(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156675
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】チップ形コンデンサおよびそのチップ化用の座板
(51)【国際特許分類】
H01G 2/02 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
H01G2/02 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060482
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000103220
【氏名又は名称】エルナー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083404
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中村 忠浩
(57)【要約】
【課題】コンデンサに座板を取り付けてなるチップ形コンデンサにおいて、はんだ付け時に発生するフラックスガスによるボイドやクラックの発生を抑制する。
【解決手段】リード同一方向形のコンデンサを表面実装可能とするチップ化用の座板10にはんだ付け強度を高める補助端子20を設けるにあたって、補助端子20にはんだ付け時に発生するフラックスガスを逃すための好ましくはスリットからなるガス逃し溝24を形成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサ素子が内蔵されている有底筒状の外装ケースの封口部から一対のリード端子が同一方向に引き出されているコンデンサ本体と、上記外装ケースの封口部側に装着される合成樹脂製の座板とを含み、
上記座板は上記リード端子が挿通される一対のリード端子挿通孔を有し、上記座板の底面には上記各リード端子挿通孔から互いに離反する反対方向に向けて上記座板の対向する側辺にまで延びるリード端子収納溝が形成されているとともに、上記各リード端子収納溝に沿ってはんだ付け時に上記リード端子と一体化される補助端子が埋設されており、
上記各リード端子が上記リード端子挿通孔に挿通され、折り曲げによりそれらの先端部分が上記リード端子収納溝内に納められ、上記補助端子とともに回路基板の所定部位にはんだ付けされるチップ形コンデンサにおいて、
上記補助端子には、上記はんだ付け時に発生するフラックスガスを逃すためのガス逃し溝が形成されていることを特徴とするチップ形コンデンサ。
【請求項2】
上記補助端子は、上記回路基板に対するはんだ付け部として、上記座板の樹脂成形時に表面部分を残して上記座板の底面に取り付けられる主板部と、上記主板部に連設されていて上記座板の側辺に取り付けられる枝板部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のチップ形コンデンサ。
【請求項3】
上記ガス逃し溝は、上記主板部の中央部分から上記座板の側辺にかけて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のチップ形コンデンサ。
【請求項4】
上記主板部において上記ガス逃し溝が占める面積は、上記ガス逃し溝が形成される前の上記主板部の面積の10~65%であることを特徴とする請求項3に記載のチップ形コンデンサ。
【請求項5】
上記座板の部品載置面側には、上記外装ケースに形成されている封口用の横絞り溝を超える高さを有する保持部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のチップ形コンデンサ。
【請求項6】
コンデンサ素子が内蔵されている有底筒状の外装ケースの封口部から一対のリード端子が同一方向に引き出されているコンデンサ本体の封口部側に装着され、上記コンデンサ本体を表面実装可能なチップ形とする合成樹脂製の座板であって、
上記リード端子が挿通される一対のリード端子挿通孔を有し、底面には上記各リード端子挿通孔から互いに離反する反対方向に向けて対向する側辺にまで延びるリード端子収納溝が形成されているとともに、上記各リード端子収納溝に沿ってはんだ付け時に上記リード端子と一体化される補助端子が埋設されており、
上記各リード端子が上記リード端子挿通孔に挿通され、折り曲げによりそれらの先端部分が上記リード端子収納溝内に納められ、上記補助端子が上記リード端子とともに回路基板の所定部位にはんだ付けされるチップ化用の座板において、
上記補助端子には、上記はんだ付け時に発生するフラックスガスを逃すためのガス逃し溝が形成されていることを特徴とするチップ化用の座板。
【請求項7】
上記補助端子は、上記回路基板に対するはんだ付け部として、上記座板の樹脂成形時に表面部分を残して上記座板の底面に取り付けられる主板部と、上記主板部に連設されていて上記座板の側辺に取り付けられる枝板部とを備えていることを特徴とする請求項6に記載のチップ化用の座板。
【請求項8】
上記ガス逃し溝は、上記主板部の中央部分から上記座板の側辺にかけて形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載のチップ化用の座板。
【請求項9】
上記ガス逃し溝は、上記主板部の中央部分から上記座板の側辺とは反対方向に向けて形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載のチップ化用の座板。
【請求項10】
上記ガス逃し溝は、上記主板部の中央部分から上記リード端子収納溝とは反対方向に向けて形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載のチップ化用の座板。
【請求項11】
上記主板部において上記ガス逃し溝が占める面積は、上記ガス逃し溝が形成される前の上記主板部の面積の10~65%であることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載のチップ化用の座板。
【請求項12】
上記座板の部品載置面側には、上記外装ケースに形成されている封口用の横絞り溝を超える高さを有する保持部が形成されていることを特徴とする請求項6ないし11のいずれか1項に記載のチップ化用の座板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム形電解コンデンサを回路基板に表面実装することを可能としたチップ形コンデンサおよびそのチップ化用の座板に関し、さらに詳しく言えば、はんだ付け時に発生するフラックスガスによるボイドやクラックの発生を抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンデンサ素子が内蔵されている外装ケースの封口部から一対のリード端子が同一方向に引き出されているリード同一方向形(ディスクリート形とも言う)のアルミニウム電解コンデンサでは、回路基板に対して表面実装を可能とするため、外装ケースの封口部側に一対のリード端子挿通孔を有する合成樹脂製の座板を装着し、そのリード端子挿通孔を通して座板の底面側に引き出されたリード端子を互いに離反する方向に折り曲げてチップ形とすることが行われている。
【0003】
この種のチップ形コンデンサは、多くの場合、リフローはんだ付け法によって回路基板にはんだ付けされるが、特に高い耐振動性が要求される車載用のチップ形コンデンサにおいては、座板の底面に補助端子を設けてはんだ付け強度を高めている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
よく知られているように、はんだ付け時にはフラックスガス(ガス化したフラックス)が発生し、フラックスガスがフィレット内に留まることによりボイドやクラックが発生することがある。この種のボイドやクラックははんだ接続の信頼性を損ねる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-244033号公報
【特許文献2】特開2012-138414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、アルミニウム電解コンデンサにチップ化用(表面実装用)の座板を取り付けてなるチップ形コンデンサにおいて、はんだ付け時に発生するフラックスガスによるボイドやクラックの発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明にはいくつかの特徴的な態様が含まれ、まず、第1の態様は、コンデンサ素子が内蔵されている有底筒状の外装ケースの封口部から一対のリード端子が同一方向に引き出されているコンデンサ本体と、上記外装ケースの封口部側に装着される合成樹脂製の座板とを含み、上記座板は上記リード端子が挿通される一対のリード端子挿通孔を有し、上記座板の底面には上記各リード端子挿通孔から互いに離反する反対方向に向けて上記座板の対向する側辺にまで延びるリード端子収納溝が形成されているとともに、上記各リード端子収納溝に沿ってはんだ付け時に上記リード端子と一体化される補助端子が埋設されており、上記各リード端子が上記リード端子挿通孔に挿通され、折り曲げによりそれらの先端部分が上記リード端子収納溝内に納められ、上記補助端子とともに回路基板の所定部位にはんだ付けされるチップ形コンデンサにおいて、上記補助端子には、上記はんだ付け時に発生するフラックスガスを逃すためのガス逃し溝が形成されていることを特徴としている。
【0008】
第2の態様は、上記補助端子は、上記回路基板に対するはんだ付け部として、上記座板の樹脂成形時に表面部分を残して上記座板の底面に取り付けられる主板部と、上記主板部に連設されていて上記座板の側辺に取り付けられる枝板部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
第3の態様は、上記ガス逃し溝は、上記主板部の中央部分から上記座板の側辺にかけて形成されていることを特徴としている。
【0010】
第4の態様は、上記主板部において上記ガス逃し溝が占める面積は、上記ガス逃し溝が形成される前の上記主板部の面積の10~65%であることを特徴としている。
【0011】
第5の態様は、上記座板の部品載置面側には、上記外装ケースに形成されている封口用の横絞り溝を超える高さを有する保持部が形成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明には、リード同一方向形アルミニウム電解コンデンサを表面実装可能なチップ形とするチップ化用の座板も含まれ、第6の態様は、コンデンサ素子が内蔵されている有底筒状の外装ケースの封口部から一対のリード端子が同一方向に引き出されているコンデンサ本体の封口部側に装着され、上記コンデンサ本体を表面実装可能なチップ形とする合成樹脂製の座板であって、
上記リード端子が挿通される一対のリード端子挿通孔を有し、底面には上記各リード端子挿通孔から互いに離反する反対方向に向けて対向する側辺にまで延びるリード端子収納溝が形成されているとともに、上記各リード端子収納溝に沿ってはんだ付け時に上記リード端子と一体化される補助端子が埋設されており、
上記各リード端子が上記リード端子挿通孔に挿通され、折り曲げによりそれらの先端部分が上記リード端子収納溝内に納められ、上記補助端子が上記リード端子とともに回路基板の所定部位にはんだ付けされるチップ化用の座板において、
上記補助端子には、上記はんだ付け時に発生するフラックスガスを逃すためのガス逃し溝が形成されていることを特徴としている。
【0013】
第7の態様は、上記第6に記載の態様に係るチップ化用の座板において、上記補助端子は、上記回路基板に対するはんだ付け部として、上記座板の樹脂成形時に表面部分を残して上記座板の底面に取り付けられる主板部と、上記主板部に連設されていて上記座板の側辺に取り付けられる枝板部とを備えていることを特徴としている。
【0014】
第8の態様は、上記第6または7の態様に係るチップ化用の座板において、上記ガス逃し溝は、上記補助端子の主板部の中央部分から上記座板の側辺にかけて形成されていることを特徴としている。
【0015】
第9の態様は、上記第7または8の態様に係るチップ化用の座板において、上記ガス逃し溝は、上記主板部の中央部分から上記座板の側辺とは反対方向に向けて形成されていることを特徴としている。
【0016】
第10の態様は、上記第7または8の態様に係るチップ化用の座板において、上記ガス逃し溝は、上記主板部の中央部分から上記リード端子収納溝とは反対方向に向けて形成されていることを特徴としている。
【0017】
第11の態様は、上記第7ないし10のいずれかに記載の態様に係るチップ化用の座板において、上記主板部において上記ガス逃し溝が占める面積は、上記ガス逃し溝が形成される前の上記主板部の面積の10~65%であることを特徴としている。
【0018】
また、第12の態様は、上記第6ないし第11のいずれかに記載の態様に係るチップ形コンデンサの表面実装用座板において、上記座板の部品載置面側には、上記外装ケースに形成されている封口用の横絞り溝を超える高さを有する保持部が形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、アルミニウム電解コンデンサにチップ化用(表面実装用)の座板を取り付けてなるチップ形コンデンサにおいて、はんだ付け時に発生するフラックスガスによるボイドやクラックの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明によるチップ形コンデンサの表面実装用座板の一実施形態を示す平面図。
【
図3】上記表面実装用座板の
図1におけるA-A線部分を一部断面として、アルミニウム電解コンデンサとともに示す正面図。
【
図5】
図4の補助端子部分を拡大して示す要部拡大図。
【
図6】上記表面実装用座板に取り付けられる補助端子をフープ材に吊り下げられた状態で示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、
図1ないし
図7により、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0022】
まず、
図1ないし
図3の内の特に
図3を参照して、本発明による座板10は、アルミニウム電解コンデンサ(以下、「コンデンサ本体」ということがある)1を図示しない回路基板等へ表面実装し得る形態のチップ形コンデンサとするものである。なお、この種のチップ化用の座板は台座と呼ばれることもある。
【0023】
この座板10が適用されるコンデンサ本体1は、コンデンサ素子2が内蔵されている外装ケース3の封口部4から一対のリード端子5a,5bが同一方向に引き出されているリード同一方向形(ディスクリート形とも言う)である。
【0024】
通常、外装ケース3はアルミニウム製の有底円筒状で、その開口部は上記封口部4として例えばブチルゴムからなるゴム封口体6によって閉じられている。封口部4の気密性を高めるため、外装ケース3の外周面にはゴム封口体6に沿って横絞り溝7が円周方向に形成されている。
【0025】
この例において、リード端子5aが陽極側で、リード端子5bが陰極側であり、ともにゴム封口体6を貫通して外部に引き出されている。なお、リード端子5a,5bを区別する必要がない場合には、総称としてリード端子5という。
【0026】
座板10は、
図1の平面視で隣接する2つの角部が斜めに切り落とされた四角形状で全体が耐熱性の合成樹脂からなる。
図1が座板10のコンデンサ本体1が載置される部品載置面10a側で、
図4がはんだ付け時に図示しない回路基板と対向する座板10の底面10b側である。
【0027】
座板10には、リード端子5a,5bが挿通される一対のリード端子挿通孔11a,11bが穿設されている。なお、リード端子挿通孔11a,11bを区別する必要がない場合には、総称としてリード端子挿通孔11という。
【0028】
座板10の底面10bには、各リード端子挿通孔11a,11bから互いに離反する反対方向に向けて座板10の対向する側辺13a,13bにまで延びるリード端子収納溝12a,12bが形成されている。リード端子収納溝12a,12bについても、区別する必要がない場合には、総称としてリード端子収納溝12という。また、側辺13a,13bについても、区別する必要がない場合には、総称として側辺13という。
【0029】
リード端子5a,5bをリード端子挿通孔11a,11bに挿通しながら、コンデンサ本体1を座板10の部品載置面10aに載置したのち、リード端子5a,5bを互いに離反する反対方向に向けて折り曲げてリード端子収納溝12a,12b内に収納することにより、コンデンサ本体1を回路基板に表面実装し得るチップ形コンデンサ1Aとすることができる。
【0030】
上記回路基板への実装は、多くの場合、リフローはんだ付けによって行われるが、はんだ付け強度(実装強度)を高めるため、補助端子20が用いられる。この実施形態において、補助端子20は、リード端子収納溝12aの両側、リード端子収納溝12bの両側の合計4箇所に設けられ、はんだ付け時にそのはんだ材によりリード端子5と一体化される。本実施形態において、補助端子20は黄銅製である。
【0031】
各補助端子20は、好ましくは金形内でのインサート成形によって座板10に一体的に埋設される。そのため、各補助端子20は、
図6および
図7に示すように、リード端子収納溝12a,12bのそれぞれにつき、フープ材40に一対の補助端子20a,20bとして支持された状態で金形内に搬入される。フープ材40に支持された状態で、補助端子20aと補助端子20bは左右対称である。
【0032】
補助端子20は、補助端子20の大部分を占める主板部21を備えている。主板部21は、表面が露出するようにして座板10の底面10bのうちのリード端子収納溝12の脇に取り付けられる(埋め込まれる)。
【0033】
主板部21のリード端子収納溝12に面する一方の側縁側には、リード端子収納溝12内に露出するように主板部21からほぼ直角に立ち上げられたフランジ片22が形成されている。フランジ片22には、射出成形時に樹脂が入り込む孔221が穿設されている。
【0034】
主板部21の上記一方の側縁とは反対側の側縁には、座板10内に食い込むように斜め上方に折り曲げられたアンカー片23が連設されている。アンカー片23にも射出成形時に樹脂が入り込む孔231が穿設されている。
【0035】
主板部21には、はんだ付け時に発生するフラックスガスを逃すためのガス逃し溝24が形成されている。このガス逃し溝24はスリットが好ましいが、溝底を有する樋状であってもよい。また、ガス逃し溝24は複数本であってもよい。
【0036】
本実施形態において、ガス逃し溝24は主板部21の中央部分から座板10の側辺113(13a,13b)にかけて形成されている。主板部21においてガス逃し溝24が占める面積は、ガス逃し溝24が形成される前の主板部21の面積の10~65%であることが好ましい。
【0037】
本実施形態において、主板部21に対してガス逃し溝24の占める面積は20%程度であるが、主板部21に対してガス逃し溝24の占める割合は、座板10の大きさ等により最適化を図ることが好ましい。また、本実施形態では、ガス逃し溝24の端部が座板10の側辺13に向けて開放されているが、ガス逃し溝24はそれとは反対側(
図5において右側)に向けて形成されてもよいし、はんだが付かない側(
図5において下側)に向けて形成されてもよい。
【0038】
主板部21の座板10の側辺13側はガス逃し溝24によって二股に分岐されているが、その分岐片25a,25bのうち、リード端子収納溝12から離れている方の分岐片25bには枝板部26が設けられている。枝板部26は、座板10の側片13に沿うように分岐片25bから直角に折り曲げられている。なお、枝板部26は、分岐片25a側に形成されてもよい。上記主板部21と枝板部26が、回路基板に対する補助端子20のはんだ付け部となる。
【0039】
補助端子20(20a,20b)は金形内に装着後もしくは射出成形後に
図6,
図7の二点鎖線DLの部分でフープ材40から切り離され、枝板部26は、座板10の射出成形時に表面が露出するようにその大部分が座板10の側辺13に取り付けられる(埋め込まれる)。このようにして、座板10の底面10bにおいてリード端子収納溝12a,12bの両側に、それぞれ、補助端子20が取り付けられる。
【0040】
このチップ形コンデンサ1Aを例えばリフローはんだ付け法によって図示しない回路基板に取り付ける際、その溶融はんだによってリード端子5と補助端子20とが一体化されて上記回路基板のランド部にはんだ付けされ、また、はんだが枝板部26に沿って這い上がるため、回路基板に強固に取り付けられる。また、その際に発生するフラックスガスはガス逃し溝24から逃されるため、はんだ付け部にボイドやクラックが発生するのを抑制することができる。
【0041】
一方、座板10の部品載置面10a側には、コンデンサ本体1のガタつきを押さえる保持部30が設けられている。この実施形態において、保持部30は、外装ケース3に接するように座板10の四隅に立設された支柱31として形成されている。各支柱31は、少なくとも外装ケース3に形成されている封口用の横絞り溝7を超える高さを有している。
【0042】
また、極性判別用として、4つの支柱31a~31dのうち、陰極側の支柱31c,31dは陽極側の支柱31a,31bよりも高さが低くされている。これとは反対に、陰極側の支柱31c,31dを陽極側の支柱31a,31bより高くしてもよい。
図1および
図4を参照して、座板10の隣接する2つの角部10c,10dが斜めに切り落とされているのも極性判別を容易にするためである。
【0043】
なお、保持部30の別の例として、高さが封口用の横絞り溝7を超える高さであることを条件として、保持部30は、外装ケース3の周りを囲む円筒壁であってもよい。
【0044】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。当業者であるならば上記実施形態に加えられる変更もしくは改良も本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 コンデンサ本体
1A チップ形コンデンサ
2 コンデンサ素子
3 外装ケース
4 封口部
5(5a,5b) リード端子
6 ゴム封口体
7 横絞り溝
10 座板
10a 部品載置面
10b 底面
11(11a,11b) リード端子挿通孔
12(12a,12b) リード端子収納溝
13(13a,13b) 側辺
20(20a,20b) 補助端子
21 主板部
22 フランジ片
23 アンカー片
24 ガス逃し溝
26 枝板部
30 保持部
31(31a~31d) 支柱