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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156868
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】売買価格推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221006BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060773
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】519045387
【氏名又は名称】ASSEST株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】澤田 綾子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB50
(57)【要約】
【課題】物品の売買価格をより人手に頼ることなく高精度かつ自動的に推定する。
【解決手段】物品の売買価格を推定する売買価格推定プログラムにおいて、推定対象の物品の製造元のサポート内容に関するサポート情報を取得する情報取得ステップと、物品の製造元のサポート内容に関する参照用サポート情報と、上記物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得したサポート情報に応じた参照用サポート情報に基づき、上記売買対象の物品の売買価格を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の売買価格を推定する売買価格推定プログラムにおいて、
推定対象の物品の製造元のサポート内容に関するサポート情報を取得する情報取得ステップと、
物品の製造元のサポート内容に関する参照用サポート情報と、上記物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得したサポート情報に応じた参照用サポート情報に基づき、上記売買対象の物品の売買価格を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とする売買価格推定プログラム。
【請求項2】
物品の売買価格を推定する売買価格推定プログラムにおいて、
推定対象の物品の保証書に記載されている保証期間及び保証内容を読み取ることで保証情報を取得する情報取得ステップと、
物品の保証書に記載されている保証期間及び保証内容を読み取ることで取得した参照用保証情報と、上記物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した保証情報に応じた参照用保証情報に基づき、上記売買対象の物品の売買価格を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とする売買価格推定プログラム。
【請求項3】
物品の売買価格を推定する売買価格推定プログラムにおいて、
推定対象の物品を収容する収容体に関する収容体情報を取得する情報取得ステップと、
物品を収容する収容体に関する参照用収容体情報と、上記物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得した収容体情報に応じた参照用収容体情報に基づき、上記売買対象の物品の売買価格を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とする売買価格推定プログラム。
【請求項4】
上記情報取得ステップでは、売買対象の物品に関して各種情報サイトへ書き込まれたテキスト情報を取得し、
上記推定ステップでは、更に上記情報取得ステップにおいて取得したテキスト情報に基づいて、上記売買対象の物品の売買価格を推定すること
を特徴とする請求項1~3のうち何れか1項記載の売買価格推定プログラム。
【請求項5】
上記情報取得ステップでは、売買対象の物品の外観を撮像した画像情報を取得し、
上記推定ステップでは、更に上記情報取得ステップにおいて取得した画像情報に基づいて、上記売買対象の物品の売買価格を推定すること
を特徴とする請求項1~3のうち何れか1項記載の売買価格推定プログラム。
【請求項6】
上記情報取得ステップでは、推定対象の物品のブランドに関するブランド情報を取得し、
上記推定ステップでは、更に上記情報取得ステップにおいて取得したブランド情報に基づいて、上記売買対象の物品の売買価格を推定すること
を特徴とする請求項1~3のうち何れか1項記載の売買価格推定プログラム。
【請求項7】
上記情報取得ステップでは、推定対象の物品の品名に関する品名情報を取得し、
上記推定ステップでは、更に上記情報取得ステップにおいて取得した品名情報に基づいて、上記売買対象の物品の売買価格を推定すること
を特徴とする請求項1~3のうち何れか1項記載の売買価格推定プログラム。
【請求項8】
上記推定ステップでは、人工知能におけるニューラルネットワークのノードの各出力の重み付け係数に対応する上記連関度を利用すること
を特徴とする請求項1~7のうち何れか1項記載の売買価格推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の売買価格を高精度に推定する上で好適な売買価格推定プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自ら使用していた物品の売却をしてもらいたいとき、その適正な価格を知りたい場合がある。また物品を買い取る側においても、売買対象の物品について適正な売買価格を知りたい場合がある。
【0003】
この売買価格は、物品の品名やブランドのみならず、どの程度の期間に亘り使用されてきたか、またどの程度のキズが付いているか、更には一般的なオークションの価格等、参考にすべきファクターは山ほどある。これらの各ファクターを参照しながら適正な売買価格を設定するのは経験と知識が必要となり困難な作業であることに加え、多大な労力を要してしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、物品の売買価格を、人手に頼ることなく高精度に評価することができるシステムが従来より望まれていた。
【0005】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、物品の売買価格をより人手に頼ることなく高精度かつ自動的に推定することが可能な売買価格推定プログラム及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る売買価格推定プログラムは、物品の売買価格を推定する売買価格推定プログラムにおいて、推定対象の物品の製造元のサポート内容に関するサポート情報を取得する情報取得ステップと、物品の製造元のサポート内容に関する参照用サポート情報と、上記物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用し、上記情報取得ステップにおいて取得したサポート情報に応じた参照用サポート情報に基づき、上記売買対象の物品の売買価格を推定する推定ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に物品の売買価格の推定を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明を適用したシステムの全体構成を示すブロック図である。
図2】探索装置の具体的な構成例を示す図である。
図3】本発明の動作について説明するための図である。
図4】本発明の動作について説明するための図である。
図5】本発明の動作について説明するための図である。
図6】本発明の動作について説明するための図である。
図7】本発明の動作について説明するための図である。
図8】本発明の動作について説明するための図である。
図9】本発明の動作について説明するための図である。
図10】本発明の動作について説明するための図である。
図11】本発明の動作について説明するための図である。
図12】本発明の動作について説明するための図である。
図13】本発明の動作について説明するための図である。
図14】本発明の動作について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した売買価格推定プログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0010】
図1は、本発明を適用した売買価格推定プログラムが実装される売買価格推定システム1の全体構成を示すブロック図である。売買価格推定システム1は、情報取得部9と、情報取得部9に接続された推定装置2と、推定装置2に接続されたデータベース3とを備えている。
【0011】
情報取得部9は、本システムを活用する者が各種コマンドや情報を入力するためのデバイスであり、具体的にはキーボードやボタン、タッチパネル、マウス、スイッチ等により構成される。情報取得部9は、テキスト情報を入力するためのデバイスに限定されるものではなく、マイクロフォン等のような音声を検知してこれをテキスト情報に変換可能なデバイスで構成されていてもよい。また情報取得部9は、カメラ等の画像を撮影可能な撮像装置として構成されていてもよい。情報取得部9は、紙媒体の書類から文字列を認識できる機能を備えたスキャナで構成されていてもよい。また情報取得部9は、後述する推定装置2と一体化されていてもよい。情報取得部9は、検知した情報を推定装置2へと出力する。また情報取得部9は地図情報をスキャニングすることで位置情報を特定する手段により構成されていてもよい。また情報取得部9は、温度センサ、湿度センサ、風向センサ、を測るための照度センサで構成されていてもよい。また情報取得部9は、天候についてのデータを気象庁や民間の天気予報会社から取得する通信インターフェースで構成されていてもよい。また情報取得部9は身体に装着して身体のデータを検出するための身体センサで構成されていてもよく、この身体センサは、例えば体温、心拍数、血圧、歩数、歩く速度、加速度を検出するためのセンサで構成されていてもよい。また情報取得部9は図面等の情報をスキャニングしたり、或いはデータベースから読み出すことで取得するデバイスとして構成されていてもよい。情報取得部9は、これら以外に臭気や香りを検知する臭気センサにより構成されていてもよい。
【0012】
データベース3は、売買価格推定を行う上で必要な様々な情報が蓄積される。売買価格推定を行う上で必要な情報としては、過去において物品の外観を撮像した参照用画像情報、過去において物品を撮像することにより抽出した物品のキズの大きさ又は量の何れかからなる参照用外観情報、参照用画像情報を取得する際に撮像した物品のブランドに関する参照用ブランド情報、上記参照用画像情報を取得する際に撮像した物品の品名に関する参照用品名情報、上記参照用画像情報を取得する際に撮像した物品の使用年数に関する参照用使用年数情報、上記参照用画像情報を取得する際に撮像した物品の他のオークションにおける落札値に関する参照用落札値情報、上記参照用画像情報を取得する際に物品を撮像した撮像時における外部環境に関する参照用外部環境情報、上記参照用画像情報を取得する際に物品を撮像した撮像時における市況に関する参照用市況情報、上記参照用画像情報を取得する際に物品を撮像した撮像時における各種情報サイトへユーザにより書き込まれた参照用テキスト情報、上記参照用画像情報を取得する際に撮像した物品の製造元のサポート内容に関する参照用サポート情報、上記参照用画像情報を取得する際に撮像した物品の保証書に記載されている保証期間及び保証内容を読み取ることで取得した参照用保証情報、上記参照用画像情報を取得する際に撮像した物品を収容する収容体に関する参照用収容体情報と、これらに対して実際に判断がなされた物品の売買価格とのデータセットが記憶されている。
【0013】
つまり、データベース3には、このような参照用画像情報に加え、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報の何れか1以上と、物品の売買価格が互いに紐づけられて記憶されている。
【0014】
推定装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。ユーザは、この推定装置2による探索解を得ることができる。
【0015】
図2は、推定装置2の具体的な構成例を示している。この推定装置2は、推定装置2全体を制御するための制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、有線通信又は無線通信を行うための通信部26と、各種判断を行う推定部27と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部28とが内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部23が接続されている。
【0016】
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、推定装置2内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央制御ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介した操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
【0017】
操作部25は、キーボードやタッチパネルにより具現化され、プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザから入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、推定部27を始め、各構成要素と協調させて所望の処理動作を実行していくこととなる。この操作部25は、前述した情報取得部9として具現化されるものであってもよい。
【0018】
推定部27は、探索解を推定する。この推定部27は、推定動作を実行するに当たり、必要な情報として記憶部28に記憶されている各種情報や、データベース3に記憶されている各種情報を読み出す。この推定部27は、人工知能により制御されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
【0019】
表示部23は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
【0020】
記憶部28は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部28には、本発明を実行するためのプログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
【0021】
上述した構成からなる売買価格推定システム1における動作について説明をする。以下でいう物品は、オークション、通信販売、店頭販売、質屋において流通するあらゆる物品が含まれ、電気製品、レジャー製品、自動車、インテリア・家具、食品、キッチン用品、ヘルスケアグッズ、ジュエリー、生活雑貨、工具、書籍、ゲーム、アクセサリー、時計等に代表される。
【0022】
売買価格推定システム1は、自ら所有する物品を、オークション、通信販売、店頭販売、質屋等に対して買い取ってほしい場合、或いは買い取る側が、売り主が所有する物品を買い取る場合に、その売買価格を推定する際に適用される。売買価格推定システム1は、例えば図3に示すように、参照用画像情報と、物品の売買価格との3段階以上の連関度が予め設定されていることが前提となる。参照用画像情報とは、物品の外観について、物品を撮像することにより得られた画像情報から得られるものであり、画像情報を解析することで得ることができる。この画像は静止画のみならず動画であってもよい。また、この画像は可視光で構成されるが画像ではなく、スペクトルに応じて表示色を切り替えたいわゆるスペクトル画像で構成されていてもよい。この参照用画像情報は、物品について撮像した画像を解析することで、物品の大きさ、形状、色の何れかに基づいて、物品の外観を特定するようにしてもよい。これらの物品の外観は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。このとき、人工知能を活用し、物品の大きさ、形状、色等の画像データと、物品の売買価格を学習させておき、実際に参照用画像情報を取得する際には、これらの学習させた画像データと照らし合わせて、その物品の売買価格を判別するようにしてもよい。
【0023】
かかる場合には、画像情報と、物品の大きさ、形状、色の何れかの外観とを教師データとして機械学習された予想モデルを用い、入力を上記画像情報とし、出力を上記外観として判定した結果に基づいて、外観を特定するようにしてもよい。
【0024】
物品の売買価格は、その参照用画像情報として撮像した物品の実際の売買価格である。この売買価格は、店舗やEコマース、質屋等の運営会社において保存されているデータベースにアクセスすることで取得してもよいし、都度手入力により入力するようにしてもよい。
このような参照用画像情報と、物品の売買価格からなるデータセットを取得しておき、これを学習させる。
【0025】
図3の例では、入力データとして例えば参照用画像情報P01~P03であるものとする。このような入力データとしての参照用画像情報P01~P03は、出力としての物品の売買価格に連結している。この出力においては、出力解としての、物品の売買価格が表示されている。
【0026】
参照用画像情報は、この出力解としての物品の売買価格A~Dに対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。売買価格は、その物品が同一種類の物品であると仮定した場合に、例えば売買価格Aは、5000円、売買価格Bは、4000円、売買価格Cは、3500円、売買価格Dは、3000円等のように配列している。参照用画像情報がこの連関度を介して左側に配列し、各物品の売買価格が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用画像情報に対して、何れの物品の売買価格と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用画像情報が、いかなる物品の売買価格に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用画像情報から最も確からしい物品の売買価格を選択する上での的確性を示すものである。図3の例では、連関度としてw13~w19が示されている。このw13~w19は以下の表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力としての物品の売買価格と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力としての値段と互いに関連度合いが低いことを示している。
【0027】
【表1】
【0028】
推定装置2は、このような図3に示す3段階以上の連関度w13~w19を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用画像情報と、その場合の物品の売買価格の何れが採用、評価されたか、過去のデータセットを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図3に示す連関度を作り上げておく。
【0029】
例えば、参照用画像情報が、物品の外観が大きさ、形状、色、キズの度合等が複数段階の数値で評価されたαであるものとする。このような参照用画像情報に対する物品の売買価格としては物品の売買価格Aが多く評価されたものとする。このようなデータセットを集めて分析することにより、参照用画像情報との連関度が強くなる。
【0030】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用画像情報P01である場合に、過去の物品の売買価格の評価を行った結果の各種データから分析する。こ参照用画像情報P01である場合に、物品の売買価格Aの事例が多い場合には、この物品の売買価格の評価につながる連関度をより高く設定し、物品の売買価格Bの事例が多い場合には、この物品の売買価格の評価につながる連関度をより高く設定する。例えば参照用画像情報P01の例では、物品の売買価格Aと、物品の売買価格Cにリンクしているが、以前の事例から物品の売買価格Aにつながるw13の連関度を7点に、物品の売買価格Cにつながるw14の連関度を2点に設定している。
【0031】
また、この連関度は、図4に示すように、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0032】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを、以前の評価対象の物品の外観の画像等と実際に推定・評価した物品の売買価格とのデータセットを通じて作った後に、実際にこれから新たに物品の売買価格の判別を行う上で、上述した学習済みデータを利用して物品の売買価格を探索することとなる。かかる場合には、実際に判別対象の領域において画像情報を新たに取得する。新たに取得する画像情報は、上述した情報取得部9により入力される。画像情報は、売買価格を判別しようとする物品を撮像することで取得する。この判別方法は、上述した参照用画像情報と同様の手法で行うようにしてもよい。
【0033】
このようにして新たに取得した画像情報に基づいて、物品の売買価格を判別する。かかる場合には、予め取得した図3(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した画像情報がP02と同一かこれに類似するものである場合には、連関度を介して物品の売買価格Bがw15、物品の売買価格Cが連関度w16で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い物品の売買価格Bを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる物品の売買価格Cを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0034】
このようにして、新たに取得する画像情報から、最も好適な物品の売買価格を探索し、販売側、売買側に表示することができる。この探索結果を見ることにより、販売側、売買側は、探索された物品の売買価格に基づいて物品の売買価格を互いに決めることができる。しかも物品に接触することなく、画像の撮像を通じてこれらの売買価格を予測することができるため、物品が貴重品、骨董品であってもこれに傷をつけることがなくなる。
【0035】
なお、この図3において、参照用画像情報の代替として、過去において物品を撮像することにより抽出した物品のキズの大きさ又は量の何れかからなる参照用外観情報と、物品の売買価格との3段階以上の連関度を予め学習させるようにしてもよい。参照用外観情報を取得する際には、図5に示すように、売買対象の物品の外観を撮像した画像データと、物品のキズの大きさ又は量の何れかからなる外観情報とを教師データとして機械学習された予想モデルを用いるようにしてもよい。入力を上記画像データとし、出力を上記外観情報とすることで新たに外観情報を取得するようにしてもよい。即ち、このキズの大きさ又は量の何れかからなる外観情報は、以前において学習させた特徴量に基づいて判別するようにしてもよい。なお、ここでいうキズは、実際に物品につけられたキズ以外に、付着した汚れも含む。
【0036】
このようにして得られた外観情報から参照用外観情報を構成し、また撮像した物品についての実際の販売価格(売買価格)を取得することで上述と同様にデータセットを得て、図3、4に示すような連関度を形成しておく。次に実際に売買価格を推定したい物品について撮像することで画像データを取得する。この画像データについて、実際に図5に示す連関度を参照し、外観情報を得る。予め学習させた、参照用外観情報と物品の売買価格との3段階以上の連関度を参照し、取得した外観情報を介して売買価格を探索することができる。
【0037】
図6の例では、参照用画像情報と、参照用ブランド情報との組み合わせが形成されていることが前提となる。参照用ブランド情報とは、物品の製造元、或いは販売元を示す情報であり、或いは物品に貼られている商標のブランドに関する情報である。
【0038】
物品の売買価格は、参照用画像情報に加え、物品のブランドに応じて異なる。特にアクセサリーは有名ブランドであるか否かで大きく価格は左右する。このため、この参照用ブランド情報も説明変数として加えている。
【0039】
図6の例では、入力データとして例えば参照用画像情報P01~P03、参照用ブランド情報P14~17であるものとする。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用ブランド情報が組み合わさったものが、図6に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、物品の売買価格が表示されている。
【0040】
参照用画像情報と参照用ブランド情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、物品の売買価格に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用画像情報と参照用ブランド情報がこの連関度を介して左側に配列し、物品の売買価格が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用画像情報と参照用ブランド情報に対して、物品の売買価格と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用画像情報と参照用ブランド情報が、いかなる物品の売買価格に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用画像情報と参照用ブランド情報から最も確からしい物品の売買価格を選択する上での的確性を示すものである。このため、これらの参照用画像情報と参照用ブランド情報の組み合わせで、最適な物品の売買価格を探索していくこととなる。
【0041】
図6の例では、連関度としてw13~w22が示されている。このw13~w22は表1に示すように10段階で示されており、10点に近いほど、中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが高いことを示しており、逆に1点に近いほど中間ノードとしての各組み合わせが出力と互いに関連度合いが低いことを示している。
【0042】
推定装置2は、このような図6に示す3段階以上の連関度w13~w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用画像情報と参照用ブランド情報、並びにその場合の物品の売買価格が何れが見合うものであったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図6に示す連関度を作り上げておく。
【0043】
例えば、過去にあった実際の事例における参照用画像情報がαであるものとする。また参照用ブランド情報が、ある有名なブランドWであるものとする。かかる場合に、実際にその物品の売買価格がいくらであったかを示す物品の売買価格をデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。なお、このような参照用画像情報や、参照用ブランド情報は、販売業者、流通業者等が管理する管理データベースから抽出するようにしてもよい。
【0044】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用画像情報P01で、参照用ブランド情報P16である場合に、その物品の売買価格を過去のデータから分析する。物品の売買価格がAの事例が多い場合には、この売買価格Aにつながる連関度をより高く設定し、物品の売買価格Bの事例が多く、物品の売買価格Aの事例が少ない場合には、物品の売買価格Bにつながる連関度を高くし、物品の売買価格Aにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、物品の売買価格Aと売買価格Bの出力にリンクしているが、以前の事例から物品の売買価格Aにつながるw13の連関度を7点に、物品の売買価格Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
【0045】
また、この図6に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0046】
図6に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用画像情報P01に対して、参照用ブランド情報P14の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Cの連関度がw15、物品の売買価格Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用画像情報P02に対して、参照用位置情報P15、P17の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Bの連関度がw17、物品の売買価格Dの連関度がw18となっている。
【0047】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから物品の売買価格を判別する際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際に画像情報と、ブランド情報とを取得する。ブランド情報は、実際に売買価格を推定しようとするリングの売買価格を入力又は選択する。
【0048】
このようにして新たに取得した画像情報、ブランド情報に基づいて、最適な物品の売買価格を探索する。かかる場合には、予め取得した図6(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した画像情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、ブランド情報がP17である場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、物品の売買価格Cがw19、物品の売買価格Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い物品の売買価格Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる物品の売買価格Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0049】
また、入力から伸びている連関度w1~w12の例を以下の表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
この入力から伸びている連関度w1~w12に基づいて中間ノード61が選択されていてもよい。つまり連関度w1~w12が大きいほど、中間ノード61の選択における重みづけを重くしてもよい。しかし、この連関度w1~w12は何れも同じ値としてもよく、中間ノード61の選択における重みづけは何れも全て同一とされていてもよい。
【0052】
図7は、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用品名情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
【0053】
参照用位置情報の代わりに説明変数として加えられるこの参照用品名情報は、物品の品名に関するもので、例えば型番や商品名等と通じて分類することができる。物品からの品名は、物品の売買価格と関係することが既に知られている。このため、この参照用品名情報を組み合わせて連関度を形成することにより、物品の売買価格の判断精度を向上させる趣旨である。
【0054】
図7の例では、入力データとして例えば参照用画像情報P01~P03、参照用品名情報P18~21であるものとする。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用品名情報が組み合わさったものが、図7に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、物品の売買価格が表示されている。
【0055】
参照用画像情報と参照用品名情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、物品の売買価格に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用画像情報と参照用品名情報がこの連関度を介して左側に配列し、物品の売買価格が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用画像情報と参照用品名情報に対して、物品の売買価格と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用画像情報と参照用品名情報が、いかなる物品の売買価格に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用画像情報と参照用品名情報から最も確からしい物品の売買価格を選択する上での的確性を示すものである。
【0056】
推定装置2は、このような図7に示す3段階以上の連関度w13~w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用画像情報と、参照用画像情報を取得する際に撮像した物品の参照用品名情報、並びにその場合の物品の売買価格が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図7に示す連関度を作り上げておく。参照用品名情報は、例えば、品名が記載された箱や説明書、或いは物品についてカメラ等を通じて画像を撮像し、その品名をOCR等を通じてテキスト変換することで取得してもよい。
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用画像情報P01で、参照用品名情報P20である場合に、その物品の売買価格を過去のデータから分析する。物品の売買価格Aの事例が多い場合には、この物品の売買価格がAにつながる連関度をより高く設定し、物品の売買価格がBの事例が多く、物品の売買価格がAの事例が少ない場合には、物品の売買価格がBにつながる連関度を高くし、物品の売買価格がAにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、物品の売買価格Aと物品の売買価格Bの出力にリンクしているが、以前の事例から物品の売買価格Aにつながるw13の連関度を7点に、物品の売買価格Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
【0057】
また、この図7に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0058】
図7に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用画像情報P01に対して参照用品名情報P18の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Cの連関度がw15、物品の売買価格Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用画像情報P02に対して、参照用品名情報P19、P21の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Bの連関度がw17、物品の売買価格Dの連関度がw18となっている。
【0059】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから物品の売買価格の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にその物品の売買価格の判別対象の画像情報と、品名情報とを取得する。ここで品名情報は、物品の売買価格を実際に見積もる際に、新たに取得するが、その取得方法は、上述した参照用品名情報と同様である。
【0060】
このようにして新たに取得した画像情報と、品名情報に基づいて、最適な物品の売買価格を探索する。かかる場合には、予め取得した図7(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した画像情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、品名情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、物品の売買価格Cがw19、物品の売買価格Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い物品の売買価格Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる物品の売買価格Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0061】
図8は、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用使用年数情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
【0062】
この説明変数として加えられるこの参照用使用年数情報は、物品の使用年数に関するあらゆる情報である。参照用使用年数情報は、物品の生産日や販売日の情報があればそこから起算した日数として取得してもよい。またこの生産日や販売日はカメラにより撮像した生産日や販売日が記述された画像をOCRにより解析して得るようにしてもよいし、手入力により取得するようにしてもよい。
【0063】
図8の例では、入力データとして例えば参照用画像情報P01~P03、参照用使用年数情報P18~21であるものとする。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用使用年数情報が組み合わさったものが、図8に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、物品の売買価格が表示されている。
【0064】
参照用画像情報と参照用使用年数情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、物品の売買価格に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用画像情報と参照用使用年数情報がこの連関度を介して左側に配列し、物品の売買価格が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用画像情報と参照用使用年数情報に対して、物品の売買価格と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用画像情報と参照用使用年数情報が、いかなる物品の売買価格に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用画像情報と参照用使用年数情報から最も確からしい物品の売買価格を選択する上での的確性を示すものである。
【0065】
推定装置2は、このような図8に示す3段階以上の連関度w13~w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用画像情報と、参照用画像情報を取得する際に得た参照用使用年数情報、並びにその場合の物品の売買価格が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図8に示す連関度を作り上げておく。
【0066】
例えば、過去にあった実際の物品の売買価格の評価時において、ある参照用画像情報に対して、参照用使用年数情報が、3年であるものとする。かかる場合に、物品の売買価格がAと判別されている事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
【0067】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用画像情報P01で、参照用使用年数情報P20である場合に、その物品の売買価格を過去のデータから分析する。物品の売買価格Aの事例が多い場合には、この物品の売買価格がAにつながる連関度をより高く設定し、物品の売買価格がBの事例が多く、物品の売買価格がAの事例が少ない場合には、物品の売買価格がBにつながる連関度を高くし、物品の売買価格がAにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、物品の売買価格Aと物品の売買価格Bの出力にリンクしているが、以前の事例から物品の売買価格Aにつながるw13の連関度を7点に、物品の売買価格Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
【0068】
また、この図8に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0069】
図8に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用画像情報P01に対して参照用使用年数情報P18の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Cの連関度がw15、物品の売買価格Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用画像情報P02に対して、参照用使用年数情報P19、P21の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Bの連関度がw17、物品の売買価格Dの連関度がw18となっている。
【0070】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから物品の売買価格の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にその物品の売買価格の判別対象の画像情報と、使用年数情報とを取得する。ここで使用年数情報は、物品の売買価格を実際に見積もる際に、新たに取得するが、その取得方法は、上述した参照用使用年数情報と同様である。
【0071】
このようにして新たに取得した画像情報と、使用年数情報に基づいて、最適な物品の売買価格を探索する。かかる場合には、予め取得した図8(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した画像情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、使用年数情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、物品の売買価格Cがw19、物品の売買価格Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い物品の売買価格Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる物品の売買価格Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0072】
図9は、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用落札値情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度が設定されている例を示している。
【0073】
説明変数として加えられるこの参照用落札値情報は、参照用画像情報を取得する際に撮像した物品の他のオークションにおける落札値に関する情報である。他のオークションとは、インターネット上において公開されている様々サイトにおいて運営されるオークションを想定している。このオークションを通じて最も高い値段、又はこれに準じる値段で買い取られた落札値を取得し、参照用画像情報とともに学習させる。
【0074】
図9の例では、入力データとして例えば参照用画像情報P01~P03、参照用落札値情報P18~21であるものとする。このような入力データとしての、参照用画像情報に対して、参照用落札値情報が組み合わさったものが、図9に示す中間ノードである。各中間ノードは、更に出力に連結している。この出力においては、出力解としての、物品の売買価格が表示されている。
【0075】
参照用画像情報と参照用落札値情報との各組み合わせ(中間ノード)は、この出力解としての、物品の売買価格に対して3段階以上の連関度を通じて互いに連関しあっている。参照用画像情報と参照用落札値情報がこの連関度を介して左側に配列し、物品の売買価格が連関度を介して右側に配列している。連関度は、左側に配列された参照用画像情報と参照用落札値情報に対して、物品の売買価格と関連性が高いかの度合いを示すものである。換言すれば、この連関度は、各参照用画像情報と参照用落札値情報が、いかなる物品の売買価格に紐付けられる可能性が高いかを示す指標であり、参照用画像情報と参照用落札値情報から最も確からしい物品の売買価格を選択する上での的確性を示すものである。
【0076】
推定装置2は、このような図9に示す3段階以上の連関度w13~w22を予め取得しておく。つまり推定装置2は、実際の探索解の判別を行う上で、参照用画像情報と、参照用画像情報を取得する際に得た参照用落札値情報、並びにその場合の物品の売買価格が何れが好適であったか、過去のデータを蓄積しておき、これらを分析、解析することで図9に示す連関度を作り上げておく。
【0077】
例えば、過去にあった実際の物品の売買価格の評価時において、ある参照用画像情報に対して、参照用落札値情報が、500円であるものとする。かかる場合に、物品の売買価格がAと判別されている事例が多い場合には、これらをデータセットとして学習させ、上述した連関度という形で定義しておく。
【0078】
この分析、解析は人工知能により行うようにしてもよい。かかる場合には、例えば参照用画像情報P01で、参照用落札値情報P20である場合に、その物品の売買価格を過去のデータから分析する。物品の売買価格Aの事例が多い場合には、この物品の売買価格がAにつながる連関度をより高く設定し、物品の売買価格がBの事例が多く、物品の売買価格がAの事例が少ない場合には、物品の売買価格がBにつながる連関度を高くし、物品の売買価格がAにつながる連関度を低く設定する。例えば中間ノード61aの例では、物品の売買価格Aと物品の売買価格Bの出力にリンクしているが、以前の事例から物品の売買価格Aにつながるw13の連関度を7点に、物品の売買価格Bにつながるw14の連関度を2点に設定している。
【0079】
また、この図9に示す連関度は、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものであってもよい。即ち、このニューラルネットワークのノードが出力に対する重み付け係数が、上述した連関度に対応することとなる。またニューラルネットワークに限らず、人工知能を構成するあらゆる意思決定因子で構成されるものであってもよい。
【0080】
図9に示す連関度の例で、ノード61bは、参照用画像情報P01に対して参照用落札値情報P18の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Cの連関度がw15、物品の売買価格Eの連関度がw16となっている。ノード61cは、参照用画像情報P02に対して、参照用落札値情報P19、P21の組み合わせのノードであり、物品の売買価格Bの連関度がw17、物品の売買価格Dの連関度がw18となっている。
【0081】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから物品の売買価格の探索を行う際において、上述した学習済みデータを利用して行うこととなる。かかる場合には、実際にその物品の売買価格の判別対象の画像情報と、落札値情報とを取得する。ここで落札値情報は、物品の売買価格を実際に見積もる際に、新たに取得するが、その取得方法は、上述した参照用落札値情報と同様である。
【0082】
このようにして新たに取得した画像情報と、落札値情報に基づいて、最適な物品の売買価格を探索する。かかる場合には、予め取得した図9(表1)に示す連関度を参照する。例えば、新たに取得した画像情報がP02と同一かこれに類似するものである場合であって、落札値情報がP21と同一か又は類似する場合には、連関度を介してノード61dが関連付けられており、このノード61dは、物品の売買価格Cがw19、物品の売買価格Dが連関度w20で関連付けられている。かかる場合には、連関度の最も高い物品の売買価格Cを最適解として選択する。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる物品の売買価格Dを最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論であり、連関度に基づくものであれば、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。
【0083】
また、本発明においては、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用外部環境情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用するものであってもよい。
【0084】
ここでいう参照用外部環境情報、外部環境情報は、例えば、経済データ(GDP、雇用統計、鉱工業生産指数、設備投資、労働力調査等)、家計データ(家計消費状況調査、家計データ、1週間の平均就業時間、貯蓄額の統計データ、年収の統計データ等)、不動産データ(オフィス空室率、坪単価、賃料相場、地価、空き家データ等)、自然環境データ(災害データ、気温データ、降水量データ、風向きデータ、湿度データ等)に代表されるものである。外部環境情報は、これらのデータの一部、全部が反映されるもの以外に、外部のあらゆる情報が含まれる。参照用外部環境情報は、外部環境自体を類型化しておくようにしてもよい。例えば、雇用統計におけるデータで区切ることで分類するようにしてもよい。また、パターン(例えば、GDPの伸び率が急激が、あるいは徐々に増加するか等のパターン)等により類型化されていてもよい。この参照用外部環境情報は、過去の販売日、又はその日の前後数日の間における外部環境を示すものである。
【0085】
このような参照用画像情報と、参照用外部環境情報とを有する組み合わせと、物品の売買価格との3段階以上の連関度を予め取得しておく。そして、新たに推定対象の物品の外観に関する画像情報と、その撮像時(推定時)における外部環境に関する外部環境情報とを取得する。そして、この取得した上記画像情報に応じた参照用画像情報と、上記外部環境情報に応じた参照用外部環境情報に基づき、物品の売買価格を推定する点は、上述した図3図9の説明と同様である。
また、本発明においては、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用市況情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用するものであってもよい。
【0086】
ここでいう参照用市況情報、市況情報は、市況に関する様々な情報である。この参照用市況情報の例としては、金利、為替、各銘柄の株価、原油、先物、貴金属、ビットコイン等の値動きを対象としたものである。この参照用市況情報は、これらの対象について時系列的なチャートや折れ線グラフ等で表示されていてもよい。またボリンジャーバンド、出来高、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。また、この市況情報は、各銘柄のチャート、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。為替についても各通貨間における値動きを示すチャート、ボリンジャーバンド、MACD、移動平均線等の情報が付されていてもよい。
【0087】
このような参照用画像情報と、参照用市況情報とを有する組み合わせと、物品の売買価格との3段階以上の連関度を予め取得しておく。そして、新たに推定対象の物品の外観に関する画像情報と、その撮像時(推定時)における市況に関する市況情報とを取得する。そして、この取得した上記画像情報に応じた参照用画像情報と、上記市況情報に応じた参照用市況情報に基づき、物品の売買価格を推定する点は、上述した図3図9の説明と同様である。
【0088】
また、本発明においては、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用テキスト情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用するものであってもよい。
【0089】
ここでいう参照用テキスト情報、テキスト情報とは、過去の物品の購入者や販売者、物品を以前に使用したことがあるユーザにより各種情報サイトへ書き込まれたあらゆるテキストデータを含む。この参照用テキスト情報は、物品を使った後の感想、物品がどれくらい長持ちしたか、物品の利点や欠点等に関する書き込みも含む。つまり、参照用テキスト情報は、各物品に関して、売買価格に影響を及ぼす可能性があるあらゆるテキスト情報を含むものである。参照用テキスト情報は、単に各物品の売買価格が上がるか、下がるか、変わらないか、に関する予想そのものであってもよい。また参照用テキスト情報としては、インターネット上に掲載される一般人によるコメントや売買価格の上昇又は下落の予想を取り込んでくるものであってもよい。
【0090】
このような参照用画像情報と、参照用テキスト情報とを有する組み合わせと、物品の売買価格との3段階以上の連関度を予め取得しておく。そして、新たに推定対象の物品に関して、画像情報に加え、各種情報サイトへ書き込まれたテキスト情報とを取得する。そして、この取得した上記画像情報に応じた参照用画像情報と、上記テキスト情報に応じた参照用テキスト情報に基づき、物品の売買価格を推定する点は、上述した図3図9の説明と同様である。
また、本発明においては、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用サポート情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用するものであってもよい。
【0091】
ここでいう参照用サポート情報、サポート情報は、物品の製造元のサポート内容に関するあらゆる情報が含まれる。ここでいう参照用サポート情報、サポート情報とは、例えば物品のサポート期間、サポート内容(例えばどのレベルまで修理をしてくれるのか、どのレベルまで使い方をサポートしてくれるのか、スタッフが来て即座に対応してくれるのか否か等)に関する情報である。この参照用サポート情報、サポート情報の取得方法としては、サポート内容が記載されている説明書や書類等をカメラにより撮像し、そのサポート内容をOCR技術を利用して読み取るようにしてもよいし、手入力により入力してもよい。
【0092】
このような参照用画像情報と、参照用サポート情報とを有する組み合わせと、物品の売買価格との3段階以上の連関度を予め取得しておく。そして、新たに推定対象の物品の外観に関する画像情報と、その物品のサポート内容に関するサポート情報とを取得する。そして、この取得した上記画像情報に応じた参照用画像情報と、上記サポート情報に応じた参照用サポート情報に基づき、物品の売買価格を推定する点は、上述した図3図9の説明と同様である。
また、本発明においては、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用保証情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用するものであってもよい。
【0093】
ここでいう参照用保証情報、保証情報は、物品が破損した場合の保証内容に関するあらゆる情報が含まれる。ここでいう参照用保証情報、保証情報とは、例えば物品の保証期間、保証内容(スマートフォンの場合、タッチパネルが割れているのであればその付け替えまでサポートされているのか、或いはそれ以上のタッチパネルの操作性まで悪化したのであればその修理までサポートされているのか等)に関する情報である。この参照用保証情報、保証情報の取得方法としては、保証内容が記載されている保証書や書類等をカメラにより撮像し、その保証内容をOCR技術を利用して読み取るようにしてもよいし、手入力により入力してもよい。
【0094】
このような参照用画像情報と、参照用保証情報とを有する組み合わせと、物品の売買価格との3段階以上の連関度を予め取得しておく。そして、新たに推定対象の物品の外観に関する画像情報と、その物品の保証内容に関する保証情報とを取得する。そして、この取得した上記画像情報に応じた参照用画像情報と、上記保証情報に応じた参照用保証情報に基づき、物品の売買価格を推定する点は、上述した図3図9の説明と同様である。
【0095】
また、本発明においては、上述した参照用画像情報に加え、上述した参照用ブランド情報の代わりに参照用収容体情報との組み合わせと、当該組み合わせに対する物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用するものであってもよい。
【0096】
ここでいう参照用収容体情報、収容体情報は、物品を収容する容器や箱が付いているか否か、また付いているのであれば、その使用感や疵、汚れの有無等の情報も含まれる。この参照用保証情報、保証情報の取得方法としては、収容体をカメラにより撮像し、特徴量から自動判別するようにしてもよいし、手入力により入力してもよい。
【0097】
このような参照用画像情報と、参照用収容体情報とを有する組み合わせと、物品の売買価格との3段階以上の連関度を予め取得しておく。そして、新たに推定対象の物品の外観に関する画像情報と、その物品の収容体に関する収容体情報とを取得する。そして、この取得した上記画像情報に応じた参照用画像情報と、上記収容体情報に応じた参照用収容体情報に基づき、物品の売買価格を推定する点は、上述した図3図9の説明と同様である。
【0098】
上述した連関度においては、10段階評価で連関度を表現しているが、これに限定されるものではなく、3段階以上の連関度で表現されていればよく、逆に3段階以上であれば100段階でも1000段階でも構わない。一方、この連関度は、2段階、つまり互いに連関しているか否か、1又は0の何れかで表現されるものは含まれない。
【0099】
上述した構成からなる本発明によれば、特段のスキルや経験が無くても、誰でも手軽に物品の売買価格の探索を行うことができる。また本発明によれば、この探索解の判断を、人間が行うよりも高精度に行うことが可能となる。更に、上述した連関度を人工知能(ニューラルネットワーク等)で構成することにより、これを学習させることでその判別精度を更に向上させることが可能となる。
【0100】
なお、上述した入力データ、及び出力データは、学習させる過程で完全に同一のものが存在しない場合も多々あることから、これらの入力データと出力データを類型別に分類した情報であってもよい。つまり、入力データを構成する情報P01、P02、・・・・P15、16、・・・は、その情報の内容に応じて予めシステム側又はユーザ側において分類した基準で分類し、その分類した入力データと出力データとの間でデータセットを作り、学習させるようにしてもよい。
【0101】
なお、上述した連関度では、参照用画像情報に加え、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報の何れかとの組み合わせで構成されている場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。つまり連関度は、参照用画像情報に加え、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報の何れか2以上との組み合わせで構成されていてもよい。また連関度は、参照用画像情報に加え、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報の何れか1以上に加え、他のファクターがこの組み合わせに加わって連関度が形成されていてもよい。
また、上述した例では、参照用画像情報を基調とし、これと他の参照用情報とを組み合わせて連関度を形成する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものでは無く、参照用外観情報を基調として他の参照用情報とを組み合わせて連関度を形成するものであってもよい。即ち、参照用外観情報に加え、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報の何れか1又は2以上との組み合わせで連関度が構成されるものであってもよい。
【0102】
いずれの場合も、その連関度の参照情報に合わせたデータの入力がなされ、その連関度を利用して物品の売買価格を求める。
【0103】
また、本発明によれば、3段階以上に設定されている連関度を介して最適な解探索を行う点に特徴がある。連関度は、上述した10段階以外に、例えば0~100%までの数値で記述することができるが、これに限定されるものではなく3段階以上の数値で記述できるものであればいかなる段階で構成されていてもよい。
【0104】
このような3段階以上の数値で表される連関度に基づいて最も確からしい物品の売買価格、を判別することで、探索解の可能性の候補として複数考えられる状況下において、当該連関度の高い順に探索して表示することも可能となる。このように連関度の高い順にユーザに表示できれば、より確からしい探索解を優先的に表示することも可能となる。
【0105】
これに加えて、本発明によれば、連関度が1%のような極めて低い出力の判別結果も見逃すことなく判断することができる。連関度が極めて低い判別結果であっても僅かな兆候として繋がっているものであり、何十回、何百回に一度は、その判別結果として役に立つ場合もあることをユーザに対して注意喚起することができる。
【0106】
更に本発明によれば、このような3段階以上の連関度に基づいて探索を行うことにより、閾値の設定の仕方で、探索方針を決めることができるメリットがある。閾値を低くすれば、上述した連関度が1%のものであっても漏れなく拾うことができる反面、より適切な判別結果を好適に検出できる可能性が低く、ノイズを沢山拾ってしまう場合もある。一方、閾値を高くすれば、最適な探索解を高確率で検出できる可能性が高い反面、通常は連関度は低くてスルーされるものの何十回、何百回に一度は出てくる好適な解を見落としてしまう場合もある。いずれに重きを置くかは、ユーザ側、システム側の考え方に基づいて決めることが可能となるが、このような重点を置くポイントを選ぶ自由度を高くすることが可能となる。
【0107】
更に本発明では、上述した連関度を更新させるようにしてもよい。この更新は、例えばインターネットを始めとした公衆通信網を介して提供された情報を反映させるようにしてもよい。また参照用画像情報、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報を取得し、これらに対する物品の売買価格、改善施策に関する知見、情報、データを取得した場合、これらに応じて連関度を上昇させ、或いは下降させる。
【0108】
つまり、この更新は、人工知能でいうところの学習に相当する。新たなデータを取得し、これを学習済みデータに反映させることを行っているため、学習行為といえるものである。
【0109】
また、この連関度の更新は、公衆通信網から取得可能な情報に基づく場合以外に、専門家による研究データや論文、学会発表や、新聞記事、書籍等の内容に基づいてシステム側又はユーザ側が人為的に、又は自動的に更新するようにしてもよい。これらの更新処理においては人工知能を活用するようにしてもよい。
【0110】
また学習済モデルを最初に作り上げる過程、及び上述した更新は、教師あり学習のみならず、教師なし学習、ディープラーニング、強化学習等を用いるようにしてもよい。教師なし学習の場合には、入力データと出力データのデータセットを読み込ませて学習させる代わりに、入力データに相当する情報を読み込ませて学習させ、そこから出力データに関連する連関度を自己形成させるようにしてもよい。
【0111】
なお図3に示す連関度が、人工知能におけるニューラルネットワークのノードで構成されるものである場合には、図9に示すように、入力データとして参照用画像情報が入力され、出力データとして物品の売買価格が出力され、入力ノードと出力ノードの間に少なくとも1以上の隠れ層が設けられ、機械学習させるようにしてもよい。
【0112】
また本発明は、図10に示すように参照用情報Uと参照用情報Vという2種類以上の情報の組み合わせの連関度に基づいて物品の売買価格を判別するものである。この参照用情報Uが参照用画像情報であり、参照用情報Vが参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情等の何れかであるものとする。
【0113】
このとき、図10に示すように、参照用情報Uについて得られた出力をそのまま入力データとして、参照用情報Vとの組み合わせの中間ノード61を介して出力(物品の売買価格)と関連付けられていてもよい。例えば、参照用情報U(参照用画像情報)について、図3に示すように出力解を出した後、これをそのまま入力として、他の参照用情報Vとの間での連関度を利用し、出力(物品の売買価格)を探索するようにしてもよい。
【0114】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでは無く、例えば図11に示すように、基調となる参照用情報と、物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用するようにしてもよい。かかる場合には、新たに取得した情報に応じた物品の売買価格との3段階以上の連関度に基づき、解探索を行うことになる。基調となる参照用情報は、例えば、参照用画像情報、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報等、上述したいかなる参照用情報も適用可能である。
【0115】
これらの場合も同様に、学習用データとして用いられた参照用情報に応じた情報が入力された場合に、上述した方法に基づいて解探索が行われることとなる。
【0116】
連関度を通じて求められる探索解は、更に、他の参照用情報に基づいて修正され、或いは重み付けを変化させるようにしてもよい。
【0117】
ここでいう他の参照用情報とは、上述した参照用情報の何れかを基調となる参照用情報とした場合、当該基調となる参照用情報以外のいかなる参照用情報に該当する。
【0118】
例えば、他の参照用情報の一つとして、ある参照用画像情報P14において、以前において物品の売買価格としてBが判別される経緯が多かったものとする。このような参照用画像情報P14に応じた画像情報を新たに取得したとき、物品の売買価格としての探索解Bに対して、重み付けを上げる処理を行い、換言すれば物品の売買価格としての探索解Bにつながるようにする処理を行うように予め設定しておく。
【0119】
例えば、他の参照用情報Gが、より物品の売買価格としての探索解Cを示唆するような分析結果であり、参照用情報Fが、より物品の売買価格としての探索解Dを示唆するような分析結果であるものとする。このように参照用情報との間での設定の後、実際に取得した情報が参照用情報Gと同一又は類似する場合には、物品の売買価格としての探索解Cの重み付けを上げる処理を行う。これに対して、実際に取得した情報が参照用情報Fと同一又は類似する場合には、物品の売買価格としての探索解Dの重み付けを上げる処理を行う。つまり、物品の売買価格につながる連関度そのものを、この参照用情報F~Hに基づいてコントロールするようにしてもよい。或いは、物品の売買価格を上述した連関度のみで決定した後、この求めた探索解に対して参照用情報F~Hに基づいて修正を加えるようにしてもよい。後者の場合において、参照用情報F~Hに基づいてどのように探索解としての物品の売買価格にいかなるウェートで修正を加えるかは、都度システム側において設計したものを反映させることとなる。
【0120】
また参照用情報は、何れか1種で構成される場合に限定されるものではなく、2種以上の参照用情報に基づいて解探索するようにしてもよい。かかる場合も同様に、参照用情報の示唆する物品の売買価格につながるケースほど、連関度を介して求められた探索解としての当該物品の売買価格をより高く修正するようにしてもよい。
【0121】
同様に、図12に示すように、基調となる参照用情報と、他の参照用情報とを有する組み合わせに対する、物品の売買価格との連関度を形成する場合においても、基調となる参照用情報は、上述したいかなる参照用情報(参照用画像情報、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報)も適用可能である。他の参照用情報は、基調となる参照用情報以外のいかなる参照用情報が含まれる。
【0122】
このとき、基調となる参照用情報が、参照用位置情報であれば、他の参照用情報としては、これ以外のいかなる参照用情報が含まれる。
【0123】
かかる場合も同様に解探索を行うことで、物品の売買価格を推定することができる。このとき、上述した図11に示すように、連関度を通じて得られた探索解に対して、更なる他の参照用情報(参照用情報F、G、H等)を通じて、物品の売買価格を修正するようにしてもよい。
【0124】
図13、14に示すように、基調となる参照用情報と、物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用し、解探索を行うようにしてもよい。
【0125】
参照用情報のみから、物品の売買価格を判別する。例えば図13、14に示すように、過去において取得した参照用情報(参照用画像情報、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報等)と、その過去において実際に判別した物品の売買価格との3段階以上の連関度を利用する。
【0126】
このような連関度が、人工知能でいうところの学習済みデータとなる。このような学習済みデータを作った後に、実際にこれから新たに物品の売買価格を判別する際において、上述した学習済みデータを利用することとなる。かかる場合には、参照用情報(参照用画像情報、参照用外観情報、参照用ブランド情報、参照用品名情報、参照用使用年数情報、参照用落札値情報、参照用外部環境情報、参照用市況情報、参照用テキスト情報、参照用サポート情報、参照用保証情報、参照用収容体情報等)に応じた情報を新たに取得する。
【0127】
このようにして新たに取得した情報に基づいて、物品の売買価格を判別する。かかる場合には、予め取得した図13、14に示す連関度を参照する。具体的な物品の売買価格の推定方法は、上述と同様であるため以下での説明を省略する。
【符号の説明】
【0128】
1 売買価格推定システム
2 推定装置
21 内部バス
23 表示部
24 制御部
25 操作部
26 通信部
27 推定部
28 記憶部
61 ノード
図1
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