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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156694
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】記録システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221006BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221006BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221006BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 304
G06F3/12 303
G06F3/12 373
B41J29/00 Z
B41J29/38 204
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060512
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】神谷 信行
(72)【発明者】
【氏名】久保田 洋孝
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK15
2C061HK23
2C061HN05
2C061HP00
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA12
5C062AA14
5C062AA35
5C062AB22
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
5C062AF08
(57)【要約】
【課題】記録装置の記録許可量を購入するシステムにおいて、記録許可量の購入方法をユーザに教示し、記録許可量の購入を促進できる記録システム、及びプログラムを提供こと。
【解決手段】印刷システム1のプリンタ20は、プリンタ記憶部26Bの印刷可能枚数の範囲で印刷部25による印刷動作を実行する。携帯端末装置10は、この印刷可能枚数を購入するチャージ操作を教示するためのチュートリアル操作画面71~79をタッチパネル14に表示させる(S101~S108)。携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面71~79に対する操作を受け付けながら、チャージ操作の教示をユーザに対して実行する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、
記録装置と、
を備える記録システムであって、
前記情報処理装置は、
入力インタフェースと、
表示部と、
を備え、
前記記録装置は、
記録媒体に記録動作を実行する記録部を備え、前記記録部による記録動作を許可する記録許可量の範囲で前記記録部による記録動作を実行し、
前記情報処理装置は、
前記記録許可量を購入するための前記入力インタフェースに対する操作であるチャージ操作を教示するためのチュートリアル操作画面を前記表示部に表示させるチュートリアル処理を実行する、記録システム。
【請求項2】
前記情報処理装置は、
前記記録許可量の購入を受け付けるチャージ操作画面を前記表示部に表示させるチャージ処理を実行する、請求項1に記載の記録システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記入力インタフェースに対する操作入力に応じて、前記チャージ処理又は前記チュートリアル処理を開始する、請求項2に記載の記録システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記チャージ処理において、前記入力インタフェースに対する操作入力に基づいて前記記録許可量を購入する指示を前記チャージ操作画面で受け付け、購入する指示を受け付けた前記記録許可量に基づいて前記記録装置の前記記録許可量を増加させる処理を実行する、請求項2又は請求項3に記載の記録システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記チュートリアル処理において、前記チュートリアル操作画面における前記記録許可量を購入する前記チャージ操作を抑制するように、前記チュートリアル操作画面を切り替える、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の記録システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、
前記チュートリアル処理において、前記チュートリアル操作画面として、前記チャージ処理における前記チャージ操作画面を前記表示部に表示し、前記チュートリアル操作画面を切り替えて前記チャージ操作画面に対する前記チャージ操作を抑制する、請求項5に記載の記録システム。
【請求項7】
前記記録システムは、
前記チャージ処理が実行された場合、
購入された前記記録許可量に応じた料金を決済する決済処理を実行し、
前記チュートリアル処理が実行された場合、
前記決済処理を実行しない、請求項2から請求項6の何れか1項に記載の記録システム。
【請求項8】
前記記録システムは、
複数の前記記録装置を備え、
前記情報処理装置は、
任意の前記記録装置を選択された状態で、前記チュートリアル処理を実行し、
前記記録システムは、
前記チュートリアル処理で選択された前記記録装置について1回目の前記チュートリアル処理を実行する場合、料金を決済せずに選択された前記記録装置の前記記録許可量に所定の無料記録許可量を追加する追加処理を実行し、
選択された前記記録装置について2回目以降の前記チュートリアル処理を実行する場合、前記情報処理装置において前記チュートリアル処理が実行されても前記追加処理を実行しない、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の記録システム。
【請求項9】
前記記録システムは、
サーバをさらに備え、
前記サーバは、
サーバ記憶部を備え、
前記サーバ記憶部は、
前記記録装置と、前記記録装置に対して前記無料記録許可量の追加を実行したか否かを示す無料チャージ実行情報とを関連付けて記憶しており、
前記情報処理装置は、
前記チュートリアル処理の開始に応じて、開始指示を前記サーバに送信する開始指示送信処理を実行し、
前記サーバは、
前記開始指示を取得したことに基づいて、前記チュートリアル処理で選択されている前記記録装置について前記無料チャージ実行情報を判断する実行判断処理を実行し、
前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行していないと判断した場合、前記チュートリアル処理で選択されている前記記録装置を対象に前記追加処理を実行し、
前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行していたと判断した場合、前記追加処理を実行しない、請求項8に記載の記録システム。
【請求項10】
前記サーバは、
前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行していないと判断した場合、送信元の前記情報処理装置を識別するための識別情報と、前記無料記録許可量を前記情報処理装置に応答し、前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行したと判断した場合、前記識別情報と、前記無料記録許可量がゼロであることを示す情報を前記情報処理装置へ応答する応答処理を実行し、
前記情報処理装置は、
前記応答処理で前記無料記録許可量を取得した場合、前記チュートリアル処理において、追加する前記記録許可量として前記無料記録許可量を前記チュートリアル操作画面に表示し、前記応答処理で前記無料記録許可量がゼロであることを示す情報を取得した場合、前記チュートリアル処理において、追加する前記記録許可量がゼロであることを前記チュートリアル操作画面に表示し、前記記録許可量を購入する操作を受け付ける購入受付処理と、
前記購入受付処理で購入する操作を受け付けた場合、前記応答処理で取得した前記識別情報と、前記無料記録許可量の追加を実行させる実行指示を、前記サーバに送信する実行指示送信処理と、
を実行し、
前記サーバは、
前記実行指示を前記情報処理装置から取得した場合、前記実行指示送信処理で取得した前記識別情報に基づいて、前記応答処理で応答した前記無料記録許可量がゼロでないと判断した場合、前記追加処理を実行する、請求項9に記載の記録システム。
【請求項11】
前記サーバは、
前記追加処理を実行したことに基づいて、前記サーバ記憶部において、前記追加処理で前記無料記録許可量を追加した前記記録装置に関連付けられた前記無料チャージ実行情報に、前記無料記録許可量の追加を実行したことを示す情報を設定する設定処理を実行する、請求項9又は請求項10に記載の記録システム。
【請求項12】
前記記録装置は、
前記記録許可量を記録する記録装置記録部を備え、
前記記録装置記録部は、
自装置の前記記録許可量に前記無料記録許可量を追加したか否かを示す無料チャージ実行情報を記憶し、
前記情報処理装置は、
前記チュートリアル処理の開始に応じて、前記チュートリアル処理で選択された前記記録装置へ開始指示を送信する開始指示送信処理を実行し、
前記記録装置は、
前記開始指示を取得したことに基づいて、前記無料チャージ実行情報を判断する実行判断処理を実行し、
前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行していないと判断した場合、前記記録部に記憶する前記記録許可量に前記無料記録許可量を追加する前記追加処理を実行し、
前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行していたと判断した場合、前記追加処理を実行しない、請求項8に記載の記録システム。
【請求項13】
前記記録装置は、
前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行していないと判断した場合、送信元の前記情報処理装置を識別するための識別情報と、前記無料記録許可量を前記情報処理装置に応答し、前記実行判断処理の結果、前記無料記録許可量の追加を実行したと判断した場合、前記識別情報と、前記無料記録許可量がゼロであることを示す情報を前記情報処理装置へ応答する応答処理を実行し、
前記情報処理装置は、
前記応答処理で前記無料記録許可量を取得した場合、前記チュートリアル処理において、追加する前記記録許可量として前記無料記録許可量を前記チュートリアル操作画面に表示し、前記応答処理で前記無料記録許可量がゼロであることを示す情報を取得した場合、前記チュートリアル処理において、追加する前記記録許可量がゼロであることを前記チュートリアル操作画面に表示し、前記記録許可量を購入する操作を受け付ける購入受付処理と、
前記購入受付処理で購入する操作を受け付けた場合、前記応答処理で取得した前記識別情報と、前記無料記録許可量の追加を実行させる実行指示を、前記記録装置に送信する実行指示送信処理と、
を実行し、
前記記録装置は、
前記実行指示を前記情報処理装置から取得した場合、前記実行指示送信処理で取得した前記識別情報と、前記応答処理で応答した前記識別情報とが一致し、且つ、前記無料チャージ実行情報に基づいて前記無料記録許可量の追加を実行していないと判断した場合、前記追加処理を実行する、請求項12に記載の記録システム。
【請求項14】
前記記録装置は、
前記追加処理を実行したことに基づいて、前記無料記録許可量の追加を実行したことを示す情報を、前記無料チャージ実行情報に設定する設定処理を実行する、請求項12又は請求項13に記載の記録システム。
【請求項15】
記録装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータで読み取り可能なプログラムであって、
前記情報処理装置は、
入力インタフェースと、
表示部と、
を備え、
前記記録装置は、
記録媒体に記録動作を実行する記録部を備え、前記記録部による記録動作を許可する記録許可量の範囲で前記記録部による記録動作を実行し、
前記コンピュータに、
前記記録許可量を購入するための前記入力インタフェースに対する操作であるチャージ操作を教示するためのチュートリアル操作画面を前記表示部に表示させるチュートリアル処理を実行させる、プログラム。
【請求項16】
前記コンピュータに、
前記記録許可量の購入、及び前記記録許可量の購入に応じた料金を支払う支払い方法を入力させる支払い方法入力画面を前記表示部に表示させるチャージ処理を実行させ、
前記チュートリアル処理において、前記支払い方法入力画面を表示させずに前記チャージ操作を教示する、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータに、
任意の前記記録装置を選択された状態で、前記チュートリアル処理を実行させ、
前記記録装置は、
前記情報処理装置の前記チュートリアル処理で自装置を選択された状態で1回目の前記チュートリアル処理を実行された場合、料金を決済せずに自装置の前記記録許可量に所定の無料記録許可量が追加される一方、自装置を選択された状態で2回目以降の前記チュートリアル処理を実行された場合、前記チュートリアル処理が実行されても前記無料記録許可量が追加されず、
前記コンピュータに、
前記チャージ処理において前記無料記録許可量を表示させず、前記チュートリアル処理の前記チュートリアル操作画面では前記無料記録許可量を表示させる、請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記コンピュータに、
前記チュートリアル処理において選択された前記記録装置に対する前記チュートリアル処理が2回目以降である場合、前記記録許可量を購入する操作を前記入力インタフェースで実行しても前記無料記録許可量が追加されないことを示すメッセージを、前記チュートリアル操作画面に表示する、請求項17に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、記録システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタの印刷可能枚数を管理するプリントシステムについて記載されている。特許文献1のプリンタは、メモリカードを装着するカードインタフェース手段を備え、メモリカードに記憶された印刷可能枚数に基づいて印刷を実行する。プリンタを使用するユーザは、メモリカードの印刷可能枚数だけ、印刷をプリンタに実行させることができる。ユーザは、印刷可能枚数を購入することで、印刷サービスを継続して利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-137501号公報(図10
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1のプリンタシステムでは、印刷可能枚数を購入する場合、ユーザは、クライアント装置に対して所定の操作を行って、印刷可能枚数を購入するための画面を表示させ、購入したい枚数を画面で入力等する必要がある。このため、印刷可能枚数を購入するまでの操作方法等が分からず、印刷可能枚数の購入を控えるユーザが発生する虞があった。
【0005】
本願は、上記した課題を解決するためになされたものであって、記録装置の記録許可量を購入するシステムにおいて、記録許可量の購入方法をユーザに教示し、記録許可量の購入を促進できる記録システム、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される記録システムは、情報処理装置と、記録装置と、を備える記録システムであって、前記情報処理装置は、入力インタフェースと、表示部と、を備え、前記記録装置は、記録媒体に記録動作を実行する記録部を備え、前記記録部による記録動作を許可する記録許可量の範囲で前記記録部による記録動作を実行し、前記情報処理装置は、前記記録許可量を購入するための前記入力インタフェースに対する操作であるチャージ操作を教示するためのチュートリアル操作画面を前記表示部に表示させるチュートリアル処理を実行する。
【0007】
また、本明細書に開示の内容は、記録システムとしての実施に限らず、例えば、記録装置と通信可能な情報処理装置のコンピュータで読み取り可能なプログラムとして実施しても有益である。
【発明の効果】
【0008】
上記構成の記録システム、プログラムによれば、記録許可量の購入方法をユーザに教示し、記録許可量の購入を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の第1実施形態に係る印刷システムの構成図である。
図2図1に示すプリンタ管理テーブルの説明図である。
図3図1に示すサーバ管理テーブルの説明図である。
図4】チュートリアル処理が実行された場合のシーケンス図である。
図5】携帯端末装置の表示部に表示するメニュー画面を示す図である。
図6】携帯端末装置の表示部に表示する選択画面を示す図である。
図7】携帯端末装置の表示部に表示するチュートリアル操作画面を示す図である。
図8】通常のチャージ処理が実行された場合のシーケンス図である。
図9】通常のチャージ処理を実行した場合の携帯端末装置の表示部に表示するチャージ操作画面を示す図である。
図10】第2実施形態に係わるチュートリアル処理が実行された場合のシーケンス図である。
図11】第2実施形態に係わるプリンタ管理テーブルの説明図である。
図12】第2実施形態に係わるサーバ管理テーブルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本明細書の記録システムを具体化した一実施形態である第1実施形態の印刷システム1について説明する。図1は、印刷システム1の構成図である。印刷システム1は、例えば、複数のプリンタ20や携帯端末装置10を備え、ユーザに印刷サービスを提供する。この印刷サービスでは、プリンタ20によって印刷可能な用紙の枚数である印刷可能枚数に対して課金を行なったユーザに、金額に応じた印刷可能枚数を提供し、印刷に利用してもらうサービスである。以下の説明では、印刷可能枚数を設定することや、追加で課金して印刷可能枚数を増加させることを、「チャージする」という場合がある。
【0011】
本実施形態の印刷システム1は、後述するように、携帯端末装置10からサーバ30に対して、印刷可能枚数を増加させるチャージの指示を行なうことができる。また、印刷システム1は、実際のチャージ操作を行なう前に、チャージの操作方法をユーザに教示するチュートリアル処理を実行する。印刷システム1は、任意のプリンタ20に対してチュートリアル処理が実行されることに応じて所定の印刷可能枚数(以下、無料チャージ枚数という場合がある)を、無料で提供する。無料チャージ枚数は、例えば、2000枚である。以下の説明では、この2000枚の無料チャージ枚数がチャージされることを無料チャージされる、という場合がある。また、2回目以降のチュートリアル処理では、無料チャージ枚数がゼロ枚となる。即ち、2回目以降のチュートリアル処理では、無料チャージが実行されない。尚、印刷システム1は、所定の印刷可能枚数を無料で提供せずに、例えば、ユーザがサービスの申込料等を支払ったことに応じて、印刷可能枚数を提供しても良い。
【0012】
プリンタ20は、例えば、インクジェットプリンタである。ベンダからユーザに送付されるプリンタ20には、無料チャージ枚数以上(例えば2000枚+α枚)の印刷をするために必要な量のインクが充填されている。このため、本印刷サービスでは、ユーザは、プリンタ20を入手した後に付与された無料チャージ枚数の印刷を行うまでの間に、プリンタ20にインクを充填したり、インクカートリッジを交換したりする手間が不要となる。従って、本印刷サービスは、プリンタ20へのインクの補充作業が不要となり、ユーザにとっての利便性が高いサービスである。
【0013】
また、ユーザが無料チャージ枚数を超えて印刷を行いたい場合は、追加の費用を支払って、チャージを行なう。そして、追加の印刷可能枚数を購入することにより、ユーザはプリンタ20を継続して利用可能である。ユーザが追加の印刷可能枚数の購入を繰り返したために、プリンタ20のインク残量が少なくなった場合、ユーザは、プリンタ20の交換を申請する。ユーザは、新たに発送されたプリンタ20を使用することで、印刷サービスを継続して利用できる。
【0014】
図1に示すように、印刷システム1は、携帯端末装置10、プリンタ20及びサーバ30を備えている。尚、図面が煩雑となるのを避けるため、図1には、1台の携帯端末装置10と1台のプリンタ20のみを図示している。携帯端末装置10とプリンタ20とは、ルータ2を介して相互に通信可能に接続されている。また、携帯端末装置10及びプリンタ20は、ルータ2及びインターネット3を介してサーバ30と相互に通信可能に接続されている。尚、上記したネットワークの構成は、一例である。例えば、サーバ30をLAN内に配置し、携帯端末装置10及びプリンタ20を、インターネット3を介さずにサーバ30に接続しても良い。また、サーバ30に接続される携帯端末装置10やプリンタ20は、1台でも複数台でも良い。また、複数の携帯端末装置10で1つのプリンタ20を共用して使用しても良く、1つの携帯端末装置10が、複数のプリンタ20を使い分けても良い。
【0015】
(携帯端末装置10の構成)
携帯端末装置10は、用紙(本願の記録媒体の一例)に対して画像の印刷をプリンタ20に実行させるものである。携帯端末装置10は、例えば、スマートフォンである。携帯端末装置10は、端末制御部11、近距離通信部13、タッチパネル14、及び、外部通信部16を備えている。これらの構成要素は、バス19を介して互いに通信可能とされている。
【0016】
端末制御部11は、端末CPU17、端末記憶部18を備えている。端末記憶部18は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を組み合わせて構成されている。端末記憶部18には、端末プログラム18A、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという場合がある)18B、印刷可能枚数18Cが記憶されている。端末プログラム18A、アプリケーション18B、印刷可能枚数18Cは、例えば、端末記憶部18における読み取り及び書き込みが可能なフラッシュメモリやSSDなどのROMに記憶されている。端末プログラム18Aは、携帯端末装置10を統括的に制御するプログラムであり、アプリケーション18Bに基本的な機能やサービスを提供する。端末プログラム18Aは、例えば、Android(登録商標)OSやiOS(登録商標)である。また、携帯端末装置10が例えばPCである場合、端末プログラム18Aは、Windows(登録商標)OSなどである。
【0017】
アプリケーション18Bは、例えば、プリンタ20のベンダから提供されるプログラムであり、端末プログラム18Aの機能等を利用して、プリンタ20に対する設定処理や印刷指示、サーバ30に対するチャージ指示等の各種処理を実行するプログラムである。端末制御部11は、端末プログラム18Aやアプリケーション18Bを端末CPU17で実行し、携帯端末装置10を統括的に制御する。印刷可能枚数18Cは、プリンタ20の印刷可能枚数(図2参照)の情報を、携帯端末装置10側で記憶した情報である。携帯端末装置10は、例えば、プリンタ20へ印刷指示を受け付ける画面で、現在の印刷可能枚数18Cを表示する。
【0018】
尚、以下の説明では、端末プログラム18Aやアプリケーション18Bを端末CPU17で実行する端末制御部11のことを、単に装置名で記載する場合がある。例えば、「携帯端末装置10は」という記載は、「端末プログラム18Aやアプリケーション18Bを端末CPU17で実行する端末制御部11は」ということを意味する場合がある。また、本明細書では、主に、プログラムに記述された命令に従った端末CPU17の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「送信」等の処理は、端末CPU17の処理を表している。端末CPU17による処理は、ハードウェア制御も含む。また、後述するプリンタプログラム26B1をプリンタCPU26Aで実行するプリンタ制御部26(プリンタ20)や、サーバプログラム32B1をサーバCPU32Aで実行するサーバ制御部32(サーバ30)についても同様である。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。
【0019】
また、プログラム(端末プログラム18A、アプリケーション18B)を記憶する端末記憶部18は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種である信号媒体であるが、non-transitoryなストレージ媒体には含まれない。尚、後述するプリンタプログラム26B1を記憶するプリンタ記憶部26B、サーバプログラム32B1を記憶するサーバ記憶部32Bについても同様である。
【0020】
近距離通信部13は、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFC(Near Field Communicationの略)などの近距離無線が可能な通信インタフェースである。タッチパネル14は、例えば、液晶パネルや液晶パネルの表面に貼り合わされた接触感知膜等を備え、端末制御部11の制御に基づいて液晶パネルの表示内容を変更する。また、タッチパネル14は、ユーザからの操作入力を受け付け、操作入力に応じた信号を端末制御部11に出力する。タッチパネル14は、本願の表示部及び入力インタフェースの一例である。尚、携帯端末装置10は、タッチパネル14の他に、電源ボタン等を備えても良い。また、携帯端末装置10が備えるユーザインタフェースは、タッチパネル14に限らない。例えば、携帯端末装置10は、LCDや有機ELディスプレイ等の表示装置と、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等の入力装置を別々に備えても良い。従って、本願の情報処理装置は、表示部と、入力インタフェースとを別々の装置として備えても良い。
【0021】
外部通信部16は、例えば、Wi-Fi(登録商標)の通信規格に準じた無線通信が可能な通信インタフェースである。携帯端末装置10は、外部通信部16を介してルータ2に接続されている。ルータ2は、インターネット3を介してサーバ30に接続されている。尚、外部通信部16は、無線方式の通信インタフェースに限らず、LANケーブル等の有線ケーブルが接続可能な有線方式の通信インタフェースでも良い。
【0022】
(プリンタ20の構成)
プリンタ20は、例えば、インクジェット方式のカラー印刷機である。プリンタ20は、近距離通信部21、外部通信部22、タンク部23、インク残量検出部24、印刷部25、ユーザIF(インタフェースの略)27及び、プリンタ制御部26を備えている。近距離通信部21は、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFCなどの近距離無線が可能な通信インタフェースである。プリンタ20は、近距離通信部21を介して近距離通信部13と通信可能であり、携帯端末装置10から設定情報や、印刷指示を取得する。本願における「取得」とは、要求を必須とはしない概念で用いる。即ち、プリンタ20が要求することなく指示を受信するという処理も、「プリンタ20が指示を取得する」という概念に含まれる。
【0023】
外部通信部22は、例えば、Wi-Fi(登録商標)の通信規格に準じた無線通信が可能な通信インタフェース、及びLANケーブルが接続可能な有線方式の通信インタフェースをそれぞれ備えている。プリンタ20は、外部通信部22を介してルータ2に接続される。尚、外部通信部22は、無線方式の通信インタフェース又は有線方式の通信インタフェースの一方のみを備える構成でも良い。
【0024】
タンク部23は、インクを貯留するものである。本実施形態においてインクは4種類あり(マゼンタM、シアンC、イエローY及びブラックBK)、タンク部23は、インクの種類毎に複数設けられている。即ち、プリンタ20は、複数のタンク部23を用いて4種類のインクそれぞれを独立させて貯留する。尚、プリンタ20は、モノクロ印刷のプリンタでも良い。また、本実施形態において、ベンダからユーザにプリンタ20が供給される際には、複数のタンク部23それぞれには、例えば、単色カバレッジを5%とした場合において、所定枚数の用紙を印刷可能なインクの量が充填されている。所定枚数とは、無料チャージ枚数よりも多い枚数であり、印刷サービスを提供するベンダが適宜設定可能である。
【0025】
また、タンク部23は、ユーザがインクを充填不能に設けられている。具体的には、タンク部23は、ユーザによっては触れることができない位置に配置されている。また、タンク部23は、プリンタ20に着脱不能に固定されている。インク残量検出部24は、タンク部23に貯留されたインクの残量であるインク残量を検出するものである。インク残量検出部24は、タンク部23に配置され、インクの液面の高さを検出することにより、インク残量を検出する光学センサである。インク残量検出部24は複数のタンク部23それぞれに配置され、複数のタンク部23それぞれのインク残量を検出する。尚、プリンタ20は、タンク部23をユーザが交換可能な構成でも良い。
【0026】
印刷部25は、タンク部23に貯留されたインクを用いて印刷を実行する。印刷部25は、例えば、インクジェットヘッド等を備え、携帯端末装置10から取得した印刷指示に含まれる画像データを、既知のインクジェット方式で用紙に印刷する。ユーザIF27は、例えば、タッチパネル、押しボタンスイッチ等であり、ユーザからの操作入力の受け付けや各種の情報の表示を行う。尚、プリンタ20は、タッチパネル等のユーザIF27を備えない構成でも良い。
【0027】
プリンタ制御部26は、プリンタ20を統括制御するものである。プリンタ制御部26は、プリンタCPU26A、プリンタ記憶部26Bを備えている。プリンタCPU26Aは、プリンタ記憶部26B内のプリンタプログラム26B1を実行することで、プリンタ20の動作を制御する。プリンタプログラム26B1は、プリンタ20を統括的に制御するプログラムであり、プリンタ20に各種処理を実行させるプログラムである。プリンタ記憶部26Bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDDなどが組み合わされて構成されている。プリンタプログラム26B1は、例えば、プリンタ記憶部26Bの書き換え可能なROM(フラッシュメモリ等)に記憶されている。
【0028】
また、プリンタ記憶部26Bには、プリンタ管理テーブルPTが記憶されている。プリンタ管理テーブルPTは、例えば、プリンタ記憶部26Bの書き換え可能なROMに記憶されている。プリンタ管理テーブルPTは、印刷サービスの利用に関して、プリンタ20に関する情報が記憶されたデータである。図2に示すように、プリンタ管理テーブルPTには、デバイスID、印刷可能枚数、インク残量、及びデバイス設定が対応付けられて記憶されている。デバイスIDは、例えば、プリンタ20のベンダによって設定されたシリアル番号であり、任意のプリンタ20を他のプリンタ20と識別できる固有の情報である。尚、デバイスIDは、シリアル番号に限らず、例えば、近距離通信部21や外部通信部22のMACアドレスなど、他の装置固有の情報でも良い。印刷可能枚数は、プリンタ20によって印刷を実行可能な用紙の枚数を示すものである。プリンタ20を利用するユーザは、プリンタ管理テーブルPTに記憶された印刷可能枚数の範囲で(枚数だけ)印刷することができる。
【0029】
印刷可能枚数は、ユーザによって課金されることにより、課金された額に応じた枚数が加算(チャージ)される。一方、印刷可能枚数は、プリンタ20の印刷によって使用された用紙の枚数が減算される。プリンタ20は、例えば、印刷可能枚数がゼロ以下となると、印刷が実行できない状態となる。プリンタ20は、例えば、印刷指示を受け付けるごとに印刷を実行して、印刷枚数を印刷可能枚数から減算し、印刷可能枚数がゼロになるまで印刷を実行する。プリンタ20は、印刷可能枚数がゼロになると印刷の実行を禁止し、エラーを携帯端末装置10に通知等する。あるいは、プリンタ20は、印刷指示を受け付けた時点で、その印刷指示の印刷枚数が印刷可能枚数以上であった場合、印刷を実行せずに印刷可能枚数を残したままエラーを携帯端末装置10に通知しても良い。
【0030】
インク残量は、インク残量検出部24によって検出されたインク残量を示すものである。プリンタ20は、例えば、インクジェットヘッドへのインクの補充、ノズルチェック、印刷等のインクを使用する動作を実行した後、インク残量検出部24によって検出したインク残量をプリンタ管理テーブルPTに記憶する。デバイス設定は、プリンタ20の機能(印刷等)、各機能の設定(用紙サイズ、カラー、倍率等)、及びユーザIF27に表示する言語等の設定情報である。
【0031】
(サーバ30の構成)
図1に示すように、サーバ30は、外部通信部31及びサーバ制御部32を備えている。外部通信部31は、インターネット3、ルータ2を介して携帯端末装置10やプリンタ20に接続されている。サーバ制御部32は、サーバCPU32A及びサーバ記憶部32Bを備えている。サーバCPU32Aは、サーバ記憶部32B内のサーバプログラム32B1を実行することで、サーバ30の動作を統括的に制御する。サーバプログラム32B1は、サーバ30を統括的に制御するプログラムであり、サーバ30に各種処理を実行させるプログラムである。
【0032】
サーバ記憶部32Bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD等を組み合わせて構成されている。また、サーバ記憶部32Bには、サーバ管理テーブルSTが記憶されている。サーバ管理テーブルSTは、印刷サービスを利用するにあたって必要な情報が記憶されたデータである。サーバ管理テーブルSTは、印刷サービスを利用する各プリンタ20の情報が、プリンタ20のデバイスIDに関連付けて記憶され、ベンダによって管理されている。
【0033】
図3に示すように、サーバ管理テーブルSTには、デバイスID、印刷可能枚数、及び実行フラグが対応付けられて記憶されている。デバイスID、印刷可能枚数は、上述したプリンタ管理テーブルPTと同じデータであり、同じデバイスIDに対応するプリンタ管理テーブルPTのデータが記憶される。本実施形態のサーバ30は、印刷サービスを利用する複数のプリンタ20について、デバイスIDと印刷可能枚数を関連付けたサーバ管理テーブルSTによって、各プリンタ20の印刷可能枚数を管理する。サーバ30は、携帯端末装置10の印刷指示やチャージ指示に応じて増減する印刷可能枚数を、プリンタ20との間で同期する同期処理を実行し、最新の印刷可能枚数をサーバ管理テーブルSTで管理する。
【0034】
実行フラグは、任意のプリンタ20について、後述するチュートリアル処理を実行し、無料チャージ枚数の無料チャージを実行したか否かを示す情報である。例えば、実行フラグには、無料チャージを実行したことを示す値、又は、未実行であることを示す値が設定される。実行フラグは、本願の無料チャージ実行情報の一例である。尚、本願の無料チャージ実行情報は、2値の値に限らず、例えば、実行の有無を示す情報の他に、無料チャージを実行した日時等の他の情報を含んでも良い。図3に示す「〇」は、無料チャージが実行済みであることを示す値が設定されていることを示し、「×」は、無料チャージが未実行であることを示す値が設定されていることを示している。
【0035】
図2図3に示すプリンタ管理テーブルPT、サーバ管理テーブルSTの情報は、一例である。例えば、プリンタ20(デバイスID)ごとに、異なる無料チャージ枚数を設定する場合、個々のデバイスIDと、無料チャージ枚数を関連付けてサーバ管理テーブルSTに予め登録しても良い。また、サーバ30は、プリンタ20に対する印刷の実行の可否をサーバ管理テーブルSTで管理しても良い。例えば、サーバ30は、個々のデバイスIDに、アクティベーション情報を関連付けて記憶しても良い。ここでいうアクティベーション情報とは、例えば、オンを示すデータが設定された場合に印刷部25による印刷の実行を許容し、オフを示すデータが設定された場合に印刷部25による印刷の実行を制限するものである。サーバ30は、例えば、個々のプリンタ20のプリンタ管理テーブルPTのアクティベーション情報と、サーバ管理テーブルSTのアクティベーション情報とを同期させることで、プリンタ20の印刷動作を制限しても良い。また、サーバ30は、個々のプリンタ20のインク残量を、プリンタ管理テーブルPTから取得してサーバ管理テーブルSTに記憶し、インク残量の低減に応じて、プリンタ20の交換を携帯端末装置10へ通知しても良い。
【0036】
(チュートリアル処理、1回目)
次に、印刷システム1が実行するチュートリアル処理について説明する。図4は、チュートリアル処理におけるユーザの作業、各装置の処理の内容を示している。チュートリアル処理は、携帯端末装置10を介してユーザにチャージの操作(以下、チャージ操作という場合がある)の方法を教示する処理である。また、サーバ30は、任意のプリンタ20がアプリケーション18Bで選択されている状態で、その任意のプリンタ20に対して1回目のチュートリアル処理が実行される場合、無料チャージを実行し、2回目以降のチュートリアル処理が実行される場合は、無料チャージを実行しない。さらに、1回目のチュートリアル処理と、後述する通常のチャージ処理(図8図9参照)との違いは、通常のチャージ処理は少なくとも料金の決済処理を伴って印刷可能枚数を増加(チャージ)させるのに対し、チュートリアル処理は決済処理を伴わずに印刷可能枚数を増加させる処理である点で異なる。以下の説明では、まず、1回目のチュートリアル処理について説明する。
【0037】
ユーザは、例えば、プリンタ20を初めて購入し、ベンダからプリンタ20が到着すると、図4に示す作業を行う。携帯端末装置10、プリンタ20、サーバ30の各装置は、ユーザの作業に応じて各処理を実行する。尚、図4に示す右下向きの矢印はユーザによる操作を示している。また、図4に示す処理、作業の内容や順番は、一例である。また、プリンタ20として、デバイスIDが「dv1」(図2参照)のプリンタ20を設定する場合について説明する。即ち、以下の説明では、デバイスIDが「dv1」のプリンタ20に対して1回目の(初めて)チュートリアル処理を実行する場合について説明する。
【0038】
まず、図4のシーケンス図の上部に示すステップ(以下、単にSと記載する)10において、S11以降の処理が開始される前提として、携帯端末装置10、サーバ30、プリンタ20の各装置間で通信可能な設定が完了しているものとする。具体的には、例えば、ユーザは、ベンダから受け取ったプリンタ20を自宅のコンセントに接続して電源を投入する(S10A)。また、携帯端末装置10は、ユーザの操作入力に応じて通信設定を受け付ける(S10B)。例えば、ユーザは、携帯端末装置10のタッチパネル14を操作して端末プログラム18Aに対して、ルータ2のSSIDや暗号化キー等の通信設定を行なう(S10B)。携帯端末装置10は、外部通信部16を介してルータ2と通信可能な状態となる。ユーザは、通信設定を行なった後、アプリケーション18Bを起動する(10B)。携帯端末装置10、例えば、アプリケーション18Bを起動されると、近距離無線を用いてプリンタ20の通信設定を実行する。
【0039】
携帯端末装置10は、初めてアプリケーション18Bが起動されると、端末プログラム18Aを介して近距離通信部13による近距離無線の機能を有効にする(S10B)。一方、プリンタ20は、例えば、通信設定が未設定の状態で電源を投入された場合や、ユーザIF27に対する操作入力に応じて、近距離通信部21による近距離無線の機能を有効化する(S10A)。アプリケーション18Bは、プリンタ20に携帯端末装置10を近づける指示をタッチパネル14に表示する。ユーザが、携帯端末装置10をプリンタ20に近づけると、アプリケーション18Bは、近距離通信部13、21を介して、ルータ2のSSIDや暗号化キーなど、ルータ2に接続するのに必要な通信設定情報を近距離無線通信でプリンタ20へ送信する(S10C)。プリンタ20は、アプリケーション18Bから取得した通信設定情報に基づいて、外部通信部22からルータ2へ接続する。尚、アプリケーション18Bは、通信設定情報を送信する前に、近距離無線で検出したプリンタ20の表示処理、予めベンダで設定されたプリンタ20の認証情報の入力処理等、ユーザへの確認を実行しても良い。また、上記したプリンタ20に対する通信の設定方法は、一例である。例えば、ユーザが、プリンタ20のユーザIF27を操作して、IPアドレス、ルータ2のSSID等を入力して通信の設定を実行しても良い。
【0040】
プリンタ20は、外部通信部22を介してルータ2と通信可能な状態になると、インターネット3を介してサーバ30へアクセスし、登録処理を要求する(S10D)。サーバ30のアクセス先については、ベンダ等が予めプリンタ記憶部26Bに設定しても良く、アプリケーション18Bからプリンタ20へ通知しても良い。プリンタ20は、例えば、携帯端末装置10から取得した端末IDやアプリケーション18BのID、自装置のデバイスID等をサーバ30へ通知する(S10D)。これにより、サーバ30は、通信先のプリンタ20や携帯端末装置10を識別することができる。
【0041】
サーバ30は、S10Dで通知されたデバイスID(例えば、「dv1」)をサーバ管理テーブルSTに登録する(S10E)。サーバ30は、例えば、デバイスID「dv1」に関連付ける印刷可能枚数「pr1」(図3参照)として、ゼロ枚を設定する。また、サーバ30は、例えば、デバイスID「dv1」に関連付ける実行フラグの情報として、未実行「×」であるデータを設定する。
【0042】
尚、サーバ30への登録処理、端末IDやプリンタ20のデバイスIDの通知処理は、携帯端末装置10が実行しても良い。あるいは、携帯端末装置10とプリンタ20が、別々にサーバ30へアクセスし、登録処理やIDの通知を実行しても良い。
【0043】
また、携帯端末装置10、プリンタ20、サーバ30間の通信は、セキュリティが確保された通信であることが好ましい。ここでいうセキュリティの確保とは、例えば、通信相手の認証、通信データの暗号化、通信データの改ざんの検出などを実行することをいう。通信のセキュリティを確保する方法は、特に限定されない。具体的には、ベンダ側がアプリケーション18Bやプリンタプログラム26B1に設定した認証トークンや暗号化キーを用いて、通信相手の認証や通信データの暗号化等を実行し、セキュリティを確保しても良い。あるいは、SSLのような公知のセキュアな通信プロトコルを用いてセキュリティを確保しても良い。尚、携帯端末装置10、プリンタ20、サーバ30間の通信は、暗号化等を実行しない通信でも良い。また、上記した通信設定や、通信のセキュリティを確保する処理を実行するタイミングは、新しいプリンタ20がベンダから発送されたタイミングに限らない。例えば、プリンタ20のユーザが変わって、新しいユーザにチャージの方法を教示するタイミングでも良い。具体的には、プリンタ20のネットワークの設定や、プリンタ名が変更されたタイミングでも良い。
【0044】
上記したS10の通信設定等が終了した後、図4のS11に示すように、携帯端末装置10は、アプリケーション18Bを介してチュートリアル処理の開始指示を受け付ける。例えば、携帯端末装置10は、上記したように、プリンタ20とサーバ30とのセキュアな通信を確保した後、アプリケーション18Bを介して、図5に示すメニュー画面51をタッチパネル14に表示する。携帯端末装置10は、例えば、印刷機能の実行をプリンタ20に指示する印刷アイコン52、プリンタ20の設定を行う設定アイコン55、チャージ処理やチュートリアル処理を行なうチャージアイコン56、プリンタ20の状態を確認するステータスアイコン57を、メニュー画面51に表示する。
【0045】
また、携帯端末装置10は、メニュー画面51の下部に設けられたプリンタ表示部61に、上記したセキュリティな通信を確保した、即ち、現在の通信相手であるデバイスID「dv1」のプリンタ20の情報を表示する。携帯端末装置10は、例えば、「オンライン」の文字を表示し、プリンタ20と通信可能になったことをプリンタ表示部61に表示する。尚、携帯端末装置10は、プリンタ表示部61の選択ボタン63をタッチ操作されると、同一ネットワーク上で検出したプリンタ20のプリンタ名(型番など)の一覧を表示し、印刷等を実行するプリンタ20の選択を受け付けても良い。即ち、携帯端末装置10は、チュートリアル処理やチャージ処理において、携帯端末装置10側で選択されたプリンタ20の変更を、選択ボタン63で受け付け可能となっている。
【0046】
携帯端末装置10は、所定の条件に基づいて、無料チャージが実行可能である旨のメッセージ65を、チャージアイコン56に表示する。これにより、ユーザに対して、無料チャージのチャージ操作を促すことができる。ここでいう所定の条件は、例えば、上記したS10を実行することで、新規のプリンタ20と通信可能になる条件である。この場合、新規なプリンタ20を携帯端末装置10に接続するごとにメッセージ65を表示できる。あるいは、所定の条件は、例えば、サーバ30からの通知指示を取得する条件でも良い。これにより、サーバ30が無料チャージを実行する条件に応じて携帯端末装置10に対してメッセージ65を表示させることができる。
【0047】
携帯端末装置10は、メッセージ65を表示した状態でチャージアイコン56を選択する操作をタッチパネル14で受け付けると、チャージ操作を教示するチュートリアル操作画面をタッチパネル14に表示する。図7は、チュートリアル操作画面の一例を示している。携帯端末装置10は、例えば、メッセージ65を表示した状態でチャージアイコン56を選択されると、チュートリアル操作画面71を表示した後、チュートリアル操作画面72をタッチパネル14に表示する。本実施形態のアプリケーション18Bは、後述する料金を決済する通常のチャージ処理(図8図9参照)の画面遷移を見せながら、ユーザに対する教示を実行する。また、アプリケーション18Bは、チュートリアル操作画面72等において、ユーザが操作に迷わないように、操作が必要な箇所と、それ以外の箇所が分かるように表示する。
【0048】
また、携帯端末装置10は、後述するように、任意のプリンタ20について、1回目のチュートリアル処理が終了し、無料チャージが完了するとメッセージ65を消去する。携帯端末装置10は、メッセージ65を表示しない状態でチャージアイコン56が選択されると、図6に示すチャージ実行アイコン66とチュートリアル実行アイコン67を表示する。詳細については後述するが、ユーザは、チャージ実行アイコン66又はチュートリアル実行アイコン67を選択することで、チャージ処理又はチュートリアル処理を開始できる。従って、携帯端末装置10は、新規のプリンタ20を接続され、そのプリンタ20を選択した状態で、チャージアイコン56が操作されるとメッセージ65を表示して図7に示すチュートリアル操作画面71へ表示を切り替え、チュートリアルを開始する。尚、携帯端末装置10は、サーバ30へプリンタ20のデバイスIDを送信し、そのデバイスIDのプリンタ20について無料チャージが実行されたか確認した上で、メッセージ65を表示しても良い。また、後述するチュートリアルを一度受けたユーザは、新しい(交換後の)プリンタ20を使用する場合、チュートリアルを受けずに無料チャージを実行したい可能性がある。このため、携帯端末装置10は、例えば、メッセージ65を表示した状態でチャージアイコン56を選択された場合に、「チュートリアルを受けずに無料チャージを実行しますか?」などのメッセージを表示しても良い。そして、携帯端末装置10は、チュートリアルを受けずに無料チャージを実行したい旨の指示を受け付けた場合、後述するチュートリアルを実行せずに、無料チャージを実行しても良い。これにより、ユーザは、2台目以降のプリンタ20において、チュートリアルを受けずに、無料チャージを実行できる。また、故障やインク不足によってプリンタ20の交換を実行した場合や、交換後のプリンタ20を選択してチュートリアル処理を実行した場合は、1回目のチュートリアル処理であっても無料チャージを実行しなくとも良い。即ち、交換後のプリンタ20は、無料チャージの対象外としても良い。
【0049】
図7に示すように、携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面71を一時的に表示した後、チュートリアル操作画面72に画面を自動的に切り替える。チュートリアル操作画面71は、後述する通常のチャージ処理で使用される画面である。携帯端末装置10は、「印刷可能枚数」の文字を表示するメッセージ81、枚数情報82、チャージボタン83をチュートリアル操作画面71に表示させる。携帯端末装置10は、端末記憶部18の印刷可能枚数18C、即ち、現在のプリンタ20の印刷可能枚数を枚数情報82に表示する。携帯端末装置10は、プリンタ20の印刷可能枚数の情報をS10で取得しても良い。この段階では、プリンタ20は、チャージが実行されていない。このため、印刷可能枚数は、例えば、ゼロ枚となる。チャージボタン83は、チャージの開始指示を受け付けるためのボタンである。携帯端末装置10は、これらのボタン等をチュートリアル操作画面71に表示するものの、チュートリアル操作画面71でのタッチパネル14の操作を受け付けずに、チュートリアル操作画面72に切り替える(S101)。
【0050】
携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面72として、チュートリアル操作画面71と同様の画面を表示する。また、携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面72において、操作が必要な箇所としてチャージボタン83の操作を促すメッセージ85を表示する。また、携帯端末装置10は、チャージボタン83以外が操作されないように、チャージボタン83以外の部分を、例えば、グレー色で塗り潰して操作の対象外であることユーザに示す。これにより、チャージ操作を行なう手順として、最初に、チャージボタン83を操作すべきであることをユーザに教示できる。
【0051】
携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面72において、チャージボタン83が操作されると、図4のS11において、チュートリアル処理の開始指示を受け付けたと判断し(S11)、開始指示をサーバ30へ送信する(S13)。このS13の開始指示の送信等、以降の各装置間の通信は、上記したセキュリティの確保された通信で送受信される。
【0052】
サーバ30は、S13の開始指示を取得すると、チャージの対象となるプリンタ20について、無料チャージを実行したか否かを、サーバ管理テーブルSTの実行フラグに基づいて判断する(S15)。例えば、携帯端末装置10は、S13において、図5のプリンタ表示部61で選択されたプリンタ20、即ち、チュートリアル処理を開始した際に選択されていたプリンタ20のデバイスIDをサーバ30に送信する(S13)。サーバ30は、携帯端末装置10から取得したデバイスIDに基づいてサーバ管理テーブルSTを検索し、デバイスIDに関連付けられた実行フラグが実行済みを示しているか否かを判断する(S15)。尚、サーバ30は、S13でデバイスIDを携帯端末装置10から取得しなくとも良い。例えば、サーバ30は、S10Dの登録処理において、自装置にアクセスがあったプリンタ20のデバイスIDを、チュートリアル処理を開始した際に選択されていたプリンタ20のデバイスIDとして用いても良い。
【0053】
図3に示す例では、デバイスIDが「dv1」の実行フラグが、未実行「×」であることを示している。このため、サーバ30は、無料チャージ枚数として所定の枚数(例えば、2000枚)を設定する。また、サーバ30は、S15において、ワンタイムトークンを発行する。このワンタイムトークンは、送信元の携帯端末装置10を識別するための情報であり、例えば、数字やアルファベットを組み合わせたもので、一定時間だけ有効となる識別情報である。サーバ30は、発行したワンタイムトークンと、無料チャージ枚数の値(今回は、2000枚)を関連付けてサーバ記憶部32Bに一時的に記憶する。サーバ30は、S15で関連付けたワンタイムトークンと無料チャージ枚数の情報を携帯端末装置10へ送信する(S17)。
【0054】
一方、携帯端末装置10は、図7に示すように、チュートリアル操作画面72のチャージボタン83が操作されると、チュートリアル操作画面73を一時的に表示した後、タッチパネル14の表示をチュートリアル操作画面74に自動で切り替える(S102,S103)。チュートリアル操作画面73は、チュートリアル操作画面71と同様に、通常のチャージ操作で表示される画面である。携帯端末装置10は、「購入」の文字を表示するメッセージ86、選択アイコン88,89をチュートリアル操作画面73に表示させる。携帯端末装置10は、購入する印刷可能枚数と、その印刷可能枚数の購入金額とを一列に並べて選択アイコン88,89に表示する。図9に示すように、通常のチャージ操作では、携帯端末装置10は、複数の選択アイコン88,89の中から、購入する印刷可能枚数に応じた選択アイコン88,89の選択をユーザから受け付ける(チャージ操作画面102参照)。しかしながら、チュートリアル処理では、携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面73に対するタッチパネル14の操作を受け付けずに、チュートリアル操作画面74に表示を切り替える。
【0055】
携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面74として、チュートリアル操作画面73と同様の画面を表示する。また、携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面74において、操作が必要な箇所として選択アイコン88の操作を促すメッセージ91を表示する。携帯端末装置10は、例えば、2000枚の印刷可能枚数と、料金がゼロ円(無料)であることを選択アイコン88に表示する。また、携帯端末装置10は、200枚の印刷可能枚数と、料金が1000円であることを選択アイコン89に表示する。携帯端末装置10は、無料チャージの選択アイコン88以外の選択アイコン89が操作されないように、選択アイコン88以外の部分を、例えば、グレー色で塗り潰し、且つ選択アイコン89に対する操作を受け付けない。これにより、実際のチャージ操作の画面を模擬したチュートリアル操作画面74を表示できるとともに、無料チャージの選択アイコン88以外の選択アイコン89への誤操作を抑制することができる。尚、チュートリアルを受けているユーザが実際のチャージ操作を行わないように抑制する処理としては、上記したように選択アイコン89に対する操作の有効化/無効化を切り替える切替処理に限らず、例えば、チュートリアル操作画面73において選択アイコン89を非表示にする処理などでも良い。
【0056】
携帯端末装置10は、例えば、チュートリアル操作画面74を表示し、S17の情報を受け付けると、選択アイコン88に対する操作を有効する(S19)。これにより、ユーザは、チャージ枚数の選択、即ち、無料チャージの実行を指示できる(S19)。携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面74に表示を切り替える間に、S17の情報を取得できない場合、「しばらくお待ち下さい」などのメッセージを、チュートリアル操作画面74に表示しても良い。携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面74において、選択アイコン88に対する操作を受け付けると、無料チャージ枚数の追加を実行させる実行指示と、S17で取得したワンタイムトークンをサーバ30へ送信する(S21)。サーバ30は、S21の実行指示を取得すると、S21で取得したワンタイムトークンに関連付けられた無料チャージ枚数を取得する(S23)。上記したように、サーバ30は、ワンタイムトークンを発行する際に無料チャージ枚数を関連付けてサーバ記憶部32Bに記憶する(S15)。サーバ30は、S21で取得したワンタイムトークンに基づいて、関連付けられた無料チャージ枚数をサーバ記憶部32Bから取得する。今回は、1回目のチュートリアル処理であるため、2000枚の無料チャージ枚数が取得される。尚、送信元の携帯端末装置10を識別する情報は、数字やアルファベット等のワンタイムトークンに限らない。例えば、サーバ30は、S17で送信したデータ値と、S21で取得したデータ値とのハッシュ値を比較し、S17の送信先と、S21の送信元が一致するか判断しても良い。
【0057】
サーバ30は、S23で無料チャージ枚数を取得すると、取得した無料チャージ枚数を印刷可能枚数に加算する指示をプリンタ20へ送信する(S25)。この指示先のプリンタ20は、S13でデバイスIDを取得した、即ち、チュートリアル処理の対象(デバイスIDが「dv1」)のプリンタ20である。プリンタ20、S25の加算指示を取得すると、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数(例えば、ゼロ枚)に、無料チャージ枚数(例えば、2000枚)を加算する(S27)。プリンタ20は、印刷可能枚数に無料チャージ枚数を加算すると、加算後の印刷可能枚数、即ち、現在のプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数をサーバ30へ送信する(S29)。
【0058】
サーバ30は、S29で印刷可能枚数を取得すると、送信元のプリンタ20、即ち、チュートリアル処理の対象のプリンタ20(デバイスID「dv1」)に関連付けられたサーバ管理テーブルSTの情報を上書きする(S31)。サーバ30は、デバイスID「dv1」の実行フラグを、実行済みの値に更新する(S31)。これにより、チャージの操作方法の教示、及び無料チャージ枚数の加算に応じて実行フラグの情報を更新できる。また、サーバ30は、S29で取得した印刷可能枚数で、デバイスID「dv1」の印刷可能枚数を更新する(S31)。これにより、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数と、サーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数を同期させることができる。仮に、プリンタ20に、購入特典等で印刷可能枚数が予めチャージされていた場合、その印刷可能枚数に無料チャージ枚数が加算された情報で、サーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数を更新できる。尚、サーバ30は、上記したS10D、10E、即ち、S25等で無料チャージを実行する前に、サーバ管理テーブルSTの登録処理を実行したが、S31で登録処理を実行しても良い。
【0059】
サーバ30は、S31でサーバ管理テーブルSTを更新すると、無料チャージが完了したことを示す完了通知を、携帯端末装置10へ送信する(S33)。サーバ30は、例えば、S33の完了通知において、S31で更新した後の印刷可能枚数を携帯端末装置10へ送信する。携帯端末装置10は、S33の完了通知でサーバ30から取得した印刷可能枚数で、自装置の印刷可能枚数18Cを更新する(S35)。これにより、携帯端末装置10、プリンタ20、サーバ30の印刷可能枚数を一致させることができる。尚、携帯端末装置10は、S33で印刷可能枚数を取得せずに、S17で取得した無料チャージ枚数を印刷可能枚数18Cに加算し、後からサーバ30の印刷可能枚数と同期する処理を実行しても良い。
【0060】
図7に示すように、携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面74で選択アイコン88を選択されると、チュートリアル操作画面75を表示する(S104)。携帯端末装置10は、例えば、チュートリアル操作画面74からチュートリアル操作画面75へ表示を切り替える際に、上記したS21~S33の処理時間を考慮して、「しばらくお待ち下さい」、「無料チャージを実行中です」などの文字をタッチパネル14に表示しても良い。そして、携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面75において、チュートリアル操作画面71と同様に、メッセージ81、枚数情報82、チャージボタン83を表示する。また、携帯端末装置10は、サーバ30から取得した印刷可能枚数(例えば、無料チャージ枚数の2000枚)を、枚数情報82に表示する。これにより、チャージ操作の教示と、無料チャージを実行することができる。
【0061】
(チュートリアル処理、2回目以降)
次に、任意のプリンタ20が選択された状態で2回目以降のチュートリアル処理が実行された場合について説明する。尚、以下の説明では、上記した1回目のチュートリアル処理と同様の内容については、その説明を適宜省略する。例えば、1回目のチュートリアル処理が終了した後、別のユーザがプリンタ20を使用する場合、チャージ操作を知りたい場合がある。携帯端末装置10は、例えば、任意のプリンタ20について、1回目のチュートリアル処理が終了し、無料チャージが完了するとメッセージ65を消去する。また、1回目のチュートリアル処理を実行した携帯端末装置10以外の携帯端末装置10は、例えば、アプリケーション18Bを介して選択中のプリンタ20に対する無料チャージの実行の有無を確認し、メッセージ65を消去する。無料チャージの実行の有無を確認する方法は、特に限定されないが、アプリケーション18Bは、無料チャージの実行の有無をサーバ30やプリンタ20に確認しても良い。携帯端末装置10は、例えば、メッセージ65を消去した状態で図5のチャージアイコン56を選択されると、図6に示すように、チャージを実行するチャージ実行アイコン66と、チュートリアルを実行するチュートリアル実行アイコン67とを表示した選択画面68をタッチパネル14に表示する。携帯端末装置10は、チュートリアル実行アイコン67をタッチ操作されると、「チャージ操作のチュートリアルを開始しますか?」などのメッセージを表示してユーザの意思を確認する。携帯端末装置10は、チュートリアルを開始する旨の操作入力を受け付けると、図7に示すチュートリアル操作画面71,72を表示する処理を開始する。
【0062】
例えば、2回目以降のチュートリアル処理では、S10の通信設定が済んでおり、図4のS11から開始される。サーバ30は、S13の開始指示を取得すると、チャージの対象となるプリンタ20について、無料チャージを実行したか否かを判断する(S15)。2回目以降のチュートリアル処理では、例えば、サーバ管理テーブルSTにおいて、デバイスID「dv1」に関連付けられた実行フラグが、実行済み「○」を示す値となっている。このため、サーバ30は、無料チャージが実行済みであると判断し、ワンタイムトークンを発行し、発行したワンタイムトークンに無料チャージ枚数がゼロ枚である情報を関連付ける。また、サーバ30は、無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報を応答する(S17)。これにより、任意のプリンタ20について、1回目のチュートリアル処理だけ、所定の無料チャージ枚数の無料チャージが実行され、2回目以降では無料チャージが実行されない。尚、サーバ30は、2回目以降のチュートリアル処理においても、所定の無料チャージ枚数の無料チャージを実行しても良い。
【0063】
サーバ30は、S15において、無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報と、ワンタイムトークンを関連付け、携帯端末装置10へ送信する(S17)。携帯端末装置10は、図7に示すように、チュートリアル操作画面72のチャージボタン83のタッチ操作に基づいて、チュートリアル操作画面76,77を表示させる(S105)。携帯端末装置10は、1回目のチュートリアル操作画面73,74と同様に、チュートリアル操作画面76,77を自動で切り替える(S105,S106)。携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面76,77において、例えば、選択アイコン88の印刷可能枚数、即ち、追加する印刷可能枚数として、ゼロ枚を表示する(S19,S106)。これにより、無料チャージ枚数がゼロ枚であることをユーザに認識させることができる。
【0064】
携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面74において、選択アイコン88に対する操作を受け付けると、無料チャージ枚数の追加を実行させる実行指示と、S17で取得したワンタイムトークンをサーバ30へ送信する(S21)。サーバ30は、S21で取得したワンタイムトークンに関連付けられた無料チャージ枚数(今回はゼロ枚)を取得する(S23)。
【0065】
サーバ30は、例えば、S23で無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報を取得した場合、図4に破線で示すプリンタ20への加算指示や、サーバ管理テーブルSTの更新処理(S25~S31)を実行しない。即ち、無料チャージを実行しない。これは、仮に、S25~S31の処理を実行しゼロ枚の無料チャージ枚数を加算しても実質的には無料チャージを実行したこととはならず、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数が変動しないためである。尚、サーバ30は、ゼロ枚の無料チャージ枚数に基づいてS25~S31を実行しても良い。そして、サーバ30は、プリンタ20から最新の印刷可能枚数を取得してサーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数を更新(同期)させる処理を実行しても良い。
【0066】
サーバ30は、S23を実行すると、完了通知を携帯端末装置10へ送信する(S33)。携帯端末装置10は、S33の完了通知を取得すると、S35の自装置の印刷可能枚数18Cを更新する処理は実行せずに、タッチパネル14の表示を更新する。図7に示すように、携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面77で選択アイコン88を選択されると、チュートリアル操作画面78を表示する(S107)。携帯端末装置10は、「対象のプリンタ20が既に1回目の無料チャージが済んでいること」や、「無料チャージ枚数が加算されないこと」をメッセージ93としてチュートリアル操作画面78に表示する。また、携帯端末装置10は、OKの文字を付した確認ボタン95をチュートリアル操作画面78に表示する。ユーザは、メッセージ93の内容を確認した上で、確認ボタン95を操作する。
【0067】
携帯端末装置10は、確認ボタン95を操作されると、チュートリアル操作画面79を表示する(S108)。携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面79において、チュートリアル操作画面71と同様に、メッセージ81、枚数情報82、チャージボタン83を表示する。また、携帯端末装置10は、印刷可能枚数18C(例えば、ゼロ枚)を、枚数情報82に表示する。これにより、2回目以降においても、チャージ操作の教示を実行することができる。尚、上記したチュートリアル処理の内容は、一例である。例えば、上記した2回目以降のチュートリアル処理では、プリンタ20への加算指示等が不要となる。このため、携帯端末装置10は、S17で無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報を取得した後、サーバ30との通信を実行せずに、チュートリアル操作画面だけを遷移させても良い。
【0068】
(通常のチャージ処理)
次に、通常のチャージ処理について説明する。尚、以下の説明では、上記したチュートリアル処理と同様の内容については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図8は、通常のチャージ処理におけるユーザの作業、各装置の処理の内容を示している。図9は、通常のチャージ処理における携帯端末装置10のタッチパネル14の画面の遷移を示している。
【0069】
まず、図8のS41において、携帯端末装置10は、チャージ指示の受付けを実行する。例えば、携帯端末装置10は、アプリケーション18Bを実行し、図5に示すメニュー画面51において、任意のプリンタ20が選択された状態で、且つメッセージ65が表示されていない状態でチャージアイコン56が操作されると、図6に示す選択画面68を表示する。携帯端末装置10は、選択画面68において、チャージ実行アイコン66をタッチ操作されると、図9のチャージ操作画面101をタッチパネル14に表示する。
【0070】
チャージ操作画面101は、図7のチュートリアル操作画面71と同様の画面構成となっている。携帯端末装置10は、チャージ操作画面101のチャージボタン83が操作されると、チャージ操作画面102をタッチパネル14に表示する(S111)。チャージ操作画面102は、図7のチュートリアル操作画面73と同様の構成となっている。通常のチャージ処理では、携帯端末装置10は、チュートリアル処理の開始指示(図4のS13)等をサーバ30に送信しない。また、携帯端末装置10は、無料チャージ枚数をサーバ30から取得せず、チャージ操作画面102において無料チャージ枚数を選択アイコン88に表示しない。携帯端末装置10は、チャージ操作画面102の選択アイコン88,89に、購入する印刷可能枚数(以下、チャージ枚数という場合がある)と、そのチャージ枚数の購入金額とを一列に並べて表示する。通常のチャージ処理では、携帯端末装置10は、複数の選択アイコン88,89のそれぞれに、例えば、異なるチャージ枚数とその料金を表示する。ユーザは、複数の選択アイコン88,89の中から、購入したいチャージ枚数に応じた選択アイコン88,89を選択する。
【0071】
携帯端末装置10は、選択アイコン88,89の何れかを選択されると、チャージ操作画面103を表示する(S112)。携帯端末装置10は、第1入力欄105、第2入力欄106、決定ボタン107をチャージ操作画面103に表示する。携帯端末装置10は、第1入力欄105において、ユーザのメールアドレスの入力を受け付ける。このメールアドレスは、例えば、チャージの実行に応じた料金の徴収を実行したことを通知等するためのメールアドレスである。また、携帯端末装置10は、第2入力欄106において、チャージの料金の支払い方法を受け付ける。料金の支払い方法は、特に限定されないが、クレジットカード、コンビニ決済、銀行口座、電子マネーなどを採用することができる。尚、本願における料金の徴収とは、例えば、第2入力欄106で受け付けたクレジットカードに対してクレジットカード会社が料金を請求して支払いを受けること、コンビニ決済の支払い方法により料金の入金をコンビニエンスストアが受け付けることや、銀行口座から銀行が料金を引き落とすことなどをいう。
【0072】
携帯端末装置10は、決定ボタン107を選択されると、第1入力欄105、第2入力欄106で受け付けた内容が正しいか判断し、正しければチャージ指示をサーバ30へ送信する(図8のS43)。従って、携帯端末装置10は、通常のチャージ処理で必要となるメールアドレスや料金の支払い方法の情報を、上記したチュートリアル処理では受け付けない。これにより、チュートリアル処理においては不要な情報の受付け操作を省略し、チャージ操作をユーザに簡潔に分かり易く教示できる。尚、携帯端末装置10は、チュートリアル処理においても、チャージ操作画面103と同様にメールアドレスや支払い方法を受け付ける画面を表示し、メールアドレス等の入力方法を教示しても良い。
【0073】
携帯端末装置10は、S43において、S41で選択されたプリンタ20のデバイスID、チャージ操作画面102で受け付けたチャージ枚数、チャージ操作画面103で受け付けたメールアドレスや支払い方法の情報を、サーバ30へ送信する。サーバ30は、S43のチャージ指示を取得すると、支払い方法の確認等を実行する(S45)。サーバ30は、例えば、S43で受け付けたメールアドレスを用いたユーザ認証や、支払い方法をクレジットカード会社や銀行のサーバへ確認する処理等を実行する。尚、サーバ30は、後述する印刷可能枚数の同期処理(S47~51)が完了した後に、クレジットカード会社等への確認処理を実行しても良い。また、サーバ30は、一度、メールアドレスや支払い方法が登録された場合、以降の通常のチャージ処理において、登録済みのメールアドレスや支払い方法を流用しても良い。この場合、携帯端末装置10は、チャージ操作画面103における第1入力欄105や第2入力欄106に登録済みの情報を表示し、変更を受け付けても良い。
【0074】
サーバ30は、S45を実行すると、携帯端末装置10から取得したチャージ枚数を加算する加算指示を、携帯端末装置10から取得したデバイスIDのプリンタ20へ送信する(S47)。プリンタ20、S47の加算指示を取得すると、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数に、チャージ枚数を加算する(S49)。プリンタ20は、印刷可能枚数にチャージ枚数を加算すると、加算後の印刷可能枚数、即ち、現在のプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数をサーバ30へ送信する(S51)。
【0075】
サーバ30は、S51で印刷可能枚数を取得すると、送信元のプリンタ20、即ち、チャージ処理の対象のプリンタ20に関連付けられたサーバ管理テーブルSTの情報を更新する(S53)。サーバ30は、S51で取得した印刷可能枚数で、対象のプリンタ20の印刷可能枚数を上書きする(S53)。これにより、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数と、サーバ管理テーブルSTの印刷可能枚数を同期させることができる。また、サーバ30は、印刷可能枚数のチャージが完了したことをもって料金の決済が完了したと判断し、チャージ枚数に応じた料金の徴収を、S43で取得した支払い方法で行なう(S53)。本願の決済とは、例えば、携帯端末装置10を介して印刷可能枚数の売買契約のための手続きをいう。上記したように、サーバ30は、携帯端末装置10の操作を通じて、チャージ枚数の売買契約を行う。サーバ30は、この売買契約(決済処理)の完了をもって、料金の徴収を実行する。サーバ30は、例えば、料金の決済に応じて、支払い方法で指定されたクレジットカード会社や銀行等へ料金の徴収を要求する通知等を実行する。クレジットカード会社等は、通知を受けた支払い方法(クレジットカード番号など)から料金の徴収を完了させると、料金の徴収が完了したことをサーバ30へ通知する。サーバ30は、料金の徴収が完了した通知を取得すると、支払いが完了したことをS43で取得したメールアドレスへ送信する。
【0076】
尚、本願の決済とは、チャージが完了するまでの処理を含まなくとも良い。例えば、サーバ30がS43のチャージ指示を携帯端末装置10から受け付けることをもって決済が完了したと判断しても良い。この場合、サーバ30は、印刷可能枚数の同期処理(S47~S51)を実行する前に、料金の徴収をクレジットカード会社等に通知しても良い。また、料金の徴収をクレジットカード会社や銀行等が行わずに、サーバ30が、料金の決済処理から徴収処理(引き落としなど)まで実行しても良い。また、サーバ30は、料金の徴収(クレジットカード会社等への通知など)を、決済処理の完了後に即時に実行しなくとも良い。この場合、サーバ30は、料金の決済が完了したことを、第1入力欄105で受け付けたメールアドレスへ通知しても良い。従って、第1入力欄105で受け付けるメールアドレスを、料金の徴収の連絡先としてではなく、決済の完了の連絡先として用いてもよい。
【0077】
サーバ30は、S53を実行すると、チャージが完了したことを示す完了通知を、携帯端末装置10へ送信する(S55)。サーバ30は、S55の完了通知において、S53で更新した後の印刷可能枚数を携帯端末装置10へ送信する。携帯端末装置10は、S55の完了通知を取得すると、サーバ30から取得した印刷可能枚数で、印刷可能枚数18Cを上書きする(S57)。これにより、携帯端末装置10、プリンタ20、サーバ30の印刷可能枚数を同期させることができる。
【0078】
図9に示すように、携帯端末装置10は、チャージ操作画面103で決定ボタン107を選択されると、チャージ操作画面104を表示する(S113)。携帯端末装置10は、チャージ操作画面104において、チャージ操作画面101と同様に、メッセージ81、枚数情報82、チャージボタン83を表示する。また、携帯端末装置10は、チャージ後の印刷可能枚数18Cを、枚数情報82に表示する。これにより、料金の支払いに応じてチャージを実行することができる。
【0079】
因みに、上記した第1実施形態において、印刷システム1は、記録システムの一例である。携帯端末装置10は、情報処理装置の一例である。タッチパネル14は、入力インタフェース及び表示部の一例である。アプリケーション18Bは、プログラムの一例である。プリンタ20は、記録装置の一例である。印刷部25は、記録部の一例である。プリンタ記憶部26Bは、記録装置記録部の一例である。チャージ操作画面103は、支払い方法入力画面の一例である。ワンタイムトークンは、識別情報の一例である。S101~S108は、チュートリアル処理の一例である。S111~S113は、チャージ処理の一例である。S53は、決済処理の一例である。S25,S27は、追加処理の一例である。S13は、開始指示送信処理の一例である。S15は、実行判断処理の一例である。S17は、応答処理の一例である。S19は、購入受付処理の一例である。S21は、実行指示送信処理の一例である。S31は、設定処理の一例である。
【0080】
(効果)上記した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)第1実施形態のプリンタ20は、用紙に印刷動作を実行する印刷部25を備え、印刷可能枚数(本願の記録許可量の一例)の範囲で印刷部25による印刷動作を実行する。携帯端末装置10は、印刷可能枚数を購入するためのタッチパネル14に対する操作であるチャージ操作を教示するためのチュートリアル操作画面71~79をタッチパネル14に表示させる(図7のS101~S108)。これによれば、チュートリアル操作画面71~79を表示しながらチュートリアル操作を教示することで、ユーザに対してチャージ操作をより具体的に教えることができる。ユーザは、チャージ操作の手順、どのボタンを操作すれば良いのかなどをチュートリアル操作画面71~79の操作で理解でき、印刷可能枚数を購入するまでの操作方法を学ぶことができる。その結果、チャージ操作に対するユーザの不安を減らし、印刷可能枚数の購入を促進することができる。
【0081】
(2)携帯端末装置10は、印刷可能枚数の購入を受け付けるチャージ操作画面101~104をタッチパネル14に表示させる処理(S111~S113)を実行する。これによれば、1つの携帯端末装置10において、チャージ操作のチュートリアルを受けた後で、実際のチャージ操作をチャージ操作画面101~104で行なってチャージを実行することができる。
【0082】
(3)携帯端末装置10は、タッチパネル14に対する操作入力に応じて、S111~S113のチャージ処理、又はS101~S108のチュートリアル処理を開始する。これによれば、タッチパネル14に対する操作入力の内容に応じて、実際のチャージ処理や、チャージ操作を教示するチュートリアル処理を開始することができる。ユーザは、チュートリアルが不要で直ぐにチャージが実行したければ、チャージ処理を開始することができる。また、ユーザは、はじめてチャージを行なうため、チュートリアルが受けたければ、チュートリアル処理を開始する操作を行なってチュートリアルを受けることができる。
【0083】
(4)携帯端末装置10は、チャージ処理において、タッチパネル14に対する操作入力に基づいて印刷可能枚数を購入する指示をチャージ操作画面101~104で受け付け、購入する指示を受け付けた印刷可能枚数に基づいてプリンタ20の印刷可能枚数を増加させる処理を実行する。これによれば、携帯端末装置10は、チャージ操作画面101~104に対するチャージ操作を受け付けることで、プリンタ20に対するチャージ処理を実行し、印刷可能枚数を増加さることができる。ユーザは、例えば、チャージ操作画面102で所望の選択アイコン88,89を選択することで、チャージ枚数を選択してチャージできる。
【0084】
(5)携帯端末装置10は、チュートリアル処理において、チュートリアル操作画面73における印刷可能枚数を購入する選択アイコン89に対するチャージ操作を抑制するように、チュートリアル操作画面73をチュートリアル操作画面74に切り替える。これによれば、チュートリアル処理において、誤って印刷可能枚数を購入してしまう誤操作の発生を抑制できる。ユーザは、より安心してチャージ操作の模擬操作を行なうことができる。
【0085】
(6)携帯端末装置10は、チュートリアル処理において、チュートリアル操作画面73として、チャージ処理におけるチャージ操作画面102をタッチパネル14に表示し、チュートリアル操作画面73,74を切り替えてチャージ操作画面102に対するチャージ操作を抑制する。これによれば、実際のチャージ操作画面102をチュートリアル操作画面73として表示することで、より実際のチャージ操作に近い環境でユーザに教示を実行できる。
【0086】
(7)印刷システム1は、図9に示すチャージ処理が実行された場合、購入された印刷可能枚数に応じた料金を決済する(S53)。また、印刷システム1は、図7に示すチュートリアル処理が実行された場合、S53の決済処理を実行しない。これによれば、ユーザは、料金の支払いを気にすることなく、チュートリアル処理を実行でき、チャージ操作を学ぶことができる。また、料金が発生しないため、ユーザは、購入する印刷可能枚数の料金を支払うためのクレジットカードの登録など、支払い方法の選択や登録を行なわずに、チュートリアルを受けることができる。
【0087】
(8)印刷システム1は、複数のプリンタ20を備える。携帯端末装置10は、任意のプリンタ20を選択された状態で(プリンタ表示部61でプリンタを選択した状態で)、チュートリアル処理を実行する。印刷システム1は、チュートリアル処理で選択されたプリンタ20について1回目の(初めて)チュートリアル処理を実行する場合、料金を決済せずに選択されたプリンタ20の印刷可能枚数に所定の無料チャージ枚数を追加する(S25,S27)。印刷システム1は、選択されたプリンタ20について2回目以降のチュートリアル処理を実行する場合、携帯端末装置10においてチュートリアル処理が実行されても、S25の無料チャージを実行しない。これによれば、1回目のチュートリアル処理の実行に合せて無料チャージ枚数をユーザにサービスとして付与することができる。ユーザが、チュートリアルをより受けたいようにすることができる。また、2回目以降は、無料チャージを実行しないことで、印刷可能枚数を目的としたチュートリアルの実行を抑制できる。
【0088】
(9)サーバ30は、サーバ記憶部32Bを備えている。サーバ記憶部32Bには、プリンタ20のデバイスIDと、デバイスIDが示すプリンタ20に対して無料チャージを実行したか否かを示す実行フラグ(本願の無料チャージ実行情報の一例)とが関連付けて記憶さえている。携帯端末装置10は、チュートリアル処理の開始に応じて、開始指示をサーバ30に送信する(S13)。サーバ30は、開始指示を取得したことに基づいて、チュートリアル処理で選択されているプリンタ20について実行フラグを判断する(S15)。サーバ30は、S15の判断処理の結果、無料チャージを実行していない場合、選択されているプリンタ20を対象に無料チャージ枚数の追加を実行する(S25,S27)。また、サーバ30は、無料チャージを実行していた場合、無料チャージを実行しない。これによれば、サーバ30が、各プリンタ20について、無料チャージを実行したか否かを実行フラグで判断することができる。サーバ30は、1回目のチュートリアル処理を実行するのに合わせて、そのチュートリアル処理で選択されたプリンタ20に対して無料チャージを実行できる。
【0089】
(10)サーバ30は、S15の判断処理の結果、無料チャージ枚数の追加を実行していないと判断した場合、送信元の携帯端末装置10を識別するワンタイムトークンと、所定の無料チャージ枚数を携帯端末装置10に応答する(S17)。また、サーバ30は、無料チャージが実行済みである場合、ワンタイムトークンと、無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報を携帯端末装置10へ応答する(チュートリアル処理が2回目以降のS17)。携帯端末装置10は、S17で所定の(ゼロでない)無料チャージ枚数を取得した場合、チュートリアル処理において、追加するチャージ枚数として無料チャージ枚数をチュートリアル操作画面74に表示し、無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報を取得した場合、追加するチャージ枚数がゼロ枚であることをチュートリアル操作画面77に表示し、チャージ枚数を購入する操作を受け付ける(S19)。携帯端末装置10は、S19でチャージ枚数を購入する操作を受け付けた場合、S17で取得したワンタイムトークンと、無料チャージ枚数の追加を指示する実行指示を、サーバ30に送信する(S21)。サーバ30は、実行指示を携帯端末装置10から取得した場合、S21で取得したワンタイムトークンに基づいて、S17で応答した無料チャージ枚数がゼロでないと判断した場合、無料チャージを実行する(S23,S25)。
【0090】
これによれば、無料チャージが実行済みである場合、無料チャージ枚数がゼロ枚であることや、既に、無料チャージが実行されていることを、チュートリアル操作画面77を介してユーザに認識させることができる。ユーザは、他のユーザが無料チャージを実行したことを認識できれば、不要なチュートリアル処理を実行しない判断ができる。
【0091】
(11)サーバ30は、S25,S29で無料チャージを実行したことに基づいて、サーバ記憶部32Bにおいて、S25で無料チャージ枚数を追加したプリンタ20に関連付けられた実行フラグに、無料チャージ枚数の追加を実行したことを示す情報を設定する(S31)。これによれば、サーバ30は、無料チャージの実行に合わせて実行フラグを更新することで、実行フラグに関連付けられたプリンタ20について、無料チャージが実行済みか否かを判断できる。
【0092】
(12)アプリケーション18Bは、印刷可能枚数の購入、及び印刷可能枚数の購入に応じた料金を支払う支払い方法を入力させるチャージ操作画面103(本願の支払い方法入力画面の一例)をタッチパネル14に表示させる(S112)。また、アプリケーション18Bは、図7のチュートリアル処理において、チャージ操作画面103を表示させずにチャージ操作を教示する。これによれば、ユーザに料金の支払い方法やメールアドレスなどの連絡先の入力を求めない。換言すれば、ユーザは、支払い方法などの登録をせずに、チュートリアルを受けることができ、より気軽にチュートリアルを受けることができる。
【0093】
(13)アプリケーション18Bは、プリンタ表示部61で任意のプリンタ20を選択された状態で、図7のチュートリアル処理を開始する。プリンタ20は、チュートリアル処理で自装置を選択された状態で1回目のチュートリアル処理を実行された場合、料金を決済せずに自装置の印刷可能枚数に所定の無料チャージ枚数が追加される一方、自装置を選択された状態で2回目以降のチュートリアル処理を実行された場合、チュートリアル処理が実行されても無料チャージ枚数が追加されない。アプリケーション18Bは、チャージ処理において無料チャージ枚数を表示せず、チュートリアル処理のチュートリアル操作画面73,74では無料チャージ枚数を表示させる。これによれば、チャージ処理では無料チャージ枚数を表示せずに、チュートリアル処理で無料チャージ枚数を表示させることで、ユーザの誤操作の発生を抑制できる。また、1回目のチュートリアル処理が実行された場合のみ、無料チャージを実行できる。
【0094】
(14)アプリケーション18Bは、選択されたプリンタ20に対するチュートリアル処理が2回目以降である場合、印刷可能枚数を購入する操作をタッチパネル14で実行しても無料チャージ枚数が追加されないことを示すメッセージ93を、チュートリアル操作画面78に表示する。これによれば、無料チャージが済んでいることや無料チャージ枚数の追加が実行されないことを、より確実にユーザに認識させることができる。
【0095】
(第2実施形態)
次に、本願の第2実施形態について説明する。上記した第1実施形態では、サーバ30が、印刷システム1の各プリンタ20の実行フラグを管理した。これに対し、第2実施形態では、プリンタ20が、自装置の実行フラグを管理する点で、第1実施形態と異なっている。尚、以下の説明では、上記した第1実施形態と同様の処理については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0096】
(チュートリアル処理、1回目)
図10は、第2実施形態のチュートリアル処理におけるユーザの作業、各装置の処理の内容を示している。まず、任意のプリンタ20がアプリケーション18Bで選択された状態で、その任意のプリンタ20に対して1回目のチュートリアル処理を実行する場合について説明する。また、プリンタ20として、デバイスIDが「dv1」(図11図12参照)のプリンタ20を設定する場合について説明する。ユーザは、例えば、携帯端末装置10、プリンタ20を操作し、S10の通信設定等を実行する。尚、第2実施形態では、後述するように、携帯端末装置10とプリンタ20との通信のみで、即ち、サーバ30と接続できない状態でも、チャージ操作の教示が可能である。このため、S11以降の処理を実行する前提として、S10の通信設定の処理は、必須ではない。以下の説明では、例えば、図10に示すように、S11~S35のチュートリアル処理では、プリンタ20がサーバ30に接続されていないものとする。また、携帯端末装置10は、S11以降のプリンタ20との通信を、外部通信部16、ルータ2を介した通信で実行しても良く、近距離通信部13を介した近距離無線で実行しても良い。
【0097】
携帯端末装置10は、プリンタ20と通信可能な状態でアプリケーション18Bが起動されると、チュートリアル処理の開始指示を受け付ける(S11)。携帯端末装置10は、第1実施形態の図5と同様に、無料チャージが実行可能である旨のメッセージ65をチャージアイコン56に表示し、チャージアイコン56に対する操作に応じて、図7に示すチュートリアル操作画面71,72を表示する。携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面72において、チャージボタン83が操作されると、開始指示をプリンタ20へ送信する(S61)。
【0098】
プリンタ20は、S61の開始指示を取得すると、実行フラグに基づいて、無料チャージを実行したか否かを判断する(S63)。図11図12は、第2実施形態のプリンタ管理テーブルPT及びサーバ管理テーブルSTを示している。図11に示すように、第2実施形態のプリンタ管理テーブルPTには、実行フラグの情報が設定されている。また、図12に示すように、第2実施形態のサーバ管理テーブルSTには、実行フラグの情報が記憶されていない。プリンタ20は、ベンダ等から発送される時点では、自装置のプリンタ管理テーブルPTの実行フラグに、無料チャージが未実行であることを示す値「×」が設定され、1回目の無料チャージを実行すると、実行済みを示す値「○」を設定する。尚、サーバ30は、各プリンタ20のプリンタ管理テーブルPTの実行フラグを、第1実施形態と同様にデバイスIDに関連付けてサーバ管理テーブルSTで管理しても良い。また、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせても良い。即ち、印刷システム1は、サーバ30の実行フラグに基づいて無料チャージを判断するプリンタ20と、プリンタ20の実行フラグに基づいて無料チャージを判断するプリンタ20との両方を備えても良い。
【0099】
プリンタ20は、S63において、プリンタ管理テーブルPTの実行フラグが実行済みを示しているか否かを判断する。プリンタ20は、未実行「×」である値が実行フラグに設定されていた場合、無料チャージ枚数として所定の枚数(例えば、2000枚)を設定する。プリンタ20は、ワンタイムトークンを発行し、発行したワンタイムトークンと、無料チャージ枚数の値をプリンタ記憶部26Bに一時的に記憶する。プリンタ20は、S63で関連付けたワンタイムトークンと無料チャージ枚数の情報を携帯端末装置10へ送信する(S65)。
【0100】
携帯端末装置10は、第1実施形態と同様に、図7のチュートリアル操作画面72のチャージボタン83が操作されると、チュートリアル操作画面73を一時的に表示した後、チュートリアル操作画面74を表示する。携帯端末装置10は、例えば、チュートリアル操作画面74を表示し、S65の情報を受け付けると、選択アイコン88に対する操作を有効にする(S19)。携帯端末装置10は、チュートリアル操作画面74において、選択アイコン88に対する操作を受け付けると、無料チャージ枚数の追加を実行させる実行指示と、S65で取得したワンタイムトークンをプリンタ20へ送信する(S67)。
【0101】
プリンタ20は、S67の実行指示を取得すると、S67で取得したワンタイムトークンと、S63でプリンタ記憶部26Bに記憶したワンタイムトークンとに基づいて認証を実行する(S69)。例えば、プリンタ20は、2つのワンタイムトークンの値が一致する場合、認証に成功したと判断する(S69)。また、プリンタ20は、2つのワンタイムトークンが一致しない場合、エラーを携帯端末装置10に通知しても良い。これにより、S65で無料チャージ枚数を送信した携帯端末装置10と、S67で実行指示を取得した携帯端末装置10とが同一であるか否かを判断できる。尚、プリンタ20は、S69の認証処理において、ワンタイムトークンの一致を判断せずに、2つのワンタイムトークンのハッシュ値等を比較しても良い。
【0102】
プリンタ20は、S69のワンタイムトークンの認証に成功すると、S63でプリンタ記憶部26Bに記憶した無料チャージ枚数を、自装置のプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数に加算する(S71)。今回は、1回目のチュートリアル処理であるため、2000枚の無料チャージ枚数を加算する。また、プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTの実行フラグを、実行済みを示すデータに更新する(S73)。
【0103】
プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数及び実行フラグを更新すると、完了通知を携帯端末装置10へ送信する(S75)。プリンタ20は、S75の完了通知において、S73で更新した後の印刷可能枚数を携帯端末装置10へ送信する。携帯端末装置10は、S75の完了通知を取得すると、プリンタ20から取得した印刷可能枚数で印刷可能枚数18Cを更新する(S35)。携帯端末装置10は、第1実施形態と同様に、図7に示すチュートリアル操作画面74で選択アイコン88を選択されると、チュートリアル操作画面75を表示し、プリンタ20から取得した無料チャージ後の印刷可能枚数(例えば、2000枚)を、チュートリアル操作画面75の枚数情報82に表示する。これにより、実行フラグをプリンタ20で管理する場合においても、チャージ操作の教示と、無料チャージ枚数のチャージを実行することができる。
【0104】
尚、図10に示すように、プリンタ20は、仮に、チュートリアル処理が終了した後に、インターネット3を介してサーバ30に接続し通信可能となった場合、サーバ30との間で印刷可能枚数の同期を実行しても良い。プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数、即ち、無料チャージ後の印刷可能枚数をサーバ30へ送信する(S77)。サーバ30は、S77で印刷可能枚数を取得すると、サーバ管理テーブルSTにおいて、送信元のプリンタ20、即ち、無料チャージが終了したプリンタ20に関連付けられた印刷可能枚数を、取得した印刷可能枚数で更新する(S79)。これにより、携帯端末装置10、プリンタ20、サーバ30の印刷可能枚数を同期させることができる。尚、上記したように、第2実施形態のチュートリアル処理では、サーバ30の処理が不要となる。このため、本願の記録システムは、サーバを備えない構成であっても良い。
【0105】
(チュートリアル処理、2回目以降)
次に、2回目以降のチュートリアル処理が実行された場合について説明する。尚、以下の説明では、上記した1回目のチュートリアル処理と同様の内容については、その説明を適宜省略する。2回目以降のチュートリアル処理では、第1実施形態と同様に、プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTの実行フラグに基づいて無料チャージが実行済みであると判断すると(S63)、無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報を携帯端末装置10へ送信する(S65)。携帯端末装置10は、図7に示すチュートリアル操作画面76,77において、選択アイコン88の印刷可能枚数として、ゼロ枚を表示する(S19)。
【0106】
また、プリンタ20は、S67で実行指示を取得した場合、図10に破線で示す加算処理(S71)やプリンタ管理テーブルPTの更新処理(S73)を実行しない、即ち、無料チャージを実行しない。携帯端末装置10は、第1実施形態と同様に、S75の完了通知を取得すると、S35の更新処理は実行せずに、第1実施形態と同様にタッチパネル14の表示を更新する(チュートリアル操作画面77、79)。これにより、2回目以降においても、チャージ操作の教示を実行することができる。尚、上記したチュートリアル処理の内容は、一例である。例えば、上記した2回目以降のチュートリアル処理では、プリンタ20の加算処理等が不要となる。このため、携帯端末装置10は、S65で無料チャージ枚数がゼロ枚であることを示す情報を取得した後、プリンタ20との通信を実行せずに、チュートリアル操作画面だけを遷移させても良い。
【0107】
因みに、上記した第2実施形態において、ワンタイムトークンは、識別情報の一例である。S61は、開始指示送信処理の一例である。S63は、実行判断処理の一例である。S71は、追加処理の一例である。S65は、応答処理の一例である。S19は、購入受付処理の一例である。S67は、実行指示送信処理の一例である。S73は、設定処理の一例である。
【0108】
(効果)上記した第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。また、第2実施形態では、以下の効果を奏する。
(1)プリンタ記憶部26Bには、自装置の印刷可能枚数に無料チャージ枚数を追加したか否かを示す実行フラグ(本願の無料チャージ実行情報の一例)が記憶されている(図11)。携帯端末装置10は、チュートリアル処理の開始に応じて、チュートリアル処理で選択されたプリンタ20へ開始指示を送信する(S61)。プリンタ20は、開始指示を取得したことに基づいて、実行フラグを判断する(S63)。携帯端末装置10は、S63の判断処理の結果、無料チャージを実行していないと判断した場合、自装置のプリンタ管理テーブルPTの印刷可能枚数に無料チャージ枚数を追加する(S71)。また、プリンタ20は、S63の判断処理の結果、無料チャージ枚数の追加を実行していたと判断した場合、S71の無料チャージを実行しない。これによれば、プリンタ20は、1回目のチュートリアル処理の実行に合せて無料チャージ枚数をユーザにサービスとして付与することができる。ユーザが、チュートリアルをより受けたいようにすることができる。また、2回目以降は、無料チャージを実行しないことで、印刷可能枚数を目的としたチュートリアルの実行を抑制できる。
【0109】
(2)プリンタ20は、S63の判断処理の結果、無料チャージを実行していないと判断した場合、ワンタイムトークンと、無料チャージ枚数を携帯端末装置10に応答する(S65)。また、プリンタ20は、無料チャージが実行済みである場合、ワンタイムトークンと、無料チャージ枚数がゼロであることを示す情報を応答する(S65)。携帯端末装置10は、所定の(ゼロでない)無料チャージ枚数を取得した場合、追加する印刷可能枚数として無料チャージ枚数をチュートリアル操作画面74に表示し、無料チャージ枚数がゼロであることを示す情報を取得した場合、無料チャージ枚数がゼロであることをチュートリアル操作画面77に表示し、チャージ枚数を購入する操作を受け付ける(S19)。携帯端末装置10は、購入する操作を受け付けた場合、S65で取得したワンタイムトークンと、無料チャージ枚数の追加を実行させる実行指示を、プリンタ20に送信する(S67)。プリンタ20は、実行指示を取得すると、S67で取得したワンタイムトークンと、S65で応答したワンタイムトークンとが一致し、且つ、実行フラグに基づいて無料チャージを実行していないと判断した場合、無料チャージを実行する。
【0110】
これによれば、プリンタ20は、ワンタイムトークンを用いた認証を実行し、且つ実行フラグに基づいて無料チャージを実行することができる。また、無料チャージが実行済みである場合、無料チャージ枚数がゼロ枚であることや、既に、無料チャージが実行されていることを、チュートリアル操作画面77を介してユーザに認識させることができる。
【0111】
(3)プリンタ20は、S71の処理を実行したことに基づいて、無料チャージを実行したことを示す情報を、実行フラグに設定する(S73)。これによれば、プリンタ20は、無料チャージの実行に合わせて実行フラグを更新することで、自装置について、無料チャージが実行済みか否かを判断できる。
【0112】
(変形例)
以上、上記各実施形態では、本願の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上記各実施形態において、印刷可能枚数をプリンタ管理テーブルPT等に記憶させ、その印刷可能枚数を印刷ごとに減算し、印刷の可否を決定した。これに対し、プリンタ20で印刷した印刷済枚数などの印刷により増加する量を用いて、印刷可能枚数を管理しても良い。この場合、印刷可能枚数は、例えば、チャージ枚数の総計であるチャージ済枚数から印刷済枚数を減算することで管理することができる。
また、印刷システム1は、デバイスIDと印刷可能枚数を関連付けてサーバ管理テーブルSTに記録し、プリンタ20ごとの印刷可能枚数を管理するシステムであったが、これに限らない。印刷システム1は、例えば、印刷可能枚数をユーザIDに関連付けて管理するシステムでも良い。ここでいうユーザIDとしては、アプリケーション18Bに登録されたユーザのID、携帯端末装置10を使用するユーザのIDなどを採用できる。
また、印刷システム1は、サーバ30を備える構成であったが、備えない構成でも良い。例えば、携帯端末装置10とプリンタ20とが通信するシステムにおいて、チャージのチュートリアルを実行しても良い。従って、本願の記録システムは、サーバを備えない構成でも良い。また、記録システムは、チュートリアルに応じたサーバ30やプリンタ20に対する通知、無料チャージを実行しない構成でも良い。即ち、記録システムは、チュートリアルのみを携帯端末装置10で実行する構成でも良い。
また、印刷システム1は、1台の携帯端末装置10と、1台のプリンタ20だけを備える構成でも良い。また、印刷システム1は、1台の携帯端末装置10と、複数台のプリンタ20を備える構成や、複数台の携帯端末装置10と、1台のプリンタ20を備える構成でも良い。
また、携帯端末装置10は、チュートリアル処理を実行するアプリケーション18Bと、チャージ処理を実行するアプリケーション18Bとを別々に備えても良い。従って、携帯端末装置10は、チュートリアル処理又はチャージ処理の一方だけを実行可能な構成でも良い。
【0113】
また、携帯端末装置10は、チュートリアル処理において、チャージ操作画面102と同じチュートリアル操作画面73を表示させたが、表示させなくとも良い。チャージ操作画面101~104とチュートリアル操作画面71~79は、異なる画面構成でも良い。
また、携帯端末装置10は、ユーザの操作入力に応じて、チュートリアル操作画面71~79を切り替えたが、全ての画面の切り替えを自動で実行しても良い。
また、印刷システム1は、1回目のチュートリアル処理のみ無料チャージ枚数を付与したが、2回目以降、例えば、所定回数まで無料チャージ枚数を付与しても良い。
また、図9のチャージ処理において、タッチパネル14に表示されたチュートリアル操作画面73ら所望の選択アイコン88,89を選択することで、選択した選択アイコン88,89に対応するチャージ枚数が印刷可能枚数にチャージされた。しかしながら、ユーザが所望のチャージ枚数の数値を入力できるように構成して、ユーザによって入力されたチャージ枚数を印刷可能枚数にチャージし、入力されたチャージ枚数に応じた課金額をベンダがユーザに請求するようにしても良い。この場合、例えば、携帯端末装置10は、チュートリアル処理においては、チャージ枚数の入力欄に無料チャージ枚数を設定し、チャージ枚数を変更できないように制御しても良い。
また、本願の情報処理端末として、スマートフォンである携帯端末装置10を採用したが、これに限らない。情報処理装置としては、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC等の端末を採用できる。
また、上記各実施形態では、1台の携帯端末装置10を操作した場合の1回目のチュートリアル処理と、2回目以降のチュートリアル処理について説明したが、複数台の携帯端末装置10についても同様に実行できる。例えば、任意のプリンタ20について1回目チュートリアル処理を実行する場合、複数の携帯端末装置10の何れを操作しても無料チャージを実行する。また、任意のプリンタ20について2回目以降のチュートリアル処理を実行する場合、複数の携帯端末装置10の何れを操作しても無料チャージを実行しなくとも良い。
【0114】
プリンタ20は、ユーザがインクを補充可能(タンク部23の各インクタンクを交換可能)な構成でも良い。また、インクなどの消耗品を補充するための手段としては、他にはタンク部23に対してインクなどが入ったボトルから注入可能にする構成などが挙げられる。
また、本願の記録装置として、インクジェット方式のプリンタ20を採用したが、レーザー方式やサーマル方式のプリンタでも良い。また、記録装置は、個人ユーザ向けのプリンタに限らず、商業用・産業用の印刷機でも良い。記録装置は、印刷機能の他に、スキャン機能、コピー機能、FAX機能等を備える複合機でも良い。また、記録装置は、スキャナ、コピー機、FAX機でも良い。また、記録許可量は、印刷可能枚数に限らず、スキャンやFAXの実行許可回数でも良い。また、記録装置は、金属部材等に対して、レーザーによりマーカを行うレーザマーカでも良い。従って、本願の記録媒体は、用紙に限らず、金属部材等でも良い。また、記録許可量は、印刷可能枚数に限らず、レーザー加工の実行許可回数でも良い。
また、本願における記録許可量は、印刷可能枚数に限らない。例えば、記録許可量は、インクやトナーの消費量でも良い。記録許可量は、何ドット(ピクセル)だけインクの吐出を許可する量、インクの使用を許可する量(何mlなど)でも良い。あるいは、記録許可量を、感光体ドラム等の印刷動作にともなって回転する部材の回転数で規定しても良い。
【0115】
また、プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTを、プリンタ記憶部26Bに記憶する構成であったが、これに限らない。例えば、プリンタ20は、ICカードやメモリカード等を読み取り可能な読み取りIFを備えても良い。そして、プリンタ20は、読み取りIFに装着されたICカード等から、デバイスIDや印刷可能枚数などのプリンタ管理テーブルPTの情報を読み取って用いても良い。即ち、プリンタ20は、プリンタ管理テーブルPTを、ICカード等で管理する構成でも良い。
あるいは、プリンタ20は、印刷可能枚数等のプリンタ管理テーブルPTの情報を、タンク部23のインクタンクに設けられたメモリ、レーザプリンタの場合であれば、トナーカートリッジのメモリ、感光体ドラムのメモリなど、プリンタプログラム26B1が記憶されたプリンタ記憶部26B以外のメモリ等に記憶して管理しても良い。
【符号の説明】
【0116】
1 印刷システム(記録システム)、10 携帯端末装置(情報処理装置)、14 タッチパネル(入力インタフェース、表示部)、18B アプリケーション(プログラム)、20 プリンタ(記録装置)、25 印刷部(記録部)、26B プリンタ記憶部(記録装置記録部)、30 サーバ、32B サーバ記憶部、71~79 チュートリアル操作画面、93 メッセージ、101~104 チャージ操作画面、103 チャージ操作画面(支払い方法入力画面)。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図10
図11
図12