(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156736
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】車両、車両制御装置、車両制御プログラム及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20221006BHJP
H02H 3/087 20060101ALI20221006BHJP
B60R 16/033 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02H3/087
B60R16/033 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060575
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 典行
【テーマコード(参考)】
5G004
5G503
【Fターム(参考)】
5G004AA04
5G004BA01
5G004CA02
5G004DC14
5G503AA01
5G503AA04
5G503AA06
5G503BA04
5G503CA01
5G503DA07
5G503EA08
5G503FA06
5G503FA14
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】車両の電装系統に含まれている電子部品の劣化を抑制すること。
【解決手段】車両は、駆動系に電力を供給する駆動系電装系統と、非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統と、前記駆動系電装系統と前記非駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器と、前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統と前記非駆動系電装系統とに電気的に接続されている第二電磁接触器と、前記非駆動系電装系統が前記駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、前記第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記電源系統を利用して動作しない場合に、前記第二電磁接触器を非導通状態とする第二制御処理との少なくとも一方を実行する電磁接触器制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動系に電力を供給する駆動系電装系統と、
非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統と、
前記駆動系電装系統と前記非駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器と、
前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統と前記非駆動系電装系統とに電気的に接続されている第二電磁接触器と、
前記非駆動系電装系統が前記駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、前記第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記電源系統を利用して動作しない場合に、前記第二電磁接触器を非導通状態とする第二制御処理との少なくとも一方を実行する電磁接触器制御部と、
を備える車両。
【請求項2】
前記第一電磁接触器が導通状態である場合には、前記駆動系電装系統に含まれている第一地絡センサにより計測された前記駆動系電装系統の対地浮遊容量が第一導通状態閾値を超えている場合に前記駆動系電装系統が地絡していると判定し、前記第一電磁接触器が非導通状態である場合には、前記第一地絡センサにより計測された前記駆動系電装系統の対地浮遊容量が前記第一導通状態閾値と異なる第一非導通状態閾値を超えている場合に前記駆動系電装系統が地絡していると判定する第一地絡判定部を更に備える、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第二電磁接触器が導通状態である場合には、前記非駆動系電装系統に含まれている第二地絡センサにより計測された前記非駆動系電装系統の対地浮遊容量が第二導通状態閾値を超えている場合に前記非駆動系電装系統が地絡していると判定し、前記第二電磁接触器が非導通状態である場合には、前記第二地絡センサにより計測された前記非駆動系電装系統の対地浮遊容量が前記第二導通状態閾値と異なる第二非導通状態閾値を超えている場合に前記非駆動系電装系統が地絡していると判定する第二地絡判定部を更に備える、
請求項1又は請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記電源系統を更に備える、
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両。
【請求項5】
車両の非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統が前記車両の駆動系に電力を供給する駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、前記非駆動系電装系統と前記駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統を利用して動作しない場合に、前記非駆動系電装系統と前記電源系統とに電気的に接続されている第二制御処理との少なくとも一方を実行する電磁接触器制御部を備える、
車両制御装置。
【請求項6】
車両の非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統が前記車両の駆動系に電力を供給する駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記電源系統とに電気的に接続されている第二制御処理との少なくとも一方を実行する電磁接触器制御部を備える車両制御機能をコンピュータに実現させる、
車両制御プログラム。
【請求項7】
車両の非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統が前記車両の駆動系に電力を供給する駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記電源系統とに電気的に接続されている第二制御処理との少なくとも一方を実行する、
車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、車両制御装置、車両制御プログラム及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モータを動力源とする車両、例えば、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HV:Hybrid Vehicle)、燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)の普及が進んでいる。また、これらの車両に搭載されているバッテリを充電している間、室内で車両に搭載されている音響機器、映像機器、空調等を使用しながら車両を部屋として使用することが提案されている。
【0003】
車両を部屋として使用するための技術として、例えば、特許文献1に開示されている充電システムが挙げられる。当該充電システムは、車両を部屋として使用するマイルームモードである場合、充電リレー及びシステムメインリレーの両方を接続状態とし、走行駆動部及び全ての補機類を使用することが可能な状態とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した断線検出装置は、車両が部屋として使用され、走行駆動部を使用する必要が無い場合にも駆動バッテリと走行駆動部とを接続状態とするため、走行駆動部に含まれている電子部品の劣化を早めてしまうことがある。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、車両の電装系統に含まれている電子部品の劣化を抑制することができる車両、車両制御装置、車両制御プログラム及び車両制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る車両、車両制御装置、車両制御プログラム及び車両制御方法は、以下の構成を採用した。
【0008】
(1):この発明の一態様に係る車両は、駆動系に電力を供給する駆動系電装系統と、非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統と、前記駆動系電装系統と前記非駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器と、前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統と前記非駆動系電装系統とに電気的に接続されている第二電磁接触器と、前記非駆動系電装系統が前記駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、前記第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記電源系統を利用して動作しない場合に、前記第二電磁接触器を非導通状態とする第二制御処理との少なくとも一方を実行する電磁接触器制御部と、を備える車両である。
【0009】
(2):上記(1)の態様に係る車両は、前記第一電磁接触器が導通状態である場合には、前記駆動系電装系統に含まれている第一地絡センサにより計測された前記駆動系電装系統の対地浮遊容量が第一導通状態閾値を超えている場合に前記駆動系電装系統が地絡していると判定し、前記第一電磁接触器が非導通状態である場合には、前記第一地絡センサにより計測された前記駆動系電装系統の対地浮遊容量が前記第一導通状態閾値と異なる第一非導通状態閾値を超えている場合に前記駆動系電装系統が地絡していると判定する第一地絡判定部を更に備えるものである。
【0010】
(3):上記(1)又は(2)の態様に係る車両は、前記第二電磁接触器が導通状態である場合には、前記非駆動系電装系統に含まれている第二地絡センサにより計測された前記非駆動系電装系統の対地浮遊容量が第二導通状態閾値を超えている場合に前記非駆動系電装系統が地絡していると判定し、前記第二電磁接触器が非導通状態である場合には、前記第二地絡センサにより計測された前記非駆動系電装系統の対地浮遊容量が前記第二導通状態閾値と異なる第二非導通状態閾値を超えている場合に前記非駆動系電装系統が地絡していると判定する第二地絡判定部を更に備えるものである。
【0011】
(4):上記(1)から(3)のいずれか一つに係る車両は、前記電源系統を更に備えるものである。
【0012】
(5):この発明の一態様に係る車両制御装置は、車両の非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統が前記車両の駆動系に電力を供給する駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、前記非駆動系電装系統と前記駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統を利用して動作しない場合に、前記非駆動系電装系統と前記電源系統とに電気的に接続されている第二制御処理との少なくとも一方を実行する電磁接触器制御部を備える、車両制御装置である。
【0013】
(6):この発明の一態様に係る車両制御プログラムは、車両の非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統が前記車両の駆動系に電力を供給する駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記電源系統とに電気的に接続されている第二制御処理との少なくとも一方を実行する電磁接触器制御部を備える車両制御機能をコンピュータに実現させる、車両制御プログラムである。
【0014】
(7):この発明の一態様に係る車両制御方法は、車両の非駆動系に電力を供給する非駆動系電装系統が前記車両の駆動系に電力を供給する駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記駆動系電装系統とに電気的に接続されている第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理と、前記非駆動系電装系統が前記非駆動系電装系統に電力を供給する電源系統を利用して動作しない場合、前記非駆動系電装系統と前記電源系統とに電気的に接続されている第二制御処理との少なくとも一方を実行する、車両制御方法である。
【発明の効果】
【0015】
(1)から(4)によれば、車両は、非駆動系電装系統が駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、第一電磁接触器を非導通状態とし、駆動系電装系統から非駆動系電装系統に電力が供給される時間を低減させる。また、(1)から(4)によれば、車両は、非駆動系電装系統が電源系統を利用して動作しない場合に、第二電磁接触器を非導通状態とし、電源系統から非駆動系電装系統及び駆動系電装系統の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させる。したがって、(1)から(4)によれば、車両は、非駆動系電装系統に含まれる電子機器及び駆動系電装系統に含まれる電子機器の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させ、これらの電子機器の劣化を抑制することができる。
【0016】
(2)によれば、車両は、第一電磁接触器が導通状態である場合における駆動系電装系統の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第一導通状態閾値を使用して駆動系電装系統が地絡しているか否かを判定する。また、(2)によれば、車両は、第一電磁接触器が非導通状態である場合における駆動系電装系統の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第一非導通状態閾値を使用して駆動系電装系統が地絡しているか否かを判定する。したがって、(2)によれば、車両は、第一電磁接触器が導通状態である場合及び第一電磁接触器が非導通状態である場合のいずれであっても、駆動系電装系統が地絡しているか否かを正確に判定することができる。
【0017】
(3)によれば、車両は、第二電磁接触器が導通状態である場合における非駆動系電装系統の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第二導通状態閾値を使用して非駆動系電装系統が地絡しているか否かを判定する。また、(3)によれば、車両は、第二電磁接触器が非導通状態である場合における非駆動系電装系統の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第二非導通状態閾値を使用して非駆動系電装系統が地絡しているか否かを判定する。したがって、(3)によれば、車両は、第二電磁接触器が導通状態である場合及び第二電磁接触器が非導通状態である場合のいずれであっても、非駆動系電装系統が地絡しているか否かを正確に判定することができる。
【0018】
(5)によれば、車両制御装置は、非駆動系電装系統が駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、第一電磁接触器を非導通状態とし、駆動系電装系統から非駆動系電装系統に電力が供給される時間を低減させる。また、(5)によれば、車両制御装置は、非駆動系電装系統が電源系統を利用して動作しない場合に、第二電磁接触器を非導通状態とし、電源系統から非駆動系電装系統及び駆動系電装系統の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させる。したがって、(5)によれば、車両制御装置は、非駆動系電装系統に含まれる電子機器及び駆動系電装系統に含まれる電子機器の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させ、これらの電子機器の劣化を抑制することができる。
【0019】
(6)によれば、車両制御プログラムは、非駆動系電装系統が駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、第一電磁接触器を非導通状態とし、駆動系電装系統から非駆動系電装系統に電力が供給される時間を低減させる。また、(6)によれば、車両制御プログラムは、非駆動系電装系統が電源系統を利用して動作しない場合に、第二電磁接触器を非導通状態とし、電源系統から非駆動系電装系統及び駆動系電装系統の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させる。したがって、(6)によれば、車両制御プログラムは、非駆動系電装系統に含まれる電子機器及び駆動系電装系統に含まれる電子機器の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させ、これらの電子機器の劣化を抑制することができる。
【0020】
(7)によれば、車両制御方法は、非駆動系電装系統が駆動系電装系統に含まれている直流電源を利用して動作しない場合に、第一電磁接触器を非導通状態とし、駆動系電装系統から非駆動系電装系統に電力が供給される時間を低減させる。また、(7)によれば、車両制御方法は、非駆動系電装系統が電源系統を利用して動作しない場合に、第二電磁接触器を非導通状態とし、電源系統から非駆動系電装系統及び駆動系電装系統の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させる。したがって、(7)によれば、車両制御方法は、非駆動系電装系統に含まれる電子機器及び駆動系電装系統に含まれる電子機器の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させ、これらの電子機器の劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】実施形態に係る車両制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る車両制御装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る車両制御装置により実行される第一制御処理の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る車両制御装置により実行される第二制御処理の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る第一地絡判定部により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る第二地絡判定部により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明に係る車両、車両制御装置、車両制御プログラム及び車両制御方法の実施形態について説明する。
【0023】
<実施形態>
まず、
図1を参照しながら実施形態に係る車両について説明する。
図1は、実施形態に係る車両の一例を示す図である。
図1に示した車両1は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車又は燃料電池自動車である。車両1は、例えば、
図1に示すように、駆動系電装系統10と、モータ20と、駆動輪30と、電源系統40と、電磁接触器51と、電磁接触器52と、非駆動系電装系統60と、電磁接触器71と、電磁接触器72とを備える。
【0024】
駆動系電装系統10は、車両1を走行させる駆動系に電力を供給する電装系統である。駆動系電装系統10は、例えば、
図1に示すように、直流電源11と、インバータ12と、電磁接触器13と、電磁接触器14と、第一地絡センサ15とを備える。
【0025】
直流電源11は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池であり、直流電力を発生させてインバータ12に供給する。インバータ12は、直流電源11から供給された直流電力を交流電力に変換してモータ20に供給する。
【0026】
電磁接触器13及び電磁接触器14は、直流電源11及びインバータ12に電気的に接続されている。電磁接触器13及び電磁接触器14は、直流電源11が発生させた直流電力をインバータ12及び非駆動系電装系統60の少なくとも一方に供給する場合、電流を通す状態である導通状態とされる。一方、電磁接触器13及び電磁接触器14は、直流電源11が発生させた直流電力をインバータ12及び非駆動系電装系統60のいずれにも供給しない場合、電流を通さない状態である非導通状態とされる。
【0027】
第一地絡センサ15は、駆動系電装系統10の対地浮遊容量を計測し、当該対地浮遊容量を示す第一対地浮遊容量データを生成する。ここで言う対地浮遊容量は、例えば、駆動系電装系統10と車両1の外装との間の浮遊容量である。また、第一地絡センサ15は、第一電磁接触器の一例である電磁接触器71及び電磁接触器72が導通状態である場合に駆動系電装系統10が地絡しているか否かを判定するために使用される第一導通状態閾値が設定されている。さらに、第一地絡センサは、第一電磁接触器の一例である電磁接触器71及び電磁接触器72が非導通状態である場合に駆動系電装系統10が地絡しているか否かを判定するために使用される第一非導通状態閾値が設定されている。
【0028】
モータ20は、インバータ12から供給された交流電力を機械的エネルギーに変換する。この機械的エネルギーは、ギヤ、シャフト等により駆動輪30に伝達される。駆動輪30は、この機械的エネルギーにより駆動される。
【0029】
電源系統40は、例えば、
図1に示すように、直流電源41と、パワーコンディショナ42とを備える。
【0030】
直流電源41は、例えば、太陽光発電パネル、蓄電池であり、直流電力を発生させてインバータ12に供給する。パワーコンディショナ42は、直流電源41から供給された直流電力を交流電力に変換して非駆動系電装系統60に供給する。なお、電源系統40は、車両1ではなく、住宅等に設置されていてもよい。
【0031】
電磁接触器51及び電磁接触器52は、
図1に示すように、電源系統40及び非駆動系電装系統60に電気的に接続されている。電磁接触器51及び電磁接触器52は、電源系統40が発生させた交流電力を駆動系電装系統10及び非駆動系電装系統60の少なくとも一方に供給する場合、電流を通す状態である導通状態とされる。一方、電磁接触器51及び電磁接触器52は、電源系統40が発生させた交流電力を駆動系電装系統10及び非駆動系電装系統60のいずれにも供給しない場合、電流を通さない状態である非導通状態とされる。また、電磁接触器51及び電磁接触器52は、いずれも第二電磁接触器の一例である。
【0032】
非駆動系電装系統60は、車両1を走行させる目的以外の目的で使用される非駆動系に電力を供給する電装系統である。非駆動系電装系統60は、例えば、
図1に示すように、補機61と、充電器62と、第二地絡センサ63とを備える。
【0033】
補機61は、車両1を走行させる目的以外の目的で使用される機器である。補機61としては、例えば、エアーコンディショナ、オーディオ、ラジオ、タッチパネルディスプレイが挙げられる。充電器62は、直流電源11を充電する目的で使用される。
【0034】
第二地絡センサ63は、非駆動系電装系統60の対地浮遊容量を計測し、当該対地浮遊容量を示す第二対地浮遊容量データを生成する。ここで言う対地浮遊容量は、例えば、非駆動系電装系統60と車両1の外装との間の浮遊容量である。また、第二地絡センサ63は、第二電磁接触器の一例である電磁接触器51及び電磁接触器52が導通状態である場合に非駆動系電装系統60が地絡しているか否かを判定するために使用される第二導通状態閾値が設定されている。さらに、第二地絡センサ63は、第二電磁接触器の一例である電磁接触器51及び電磁接触器52が非導通状態である場合に非駆動系電装系統60が地絡しているか否かを判定するために使用される第二非導通状態閾値が設定されている。
【0035】
電磁接触器71及び電磁接触器72は、
図1に示すように、駆動系電装系統10及び非駆動系電装系統60に電気的に接続されている。電磁接触器71及び電磁接触器72は、直流電源11が発生させた直流電力を非駆動系電装系統60に供給する場合又は充電器62を使用して直流電源11を充電する場合、電流を通す状態である導通状態とされる。一方、電磁接触器71及び電磁接触器72は、直流電源11が発生させた直流電力を非駆動系電装系統60に供給する場合及び充電器62を使用して直流電源11を充電する場合のいずれでもない場合、電流を通さない状態である非導通状態とされる。また、電磁接触器71及び電磁接触器72は、いずれも第一電磁接触器の一例である。
【0036】
また、駆動系電装系統10、電源系統40及び非駆動系電装系統60は、例えば、いずれも一枚の基板に電子部品等が実装されたモジュールとして実現されていてもよいし、複数枚の基板各々に電子部品等が実装されることにより実現されていてもよい。ただし、駆動系電装系統10、電源系統40及び非駆動系電装系統60の少なくとも一つがモジュールとして実現されている場合、これらの系統の点検、修理、交換等が容易になるという利点が生じる。
【0037】
次に、
図2を参照しながら実施形態に係る車両制御装置置のハードウェア構成について説明する。
図2は、実施形態に係る車両制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示した車両制御装置80は、例えば、車両1に搭載されている電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。車両制御装置80は、例えば、
図2に示すように、プロセッサ81と、入力インターフェース82と、出力インターフェース83と、記憶装置84とを備える。
【0038】
プロセッサ81は、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)であり、後述する車両制御プログラム800を読み出して実行し、車両制御装置80が有する各機能を実現させる。また、プロセッサ81は、車両制御プログラム800以外のプログラムを読み出して実行し、車両1が有する各機能を実現させてもよい。
【0039】
入力インターフェース82は、車両制御装置80以外の電子制御ユニット、車両1に搭載されているセンサ等からデータを受信するためのインターフェース回路である。入力インターフェース82は、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)等を経由して送信されたデータを受信する。
【0040】
出力インターフェース83は、入力インターフェース82により受信されたデータに基づいてプロセッサ81が演算した結果を示すデータを送信するためのインターフェース回路である。出力インターフェース83は、CAN、LIN等を経由して送信されたデータを送信する。
【0041】
記憶装置84は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ81により読み出されて実行される車両制御プログラム800その他のプログラムを予め記憶している。また、記憶装置84は、プロセッサ81により演算された結果を示すデータが格納される記憶領域を有していてもよい。
【0042】
次に、
図3を参照しながら実施形態に係る車両制御装置置のソフトウェア構成について説明する。
図3は、実施形態に係る車両制御装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、車両制御装置80は、車両1に搭載されており、電磁接触器制御部810と、第一地絡判定部821と、第二地絡判定部822とを備える。
【0043】
車両制御装置80が備える機能の少なくとも一部は、例えば、ハードウェアであるプロセッサ81がソフトウェアである車両制御プログラム800を実行することにより実現される。また、車両制御装置80が備える機能の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0044】
電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作するか否かを判定する。
【0045】
非駆動系電装系統60が直流電源11を利用して動作する場合としては、例えば、直流電源41が太陽光発電パネルであり、車両1が夜間、雨天時等に走行しているため、直流電源41が直流電力を生成し得ない場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、直流電源41が蓄電池であり、当該蓄電池の充電率(SOC:State Of Charge)が所定の充電率以下であるため、直流電源41が車両1を走行させる上で十分な直流電力を供給し得ない場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、車両1のイグニッションがオンである場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、車両1に搭載されている人感センサにより車両1の室内に人がいることが検知されている場合が挙げられる。電磁接触器制御部810は、例えば、これらの場合に、非駆動系電装系統60が直流電源11を利用して動作すると判定する。
【0046】
一方、非駆動系電装系統60が直流電源11を利用して動作しない場合としては、例えば、直流電源41が太陽光発電パネルであり、車両1が昼間の晴天時等に走行しているため、直流電源41が直流電力を生成し得る場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、直流電源41が蓄電池であり、当該蓄電池の充電率(SOC:State of Charge)が所定の充電率を超えているため、直流電源41が車両1を走行させる上で十分な直流電力を供給し得る場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、車両1のイグニッションがオフである場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、車両1に搭載されている人感センサにより車両1の室内に人がいることが検知されていない場合が挙げられる。電磁接触器制御部810は、例えば、これらの場合に、非駆動系電装系統60が直流電源11を利用して動作しないと判定する。
【0047】
そして、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作すると判定した場合、第一電磁接触器の一例である電磁接触器71及び電磁接触器72を導通状態とする第一制御処理を実行する。
【0048】
一方、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作しないと判定した場合、第一電磁接触器の一例である電磁接触器71及び電磁接触器72を非導通状態とする第一制御処理を実行する。
【0049】
また、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作するか否かを判定する。
【0050】
非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作する場合としては、例えば、車両1を停車させた状態で補機61を使用しつつ、車両1を部屋として使用する場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、直流電源41が太陽光発電パネルであり、車両1が昼間の晴天時等に走行しているため、直流電源41が直流電力を生成し得る場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、直流電源41が蓄電池であり、当該蓄電池の充電率が所定の充電率を超えているため、直流電源41が車両1を走行させる上で十分な直流電力を供給し得る場合が挙げられる。電磁接触器制御部810は、例えば、これらの場合に、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作すると判定する。
【0051】
一方、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作しない場合としては、例えば、直流電源41が太陽光発電パネルであり、車両1が夜間、雨天時等に走行しているため、直流電源41が直流電力を生成し得ない場合が挙げられる。或いは、このような場合としては、直流電源41が蓄電池であり、当該蓄電池の充電率が所定の充電率以下であるため、直流電源41が車両1を走行させる上で十分な直流電力を供給し得ない場合が挙げられる。電磁接触器制御部810は、例えば、これらの場合に、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作しないと判定する。
【0052】
そして、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作すると判定した場合、第二電磁接触器の一例である電磁接触器51及び電磁接触器52を導通状態とする第二制御処理を実行する。
【0053】
一方、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作しないと判定した場合、第二電磁接触器の一例である電磁接触器51及び電磁接触器52を非導通状態とする第二制御処理を実行する。
【0054】
なお、電磁接触器制御部810は、例えば、直流電源11及び電源系統40の両方を利用して補機61を動作させつつ、車両1を走行させる場合、電磁接触器51、電磁接触器52、電磁接触器71及び電磁接触器72を導通状態とする。
【0055】
第一地絡判定部821は、第一電磁接触器が導通状態であるか否かを判定する。つまり、第一地絡判定部821は、電磁接触器71及び電磁接触器72が導通状態であるか否かを判定する。
【0056】
第一地絡判定部821は、電磁接触器71及び電磁接触器72が導通状態であると判定された場合、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値を超えているか否かを上述した第一対地浮遊容量データに基づいて判定する。
【0057】
そして、第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値を超えていると判定した場合、駆動系電装系統10が地絡していると判定する。一方、第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値以下であると判定した場合、駆動系電装系統10が地絡していないと判定する。
【0058】
一方、第一地絡判定部821は、電磁接触器71及び電磁接触器72が非導通状態であると判定された場合、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一非導通状態閾値を超えているか否かを上述した第一対地浮遊容量データに基づいて判定する。
【0059】
そして、第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一非導通状態閾値を超えていると判定した場合、駆動系電装系統10が地絡していると判定する。一方、第一地絡判定部821は、駆動系電装系統10が地絡していないと判定する。
【0060】
第二地絡判定部822は、第二電磁接触器が導通状態であるか否かを判定する。つまり、第二地絡判定部822は、電磁接触器51及び電磁接触器52が導通状態であるか否かを判定する。
【0061】
第二地絡判定部822は、電磁接触器51及び電磁接触器52が導通状態であると判定された場合、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値を超えているか否かを上述した第二対地浮遊容量データに基づいて判定する。
【0062】
そして、第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値を超えていると判定した場合、駆動系電装系統10が地絡していると判定する。一方、第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値以下であると判定した場合、駆動系電装系統10が地絡していないと判定する。
【0063】
一方、第二地絡判定部822は、電磁接触器51及び電磁接触器52が非導通状態であると判定された場合、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二非導通状態閾値を超えているか否かを上述した第二対地浮遊容量データに基づいて判定する。
【0064】
そして、第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二非導通状態閾値を超えていると判定した場合、非駆動系電装系統60が地絡していると判定する。一方、第二地絡判定部822は、非駆動系電装系統60が地絡していないと判定する。
【0065】
次に、
図4を参照しながら、実施形態に係る車両制御装置により実行される第一制御処理について説明する。
図4は、実施形態に係る車両制御装置により実行される第一制御処理の一例を示す図である。
【0066】
ステップS41において、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作するか否かを判定する。電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作すると判定した場合(ステップS41:YES)、処理をステップS42に進める。一方、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作しないと判定した場合(ステップS41:NO)、処理をステップS43に進める。
【0067】
ステップS42において、電磁接触器制御部810は、第一電磁接触器を導通状態とする。つまり、電磁接触器制御部810は、電磁接触器71及び電磁接触器72を導通状態とする。
【0068】
ステップS43において、電磁接触器制御部810は、第一電磁接触器を非導通状態とする。つまり、電磁接触器制御部810は、電磁接触器71及び電磁接触器72を非導通状態とする。
【0069】
次に、
図5を参照しながら、実施形態に係る車両制御装置により実行される第二制御処理について説明する。
図5は、実施形態に係る車両制御装置により実行される第二制御処理の一例を示す図である。
【0070】
ステップS51において、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作するか否かを判定する。電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作すると判定した場合(ステップS51:YES)、処理をステップS52に進める。一方、電磁接触器制御部810は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作しないと判定した場合(ステップS51:NO)、処理をステップS53に進める。
【0071】
ステップS52において、電磁接触器制御部810は、第二電磁接触器を導通状態とする。つまり、電磁接触器制御部810は、電磁接触器51及び電磁接触器52を導通状態とする。
【0072】
ステップS53において、電磁接触器制御部810は、第二電磁接触器を非導通状態とする。つまり、電磁接触器制御部810は、電磁接触器51及び電磁接触器52を非導通状態とする。
【0073】
次に、
図6を参照しながら、実施形態に係る第一地絡判定部により実行される処理について説明する。
図6は、実施形態に係る第一地絡判定部により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS61において、第一地絡判定部821は、第一電磁接触器が導通状態であるか否かを判定する。つまり、第一地絡判定部821は、電磁接触器71及び電磁接触器72が導通状態であるか否かを判定する。第一地絡判定部821は、第一電磁接触器が導通状態であると判定した場合(ステップS61:YES)、処理をステップS62に進める。一方、第一地絡判定部821は、第一電磁接触器が非導通状態であると判定した場合(ステップS61:NO)、処理をステップS65に進める。
【0075】
ステップS62において、第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値を超えているか否かを判定する。第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値を超えていると判定した場合(ステップS62:YES)、処理をステップS63に進める。一方、第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値以下であると判定した場合(ステップS62:NO)、処理をステップS64に進める。
【0076】
ステップS63において、第一地絡判定部821は、駆動系電装系統10が地絡していると判定する。
【0077】
ステップS64において、第一地絡判定部821は、駆動系電装系統10が地絡していないと判定する。
【0078】
ステップS65において、第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一非導通状態閾値を超えているか否かを判定する。第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一非導通状態閾値を超えていると判定した場合(ステップS65:YES)、処理をステップS66に進める。一方、第一地絡判定部821は、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一非導通状態閾値以下であると判定した場合(ステップS65:NO)、処理をステップS67に進める。
【0079】
ステップS66において、第一地絡判定部821は、駆動系電装系統10が地絡していると判定する。
【0080】
ステップS67において、第一地絡判定部821は、駆動系電装系統10が地絡していないと判定する。
【0081】
次に、
図7を参照しながら、実施形態に係る第二地絡判定部により実行される処理について説明する。
図7は、実施形態に係る第二地絡判定部により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS71において、第二地絡判定部822は、第二電磁接触器が導通状態であるか否かを判定する。つまり、第二地絡判定部822は、電磁接触器51及び電磁接触器52が導通状態であるか否かを判定する。第二地絡判定部822は、第二電磁接触器が導通状態であると判定した場合(ステップS71:YES)、処理をステップS72に進める。一方、第二地絡判定部822は、第二電磁接触器が非導通状態であると判定した場合(ステップS71:NO)、処理をステップS75に進める。
【0083】
ステップS72において、第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値を超えているか否かを判定する。第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値を超えていると判定した場合(ステップS72:YES)、処理をステップS73に進める。一方、第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値以下であると判定した場合(ステップS72:NO)、処理をステップS74に進める。
【0084】
ステップS73において、第二地絡判定部822は、非駆動系電装系統60が地絡していると判定する。
【0085】
ステップS74において、第二地絡判定部822は、非駆動系電装系統60が地絡していないと判定する。
【0086】
ステップS75において、第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二非導通状態閾値を超えているか否かを判定する。第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二非導通状態閾値を超えていると判定した場合(ステップS75:YES)、処理をステップS76に進める。一方、第二地絡判定部822は、第二地絡センサ63により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二非導通状態閾値以下であると判定した場合(ステップS75:NO)、処理をステップS77に進める。
【0087】
ステップS76において、第二地絡判定部822は、非駆動系電装系統60が地絡していると判定する。
【0088】
ステップS77において、第二地絡判定部822は、非駆動系電装系統60が地絡していないと判定する。
【0089】
以上、実施形態に係る車両1及び車両制御装置80について説明した。車両制御装置80は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作しない場合に、第一電磁接触器を非導通状態とする第一制御処理を実行する。これにより、車両1は、非駆動系電装系統60が駆動系電装系統10に含まれている直流電源11を利用して動作しない場合に、第一電磁接触器を非導通状態とし、駆動系電装系統10から非駆動系電装系統60に電力が供給される時間を低減させる。
【0090】
また、車両制御装置80は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作しない場合に、第二電磁接触器を非導通状態とする第二制御処理を実行する。これにより、
車両1は、非駆動系電装系統60が電源系統40を利用して動作しない場合に、第二電磁接触器を非導通状態とし、電源系統40から非駆動系電装系統60及び駆動系電装系統10の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させる。
【0091】
したがって、車両1は、非駆動系電装系統60に含まれる電子機器及び駆動系電装系統10に含まれる電子機器の少なくとも一方に電力が供給される時間を低減させ、これらの電子機器の劣化を抑制することができる。
【0092】
第一地絡判定部821は、第一電磁接触器が導通状態である場合には、駆動系電装系統10に含まれている第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値を超えている場合に駆動系電装系統10が地絡していると判定する。これにより、車両1は、第一電磁接触器が導通状態である場合における駆動系電装系統10の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第一導通状態閾値を使用して駆動系電装系統10が地絡しているか否かを判定する。
【0093】
一方、第一地絡判定部821は、第一電磁接触器が非導通状態である場合には、第一地絡センサ15により計測された駆動系電装系統10の対地浮遊容量が第一導通状態閾値と異なる第一非導通状態閾値を超えている場合に駆動系電装系統10が地絡していると判定する。これにより、車両1は、第一電磁接触器が非導通状態である場合における駆動系電装系統10の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第一非導通状態閾値を使用して駆動系電装系統10が地絡しているか否かを判定する。
【0094】
したがって、車両1は、第一電磁接触器が導通状態である場合及び第一電磁接触器が非導通状態である場合のいずれであっても、駆動系電装系統10が地絡しているか否かを正確に判定することができる。
【0095】
第二地絡判定部822は、第二電磁接触器が導通状態である場合には、非駆動系電装系統60に含まれている第二地絡センサ64により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値を超えている場合に非駆動系電装系統60が地絡していると判定する。これにより、車両1は、第二電磁接触器が導通状態である場合における非駆動系電装系統60の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第二導通状態閾値を使用して非駆動系電装系統60が地絡しているか否かを判定する。
【0096】
一方、第二地絡判定部822は、第二電磁接触器が非導通状態である場合には、第二地絡センサ64により計測された非駆動系電装系統60の対地浮遊容量が第二導通状態閾値と異なる第二非導通状態閾値を超えている場合に非駆動系電装系統60が地絡していると判定する。これにより、車両1は、第二電磁接触器が非導通状態である場合における非駆動系電装系統60の対地浮遊容量がとり得る範囲に合わせて設定された第二非導通状態閾値を使用して非駆動系電装系統60が地絡しているか否かを判定する。
【0097】
したがって、車両1は、第二電磁接触器が導通状態である場合及び第二電磁接触器が非導通状態である場合のいずれであっても、非駆動系電装系統60が地絡しているか否かを正確に判定することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、車両、車両制御装置、車両制御プログラム及び車両制御方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、組み合わせ及び設計変更の少なくとも一つを加えることができる。
【0099】
また、上述した本発明の実施形態の効果は、一例として説明した効果である。したがって、本発明の実施形態は、上述した効果以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の効果も奏し得る。
【符号の説明】
【0100】
1…車両、80…車両制御装置、800…車両制御プログラム、810…電磁接触器制御部、821…第一地絡判定部、822…第二地絡判定部