(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156799
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20221006BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F13/00 530B
G06F8/65
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060671
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】500516850
【氏名又は名称】ソフトマックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】野村 俊郎
【テーマコード(参考)】
5B084
5B376
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA12
5B084AB04
5B084AB16
5B084AB31
5B084BA09
5B084BB17
5B084BB18
5B084CD10
5B084CD24
5B084CD26
5B084DB02
5B084DC02
5B376CA25
(57)【要約】
【課題】Webサービスを停止することなく、手軽にWebサーバのプログラムを更新することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置1に、Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するWebサイト実行手段101と、端末200からのWebサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるアクセス受付手段102と、アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるサービス継続手段103と、第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた端末200を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするルーティング手段104と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供する情報処理装置であって、
前記Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するWebサイト実行手段と、
前記端末からの前記Webサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるアクセス受付手段と、
前記アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるサービス継続手段と、
第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた前記端末を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするルーティング手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記Webサービスが、電子カルテシステムが提供するサービスである請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
端末からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供する情報処理システムに、
前記Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するステップと、
前記端末からの前記Webサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるステップと、
前記アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるステップと、
第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた前記端末を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするステップと、
を備える情報処理方法。
【請求項4】
端末からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供するコンピュータに、
前記Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するステップ、
前記端末からの前記Webサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるステップ、
前記アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるステップ、
第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた前記端末を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webサービスを停止することなく、手軽にWebサーバのプログラムを更新することができる情報処理装置を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子カルテ等のアプリケーションを提供するWebサーバ等のプログラムを更新する際、Webサーバを停止する必要が生じるがこの場合、全ての亜端末からのアクセスを停止させた上で、全WebサーバのIIS(Internet Information Service)を停止させて行っている。その為、必然的に医療機関の業務時間外である夜間作業となってしまい、リリース人員、現地検証・立会人員、病院担当者らに更新作業が大きな負担となっている。更に、更新に伴うパッケージエラー等は、翌日のシステムへのアクセスが集中する際に発覚するケースが多く、システム稼働のピーク時であるが為に、問題が大きくなりがちである。また、例えば、Webアプリケーションが電子カルテシステムである場合、利用停止には事前の医療機関内の調整に担当者の労力と時間を要する為、致命的な不具合があるにも関わらず院内調整が進まず入替が出来ない等の状態に陥っているケースもある。
【0003】
そこで、Webサーバ等のシステムを停止させてプログラムを更新する際に、冗長化によりサービスを停止させない技術が知られている。特許文献1では、正常系と待機系のWebサーバを備え、正常系のサービスを停止したら、フェイルオーバーにより待機系でWebアプリケーションサービスを継続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、正常系のサービスを提供する装置と同等の待機系のハードウェア及びソフトウェアを備える装置を準備しなくてはならないため、手間も費用もかかる。そこで、本発明は、Webサービスを停止することなく、手軽にWebサーバのプログラムを更新する情報処理装置、情報処理方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0007】
第1の特徴に係る発明は、
端末からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供する情報処理装置であって、
前記Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するWebサイト実行手段と、
前記端末からの前記Webサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるアクセス受付手段と、
前記アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるサービス継続手段と、
第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた前記端末を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするルーティング手段と、
を備える情報処理装置を提供する。
【0008】
第1の特徴に係る発明によれば、端末からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供する情報処理装置において、前記Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するWebサイト実行手段と、前記端末からの前記Webサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるアクセス受付手段と、前記アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるサービス継続手段と、第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた前記端末を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするルーティング手段と、を備える。
【0009】
第1の特徴に係る発明は、情報処理装置のカテゴリであるが、情報処理方法、及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0010】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である情報処理装置であって、
前記Webサービスが、電子カルテシステムが提供するサービスである情報処理装置を提供する。
【0011】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である情報処理装置において、前記Webサービスが、電子カルテシステムが提供するサービスである。
【0012】
第3の特徴に係る発明は、
端末からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供する情報処理システムに、
前記Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するステップと、
前記端末からの前記Webサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるステップと、
前記アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるステップと、
第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた前記端末を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするステップと、
を備える情報処理方法を提供する。
【0013】
第4の特徴に係る発明は、
端末からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供するコンピュータに、
前記Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行するステップ、
前記端末からの前記Webサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付けるステップ、
前記アクセスに基づいて、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続けるステップ、
第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了した後にアクセスを受付けた前記端末を、更新が完了した第2のWebアプリケーションプログラムが提供する第2のWebサイトにルーティングするステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、情報処理装置は、Webサイトを提供するWebアプリケーションプログラムの更新を行う際に、2つ以上のWebアプリケーションプログラムを実行し、クライアントからのアクセス要求に対して、第1のWebアプリケーションプログラムで端末のサービスを提供し続け、第2のWebアプリケーションプログラムのプログラムの更新を行い、更新が完了したら、端末からのアクセスを第2のWebアプリケーションプログラムが提供するWebサイトにルーティング接続する。これにより、Webサービスを停止させずに、アプリケーションプログラムの更新を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】情報処理装置100の実行する情報処理システム1の概要を説明する図である。
【
図2】情報処理システム1の機能構成を示す図である。
【
図3】情報処理装置100と端末200が実行する情報処理を示すフローチャート図である。
【
図4】情報処理システム1のWebサイト構成の一例である。
【
図5】情報処理システム1のアプリケーションプログラム更新時の処理の一例である。
【
図6】アクティブWebサイト切り替え画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0017】
[基本概念/基本構成]
図1は、情報処理装置100の実行する情報処理システム1の概要を説明する図である。情報処理装置100は、ユーザ5が利用する端末200からの要求に応じてWebサイトによりWebサービスを提供する情報処理システム1を実現する。ここでのWebサービスとは、例えば、電子カルテシステム(PlusUs Karte V3)が提供するサービスであり、ユーザ5である病院内の医師、看護師、放射線技師、作業療法士、受付、等、複数人が利用するものとする。
【0018】
情報処理装置100は、Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行することができる。
図1では、情報処理システム1のために、ルーティングWebサイトと、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3という4つのWebサイトを備える構成を例として示している。この場合、Webサイトが3つであるため、Webアプリケーションプログラムを3実行できる例となる。
【0019】
図4は、情報処理システム1のWebサイト構成の一例である。Webサイトとして、ルーティングWebサイトと、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3という4つのWebサイトを備える。Webサイト名として、ルーティングWebサイトの名称はPlusUsKarteV3、Webサイト1の名称はPlusUsKarteV3S1、Webサイト2の名称はPlusUsKarteV3S2、Webサイト3の名称はPlusUsKarteV3S3とする。アプリケーションプールの名称は、ここでは、Webサイトの名称と一緒とする。物理フォルダの名称は、ルーティングWebサイトはWeb、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3はWeb_YYYYMMDD_XX.Xとする。ここで、YYYYMMDDは、日付によるバージョン番号、XX.Xはパッチ番号を表すものとする。ポート番号は、ルーティングWebサイト、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3で共通でよい。
【0020】
図1に戻って、まず、ユーザ5は、端末200を使用して、情報処理システム1を利用するためのWebサイトにアクセスする(ステップS01)。情報処理装置100は、端末200からのWebサイトに対するアドレス情報に基づくアクセスを受付ける。情報処理システム1を利用するためのアクセス先は、ルーティングWebサイトとし、端末200は、情報処理装置100により、ルーティングWebサイトに接続される。
【0021】
次に、情報処理装置100は、端末200をWebサイト1に接続する(ステップS02)。ここで、Webサイト1では、2016/8/31版のアプリケーションプログラムが実行されているものとする。ユーザ5の利用する端末200は、この2016/8/31版のアプリケーションプログラムによる電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)を利用可能となる。
【0022】
もし、2016/8/31版のアプリケーションプログラムに問題が発生した場合には、緊急に対策版をリリースする必要がある。この対策版を2016/8/31版パッチ1とする。情報処理装置100により、Webサイト1は、2016/8/31版のアプリケーションプログラムで電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)を提供し続ける。また、情報処理装置100は、Webサイト2のアプリケーションプログラムを2016/8/31版パッチ1に更新する(ステップS03)。
【0023】
Webサイト2のアプリケーションプログラムを2016/8/31版パッチ1に更新が完了した後に、一度ログアウトしたユーザ5又は別のユーザ5が、端末200を使用して、情報処理システム1を利用するためのWebサイトにアクセスした場合、情報処理装置100は、端末200をWebサイト2にルーティングして接続する(ステップS04)。ユーザ5の利用する端末200は、この2016/8/31版パッチ1のアプリケーションプログラムによる電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)を利用可能となる。
【0024】
このような情報処理装置1によれば、Webサービスを停止させずに、アプリケーションプログラムの更新を可能とする情報処理装置、情報処理方法及びそのプログラムを提供することができる。また、本情報処理装置1によれば、ユーザ5に対して、サーバの切り替え等の特別な操作を求めることもなく、かつ、ユーザ5に対して、アプリケーションプログラムが入れ替わったことを感じさせずに更新を行うことができる。障害が発生した場合に、迅速にプログラム修正を行い対策版をリリースできること、Webサービスを停止させずに更新を行えることから、病院担当者らのシステム停止やそのための調整等の負担を軽減することができる。
【0025】
[機能構成]
図2に基づいて、情報処理システム1の機能構成について説明する。情報処理システム1は、情報処理装置100と、この情報処理装置100とネットワーク3を介して通信可能に接続された端末200とを備える。情報処理装置100は、実在する装置に限らず、仮想的な装置であってもよい。
【0026】
情報処理装置100は、情報処理システム1を提供する管理者により管理されるサーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータ等であり、上述した複数の端末200と、公衆回線網等のネットワーク3を介してデータ通信可能に接続されており、必要なデータの送受信や各種処理を実行する。
【0027】
情報処理装置100は、例えば、1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能構成を含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであってもよい。
【0028】
情報処理装置100は、制御部110(非図示)として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部120(非図示)として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、情報処理装置100は、記憶部130(非図示)として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
【0029】
情報処理装置100において、制御部110が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部120、記憶部130と協働して、Webサイト実行部101、アクセス受付部102、サービス継続部103、ルーティング部104を実現する。
【0030】
端末200は、理学療法士、放射線技師、会計担当等のユーザ5が利用するパーソナルコンピュータや、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末やウェアラブル端末等であり、上述した情報処理装置100と、ネットワーク3を介してデータ通信可能に接続されており、必要なデータの送受信や各種処理を実行する。
【0031】
端末200は、端末制御部210として、上述した情報処理装置100における制御部と同様に、CPU、GPU、RAM、ROM等を備える。端末200は、通信部220として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイスを備える。また、端末200は、記憶部230として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、端末200は、入出力部240として、データや画像や音声等を入出力する入出力デバイス等を備える。
【0032】
[情報処理システム1による情報処理]
図3に基づいて、情報処理装置100と端末200が実行する情報処理について説明する。
図3は、情報処理装置100と端末200が実行する情報処理を示すフローチャート図である。上述した各部が実行する処理について、本処理にあわせて説明する。ここでの情報処理とは、例えば電子カルテシステム(PlusUs Karte V3)が提供するサービスであり、ユーザ5である病院内の医師、看護師、放射線技師、作業療法士、受付、等、複数人が利用するものとする。
【0033】
情報処理装置100は、Webサイト実行部101により、Webサイトを提供するためのWebアプリケーションプログラムを2以上実行することができる。ここでは、情報処理システム1のために、ルーティングWebサイトと、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3という4つのWebサイトを備える構成であるものとする。この場合、Webサイトが3つであるため、Webアプリケーションプログラムを3実行できる例となる。
【0034】
図4は、情報処理システム1のWebサイト構成の一例である。Webサイトとして、ルーティングWebサイトと、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3という4つのWebサイトを備える。Webサイト名として、ルーティングWebサイトの名称はPlusUsKarteV3、Webサイト1の名称はPlusUsKarteV3S1、Webサイト2の名称はPlusUsKarteV3S2、Webサイト3の名称はPlusUsKarteV3S3とする。アプリケーションプールの名称は、ここでは、Webサイトの名称と一緒とする。物理フォルダの名称は、ルーティングWebサイトはWeb、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3はWeb_YYYYMMDD_XX.Xとする。ここで、YYYYMMDDは、日付によるバージョン番号、XX.Xはパッチ番号を表すものとする。ポート番号は、ルーティングWebサイト、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3で共通でよい。
【0035】
図3のフローチャートに戻り、まず、ユーザ5が利用する端末200は、情報処理システム1を起動する(ステップS301)。ここでの情報処理システム1は、例えばWebサイトにより提供する電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)である。
【0036】
情報処理装置100のアクセス受付部102は、端末200から、情報処理システム1であるWebサイトを起動するというアクセスを受け付ける(ステップS302)。ここで、電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)を起動するために、ルーティングWebサイトのアドレス情報を受け付ける。アドレス情報を受け取るようにしておくことで、様々なルーティングWebサイトを指定することが可能となり、電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)だけでなく、ほかのシステムやサービスも運用することができる。
【0037】
端末200からの情報処理システム1の起動により、情報処理装置100のルーティング部104は、アクティブWebサイトに接続する(ステップS303)。アクティブWebサイトとは、Webサイト1、Webサイト2、Webサイト3のうち、ルーティングWebサイトからルーティングして接続するように設定されているWebサイトのことである。ここでのアクティブWebサイトは、Webサイト1であるとして、Webサイト1に接続する。Webサイト1では、電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)の2016/8/31版のアプリケーションプログラムが実行されているものとする。
【0038】
ユーザ端末200は、アクティブWebサイトであるWebサイト1にログインする(ステップS304)。Webサイト1へのログイン後、ユーザ5の利用する端末200は、Webサイト1に設定されているバージョンのこの2016/8/31版のアプリケーションプログラムによる電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)を利用可能となる。
【0039】
ユーザ端末200は、電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)の利用が終了したら、アクティブWebサイトであるWebサイト1からログアウトする(ステップS305)。
【0040】
もし、2016/8/31版のアプリケーションプログラムに問題が発生した場合には、緊急に対策版をリリースする必要がある。この対策版を2016/8/31版パッチ1とする。情報処理装置100のサービス継続部103により、Webサイト1は、2016/8/31版のアプリケーションプログラムで電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)を提供し続ける。また、情報処理装置100のルーティング部104は、Webサイト2のアプリケーションプログラムを2016/8/31版パッチ1に更新する(ステップS306)。
【0041】
アプリケーションプログラムの更新後、情報処理装置100は、Webサイト2の2016/8/31版パッチ1を検証する(ステップS307)。検証は、2016/8/31版パッチ1が問題ないことが確認できるまで行うものとする。本フローには記載していないが、検証で問題があった場合には、更に、Webサイト2のアプリケーションプログラムの更新を行うものとする。
【0042】
Webサイト2のアプリケーションプログラムの更新後、情報処理装置100のルーティング部104は、アクティブWebサイトをWebサイト2に切り替える(ステップS3078。
【0043】
アクティブWebサイトをWebサイト2に切り替えた後、ユーザ5が利用する端末200より、情報処理システム1を起動する(ステップS309)。
【0044】
端末200からの情報処理システム1の起動により、情報処理装置100のルーティング部104は、アクティブWebサイトに接続する(ステップS309)。ここでのアクティブWebサイトは、Webサイト2であり、Webサイト2では、電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)の2016/8/31版パッチ1のアプリケーションプログラムが実行されている。
【0045】
情報処理装置100のアクセス受付部102は、端末200から、Webサイトを起動するというアクセスを受け付ける(ステップS310)。
【0046】
端末200からの情報処理システム1の起動により、情報処理装置100のルーティング部104は、アクティブWebサイトに接続する(ステップS311)。ここでのアクティブWebサイトは、Webサイト2であるとして、Webサイト2に接続する。Webサイト2では、電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)の2016/8/31版パッチ1のアプリケーションプログラムが実行されているものとする。
【0047】
ユーザ端末200は、アクティブWebサイトであるWebサイト2にログインする(ステップS312)。Webサイト2へのログイン後、ユーザ5の利用する端末200は、Webサイト2に設定されているバージョンのこの2016/8/31版パッチ1のアプリケーションプログラムによる電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)を利用可能となる。
【0048】
ユーザ端末200は、電子カルテシステム(PlusUsKarteV3)の利用が終了したら、アクティブWebサイトであるWebサイト2からログアウトする(ステップS313)。
【0049】
Webサイト2のアプリケーションプログラムを2016/8/31版パッチ1に更新が完了した後に、一度ログアウトしたユーザ5又は別のユーザ5が、端末200を使用して、情報処理システム1を利用するためのWebサイトにアクセスした場合、情報処理装置100は、端末200をWebサイト2にルーティングして接続する。しかし、アクティブWebサイトをWebサイト2に切り替えた後であっても、切り替え前に情報処理システム1にログインしていて、ログアウトを行っていない端末200は、2016/8/31版のままとなる。
【0050】
以上が、情報処理システム1による情報処理である。
【0051】
このような情報処理装置1によれば、Webサービスを停止させずに、アプリケーションプログラムの更新を可能とする情報処理装置、情報処理方法及びそのプログラムを提供することができる。また、本情報処理装置1によれば、ユーザ5に対して、サーバの切り替え等の特別な操作を求めることもなく、かつ、ユーザ5に対して、アプリケーションプログラムが入れ替わったことを感じさせずに更新を行うことができる。障害が発生した場合に、迅速にプログラム修正を行い対策版をリリースできること、Webサービスを停止させずに更新を行えることから、病院担当者らのシステム停止やそのための調整等の負担を軽減することができる。
【0052】
[アプリケーションプログラム更新時の処理]
図5は、情報処理システム1のアプリケーションプログラム更新時の処理の一例である。
図5を用いて、アプリケーションプログラムのリリースと、アクティブWebサイトの設定、アクセスのタイミングによるアプリケーションプログラムのバージョンについて説明する。
【0053】
図5の(1)に示すように、2016/8/31版アプリケーションプログラムの定期リリースを行う場合、「Webサイト1に2016/8/31版アプリケーションプログラムをリリース」し、「ルーティングWebサイトのアクティブWebサイトにWebサイト1を設定」する。これ以降、ルーティングWebサイトにアクセスする場合には、2016/8/31版アプリケーションプログラムの実行されるWebサイト1に接続される。
【0054】
次に、
図5の(2)に示すように、リリース翌日に問題が発生し緊急リリースが必要となった場合、「Webサイト2に2016/8/31版パッチ1アプリケーションプログラムをリリース」し、「Webサイト2で問題個所の検証」を行う。
【0055】
Webサイト2の検証に問題がなかった場合、
図5の(3)に示すように、本番環境へと移行し、「ルーティングWebサイトのアクティブWebサイトにWebサイト2を設定」する。これ以降、ルーティングWebサイトにアクセスする場合には、2016/8/31版パッチ1アプリケーションプログラムの実行されるWebサイト2に接続される。しかし、アクティブWebサイトをWebサイト2に切り替えた後であっても、(1)以降にログインして、ログアウトを行っていない端末200は、2016/8/31版のままとなる。
【0056】
次に、
図5の(4)に示すように、2016/9/15版アプリケーションプログラムの定期リリースを行う場合、「Webサイト3に2016/9/15版アプリケーションプログラムをリリース」し、「ルーティングWebサイトのアクティブWebサイトにWebサイト3を設定」する。これ以降、ルーティングWebサイトにアクセスする場合には、2016/9/15版アプリケーションプログラムの実行されるWebサイト3に接続される。しかし、アクティブWebサイトをWebサイト3に切り替えた後であっても、(1)以降にログインして、ログアウトを行っていない端末200は、2016/8/31版のままとなる。また、(3)以降にログインして、ログアウトを行っていない端末200は、2016/8/31版パッチ1のままとなる。
【0057】
次に、
図5の(5)に示すように、翌日に問題が発生し緊急リリースが必要となった場合、「Webサイト1のサイトを停止」して、「Webサイト1に2016/9/15版パッチ1アプリケーションプログラムをリリース」し、「Webサイト1で問題個所の検証」を行う。
【0058】
Webサイト1の検証に問題がなかった場合、
図5の(6)に示すように、本番環境へと移行し、「ルーティングWebサイトのアクティブWebサイトにWebサイト1を設定」する。これ以降、ルーティングWebサイトにアクセスする場合には、2016/9/15版パッチ1アプリケーションプログラムの実行されるWebサイト1に接続される。(1)以降にログインして、ログアウトを行っていない端末200は、(5)で「Webサイト1のサイトを停止」した際に、ログアウトを促すこととする。ログアウト後に、その時点でのアクティブWebサイトに自動で接続するような設定を設けてもよい。(3)以降にログインして、ログアウトを行っていない端末200は、2016/8/31版パッチ1のままとなる。また、(4)以降にログインして、ログアウトを行っていない端末200は、2016/9/15版のままとなる。
【0059】
以上が、アプリケーションプログラム更新時の処理である。
【0060】
このように、Webサービスを停止させずに、アプリケーションプログラムの更新を可能とする情報処理装置、情報処理方法及びそのプログラムを提供することができる。また、ユーザ5に対して、サーバの切り替え等の特別な操作を求めることもなく、かつ、ユーザ5に対して、アプリケーションプログラムが入れ替わったことを感じさせずに更新を行うことができる。障害が発生した場合に、迅速にプログラム修正を行い対策版をリリースできること、Webサービスを停止させずに更新を行えることから、病院担当者らのシステム停止やそのための調整等の負担を軽減することができる。
【0061】
[アクティブWebサイト切り替え画面]
図6は、アクティブWebサイト切り替え画面の一例である。例えば、
図3のフローのステップS308のように、情報処理装置100のルーティング部104がアクティブWebサイトを切り替える際に、情報処理システム1の管理者に対して
図6のような画面を表示して、アクティブWebサイトをどのWebサイトにするか設定させてよい。
図6では、ラジオボタンでアクティブWebサイトを選択する例を示している。一番上のラジオボタンが、Webサイト1に、2016/8/31版のアプリケーションプログラムがリリースされていることを示す。真ん中のラジオボタンが、Webサイト2に、2016/8/31版パッチ1のアプリケーションプログラムがリリースされていることを示す。一番下のラジオボタンが、Webサイト3に、2016/9/15版のアプリケーションプログラムがリリースされていることを示す。
図6では、一番上のラジオボタンが選択されているので、アクティブWebサイトがWebサイト1(2016/8/31版)に設定されている。例えば、アクティブWebサイトをWebサイト2(2016/8/31版パッチ1)に切り替えたい場合には、ラジオボタンで真ん中を選択して、画面右上の[切替]ボタンを選択すればよい。
【0062】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されてよい。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0064】
1 情報処理システム
3 ネットワーク
5 ユーザ
100 情報処理装置
101 Webサイト実行部
102 アクセス受付部
103 サービス継続部
104 ルーティング部
110 制御部
120 通信部
130 記憶部
200 端末
210 端末制御部
220 通信部
230 記憶部
240 入出力部