係数を示す。
図17の枠W3で囲まれた各数値は、正則化係数を意味する。なお、
図17の各グラフは予後予測学習モデルに入力された各グラフ量の係数を示す。そのため、同じ配色又は線種のグラフであっても(すなわち同一線上に存在するとしても)横軸の各点ごとに異なるグラフ量の係数を示す。
【0149】
図18は、実施形態における実験を説明する第6の説明図である。より具体的には、
図18は、トレーニングデータを従来の技術の比較学習モデルに入力し比較学習モデルの学習をおこなった結果の一例を示す第1の図である。
図18の縦軸は条件付きの確率の部分尤度(Partial Likelihood Deviance)を示す。
図18の横軸はLog Lambdaを示す。Log Lambdaは正則化係数を意味する。
【0150】
図18は、横軸の各値について条件付きの確率の部分尤度を示す。
図18の点線L4-1は、学習済みの比較学習モデルによる予後の予測の結果の誤差を最小にした結果を示す。
図18の線L4-2は、学習済みの比較学習モデルによる予後の予測の結果の誤差が最小となる正則化係数を示す。
図18の枠W4で囲まれた各数値は、正則化係数を意味する。
【0151】
図19は、実施形態における実験を説明する第7の説明図である。より具体的には、
図19は、トレーニングデータを従来の技術の比較学習モデルに入力し比較学習モデルの学習をおこなった結果の一例を示す第2の図である。
図19の縦軸は係数(Coefficients)を示す。係数は具体的には、rad scoreの算出に用いる係数である。
図19の横軸はLog Lambdaを示す。Log Lambdaは正則化係数を意味する。
【0152】
図19の線L5は、学習済みの比較学習モデルによる予後の予測の結果の誤差が最小となる正則化係数を示す。
図19の枠W5で囲まれた各数値は、正則化係数を意味する。なお、
図19の各グラフは予後予測学習モデルに入力された各グラフ量の係数を示す。そのため、同じ配色又は線種のグラフであっても(すなわち同一線上に存在するとしても)横軸の各点ごとに異なるグラフ量の係数を示す。
【0153】
図16及び
図17の結果と
図18及び
図19の結果とは、予後予測システム100による予後の予測の結果の誤差が従来の技術による予後の予測の結果の誤差よりも収束することを示す。予後予測システム100による予後の予測の結果の誤差が従来の技術による予後の予測の結果の誤差よりも収束するため、予後予測システム100は従来の技術よりも有用である。
【0154】
図20は、実施形態における実験を説明する第8の説明図である。
図20の表における“グラフ理論の特徴量”の行は、実験において予後予測システム100で用いられたグラフ量に関する情報を示す。
図20の表における“従来の特徴量”の行は、実験において従来の技術で用いられたラジオミクス特徴量に関する情報を示す。
図20の表における“選択された特徴量”の列は、実験において予後予測システム100で選択された特徴量(グラフ量)と、比較学習モデルで選択された特徴量とを示す。
図20の表における“係数”の列は、実験で用いられた学習済みの予後予測学習モデルにおいて選択された特徴量の各重みと、実験で用いられた学習済みの比較学習モデルにおいて選択された特徴量の各重みと、を示す。
【0155】
図20の“頂点_頂点の個数”は、グラフ量が第1グラフ特徴量であることを意味する。
図20の“辺_しきい値と同じ値を持つ辺の個数_しきい値10”は、グラフ量が第6グラフ特徴量であることを意味する。
図20の“ヒストグラム_しきい値と同じ値を持つ辺の個数_近似曲線y切片”は、グラフ量が、第2種個別グラフ量が含む各要素が第2グラフ特徴量である第19グラフ特徴量、であることを意味する。
図20の表は、“頂点_頂点の個数”のグラフ量の重みが5.259×10
-6であったことを示す。
図20の表は、“辺_しきい値と同じ値を持つ辺の個数_しきい値10”のグラフ量の重みが9.591×10
-2であったことを示す。
図20の表は、“ヒストグラム_しきい値と同じ値を持つ辺の個数_近似曲線y切片”のグラフ量の重みが3.532であったことを示す。
【0156】
図20の表は、Maximum2DDiameterRow/shapeの重みが9.924×10
-3であったことを示す。
図20の表は、ZoneVariance/glszmの重みが1.917×10
-7であったことを示す。
図20の表は、Complexity/ngtdmの重みが7.173×10
-5であったことを示す。Maximum2DDiameterRow/shapeの定義はサジタル面における腫瘍表面の頂点間の最大のペアワイズユークリッド距離である。ZoneVariance/glszmの定義は同じ画素値を持つ隣接したボクセルの大きさのばらつきである。Complexity/ngtdmの定義はある階調値と一定の距離内の隣接階調との平均階調値の差を数値化した行列の複雑さである。
【0157】
図21及び
図22を用いて、予後が相対的に良い腫瘍の像の一例と予後が相対的に悪い腫瘍の像の一例とを示す。
【0158】
図21は、実施形態における実験を説明する第9の説明図である。より具体的には、
図21は、予後が
図22の示す腫瘍よりも良い腫瘍の像の一例を示す図である。
図21は画像G5と画像G6とを示す。画像G5は、予後が
図22の示す腫瘍よりも良い腫瘍の像の一例である。画像G6は、画像G5に示す腫瘍のグラフの一例である。
【0159】
実験では、画像G5に示す腫瘍に対するラッドスコアであって予後予測システム100によって得られたラッドスコアは0.45であった。一方、実験では、画像G5に示す腫瘍に対するラッドスコアであって従来の技術によって得られたラッドスコアは0.94であった。
【0160】
図22は、実施形態における実験を説明する第10の説明図である。より具体的には、
図22は、予後が
図21の示す腫瘍よりも悪い腫瘍の像の一例を示す図である。
図22は画像G7と画像G8とを示す。画像G7は、予後が
図21の示す腫瘍よりも悪い腫瘍の像の一例である。画像G8は、画像G7に示す腫瘍のグラフの一例である。
【0161】
実験では、画像G7に示す腫瘍に対するラッドスコアであって予後予測システム100によって得られたラッドスコアは0.80であった。0.80は、0.45の1.8倍である。一方、実験では、画像G7に示す腫瘍に対するラッドスコアであって従来の技術によって得られたラッドスコアは1.08であった。1.08は0.94の1.1倍である。このように実験では、予後予測システム100によって得られたラッドスコアの方が従来の技術によって得られたラッドスコアよりも明確に腫瘍の状態の変化を示した。
【0162】
また、
図21と
図22とは、相対的に予後の悪い腫瘍の方が相対的に予後の良い腫瘍よりも腫瘍内部が不均質になっていることを示す。
図21と
図22とは、グラフ内の辺の密度は、相対的に予後の悪い腫瘍の方が高いことを示す。このように、
図21と
図22とは、腫瘍のグラフを表示することで予後予測システム100のユーザが視覚的に予後を推測可能であることを示す。
【0163】
そのため、予後予測装置2が備える出力部25は被写体腫瘍のグラフを表示してもよい。出力部25が被写体腫瘍のグラフを表示することで、予後予測装置2はユーザに視覚的に予後を推測可能にする効果を奏する。
【0164】
図23及び
図24を用いて、Kaplan-Meier曲線を用いた評価に関して予後予測システム100の奏する効果を説明する。実験では、予めテストデータを予後予測装置2に入力することで、テストデータごとにラッドスコアが得られた。実験では得られたラッドスコアの分布の中央値を境にして、ラッドスコアが中央値よりも低いテストデータ(以下「低スコアデータ」という。)とラッドスコアが中央値以上のテストデータ(以下「高スコアデータ」という。)とにテストデータが分類された。
【0165】
実験では、低スコアデータの集合と高スコアデータの集合との間で生存期間に有意差が有るか否かがKaplan-Meier曲線を用いて評価された。実験では、Kaplan-Meier曲線を用いた生存期間の有意差の有無の評価が、予後予測システム100で得られたラッドスコアと従来の技術で得られたラッドスコアとについてそれぞれで実行された。
【0166】
図23は、実施形態における実験を説明する第11の説明図である。より具体的には
図23は、予後予測システム100で得られたラッドスコアについてKaplan-Meier曲線を用いた生存期間の有意差の有無の評価の結果を示す図である。
図23の横軸は生存期間を示す。
図23の縦軸は生存確率を示す。
図23の“Low Risk”の線は低スコアデータの集合の生存曲線を示す。
図23の“High Risk”の線は高スコアデータの集合の生存曲線を示す。
図23の結果については、Kaplan-Meier曲線におけるp値が0.004であった。
【0167】
図24は、実施形態における実験を説明する第12の説明図である。より具体的には
図24は、従来の技術で得られたラッドスコアについてKaplan-Meier曲線を用いた生存期間の有意差の有無の評価の結果を示す図である。
図24の横軸は生存期間を示す。
図24の縦軸は生存確率を示す。
図24の“Low Risk”の線は低スコアデータの集合の生存曲線を示す。
図24の“High Risk”の線は高スコアデータの集合の生存曲線を示す。
図24の結果については、Kaplan-Meier曲線におけるp値が0.03であった。
【0168】
図23と
図24とは、予後予測システム100が従来の技術と同様にKaplan-Meier曲線を用いた生存期間の有意差を示すことができることを示す。
【0169】
実験では、予後の予測の精度をC-indexを用いて評価することも行われた。C-indexは予後の予測の精度の指標であり、1に近いほど予測の精度が高く、0.5に近いほど予測の精度が低いことを示す指標である。
【0170】
実験では、テストデータを用いてC-indexが算出された。実験では、予後予測システム100による予測の精度に関して、C-indexの値は0.679であり、Log-rank検定におけるp値は0.004であった。実験では、従来の技術による予測の精度に関して、C-indexの値は0.625であり、Log-rank検定におけるp値は0.01であった。このように、実験では、予後予測システム100による予測の精度の方が従来の技術による予測の精度よりも高いことが示された。
【0171】
このように構成された実施形態の予後予測情報取得装置1は、グラフ腫瘍情報を用いてグラフ腫瘍情報と予後との関係を示す情報である予後予測情報を取得する。そのため、予後予測情報取得装置1は腫瘍疾患を患う患者の予後予測の精度を向上させることができる。
【0172】
このように構成された実施形態の予後予測装置2は、グラフ腫瘍情報を用いてグラフ腫瘍情報と予後との関係を示す情報である予後予測情報を用いて予後を予測する。そのため、予後予測装置2は腫瘍疾患を患う患者の予後予測の精度を向上させることができる。
【0173】
このように構成された実施形態の予後予測システム100は、グラフ腫瘍情報を用いてグラフ腫瘍情報と予後との関係を示す情報である予後予測情報を取得する。そのため、予後予測システム100は腫瘍疾患を患う患者の予後予測の精度を向上させることができる。また、予後予測システム100は、グラフ腫瘍情報を用いてグラフ腫瘍情報と予後との関係を示す情報である予後予測情報を用いて予後を予測する。そのため、予後予測システム100は腫瘍疾患を患う患者の予後予測の精度を向上させることができる。
【0174】
(変形例)
なお、グラフ量は、例えば腫瘍画像を複数の領域に区分した結果の領域ごとに得られるグラフ量を頂点の重みとするグラフから得られるグラフ量であってもよい。
【0175】
図25は、変形例におけるグラフ量の一例を説明する説明図である。
図25は、腫瘍画像をK1~K9の9つの領域に区分することを示す。
図25は、K1~K9の各領域についてグラフが生成されることと、生成されたグラフから得られたグラフ量を重みとする頂点を有するグラフが生成されることとを示す。
【0176】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第1グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のC-indexは0.657であった。また、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.085であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.05であった。
【0177】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第5グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のC-indexは0.632であった。また、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.644であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.01であった。
【0178】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第2グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.557であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.030であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.328であった。
【0179】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第7グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.546であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.046であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.135であった。
【0180】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第6グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.685であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.000であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.010であった。
【0181】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第4グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.641であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.118であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.044であった。
【0182】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第3グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.415であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.328であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.349であった。
【0183】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.490であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.293であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.517であった。
【0184】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.479であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.390であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.875であった。
【0185】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.665であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.001であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.006であった。
【0186】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.636であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.118であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.108であった。
【0187】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.403であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.447であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.180であった。
【0188】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.431であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.896であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.780であった。
【0189】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.424であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.990であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.780であった。
【0190】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.589であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.021であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.459であった。
【0191】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.631であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.112であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.118であった。
【0192】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.387であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.575であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.156であった。
【0193】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.606であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.687であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.243であった。
【0194】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.612であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.643であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.078であった。
【0195】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.524であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.187であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.799であった。
【0196】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.631であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.115であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.118であった。
【0197】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.375であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.660であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.156であった。
【0198】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.629であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.498であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.016であった。
【0199】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.633であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.486であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.007であった。
【0200】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.464であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.933であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.854であった。
【0201】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.629であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.117であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.118であった。
【0202】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.369であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.700であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.063であった。
【0203】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.641であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.445であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0204】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.640であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.467であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0205】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.611であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.139であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.117であった。
【0206】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.629であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.122であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.118であった。
【0207】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.363であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.696であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.021であった。
【0208】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.644であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.480であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0209】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.647であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.484であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0210】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.606であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.460であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.317であった。
【0211】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.627であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.153であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.118であった。
【0212】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.364であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.651であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.021であった。
【0213】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.645であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.530であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0214】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.646であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.553であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0215】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.643であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.128であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.031であった。
【0216】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.628であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.157であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.118であった。
【0217】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.363であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.598であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.022であった。
【0218】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.625であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0219】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.661であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.015であった。
【0220】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.663であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.054であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.029であった。
【0221】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.628であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.166であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.048であった。
【0222】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.365であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.527であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.038であった。
【0223】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第2グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.643であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.756であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.012であった。
【0224】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第7グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.641であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.784であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.012であった。
【0225】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第6グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.667であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.051であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.007であった。
【0226】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第4グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.626であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.177であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.048であった。
【0227】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第3グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.369であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.450であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.038であった。
【0228】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第9グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.632であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.047であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.077であった。
【0229】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第8グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.557であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.030であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.328であった。
【0230】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.041であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.040であった。
【0231】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.490であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.293であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.517であった。
【0232】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.652であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.039であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.031であった。
【0233】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.431であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.896であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.780であった。
【0234】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.659であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.039であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.058であった。
【0235】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.606であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.687であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.243であった。
【0236】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.663であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.040であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.047であった。
【0237】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.629であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.498であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.016であった。
【0238】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.671であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.042であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.049であった。
【0239】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.641であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.445であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0240】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.675であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.046であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.049であった。
【0241】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.644であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.480であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0242】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.674であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.050であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.049であった。
【0243】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.645であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.530であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0244】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.673であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.059であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.049であった。
【0245】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.625であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0246】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第9グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.671であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.072であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.049であった。
【0247】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第8グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.643であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.756であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.012であった。
【0248】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第10グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.408であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.551であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.244であった。
【0249】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第12グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.644であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.249であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.024であった。
【0250】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第11グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.619であった。また、このような場合であって辺閾値の値が5HUの場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.009であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.033であった。
【0251】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.446であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.320であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.710であった。
【0252】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.640であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.247であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.017であった。
【0253】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は10HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.560であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.037であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.430であった。
【0254】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.425であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.753であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.260であった。
【0255】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.640であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.207であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.009であった。
【0256】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は15HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.496であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.405であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.697であった。
【0257】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.611であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.682であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.188であった。
【0258】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.177であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.009であった。
【0259】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は20HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.577であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.749であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.369であった。
【0260】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.633であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.356であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.030であった。
【0261】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.640であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.170であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.009であった。
【0262】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は25HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.616であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.287であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.085であった。
【0263】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.643であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.256であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0264】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.165であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.009であった。
【0265】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は30HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.636であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.165であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.006であった。
【0266】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.649であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.211であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.015であった。
【0267】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.641であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.181であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.048であった。
【0268】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は35HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.643であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.139であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.005であった。
【0269】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.650であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.204であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.015であった。
【0270】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.641であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.164であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.050であった。
【0271】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は40HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.649であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.131であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.015であった。
【0272】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.646であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.217であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.015であった。
【0273】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.640であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.165であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.039であった。
【0274】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は45HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.649であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.146であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.015であった。
【0275】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第10グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.260であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.017であった。
【0276】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第12グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.156であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.039であった。
【0277】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量が第11グラフ特徴量だけである場合、辺閾値の値は50HUであってもよい。このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.642であった。また、このような場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.185であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.015であった。
【0278】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第2グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-1グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第2グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-1グラフ特徴量という。なお、1次項の傾きとは、グラフ量から作成されたヒストグラムに対して3次関数の多項式で近似をした際に得られる関数の1次関数の項の傾きである。なお、ヒストグラムは縦軸がグラフ量の値を示し横軸が辺閾値を示すヒストグラムである。
【0279】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-1グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.683であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.001であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.002であった。
【0280】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-1グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.617であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.005であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.095であった。
【0281】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第7グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-2グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第7グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-2グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第6グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-3グラフ特徴量という。
【0282】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-2グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.682であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.001であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.004であった。
【0283】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-2グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.600であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.007であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.282であった。
【0284】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-3グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.682であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.000であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.008であった。
【0285】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第4グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-3グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第4グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-4グラフ特徴量という。
【0286】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-3グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.623であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.269であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.093であった。
【0287】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-4グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.650であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.134であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.059であった。
【0288】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第3グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-4グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第3グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-5グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第3グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-5グラフ特徴量という。
【0289】
なお、3次項の傾きとは、グラフ量から作成されたヒストグラムに対して3次関数の多項式で近似をした際に得られる関数の3次関数の項の傾きである。なお、2次項の傾きとは、グラフ量から作成されたヒストグラムに対して3次関数の多項式で近似をした際に得られる関数の2次関数の項の傾きである。
【0290】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-4グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.541であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.322であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.678であった。
【0291】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-5グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.612であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.018であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.137であった。
【0292】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-5グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.428であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.218であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.595であった。
【0293】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第9グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-6グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第9グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-6グラフ特徴量という。
【0294】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-6グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.592であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.121であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.426であった。
【0295】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-6グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.627であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.051であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.096であった。
【0296】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第8グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-7グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第8グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-7グラフ特徴量という。
【0297】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-7グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.683であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.001であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.002であった。
【0298】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-7グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.617であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.005であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.095であった。
【0299】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-8グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-9グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-10グラフ特徴量という。
【0300】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-8グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.653であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.002であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.046であった。
【0301】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-9グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.637であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.004であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.064であった。
【0302】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-10グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.581であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.034であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.223であった。
【0303】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-8グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第12グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-9グラフ特徴量という。
【0304】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-8グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.622であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.958であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.016であった。
【0305】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-9グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.647であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.293であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.039であった。
【0306】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第11グラフ特徴量であって傾きが3次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-11グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第11グラフ特徴量であって傾きが2次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-12グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第11グラフ特徴量であって傾きが1次項の傾きである第18グラフ特徴量を第18-13グラフ特徴量という。
【0307】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-11グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.576であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.216であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.336であった。
【0308】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-12グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.533であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.973であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.439であった。
【0309】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第18-13グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.599であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.008であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.042であった。
【0310】
以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第11グラフ特徴量である第19グラフ特徴量を第19-10グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量である第20グラフ特徴量を第20-1グラフ特徴量という。以下、第2種個別グラフ量が含む各要素が第10グラフ特徴量である第21グラフ特徴量を第21-1グラフ特徴量という。
【0311】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第19-10グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.665であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.002であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.001であった。
【0312】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第20-1グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.618であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.808であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.079であった。
【0313】
なお、予後予測システム100が用いるグラフ量は、第21-1グラフ特徴量だけであってもよい。このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば、予後予測システム100のC-indexは0.577であった。また、このような場合であって辺閾値の数が50の場合、上述の91例のテストデータを用いた実験によれば予後予測システム100のLog-rank検定におけるp値は0.958であり、予後予測システム100のKaplan-Meier曲線におけるp値は0.716であった。
【0314】
なお、予後予測情報取得装置1は必ずしも学習データセット生成処理を実行する必要は無い。このような場合、予後予測情報取得装置1には、処理前学習データセットに代えて学習データセットが入力される。そしてこのような場合、学習データセット取得部104は、処理前学習データセットに基づき学習データセットを生成する処理の実行に代えて通信部12又は入力部13に入力された学習データセットを取得する処理を実行する。学習データセット取得部104は、予め記憶部14に学習データセットが記録済みの場合には記憶部14から学習データセットを読み出すことで学習データセットを取得してもよい。
【0315】
なお、予後予測装置2は必ずしも前処理を実行する必要は無い。このような場合、予後予測装置2には、腫瘍画像データに代えてグラフ腫瘍情報が入力される。そしてこのような場合、入力データ取得部240は腫瘍画像データの取得に代えてグラフ腫瘍情報を取得する。そして入力データ取得部240がグラフ腫瘍情報を取得する場合、予後予測部250は、前処理を実行せず主処理を実行する。入力データ取得部240は、予め記憶部24にグラフ腫瘍情報が記録済みの場合には記憶部24からグラフ腫瘍情報を読み出すことでグラフ腫瘍情報を取得してもよい。
【0316】
なお、予後予測情報取得装置1は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、予後予測情報取得装置1が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0317】
なお、予後予測装置2は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、予後予測装置2が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0318】
なお、予後予測情報取得装置1と予後予測装置2とは必ずしも異なる装置として実装される必要は無い。予後予測情報取得装置1と予後予測装置2とは1つの装置で実装されてもよい。
【0319】
なお、予後予測システム100は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、予後予測システム100が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。
【0320】
なお、予後予測システム100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0321】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0322】
100…予後予測システム、 1…予後予測情報取得装置、 2…予後予測装置、 11…制御部、 12…通信部、 13…入力部、 14…記憶部、 15…出力部、 101…通信制御部、 102…入力制御部、 103…出力制御部、 104…学習データセット取得部、 105…モデル実行部、 106…更新部、 107…終了判定部、 108…記憶制御部、 21…制御部、 22…通信部、 23…入力部、 24…記憶部、 25…出力部、 210…通信制御部、 220…入力制御部、 230…出力制御部、 240…入力データ取得部、 250…予後予測部、 251…前処理実行部、 252…主処理実行部、 260…記憶制御部、 91…プロセッサ、 92…メモリ、 93…プロセッサ、 94…メモリ