(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156724
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】制御装置、操作装置、制御方法および作業車両
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20221006BHJP
E02F 3/85 20060101ALI20221006BHJP
G05G 9/047 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
E02F9/20 K
E02F3/85 A
G05G9/047
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060559
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 優樹
【テーマコード(参考)】
2D003
3J070
【Fターム(参考)】
2D003AA03
2D003AB07
2D003BA01
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB04
2D003DB05
2D003EA03
3J070AA04
3J070AA05
3J070AA24
3J070CA01
3J070DA03
3J070DA21
3J070EA12
(57)【要約】
【課題】操作を簡単にする。
【解決手段】制御装置は、グレーダのメインフレームに取り付けられたドローバーを制御する装置であって、前記ドローバーは、少なくとも3本のアクチュエータで動きが生成されるものであり、少なくとも3自由度を持つ1本の操作レバーからの出力信号に基づき、前記1本の操作レバーの動きと前記ドローバーの動きが対応するように前記複数のアクチュエータを制御する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレーダのメインフレームに取り付けられたドローバーを制御する装置であって、
前記ドローバーは、少なくとも3本のアクチュエータで動きが生成されるものであり、
少なくとも3自由度を持つ1本の操作レバーからの出力信号に基づき、前記1本の操作レバーの動きと前記ドローバーの動きが対応するように前記複数のアクチュエータを制御する
制御装置。
【請求項2】
前記ドローバーは、前記メインフレームと1つの玉軸によって拘束されたものであり、
前記操作レバーの軸回転と、前記ドローバーの前記玉軸を中心とする軸回転とが対応する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記操作レバーが、前記ドローバーに取り付けられたブレードの動きを操作する操作部を有する
請求項1または2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記操作部が左右にスライドされた場合に、前記ブレードを左右にスライドさせる
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記操作レバーの傾きと前記ドローバーの傾きとが対応する
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記操作レバーと
を備える操作装置。
【請求項7】
グレーダのメインフレームに取り付けられたドローバーを制御する方法であって、
前記ドローバーは、少なくとも3本のアクチュエータで動きが生成されるものであり、
少なくとも3自由度を持つ1本の操作レバーからの出力信号に基づき、前記1本の操作レバーの動きと前記ドローバーの動きが対応するように前記複数のアクチュエータを制御する
制御方法。
【請求項8】
メインフレームと、
前記メインフレームに取り付けられ、玉軸によって前記メインフレームに拘束されたドローバーと、
前記メインフレームに取り付けられ、前記ドローバーの姿勢を決定する3本のアクチュエータと、
オペレータによって操作される1本の操作レバーと、
前記操作レバーからの出力信号に基づいて前記アクチュエータを制御する制御装置と
を備え、
前記制御装置は、前記操作レバーの動きと前記ドローバーの動きが対応するように前記アクチュエータを制御する
作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、操作装置、制御方法および作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
グレーダの作業機は、ブレード、サークル、ドローバー、リフタ等から構成され、それらの位置決めをするために複数のアクチュエータが設けられている(例えば特許文献1)。例えば、ドローバーの動きを制御するアクチュエータは、左右のブレードリフトシリンダと、ドローバーシフトシリンダの3本であるが、所望の角度にするためには複数の操作レバーにまたがる3軸の操作が必要で、操作が複雑で難しいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0173135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、操作を簡単にすることができる制御装置、操作装置、制御方法および作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、グレーダのメインフレームに取り付けられたドローバーを制御する装置であって、前記ドローバーは、少なくとも3本のアクチュエータで動きが生成されるものであり、少なくとも3自由度を持つ1本の操作レバーからの出力信号に基づき、前記1本の操作レバーの動きと前記ドローバーの動きが対応するように前記複数のアクチュエータを制御する制御装置である。
【0006】
また、本発明の他の態様は、前記制御装置と、前記操作レバーとを備える操作装置である。
【0007】
また、本発明の他の態様は、グレーダのメインフレームに取り付けられたドローバーを制御する方法であって、前記ドローバーは、少なくとも3本のアクチュエータで動きが生成されるものであり、少なくとも3自由度を持つ1本の操作レバーからの出力信号に基づき、前記1本の操作レバーの動きと前記ドローバーの動きが対応するように前記複数のアクチュエータを制御する制御方法である。
【0008】
また、本発明の他の態様は、メインフレームと、前記メインフレームに取り付けられ、玉軸によって前記メインフレームに拘束されたドローバーと、前記メインフレームに取り付けられ、前記ドローバーの姿勢を決定する3本のアクチュエータと、オペレータによって操作される1本の操作レバーと、前記操作レバーからの出力信号に基づいて前記アクチュエータを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記操作レバーの動きと前記ドローバーの動きが対応するように前記アクチュエータを制御する作業車両である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の各態様によれば、操作を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの基本的構成例を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの作業機の基本的構成例を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るオペレータ操作装置の構成例を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示すジョイスティック32の動作例を説明するための模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る制御システムの構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図5に示すコントローラ100の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】
図5に示す制御システム300の動作例を示すシステム図である。
【
図8】
図5に示すコントローラ100の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】
図5に示す制御システム300の他の動作例を示すシステム図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための側面図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための平面図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための側面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための平面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための側面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための平面図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0012】
[作業機械の概要]
図1は、実施形態に係る作業機械1を示す斜視図である。
図2は、実施形態に係る作業機械1の作業機10の基本的構成例を示す斜視図である。実施形態に係る作業機械1は、例えばモータグレーダ(単にグレーダともいう)である。以下の説明において、作業機械1を適宜、モータグレーダ1、と称する。また、モータグレーダ1は、作業車両の一例である。なお、
図1と
図2は異なる機種である。
【0013】
なお、本実施形態においては、
図1に示すように、モータグレーダ1の車両本体2を基準として車幅方向を左右方向とし、左右方向に直交する鉛直方向を上下方向とし、左右方向と上下方向に直交する車長方向を前後方向とする。
【0014】
図1に示すように、モータグレーダ1は、車両本体2と、キャブ3と、走行装置4と、作業機10とを有する。モータグレーダ1は、走行装置4により、作業現場を走行する。モータグレーダ1は、作業現場において、作業機10を用いて作業を実施する。モータグレーダ1は、作業機10を用いて、道路施工(路床、路盤、法面の切削整形)、道路維持補修(砂利道の切削、砂利敷均し)、除雪(積雪および圧雪の除去)、その他(広場の整地、溝掘り、除草等)の作業を実施することができる。なお、作業機械1は、少なくとも3本のアクチュエータで動きが生成されるドローバー(引っ張り棒、けん引棒)を有する作業機10を備えるものであればよく、モータグレーダ1に限定されない。
【0015】
キャブ3は、車両本体2に支持される。キャブ3の内部には、オペレータが着座する運転席31と、モータグレーダ1を動作させるためにオペレータによって操作されるオペレータ操作装置(図示しない)が配置される。
【0016】
走行装置4は、車両本体2を支持する。本実施形態において走行装置4は、回転可能な2個の前輪5と、4個の後輪6とを有する。モータグレーダ1は、走行装置4の前輪5と後輪6とによって路面RSを走行可能である。なお、作業機械の走行装置は、車輪に限らず、履帯等であってもよい。
【0017】
作業機10は、車両本体2に支持される。
図1および
図2に示すように、作業機10は、メインフレーム11と、ドローバー12と、サークル13と、ブレード14と、右ブレードリフトシリンダ15と、左ブレードリフトシリンダ16と、ドローバーシフトシリンダ17と、リフタ21と、リフタ22と、玉軸23と、ブレードシフトシリンダ24と、パワーチルトシリンダ25と、サークル回転モータ26とを備える。右ブレードリフトシリンダ15と、左ブレードリフトシリンダ16と、ドローバーシフトシリンダ17は、ドローバー12の動きを生成する3本のアクチュエータである。右ブレードリフトシリンダ15と、左ブレードリフトシリンダ16と、ドローバーシフトシリンダ17と、ブレードシフトシリンダ24と、パワーチルトシリンダ25は、油圧シリンダである。また、サークル回転モータ26は、油圧モータである。ただし、油圧シリンダや油圧モータに限定されない。
【0018】
メインフレーム11は、各部を支える保持部であり、キャブ3付近でピン結合した2つの部分フレームから構成され、屈折(アーティキュレート)することができる。
【0019】
ブレード14は、ドローバー12に対してシフトおよびチルトができるように支持され、掘削、運土、整形をする。サークル13は、内側に歯を持つ大歯車であり、ブレード14を保持し、サークル回転モータ26によって矢印A6の方向に回転させる。この場合、ブレード14は、ドローバー12に取り付けられている。
【0020】
ドローバー12は、1つの玉軸23を介して端部をメインフレーム11に対して揺動および回転自在(以下、揺動自在という)に拘束され、サークル13を支持し、けん引力を受ける。玉軸23は、玉継手、ボールジョイント等とも呼ばれ、メインフレーム11とドローバー12を連結する。この場合、ドローバー12は、モータグレーダ1のメインフレーム11に取り付けられている。また、ドローバー12は、メインフレーム11と1つの玉軸23によって拘束されている。
【0021】
右ブレードリフトシリンダ15は、中間部がリフタ21を介してメインフレーム11に対して揺動自在に支持されるとともに、一方の端部がドローバー12に対して揺動自在に支持され、矢印A1の方向に伸縮する。左ブレードリフトシリンダ16は、中間部がリフタ22を介してメインフレーム11に対して揺動自在に支持されるとともに、一方の端部がドローバー12に対して揺動自在に支持され、矢印A2の方向に伸縮する。ドローバーシフトシリンダ17は、一端がメインフレーム11に対して揺動自在に支持されるとともに、他端がドローバー12に対して揺動自在に支持され、矢印A3の方向に伸縮する。右ブレードリフトシリンダ15と、左ブレードリフトシリンダ16と、ドローバーシフトシリンダ17は、ドローバー12の位置と姿勢を制御する。
【0022】
ブレードシフトシリンダ24は、一端がドローバー12に連結されるとともに、他端がブレード14に支持され、矢印A4方向に伸縮し、ブレード14を横送りする。パワーチルトシリンダ25は、一端がドローバー12に連結されるとともに、他端がブレード14に支持され、矢印A5の回転方向にブレード14の切削角を変化させる。切削角は、ブレード14が路面(地面)RSに接したとき、切刃の刃先と路面RSとのなす角である。
【0023】
[ドローバー制御と入力操作]
本実施形態では、ドローバー12の位置と姿勢を制御する際に、ドローバー12の拘束点である玉軸23の揺動および回転中心を原点とする、矢印Azで示す上下方向を回転軸とする回転方向αと、矢印Ayで示す前後方向を回転軸とする回転方向βと、矢印Axで示す左右方向を回転軸とする回転方向γとを定義し、右ブレードリフトシリンダ15と、左ブレードリフトシリンダ16と、ドローバーシフトシリンダ17の各直線運動を、玉軸23周りの3軸の回転運動としてとらえて制御する。また、少なくとも3自由度を持つ1本の操作レバーの一例あるジョイスティック32(
図3および
図4)を用いて、ドローバー12を操作する際のオペレータの入力操作を行う。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に係るオペレータ操作装置の構成例を示す斜視図である。
図4は、
図3に示すジョイスティック32の動作例を説明するための模式図である。
図3に示す例では、キャブ3内で、運転席31の右側にジョイスティック32が配置され、左側にジョイスティック34が配置されている。本実施形態では、ジョイスティック32は、ドローバー12の位置、姿勢を制御する際の操作入力装置として用いられ、ジョイスティック34は、例えば、走行装置4を制御する際の操作入力装置として用いられる。
図4に示すように、ジョイスティック32は、レバー32Lを有し、レバー32Lが少なくとも前後方向および左右方向に傾動可能であるとともに、上下方向を回転軸として回転可能である。なお、傾動方向は、2方向に限定されず、例えば、全方向に傾動可能であってもよい。また、ジョイスティック32は、オペレータが操作していない状態ではレバー32Lが中立状態(直立状態)で保持され、さらに、中立状態から一定の範囲内の傾動や回転を無視する不感帯領域を有している。本実施形態では、ジョイスティック32の上下方向の軸周りの回転方向αjを
図2に示す回転方向αに対応する操作入力、前後方向を回転軸とする回転方向βjを
図2に示す回転方向βに対応する操作入力、左右方向を回転軸とする回転方向γjを
図2に示す回転方向γに対応する操作入力とする。
【0025】
なお、ジョイスティック32は、スライドスイッチ33をさらに備える。スライドスイッチ33は、モータグレーダ1のブレード14の動きを操作する操作部の一例であり、オペレータは、スライドスイッチ33を左右にスライドさせることで、ブレード14を左右にスライドさせることができる。
【0026】
ジョイスティック32は、レバー32Lの操作状態に応じて、例えば、回転角αj、βjおよびγjを表す信号(あるいは回転角αj、βjおよびγjの所定時間当たりの変化量Δαj、ΔβjおよびΔγjを表す信号)を出力する。また、ジョイスティック32は、スライドスイッチ33のスライド量を表す信号を出力する。
【0027】
[制御システムの構成]
図5は、実施形態に係るモータグレーダ1の制御システム300の構成例を示すブロック図である。制御システム300は、操作装置の一例である。
図2に示すように、モータグレーダ1は、動力源201と、PTO(Power Take Off)202と、走行装置4と、油圧ポンプ203と、油圧制御弁ユニット204と、コントローラ100とを備える。なお、制御システム300は、さらに、ジョイスティック32やスライドスイッチ33を備えていてもよい。コントローラ100は、制御装置の一例であって、例えば、マイクロコンピュータ等のコンピュータと、その周辺回路や周辺装置とを用いて構成することができ、コンピュータ等のハードウェアと、コンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせによって各種機能を実装する。
【0028】
動力源201は、作業機械1を動作させるための動力を発生する。動力源201として、内燃機関や電動機が例示される。なお、動力源201は、内燃機関や電動機に限定されない。動力源201は、例えば内燃機関と発電電動機と蓄電装置とを組み合わせた、いわゆるハイブリッド方式の装置であってもよい。また、動力源201は、内燃機関を有さず、蓄電装置と発電電動機とを組み合わせた構成を有していてもよい。
【0029】
PTO202は、動力源201の動力の少なくとも一部を油圧ポンプ203に伝達する。PTO202は、動力源201の動力を走行装置4と油圧ポンプ203とに分配する。
【0030】
走行装置4は、例えば、変速機、駆動軸、ブレーキ、後輪6等を有する。なお、前輪5は、例えば、図示していない油圧モータによって駆動される。
【0031】
油圧制御弁ユニット204は、コントローラ100の制御の下、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16、ドローバーシフトシリンダ17、ブレードシフトシリンダ24、パワーチルトシリンダ25、および、サークル回転モータ26のそれぞれに供給される作動油の流量および方向を制御する。
【0032】
また、コントローラ100へは、ジョイスティック32の出力信号、スライドスイッチ33のスライド量、ジョイスティック34の出力信号、キャブ3内に設けられたアクセルペダル35の操作量、ドローバー回転角計36の出力信号、シリンダ長計37の出力信号等が入力される。なお、アクセルペダル35はオペレータの入力操作装置であり、動力源201の出力を指示する。また、ドローバー回転角計36は、
図2に示すドローバー回転角(α、β、γ)を計測(算出)し、計測(算出)した結果を出力する。ドローバー回転角計36は、玉軸23の軸の回転角(揺動角)やドローバー12のメインフレーム11に対する複数個所の回転角を計測する1または複数のセンサと、センサの計測値をドローバー回転角(α、β、γ)に変換する制御ユニット等から構成することができる。シリンダ長計37は、右ブレードリフトシリンダ15のシリンダ長さL1、左ブレードリフトシリンダ16のシリンダ長さL2、ドローバーシフトシリンダ17のシリンダ長さL3を計測(算出)し、計測(算出)した結果を出力する。シリンダ長計37は、シリンダ長さL1、L2およびL3を計測するセンサや、各シリンダの回転角を検知する複数のセンサの計測値をシリンダ長さ(L1、L2、L3)に変換する制御ユニット等から構成することができる。
【0033】
[制御システムの動作例]
図6は、
図5に示すコントローラ100の動作例を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、例えばジョイスティック32で不感帯領域を超える入力操作が行われた場合、所定の周期で繰り返し実行される。
【0034】
図6に示す処理が開始されると、コントローラ100は、まず、ジョイスティック32の姿勢(αj,βj,γj)を取得する(ステップS101)。次に、コントローラ100は、1処理前(1周期前)の姿勢(αj,βj,γj)と現在の姿勢(αj,βj,γj)に基づき、ジョイスティック32の姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)を算出する(ステップS102)。次に、コントローラ100は、ドローバー回転角計36が出力したドローバー回転角(α、β、γ)を取得し、ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)とする(ステップS103)。
【0035】
次に、コントローラ100は、ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)とジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)に基づいてドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)を算出する(ステップS104)。ドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)は、例えば、成分毎に、ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)に、ジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)に所定の係数を乗じた値を加算した値である。なお、所定の係数は、例えば、オペレータが一定の範囲内で調整可能な値とすることができる。
【0036】
次に、コントローラ100は、ドローバー回転角計36が出力したドローバー回転角(α、β、γ)を取得し、現在のドローバー回転角(αr,βr,γr)とする(ステップS105)。次に、コントローラ100は、ドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)と現在のドローバー回転角(αr,βr,γr)に基づいて右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17を制御する(ステップS106)。次に、コントローラ100は、現在のドローバー回転角(αr,βr,γr)がドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)に到達したか否か(ドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)から所定値以内であるか否か)を判定する(ステップS107)。
【0037】
現在のドローバー回転角(αr,βr,γr)がドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)に到達した場合(ステップS107で「YES」の場合)、コントローラ100は、
図6に示す処理を終了する。一方、現在のドローバー回転角(αr,βr,γr)がドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)に到達していない場合(ステップS107で「NO」の場合)、コントローラ100は、ステップS105以降の処理を再度実行する。
【0038】
以上の処理によって、コントローラ100は、ジョイスティック32のレバー32Lに対する操作入力(回転角(αj,βj,γj)の変化分(Δαj,Δβj,Δγj))に対応するように、ドローバー12の回転角(α,β,γ)を変化させることができる。この場合、オペレータのレバーの回転操作と同一方向にドローバー12が動くことになる。
【0039】
図7は、
図6に示す動作例に対応する制御システム300の動作例を示すシステム図である。
図7に示す動作例では、オペレータ操作(S301)としてジョイスティック32の操作が行われると(S302)、コントローラ100内でジョイスティック信号変換(S304)が行われて、ジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)が算出される。コントローラ100内では、さらに、ジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)と現在のドローバー回転角(α,β,γ)に基づいて、ドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)が算出される(S305)。
【0040】
コントローラ100(S303)内では、さらに、現在のドローバー回転角(α,β,γ)とドローバー回転角目標値(αt,βt,γt)(の偏差)に基づいて、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の伸縮速度ΔV1、ΔV2およびΔV3が算出される(S306)。
【0041】
次に、シリンダ、作業機動作(S308)として、伸縮速度ΔV1、ΔV2およびΔV3に基づいて、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の油圧バルブ制御が行われる(S309)。ここで、右ブレードリフトシリンダ伸縮(S310)と、左ブレードリフトシリンダ伸縮(S311)と、ドローバーシフトシリンダ伸縮(S312)が行われて、ドローバー12が回転する(S313)。また、新たにドローバー回転角計36によって現在の回転角が検出される(S314)。
【0042】
なお、ブロックS315内の処理は、ブロックS307内の処理より、短い周期で実行される。
【0043】
以上の処理によって、制御システム300は、ジョイスティック32のレバー32Lに対する操作入力(回転角(αj,βj,γj)の変化分(Δαj,Δβj,Δγj))に対応するように、ドローバー12の回転角(α,β,γ)を変化させることができる。この場合、オペレータのレバーの回転操作と同一方向にドローバー12が動くことになる。
【0044】
次に、
図8を参照して他の動作例について説明する。
図8は、
図5に示すコントローラ100の他の動作例を示すフローチャートである。
図8に示す処理は、例えばジョイスティック32で不感帯領域を超える入力操作が行われた場合、所定の周期で繰り返し実行される。
【0045】
図8に示す処理が開始されると、コントローラ100は、まず、ジョイスティック32の姿勢(αj,βj,γj)を取得する(ステップS201)。次に、コントローラ100は、1処理前の姿勢(αj,βj,γj)と現在の姿勢(αj,βj,γj)に基づき、ジョイスティック32の姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)を算出する(ステップS202)。次に、コントローラ100は、ドローバー回転角計36が出力したドローバー回転角(α、β、γ)を取得し、ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)とする(ステップS203)。ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)は、ドローバー回転角計36を用いずに、各シリンダの現在の長さ(L1,L2,L3)から算出されるドローバー回転角(α、β、γ)の計算値を用いてもよい。この場合、事前にドローバー角度とシリンダ長さの校正を行う。
【0046】
次に、コントローラ100は、ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)とジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)に基づいてドローバー回転角目標値(Δα,Δβ,Δγ)を算出する(ステップS204)。ドローバー回転角目標値(Δα,Δβ,Δγ)は、例えば、成分毎に、ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)と、ジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)に所定の係数を乗じた値とに基づく値である。なお、所定の係数は、例えば、オペレータが一定の範囲内で調整可能な値とすることができる。
【0047】
次に、コントローラ100は、各シリンダの現在の長さ(L1,L2,L3)を取得し、各シリンダの長さ初期値(L1o,L2o,L3o)とする(ステップS205)。次に、コントローラ100は、ドローバー回転角初期値(α0,β0,γ0)とドローバー回転角目標値(Δα,Δβ,Δγ)に基づいて各シリンダの長さ変化の目標値(ΔL1,ΔL2,ΔL3)を算出する(ステップS206)。
【0048】
ステップS206において、コントローラ100は、回転行列と座標変換行列を用いて、ドローバー回転角目標値(Δα,Δβ,Δγ)に対応するように各シリンダの長さ変化の目標値(ΔL1,ΔL2,ΔL3)を算出する。本実施形態において、ドローバー12のメカニズムは、機械の運動学的に言えば、回転3自由度パラレルメカニズムのモデルに分類される。回転3自由度パラレルメカニズムでは、実現したいドローバー12の姿勢(α,β,γ)を達成する、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の各シリンダ長さ(L1,L2,L3)が一つ存在する。したがって、各シリンダ長さを同時に調整すれば、ドローバー12の姿勢(α,β,γ)を制御することが可能である。すなわち、ジョイスティック32のレバー入力角度の信号3軸角度から、角度回転に必要なシリンダ伸縮量を算出することができる。なお、回転行列を使うことで、ドローバー12上の各シリンダの拘束点の座標の変化が計算できる。また、車両本体2側の拘束点の座標は変化しないので、ドローバー12の回転後の各シリンダの長さを算出することができる。
【0049】
次に、コントローラ100は、各シリンダの現在の長さ(L1,L2,L3)を取得し(ステップS207)、各シリンダの現在の長さ変化(ΔL1r,ΔL2r,ΔL3r)を算出する(ステップS208)。次に、コントローラ100は、各シリンダの長さ変化の目標値(ΔL1,ΔL2,ΔL3)と各シリンダの現在の長さ変化(ΔL1r,ΔL2r,ΔL3r)に基づいて右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17を制御する(ステップS209)。次に、コントローラ100は、各シリンダの現在の長さ変化(ΔL1r,ΔL2r,ΔL3r)が各シリンダの長さ変化の目標値(ΔL1,ΔL2,ΔL3)に到達したか否かを判定する(ステップS210)。
【0050】
到達した場合(ステップS210で「YES」の場合)、コントローラ100は、
図8に示す処理を終了する。一方、到達していない場合(ステップS210で「NO」の場合)、コントローラ100は、ステップS207以降の処理を再度実行する。
【0051】
以上の処理によって、コントローラ100は、ジョイスティック32のレバー32Lに対する操作入力(回転角(αj,βj,γj)の変化分(Δαj,Δβj,Δγj))に対応するように、ドローバー12の回転角(α,β,γ)を変化させることができる。この場合、オペレータのレバーの回転操作と同一方向にドローバー12が動くことになる。
【0052】
図9は、
図8に示す動作例に対応する制御システム300の動作例を示すシステム図である。
図9に示す動作例では、オペレータ操作(S401)としてジョイスティック32の操作が行われると(S402)、コントローラ100内でジョイスティック信号変換(S404)が行われて、ジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)が算出される。コントローラ100内では、さらに、ジョイスティックの姿勢変化(Δαj,Δβj,Δγj)と現在のドローバー回転角(α,β,γ)に基づいて、ドローバー回転角目標値(Δα,Δβ,Δγ)が算出される(S405)。
【0053】
コントローラ100内(S403)では、さらに、現在のドローバー回転角(α,β,γ)とドローバー回転角目標値(Δα,Δβ,Δγ)とシリンダ長(L1,L2,L3)に基づいて、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の伸縮量ΔL1、ΔL2およびΔL3が算出される(406)。
【0054】
次に、シリンダ、作業機動作(S408)として、伸縮量ΔL1、ΔL2およびΔL3に基づいて、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の油圧バルブ制御が行われる(S409)。ここで、右ブレードリフトシリンダ伸縮(S410)と、左ブレードリフトシリンダ伸縮(S411)と、ドローバーシフトシリンダ伸縮(S412)が行われて、ドローバー12が回転する(S413)。また、新たにドローバー回転角計36によって現在の回転角が検出される(S414)。また、新たにシリンダ長計37によって現在のシリンダ長(L1,L2,L3)が検出される(S415)。
【0055】
なお、ブロックS416内の処理は、ブロックS407内の処理より、短い周期で実行される。
【0056】
以上の処理によって、制御システム300は、ジョイスティック32のレバー32Lに対する操作入力(回転角(αj,βj,γj)の変化分(Δαj,Δβj,Δγj))に対応するように、ドローバー12の回転角(α,β,γ)を変化させることができる。この場合、オペレータのレバーの回転操作と同一方向にドローバー12が動くことになる。
【0057】
[モータグレーダの操作例]
次に、
図10~
図17を参照して、モータグレーダ1の操作例について説明する。
図10~
図17は、本発明の一実施形態に係るモータグレーダの動作例を説明するための平面図および側面図である。
【0058】
図10は、走行姿勢のモータグレーダ1を示す平面図である。
図11は、走行姿勢のモータグレーダ1を示す側面図である。走行姿勢に移行する場合、ブレード14を上方向に移動させる必要がある。この場合、オペレータは、
図4に示すジョイスティック32に対して左右方向軸周りの回転操作(γj方向の回転操作)を行うことで、ドローバー12が前後軸周り(
図2のβ方向)に傾かずにドローバー12を持ち上げることができ、操作が容易である。
【0059】
仮に、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の各シリンダ長を操作する3つの操作レバーを用いて走行姿勢にする場合、右ブレードリフトシリンダ15と左ブレードリフトシリンダ16でドローバー12を少し上げるとドローバー12が傾くので、ドローバーシフトシリンダ17で調整し、また、右ブレードリフトシリンダ15と左ブレードリフトシリンダ16でドローバー12を少し上げるとドローバー12が傾くので、ドローバーシフトシリンダ17で調整するという操作を複数回繰り返す必要がある。
【0060】
図12は、溝掘姿勢のモータグレーダ1を示す平面図である。
図13は、溝掘姿勢のモータグレーダ1を示す側面図である。溝掘姿勢に移行する場合、ブレード14を上方向に移動させた後、ドローバー12の右側を下げる必要がある。この場合、オペレータは、まず、
図4に示すジョイスティック32に対して左右方向軸周りの回転操作(γj方向の回転操作)を行うことで、ドローバー12が前後軸周り(
図2のβ方向)に傾かずにドローバー12を持ち上げることができる。次に、オペレータは、
図4に示すジョイスティック32に対して前後方向軸周りの回転操作(βj方向の回転操作)を行うことで、ドローバー12の右側を下げることができる。この場合もγj方向の回転操作の際にドローバー12を前後軸周り(
図2のβ方向)に傾けずにドローバー12を持ち上げることができるので操作が容易である。
【0061】
仮に、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の各シリンダ長を操作する3つの操作レバーを用いて溝掘姿勢にする場合、ドローバー12を持ち上げる際に、右ブレードリフトシリンダ15と左ブレードリフトシリンダ16でドローバー12を少し上げるとドローバー12が傾くので、ドローバーシフトシリンダ17で調整し、また、右ブレードリフトシリンダ15と左ブレードリフトシリンダ16でドローバー12を少し上げるとドローバー12が傾くので、ドローバーシフトシリンダ17で調整するという操作を複数回繰り返す必要がある。
【0062】
図14は、ショルダーリーチマックス(MAX)またはミニマム(MIN)姿勢のモータグレーダ1を示す平面図である。
図15は、ショルダーリーチマックス(MAX)またはミニマム(MIN)姿勢のモータグレーダ1を示す側面図である。ショルダーリーチマックス(MAX)またはミニマム(MIN)姿勢に移行する場合、ドローバー12を前後軸周りに傾けずに下げ、同時にドローバー12を例えば右側へ最大スライドさせる必要がある。この場合、オペレータは、まず、
図4に示すジョイスティック32に対して左右方向軸周りの回転操作(γj方向の回転操作)と上下方向軸周りの回転操作(αj方向の回転操作)を行うことで、ドローバー12が前後軸周り(
図2のβ方向)に傾かずにドローバー12を下げ、また、同時にドローバー12を右側へ最大スライドさせることができる。また、スライドスイッチ33をシフトさせることで、ブレード14を右方向へスライドさせることができる。
【0063】
仮に、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の各シリンダ長を操作する3つの操作レバーを用いてショルダーリーチマックス(MAX)にする場合、(1)まず、右ブレードリフトシリンダ15と左ブレードリフトシリンダ16でドローバー12をある程度上げる((2)の操作でドローバー12の右側が下がるため)。(2)ドローバーシフトシリンダ17でマックス伸ばしとする。(3)ドローバー12が傾くので左側を下げてドローバー12が水平になるように左ブレードリフトシリンダ16で調整する。(4)右ブレードリフトシリンダ15と左ブレードリフトシリンダ16でブレード14を地面に設置し高さを調整する。(5)次に、ブレードシフトシリンダ24でブレード14を右方向にスライドさせる。本実施形態と比較して操作が複雑である。
【0064】
図16は、整地作業姿勢のモータグレーダ1を示す平面図である。
図17は、整地作業姿勢のモータグレーダ1を示す側面図である。整地作業姿勢では、走行しながら、ドローバー12の高さを微調整する必要がある。この場合、オペレータは、整地地面を目視して、目視で整地深さを確認し、
図4に示すジョイスティック32に対して左右方向軸周りの回転操作(γj方向の回転操作)によって前後軸周り(
図2のβ方向)にドローバー12を傾けずにドローバー12を下げることができ、すぐに再び整地地面を目視することができる。
【0065】
仮に、右ブレードリフトシリンダ15、左ブレードリフトシリンダ16およびドローバーシフトシリンダ17の各シリンダ長を操作する3つの操作レバーを用いて整地作業姿勢にする場合、(1)まず、オペレータが目視で整地深さを確認し、(2)右ブレードリフトシリンダ15と左ブレードリフトシリンダ16でドローバー12を平行に下げ、(3)例えば左が下がりすぎた場合、左ブレードリフトシリンダ16で左を上げて平行になるように調整し、(4)整地地面の目視に移行する。本実施形態と比較して操作が複雑である。
【0066】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上記実施形態でコンピュータが実行するプログラムの一部または全部は、コンピュータ読取可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することができる。
【0067】
以上のように、本実施形態のコントローラ100は、グレーダのメインフレームに取り付けられたドローバーを制御する装置であって、ドローバーは、少なくとも3本のアクチュエータで動きが生成されるものであり、少なくとも3自由度を持つ1本の操作レバーからの出力信号に基づき、1本の操作レバーの動きとドローバーの動きが対応するように複数のアクチュエータを制御する制御装置である。なお、ドローバーは、メインフレームと1つの玉軸によって拘束されたものであり、操作レバーの軸回転と、ドローバーの玉軸を中心とする軸回転とが対応する。また、操作レバーが、ドローバーに取り付けられたブレードの動きを操作する操作部を有する。また、操作部が左右にスライドされた場合に、ブレードを左右にスライドさせる。また、操作レバーの傾きとドローバーの傾きとが対応する。また、本実施形態の制御システム300は、制御装置と、操作レバーとを備える操作装置である。また、本実施形態のモータグレーダ1は、メインフレームと、メインフレームに取り付けられ、玉軸によってメインフレームに拘束されたドローバーと、メインフレームに取り付けられ、ドローバーの姿勢を決定する3本のアクチュエータと、オペレータによって操作される1本の操作レバーと、操作レバーからの出力信号に基づいてアクチュエータを制御する制御装置とを備え、制御装置は、操作レバーの動きとドローバーの動きが対応するようにアクチュエータを制御する作業車両である。これらの各態様によれば、操作を簡単にすることができる。
【符号の説明】
【0068】
1…モータグレーダ(作業車両)、11…メインフレーム、12…ドローバー、14…ブレード、15…右ブレードリフトシリンダ(アクチュエータ)、16…左ブレードリフトシリンダ(アクチュエータ)、17…ドローバーシフトシリンダ(アクチュエータ)、23…玉軸、100…コントローラ(制御装置)、300…制御システム(操作装置)、32…ジョイスティック(操作レバー)、33…スライドスイッチ