(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156800
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】吐出口用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
B05B 1/34 20060101AFI20221006BHJP
B05B 1/02 20060101ALI20221006BHJP
B05B 7/04 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B05B1/34
B05B1/02 101
B05B7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060672
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】396013329
【氏名又は名称】株式会社クレオ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】亀田 寿佳
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033AA04
4F033BA02
4F033BA03
4F033CA14
4F033DA01
4F033EA01
4F033LA01
4F033LA09
4F033NA01
4F033QA09
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB17
4F033QC05
4F033QD06
4F033QD11
4F033QE06
4F033QE19
4F033QF03X
4F033QF03Y
4F033QJ04
4F033QJ08
4F033QJ12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】吐出方向等を制御することで泡状混合物吐出ガンの使い勝手をよくする吐出口用アタッチメントを提供する。
【解決手段】泡状混合物3を吐出する泡状混合物吐出ガンに設置されて使用される吐出口用アタッチメント1であって、内部を泡状混合物吐出ガンから吐出された泡状混合物3が流れるアタッチメント本体部9と、アタッチメント本体部9から吐出された泡状混合物3が、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向に対して第1の角度で交差する方向であって、アタッチメント本体部から離れる方向になるように、泡状混合物3が進む方向を変える第1の吐出方向変更部11とを有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡状混合物を吐出する泡状混合物吐出ガンの吐出口に設置されて使用される吐出口用アタッチメントであって、
筒状に形成され、内部を前記泡状混合物吐出ガンの吐出口から吐出された泡状混合物が流れるアタッチメント本体部と、
前記アタッチメント本体部に設置され、前記アタッチメント本体部の吐出口(13)から吐出された前記泡状混合物の少なくとも一部が、前記筒状のアタッチメント本体部の中心軸の延伸方向に対して第1の角度で交差する方向であって、前記アタッチメント本体部から離れる方向になり、さらに、前記筒状のアタッチメント本体部の中心軸の延伸方向で見て一方の側に向かう方向になるように、前記泡状混合物が進む方向を変える第1の吐出方向変更部と、
を有する吐出口用アタッチメント。
【請求項2】
前記アタッチメント本体部は、外観が円錐台状に形成されているとともに、内部の空間が外観の円錐台よりも小さい円錐台状に形成されており、円錐台状の内部の空間の小さい円の開口部が前記泡状混合物の吐出口になっており、
前記第1の吐出方向変更部は、円筒状の第1の吐出方向変更部本体部と、筒状に形成されており前記第1の吐出方向変更部本体部の一方に開口部から中心角が鋭角である円弧を描くように曲がって突出している円弧状突出部とを備えて構成されており、
前記第1の吐出方向変更部は、前記円筒状の第1の吐出方向変更部本体部に前記アタッチメント本体部が挿入され、前記円弧状突出部が前記アタッチメント本体部から突出して、前記アタッチメント本体部に設置されるように構成されている請求項1に記載の吐出口用アタッチメント。
【請求項3】
筒状に形成されており、前記第1の吐出方向変更部を覆うように、前記第1の吐出方向変更部に設置され、前記第1の吐出方向変更部から吐出された泡状混合物のうちで、前記アタッチメント本体部内での泡状混合物が流れる方向に対して直交する方向に流れる泡状混合物の吐出方向を、前記筒状のアタッチメント本体部の中心軸の延伸方向に対して第2の角度で交差する方向に変える第2の吐出方向変更部を有する請求項1または請求項2に記載の吐出口用アタッチメント。
【請求項4】
第2の吐出方向変更部は、内部の空間が径の大きな円柱状の空間と径の小さな円柱状の空間とで構成されている円筒状に形成されており、前記径の小さな円柱状の空間に円筒状の前記第1の吐出方向変更部が挿入され、前記径の大きな円柱状の空間内に、前記第1の吐出方向変更部の円弧状突出部の総てが入り込んで、前記第1の吐出方向変更部に設置されるように構成されている請求項3に記載の吐出口用アタッチメント。
【請求項5】
筒状に形成されており、前記泡状混合物吐出ガンと前記アタッチメント本体部との間に設置され、内部を流れる泡状混合物を攪拌することで一層泡立たせる撹拌体を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吐出口用アタッチメント。
【請求項6】
前記撹拌体は、筒状の撹拌体本体部と、目の細かい網目を備えて板状に形成されている複数の網目状部材を備えて構成されており、
前記複数の網目状部材は、これらの厚さ方向が前記筒状の撹拌体本体部の軸の延伸方向と一致するようにして、前記筒状の撹拌体本体部の軸の延伸方向で所定の間隔をあけ、前記筒状の撹拌体本体部の内部空間に設置されているとともに、前記筒状の撹拌体本体部の内部空間を流れる泡状混合物の総てが前記網目状部材を通過するように構成されている請求項5に記載の吐出口用アタッチメント。
【請求項7】
前記第1の吐出方向変更部は弾性を備えており、前記アタッチメント本体部から吐出された泡状混合物がぶつかることで、このぶつかった部位とこの近傍の部位とが、短い周期で、僅かな弾性変形と復元とを繰り返すように構成されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吐出口用アタッチメント。
【請求項8】
泡状混合物を吐出する泡状混合物吐出ガンの吐出口に設置されて使用される吐出口用アタッチメントであって、
前記泡状混合物を吐出する吐出口を備え、前記泡状混合物吐出ガンに設置されることで、前記吐出口から吐出される泡状混合物の吐出方向を、前記泡状混合物吐出ガンの吐出口における泡状混合物の吐出方向とは異なる所定の方向に変える吐出口用アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出口用アタッチメントに係り、特に、泡状混合物を吐出する泡状混合物吐出ガンの吐出口に設置されて使用されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エアー混合式発泡機で生成された泡状混合物(たとえば、洗剤と水と空気との泡状混合物)311を洗浄対象に向けて吐出する泡状混合物吐出ガン301が知られている(
図11参照)。なお、エアー混合式発泡機と洗浄対象は、
図11では図示していない。
【0003】
泡状混合物吐出ガン301は、泡状混合物吐出ガン本体部303とフィルタ入りジョイント305とランス307とを備えて構成されている。
【0004】
泡状混合物吐出ガン本体部303には、エアー混合式発泡機で生成された泡状混合物311を泡状混合物吐出ガン本体部303に供給するホース310が接続されている。
【0005】
フィルタ入りジョイント305は、泡状混合物吐出ガン本体部303の吐出口(泡状混合物の吐出口)に接続されており、ランス307は、フィルタ入りジョイント305の吐出口(泡状混合物の吐出口)に接続されている。また、ランス307は、細長い筒状に形成されている。
【0006】
そして、泡状混合物吐出ガン本体部303に設けられている引き金309を操作すると、泡状混合物吐出ガン本体部303に供給され泡状混合物吐出ガン本体部303の吐出口から吐出された泡状混合物311が、
図11で示すように吐出されるのである。
【0007】
さらに説明すると、泡状混合物吐出ガン本体部303の吐出口から吐出された泡状混合物311が、フィルタ入りジョイント305内とランス307内とを流れ、細長いランス307先端の吐出口313から吐出されるようになっている。
【0008】
この吐出された泡状混合物311を、洗浄対象に向けて洗浄対象にぶつけることで、洗浄対象が洗浄されるのである。ここで、従来の技術に関連する文献として特許文献1、特許文献2を掲げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開昭S58-78161号公報
【特許文献2】特開平11-333333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、泡状混合物吐出ガン301では、泡状混合物311が、ランス307の長手方向と同方向に、ランス307の吐出口313から勢いよく吐出される。すなわち、
図11で示す泡状混合物311の立体角に値が小さくなっており、吐出口313からの泡状混合物311吐出速度がかなり速くなっている。
【0011】
吐出口313からの泡状混合物311の吐出速度が速いほうが、洗浄対象からの異物(ゴミ等)の離脱が促進される。しかし、吐出口313からの泡状混合物311の吐出の勢いよすぎて、使い勝手が悪くなってしまう場合がある。
【0012】
たとえば、泡状混合物311を洗浄対象に向けて吐出すると、洗浄対象にぶつかった泡状混合物311の跳ね返りが勢いよく発生する。この場合、洗浄対象の周辺に他の洗浄対象があると、跳ね返った泡状混合物311が、他の洗浄対象のところまで飛び散ってしまい、他の機器等に汚損が発生してしまうおそれがある。
【0013】
ここで、工場等の建屋の中に、複数の製造ラインが、お互いが近接している態様で設置されており、1つの製造ラインが洗浄対象となっていることで停止しており、この1つの製造ラインと隣り合っている他の製造ラインが稼働していることを想定する。
【0014】
停止している1つの製造ラインの機器(洗浄対象)に泡状混合物311をぶつけている洗浄をしているときに、跳ね返った泡状混合物311が、他の稼働している製造ラインのところまで飛び散ることがある。このような事態は、泡状混合物311に洗剤が入っていること等の事情により、発生してはならないことである。
【0015】
本発明は、泡状混合物吐出ガンから吐出される泡状混合物の吐出方向等を制御することで、泡状混合物吐出ガンの使い勝手をよくすることできる吐出口用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の発明は、泡状混合物を吐出する泡状混合物吐出ガンの吐出口に設置されて使用される吐出口用アタッチメントであって、筒状に形成され、内部を前記泡状混合物吐出ガンの吐出口から吐出された泡状混合物が流れるアタッチメント本体部と、前記アタッチメント本体部に設置され、前記アタッチメント本体部の吐出口から吐出された前記泡状混合物の少なくとも一部が、前記筒状のアタッチメント本体部の中心軸の延伸方向に対して第1の角度で交差する方向であって、前記アタッチメント本体部から離れる方向になり、さらに、前記筒状のアタッチメント本体部の中心軸の延伸方向で見て一方の側に向かう方向になるように、前記泡状混合物が進む方向を変える第1の吐出方向変更部とを有する吐出口用アタッチメントである。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記アタッチメント本体部は、外観が円錐台状に形成されているとともに、内部の空間が外観の円錐台よりも小さい円錐台状に形成されており、円錐台状の内部の空間の小さい円の開口部が前記泡状混合物の吐出口になっており、前記第1の吐出方向変更部は、円筒状の第1の吐出方向変更部本体部と、筒状に形成されており前記第1の吐出方向変更部本体部の一方に開口部から中心角が鋭角である円弧を描くように曲がって突出している円弧状突出部とを備えて構成されており、前記第1の吐出方向変更部は、前記円筒状の第1の吐出方向変更部本体部に前記アタッチメント本体部が挿入され、前記円弧状突出部が前記アタッチメント本体部から突出して、前記アタッチメント本体部に設置されるように構成されている請求項1に記載の吐出口用アタッチメントである。
【0018】
請求項3に記載の発明は、筒状に形成されており、前記第1の吐出方向変更部を覆うように、前記第1の吐出方向変更部に設置され、前記第1の吐出方向変更部から吐出された泡状混合物のうちで、前記アタッチメント本体部内での泡状混合物が流れる方向に対して直交する方向に流れる泡状混合物の吐出方向を、前記筒状のアタッチメント本体部の中心軸の延伸方向に対して第2の角度で交差する方向に変える第2の吐出方向変更部を有する請求項1または請求項2に記載の吐出口用アタッチメントである。
【0019】
請求項4に記載の発明は、第2の吐出方向変更部は、内部の空間が径の大きな円柱状の空間と径の小さな円柱状の空間とで構成されている円筒状に形成されており、前記径の小さな円柱状の空間に円筒状の前記第1の吐出方向変更部が挿入され、前記径の大きな円柱状の空間内に、前記第1の吐出方向変更部の円弧状突出部の総てが入り込んで、前記第1の吐出方向変更部に設置されるように構成されている請求項3に記載の吐出口用アタッチメントである。
【0020】
請求項5に記載の発明は、筒状に形成されており、前記泡状混合物吐出ガンと前記アタッチメント本体部との間に設置され、内部を流れる泡状混合物を攪拌することで一層泡立たせる撹拌体を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の吐出口用アタッチメントである。
【0021】
請求項6に記載の発明は、前記撹拌体は、筒状の撹拌体本体部と、目の細かい網目を備えて板状に形成されている複数の網目状部材を備えて構成されており、前記複数の網目状部材は、これらの厚さ方向が前記筒状の撹拌体本体部の軸の延伸方向と一致するようにして、前記筒状の撹拌体本体部の軸の延伸方向で所定の間隔をあけ、前記筒状の撹拌体本体部の内部空間に設置されているとともに、前記筒状の撹拌体本体部の内部空間を流れる泡状混合物の総てが前記網目状部材を通過するように構成されている請求項5に記載の吐出口用アタッチメントである。
【0022】
請求項7に記載の発明は、前記第1の吐出方向変更部は弾性を備えており、前記アタッチメント本体部から吐出された泡状混合物がぶつかることで、このぶつかった部位とこの近傍の部位とが、短い周期で、僅かな弾性変形と復元とを繰り返すように構成されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吐出口用アタッチメントである。
【0023】
請求項8に記載の発明は、泡状混合物を吐出する泡状混合物吐出ガンの吐出口に設置されて使用される吐出口用アタッチメントであって、前記泡状混合物を吐出する吐出口を備え、前記泡状混合物吐出ガンに設置されることで、前記吐出口から吐出される泡状混合物の吐出方向を、前記泡状混合物吐出ガンの吐出口における泡状混合物の吐出方向とは異なる所定の方向に変える吐出口用アタッチメントである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、泡状混合物吐出ガンから吐出される泡状混合物の吐出方向等を制御することで、泡状混合物吐出ガンの使い勝手をよくすることできる吐出口用アタッチメントを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメントと、この吐出口用アタッチメントが設置される泡状混合物吐出ガンとエアー混合式発泡機とを示す図である。
【
図2】(a)は、本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメントの断面図であり、(b)は、(a)におけるIIB矢視図である。(c)は、(a)におけるIIC矢視図であり、(d)は、(a)におけるIID矢視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメントのアタッチメント本体部を示す図である。
【
図4】(a)は、本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメントの第1の吐出方向変更部の断面図であり、(b)は、(a)におけるIVB矢視図である。(c)は、(a)におけるIVC矢視図であり、(d)は、(a)におけるIVD矢視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメントの第1の吐出方向変更部の製造工程を例示する図である。
【
図6】(a)は、本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメントの第1の吐出方向変更部の断面図であり、(b)は、(a)におけるVIB矢視図である。
【
図7】(a)は、本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメントの撹拌体の断面図であり、(b)は、変形例に係る撹拌体の断面図である。
【
図8】(a)は、
図2(a)と同様な図であって、泡状混合物の流れについて説明する図であり、(b)は、(a)におけるVIIIB矢視図である。
【
図9】(a)は、
図8(a)において、第2の吐出方向変更部を取り除いたときにおける泡状混合物の流れについて説明する図であり、(b)は、(a)におけるIXB矢視図である。
【
図10】変形例に係る吐出口用アタッチメントを示す図である。
【
図11】従来の泡状混合物吐出ガンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態に係る吐出口用アタッチメント1は、
図1で示すように、泡状混合物(泡状の混合物)3を吐出する泡状混合物吐出ガン(泡状液剤吐出ガン)5の吐出口7に設置されて使用されるものである。また、吐出口用アタッチメント1は、
図2で示すように、アタッチメント本体部(アタッチメント本体)9と第1の吐出方向変更部(第1の吐出方向変更片)11とを備えて構成されている。
【0027】
泡状混合物3は、たとえば、エアー混合式発泡機12で生成された洗剤と水と空気との混合物である。なお、泡状混合物吐出ガン5として、たとえば、従来の泡状混合物吐出ガン本体部303と同じものが使用される。また、エアー混合式発泡機12として、たとえば、従来のエアー混合式発泡機と同じものが使用される。さらに、泡状混合物吐出ガン5、エアー混合式発泡機12として、たとえば、SEKO社のプロツインフォームキットというものが使用される。
【0028】
アタッチメント本体部9は、筒状に形成されており、一方の開口部(第1の開口部)が泡状混合物吐出ガン5の吐出口7から吐出された泡状混合物3の入り口になっている。一方の開口部が、泡状混合物吐出ガン5における泡状混合物の吐出口7に、直接もしくは間接的に接続されるようになっている。そして、アタッチメント本体部9の筒の内部を泡状混合物吐出ガン5の吐出口7から吐出された泡状混合物3が流れる(移動する)ようになっている。また、アタッチメント本体部9の他方の開口部(第2の開口部)が泡状混合物3の吐出口13になっている。
【0029】
第1の吐出方向変更部11は、アタッチメント本体部9の他方の開口部(第2の開口部)側の部位に設置されるようになっている。そして、アタッチメント本体部9の吐出口(アタッチメント本体部の第2の開口部)13から吐出された泡状混合物3の少なくとも一部の(たとえばほぼ総ての)進行方向が、次に示すような方向に変化するようになっている。
【0030】
すなわち、
図9で示すように、泡状混合物3が、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向に対して第1の角度で交差する方向であって、アタッチメント本体部9から離れる方向に進行するようになっている。
【0031】
アタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向とは、
図9の左右方向であって、アタッチメント本体部9内での泡状混合物3の移動方向である。第1の角度とは、より精確に言えば、第1の角度範囲であり、鋭角と直角と直角よりも僅かに大きい鈍角とを含む範囲である。なお、第1の角度範囲が鈍角を含まない鋭角と直角とを含む範囲である場合もある。さらに、泡状混合物3が、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向で見て一方の側に偏って向かう方向に進行するようになっている。なお、
図9の各矢印が、泡状混合物3の移動方向を示している。
【0032】
筒状のアタッチメント本体部9の長さ寸法(
図3の左右方向の寸法)の値は、従来の泡状混合物吐出ガン301のランス307の長さ寸法の値に比べて十分に小さくなっている。
【0033】
たとえば、泡状混合物吐出ガン301のランス307の長さ寸法の値は、
図11で示すように、泡状混合物吐出ガン本体部303の外形寸法の最大値よりも大きくなっており、1.5倍~4倍程度になっている。泡状混合物吐出ガン本体部303の外形寸法の最大値とは、たとえば、泡状混合物吐出ガン本体部303のグリップ315の先端から吐出口313までの距離の値である。
【0034】
一方、吐出口用アタッチメント1のアタッチメント本体部9の長さ寸法(
図3の左右方向の寸法)の値は、泡状混合物吐出ガン5の外形寸法の最大値以下になっており、0.2倍~1倍程度になっている。吐出口用アタッチメント1の第1の吐出方向変更部11の長さ寸法(
図2(a)(b)の左右方向の寸法)の値も、泡状混合物吐出ガン5の外形寸法の最大値以下になっており、0.1倍~1倍程度になっている。
【0035】
アタッチメント本体部9に第1の吐出方向変更部11が設置されている状態での、アタッチメント本体部9と第1の吐出方向変更部11との長さ寸法の値は、泡状混合物吐出ガン5の外形寸法の最大値以下になっており、0.2倍~1倍程度になっている。泡状混合物吐出ガン5の外形寸法の最大値とは、たとえば、泡状混合物吐出ガン5のグリップ15の先端から吐出口7までの距離の値である。
【0036】
アタッチメント本体部9の吐出口13から吐出された泡状混合物3の少なくとも一部は、第1の吐出方向変更部11の内壁の一部にぶつかって進む方向を変え、第1の吐出方向変更部11の吐出口17から吐出されるようになっている。さらに、アタッチメント本体部9の吐出口13から吐出されて第1の吐出方向変更部11の内壁にぶつからなかった泡状混合物3であっても、第1の吐出方向変更部11の内壁にぶつかって跳ね返った泡状混合物3にぶつかり、進行方向を変えるようになっている。
【0037】
ここで、説明の便宜のために、泡状混合物吐出ガンの吐出口における泡状混合物の吐出方向をX方向(第1の方向)とし、X方向に対して直交する所定の一方向をY方向(第2の方向)とし、X方向とY方向とに対して直交する方向をZ方向とする。
【0038】
泡状混合物吐出ガン5の吐出口7における泡状混合物3の吐出方向は、X方向であってX方向の一方の側から他方の側に向かう方向(
図2(a)(b)では右から左に向かう方向)になっている。また、アタッチメント本体部9の内での泡状混合物3が流れる方向もX方向であってX方向の一方の側から他方の側に向かう方向になっている。
【0039】
なお、吐出口用アタッチメント1によって、泡状混合物吐出ガン5の吐出口7から吐出された泡状混合物3が、アタッチメント本体部9の吐出口13からX方向で僅かに離れたところで、第1の吐出方向変更部11によって進行方向を変えるようになっている。
【0040】
第1の吐出方向変更部11によって変えられた泡状混合物3の進行進む方向を第1の変更後方向とする。
図9で示すように、第1の角度範囲が鋭角である場合、Z方向で見ると、第1の変更後方向は、X方向に対して斜めに交差する方向であって、泡状混合物吐出ガン5の吐出口7から離れる方向になっている。
【0041】
第1の角度範囲が直角よりも僅かに大きい鈍角である場合、Z方向で見ると、第1の変更後方向は、X方向に対して斜めに交差する方向であって、泡状混合物吐出ガン5の吐出口7に近づく方向になっている。また、X方向で見ると、第1の変更後方向は、Y方向の一方の側から他方の側に向かう方向になっている。
【0042】
ただし、吐出され進行するものが泡状混合物3であるので、すでに理解されるように、第1の変更後方向での泡状混合物3の総てがお互いに平行な流れになっているのではない。泡状混合物3の吐出方向(特に吐出口用アタッチメント1の第1の吐出方向変更部11の吐出口17からの吐出方向)は、Z方向やX方向で見て、たとえば、扇形状(中心角が小さな鋭角である扇形の形状)になっており、ある程度の広がりを持っている。さらに説明すると、第1の吐出方向変更部11の吐出口17から吐出される泡状混合物3の立体角の値は、
図11で示す泡状混合物311の立体角に値よりも大きくなっている。
【0043】
アタッチメント本体部9は、外観が円錐台状に形成されているとともに、内部の空間19が外観の円錐台よりも小さい円錐台状に形成されている。なお、上記2つの円錐台の中心軸はお互いが一致している。
【0044】
円錐台状の内部の空間19の大きい円の開口部が上述した一方の開口部(泡状混合物3の入り口)になっており、円錐台状の内部の空間19の小さい円の開口部が上述した他方の開口部(泡状混合物3の吐出口13)になっている。
【0045】
第1の吐出方向変更部11は、
図2(a)、
図4等で示すように、円筒状の第1の吐出方向変更部本体部21と、円弧状突出部23とを備えて構成されている。円弧状突出部23は、筒状に形成されおり第1の吐出方向変更部本体部21の一方に開口部から中心角が鋭角である円弧を描くように曲がって突出している。
【0046】
第1の吐出方向変更部本体部21の筒の内壁と円弧状突出部23の筒の内壁との境界には段差が形成されておらず、第1の吐出方向変更部本体部21の筒の内壁と円弧状突出部23の筒の内壁とは、滑らかに面の形状が変化する態様でつながっている。
【0047】
円弧状突出部23は、まず、1つの平面に、お互いの中心が一致している径の大きい円と径の小さい円で構成される二重円と、上記二重円のうちの大きいほうの円に接する所定の1本の直線とを描く。続いて、上記所定の1本の直線回りで、上記二重円を60°等の鋭角分回動させる。円弧状突出部23は、このときに、上記二重円の回動の軌跡であらわされる立体形状になっている。
【0048】
なお、第1の吐出方向変更部11では、第1の吐出方向変更部本体部21の断面形状(円筒の中心軸に対して直交する平面による断面の二重円)と、円弧状突出部23の形状説明で使用した二重円の形状とはお互いが一致している。また、第1の吐出方向変更部11では、第1の吐出方向変更部本体部21と円弧状突出部23との境界で、円筒状の第1の吐出方向変更部本体部21の二重円の総てと、円弧状突出部23の二重円の総てとがお互いに重なっている。
【0049】
さらに、円弧状突出部23が、上記二重円を大きい円の外側で、上記二重円から僅かに離れた所定の1本の直線回りで、60°等の鋭角分回動させたときに、上記二重円の軌跡であらわされる立体形状になっていてもよい。
【0050】
第1の吐出方向変更部11について、
図5を参照しつつ表現を変えてさらに説明する。第1の吐出方向変更部11は、円筒状の素材25をこの中間部でたとえば直角に曲げ、この直角に曲がった部位を、斜めに展開している1つの平面27で2つの物体の分割したことで得られる。なお、2つの物体のうちの一方の物体が第1の吐出方向変更部11になる。
【0051】
第1の吐出方向変更部11は、
図2で示すように、円筒状の第1の吐出方向変更部本体部21にアタッチメント本体部9が挿入され、円弧状突出部23がアタッチメント本体部9から突出して、アタッチメント本体部9に設置されるように構成されている。
【0052】
また、吐出口用アタッチメント1は、
図2、
図8で示すように、第2の吐出方向変更部(第2の吐出方向変更片)29を有する。第2の吐出方向変更部29は、筒状に形成されており、第1の吐出方向変更部11を隠し覆うようにして、第1の吐出方向変更部11(アタッチメント本体部)9に設置されるようになっている。
【0053】
第2の吐出方向変更部29は、第1の吐出方向変更部11の吐出口17から吐出された泡状混合物3のうちで、X方向に対して直交する方向(Y方向)に流れる泡状混合物3の吐出方向を、次に示す方向に変えるようになっている。ずなわち、
図8の矢印A81で示す方向を
図8の矢印A82で示す方向の変えるようになっている。なお、X方向に対して直交する方向は、直角に近い鈍角や鋭角で交差する方向も含む。
【0054】
2の吐出方向変更部29の、上述した次に示す方向は、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向に対して第2の角度(第2の角度範囲;鋭角)で交差する方向である。
【0055】
さらに説明すると、第2の吐出方向変更部29によって変えられた泡状混合物3の進行方向を第2の変更後方向とする。Z方向で見ると、第2の変更後方向は、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向に対して第2の角度(第2の角度範囲;鋭角)で交差する方向になっている。また、アタッチメント本体部9から離れる方向になっている。また、X方向で見ると、第2の変更後方向は、第1の変更後方向と同様に一方の側に向かう方向になっている。
【0056】
また、第2の吐出方向変更部29の吐出口47から吐出される泡状混合物3の立体角の値は、
図11で示す泡状混合物311の立体角に値よりも大きくなっている。さらに、第1の吐出方向変更部11の吐出口13から吐出される泡状混合物3の立体角の値(
図9参照)よりも僅かに小さくなっている。
【0057】
吐出口用アタッチメント1の第2の吐出方向変更部29の長さ寸法の値は、第1の吐出方向変更部11の長さ寸法の値と同程度になっている。
【0058】
アタッチメント本体部9に第1の吐出方向変更部11と第2の吐出方向変更部29とが設置されている状態での、第2の吐出方向変更部29等の長さ寸法の値は、泡状混合物吐出ガン5の外形寸法の最大値以下になっており、0.3倍~1倍程度になっている。
【0059】
第2の吐出方向変更部29は、
図6で示すように、内部の空間が径の大きな円柱状の空間31と径の小さな円柱状の空間33とで構成されている円筒状に形成されている。そして、径の小さな円柱状の空間33に第1の吐出方向変更部11の円筒状の第1の吐出方向変更部本体部21が挿入されようになっている。また、径の大きな円柱状の空間31内に、第1の吐出方向変更部11の円弧状突出部23の総てが入り込んで、第2の吐出方向変更部29が第1の吐出方向変更部11(アタッチメント本体部9)に設置されるように構成されている。
【0060】
また、吐出口用アタッチメント1は、
図7で示すような、撹拌体35を備えて構成されている。撹拌体35は、筒状に形成されている。撹拌体35は、一方の開口部(第1の開口部)が泡状混合物吐出ガン5の吐出口7に直接接続され、他方の開口部(第2の開口部)がアタッチメント本体部9の泡状混合物3の入口に直接接続されるようになっている。
【0061】
すなわち、撹拌体35は、泡状混合物吐出ガン5とアタッチメント本体部9との間に設置され、内部を流れる泡状混合物3を攪拌することで一層泡立たせるようになっている。撹拌体35の長さ寸法の値は、第1の吐出方向変更部11の長さ寸法の値と同程度になっている。
【0062】
撹拌体35は、
図7(a)で示すように、筒状の撹拌体本体部37と、目の細かい網目を備えて板状に形成されている複数の(たとえば2枚の)網目状部材(たとえば網目状フィルタ)39を備えて構成されている。
【0063】
複数の網目状部材39は、これらの厚さ方向が筒状の撹拌体本体部37の軸の延伸方向と一致するようにして、筒状の撹拌体本体部37の軸の延伸方向で所定の間隔をあけ、筒状の撹拌体本体部37の内部空間に設置されている。円筒状の撹拌体本体部37の内部空間を流れる泡状混合物3の総てが網目状部材39を通過するように構成されている。
【0064】
第1の吐出方向変更部11は、合成ゴム等の材料で構成されていることで弾性を備えている。そして、アタッチメント本体部9から吐出された泡状混合物(乱流の形態の吐出された泡状混合物)3がぶつかることで、このぶつかった部位とこの近傍の部位とが、短い周期で、僅かな弾性変形と復元とを繰り返すように構成されている。
【0065】
これに対して、第1の吐出方向変更部11以外のアタッチメント本体部9や第2の吐出方向変更部29は、剛性の高い(本件発明では剛体とみなせる剛性を備えた)合成樹脂で構成されているので、上記弾性変形と復元とを繰り返すことはほぼ無いのである。
【0066】
ここで、吐出口用アタッチメント1についてさらに詳しく説明する。
【0067】
図1で示すように、泡状混合物吐出ガン5は、可撓性のある配管部材41でエアー混合式発泡機12とつながっており、エアー混合式発泡機12から泡状混合物3の供給を受けるようになっている。
【0068】
泡状混合物吐出ガン5には、吐出口用アタッチメント1が設置されている。泡状混合物吐出ガン5は、エアー混合式発泡機12が稼働している状態で、泡状混合物吐出ガン5の操作部43が矢印で示すように回動されると、吐出口用アタッチメント1から泡状混合物3が吐出するようになっている。
【0069】
また、
図3で示すように、アタッチメント本体部9は、一方の端部にはオスネジ部45が形成されており、泡状混合物吐出ガン5の吐出口7には図示しないメスネジ部が設けられている。さらに、撹拌体35にも図示してはいないが、適宜ネジ部が設けられている。
【0070】
そして、上記ネジ部によって、泡状混合物吐出ガン5に撹拌体35が一体的に設置され、撹拌体35にアタッチメント本体部9が一体的に設置されるようになっている。なお、撹拌体35を用いない場合には、アタッチメント本体部9のオスネジ部45が泡状混合物吐出ガン5のメスネジ部に螺合することで、アタッチメント本体部9が泡状混合物吐出ガン5に一体的に設置されるようになっている。
【0071】
図2で示すように、アタッチメント本体部9に第1の吐出方向変更部11と第2の吐出方向変更部29とが設置されている状態では、第1の吐出方向変更部本体部21の端部が、アタッチメント本体部9と第2の吐出方向変更部29とに挟まれて弾性変形している。そして、第1の吐出方向変更部11の付勢力により、アタッチメント本体部9と第1の吐出方向変更部11と第2の吐出方向変更部29とが一体化している。
【0072】
また、X方向で他方の側から一方の側に向かって吐出口用アタッチメント1を見ると、
図2(c)で示すように、第2の吐出方向変更部29の吐出口47の内側に、第1の吐出方向変更部11の吐出口17が入っており、吐出口17の全体が見えている。また、吐出口17を通して、アタッチメント本体部9の吐出口13の下側部位が見えており上側の部位は第1の吐出方向変更部11によって隠されている。
【0073】
次に、
図1で示すエアー混合式発泡機12と吐出口用アタッチメント1が設置されている泡状混合物吐出ガン5との動作について説明する。
【0074】
初期状態では、エアー混合式発泡機12が稼働しているが、泡状混合物吐出ガン5からの泡状混合物3の吐出はされていないものとする。
【0075】
上記初期状態で、泡状混合物吐出ガン5の操作部43を矢印で示す方向に回動させると、泡状混合物吐出ガン5からの泡状混合物3の吐出がされ、吐出口用アタッチメント1から泡状混合物3が吐出される。
【0076】
吐出口用アタッチメント1では、第1の吐出方向変更部11によって、アタッチメント本体部9の吐出口13から吐出された泡状混合物3が、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向に対して第1の角度で交差する方向に進むようになっている。
【0077】
また、吐出口用アタッチメント1では、第1の吐出方向変更部11によって、アタッチメント本体部9の吐出口13から吐出された泡状混合物3が、アタッチメント本体部9から離れる方向に進むようになっている。
【0078】
さらに、吐出口用アタッチメント1では、第1の吐出方向変更部11によって、アタッチメント本体部9の吐出口13から吐出された泡状混合物3が、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向で見て一方の側に向かう方向に進むようになっている。
【0079】
これにより、泡状混合物吐出ガン5から吐出される泡状混合物3の吐出方向が制御され、泡状混合物吐出ガン5の使い勝手をよくすることできる。
【0080】
泡状混合物吐出ガン5から吐出される泡状混合物3の吐出方向が制御されることで、たとえば、洗浄対象にぶつかった泡状混合物3の跳ね返り方向を制御することができ、洗浄対象以外の他の機器等が汚損することが防止される。
【0081】
また、工場等の建屋の中に、複数の製造ラインが、お互いが近接している態様で設置されており、1つの製造ラインが洗浄対象となっていることで停止しており、この1つの製造ラインと隣り合っている他の製造ラインが稼働していることを想定する。
【0082】
この場合、停止している1つの製造ラインの機器(洗浄対象)に泡状混合物をぶつけているときに、跳ね返った泡状混合物が、他の稼働している製造ラインのところまで飛び散ることが防止される。
【0083】
さらに、吐出口用アタッチメント1の長手寸法の値が小さくなっており、泡状混合物吐出ガン5の吐出口7から吐出される泡状混合物3の移動方向が、吐出口用アタッチメント1によって変えられる。これによって、吐出口用アタッチメント1の吐出口から吐出される泡状混合物3の勢いが弱められ、これによっても、泡状混合物吐出ガン5の使い勝手をよくすることできる。
【0084】
また、吐出口用アタッチメント1の長さ寸法の値が、従来の泡状混合物吐出ガン301のランス307の長さ寸法の値の値に比べて十分に小さくなっている。これにより、吐出口用アタッチメント1が設置されている泡状混合物吐出ガン5の取り回しがしやすくなり、使い勝手が良くなる。
【0085】
また、吐出口用アタッチメント1では、第1の吐出方向変更部11が、円筒状の第1の吐出方向変更部本体部21にアタッチメント本体部9が挿入されている。また、円弧状突出部23がアタッチメント本体部9から突出して、アタッチメント本体部9に設置されるように構成されている。これにより、吐出口用アタッチメント1の長さ寸法の値をさらに小さくして使い勝手をさらに良くすることができる。
【0086】
また、アタッチメント本体部9と第1の吐出方向変更部11とが別体で構成されている。これにより、泡状混合物吐出ガン5(アタッチメント本体部9)に対する、第1の吐出方向変更部11の回動角度の調整が容易になり、泡状混合物3の吐出方向(X軸方向で見たときの吐出方向)を容易に調整することができる。
【0087】
また、吐出口用アタッチメント1では、第2の吐出方向変更部29が、第1の吐出方向変更部11を隠して覆うように、第1の吐出方向変更部11(アタッチメント本体部9)に設置されている。これにより、第1の吐出方向変更部11の構成が吐出口用アタッチメント1の外部から見えにくくなっており、第三者が吐出口用アタッチメント1を見たときの模倣を防止することができる。
【0088】
また、吐出口用アタッチメント1では、第2の吐出方向変更部29が、第1の吐出方向変更部11から吐出された泡状混合物3のうちで、X方向に対して直交する方向に流れる泡状混合物3の吐出方向を変えるようになっている。
【0089】
すなわち、第2の吐出方向変更部29が、上述した直交する方向に流れる泡状混合物3の吐出方向を、筒状のアタッチメント本体部9の中心軸の延伸方向に対して第2の角度で交差する方向に変えるようになっている。
【0090】
これにより、たとえば、
図2(a)における紙面の左右方向を水平方向として吐出口用アタッチメント1付きの泡状混合物吐出ガン5を使用すると、次のようになる。すなわち、吐出口用アタッチメント1の第1の吐出方向変更部11の吐出口13から出てきた泡状混合物3の下方への飛び散りが無くなり、泡状混合物吐出ガン5の使い勝手が一層向上する。
【0091】
また、吐出口用アタッチメント1では、第2の吐出方向変更部29が円筒状に形成されており、第1の吐出方向変更部11(アタッチメント本体部9)に設置されるように構成されている。これにより、第2の吐出方向変更部29の設置がしやすくなっているとともに、第1の吐出方向変更部11を的確に隠すことができる。
【0092】
また、吐出口用アタッチメント1では、撹拌体35がこの内部を流れる泡状混合物3を攪拌することで一層泡立たせるようになっている。これにより、良質なシェービングクリームのような泡(泡状混合物3)を吐出口用アタッチメント1から吐出させることができる。
【0093】
また、撹拌体35によって、吐出口用アタッチメント1の吐出口から吐出される泡状混合物3の勢いを弱めることができる。
【0094】
また、吐出口用アタッチメント1では、撹拌体35が、円筒状の撹拌体本体部37と、目の細かい網目状部材39を備えて板状に形成されている。これにより、簡素な構成で良質なシェービングクリームのような泡状混合物3を得ることができる。
【0095】
また、吐出口用アタッチメント1では、第1の吐出方向変更部11が弾性を備えており、アタッチメント本体部9から吐出された泡状混合物3がぶつかるようになっている。そして、このぶつかった部位とこの近傍の部位とが、短い周期で、僅かな弾性変形と復元とを繰り返すように構成されている。
【0096】
これにより、吐出口用アタッチメント1の吐出口から吐出される泡状混合物3の勢いを一層弱めることができる。
【0097】
また、合成ゴムで構成されている第1の吐出方向変更部11が、剛性の高い合成樹脂で構成されている第2の吐出方向変更部29で覆われているので、傷つきやすい第1の吐出方向変更部11が保護される。
【0098】
ところで、
図10(a)で示すように、吐出口用アタッチメント1を、アタッチメント本体部9と第1の吐出方向変更部11と第2の吐出方向変更部29とを一体で構成してもよい。これにより、吐出口用アタッチメント1の泡状混合物吐出ガン5への着脱が容易に早くできる。なお、
図10(a)で示す吐出口用アタッチメント1は剛性の高い構成樹脂等で構成されている。
【0099】
また、
図7(b)で示すように、攪拌体35の攪拌体本体部37をいくつかに(たとえば2つに)分割してもよい。この場合、1つの攪拌体本体部37に1つの網目状部材39が設けられることになる。
【0100】
また、
図9で示すように、第2の吐出方向変更部29を使用しなくてもよい。さらに、攪拌体35を削除し、使用しなくてもよい。また、第2の吐出方向変更部29を使用しない場合において、
図10(b)で示すように、アタッチメント本体部9と第1の吐出方向変更部11とを一体で構成してもよい。
【0101】
ところで、上述した吐出口用アタッチメント1を、泡状混合物を吐出する吐出口を備え、泡状混合物吐出ガンに設置されることで、前記吐出口からの泡状混合物の吐出の勢いを弱め、前記泡状混合物吐出ガンがこの吐出口から水平方向に泡状混合物を吐出している状態で前記吐出口からの泡状混合物の吐出方向を下側に向けて被洗浄物に効率良く泡状混合物をかけるために、前記吐出口から吐出される泡状混合物の吐出方向を、前記泡状混合物吐出ガンの吐出口における泡状混合物の吐出方向とは異なる所定の方向(第1の変更後方向)に変える吐出口用アタッチメントの例である。
【符号の説明】
【0102】
1 吐出口用アタッチメント
3 泡状混合物
5 泡状混合物吐出ガン
7 吐出口(泡状混合物吐出ガンの吐出口)
9 アタッチメント本体部
11 第1の吐出方向変更部
13 吐出口(アタッチメント本体部の吐出口)
19 内部の空間(アタッチメント本体部の内部空間)
21 第1の吐出方向変更部本体部
23 円弧状突出部
29 第2の吐出方向変更部
31 径の大きな円柱状の空間
33 径の小さな円柱状の空間
35 撹拌体
37 撹拌体本体部
39 網目状部材