(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156649
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
A47C 7/74 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A47C7/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060451
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】三好 晃
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大貴
【テーマコード(参考)】
3B084
【Fターム(参考)】
3B084JA02
3B084JA05
3B084JA08
(57)【要約】
【課題】着座者の快適感を高めることができるとともに、操作を行いやすくすることができるシートを提供する。
【解決手段】シート(ソファS)は、座部クッション100と、背もたれクッション200と、下部支持部310および後部支持部320を有するベース部SBと、ブロアと、着座者がブロアを操作するための操作部20とを備える。座部クッション100は、下部支持部310に対して着脱可能であり、背もたれクッション200は、後部支持部320に対して着脱可能である。座部クッション100および背もたれクッション200は、ブロアにより形成される気流が通過するクッション通気路であって、着座者に向けて開口する通気開口131,231を有するクッション通気路を有する。操作部20は、ベース部SBの、座部クッション100の左および右の少なくとも一方に位置し、座部クッション100よりも上に突出するアームレストSAに設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部クッションと、
背もたれクッションと、
前記座部クッションを下から支持する下部支持部、および、前記背もたれクッションを後ろから支持する後部支持部を有するベース部と、
ブロアと、
着座者が前記ブロアを操作するための操作部と、を備え、
前記座部クッションは、前記下部支持部に対して着脱可能であり、
前記背もたれクッションは、前記後部支持部に対して着脱可能であり、
前記座部クッションおよび前記背もたれクッションの少なくとも一方は、前記ブロアにより形成される気流が通過するクッション通気路であって、着座者に向けて開口する通気開口を有するクッション通気路を有し、
前記操作部は、前記ベース部の、
左もしくは右の側面、
または、
前記座部クッションの左および右の少なくとも一方に位置し、前記座部クッションよりも上に突出する側部、
に設けられていることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記通気開口は、前記座部クッションまたは前記背もたれクッションの左右中央から左または右に所定以上の間隔をあけた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記ベース部は、前記側部を有し、
前記側部は、前記ブロアにより形成される気流が通過する側部通気路であって、着座者に向けて開口する側部通気路を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記ブロアは、前記ベース部の内部に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート。
【請求項5】
前記ベース部は、前記ブロアと前記クッション通気路とを連通させる第1ベース部通気路を有し、
前記第1ベース部通気路および前記クッション通気路の一方は、端部に筒状部を有し、
前記クッション通気路と前記第1ベース部通気路は、前記筒状部が、前記第1ベース部通気路および前記クッション通気路の他方に入り込むことで接続されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート。
【請求項6】
前記ベース部は、前記ブロアと前記クッション通気路とを連通させる第1ベース部通気路を有し、
前記第1ベース部通気路は、前記クッション通気路に向けて開口する第1開口を有し、
前記クッション通気路は、前記第1ベース部通気路に向けて開口する第2開口を有し、
前記クッション通気路と前記第1ベース部通気路は、前記第1開口と前記第2開口が向かい合うことで連通することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート。
【請求項7】
前記ベース部は、前記ベース部の外部と前記ブロアとを連通させる第2ベース部通気路であって、前記ベース部の下部で後方に向けて開口する第2ベース部通気路を有することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のシート。
【請求項8】
前記ブロアに電力を供給するための電線を備え、
前記ベース部は、前記側部を有し、
前記電線は、前記側部から後方に引き出されていることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のシート。
【請求項9】
前記ブロアに電力を供給するための電線を備え、
前記電線は、前記ベース部の左右中央部から後方に引き出されていることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のシート。
【請求項10】
前記ブロアは、前記通気開口から着座者に向けて空気を吹き出すように設けられ、
シートは、着座者に向けて空気を吹き出す位置、および、着座者に向けて空気を吹き出す向きの少なくとも一方を変更可能な変更機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のシート。
【請求項11】
前記操作部は、前記変更機構を操作可能であることを特徴とする請求項10に記載のシート。
【請求項12】
前記操作部は、前記変更機構を操作するための操作スイッチであって、十字状に配置された4つのスイッチからなる操作スイッチを有することを特徴とする請求項11に記載のシート。
【請求項13】
前記ベース部は、前記側部を有し、
前記側部は、アームレストであり、
前記操作部は、前記アームレストの上面に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人が座る座部と背もたれを有するシートに関する。
【背景技術】
【0002】
座部と背もたれを有するシートとして、家庭用のソファやアームチェア、乗物用のシートなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シートは、シートに座った者(着座者)の快適感を高めることができるものであることが望ましい。また、シートは、必要な操作を行いやすいことが望ましい。
【0005】
そこで、本発明は、着座者の快適感を高めることができるシートを提供することを目的とする。
また、操作を行いやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するためのシートは、座部クッションと、背もたれクッションと、前記座部クッションを下から支持する下部支持部、および、前記背もたれクッションを後ろから支持する後部支持部を有するベース部と、ブロアと、着座者が前記ブロアを操作するための操作部と、を備え、前記座部クッションは、前記下部支持部に対して着脱可能であり、前記背もたれクッションは、前記後部支持部に対して着脱可能であり、前記座部クッションおよび前記背もたれクッションの少なくとも一方は、前記ブロアにより形成される気流が通過するクッション通気路であって、着座者に向けて開口する通気開口を有するクッション通気路を有し、前記操作部は、前記ベース部の、左もしくは右の側面、または、前記座部クッションの左および右の少なくとも一方に位置し、前記座部クッションよりも上に突出する側部、に設けられていることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、座部クッションや背もたれクッションから空気を吹き出す、または、吸い込むことができるので、着座者の快適感を高めることができる。また、操作部がベース部の側面または側部に設けられていることで、操作を行いやすくすることができる。
【0008】
前記したシートにおいて、前記通気開口は、前記座部クッションまたは前記背もたれクッションの左右中央から左または右に所定以上の間隔をあけた位置に設けられている構成とすることができる。
【0009】
これによれば、通気開口を座部クッションや背もたれクッションの左右中央から左右に離れた位置に設けることができるので、着座者によって通気開口が塞がれるのを抑制することができる。これにより、座部クッションや背もたれクッションからの空気の吹き出し、または、吸い込みを良好に行うことができるので、着座者の快適感を高めることができる。
【0010】
前記したシートにおいて、前記ベース部は、前記側部を有し、前記側部は、前記ブロアにより形成される気流が通過する側部通気路であって、着座者に向けて開口する側部通気路を有する構成とすることができる。
【0011】
これによれば、側部からも空気を吹き出す、または、吸い込むことができる。これにより、着座者の快適感をより高めることができる。
【0012】
前記したシートにおいて、前記ブロアは、前記ベース部の内部に配置されている構成とすることができる。
【0013】
前記したシートにおいて、前記ベース部は、前記ブロアと前記クッション通気路とを連通させる第1ベース部通気路を有し、前記第1ベース部通気路および前記クッション通気路の一方は、端部に筒状部を有し、前記クッション通気路と前記第1ベース部通気路は、前記筒状部が、前記第1ベース部通気路および前記クッション通気路の他方に入り込むことで接続される構成とすることができる。
【0014】
前記したシートにおいて、前記ベース部は、前記ブロアと前記クッション通気路とを連通させる第1ベース部通気路を有し、前記第1ベース部通気路は、前記クッション通気路に向けて開口する第1開口を有し、前記クッション通気路は、前記第1ベース部通気路に向けて開口する第2開口を有し、前記クッション通気路と前記第1ベース部通気路は、前記第1開口と前記第2開口が向かい合うことで連通する構成とすることができる。
【0015】
前記したシートにおいて、前記ベース部は、前記ベース部の外部と前記ブロアとを連通させる第2ベース部通気路であって、前記ベース部の下部で後方に向けて開口する第2ベース部通気路を有する構成とすることができる。
【0016】
これによれば、第2ベース部通気路の、外部に開く開口をシートの目立たない位置に配置することができる。
【0017】
前記したシートは、前記ブロアに電力を供給するための電線を備え、前記ベース部は、前記側部を有し、前記電線は、前記側部から後方に引き出されている構成とすることができる。
【0018】
前記したシートは、前記ブロアに電力を供給するための電線を備え、前記電線は、前記ベース部の左右中央部から後方に引き出されている構成とすることができる。
【0019】
前記したシートにおいて、前記ブロアは、前記通気開口から着座者に向けて空気を吹き出すように設けられ、シートは、着座者に向けて空気を吹き出す位置、および、着座者に向けて空気を吹き出す向きの少なくとも一方を変更可能な変更機構をさらに備える構成とすることができる。
【0020】
これによれば、空気を吹き出す位置や空気を吹き出す向きを変更できることで、着座者の快適感をより高めることができる。
【0021】
前記したシートにおいて、前記操作部は、前記変更機構を操作可能である構成とすることができる。
【0022】
これによれば、着座者が操作部を操作することにより、着座者の好みに応じて空気を吹き出す位置や空気を吹き出す向きを変更することができるので、着座者の快適感をより一層高めることができる。
【0023】
前記したシートにおいて、前記操作部は、前記変更機構を操作するための操作スイッチであって、十字状に配置された4つのスイッチからなる操作スイッチを有する構成とすることができる。
【0024】
前記したシートにおいて、前記ベース部は、前記側部を有し、前記側部は、アームレストであり、前記操作部は、前記アームレストの上面に設けられている構成とすることができる。
【0025】
これによれば、操作をより行いやすくすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、着座者の快適感を高めることができる。また、操作を行いやすくすることができる。
【0027】
また、通気開口を座部クッションや背もたれクッションの左右中央から左または右に所定以上の間隔をあけた位置に設けることで、着座者の快適感を高めることができる。
【0028】
また、ベース部の側部に着座者に向けて開口する側部通気路を設けることで、着座者の快適感をより高めることができる。
【0029】
また、第2ベース部通気路をベース部の下部で後方に向けて開口する構成とすることで、第2ベース部通気路の、外部に開く開口をシートの目立たない位置に配置することができる。
【0030】
また、変更機構を設けることで、着座者の快適感をより高めることができる。
【0031】
また、操作部によって変更機構を操作可能な構成とすることで、着座者の快適感をより一層高めることができる。
【0032】
また、操作部をアームレストの上面に設けることで、操作をより行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】実施形態に係るシートの一例としてのソファを示す斜視図である。
【
図3】クッション通気路とクッション通気路に関連する構成を示す断面図である。
【
図4】側部通気路と側部通気路に関連する構成を示す断面図である。
【
図5】座部クッションの正面図(a)と、背もたれクッションの正面図(b)である。
【
図6】第1実施形態におけるクッション通気路と第1ベース部通気路の接続を説明するための断面図である。
【
図8】電線がアームレストから引き出された構成を示す斜視図(a)と、電線がベース部の左右中央部から引き出された構成を示す斜視図(b)である。
【
図9】第2実施形態におけるクッション通気路と第1ベース部通気路の接続を説明するための断面図(a),(b)である。
【
図10】第3実施形態のソファを示す断面図である。
【
図12】第3実施形態の変更機構の動作を示す断面図(a),(b)である。
【
図13】第4実施形態のソファを示す断面図である。
【
図14】第4実施形態の変更機構の動作を示す断面図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、第1実施形態について説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、着座者から見た、前後、左右、上下を基準とする。
図1に示すように、実施形態に係るシートは、家庭用の2人掛けのソファSとして構成されている。ソファSは、シート本体S0と、側部の一例としてのアームレストSAと、ヘッドレストSHとを備える。シート本体S0は、人が座る座部S1と、背もたれS2とを有する。
【0035】
図2に示すように、座部S1は、2つの座部クッション100と、座部クッション100を下から支持する下部支持部310とを有して構成されている。2つの座部クッション100は、左右に並んだ状態で配置されている。座部クッション100は、下部支持部310の上に置かれて使用されるものであり、下部支持部310に対して着脱可能である。
【0036】
背もたれS2は、2つの背もたれクッション200と、背もたれクッション200を後ろから支持する後部支持部320とを有して構成されている。2つの背もたれクッション200は、左右に並んだ状態で配置されている。背もたれクッション200は、後部支持部320の前に置かれて使用されるものであり、後部支持部320に対して着脱可能である。
【0037】
アームレストSAは、座部S1の左および右にそれぞれ位置し、座部S1よりも上に突出している。詳しくは、左のアームレストSAは、左の座部クッション100の左に位置し、右のアームレストSAは、右の座部クッション100の右に位置している。そして、各アームレストSAは、下部支持部310の上に置かれた状態(
図1参照)の座部クッション100の上面よりも上に突出している。
【0038】
アームレストSAは、座部S1および背もたれS2(シート本体S0)に対して着脱可能である。詳しくは、アームレストSAは、下部支持部310および後部支持部320に対して着脱可能である。アームレストSAは、シート本体S0に取り付けられた後は、図示しないネジにより下部支持部310および後部支持部320の少なくとも一方に固定される。
【0039】
ヘッドレストSHは、着座者の頸部から上の部分を支持する部分である。ヘッドレストSHは、着座者の頸部および頭部の少なくとも一方を支持する。ヘッドレストSHは、左の背もたれクッション200と、右の背もたれクッション200のそれぞれに対応して、2つが左右に並んだ状態で設けられている。ヘッドレストSHは、背もたれS2に対して着脱可能である。詳しくは、ヘッドレストSHは、後部支持部320に対して着脱可能である。
【0040】
本実施形態において、左右のアームレストSA、左右のヘッドレストSH、下部支持部310および後部支持部320は、ベース部SBを構成する。言い換えると、ベース部SBは、左右のアームレストSA、ヘッドレストSH、下部支持部310および後部支持部320を有する。さらに言えば、ソファSは、2つの座部クッション100と、2つの背もたれクッション200と、ベース部SBとを備えて構成されている。
【0041】
図3に示すように、ソファSは、ブロア10と、操作部20(
図1参照)とをさらに備えている。ここで、本実施形態では、ソファSは、略左右対称の構造を有するので、以下では、主に、左の座部クッション100および背もたれクッション200を含む、ソファSの左側部分の構造について説明する。
【0042】
ブロア10は、羽根車の回転によって空気を送り出す装置であり、ベース部SBの内部に配置されている。詳しくは、ブロア10は、後部支持部320の内部に配置されている。本実施形態では、ブロア10は、第1ブロア11と、第2ブロア12と、第3ブロア13(
図4参照)とを含む。
【0043】
第1ブロア11は、後部支持部320の内部であって、座部クッション100の後ろに配置されている。第2ブロア12は、後部支持部320の内部であって、背もたれクッション200の後ろに配置されている。第2ブロア12は、第1ブロア11よりも上に配置されている。
図4に示す第3ブロア13は、後部支持部320の内部であって、後部支持部320の左右中央部付近に配置されている。
【0044】
図3に戻り、座部クッション100は、第1クッション材110と、第1クッション材110を覆う第1表皮120とを備える。第1クッション材110は、クッション通気路としての座部クッション通気路130を有している。座部クッション通気路130は、ブロア10、詳しくは、第1ブロア11により形成される気流が通過する通気路である。
【0045】
座部クッション通気路130は、通気開口としての複数の座部通気開口131と、座部接続開口132とを有する。座部通気開口131は、第1クッション材110の上面で上方の着座者に向けて開口している。座部接続開口132は、第1クッション材110の後面で後方の後部支持部320に向けて開口している。複数の座部通気開口131と座部接続開口132は互いに連通している。
【0046】
図5(a)に示すように、座部通気開口131は、座部クッション100の左右中央部を避けた位置に設けられている。詳しくは、座部通気開口131は、座部クッション100の左右中央C1から左または右に所定長さL1以上の間隔をあけた位置に設けられている。所定長さL1は、例えば、座部クッション100の左右中央C1から左または右の端までの長さの、3分の1程度の長さとすることができる。
【0047】
第1表皮120は、座部通気開口131に対応する位置に複数の微細な貫通孔が形成されることで通気性を有するか、通気性を有する素材から形成されている。
【0048】
図3に示すように、背もたれクッション200は、第2クッション材210と、第2クッション材210を覆う第2表皮220とを備える。第2クッション材210は、クッション通気路としての背もたれクッション通気路230を有している。背もたれクッション通気路230は、ブロア10、詳しくは、第2ブロア12により形成される気流が通過する通気路である。
【0049】
背もたれクッション通気路230は、通気開口としての複数の背もたれ通気開口231と、背もたれ接続開口232とを有する。背もたれ通気開口231は、第2クッション材210の前面で前方の着座者に向けて開口している。背もたれ接続開口232は、第2クッション材210の後面で後方の後部支持部320に向けて開口している。複数の背もたれ通気開口231と背もたれ接続開口232は互いに連通している。
【0050】
図5(b)に示すように、背もたれ通気開口231は、背もたれクッション200の左右中央部を避けた位置に設けられている。詳しくは、背もたれ通気開口231は、背もたれクッション200の左右中央C2から左または右に所定長さL2以上の間隔をあけた位置に設けられている。所定長さL2は、例えば、背もたれクッション200の左右中央C2から左または右の端までの長さの、3分の1程度の長さとすることができる。
【0051】
第2表皮220は、背もたれ通気開口231に対応する位置に複数の微細な貫通孔が形成されることで通気性を有するか、通気性を有する素材から形成されている。
【0052】
図4に示すように、アームレストSAは、それぞれ、パッド材410と、パッド材410を覆う第3表皮420とを備える。パッド材410は、側部通気路430を有する。側部通気路430は、ブロア10、詳しくは、第3ブロア13により形成される気流が通過する通気路である。
【0053】
側部通気路430は、複数の側部通気開口431と、側部接続開口432とを有する。側部通気開口431および側部接続開口432は、パッド材410の左右内側の面で左右内側に向けて開口している。側部通気開口431は、着座者に向けて開口している。側部接続開口432は、側部通気開口431よりも後ろで後部支持部320に向けて開口している。複数の側部通気開口431と側部接続開口432は互いに連通している。
【0054】
第3表皮420は、側部通気開口431に対応する位置に複数の微細な貫通孔が形成されることで通気性を有するか、通気性を有する素材から形成されている。
【0055】
図3および
図4に示すように、ベース部SBは、ブロア収容室330と、第1ベース部通気路340と、第2ベース部通気路350と、第3ベース部通気路360とを有している。
【0056】
ブロア収容室330は、ブロア10が配置される部分であり、後部支持部320の内部に設けられている。ブロア収容室330は、第1ブロア11が配置される第1ブロア収容室331と、第2ブロア12が配置される第2ブロア収容室332と、第3ブロア13が配置される第3ブロア収容室333とを含む。
【0057】
図3に示すように、第1ベース部通気路340は、ブロア10とクッション通気路130,230とを連通させる通気路である。詳しくは、第1ベース部通気路340は、第1ダクト341と、第2ダクト342とからなる。
【0058】
第1ダクト341は、第1ブロア11と座部クッション通気路130とを連通させる。詳しくは、第1ダクト341は、第1ブロア11が配置される第1ブロア収容室331と座部クッション通気路130とを連通させる。
図6に示すように、第1ダクト341は、前端部に後部支持部320の前面から突出する筒状部としての第1筒状部341Aを有している。座部クッション通気路130と第1ベース部通気路340の第1ダクト341は、座部クッション100をベース部SBに取り付ける際に、第1筒状部341Aが、座部クッション通気路130の座部接続開口132に入り込むことで接続される。
【0059】
第2ダクト342は、第2ブロア12と背もたれクッション通気路230とを連通させる。詳しくは、第2ダクト342は、第2ブロア12が配置される第2ブロア収容室332と背もたれクッション通気路230とを連通させる。第2ダクト342は、上端部に、前方に向けて屈曲して後部支持部320の前面から突出する筒状部としての第2筒状部342Aを有している。背もたれクッション通気路230と第1ベース部通気路340の第2ダクト342は、背もたれクッション200をベース部SBに取り付ける際に、第2筒状部342Aが、背もたれクッション通気路230の背もたれ接続開口232に入り込むことで接続される。
【0060】
図3に戻り、第2ベース部通気路350は、ベース部SBの外部とブロア10とを連通させる通気路である。詳しくは、第2ベース部通気路350は、ベース部SBの外部とブロア収容室330とを連通させる。第2ベース部通気路350は、ベース部SBの下部で後方に向けて開口するベース部開口351を有する。なお、ベース部開口351は、ベース部SB(ソファS)の表面で露出していてもよいし、通気性を有するカバーやフィルタなどによって覆われていてもよい。
【0061】
第2ベース部通気路350は、ベース部開口351と第1ブロア収容室331とを連通させる第1連通路352と、第1ブロア収容室331と第2ブロア収容室332とを連通させる第2連通路353を有する。さらに、
図4に示すように、第2ベース部通気路350は、第2連通路353と第3ブロア収容室333とを連通させる第3連通路354を有する。
【0062】
第3ベース部通気路360は、第3ブロア13が配置される第3ブロア収容室333と側部通気路430とを連通させる通気路である。第3ベース部通気路360は、ダクトからなり、第3ブロア収容室333と左の側部通気路430とを連通させる左連通路361と、第3ブロア収容室333と右の側部通気路430とを連通させる右連通路362とを有している。
【0063】
左連通路361および右連通路362は、それぞれ、左右外側の端部に後部支持部320の左右の側面から突出する第3筒状部363を有している。側部通気路430と第3ベース部通気路360は、アームレストSAをシート本体S0に取り付ける際に、第3筒状部363が、アームレストSAの側部接続開口432に入り込むことで接続される。
【0064】
図3および
図4に示すように、ブロア10は、通気開口131,231,431から着座者に向けて空気を吹き出すように設けられている。詳しくは、第1ブロア11および第2ブロア12は、羽根車の回転によって空気を第2ベース部通気路350から第1ベース部通気路340に向けて送り出すように設けられている。また、第3ブロア13は、羽根車の回転によって空気を第2ベース部通気路350から第3ベース部通気路360に向けて送り出すように設けられている。
【0065】
図1に示すように、操作部20は、着座者がブロア10を操作するための部分である。操作部20は、ベース部SBのうちの、アームレストSAに設けられている。詳しくは、操作部20は、左のアームレストSAの上面の前端部付近に設けられている。
【0066】
図7に示すように、操作部20は、一例として、電源スイッチ21と、切替スイッチ22と、調整ダイヤル23とを有する。
ブロア10は、電源スイッチ21をONにすることで駆動可能となる。
【0067】
切替スイッチ22は、電源スイッチ21をONにした状態において、ブロア10の駆動と停止を切り替えるためのスイッチであり、第1切替スイッチ22Aと、第2切替スイッチ22Bと、第3切替スイッチ22Cとを含む。ソファSは、第1切替スイッチ22AをONにすると、第1ブロア11が駆動し、座部クッション100から着座者に向けて空気を吹き出す。第1切替スイッチ22AをOFFにすると、第1ブロア11が停止し、座部クッション100から空気を吹き出さなくなる。
【0068】
また、ソファSは、第2切替スイッチ22BをONにすると、第2ブロア12が駆動し、背もたれクッション200から着座者に向けて空気を吹き出す。第2切替スイッチ22BをOFFにすると、第2ブロア12が停止し、背もたれクッション200の前面から空気を吹き出さなくなる。また、ソファSは、第3切替スイッチ22CをONにすると、第3ブロア13が駆動し、アームレストSAから着座者に向けて空気を吹き出す。第3切替スイッチ22CをOFFにすると、第3ブロア13が停止し、アームレストSAから空気を吹き出さなくなる。
【0069】
調整ダイヤル23は、例えば、ブロア10の羽根車の回転速度などを変更することで、吹き出す空気の流量を調整するためのダイヤルである。ソファSでは、調整ダイヤル23を図示時計回りに回すことで吹き出す空気の流量を大きくすることができ、調整ダイヤル23を図示反時計回りに回すことで吹き出す空気の流量を小さくすることができる。
【0070】
図8(a),(b)に示すように。ソファSは、ブロア11~13に電力を供給するための電線30をさらに備えている。電線30は、操作部20を介して第1ブロア11、第2ブロア12および第3ブロア13に接続されている。電線30は、例えば、
図8(a)に示すように、アームレストSAの後面から後方に引き出されている構成であってもし、
図8(b)に示すように、ベース部SBの左右中央部の後面から後方に引き出されている構成であってもよい。
【0071】
なお、本実施形態では、アームレストSAは、シート本体S0に対して着脱可能であるため、左のアームレストSAとシート本体S0が分割される箇所における電線30の接続は、コネクタ31によって行っている。
【0072】
以上説明した第1実施形態によれば、座部クッション100や背もたれクッション200から空気を吹き出すことができるので、着座者の快適感を高めることができる。また、操作部20がアームレストSAに設けられているので、例えば、操作部が背もたれS2に設けられる場合と比較して、操作を行いやすくすることができる。
【0073】
また、通気開口131,231が座部クッション100や背もたれクッション200の左右中央C1,C2から左または右に所定以上の間隔をあけた位置に設けられているので、通気開口131,231を座部クッション100や背もたれクッション200の左右中央C1,C2から左右に離れた位置に設けることができる。これにより、着座者によって通気開口131,231が塞がれるのを抑制することができる。これにより、座部クッション100や背もたれクッション200からの空気の吹き出しを良好に行うことができるので、着座者の快適感を高めることができる。
【0074】
また、アームレストSAからも空気を吹き出すことができるので、着座者の快適感をより高めることができる。
【0075】
また、第2ベース部通気路350がベース部SBの下部で後方に向けて開口するので、第2ベース部通気路350の、外部に開くベース部開口351をソファSの目立たない位置に配置することができる。
【0076】
また、操作部20がアームレストSAの上面に設けられているので、操作をより行いやすくすることができる。
【0077】
なお、第1実施形態では、
図6に示したように、第1ベース部通気路340が、端部に筒状部341A,342Aを有し、筒状部341A,342Aが、クッション通気路130,230の接続開口132,232に入り込むことでクッション通気路130,230と第1ベース部通気路340が接続される構成を例示したが、これに限定されない。例えば、第1実施形態の構成とは逆に、クッション通気路が、端部に筒状部を有し、クッション通気路の筒状部が、第1ベース部通気路の開口に入り込むことでクッション通気路と第1ベース部通気路が接続される構成であってもよい。
【0078】
また、クッション通気路と第1ベース部通気路の接続は、一方の筒状の部分が、他方の開口に入り込むことで行われる構成に限定されず、例えば、一方の筒状の部分が、他方の筒状の部分に入り込むことで行われる構成であってもよい。
【0079】
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下では、先に説明した実施形態と異なる点について詳しく説明し、先に説明した実施形態と同じ点については、例えば、同様の構成要素に同一の符号を付すなどして説明を省略する。
第2実施形態は、クッション通気路130,230と第1ベース部通気路340の接続構造が第1実施形態と異なる。
【0080】
図9に示すように、座部クッション通気路130は、複数の座部通気開口131と、第2開口としての座部接続開口132とを有している。座部接続開口132は、第1クッション材110の後面で第1ベース部通気路340の後述する第1接続開口343Aに向けて開口している。
【0081】
背もたれクッション通気路230は、複数の背もたれ通気開口231と、第2開口としての背もたれ接続開口232とを有している。背もたれ接続開口232は、第2クッション材210の後面で第1ベース部通気路340の後述する第2接続開口344Aに向けて開口している。
【0082】
第1ベース部通気路340は、第1ブロア11が配置される第1ブロア収容室331と座部クッション通気路130とを連通させる座部連通路343と、第2ブロア12が配置される第2ブロア収容室332と背もたれクッション通気路230とを連通させる背もたれ連通路344とを有している。
【0083】
座部連通路343は、第1ブロア収容室331に接続される端とは反対の端に、第1開口としての第1接続開口343Aを有している。第1接続開口343Aは、座部クッション通気路130の座部接続開口132に向けて開口している。座部クッション通気路130と第1ベース部通気路340は、座部クッション100をベース部SBに取り付けたときに座部接続開口132と第1接続開口343Aが向かい合うことで連通し、接続される。
【0084】
背もたれ連通路344は、第2ブロア収容室332に接続される端とは反対の端に、第1開口としての第2接続開口344Aを有している。第2接続開口344Aは、背もたれクッション通気路230の背もたれ接続開口232に向けて開口している。背もたれクッション通気路230と第1ベース部通気路340は、背もたれクッション200をベース部SBに取り付けたときに背もたれ接続開口232と第2接続開口344Aが向かい合うことで連通し、接続される。
【0085】
次に、第3実施形態について説明する。
図10に示すように、第3実施形態のソファSは、変更機構MCをさらに備える。変更機構MCは、着座者に向けて空気を吹き出す位置を変更可能である。
【0086】
座部クッション100は、座部クッション通気路130を形成する、座部ダクト140および第1接続管150を有している。座部ダクト140は、着座者に向けて開口する複数の座部通気開口131を有し、変更機構MCによって前後左右にスライド移動するように設けられている。第1接続管150は、座部ダクト140と、第1ベース部通気路340の座部連通路343を接続する部材であり、前後に伸縮可能な伸縮部151を有している。
【0087】
背もたれクッション200は、背もたれクッション通気路230を形成する、背もたれダクト240および第2接続管250を有している。背もたれダクト240は、着座者に向けて開口する複数の背もたれ通気開口231を有し、変更機構MCによって上下左右にスライド移動するように設けられている。第2接続管250は、背もたれダクト240と、第1ベース部通気路340の背もたれ連通路344を接続する部材であり、上下に伸縮可能な伸縮部251を有している。
【0088】
変更機構MCは、座部ダクト140を前後にスライド移動させる第1スライド機構MS1と、座部ダクト140を左右にスライド移動させる第2スライド機構MS2と、背もたれダクト240を上下にスライド移動させる第3スライド機構MS3と、背もたれダクト240を左右にスライド移動させる第4スライド機構MS4とを含む。
【0089】
ソファSは、
図11に示すような操作部20を備える。操作部20は、第1実施形態と同様に、アームレストSAの上面に設けられている。第3実施形態の操作部20は、変更機構MCを操作可能である。操作部20は、電源スイッチ21、切替スイッチ22および調整ダイヤル23のほか、操作スイッチ24を有する。
【0090】
操作スイッチ24は、変更機構MCを操作するためのスイッチであり、前後左右に十字状に配置された4つのスイッチ24A~24Dと、略十字状のスイッチカバー24Eとからなる。スイッチカバー24Eは、中心を支点として、中心を挟む部分が上下に揺動するように設けられている。
【0091】
ソファSは、例えば、第1切替スイッチ22AをONにした後に、スイッチカバー24Eを介して前側のスイッチ24Aを押すことで、
図12(a)に示すように、第1スライド機構MS1によって座部ダクト140を前にスライド移動させることができる。これにより、座部クッション100から空気を吹き出す位置を前に変更することができる。また、スイッチカバー24Eを介して後側のスイッチ24Bを押すことで、
図12(b)に示すように、第1スライド機構MS1によって座部ダクト140を後ろにスライド移動させることができる。これにより、座部クッション100から空気を吹き出す位置を後ろに変更することができる。
【0092】
また、スイッチカバー24Eを介して左側のスイッチ24Cを押すことで、第2スライド機構MS2によって座部ダクト140を左にスライド移動させることができる。これにより、座部クッション100から空気を吹き出す位置を左に変更することができる。また、スイッチカバー24Eを介して右側のスイッチ24Dを押すことで、第2スライド機構MS2によって座部ダクト140を右にスライド移動させることができる。これにより、座部クッション100から空気を吹き出す位置を右に変更することができる。
【0093】
また、ソファSは、第2切替スイッチ22BをONにした後に、スイッチカバー24Eを介してスイッチ24Aを押すことで、
図12(a)に示すように、第3スライド機構MS3によって背もたれダクト240を下にスライド移動させることができる。これにより、背もたれクッション200から空気を吹き出す位置を下に変更することができる。また、スイッチカバー24Eを介してスイッチ24Bを押すことで、
図12(b)に示すように、第3スライド機構MS3によって背もたれダクト240を上にスライド移動させることができる。これにより、背もたれクッション200から空気を吹き出す位置を上に変更することができる。
【0094】
また、スイッチカバー24Eを介してスイッチ24Cを押すことで、第4スライド機構MS4によって背もたれダクト240を左にスライド移動させることができる。これにより、背もたれクッション200から空気を吹き出す位置を左に変更することができる。また、スイッチカバー24Eを介してスイッチ24Dを押すことで、第4スライド機構MS4によって背もたれダクト240を右にスライド移動させることができる。これにより、背もたれクッション200から空気を吹き出す位置を右に変更することができる。
【0095】
以上説明した第3実施形態によれば、変更機構MCによって空気を吹き出す位置を変更できることで、着座者の快適感をより高めることができる。
【0096】
また、着座者が操作部20を操作することにより、着座者の好みに応じて空気を吹き出す位置を変更することができるので、着座者の快適感をより一層高めることができる。
【0097】
なお、第3実施形態では、変更機構MCは、座部クッション100から空気を吹き出す位置を前後左右に変更可能な構成であったが、これ限定されない。例えば、変更機構は、座部クッションから空気を吹き出す位置を前後にのみ変更可能な構成であってもよいし、座部クッションから空気を吹き出す位置を左右にのみ変更可能な構成であってもよい。
【0098】
同様に、第3実施形態では、変更機構MCは、背もたれクッション200から空気を吹き出す位置を上下左右に変更可能な構成であったが、これ限定されない。例えば、変更機構は、背もたれクッションから空気を吹き出す位置を上下にのみ変更可能な構成であってもよいし、背もたれクッションから空気を吹き出す位置を左右にのみ変更可能な構成であってもよい。
【0099】
また、変更機構は、座部クッションから空気を吹き出す位置のみを変更可能な構成であってもよいし、背もたれクッションから空気を吹き出す位置のみを変更可能な構成であってもよい。
【0100】
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、変更機構MCが第3実施形態と異なる。詳しくは、第4実施形態の変更機構MCは、着座者に向けて空気を吹き出す位置を変更するのではなく、着座者に向けて空気を吹き出す向きを変更可能である。
【0101】
図13に示すように、座部クッション100は、座部クッション通気路130を形成する、座部ダクト160および第1接続管170を有している。座部ダクト160は、複数の座部通気開口131を有し、変更機構MCによって前後の端部が上下に揺動するように設けられている。第1接続管170は、座部ダクト160と座部連通路343を接続する部材であり、上下に伸縮可能な伸縮部171を有している。
【0102】
背もたれクッション200は、背もたれクッション通気路230を形成する、背もたれダクト260および第2接続管270を有している。背もたれダクト260は、複数の背もたれ通気開口231を有し、変更機構MCによって上下の端部が前後に揺動するように設けられている。第2接続管270は、背もたれダクト260と背もたれ連通路344を接続する部材であり、前後に伸縮可能な伸縮部271を有している。
【0103】
変更機構MCは、座部ダクト160を揺動させる座部揺動機構MD1と、背もたれダクト260を揺動させる背もたれ揺動機構MD2とを含む。
【0104】
図14(a)に示すように、ソファSは、座部揺動機構MD1によって座部ダクト160を上向きから斜め前を向くように揺動させることができる。これにより、座部クッション100から空気を吹き出す向きを上向きから斜め前向きに変更することができる。また、ソファSは、背もたれ揺動機構MD2によって背もたれダクト260を斜め上向きから前を向くように揺動させることができる。これにより、背もたれクッション200から空気を吹き出す向きを斜め上向きから前向きに変更することができる。
【0105】
また、
図14(b)に示すように、ソファSは、座部揺動機構MD1によって座部ダクト160を上向きから斜め後ろを向くように揺動させることができる。これにより、座部クッション100から空気を吹き出す向きを上向きから斜め後ろ向きに変更することができる。また、ソファSは、背もたれ揺動機構MD2によって背もたれダクト260をさらに斜め上を向くように揺動させることができる。これにより、背もたれクッション200から空気を吹き出す向きをさらに斜め上向きに変更することができる。
【0106】
以上説明した第4実施形態によれば、変更機構MCによって空気を吹き出す向きを変更できることで、着座者の快適感をより高めることができる。
【0107】
また、第4実施形態の変更機構MCは、第3実施形態と同様に、操作部によって操作可能であることが望ましい。これによれば、着座者が操作部を操作することにより、着座者の好みに応じて空気を吹き出す向きを変更することができるので、着座者の快適感をより一層高めることができる。
【0108】
なお、第3実施形態の変更機構MCは、空気を吹き出す位置のみを変更可能な構成であり、第4実施形態の変更機構MCは、空気を吹き出す向きのみを変更可能な構成であったが、これに限定されない。例えば、変更機構は、空気を吹き出す位置、および、空気を吹き出す向きの両方を変更可能な構成であってもよい。
【0109】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0110】
前記実施形態では、通気開口131,231が座部クッション100や背もたれクッション200の左右中央部の左右両側の部分だけに設けられていたが、これに限定されない。例えば、通気開口は、左右中央部の左右両側の部分だけではなく、左右中央部にも設けられていてもよい。
【0111】
また、前記実施形態では、ブロア10に電力を供給するための電線30がアームレストSAを含むベース部SBの後面から後方に引き出されていたが、これに限定されない。例えば、電線は、ベース部の左の側面から左に引き出されていてもよいし、ベース部の右の側面から右に引き出されていてもよい。
【0112】
また、前記実施形態では、第2ベース部通気路350がベース部SBの下部で後方に向けて開口していたが、これに限定されない。例えば、第2ベース部通気路は、ベース部の上部で後方に向けて開口していてもよい。また、第2ベース部通気路は、ベース部の左の側面において左に向けて開口していてもよいし、ベース部の右の側面において右に向けて開口していてもよい。また、例えば、ソファが脚部などを有し、下部支持部とソファの設置面との間に隙間ができる場合には、第2ベース部通気路は、下部支持部の下面において下に向けて開口していてもよい。
【0113】
また、前記実施形態では、ブロア10がベース部SBのうちの後部支持部320の内部に配置されていたが、これに限定されない。例えば、ブロア10は、下部支持部310の内部に配置されていてもよい。また、ブロア10は、アームレストSA(側部)の内部に配置されていてもよい。また、例えば、第1ブロア11が下部支持部310の内部に配置され、第2ブロア12が後部支持部320の内部に配置され、第3ブロア13が各アームレストSAの内部に1つずつ配置される構成であってもよい。
【0114】
また、ブロアの数は任意である。例えば、ソファは、共通のブロアによって座部クッションと背もたれクッションから空気を吹き出す構成であってもよい。また、ソファは、共通のブロアによって座部クッション、背もたれクッションおよびアームレストから空気を吹き出す構成であってもよい。また、例えば、座部クッションから空気を吹き出すためのブロアは、複数であってもよい。背もたれクッションやアームレストから空気を吹き出すためのブロアについても同様である。
【0115】
また、前記実施形態では、アームレストSA(側部)が側部通気路430を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、ソファSは、前記実施形態の側部通気路430、第3ベース部通気路360、第3ブロア13などを備えず、アームレストSA(側部)から空気を吹き出さない構成であってもよい。
【0116】
また、前記実施形態では、アームレストSA(側部)がシート本体S0に対して着脱可能な構成であったが、これに限定されず、例えば、着脱できない構成であってもよい。
【0117】
また、前記実施形態では、座部クッション100および背もたれクッション200の両方がクッション通気路130,230を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、座部クッションおよび背もたれクッションのうち、一方のみがクッション通気路を有する構成であってもよい。
【0118】
また、前記実施形態では、アームレストSA(側部)が一の座部クッション100の左および右の一方のみに位置していたが、これに限定されない。例えば、アームレスト(な側部)は、一の座部クッション100の左および右の両方に位置していてもよい。
【0119】
また、前記実施形態では、操作部20が左のアームレストSAに設けられていたが、これに限定されない。例えば、操作部20は、右のアームレストSAに設けられていてもよい。また、操作部20は、左右のアームレストSAの両方に設けられていてもよい。操作部20を左右のアームレストSAの両方に設けることで、着座者が2人掛けのソファSの左右どちらに座った場合でもブロア10を操作することができる。
【0120】
また、前記実施形態では、操作部20がアームレストSAの上面に設けられている構成であったが、これに限定されない。例えば、操作部は、アームレストの左右外側または左右内側の側面に設けられている構成であってもよい。
【0121】
また、前記実施形態では、アームレストSA(側部)が座部S1の左および右の両方に位置していたが、これに限定されない。例えば、アームレスト(側部)は、座部の左および右の一方のみに位置していてもよい。
【0122】
また、前記実施形態では、側部は、アームレストSAであったが、これに限定されない。例えば、側部は、アームレストよりも左右の幅が長い、台やテーブルなどであってもよい。
【0123】
また、前記実施形態では、ベース部SBがアームレストSA(側部)を有していたが、これに限定されない。例えば、
図15に示すように、ソファSは、ベース部SBが側部を備えない構成であってもよい。
【0124】
また、前記実施形態では、操作部20がベース部SBのアームレストSA(側部)に設けられている構成であったが、これに限定されない。例えば、
図15に示すように、ソファSが側部を備えない場合、操作部20は、ベース部SBの左の側面に設けられている構成であってもよい。詳しくは、操作部20は、下部支持部310の左の側面311に設けられている。なお、図示は省略するが、操作部20は、ベース部SB(下部支持部310)の右の側面に設けられている構成であってもよい。
【0125】
また、前記実施形態では、ブロア10が通気開口131,231,431から空気を吹き出すように設けられていたが、これに限定されない。例えば、ブロアは、通気開口から空気を吸い込むように設けられていてもよい。このような構成は、例えば、第1実施形態のソファSについて、第1ブロア11および第2ブロア12を、羽根車の回転によって空気を第1ベース部通気路340から第2ベース部通気路350に向けて送り出すように設け、第3ブロア13を、羽根車の回転によって空気を第3ベース部通気路360から第2ベース部通気路350に向けて送り出すように設けることで実現することができる。
【0126】
このような構成によれば、座部クッション100や背もたれクッション200から空気を吸い込むことができる。また、通気開口131,231が座部クッション100や背もたれクッション200の左右中央部の左右両側の部分だけに設けられていることで、座部クッション100や背もたれクッション200からの空気の吸い込みを良好に行うことができる。また、アームレストSAからも空気を吸い込むことができる。そして、これにより、着座者の快適感を高めることができる。
【0127】
また、ブロアは、例えば、羽根車の回転方向を切り替えることで、送風と吸引を切替可能に設けられていてもよい。また、ソファは、例えば、シートクッションおよびシートバックのうち、一方から空気を吹き出し、他方から空気を吸い込む構成であってもよい。
【0128】
また、ソファSは、ヘッドレストSHから空気を吹き出したり、空気を吸い込んだりすることができる構成であってもよい。
【0129】
また、
図16に示すように、ソファSは、ヒータ50をさらに備えていてもよい。
ヒータ50は、シート状のヒータ、いわゆる面状ヒータである。
図16に示す変形例では、ヒータ50は、座部ヒータ51Aと、背もたれヒータ52Aと、ヘッドレストヒータ54Aと、脚部ヒータ55とを含む。
【0130】
座部ヒータ51Aは、座部S1の着座者と対向する面、具体的には、座部S1の上面を加熱するヒータである。座部ヒータ51Aは、主に、着座者の臀部および大腿部と対向する位置に配置され、着座者の臀部および大腿部を下から加熱する。座部ヒータ51Aは、左右の座部クッション100のそれぞれに設けられている。座部ヒータ51Aは、第1クッション材110の上面と第1表皮120との間に配置されている。また、座部ヒータ51Aは、座部クッション100の左右中央部に配置されている。座部ヒータ51Aは、座部クッション100の左側部分に設けられた複数の座部通気開口131と、座部クッション100の右側部分に設けられた複数の座部通気開口131との間に配置されている。
【0131】
背もたれヒータ52Aは、背もたれS2の着座者と対向する面、具体的には、背もたれS2の前面を加熱するヒータである。背もたれヒータ52Aは、主に、着座者の腰部および背中と対向する位置に配置され、着座者の腰部および背中を後ろから加熱する。背もたれヒータ52Aは、左右の背もたれクッション200のそれぞれに設けられている。背もたれヒータ52Aは、第2クッション材210の前面と第2表皮220との間に配置されている。背もたれヒータ52Aは、背もたれクッション200の左側部分に設けられた複数の背もたれ通気開口231と、背もたれクッション200の右側部分に設けられた複数の背もたれ通気開口231との間に配置されている。
【0132】
ヘッドレストヒータ54Aは、ヘッドレストSHの着座者と対向する面、具体的には、ヘッドレストSHの前面を加熱するヒータである。ヘッドレストヒータ54Aは、着座者の頭部および頸部の少なくとも一方と対向する位置に配置され、着座者の頭部および頸部の少なくとも一方を後ろから加熱する。ヘッドレストヒータ54Aは、左右のヘッドレストSHのそれぞれに設けられている。ヘッドレストヒータ54Aは、ヘッドレストSHのパッド材と、ヘッドレストSHの表皮との間に配置されている。
図16に示す変形例では、ヘッドレストヒータ54Aは、左右方向において、背もたれクッション200の左側部分に設けられた複数の背もたれ通気開口231と、背もたれクッション200の右側部分に設けられた複数の背もたれ通気開口231との間の位置に配置されている。
【0133】
脚部ヒータ55は、ソファSのうち、着座者の脚部と対向する面を加熱するヒータである。脚部ヒータ55は、主に、着座者の脚部のうち、膝から下の部分を加熱する。
図16に示す変形例では、脚部ヒータ55は、座部S1の前面を加熱するように設けられている。詳しくは、脚部ヒータ55は、座部クッション100の前面を加熱するように設けられている。
【0134】
ソファSがヒータ50を備える場合、操作部20は、ブロア10だけでなく、ヒータ50も操作可能である構成とすることができる。また、ヘッドレストヒータ54Aは、ヘッドレストSHの前面の略全体を加熱するように設けられていてもよい。また、脚部ヒータは、座部S1の前面だけでなく、下部支持部310の着座者と対向する面、具体的には、下部支持部310の前面を加熱するように設けられていてもよい。また、脚部ヒータは、ソファSが備える収納可能なオットマンの着座者と対向する面を加熱するように設けられていてもよい。
【0135】
また、前記実施形態では、ヘッドレストSHが背もたれS2(シート本体S0)に対して着脱可能な構成であったが、これに限定されず、例えば、着脱できない構成であってもよい。また、前記実施形態では、ソファSがヘッドレストSHを備える構成であったが、これに限定されず、例えば、ヘッドレストを備えない構成であってもよい。
【0136】
また、前記実施形態では、シートとして、2人掛けのソファSを例示したが、これに限定されない。例えば、シートは、1人掛けのソファであってもよいし、3人掛けのソファであってもよい。また、シートは、ソファに限定されず、例えば、アームチェアであってもよい。また、シートは、家庭用のシートに限定されず、例えば、アミューズメント施設やリラクゼーション施設などで使用されるシートであってもよい。また、シートは、例えば、自動車や鉄道車両、船舶、航空機などに搭載される車両用シート、乗物用シートであってもよい。
【0137】
なお、前記したような、ブロアを備え、空気を吹き出す、または、吸い込むことができる構成や、操作部をベース部の側面またはベース部の側部に設ける構成は、座部クッションおよび背もたれクッションの少なくとも一方がベース部に対して着脱できないシートに対しても適用可能である。
【0138】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0139】
10 ブロア
20 操作部
30 電線
100 座部クッション
130 座部クッション通気路
131 座部通気開口
200 背もたれクッション
230 背もたれクッション通気路
231 背もたれ通気開口
310 下部支持部
320 後部支持部
340 第1ベース部通気路
341A 第1筒状部
342A 第2筒状部
350 第2ベース部通気路
430 側部通気路
S ソファ
SA アームレスト
SB ベース部