(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156739
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、移動体、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 47/24 20220101AFI20221006BHJP
【FI】
H04L12/851
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060578
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】対馬 孔聖
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030HA08
5K030HB06
5K030HB21
5K030HC09
5K030HD03
5K030HD06
5K030HD09
5K030JA02
5K030JA11
5K030JL01
5K030JT09
5K030LA03
5K030MB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】情報処理装置、移動体、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、外部装置と無線通信によりデータ通信を行い、IPアドレスで送信先が指定された送信データをIPアドレスを宛先として送信する通信部と、URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し通信部に送信させるプロキシ処理部と、を備え、通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得し、プロキシ処理部によって変換されたURLとIPアドレスとの対応関係をプロキシ処理部から取得する。さらに、IPアドレス毎の通信量と対応関係とに基づいて、IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する通信量取得部と、そこで取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する通信量制御部と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と無線通信によりデータ通信を行う通信部であって、IPアドレスで送信先が指定された送信データを、当該IPアドレスを宛先として送信する通信部と、
URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し、前記通信部に送信させるプロキシ処理部と、
前記通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得し、前記プロキシ処理部によって変換されたURLとIPアドレスとの対応関係を前記プロキシ処理部から取得し、前記IPアドレス毎の通信量と前記対応関係とに基づいて、URLとIPアドレスとの対応関係があるデータ通信について、前記IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する通信量取得部と、
前記通信量取得部が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、前記外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する通信量制御部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記通信量取得部はさらに、URLとIPアドレスとの対応関係がないデータ通信の通信量について、IPアドレス毎に取得した通信量をサービス毎の通信量として取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
サービス毎に優先度を設定する優先度設定部と、
前記通信量取得部が取得した通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットを予測するスループット予測部と
をさらに備え、
前記通信量制御部は、前記将来の通信スループットが予め定められた閾値を下回る場合に、前記優先度設定部が設定した優先度が低いサービスのデータ通信のスループットを、前記優先度設定部が設定した優先度が高いサービスのデータ通信のスループットより制限する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記スループット予測部は、前記通信量取得部が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットをサービス毎に予測し、
前記通信量制御部は、前記スループット予測部が予測した将来の通信スループットに基づいて、前記外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、車両に搭載され、
前記優先度設定部は、前記車両の制御に関するサービスのデータ通信の優先度を、他のサービスのデータ通信の優先度より高く設定する
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記車両の制御に関するサービスのデータ通信であるか、マルチメディアに関するサービスのデータ通信であるかを判別する通信判別部
をさらに備え、
前記優先度設定部は、前記車両の制御に関するサービスのデータ通信の優先度を、マルチメディアに関するサービスのデータ通信の優先度より高く設定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通信量制御部は、前記優先度が低いサービスのデータ通信の通信スループットを、前記優先度が低いデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値まで制限する
請求項3から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、車両に搭載され、
前記情報処理装置は、
前記通信部を通じて行われるデータ通信が、前記車両の制御に関するサービスのデータ通信であるか否かを判別する通信判別部
をさらに備え、
前記通信量制御部は、前記車両の制御系に関するサービスのデータ通信の通信スループットとして前記車両の制御系に関するデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値を確保できない場合に、予め定められた他のサービスのデータ通信を停止する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通信量取得部が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットをサービス毎に予測するスループット予測部
をさらに備え、
前記通信量制御部は、前記スループット予測部が予測した将来の通信スループットに基づいて、前記外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通信量取得部は、前記情報処理装置にインストールされたオペレーティングシステムの機能を用いて、前記通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得する
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理装置を備える車両。
【請求項12】
外部装置と無線通信を行う通信部であって、IPアドレスで送信先が指定された送信データを、当該IPアドレスを宛先として送信する通信部を備える情報処理装置における情報処理方法であって、
URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し、前記通信部に送信させる段階と、
前記通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得する段階と、
前記変換されたURLとIPアドレスとの対応関係を取得する段階と、
前記IPアドレス毎の通信量と前記対応関係とに基づいて、URLとIPアドレスとの対応関係があるデータ通信について、前記IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する段階と、
前記取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、前記外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する段階と
を備える情報処理方法。
【請求項13】
プログラムであって、外部装置と無線通信を行う通信部でありIPアドレスで送信先が指定された送信データを当該IPアドレスを宛先として送信する通信部を備えるコンピュータに、
URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し、前記通信部に送信させる手順と、
前記通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得する手順と、
前記変換されたURLとIPアドレスとの対応関係を取得する手順と、
前記IPアドレス毎の通信量と前記対応関係とに基づいて、URLとIPアドレスとの対応関係があるデータ通信について、前記IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する手順と、
前記取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、前記外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する手順と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、移動体、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、通信スループットの時系列データに基づいて、未来の通信スループットの時系列データを予測する技術が記載されている。非特許文献1及び非特許文献2には、通信スループットの予測に基づいて圧縮率とコマ数を制御することによって、過剰な圧縮による映像品質劣化を避けて映像を配信する適応制御技術が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第6337881号公報
[特許文献2] 特許第6390167号公報
[非特許文献]
[非特許文献1] "警備、救護、防災を支える映像配信技術(適応映像配信制御技術)"、[online]、日本電気株式会社、[令和2年9月24日検索]、インターネット<URL:https://jpn.nec.com/rd/tg/smc/research/adaptive_video_feed_control.html>
[非特許文献2] 吉田 裕志,外3名,"パブリックセーフティを支える映像配信技術"、NEC技報、2017年9月、第70巻、 第1号、p.52-55
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、外部装置と無線通信によりデータ通信を行う通信部であって、IPアドレスで送信先が指定された送信データを、当該IPアドレスを宛先として送信する通信部を備える。情報処理装置は、URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し、通信部に送信させるプロキシ処理部を備える。情報処理装置は、通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得し、プロキシ処理部によって変換されたURLとIPアドレスとの対応関係をプロキシ処理部から取得し、IPアドレス毎の通信量と対応関係とに基づいて、URLとIPアドレスとの対応関係があるデータ通信について、IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する通信量取得部を備える。情報処理装置は、通信量取得部が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する通信量制御部を備える。
【0004】
通信量取得部はさらに、URLとIPアドレスとの対応関係がないデータ通信の通信量について、IPアドレス毎に取得した通信量をサービス毎の通信量として取得してよい。
【0005】
情報処理装置は、サービス毎に優先度を設定する優先度設定部を備えてよい。情報処理装置は、通信量取得部が取得した通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットを予測するスループット予測部を備えてよい。通信量制御部は、将来の通信スループットが予め定められた閾値を下回る場合に、優先度設定部が設定した優先度が低いサービスのデータ通信のスループットを、優先度設定部が設定した優先度が高いサービスのデータ通信のスループットより制限してよい。
【0006】
スループット予測部は、通信量取得部が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットをサービス毎に予測してよい。通信量制御部は、スループット予測部が予測した将来の通信スループットに基づいて、外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御してよい。
【0007】
情報処理装置は、車両に搭載されてよい。優先度設定部は、車両の制御に関するサービスのデータ通信の優先度を、他のサービスのデータ通信の優先度より高く設定してよい。
【0008】
情報処理装置は、車両の制御に関するサービスのデータ通信であるか、マルチメディアに関するサービスのデータ通信であるかを判別する通信判別部を備えてよい。優先度設定部は、車両の制御に関するサービスのデータ通信の優先度を、マルチメディアに関するサービスのデータ通信の優先度より高く設定してよい。
【0009】
通信量制御部は、優先度が低いサービスのデータ通信の通信スループットを、優先度が低いデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値まで制限してよい。
【0010】
情報処理装置は、車両に搭載されてよい。情報処理装置は、通信部を通じて行われるデータ通信が、車両の制御に関するサービスのデータ通信であるか否かを判別する通信判別部を備えてよい。通信量制御部は、車両の制御系に関するサービスのデータ通信の通信スループットとして車両の制御系に関するデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値を確保できない場合に、予め定められた他のサービスのデータ通信を停止してよい。
【0011】
情報処理装置は、通信量取得部が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットをサービス毎に予測するスループット予測部を備えてよい。通信量制御部は、スループット予測部が予測した将来の通信スループットに基づいて、外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御してよい。
【0012】
通信量取得部は、情報処理装置にインストールされたオペレーティングシステムの機能を用いて、通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得してよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、車両が提供される。車両は、上記情報処理装置を備える。
【0014】
本発明の第3の態様においては、情報処理方法が提供される。情報処理方法は、外部装置と無線通信を行う通信部であって、IPアドレスで送信先が指定された送信データを、当該IPアドレスを宛先として送信する通信部を備える情報処理装置における情報処理方法である。情報処理方法は、URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し、通信部に送信させる段階を備える。情報処理方法は、通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得する段階を備える。情報処理方法は、変換されたURLとIPアドレスとの対応関係をプロキシ処理部から取得する段階を備える。情報処理方法は、IPアドレス毎の通信量と対応関係とに基づいて、URLとIPアドレスとの対応関係があるデータ通信について、IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する段階を備える。情報処理方法は、取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する段階を備える。
【0015】
本発明の第4の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、外部装置と無線通信を行う通信部でありIPアドレスで送信先が指定された送信データを、当該IPアドレスを宛先として送信する通信部を備えるコンピュータに、URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し、通信部に送信させる手順を実行させる。プログラムは、コンピュータに、通信部を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得する手順を実行させる。プログラムは、コンピュータに、変換されたURLとIPアドレスとの対応関係を取得する手順を実行させる。プログラムは、コンピュータに、IPアドレス毎の通信量と対応関係とに基づいて、URLとIPアドレスとの対応関係があるデータ通信について、IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する手順を実行させる。プログラムは、コンピュータに、取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、外部装置との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する手順を実行させる。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係る車両50の利用形態を模式的に示す。
【
図4】情報処理装置200が記憶するサービス情報のデータ構造の一例を示す。
【
図5】通信量取得部210が取得するIPアドレス毎の通信量を示す通信量情報を示す。
【
図6】プロキシ処理部280によってURLから変換されたIPアドレスとURLの対応関係を示す。
【
図7】通信量取得部210が取得するサービス毎の通信量を示す。
【
図8】通信量制御部230が優先度に基づいて行う通信スループットの制御を概念的に示す。
【
図9】情報処理装置200の機能ブロック間のデータの流れを模式的に示す。
【
図10】情報処理装置200が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】通信スループットの上限値を決定する処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、一実施形態に係る車両50の利用形態を模式的に示す。車両50は、例えば自動車である。車両50は、内燃機関を備える自動車、電気自動車、燃料電池自動車(FCV)等であってよい。車両50は、輸送機器の一例である。
【0020】
車両50は、情報処理装置200を備える。情報処理装置200は、外部装置30a及び外部装置30bとデータ通信を行う。なお、本実施形態において、外部装置30a及び外部装置30bのことを「外部装置30」と総称する場合がある。
【0021】
情報処理装置200は、通信ネットワーク90及び無線通信システム92を通じて、外部装置30と通信する。通信ネットワーク90は、インターネット等のIPネットワーク、P2Pネットワーク、VPNを含む専用回線、及び仮想ネットワーク等を含む。本実施形態において、無線通信システム92は、通信ネットワーク90に接続される移動体通信網である。例えば、無線通信システム92は、無線アクセスネットワーク及びコアネットワークを含む。
【0022】
外部装置30aは、例えば車両50の乗員にサービス提供するサーバを含む。例えば外部装置30aは、動画等のコンテンツデータを格納するサーバや、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を提供するサーバ等を含む。情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、外部装置30aから動画データを受信する。また、情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、SNSメッセージとしてのテキスト情報、音声情報、画像情報、動画情報等を、外部装置30aから受信する。また、情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に応じて、車両50の乗員からのSNSメッセージとしてのテキスト情報、音声情報、画像情報、動画情報等を、外部装置30aに送信する。
【0023】
外部装置30bは、例えば車両50の制御係に関するサービス提供を行うサーバである。外部装置30bは、例えば車両50の制御系関連情報を収集するサーバを含んでよい。外部装置30が収集する制御関連情報は、車両50の自動運転に用いられたLIDARデータ等を例示することができる。外部装置30bは、例えば車両50に制御系関連情報を提供するサーバを含んでよい。外部装置30bが提供する制御系関連情報としては、車両50の自動運転に用いられる地図データ等を含んでよい。情報処理装置200は、自動運転制御のために取得したLIDARデータ等を外部装置30bに送信する。情報処理装置200は、車両50の乗員の指示に関係なく、地図データを外部装置30bから受信する。
【0024】
車両50にとって、車両50の制御系に関するデータ通信は、SNSやマルチメディア関連のデータ通信より重要な場合がある。したがって、情報処理装置200は、車両50の制御系に関するデータ通信を確実に行うことができるように、SNSやマルチメディア関連のデータ通信を制限する場合がある。そのために、情報処理装置200は、制御系に関するサービス、SNSに関するサービス、マルチメディア関連のサービス等、情報処理装置200において現在利用されているサービス毎に通信量を取得する。情報処理装置200は、取得したサービス毎の通信量に基づいて、サービス毎に通信スループットを制御する。
【0025】
例えば車両50の制御系に関するサービス等のように、特定のサービスを提供するサーバには、固定された特定のIPアドレスが割り振られている場合がある。このようなサーバにアクセスする場合、情報処理装置200は、情報処理装置200内に予め記憶されている特定のIPアドレスを通信先に指定してデータ通信を行うことができる。一方、SNSやマルチメディア関連の一般のサービスを提供するサーバにアクセスするときには、URLを指定して通信を行う場合がある。この場合、URLからIPアドレスを特定してアクセスすることになるが、実際の通信先となるサーバのIPアドレスはアクセス毎に異なる場合や通信先となるサーバのIPアドレスが複数存在する場合がある。そこで、情報処理装置200は、サービス毎の正確な通信量を取得するために、データ通信時にURLをIPアドレスに変換したときの情報とIPアドレス毎の通信量とに基づいて通信量をURL毎に集計することによって得られた通信量を、サービス毎の通信量として取得する。一方、IPアドレスを指定して行われたデータ通信については、IPアドレス毎に通信量を集計することによって得られた通信量を、サービス毎の通信量として取得する。これにより、情報処理装置200は、サービス毎の通信量を適切に評価することができるので、サービス毎に適切に通信スループットを制御することができる。
【0026】
図2は、車両50の機能構成を模式的に示す。車両50は、情報処理装置200と、制御装置24aと、制御装置24bと、機器25aと、機器25bと、車両内ネットワーク29とを備える。情報処理装置200は、通信部202と、通信量制御部230と、通信量取得部210と、スループット予測部220と、通信判別部240と、優先度設定部250と、品質算出部260と、プロキシ処理部280と、上限設定部290とを備える。なお、
図2には、本実施形態に関する機能ブロックが示されている。車両50及び情報処理装置200は、
図2に示す機能ブロック以外の機能ブロックを備えてよい。
【0027】
情報処理装置200、制御装置24a、及び制御装置24bは、車両内ネットワーク29で互いに接続されている。車両内ネットワーク29はイーサネット(登録商標)に準拠した通信ネットワークを含んでよい。車両内ネットワーク29はCAN(Controller Area Network)通信ネットワークを含んでよい。
【0028】
制御装置24a及び制御装置24bは、それぞれ機器25a及び機器25bを制御する。制御装置24a及び制御装置24bは、それぞれECU(Electronic Control Unit)であってよい。機器25a及び機器25bは、例えばエンジン等の駆動系機器、情報通信系機器等を含む。制御装置24及び機器25の一実施例については、
図9等に関連して具体例を説明する。なお、制御装置24a及び制御装置24bのことを「制御装置24」と総称する場合がある。また、機器25a及び機器25bを「機器25」と総称する場合がある。
【0029】
通信部202は、外部装置30と無線通信によりデータ通信を行う。例えば、通信部202は、移動体通信網を介し外部装置30と通信を行う。通信部202は、IPアドレスで送信先が指定された送信データを、当該IPアドレスを宛先として送信する。
【0030】
プロキシ処理部280は、URLで送信先が指定された送信データの宛先をIPアドレスに変換し、通信部202に送信させる。通信量取得部210は、通信部202を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得する。通信量取得部210は、情報処理装置にインストールされたオペレーティングシステムの機能を用いて、通信部202を通じて行われるIPアドレス毎の通信量を取得してよい。通信量取得部210は、プロキシ処理部280によって変換されたURLとIPアドレスとの対応関係をプロキシ処理部280から取得し、IPアドレス毎の通信量と対応関係とに基づいて、URLとIPアドレスとの対応関係があるデータ通信について、IPアドレス毎の通信量をURL毎に集計することによって得られる通信量をサービス毎の通信量として取得する。また、通信量取得部210は、URLとIPアドレスとの対応関係がないデータ通信の通信量について、IPアドレス毎に取得した通信量をサービス毎の通信量として取得する。通信量制御部230は、通信量取得部210が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、外部装置30との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する。
【0031】
優先度設定部250は、サービス毎に優先度を設定する。スループット予測部220は、通信量取得部210が取得した通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットを予測する。通信量制御部230は、将来の通信スループットが予め定められた閾値を下回る場合に、優先度設定部が設定した優先度が低いサービスのデータ通信のスループットを、優先度設定部が設定した優先度が高いサービスのデータ通信のスループットより制限する。
【0032】
スループット予測部220は、通信量取得部210が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットをサービス毎に予測する。通信量制御部230は、スループット予測部220が予測した将来の通信スループットに基づいて、外部装置30との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御する。
【0033】
優先度設定部は、車両50の制御に関するサービスのデータ通信の優先度を、他のサービスのデータ通信の優先度より高く設定してよい。通信判別部240は、車両50の制御に関するサービスのデータ通信であるか、マルチメディアに関するサービスのデータ通信であるかを判別する。優先度設定部250は、車両50の制御に関するサービスのデータ通信の優先度を、マルチメディアに関するサービスのデータ通信の優先度より高く設定してよい。
【0034】
上限設定部290は、外部装置30との間のデータ通信に対して通信スループットの上限値を設定してよい。上限設定部290は、優先度設定部250が設定した優先度に応じて、サービス毎に通信スループットを設定してよい。通信量制御部230は、上限設定部290によって設定された通信スループットの上限値の範囲内で、外部装置30との間のデータ通信をサービス毎に制御してよい。例えば、通信量制御部230は、通信スループットが上限設定部290によって設定された上限値以下になるように各制御装置24の単位時間あたりの入力データ量を決定し、決定した入力データ量を各制御装置24に車両内ネットワーク29を通じて指示することによって、外部装置30との間のデータ通信をサービス毎に制御してよい。
【0035】
通信量制御部230は、優先度が低いサービスのデータ通信の通信スループットを、優先度が低いデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値まで制限してよい。これにより、優先度が低いデータ通信についても、データ通信が完全に断絶してしまう可能性を低減することができる。通信判別部240は、通信部202を通じて行われるデータ通信が、車両50の制御に関するサービスのデータ通信であるか否かを判別してよい。通信量制御部230は、車両50の制御系に関するサービスのデータ通信の通信スループットとして車両50の制御系に関するデータ通信に基づくサービス提供を継続するために必要な予め定められた値を確保できない場合に、予め定められた他のサービスのデータ通信を停止してよい。
【0036】
スループット予測部220は、通信量取得部210が取得したサービス毎の通信量を少なくとも用いて、将来の通信スループットをサービス毎に予測してよい。通信量制御部230は、スループット予測部220が予測した将来の通信スループットに基づいて、外部装置30との間のデータ通信のスループットをサービス毎に制御してよい。
【0037】
品質算出部260は、スループット予測部220が予測した通信スループットに基づいて、データ通信の品質を算出する。優先度設定部250は、通信判別部240が判別したサービス毎のデータ通信の品質に基づいて、複数のデータ通信について通信の優先度を設定してよい。例えば、品質算出部260はマルチメディア品質(MMq)(例えば、ITU-T 勧告 G.1070に規定されるMMq)を算出してよい。優先度設定部250は、通信判別部240が判別した種別及びマルチメディア品質に基づいて、サービス毎にデータ通信の優先度を設定してよい。なお、品質算出部260は、マルチメディア品質以外に、サービス品質を示す任意の指標を、データ通信の品質として算出してよい。
【0038】
図3は、データ通信の優先度を示す表である。
図3の表において、「カテゴリ」は、車両50の制御系であるか非制御系であるかを示す。「性質」は、データ通信が定常的であるか非定常的であるかを示す。「サービス内容」は、データ通信によって提供されるサービス内容を示す。
図3に示されるように、車両50の制御系のサービスに関するデータ通信は、非制御系のサービスに関するデータ通信より、優先度が高いものとする。また、定常的なデータ通信は、非定常的なデータ通信より、優先度が高いものとする。
【0039】
図4は、情報処理装置200が記憶するサービス情報のデータ構造の一例を示す。サービス情報は、通信先と、優先度と、最低品質を対応づける情報である。「通信先」は、通信先となる外部装置30のIPアドレス又はURLである。なお、「通信先」に格納された外部装置30との間のデータ通信が、通信スループットの制御対象となる。
【0040】
「優先度」は、サービスに割り当てられるデータ通信の優先度を示す。なお、本実施形態では、外部装置30がどのようなサービスを提供するかが予め設定されているものとする。したがって、外部装置30毎にサービス及び優先度が定まるものとする。
【0041】
「最低品質」は、データ通信によるサービス提供を維持するために必要な最低のサービス品質を示す。最低品質の指標として、例えばMMqを用いることができる。
【0042】
図5は、通信量取得部210が取得するIPアドレス毎の通信量を示す通信量情報を示す。「IPアドレス」は通信先のIPアドレスである。「通信量」は時間あたりの通信量である。通信量取得部210は、情報処理装置100にインストールされたオペレーティングシステムによって提供される機能によって、通信部202に入力されるTCPパケット又はUDPパケットの情報を監視することによって取得してよい。
【0043】
図6は、プロキシ処理部280によってURLから変換されたIPアドレスとURLの対応関係を示す。プロキシ処理部280は、URLをIPアドレスに変換した場合に、URLと変換されたIPアドレスとの対応関係を示す情報を保持する。
図6の例では、通信先として「○○○.××××.com」が指定された場合に、DNSによってIPアドレス「xxx.xxx.xxx.yyy」が取得され、別のタイミングで通信先として同じ「○○○.××××.com」が指定された場合に、DNSによってIPアドレス「xxx.xxx.xxx.zzz」が取得されたことを示す。
【0044】
図7は、通信量取得部210が取得するサービス毎の通信量を示す。通信量取得部210は、プロキシ処理部280によって取得された対応関係に基づいて、URL「○○○.××××.com」に対応づけられたIPアドレスを取得する。そして、通信量取得部210は、
図5に示す通信量情報を参照して、取得したIPアドレスに対応づけられた通信量を合計することによって、URL毎に通信量を集計する。これにより、「○○○.××××.com」に対応づけられた通信量を算出する。
【0045】
また、通信量取得部210は、通信量情報内のIPアドレスのうち、プロキシ処理部280によって取得された対応関係によってURLに対応づけられていないIPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」を特定して、特定したIPアドレス「xxx.xxx.xxx.xxx」に対応づけられた通信量を取得する。これにより、
図7に示されるように、サービス毎に通信量を取得する。
【0046】
図8は、通信量制御部230が優先度に基づいて行う通信スループットの制御を概念的に示す。ここでは、全体の通信スループットが急減することが予測される場合の制御を説明する。
【0047】
時刻txにおいて、車両50の制御系のサービス、インタラクティブコミュニケーションのサービス、及びWebブラウジングのサービスのデータ通信が行われていたとする。ここで、制御系のサービスのデータ通信は、非制御系のサービスのデータ通信(インタラクティブコミュニケーション及びWebブラウジング)より優先度が高い。また、非制御系のサービスのデータ通信のうち、インタラクティブコミュニケーションのサービスのデータ通信は、Webブラウジングのサービスのデータ通信より優先度が高いものとする。
【0048】
時刻txにおける通信スループットの合計値はThr1である。スループット予測部220によって、時刻txからΔt後の通信スループットがThr2に急減することが予測されたとする。現在行われている各サービスのデータ通信においてそれぞれ必要とされる最低限のサービス品質を提供するために必要な通信スループットの合計値がThr2を超えると判断された場合、通信量制御部230は、制御系のサービスのデータ通信及びインタラクティブコミュニケーションのサービスのデータ通信のスループットを、それぞれ最低限のサービス品質を保証できる通信スループット値に制御する。また、通信量制御部230は、Webブラウジングのサービスのデータ通信については一時的に停止させる。これにより、車両50の制御系のサービスのデータ通信を維持しつつ、全体の通信スループットが予測されるスループットを超えないようにすることができる。
【0049】
図9は、情報処理装置200の機能ブロック間のデータの流れを模式的に示す。制御装置24は、通信先のIPアドレス又はURLを指定して通信を行う。IPアドレスが指定された通信については、通信部202を通じて外部装置30に送信される。URLが指定されたデータ通信については、プロキシ処理部280が処理を受け付けて、プロキシ処理部280によりURLからIPアドレスに変換されて、通信部202を通じて外部装置30に送信される。プロキシ処理部280は、URLと変換先のIPアドレスとの対応関係を保持する。
【0050】
通信量取得部210は、通信部202を通じて行われるデータ通信の通信量を取得する。例えば、通信量取得部210は、オペレーティングシステムが備える機能を用いて、予め定められた期間内に通信部202に入力されるTCP又はUDPパケットの情報を監視して、通信部202を通じて行われる通信の通信量を宛先のIPアドレス毎に取得する。通信量取得部210は、プロキシ処理部280から取得したURLと変換先のIPアドレスとの対応関係と、通信部202を通じて行われるIPアドレス毎の通信量とに基づいて、URLが指定された通信については、URL毎に通信量を集計することによって得られるURL毎の通信量を、サービス毎の通信量として取得する。一方、通信量取得部210は、宛先としてURLが指定されていない通信については、IPアドレス毎に取得した通信量を、サービス毎の通信量として取得する。
【0051】
通信判別部240は、通信量取得部210からデータ通信が行われているサービスの識別情報を取得する。サービスの識別情報は、通信量取得部210によって通信量が取得されたIPアドレス及びURLの一覧情報である。通信判別部240は、通信量取得部210から取得したサービスの識別情報と、
図4に示すサービス情報の「通信先」の情報に基づいて、通信スループットの制御対象となるサービスを判別する。通信判別部240は、制御対象となるサービスの識別情報を、優先度設定部250及び通信量取得部210に通知する。通信量取得部210は、取得したサービス毎の通信量に基づいて、通信判別部240から通知された制御対象となるサービスのデータ通信の現在の通信スループットを、制御対象となるサービス毎に算出して、スループット予測部220に通知する。
【0052】
スループット予測部220は、通信量取得部210により通知された現在の通信スループットに基づいて、将来の通信スループットを予測する。例えば、スループット予測部220は、通信スループットの時系列データに基づいて、時系列データの予測モデルを同定する。同定する予測モデルは、過去の時系列データから未来の時系列データを予測できるモデルであれば、いかなるモデルであってよい。例えば、同定する予測モデルとしては、ARモデル(AutoRegressive Model)等の時系列モデルや、Vasicekモデル等の確率微分方程式モデル等を例示することができる。一例として、Vasicekモデルを用いる場合、Vasicekモデルの確率微分方程式の一般解と、時系列データとを用いて、最尤推定法等の手法を用いて、Vasicekモデルの確率微分方程式の一般解のモデルパラメータを同定してよい。スループット予測部220は、同定した予測モデルに基づいて、将来の通信スループットの時系列データの確率分布を算出する。スループット予測部220は、将来の通信スループットの時系列データの確率分布に基づいて、将来の通信スループットを予測してよい。なお、スループット予測部220は、上記特許文献1及び上記特許文献2に記載されている手法を用いて、将来の通信スループットの時系列データの確率分布を算出してよい。上記特許文献1及び上記特許文献2に記載されているように、TCP通信等の通信プロトコルの通信開始後の過渡特性をモデル化した通信モデルに基づいて算出した補正率を用いて、過渡特性の影響を除去するよう時系列データを補正し、補正した時系列データに基づいて、時系列データの予測モデルを同定してもよい。
【0053】
スループット予測部220は、外部装置30からフィードバックされる通信状態に基づいて、通信スループットを予測してよい。外部装置30からフィードバックされる通信状態としては、ネットワークの転送遅延及びパケットロス率等を例示することができる。スループット予測部220は、通信スループットの制御対象となるサービス毎に将来の通信スループットを予測する。また、スループット予測部220は、通信スループットの制御対象となるサービスの合計の通信スループットを予測する。スループット予測部220は、予測した将来の通信スループットを優先度設定部250に通知する。
【0054】
優先度設定部250は、サービス毎に通信スループットを決定する。優先度設定部250は、サービス毎に予測された通信スループットに基づいて、サービス毎に通信スループットを決定してよい。なお、予測される将来の合計の通信スループットが予め定められた閾値を下回る場合、優先度設定部250は、
図4に示すサービス情報の「優先度」に基づいてデータ通信の優先度をサービス毎に設定して、設定した優先度に基づいてサービス毎に通信スループットを決定する。優先度設定部250は、通信判別部240から通知された制御対象となるサービスの識別情報と、スループット予測部220から通知されたサービス毎の予測される通信スループットとに基づいて、サービス毎に設定した優先度に応じて、制御対象となるサービス毎に、通信スループットを決定してよい。優先度設定部250は、決定したサービス毎の通信スループットを示す情報を上限設定部290に通知する。
【0055】
なお、優先度に基づいてサービス毎に通信スループットを設定する場合、品質算出部260は、将来の通信スループットに基づいて、サービス品質の指標値を算出してよい。通信品質の指標値は、MMqであってよい。優先度設定部250は、品質算出部260が算出したサービス品質に基づいて、通信スループットを算出してよい。例えば、優先度設定部250は、予め定められた通信品質の指標値と通信スループットとを対応づける対応付け情報を参照して、品質算出部260が算出した通信品質以下の指標値に対応づけられた通信スループットを上限値として選択してよい。優先度設定部250は、優先度が予め定められた値より高いサービスのデータ通信について、最低品質以上のサービス品質に対応する通信スループットを設定するとともに、優先度が予め定められた値より低いサービスのデータ通信について、最低品質のサービス品質に対応する通信スループットを設定することによって、将来の通信スループットに適応させてよい。
【0056】
上限設定部290は、優先度設定部250から通知された通信スループットに基づいて、通信スループットの上限値を設定する。将来の通信スループットに基づいて上限値を設定する方法については、
図11等に関連して後述する。
【0057】
通信量制御部230は、上限設定部290によって設定された上限値に基づいて、サービス毎の通信スループットに対応する単位時間あたりの入力データ量の上限値をサービス毎に設定して、制御装置24に通知する。通信量制御部230は、上限設定部290によって設定された上限値に基づいて、入力データ量の上限値をサービス毎に設定して、制御装置24に通知してよい。
【0058】
制御装置24は、通信量制御部230から通知された入力データ量の上限値に従って、サービス毎に送信データの送信を制限する。例えば、制御装置24は、外部装置30へと送信するデータ量が通信量制御部230から通知された入力データ量の上限値を超えないように、サービス毎にデータ通信量を制限する。これにより、データ通信の優先度に応じて通信スループットを適切に制限することができる。
【0059】
図10は、情報処理装置200が実行する処理手順を示すフローチャートである。S1002において、通信量取得部210は、実行中の通信中において宛先にURLが指定されているか否かを判断する。宛先にURLが指定されていない場合、通信量取得部210は、IPアドレス毎の通信量を測定して、測定した各IPアドレスの通信量を各サービスの通信量とする(S1004)。宛先にURLが指定されている場合、通信量取得部210は、プロキシ処理部280を通じてURLに対応づけられたIPアドレスを取得する(S1006)。通信量取得部210は、URL毎に、各URLに対応づけられたIPアドレスの総通信量を測定し、測定した各URLの通信量を各サービスの通信量とする。
【0060】
S1004及びS1008に続いて、S1010において、スループット予測部220は、通信先の外部装置30から、通信状態(例えば、転送遅延時間及びパケットロス率等)を取得する。S1012において、スループット予測部220は、S1004又はS10008によって測定された通信量及び外部装置30から取得した通信状態に基づいて、将来の通信スループットを予測する。S1014において、優先度設定部250は、通信中の各サービスに対して優先度を設定する。S1016において、サービス毎の通信量及びS1014で決定した優先度に基づいて、サービス毎の通信スループットの上限値を設定する。S1018において、通信量制御部230は、通信を実行中の各制御装置24に対して入力データ量を指示する。
【0061】
図11は、通信スループットの上限値を決定する処理を説明するための図である。
図11のグラフの横軸は時刻であり、縦軸は通信スループットである。線1100は、あるサービスについて予測された通信スループットの時間変化を示す。線1000は、通信スループットの上限値を示す。優先度設定部250は、予測される通信スループットに応じて、通信スループットの上限値を決定する。
【0062】
時刻t0において、通信スループットの上限値として、許容される最大の上限値Th_1が設定されている。時刻t1において、予測される通信スループットが閾値Th1_downを下回ると、優先度設定部250は、通信スループットの上限値をTh_1からTh_2に低下させる。時刻t2において、予測される通信スループットが閾値Th2_downを下回ると、優先度設定部250は、通信スループットの上限値をTh_2からTh_3に低下させる。なお、閾値Th2_downは、閾値Th1_downより低い値である。
【0063】
時刻t3において、予測される通信スループットが閾値Th2_upを上回ると、優先度設定部250は、通信スループットの上限値をTh_3からTh_2に上昇させる。なお、閾値Th2_upは、閾値Th2_downより高い値である。時刻t4において、予測される通信スループットが閾値Th1_upを上回ると、優先度設定部250は、通信スループットの上限値をTh_2からTh_1に上昇させる。なお、閾値Th1_upは、閾値Th1_downより高い値である。
【0064】
上限値Th_2は閾値Th1_upより高い。また、上限値Th_3は閾値Th2_upより高い。そのため、例えば、時刻t3において、予測されるスループットが上限値Th_3を超える前に、上限値をTh_2まで上昇させることができる。通信スループットの上限値Th_3が設定されている場合、制御装置24は上限値Th_3を超えないように通信部202に入力するデータ量を制御する。そのため、通信スループットの上限値をTh_3に設定したままだと、通信環境が良くなって通信スループットを上昇させることができるようになったとしても、実際の通信スループットは上限値Th_3を超えず、予測される通信スループットも上昇しなくなる場合がある。その結果、実際の通信スループットがTh_3付近に固定された状態になってしまう場合がある。これに対し、上限値Th_3を閾値Th2_upより高く設定することで、実際の通信スループットがTh_3付近に固定された状態になることを抑制することができる。同様に、上限値Th_2を閾値Th1_upより高く設定することで、実際の通信スループットがTh_2付近に固定された状態になることを抑制することができる。
【0065】
また、Th1_downは、Th1_upより低い値に設定される。そのため、予測される通信スループットが低下していく場面において、予測される通信スループットが十分に低くなったときに、上限値をTh_2に引き下げることができる。これにより、上限値を早期に引き下げてしまうことを抑制することができる。そのため、仮に通信環境が良くなった場合には通信スループットをすぐに高めることができるので、通信速度を維持する余地を残すことができる。同様に、Th2_downは、Th2_upより低い値に設定されるので、予測される通信スループットが低下していく場面において、上限値を早期に引き下げてしまうことを抑制することができる。
【0066】
以上に説明したように、情報処理装置200によれば、サービス毎の通信量を適切に評価することができる。これにより、サービス毎の通信量に応じて、通信スループットを適切に制御することができる。なお、本実施形態においては、通信先のURL又はIPアドレスによってサービスを識別するものとした。しかし、通信先のURL又はIPアドレスと送信元の制御装置24のIPアドレス及びポート番号の組み合わせによってサービスを識別する形態を採用してもよい。
【0067】
図12は、車両50の制御システムの実装例を示す。制御システム1000は、コアECU1010と、TCU1020と、AD/ADAS ECU1021と、情報系ECU1022と、エリアECU1023と、エリアECU1024と、センサ機器1040と、情報系機器1041と、駆動系機器1030と、快適系機器1031と、アラーム系機器1032と、視界系機器1033と、先進安全系機器1034と、防盗系機器1035と、灯体系機器1036と、ドア系機器1037と、ドライブポジション系機器1038と、開閉系機器1039と、通信ネットワーク1080と、通信ネットワーク1081と、通信ネットワーク1082と、通信ネットワーク1084と、通信ネットワーク1085とを備える。AD/ADAS ECU1021は、自動運転(AD)、先進運転支援システム(ADAS)に関する制御を行うECUである。
【0068】
TCU1020はテレマティクス制御ユニットである。TCU1020は、上述した情報処理装置200の一実装例である。なお、TCU1020及びコアECU1010が協働して、上述した情報処理装置200として機能してもよい。AD/ADAS ECU1021、情報系ECU1022、エリアECU1023、及びエリアECU1024は、それぞれ上述した制御装置24の一実装例である。
【0069】
通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084、及び通信ネットワーク1085は、車両内ネットワーク29の一実装例である。通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085は、イーサネットワークを備えてよい。TCU1020、コアECU1010、AD/ADAS ECU1021、情報系ECU1022、エリアECU1023、及びエリアECU1024は、通信ネットワーク1080、通信ネットワーク1081、通信ネットワーク1082、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085を介してIP通信可能であってよい。なお、通信ネットワーク1084及び通信ネットワーク1085は、CANを備えてよい。
【0070】
センサ機器1040は、カメラ、レータ及びLIDARを含むセンサを備える。AD/ADAS ECU1021は、バスを通じてセンサ機器1040が備える各センサに接続され、センサ機器1040が備える各センサを制御するとともに、各センサが検出した情報を取得する。
【0071】
情報系機器1041は、メータ機器、ディプレイ機器、チューナ、プレーヤ、DSRC(狭域通信)システム、無線充電器及びUSBポートを含む機器を備える。情報系ECU1022は、バスを通じて情報系機器1041が備える各機器に接続され、情報系機器1041が備える各機器を制御する。情報系機器1041は、情報通信機器、マルチメディア関連機器、ユーザインタフェース機器を含む。
【0072】
駆動系機器1030は、電動パーキングブレーキ(EPB)、電動パワーステアリングシステム(EPS)、車両挙動安定化制御システム(VSA)、シフター(SHIFTER)、パワー・ドライブ・ユニット(PDU)、インテリジェントパワーユニット(IPU)、及び燃料噴射装置(FI)を含む機器を備える。駆動系機器1030は、バスを通じて駆動系機器1030が備える各機器に接続され、駆動系機器1030が備える各機器を制御する。
【0073】
エリアECU1024は、バスを通じて、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039と接続され、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039が備える機器を制御する。快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039と接続される。快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039は、主として車両50の補機を含む。
【0074】
駆動系機器1030、センサ機器1040、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039は、車両50の制御系の機器である。情報系機器1041は非制御系の機器である。
【0075】
センサ機器1040、駆動系機器1030、快適系機器1031、アラーム系機器1032、視界系機器1033、先進安全系機器1034、防盗系機器1035、灯体系機器1036、ドア系機器1037、ドライブポジション系機器1038、及び開閉系機器1039が含む機器に関するデータ通信は、情報系機器1041が含む機器に関するデータ通信と比べて、優先度が低くてよい。
【0076】
なお、車両50は、移動体の一例である。移動体としては、乗用車やバス等の自動車、鞍乗型車両、航空機、船舶等の輸送機器を含む。移動体は、輸送機器に限らず、移動可能な任意の機器であってよい。情報処理装置200は、車両50等の輸送機器に搭載された装置でなくてもよく、携帯端末やパーソナルコンピュータ等であってよい。
【0077】
以上に説明したように、情報処理装置200及び情報処理装置200の一実装例によれば、優先度の低いデータ通信を制限することによって、優先度の高いデータ通信を継続することができる可能性を高めることができる。一般に、移動体に搭載される機器において複数のデータ通信が行われる場合、通信速度(通信帯域ともいう)の中で通信する必要がある。しかし、複数のデータ通信の全てにおいて適切な通信速度が常に得られるとは限らない。例えば通信環境が悪化することによって通信速度が低下した場合に、優先度が高いデータ通信が制限されてしまう場合があるという課題がある。これに対し、上述した情報処理装置200によれば、このような課題を軽減することができる。
【0078】
図13は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ2000の例を示す。コンピュータ2000にインストールされたプログラムは、コンピュータ2000を、実施形態に係る情報処理装置等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び/又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2000に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU2012によって実行されてよい。
【0079】
本実施形態によるコンピュータ2000は、CPU2012、及びRAM2014を含み、それらはホストコントローラ2010によって相互に接続されている。コンピュータ2000はまた、ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040を含む。ROM2026、フラッシュメモリ2024、通信インタフェース2022、及び入力/出力チップ2040は、入力/出力コントローラ2020を介してホストコントローラ2010に接続されている。
【0080】
CPU2012は、ROM2026及びRAM2014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0081】
通信インタフェース2022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ2024は、コンピュータ2000内のCPU2012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ROM2026は、アクティブ化時にコンピュータ2000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力/出力チップ2040はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力/出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、USBポート、HDMI(登録商標)ポート等の入力/出力ポートを介して、入力/出力コントローラ2020に接続してよい。
【0082】
プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。RAM2014、ROM2026、又はフラッシュメモリ2024は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ2024、RAM2014、又はROM2026にインストールされ、CPU2012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2000に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0083】
例えば、コンピュータ2000及び外部デバイス間で通信が実行される場合、CPU2012は、RAM2014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2022は、CPU2012の制御下、RAM2014及びフラッシュメモリ2024のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0084】
また、CPU2012は、フラッシュメモリ2024等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2014に読み取られるようにし、RAM2014上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。CPU2012は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。
【0085】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。CPU2012は、RAM2014から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をRAM2014にライトバックする。また、CPU2012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2012は、第1の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0086】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2000上又はコンピュータ2000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2000に提供してよい。
【0087】
コンピュータ2000にインストールされ、コンピュータ2000を情報処理装置200として機能させるプログラムは、CPU2012等に働きかけて、コンピュータ2000を、情報処理装置200の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ2000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である情報処理装置200の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ2000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置200が構築される。
【0088】
様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、(1)オペレーションが実行されるプロセスの段階又は(2)オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。
【0089】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0090】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0091】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0092】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0093】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0094】
24 制御装置
25 機器
29 車両内ネットワーク
30 外部装置
50 車両
90 通信ネットワーク
92 無線通信システム
200 情報処理装置
202 通信部
210 通信量取得部
220 スループット予測部
230 通信量制御部
240 通信判別部
250 優先度設定部
260 品質算出部
280 プロキシ処理部
290 上限設定部
1010 コアECU
1020 TCU
1021 AD/ADAS ECU
1022 情報系ECU
1023 エリアECU
1024 エリアECU
1030 駆動系機器
1031 快適系機器
1032 アラーム系機器
1033 視界系機器
1034 先進安全系機器
1035 防盗系機器
1036 灯体系機器
1037 ドア系機器
1038 ドライブポジション系機器
1039 開閉系機器
1040 センサ機器
1041 情報系機器
1080 通信ネットワーク
1081 通信ネットワーク
1082 通信ネットワーク
1084 通信ネットワーク
1085 通信ネットワーク
2000 コンピュータ
2010 ホストコントローラ
2012 CPU
2014 RAM
2020 入力/出力コントローラ
2022 通信インタフェース
2024 フラッシュメモリ
2026 ROM
2040 入力/出力チップ