(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156531
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221006BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221006BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F3/12 324
G06F3/12 303
G06F3/12 388
H04N1/00 127A
B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060272
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 歩実
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ08
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ01
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC34
(57)【要約】
【課題】画像形成装置の基本機能の一部を含む処理をサーバーが代替実行することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成システム100は、画像形成装置15と、処理用サーバー16とを備える。処理用サーバー16は、画像形成装置15のソフトウェア処理のうちローカルから切り離すことができない特定ソフト処理を除く全ての処理を画像形成装置15に代わって実行する。特定ソフト処理は、画像形成装置15の内蔵ハードウェアのための入出力ドライバーの処理を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
前記画像形成装置のソフトウェア処理のうちローカルから切り離すことができない特定ソフト処理を除く全ての処理を前記画像形成装置に代わって実行する処理用サーバーと
を備えた、画像形成システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記処理用サーバーとの間でデータ送受信を実行する、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記特定ソフト処理は、前記画像形成装置の内蔵ハードウェアのための入出力ドライバーの処理を含む、請求項1又は請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記特定ソフト処理は、ネットワークを介した通信制御の処理を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザーのパソコンと複合機とが直接接続されていなくとも、ネットワークからユーザーの印刷したい画像を複合機から印刷するための技術が記載されている。また、特許文献2には、複合機のジョブデータの処理を外部サーバーで処理する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-228428号公報
【特許文献2】特開2011-253428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の技術では、複合機の付加的な機能をサーバーで実行することに留まっていた。
【0005】
本発明は、画像形成装置の基本機能の一部を含む処理をサーバーが代替実行することができる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成システムは、画像形成装置と、処理用サーバーとを備える。前記処理用サーバーは、前記画像形成装置のソフトウェア処理のうちローカルから切り離すことができない特定ソフト処理を除く全ての処理を前記画像形成装置に代わって実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置の基本機能の一部を含む処理をサーバーが代替実行することができる画像形成システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】画像形成装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
まず、
図1を参照して、実施形態に係る画像形成システム100について説明する。
図1は、画像形成システム100の構成の一例を示す斜視図である。
【0011】
図1に示されるように、画像形成システム100は、第1サイトS1と、第2サイトS2とを備える。第1サイトS1と第2サイトS2との間にファイアウォールFWが設けられる。
【0012】
第1サイトS1は、ローカルネットワーク10と、ウェブサーバー11と、メールサーバー12と、共有フォルダ13と、クライアント端末14と、画像形成装置15と、処理用サーバー16とを有する。ウェブサーバー11、メールサーバー12、共有フォルダ13、クライアント端末14、画像形成装置15、及び処理用サーバー16は、ローカルネットワーク10を介して互いに接続されている。画像形成装置15は、処理用サーバー16との間でデータ送受信を実行する。
【0013】
第2サイトS2は、インターネット20と、遠隔管理端末21と、処理用サーバー22とを有する。遠隔管理端末21及び処理用サーバー22は、インターネット20を介して互いに接続されている。インターネット20は、ファイアウォールFWを通る通信路Cを介して、ローカルネットワーク10に接続されている。
【0014】
次に、
図1及び
図2を参照して、画像形成装置15のハードウェア構成について説明する。
図2は、画像形成装置15のハードウェア構成の一例を示す図である。画像形成装置15は、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ、又はこれらの機能を兼ね備えた複合機である。以下では、画像形成装置15がモノクロ複合機である実施形態について説明する。
【0015】
図2に示されるように、画像形成装置15は、読取部1と、給送部2と、搬送部3と、画像形成部4と、定着部5と、排出部6とを備える。
【0016】
読取部1は、原稿Gの画像を読み取る。読取部1は、読み取った画像から画像データを生成する。給送部2は、複数のシートSを収容し、搬送部3へシートSを給送する。シートSは、例えば紙製又は合成樹脂製である。搬送部3は、複数の搬送ローラー対を含み、画像形成部4にシートSを搬送する。
【0017】
画像形成部4は、電子写真方式によってシートSにトナー像を形成する。画像形成部4は、感光体ドラムと、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写装置と、クリーニング装置と、除電装置とを含む。トナー像は、例えば原稿Gの画像を示す。定着部5は、トナー像を加熱及び加圧して、トナー像をシートSに定着させる。搬送部3は、トナー像の定着されたシートSを排出部6に搬送する。排出部6は、画像形成装置15の外部にシートSを排出する。
【0018】
次に、
図1~
図3を参照して、画像形成装置15のソフトウェア構成110について説明する。
図3は、画像形成装置15のソフトウェア構成110の一例を示す図である。
【0019】
図3に示されるように、ソフトウェア構成110は、基本ソフトウェア(OS:Operating System)30と、通信・ネットワークソフト40と、コンテンツ処理ソフト50と、アプリケーション拡張ソフト60と、ユーザーインターフェースソフト70と、運用管理ソフト80と、認証・承認・課金ソフト90とを有する。
【0020】
基本ソフトウェア30は、入出力ドライバー・シリアル・パラレル・USB(Universal Serial Bus)・ディスクソフト31と、ファイルシステム・データベースソフト32と、ジョブ制御ソフト33と、時刻ソフト34と、暗号・乱数ソフト35とを含む。
【0021】
通信・ネットワークソフト40は、ネットワークサービス提供ソフト41と、遠隔管理・制御ソフト42と、通信制御ソフト43とを含む。
【0022】
コンテンツ処理ソフト50は、画像形式圧縮ソフト51と、文字符号形式ソフト52と、フォント形式ソフト53と、画像識別認識ソフト54と、電子証明書ソフト55とを含む。
【0023】
アプリケーション拡張ソフト60は、組込みブラウザー61と、DB・検索インデックスソフト62と、拡張アプリ実行ソフト63とを含む。
【0024】
ユーザーインターフェースソフト70は、投入・取出ソフト71と、操作・表示ソフト72と、ドキュメントソフト73とを含む。
【0025】
運用管理ソフト80は、設定・構成ソフト81と、停止・開始ソフト82と、稼働記録ソフト83と、保守・交換・修理ソフト84と、自己診断ソフト85とを含む。
【0026】
認証・承認・課金ソフト90は、認証利用者/管理者ソフト91と、制限・許可ソフト92と、計数課金ソフト93と、監査記録ソフト94とを含む。
【0027】
図3に示されたソフトウェア構成110のうち、ローカルから切り離すことができない特定ソフト処理に該当するソフトウェアは、次の5個である。まず、基本ソフトウェア30に属するソフトウェアのうち、入出力ドライバー・シリアル・パラレル・USB・ディスクソフト31、ファイルシステム・データベースソフト32、及び暗号・乱数ソフト35は、特定ソフト処理に該当する。また、通信・ネットワークソフト40に属するソフトウェアのうち、ネットワークサービス提供ソフト41及び通信制御ソフト43も、特定ソフト処理に該当する。
【0028】
入出力ドライバー・シリアル・パラレル・USB・ディスクソフト31は、ハードウェアの認識及びデータ取得のため、特定ソフト処理とされる。ファイルシステム・データベースソフト32は、画像形成装置15を稼働させることに必要であるため、特定ソフト処理とされる。暗号・乱数ソフト35は、セキュリティ面から特にローカルで取り扱うべき機能であるため、特定ソフト処理とされる。ネットワークサービス提供ソフト41は、ローカルネットワーク10からの要求を処理・応答することに必要であるため、特定ソフト処理とされる。通信制御ソフト43は、種々の通信規格に従った制御に必要であるため、特定ソフト処理とされる。
【0029】
例えば、入出力ドライバー・シリアル・パラレル・USB・ディスクソフト31は、画像形成部4及び定着部5のような画像形成装置15の内蔵ハードウェアのための入出力ドライバーの処理を含む。通信制御ソフト43は、ローカルネットワーク10を介した通信制御の処理を含む。
【0030】
処理用サーバー16は、特定ソフト処理を除く全ての処理を、画像形成装置15に代わって実行する。すなわち、処理用サーバー16は、ジョブ制御ソフト33、時刻ソフト34、及び遠隔管理・制御ソフト42を画像形成装置15に代わって実行する。また、処理用サーバー16は、コンテンツ処理ソフト50、アプリケーション拡張ソフト60、ユーザーインターフェースソフト70、運用管理ソフト80、及び認証・承認・課金ソフト90を画像形成装置15に代わって実行する。
【0031】
例えば、読取部1が読み取った原稿Gの画像データは、画像形成装置15から処理用サーバー16へ送信される。処理用サーバー16は、印刷前段階までデータ処理を実行する。画像形成装置15は、処理用サーバー16からデータ処理の結果を受け取り、データ処理の結果に基づいて画像形成等の処理を実行する。データの機密性を問わない場合には、ローカルネットワーク10に接続された処理用サーバー16に代えて、インターネット20に接続された処理用サーバー22を利用することも可能である。
【0032】
実施形態によれば、画像形成装置15の基本機能の一部を含む処理を処理用サーバー16が代替実行することができる画像形成システム100が提供される。具体的には、実施形態によれば、画像形成装置15から切り離すことができるソフトウェア処理を処理用サーバー16が完全に代替処理することにより、画像形成装置15のコストの低下、処理データやログの管理、データ運用、及びメンテナンス・アップデートの簡易化、適切なストレージ容量の提供、ソフトウェア処理の実行機構の個体差による不具合の減少等を、より優れた状態で実現することができる。
【0033】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
実施形態では、画像形成装置15が電子写真方式であった。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置15はインクジェット方式でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、画像形成システムの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
10 :ローカルネットワーク
15 :画像形成装置
16 :処理用サーバー
20 :インターネット
22 :処理用サーバー
30 :基本ソフトウェア
40 :通信・ネットワークソフト
100 :画像形成システム