(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156734
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】六価クロム溶出抑制剤
(51)【国際特許分類】
B09C 1/08 20060101AFI20221006BHJP
C09K 3/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B09C1/08 ZAB
C09K3/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060573
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103539
【弁理士】
【氏名又は名称】衡田 直行
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100162145
【弁理士】
【氏名又は名称】村地 俊弥
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 幸一
(72)【発明者】
【氏名】野崎 隆人
(72)【発明者】
【氏名】早川 隆之
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA41
4D004AB03
4D004CA45
4D004CC01
4D004CC03
4D004CC12
4D004CC20
4D004DA03
4D004DA10
4D004DA20
(57)【要約】
【課題】金属製造工程起源スラグ粉末を含む六価クロム溶出抑制剤であって、六価クロムを含む汚染土壌からの六価クロムの溶出抑制効果が高められた六価クロム溶出抑制剤、及び、それを用いた、六価クロムの溶出抑制方法を提供する。
【解決手段】金属製造工程起源スラグ粉末、アルカリ系材料、及び、炭酸ガス含有水を含むスラリーからなる六価クロム溶出抑制剤。炭酸ガス含有水の炭酸ガス濃度は、好ましくは1,000mg/リットル以上である。六価クロム溶出抑制剤のpHは、好ましくは11.0~13.0である。六価クロムを含む土壌に、六価クロム溶出抑制剤を添加して混合する、六価クロムの溶出抑制方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
六価クロムを含む土壌からの上記六価クロムの溶出を抑制するための六価クロム溶出抑制剤であって、金属製造工程起源スラグ粉末、アルカリ系材料、及び、炭酸ガス含有水を含むスラリーからなることを特徴とする六価クロム溶出抑制剤。
【請求項2】
上記炭酸ガス含有水の炭酸ガス濃度が、1,000mg/リットル以上である請求項1に記載の六価クロム溶出抑制剤。
【請求項3】
上記六価クロム溶出抑制剤のpHが、11.0~13.0である請求項1又は2に記載の六価クロム溶出抑制剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の六価クロム溶出抑制剤を用いた、六価クロムを含む土壌からの六価クロムの溶出抑制方法であって、
上記土壌に上記六価クロム溶出抑制剤を添加して混合することを特徴とする六価クロムの溶出抑制方法。
【請求項5】
上記土壌の単位体積1m3当たりの上記六価クロム溶出抑制剤の添加量が、100kg以上である請求項4に記載の六価クロムの溶出抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、六価クロム溶出抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場、事業所、産業廃棄物処理場の跡地等において、土壌が六価クロム等の重金属類で汚染されていることが、しばしば報告されている。このように土壌が六価クロム等の重金属類で汚染されると、その汚染が地下水にまで広がり、人体や穀物にまで影響を及ぼすという安全衛生上の問題がある。また、土壌の汚染濃度が環境基準値を超える場合には、跡地をそのまま利用できなくなり、土地を有効利用することができないという問題もある。
そこで、汚染土壌中の重金属類を不溶化して、これらの重金属類が土壌から溶出することを抑制するための技術が、種々提案されている。
例えば、特許文献1に、六価クロムの溶出を抑制するための不溶化材であって、高炉スラグ粉末および亜硫酸水素ナトリウムを含むことを特徴とする不溶化材が、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている不溶化材中の高炉スラグ粉末は、高炉で銑鉄を製造する際に副生するスラグを原料として製造される。
しかし、近年における日本国内の製鉄需要の落ち込みに伴って、今後、高炉スラグ粉末等の金属製造工程起源スラグ粉末の安定的な供給は、必ずしも保証されているものではない。
本発明の目的は、金属製造工程起源スラグ粉末を含む六価クロム溶出抑制剤であって、六価クロムを含む汚染土壌からの六価クロムの溶出抑制効果が高められた六価クロム溶出抑制剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、金属製造工程起源スラグ粉末、アルカリ系材料、及び、炭酸ガス含有水を含むスラリーからなる六価クロム溶出抑制剤によれば、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の[1]~[5]を提供するものである。
[1] 六価クロムを含む土壌からの上記六価クロムの溶出を抑制するための六価クロム溶出抑制剤であって、金属製造工程起源スラグ粉末、アルカリ系材料、及び、炭酸ガス含有水を含むスラリーからなることを特徴とする六価クロム溶出抑制剤。
[2] 上記炭酸ガス含有水の炭酸ガス濃度が、1,000mg/リットル以上である、上記[1]に記載の六価クロム溶出抑制剤。
[3] 上記六価クロム溶出抑制剤のpHが、11.0~13.0である、上記[1]又は[2]に記載の六価クロム溶出抑制剤。
[4] 上記[1]~[3]のいずれかに記載の六価クロム溶出抑制剤を用いた、六価クロムを含む土壌からの六価クロムの溶出抑制方法であって、上記土壌に上記六価クロム溶出抑制剤を添加して混合することを特徴とする六価クロムの溶出抑制方法。
[5] 上記土壌の単位体積1m3当たりの上記六価クロム溶出抑制剤の添加量が、100kg以上である、上記[4]に記載の六価クロムの溶出抑制方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の六価クロム溶出抑制剤によれば、炭酸ガス含有水に代えて通常の水を用いる場合に比べて、汚染土壌からの六価クロムの溶出を、より効果的に抑制することができる。
なお、本発明では、金属製造工程起源スラグ粉末とアルカリ系材料の合計量中の金属製造工程起源スラグ粉末の割合が同じである場合において、練り混ぜ水として、炭酸ガスを含有しない水に代えて、炭酸ガス含有水を用いることによって、一軸圧縮強さの低下を抑えつつ、六価クロムの溶出を抑制するものである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の六価クロム溶出抑制剤は、金属製造工程起源スラグ粉末、アルカリ系材料、及び、炭酸ガス含有水を含むスラリーからなるものである。
金属製造工程起源スラグ粉末は、六価クロムを含む汚染土壌に対して、六価クロム溶出抑制性能を有する。
金属製造工程起源スラグ粉末の原料としては、高炉スラグ、製鋼スラグ等が挙げられる。
高炉スラグとしては、高炉水砕スラグ、高炉徐冷スラグが挙げられる。
製鋼スラグとしては、電気炉系スラグ等が挙げられる。電気炉系スラグとしては、酸化スラグ、還元スラグが挙げられる。
金属製造工程起源スラグ粉末は、上述の各種のスラグを粉砕することによって得ることができる。
特に、高炉スラグの粉砕物は、セメント混和材である高炉スラグ微粉末として知られている。
高炉スラグ微粉末は、高炉で銑鉄を製造する際に副生する溶融スラグを水で急冷して得られた高炉水砕スラグを、乾燥及び粉砕して得られるものである。
【0008】
金属製造工程起源スラグ粉末のブレーン比表面積は、好ましくは1,000cm2/g以上、より好ましくは2,500~10,000cm2/g、特に好ましくは3,000~8,000cm2/gである。
ブレーン比表面積が1,000cm2/g以上であると、六価クロムを含む汚染土壌からの六価クロムの溶出抑制効果を、より高めることができる。ブレーン比表面積が10,000cm2/g以下であると、粉砕の手間を軽減して、金属製造工程起源スラグ粉末の製造の効率を、より高めることができる。
【0009】
本発明で使用するアルカリ系材料は、本発明の六価クロム溶出抑制剤(スラリー)のpHを調整するために用いられる。アルカリ系材料を用いない場合、pHが低くなり、六価クロム溶出抑制剤(スラリー)から、金属製造工程起源スラグ粉末に由来する有害な硫化水素が発生することがある。
アルカリ系材料としては、各種のセメント(例えば、ポルトランドセメント、エコセメント等)や、酸化マグネシウム系材料や、アルカリ金属の水酸化物や、アルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。
ここで、ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等が挙げられる。
本発明において、金属製造工程起源スラグ粉末とアルカリ系材料を共に含むものとして、高炉セメント(高炉スラグ微粉末を含むもの)を用いてもよい。
【0010】
酸化マグネシウム系材料としては、軽焼マグネシア、軽焼マグネシアの部分水和物、軽焼ドロマイト、軽焼ドロマイトの部分水和物等からなる粉末等が挙げられる。
軽焼マグネシアとしては、炭酸マグネシウムと水酸化マグネシウムのいずれか一方または両方を含む原料を、600~1,300℃の温度で焼成することによって得られるもの等が挙げられる。
軽焼ドロマイトとしては、ドロマイトを650~1,100℃の温度で焼成することによって得られるもの等が挙げられる。
軽焼マグネシアの部分水和物としては、軽焼マグネシアを粉砕した後、得られた粉砕物に水を添加して撹拌し混合するか、または、得られた粉砕物を相対湿度80%以上の雰囲気下に1週間以上保持して、軽焼マグネシアを部分的に水和させることによって得られるもの等が挙げられる。
軽焼ドロマイトの部分水和物としては、軽焼マグネシアに代えて軽焼ドロマイトを用いる以外は上述の軽焼マグネシアの部分水和物を得る方法と同様にして得られるものが挙げられる。
【0011】
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム等が挙げられる。
本発明において、アルカリ系材料としては、上述の例示物の2種以上(例えば、軽焼マグネシア粉末と水酸化ナトリウム)を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明において、金属製造工程起源スラグ粉末とアルカリ系材料の合計量100質量部に対する金属製造工程起源スラグ粉末の量は、炭酸ガス含有水の炭酸ガス濃度によっても異なるが、好ましくは10~95質量部、より好ましくは20~90質量部、特に好ましくは30~85質量部である。
該量が10質量部以上であると、六価クロムの溶出抑制効果がより大きくなる。該量が95質量部以下であると、アルカリ系材料の量が大きくなるので、本発明の六価クロム溶出抑制剤(スラリー)のpHを、硫化水素が発生しない数値範囲内に収めることが、より容易となる。
【0013】
炭酸ガス含有水は、通常、水に炭酸ガス(二酸化炭素)を吹き込むことによって得ることができる。
炭酸ガス含有水の炭酸ガス濃度は、金属製造工程起源スラグ粉末とアルカリ系材料の質量比によっても異なるが、好ましくは1,000mg/リットル以上、より好ましくは1,500~7,500mg/リットル、特に好ましくは2,000~6,000mg/リットルである。
該濃度が1,000mg/リットル以上であると、六価クロムの溶出抑制効果がより大きくなる。また、より多くの炭酸ガス(二酸化炭素)を利用することができるため、例えばセメント製造工場で発生する排ガスを用いる場合、二酸化炭素の排出量を低減する効果が、より大きくなる。該濃度が7,500mg/リットル以下であると、六価クロムの溶出抑制効果が、より大きくなる。
【0014】
金属製造工程起源スラグ粉末とアルカリ系材料の合計量100質量部に対する炭酸ガス含有水の量は、好ましくは50~150質量部、より好ましくは60~140質量部、さらに好ましくは70~130質量部、特に好ましくは80~120質量部である。
該量が50質量部以上であると、金属製造工程起源スラグ粉末等の粉体と炭酸ガス含有水との混合が、より容易となる。また、六価クロムの溶出抑制効果がより大きくなる。該量が150質量部以下であると、スラリーである本発明の六価クロム溶出抑制剤を、汚染土壌に添加したときに、添加後の汚染土壌が軟弱になるのを避けることができる。また、炭酸ガス含有水の量が過大であることによる処理コストの増大等を避けることができる。
【0015】
本発明の六価クロム溶出抑制剤を製造する方法の一例としては、水に炭酸ガスを吹き込むことによって、炭酸ガス含有水を調製する炭酸ガス含有水調製工程と、金属製造工程起源スラグ粉末とアルカリ系材料を混合して、粉体混合物を得る粉体混合物調製工程と、粉体混合物と炭酸ガス含有水を混合して、スラリーの形態を有する六価クロム溶出抑制剤を調製するスラリー調製工程、を含む方法が挙げられる。
【0016】
炭酸ガス含有水調製工程において、水に炭酸ガスを吹き込む方法としては、例えば、水中に設置された炭酸ガス供給手段(例えば、炭酸ガスを含む気体を供給するための排気管等)を用いて、炭酸ガスを含む気体を水中に吹き込む方法等が挙げられる。炭酸ガス含有水の炭酸ガス濃度を高めたり、処理効率を向上させるために、上記吹き込みは、水と二酸化炭素に富む雰囲気を加圧して行ってもよい。
ここで、炭酸ガスを含む気体中の炭酸ガスの割合は、好ましくは5体積%以上、より好ましくは10体積%以上、さらに好ましくは15体積%以上、さらに好ましくは20体積%以上、さらに好ましくは40体積%以上、さらに好ましくは60体積%以上、特に好ましくは80体積%以上である。該割合が5体積%以上であれば、より短時間で炭酸ガス含有水を得ることができる。
炭酸ガスを含む気体は、炭酸ガスのみからなる気体でもよい。
炭酸ガスを含む気体としては、セメント製造工程において発生した排ガス(炭酸ガス濃度:約20体積%)、または、該排ガスからの分離回収ガス(炭酸ガス濃度:約100体積%)等が挙げられる。
【0017】
本発明の六価クロム溶出抑制剤(スラリー)のpHは、好ましくは11.0~13.0、より好ましくは11.1~12.9、特に好ましくは11.2~12.8である。
該pHが11.0以上であると、本発明の六価クロム溶出抑制剤(スラリー)からの硫化水素の発生を、より確実に抑えることができる。該pHが13.0以下であると、アルカリ系材料の過大な使用による処理コストの増大を避けることができる。
【0018】
本発明の六価クロムの溶出抑制方法は、六価クロムを含む土壌に、上述の六価クロム溶出抑制剤を添加して混合し、処理済みの土壌(処理土)を得るものである。
六価クロムを含む土壌の単位体積1m3当たりの六価クロム溶出抑制剤の添加量は、土壌中の六価クロムの濃度の大きさによっても異なるが、六価クロム溶出抑制効果を十分に得る観点から、好ましくは100kg以上、より好ましくは200kg以上、特に好ましくは300kg以上である。
該添加量の上限は、特に限定されないが、処理コストの増大を避ける観点から、好ましくは600kg、より好ましくは500kg、特に好ましくは400kgである。
【実施例0019】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)金属製造工程起源スラグ粉末(高炉スラグ微粉末;商品名:セラメント;デイ・シイ社製;ブレーン比表面積:4,000cm2/g;「JIS A 6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末)」に規定する「高炉スラグ微粉末4000」の品質基準を満たすもの)
(2)アルカリ系材料(普通ポルトランドセメント;太平洋セメント社製;ブレーン比表面積:3,300cm2/g)
(3)炭酸ガス含有水(炭酸ガスの濃度:1,800~7,200mg/リットル;上水道水に、炭酸ガス濃度が99.9体積%である気体を吹き込んだもの)
(4)水(比較用;上水道水)
(5)六価クロムを含む汚染土壌(火山灰質粘性土に分類される関東ローム)
【0020】
[実施例1]
高炉スラグ微粉末80質量部と、普通ポルトランドセメント20質量部を混合して、粉体混合物を得た。この粉体混合物100質量部と、炭酸ガス含有水(炭酸ガス濃度:2,000mg/リットル)100質量部を混合して、スラリー(六価クロム溶出抑制剤)を得た。このスラリーのpHは、11.5であった。
なお、スラリーのpHは、接水の1分後に測定した。
次に、このスラリーを、六価クロムを含む汚染土壌に対して、該土壌の単位体積1m3当たり300kgの量で添加して混合し、処理済みの土壌(処理土)を得た。
【0021】
処理土について、以下の試験を行った。
(a)一軸圧縮強さ
「JIS A1216:2020」に準拠して、処理土の一軸圧縮強さ(単位:kN/m2)を測定した。
(b)六価クロム溶出量
「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成3年環境庁告示第46号)に記載されている方法に準拠して、検液を得た後、この検液について、「JIS K 0102:2019」(工場排水試験方法)に記載されている方法に準拠して、六価クロムの量(単位:mg/リットル)を測定した。
なお、六価クロムの環境基準は、検液1リットルに対して0.05mg以下である。
【0022】
[実施例2~9、比較例1~6]
表1の「粉体」及び「水」の各欄に示すとおりに、粉体の種類及び量、並びに、水中の炭酸ガス濃度を変えた以外は実施例1と同様にして、実験を行った。
以上の結果を表1に示す。
表1中、「セメント」は、普通ポルトランドセメントである。「部」は、質量部である。「六価クロム(mg/L)」は、六価クロム溶出量(単位:mg/リットル)である。「六価クロムの低減率(%)」は、高炉スラグ微粉末とセメントの合計量中の高炉スラグ微粉末の割合が同じである群(例えば、実施例1~2、比較例1)における、比較例に対する実施例の六価クロムの低減率(%)を表す。
【0023】
【0024】
表1中、実施例1~2(炭酸ガス含有水を使用)と比較例1(炭酸ガスを含有しない水を使用)を比較すると、実施例1~2では、比較例1に比べて、六価クロム溶出量が少ないことがわかる。
表1中、実施例3~7と比較例2、あるいは、実施例8~9と比較例3を比較しても、同様の傾向があることがわかる。
一方、高炉スラグ微粉末を用いていない比較例4~6の相互間では、水中の炭酸ガスの有無による六価クロム溶出量の相違は、見られなかった。