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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156583
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】植物栽培装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 18/60 20180101AFI20221006BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A01G18/60
A01G9/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060356
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】595013863
【氏名又は名称】株式会社たつみ産業
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】庭山 宏治
【テーマコード(参考)】
2B011
2B029
【Fターム(参考)】
2B011AA07
2B011CA02
2B011CA03
2B011CA12
2B011CA13
2B011CA15
2B011CA18
2B011DA01
2B029AA10
2B029AB10
2B029BA01
2B029BB06
2B029BB08
2B029BC20
(57)【要約】
【課題】年間を通して温度変化が少なく、安定的に低ランニングコストで作物を吊棚を用いて栽培できるコンクリート製の植物栽培装置を得る。
【解決手段】略四角筒状の複数個のコンクリート部材の空洞部同士が連通するように並設し、空洞部同士が連通したトンネル状の栽培室が形成されている。
内ねじを有するナットから成る複数個の埋込部材が、側壁部の内面の所定位置に縦横に等間隔で埋設され、天井部の内面にも同様の複数個の埋込部材が埋設されている。埋込部材には、取付部材を螺合して、吊下部材10として使用する。側壁部の同じ高さの吊下部材10同士に支持棒22を固定し、この支持棒22に吊棚21を固定している。吊棚21は載置板21aを有する略浅箱状とされ、背面板21bを上下の支持棒22にフック21cにより掛止している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略四角筒状のコンクリート部材の空洞部の内面を2つの側壁部、底面部、天井部とし、前記底面部を下にして複数個の前記コンクリート部材を連結した連結体を構設し、内部の連通した前記空洞部を栽培室とした植物栽培装置であって、
前記栽培室の少なくとも前記側壁部の内面に複数個の吊下部材を取り付け、前記側壁部には前記吊下部材を用いて作物育成用の吊棚を構設したことを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】
前記天井部の内面に前記吊下部材を取り付け、前記天井部の前記吊下部材を用いて、加湿手段、加温手段、照明手段を配置したことを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】
前記コンクリート部材を前記空洞部同士が連通するように連結し、前記栽培室をトンネル状としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の植物栽培装置。
【請求項4】
前記コンクリート部材の前記底面部に排水溝を配置したことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の植物栽培装置。
【請求項5】
前記吊下部材は前記空洞部の内面に埋設したことを特徴とする請求項1~4の何れか1つの請求項に記載の植物栽培装置。
【請求項6】
前記吊下部材は前記空洞部の内面に埋設した埋込部材と、該埋込部材に螺合又は溶接した取付部材とから成ることを特徴とする請求項1~4の何れか1つの請求項に記載の植物栽培装置。
【請求項7】
前記吊棚は前記側壁部に沿って前記吊下部材により吊り下げることを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の植物栽培装置
【請求項8】
前記連結体の端部の前記コンクリート部材内を、前記栽培室の湿度、温度を制御する装置を備えた電気機械室とし、他の前記コンクリート部材内を前記栽培室としたことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の植物栽培装置。
【請求項9】
前記天井部の吊下部材を介して噴霧器、加熱器、電灯を取り付け、これらの配管、電線を前記天井部に沿って前記吊下部材により吊設することを特徴とする請求項2~8の何れか1項に記載の植物栽培装置。
【請求項10】
前記電気機械室の入口に入口扉を設け、前記電気機械室と前記栽培室との境界に仕切扉を設けたことを特徴とする請求項8又は9に記載の植物栽培装置。
【請求項11】
前記入口扉、前記仕切扉に換気ファンを設けたことを特徴とする請求項10に記載の植物栽培装置。
【請求項12】
前記連結体の上部に太陽光パネルを配置し、該太陽光パネルにより発電した電力により前記加温手段、前記加湿手段、前記照明手段を作動することを特徴とする請求項2~11の何れか1項に記載の植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート構造物から成り、例えばキクラゲ、シメジ、ナメコ、舞茸、椎茸等のキノコ類や、もやし等の農作物を栽培する植物栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キノコ類の栽培には、暗く湿気の多い個所が好適とされており、自然界においては森林や山林中で栽培が多く行われている。
【0003】
ビニールハウスや、軽金属で構設した農業用ハウスを用いてキノコ類の栽培もされているが、これらのハウスを用いるには、例えば遮光カーテンを必要とする。また、ハウスを用いた栽培の場合に、外気温の関係により好適に栽培できる時期は年1回程度と限られている。また、暖房により強制的にハウス内を調温し、栽培期間を拡げることもできるが、断熱効果が少ないため暖房費等の余分なコストが掛かってしまう。更には、気温の変動に応じたハウス内の湿度の管理が難しい。
【0004】
また、上述のハウスを用いた場合には、昨今の地球温暖化の影響により巨大台風の発生数が増加傾向にあり、このような台風が直撃するとハウスの倒壊が免れない。
【0005】
このような課題から、特許文献1には、コンクリート製の底部のない門型のコンクリート製構造物を用いたキノコ類栽培システムが開示されている。
【0006】
この特許文献1に示す門型のコンクリート製構造物は、幅3m×内高2.5m×有効長1.5mmで厚みが0.25mのコンクリートから成る構造体とされ、1個が数トンの重量を有している。
【0007】
このような門型のコンクリート製構造物を複数個連結して、栽培用トンネルを形成して使用する。このコンクリート製構造物によるキノコ類栽培装置によれば、台風等の被害も少なく、太陽光も入光せず、年間を通して温度変化が少なく、湿度調整が容易であることから、季節に拘わらずキノコ類を生育するための理想的な環境が得られ、任意の時期にキノコ類を収穫することがきる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2020-103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に示す門型のコンクリート製構造物は、この構造物の重量を2辺の門部分の辺部のみで支えるので、大重量のコンクリート製構造物に対する荷重に耐え得る土台を備える必要がある。従って、このような重量物を載置する場合には、鉄筋を含む強固な基礎部を設ける必要があり、大掛かりな基礎工事が必要となる。
【0010】
この強固な基礎部がないと、経年等によりコンクリート製構造物が沈下したり、傾いたり、コンクリート製構造物同士の継ぎ目が拡大して内部で雨漏りしたり、外気が侵入する原因となる。
【0011】
本発明の目的は、基礎工事が簡便で済み、年間を通して内部の温度変化が少なく、安定的に低ランニングコストで農作物を栽培することができるコンクリート製の植物栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明に係る植物栽培装置は、略四角筒状のコンクリート部材の空洞部の内面を2つの側壁部、底面部、天井部とし、前記底面部を下にして複数個の前記コンクリート部材を連結した連結体を構設し、内部の連通した前記空洞部を栽培室とした植物栽培装置であって、前記栽培室の少なくとも前記側壁部の内面に複数個の吊下部材を取り付け、前記側壁部には前記吊下部材を用いて作物育成用の吊棚を構設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る植物栽培装置によれば、耐久性が大きく、天候不順や台風等の気象状況による影響を受け難く、例えばキノコ類を栽培する場合においては、季節に拘らず安定した生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例のコンクリート部材の斜視図である。
図2】連結体の斜視図である。
図3】埋設した埋設部材の説明図である。
図4】埋設した埋設部材に取付部材を螺合した吊下部材の説明図である。
図5】電気機械室の説明図である。
図6】栽培室の説明図である。
図7】吊棚の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は実施例に係るコンクリート部材1の斜視図であり、このコンクリート部材1は工場においてプレキャストで製作され、鉄筋を埋め込んだ略四角筒状の形状とされている。そして、これらのコンクリート部材1を連結することにより植物栽培装置が構成される。
【0016】
このコンクリート部材1は、土木工事等で暗渠として広く使用され、ボックスカルバートと称されている既知の構造物を主体としている。個々のコンクリート部材1の大きさは、例えば内高2.2m、内幅2.2m、有効長1.5m、厚みが0.2mで、重量は数トンとされ、耐久性が極めて大きい。
【0017】
コンクリート部材1は両側の側壁部2、2、底面部3、天井部4から成り、内部は空洞部5とされている。コンクリート部材1の4隅の隅角部には補強のために、直角三角形状の一辺が0.2mの補強部6が設けられており、更に底面部3と両側の補強部6との間の2個所には、奥行方向に2条の排水溝7が製造時に特注して形成されている。コンクリート部材1内の空洞部5の大きさは、人間が空洞部5内で作業する場合に支障がない大きさとされている。
【0018】
また、図3に示すように例えば内ねじを有するナットから成る金属製又は合成樹脂製の複数個の埋込部材8が、コンクリート部材1の製造時に特注で側壁部2、2の内面に縦横に例えば等間隔で埋設されている。
【0019】
更に、天井部4の内面にも、同様の複数個の所定位置に埋込部材8が埋設されている。これらの埋込部材8に図4に示すように金属製又は合成樹脂製の取付部材9を螺合や溶接することで、吊下部材10として使用する。
【0020】
側壁部2、2及び天井部4に取り付け可能な吊下部材10は、少なくとも側壁部2の水平方向に沿って1段分設けられていればよく、栽培方法等に応じて側壁部2に複数段、及び天井部4に対して適宜に設けることができる。
【0021】
また、埋込部材8の代りに、取付部材9を側壁部2、2、天井部4に吊下部材10として直接に埋設することもできる。取付部材9の形状は、図4に示す環体の他にも、例えばL字状等の鉤部材であってもよい。
【0022】
この植物栽培装置は図2に示すように、コンクリート部材1の底面部3を下にして、複数個のコンクリート部材1を連結した連結体11として地面上に配置されている。このコンクリート部材1を設置するには、先ず地面上に砕石を敷き、稍々一方側に勾配を付した例えば2本のコンクリート製や木製のレールを、コンクリート部材1の配列方向に沿って並べる。その後に、空練りモルタルをレール間に多めに注入し、定規でならしてレールと同じ高さとして、基礎工事をする。
【0023】
コンクリート部材1を1個ずつクレーン等で吊り上げて、レール上に載置しながら、コンクリート部材1に予め形成されている雌雄嵌合構造を利用して、先置コンクリート部材1に連結し固定してゆく。コンクリート部材1の配列数は5~10数個程度が好ましいが、使用の途中で生産規模の拡大、縮小に伴って、増減することができる。
【0024】
特許文献1の門型の建造物と比較すると、本実施例のコンクリート部材1は側壁部2、2、天井部4と共に、底面部3が一体に製造されているので、この底面部3によりコンクリート部材1全体の荷重を支持できることから、従来のような大掛かりな基礎工事を必要としない。
【0025】
複数個のコンクリート部材1を空洞部5同士、排水溝7同士が連通するように、コンクリート部材1の端部に予め形成されている雌雄嵌合構造を用いて連結体11とする。この場合に必要に応じて、コンクリート部材1同士を連結金具12により連結して連結を補強してもよい。この連結により、連結体11の内部に空洞部5同士が連通したトンネル状の栽培室13が形成される。なお、排水溝7同士をも連通して、排水が排出できるようにする。この場合に、コンクリート部材1同士の間隙には例えばモルタル等を充填して閉封し、排水溝7同士の連結部からも漏水がないようにする。
【0026】
このようなコンクリート部材1による栽培室13は、コンクリートによる断熱性のために、夏期においても温度はさほど上昇せず、冬季においても大きく冷え込むことはないので、多少の温度制御を行えば季節を問わず、ほぼ一定の温度とすることができる。更には、太陽光の入射が殆どないので、湿度を高める工夫をすれば、キノコ類の栽培に好適な場が得られる。
【0027】
図2に示すように、コンクリート部材1の連結体11の端部には入口扉14が設けられ、その奥には栽培室13の出入口となる図5に示す仕切扉15が設けられている。この仕切扉15は最端のコンクリート部材1と次のコンクリート部材1との間に設けることが工事上好都合である。
【0028】
また、入口扉14と仕切扉15との間の最先のコンクリート部材1内の空洞部5を、植物栽培装置の電気機械室16とすることが好適であり、その場合に電気機械室16を作業用材料の置場としても利用できる。なお、連結体11の端部のコンクリート部材1との境界以外のコンクリート部材1には、仕切扉15を設ける必要はない。
【0029】
電気機械室16には、栽培室13内の換気手段、加湿手段、加温手段、照明手段のための電源設備関係の制御盤17、ミスト発生装置18等がボルトを用いて埋込部材8に固定されている。また必要に応じて、栽培室13に対する冷暖房が可能な空調設備を設けてもよい。この電気機械室16は仕切扉15により、湿度が大きい栽培室13内の環境から切り離されているので、電気機械室16内の電気設備等の故障を少なくすることができる。
【0030】
栽培室13は入口扉14と仕切扉15との二重閉止とされており、作業者が仕切扉15から栽培室13内に出入りしても、栽培室13内の環境が大きく変化することはない。
【0031】
入口扉14、仕切扉15には、作物の出し入れ、作業員の出入りのための扉の他に、栽培室13、電気機械室16内の換気に使用される換気ファン19が設けられている。なお、連結体11の他端部は、必要に応じて入口扉などにより閉塞されており、この入口扉にも換気ファン19を設けることが好ましい。
【0032】
図6に示すように、栽培室13の側壁部2、2に埋設された埋込部材8、取付部材9から成る吊下部材10を利用して、両側の側壁部2、2に沿って、作物育成用の複数段の吊棚21が構設されており、これらの吊棚21上には例えばキノコの菌床を載置する。栽培室13の中央部には通路が設けられており、この通路は両側の吊棚21に対する作業空間としても使用される。
【0033】
吊棚21の構設については、本実施例では同じ高さの吊下部材10同士に金属製の支持棒22を固定し、この支持棒22に図7に示すような吊棚21を水平状に固定している。吊棚21は載置板21aを有する略浅箱状とされ、背面板21bを支持棒22にフック21cにより掛止している。吊棚21内には、地震などで菌床が移動しないように仕切21dが設けられている。また必要に応じて、吊棚21の先端を、側壁部2、2の上部の吊下部材10、或いは天井部4の吊下部材10からワイヤ21eにより吊り下げてもよい。なお、この吊棚21の構造や、吊下部材10による吊設方法には、種々の手段が適用可能である。
【0034】
構設する吊棚21の段数、つまり吊棚21同士の上下方向の間隙は、栽培する作物の種類、作業性に応じて、適宜に選択することができる。
【0035】
特許文献1のように門型コンクリート製構造物によると、棚板状に組み立てた栽培ラックを床面から壁に沿って配置できる。しかし、本実施例で使用するコンクリート部材1は、側壁部2、2と底面部3との間に補強部6が設けられているので、底面部3から側壁部2、2に沿って栽培ラック等を配置することは困難である。
【0036】
このため、側壁部2、2、天井部4の吊下部材10を利用して吊棚21を吊設することにより、側壁部2、2に沿って吊棚21を配置し、無駄な空間を少なくすることができる。また、このような吊棚21によれば、作業者の足下には何も存在しないので、足廻りの自由度があり、作業がし易くなる。
【0037】
このように、空洞部5から成る栽培室13の側壁部2、2には吊棚21が配置される。一方で天井部4には、天井部4に配置した吊下部材10を利用してミスト発生装置18に接続した加湿手段の噴霧器23、加温手段の電熱ヒータ24、扇風機25、照明手段の電灯26が設けられ、これらの手段に接続する配管、配線等が天井部4の吊下部材10を用いて吊設されている。
【0038】
特許文献1では、加熱器は床部に配置され、ファン等は栽培ラックの上部に設けられているが、本実施例では天井部4の吊下部材10を利用して取り付けているので、空間を有効に利用できる。
【0039】
栽培室13内の適宜の個所には、湿度センサ、温度センサを設置し、栽培室13内の湿度、温度が目標値に従って湿度むら、温度むらが生じないように、電気機械室16内の制御盤17の制御装置により電熱ヒータ24、扇風機25を制御すれば、ほぼ無人運転が可能となる。また、栽培室13内にテレビカメラを設置すると、遠隔地においても植物栽培装置内の作物の生長を監視することができる。
【0040】
このような栽培室13において、キノコ類を栽培する場合には、ミスト発生装置18や噴霧器23等の加湿手段を用いて、栽培室13全体にミストを噴霧することにより、キノコ類の栽培に適した環境とすることができる。
【0041】
この植物栽培装置において、栄養源を混合した培地にキノコ菌を植え付けたボックス状の菌床を吊棚21上に載置し、噴霧器23からミストを噴霧して栽培室13を多湿状態とする。電灯26は主として作業者の作業のためにあるが、光合成する植物を栽培する場合には、電灯26の照明制御により光合成を促進させることができる。
【0042】
湿度が飽和状態になり、天井部4、側壁部2、2等に結露した水分は、側壁部2、2を伝わって排水溝7に集中し、傾斜し連通した排水溝7を介して植物栽培装置の外部に排出される。
【0043】
更に、例えば連結体11の上部に、太陽光パネルを設置し、発電した電力を蓄電池に蓄電して使用すれば、商用電力が得られず、上下水道もない地価の安価な山地等においても、この植物栽培装置を設置することもできる。太陽光パネルにより発電した電力により、加湿のために井戸や川から水を汲み上げたり、換気手段、加湿手段、加温手段、照明手段を電気的に作動させることが可能である。また、排水は蒸発装置、浸透装置を使用することができる。
【0044】
本実施例においては、主にキノコ類の栽培について説明したが、湿度、温度、照明を調整すれば、暗室を好むもやし等の野菜、果物を季節に拘らず栽培が可能となる。
【符号の説明】
【0045】
1 コンクリート部材
2 側壁部
3 底面部
4 天井部
5 空洞部
6 補強部
7 排水溝
8 埋込部材
9 取付部材
10 吊下部材
11 連結体
13 栽培室
14 入口扉
15 仕切扉
16 電気機械室
21 吊棚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7