(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156717
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】空気調和機のコントローラ
(51)【国際特許分類】
F24F 11/56 20180101AFI20221006BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20221006BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20221006BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20221006BHJP
F24F 120/12 20180101ALN20221006BHJP
【FI】
F24F11/56
F24F11/89
F24F11/52
F24F11/70
F24F120:12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060545
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 真吾
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260BA64
3L260BA73
3L260BA80
3L260CA02
3L260CB62
3L260GA02
3L260GA05
3L260GA11
3L260GA15
3L260HA02
(57)【要約】
【課題】運転状態が容易に確認でき、インテリアにも調和する空気調和機のコントローラを提案する。
【解決手段】前面に液晶画面を備え、背面が壁面に固定される本体部と、前記本体部よりも大きく前記本体部の側面に固定され、前記側面から立設するスクリーンパネルとで形成され、前記本体部は、底面側に先端が前記スクリーンパネルの下端に向かって斜めに配置された光源を備え、前記光源は前記スクリーンパネルに発光される色で運転状態を知らせる空気調和機のコントローラ。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に表示画面を備え、背面が壁面に固定され、前記前面と前記背面をつなぐ側面を備える本体部と、
前記側面に固定され、前記側面から立設するスクリーンパネルとで形成されることを特徴とする空気調和機のコントローラ。
【請求項2】
前記本体部は、前記側面と前記背面を、前記前面と前記壁面との間の仮想領域内に収まるように設け、前記側面に前記パネルが固定されることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機のコントローラ。
【請求項3】
前記本体部は、前記表示画面の裏面にある第一基板と、前記第一基板の下端側に設けた第二基板を有し、前記第二基板は前記パネルよりも前記背面寄りに配置された光源を備え、さらに前記スクリーンパネルよりも前記前面側に人検知センサーを備えることを特徴とする請求項1と2に記載の空気調和機のコントローラ。
【請求項4】
前記人検知センサーは、前記コントローラから所定範囲内に人がいることを検知しない場合は第1が画像を表示し、前記コントローラから所定範囲内に人がいないことを検知した場合は第2画像を表示することを特徴とする請求項1ないし3に記載の空気調和機のコントローラ。
【請求項5】
前記光源から発光される光は、空気調和機の運転モードによって異なる色で発光されることを特徴とする請求項1ないし4に記載の空気調和機のコントローラ。
【請求項6】
前記スクリーンパネルは、表面側にシボ加工が施され、背面側には前記表面側のシボ加工より荒いシボ加工が施されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の空気調和機のコントローラ。
【請求項7】
前記スクリーンパネルは、表面側にシボ加工が施され、背面側には前記表面側のシボ加工より荒いシボ加工に加え、シボ加工のない格子状の切込みが施されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の空気調和機のコントローラ。
【請求項8】
前記スクリーンパネルは、表面側にシボ加工が施され、背面側には前記表面側のシボ加工より荒いシボ加工に加え、シボ加工のないドット状の窪みが施されていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の空気調和機のコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機の室内機を制御するためのコントローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11に示すコントローラ9は、住宅の壁面に固定され、天井埋込型空気調和機やダクト型空気調和機などの住宅設備用の空気調和機と有線もしくは無線で接続されて、前記空気調和機の操作に使われるものである。このコントローラ9は、表面に液晶表示部91を備えた直方形状をしている。しかし、厚みのあるコントローラ9が壁に取り付けられると、利用者にはコントローラ9が壁から突出したような印象を与える。また前面と側面に設けた通気孔92が暗く見え、白や明るい色の壁紙が多い住宅の壁面との一体感が損なわれたものとなっていた。(特許文献1参照)
【0003】
また、近年の空気調和機は、スマートフォンアプリから操作されるものや(例えば特許文献2参照)、スケジュールタイマー機能により制御されるものが増えた。これにより、壁面に固定されるコントローラは、空気調和機を操作するものから運転状態を確認するための表示機としての機能も求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】意匠登録第1333419号
【特許文献2】特開2014-190566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、運転状態が容易に確認できて、インテリアにも調和する空気調和機のコントローラを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、空気調和機のコントローラは、前面に液晶画面を備え、背面が住宅の壁面に固定される本体部と、前記本体部よりも大きく前記本体部の側面に固定される一枚板形状の光透過材からなるスクリーンパネルで形成されることを特徴とする。
【0007】
また、前記本体部は、表面よりも前記壁面に固定される背面の面積が上下左右ともに小さくなるように側面周囲に段差部を設け、前記段差部に前記スクリーンパネルが固定されることを特徴とする。
【0008】
また、前記本体部は、前記液晶画面の裏面にある第一基板と、前記第一基板の下端に直角に設けた第二基板を有し、前記第二基板は前記スクリーンパネルよりも背面寄りで底面側に先端が前記スクリーンパネルの下端に向かって斜めに配置された光源を備え、さらに前記スクリーンパネルよりも前面側の前記段差部の中央に人検知センサーを備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記人検知センサーは、使用者が前記コントローラから離れた位置にいる場合は、前記液晶画面に運転モードと室温だけを大きく表示し、使用者が前記コントローラ近傍にいる場合は、前記液晶画面に通知表示としての円形のリング状表示と、運転モード表示と室温表示と設定温度とタイマー切換時に温度と時刻を上下させる矢印を表示し、前記リング状表示の右上には電源ON/OFFアイコン、前記リング状表示の右下には運転切換アイコン、前記リング状表示の左下にはタイマー設定アイコンが表示されることを特徴とする。
【0010】
また、前記光源から発光される光は、暖房運転時は赤色、冷房運転時は青色、除湿運転時は緑色であることを特徴とする。
【0011】
また、前記スクリーンパネルは、表面側にシボ加工が施され、背面側には荒いシボ加工が施されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、運転状態が容易に確認でき、インテリアにも調和する空気調和機のコントローラとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の空気調和機のコントローラの使用状態を示す図。
【
図2】本発明の空気調和機のコントローラの通電状態を示す図。
【
図7】(a)は前記コントローラから使用者が離れた位置にいる時の画面表示を示す図、(b)は前記コントローラを使用者が操作する時の画面表示を示す図。
【
図8】前記コントローラの通電状態の下部を拡大した図。
【
図9】他の実施例2のコントローラの通電状態の下部を拡大した図。
【
図10】他の実施例3のコントローラの通電状態の下部を拡大した図。
【
図11】従来の空気調和機のコントローラを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
図1に示す本実施形態に係る空気調和機のコントローラ1は、住宅設備用の天井埋込型空気調和機8やダクト型空気調和機(図示無し)に有線もしくは無線で接続され、空気調和機8に運転制御信号を送信するとともに空気調和機8の運転状態を表示するものである。
【0016】
コントローラ1は室内の壁面7に固定される。例えば
図4に示すように、コントローラ1は内部に光源50を有する。コントローラ1は光源50が発光する光52で運転状態を知らせる。例えば光源は、暖房運転時は赤色、冷房運転時は青色、除湿運転時は緑色で発光し、運転停止時は発光しない。これにより天井埋込型空気調和機8の使用者6はコントローラ1から離れた場所にいても目視で運転状態を知ることができる。
【0017】
図2から
図5に示すコントローラ1は、本体部2と、本体部2の周囲に固定された一枚板形状の光透過材である透明素材(ガラスまたはアクリル)のスクリーンパネル4で形成される。本体部2は中空の直方体形状を有する。具体的には、本体部2は四角形の表面21と四角形の背面22と、表面21と背面22をつなぐ側面23とを有する。表面21は空気調和機の設定温度などの運転状態を表示する表示画面である。例えば表示画面は全面にタッチパネルの機能を備えた液晶画面3である。
【0018】
本体部2の側面23には傾斜面24と平坦面231が形成されている。傾斜面24は表面21と鋭角を成すように形成される。これにより、傾斜面24は、表面21と壁面7とで囲まれる仮想的な領域(以下、仮想領域ともいう)の内側に収まるように形成される。傾斜面24と背面22をつなぐ平坦な面である平坦面231や背面22も前記仮想領域内に収まるように形成される。従って、壁面7に固定される背面22の面積が表面21よりも小さくなる。平坦面231にはスクリーンパネル4が固定される。スクリーンパネル4は平坦面231から立設するように伸びる。具体的には、スクリーンパネル4は仮想領域の内側から外側に伸びるように形成される。本実施例では、スクリーンパネル4は本体部2の全ての側面23に形成される。言い換えれば、表面21から見て液晶パネル3よりも上下の高さと左右の幅が大きくなるように形成されており、特に下方に大きく形成されている。
【0019】
本体部2の背面22の上端には、壁面7に掛けるための孔25を備える。また背面22の中央には基板などのメンテナンス時に取外しが可能な蓋26が設けられる。背面下部の左右端には内蔵する温度センサー(図示なし)が空気と接するように通気孔27が設けられている。
【0020】
図6は、
図4のB部拡大図である。本体部2の内部で液晶画面3の裏面には基板28を備える。基板28は液晶画面3の裏面にある第一基板281と、基板281の下端に直角に設けて背面22近くまである第二基板282がある。第二基板282はスクリーンパネル4よりも背面22寄りで底面29側に光源50を備える。光源50は例えばLEDである。光源50の先端はスクリーンパネル4の下端に向かって照射するように斜めに配置されている。また、第二基板282はスクリーンパネル4よりも前面22側に人検知センサー51を備える。スクリーンパネル4の下端側の平坦面231には、左右方向の中央に2つの開口(開口部291、開口部292)を有する。開口部291は人検知センサー51の下方に配置され傾斜面24と隣接する。開口部292は光源50の下方に配置される。
【0021】
スクリーンパネル4は、外周の周縁41に延出部42を有する。延出部42はスクリーンパネル4の背面の外周の周縁41近くの折曲部43から周縁41に掛けて約45度の角度で背面22側に延出した形状である。スクリーンパネル4には、表面21側にシボ加工44が施され、背面22側には凹凸のある加工45が施されている。
【0022】
図2と
図5を参照してスクリーンパネル4は表面21側の細かいシボ加工44と背面22側の荒いシボ加工45が施される。これにより背面22側にあるコントローラ1の側面や通気孔27や光源50はスクリーンパネル4により隠される。また、スクリーンパネル4には荒いシボ加工45が施されるため、荒いシボ加工45を通して背面の壁が映り込む。スクリーンパネル4に背面の壁が映り込むことで使用者が室内の壁面7に固定されたコントローラ1を見たとき、コントローラ1の厚みは表面21からスクリーンパネル4までであるかのように見える。これによりコントローラ1は厚さを感じさせない印象を与える。また、スクリーンパネル4は仮想領域の内側から外側に伸びるように形成されるため、表示画面とスクリーンパネル4との間に空間があるように見える。これによりコントローラ1の表示画面が壁面7から浮遊しているような印象を与えることができ、コントローラ1が表示画面のみで構成されるような印象を与えることができる。従って、より厚みを感じさせない印象を与えることができる。
【0023】
次に、液晶画面3の表示切換について説明する。
図7(a)は使用者6がコントローラ1から離れた位置(コントローラが設置された壁面から所定範囲W外)にいる場合の液晶画面3の表示であり、
図7(b)は使用者6がコントローラ1の近傍(コントローラが設置された壁面から所定範囲W内(例えば約1m以内))にいる場合の液晶画面3の表示である。なお、所定範囲Wの大きさは、使用者が壁面に設置されてコントローラ1を操作する意図を持った際にコントローラ1に近づくと想定される距離を実験等で把握して決定すればよい。使用者6がコントローラ1から離れた位置にいる場合は、人検知センサー51は使用者6が近傍にいないと判断して液晶画面3には第1画像を表示する。第1画像は遠くからでも使用者6が運転状態を視認できる画像である。本実施例では第1画像として運転モード31と室温32だけを大きく表示する。一方、使用者6がコントローラ1から所定範囲W以内に近づくと人検知センサー51が反応する。使用者6がコントローラ1から近い位置にいる場合は、人検知センサー51は使用者6が近傍にいると判断して、液晶画面3に第2画像を表示する。第2画像は使用者6により空気調和機8を操作できる画像である。本実施例では第2画像として、
図2と
図3を合わせて参照して、液晶画面3には液晶画面3の中央に画面が切り替わったことを知らせるリング状の表示37と、運転モード表示31と室温表示32と設定温度とタイマー切換時に温度と時刻を上下させる矢印36が表示される。例えばリング状の表示37の右上には電源ON/OFFアイコン33、リング状の表示37の右下には運転切換アイコン34、リング状の表示37の左下にはタイマー設定アイコン35が表示される。使用者6はコントローラ1の設定が可能となる。
【0024】
図8から
図10に示すコントローラ1は、スクリーンパネル4の背面22側に凹凸のある加工45を施したバリエーションの例である。
図8のコントローラ1は、表面21側にシボ加工44を施し、背面には表面よりも荒いシボ加工45を施したものである。光源50から発光された光52は、シボ加工45で拡散されることでスクリーンパネル4全体を光らせることができる。
【0025】
図9のコントローラ1は、表面21側にシボ加工44を施し、背面には
図8の荒いシボ加工45に加え、シボ加工のない格子状の切込み46を加えたものである。これにより光源50から発光された光52は、シボ加工45でスクリーンパネル4全体に広く拡散するとともに、切込み46で反射して格子状に光り、高級感のある印象を与える。
【0026】
図10のコントローラ1は、表面21側にシボ加工44を施し、背面には
図8の荒いシボ加工45に加え、さらにドット状のシボ加工のない窪み47を加えたものである。これにより光源50から発光された光52は、シボ加工45でスクリーンパネル4全体に広く拡散するとともに、窪み47で反射してドット状に光り、高級感のある印象を与える。
【0027】
以上のように本実施例のコントローラ1によれば、使用者6がコントローラ1から離れた場所にいても光源50から発光された光52がスクリーンパネル3で拡散されて視認でき、発光された光の色によって、冷房/暖房/除湿の運転状態を把握できる。またコントローラ1は運転停止時にはスクリーンパネル4に背面の壁が映り込み、壁紙に馴染む空気調和機のコントローラとなる。
【符号の説明】
【0028】
1 空気調和機のコントローラ
2 本体部
21 表面
22 背面
23 側面
24 傾斜面
231 平坦面
25 孔
26 蓋
27 通気孔
28 基板
281 第一基板
282 第二基板
29 底面
291/292 開口部
3 液晶画面
31 運転モード表示
32 室温表示
37 リング状の表示
36 矢印
33 電源ON/OFF
34 運転切換
35 タイマー設定
4 スクリーンパネル
41 周縁
42 延出部
43 折曲部
44/45 シボ加工
46 切込み
47 窪み
50 光源
51 人検知センサー
52 光
6 使用者
7 壁面
8 天井埋込型空気調和機