(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015691
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】ヘルメット用ヘッドバンド、及び、ヘルメット
(51)【国際特許分類】
A42B 3/08 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
A42B3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020118703
(22)【出願日】2020-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000107619
【氏名又は名称】スターライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】立見 彰弘
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107AA01
3B107BA07
3B107BA08
3B107CA02
3B107DA18
3B107DA19
(57)【要約】
【課題】使用者の後頭部に巻回される部分が使用中に回動した場合でも、当該部分による後頭部の保持姿勢を適切に維持することができる、ヘルメット用ヘッドバンド、及び、ヘルメットを提供する。
【解決手段】ヘルメット1の帽体2に取付けられるヘッドバンド4は、前側巻回部41と後側巻回部42と、を備え、後側巻回部42は、相対変位可能な第一調節部43と第二調節部44とを備えるとともに長さを調節可能とされ、前側巻回部41における左右それぞれの後部に、ヘルメット1の使用時において下方に延出される連結部46が形成され、後側巻回部42における左右の前部は、それぞれ連結部46の下部に回動可能に連結される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットの帽体に取付けられる、ヘルメット用ヘッドバンドであって、
前記ヘルメットの使用者の前頭部に巻回される前側巻回部と、
前記前側巻回部に連続して前記ヘルメットの使用者の後頭部に巻回される後側巻回部と、を備え、
前記後側巻回部は、相対変位可能な第一調節部と第二調節部とを備えるとともに、前記第一調節部と前記第二調節部との相対位置を変更することにより長さを調節可能とされ、
前記前側巻回部における左右それぞれの後部には、前記ヘルメットの使用時において下方に延出される連結部が形成され、
前記後側巻回部における左右の前部は、それぞれ前記連結部の下部に回動可能に連結される、ヘルメット用ヘッドバンド。
【請求項2】
前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部とのうち少なくとも一方には、他方との回動範囲を規制する回動規制部が形成される、請求項1に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【請求項3】
前記回動規制部は、前記連結部の下部に形成された第一の凸部と、前記後側巻回部の前部に形成された第二の凸部又は凹部と、で形成され、
前記後側巻回部が前記連結部に対して回動する際に、前記第一の凸部と前記第二の凸部とが同一回転円周上で当接することにより、前記連結部に対する前記後側巻回部の回動範囲を規制する、請求項2に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【請求項4】
前記回動規制部は、前記ヘルメットの使用時の側面視において、水平面から下方への前記後側巻回部の回動範囲を50度以内で規制する、請求項2又は請求項3に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【請求項5】
前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部との一方に係止孔が開口され、他方に係止爪が形成され、
前記係止爪が前記係止孔に挿入されることにより、前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部とが回動可能に連結される、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【請求項6】
前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部との連結部分は、前記前側巻回部の下端部からの距離が30mm以上50mm以下となるように形成される、請求項1から請求項5の何れか1項に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか1項に記載のヘルメット用ヘッドバンドと、
前記ヘルメット用ヘッドバンドが取り付けられる帽体と、を備える、ヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルメット用ヘッドバンド、及び、ヘルメットに関し、具体的にはヘルメットの帽体にハンモックを介して連結したヘルメット用ヘッドバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帽体と、帽体に連結されたハンモック及びヘッドバンドと、を備えるヘルメットにおいて、ヘッドバンドを部分的に回動可能とする技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献に記載のヘルメットは、ヘッドバンドをメインバンド、調整バンド、及び保持バンドで構成し、使用者の後頭部に巻回される調整バンドと保持バンドとをメインバンドに対して回動可能に構成している。しかし、調整バンドと保持バンドとを回動可能に支持する箇所がメインバンドの中途部に位置するため、調整バンドと保持バンドとのメインバンドに対する回動角度が変わった場合、調整バンドと保持バンドによる後頭部の保持姿勢を適切に維持することが困難であった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、使用者の後頭部に巻回される部分が使用中に回動した場合でも、当該部分による後頭部の保持姿勢を適切に維持することができる、ヘルメット用ヘッドバンド、及び、ヘルメットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題解決のために、以下のヘルメット用ヘッドバンドを構成した。
【0007】
(1)ヘルメットの帽体に取付けられる、ヘルメット用ヘッドバンドであって、前記ヘルメットの使用者の前頭部に巻回される前側巻回部と、前記前側巻回部に連続して前記ヘルメットの使用者の後頭部に巻回される後側巻回部と、を備え、前記後側巻回部は、相対変位可能な第一調節部と第二調節部とを備えるとともに、前記第一調節部と前記第二調節部との相対位置を変更することにより長さを調節可能とされ、前記前側巻回部における左右それぞれの後部には、前記ヘルメットの使用時において下方に延出される連結部が形成され、前記後側巻回部における左右の前部は、それぞれ前記連結部の下部に回動可能に連結される、ヘルメット用ヘッドバンド。
【0008】
(2)前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部とのうち少なくとも一方には、他方との回動範囲を規制する回動規制部が形成される、(1)に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【0009】
(3)前記回動規制部は、前記連結部の下部に形成された第一の凸部と、前記後側巻回部の前部に形成された第二の凸部又は凹部と、で形成され、前記後側巻回部が前記連結部に対して回動する際に、前記第一の凸部と前記第二の凸部とが同一回転円周上で当接することにより、前記連結部に対する前記後側巻回部の回動範囲を規制する、(2)に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【0010】
(4)前記回動規制部は、前記ヘルメットの使用時の側面視において、水平面から下方への前記後側巻回部の回動範囲を50度以内で規制する、(2)又は(3)に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【0011】
(5)前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部との一方に係止孔が開口され、他方に係止爪が形成され、前記係止爪が前記係止孔に挿入されることにより、前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部とが回動可能に連結される、(1)から(4)の何れか一に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【0012】
(6)前記後側巻回部の前部と前記連結部の下部との連結部分は、前記前側巻回部の下端部からの距離が30mm以上50mm以下となるように形成される、(1)から(5)の何れか一に記載のヘルメット用ヘッドバンド。
【0013】
また、本発明は、前述の課題解決のために、以下のヘルメットを構成した。
【0014】
(7)(1)から(6)の何れか一に記載のヘルメット用ヘッドバンドと、前記ヘルメット用ヘッドバンドが取り付けられる帽体と、を備える、ヘルメット。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るヘルメット用ヘッドバンド、及び、ヘルメットによれば、使用者の後頭部に巻回される部分が使用中に回動した場合でも、当該部分による後頭部の保持姿勢を適切に維持することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係るヘルメットを示した右側面図。
【
図2】本実施形態に係るヘルメットを示した左側面図。
【
図3】本実施形態に係るヘルメットの内部構造を示した右側面断面図。
【
図4】本実施形態に係るヘルメットを示した底面図。
【
図8】ハンモックとヘッドバンドとの組付構成を示した分解図。
【
図9】ヘッドバンドの後側巻回部の回動範囲を示した図。
【
図10】ヘッドバンドと頭骨との第一の位置関係を示した右側面図。
【
図11】ヘッドバンドと頭骨との第二の位置関係を示した右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、
図1から
図11を用いて、本発明の一実施形態に係るヘルメット1の概略構成について説明する。本実施形態においては、
図1における右側をヘルメット1の前方とし、同じく
図1における紙面方向手前側をヘルメット1の右側方として説明する。即ち、本実施形態においては、ヘルメット1の使用者から見た方向をヘルメット1における方向と規定する。
【0018】
本実施形態に係るヘルメット1は
図1から
図4に示す如く、合成樹脂などの硬質材で形成された帽体2の内周面2Pに、それぞれ軟質の合成樹脂等で形成されたハンモック3、ヘッドバンド4、及び、複数の衝撃吸収部材5が着脱可能に取付けられる。ヘッドバンド4は本発明に係るヘルメット用ヘッドバンドの一実施態様である。なお、本実施形態においては説明の便宜上、
図4についてヘッドバンド4の図示を省略し、
図5についてハンモック3及びヘッドバンド4の図示を省略している。
【0019】
ハンモック3は帽体2の内周面2Pと使用者の頭部との間に間隙を形成することにより使用者の頭部を保護する部材である。
図4に示す如く、ハンモック3は中央部分(使用者の頭頂部に当接する部分)において円環状に形成された環状部30と、環状部30から放射状に延出して形成された八本の連係部31と、を備える。それぞれの連係部31の先端には連係孔31aが開口されている。それぞれの連係部31における連係孔31aが帽体2の内周面2Pにおいて内側に突出して設けられた係止部21(
図5を参照)と係合することにより、ハンモック3が帽体2の内側に固定される。このように、ハンモック3は複数の連係部31を介して帽体2に取付けられている。
【0020】
図3及び
図4に示す如く、八本の連係部31のうち、左右の両側に向けて延出される四本の連係部31にはバンド支持部32が形成される。具体的には、左右の両側に向けて延出される四本の連係部31のうち、前側の二本には前部、後側の二本には後部にバンド支持部32が形成される。それぞれのバンド支持部32には二個ずつ支持孔32aが開口されている。
【0021】
図3及び
図4に示す如く、帽体2の内周面2Pにおいて、ハンモック3の連係部31の間には、内周面2Pを部分的に被覆する複数個(本実施形態においては四個)の衝撃吸収部材5が取り付けられている。衝撃吸収部材5の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリアミド、エラストマー等が採用される。
【0022】
本実施形態に係るヘルメット1において、帽体2には
図4及び
図5に示す如く、衝撃吸収部材5を内周面2Pに接合するための接合部として、内周面2Pにおいて内側に突出して設けられた係合部22が形成されている。係合部22は、帽体2における前頭部、後頭部、及び、左右の両側頭部の四箇所に形成されている。本実施形態においては
図2に示す如く、衝撃吸収部材5が帽体2の内周面2Pにおいて四箇所に形成された係合部22のそれぞれに取付けられる。
【0023】
図3に示す如く、バンド支持部32にはヘルメット1の使用者の頭部に巻回されるヘッドバンド4が連結される。ヘッドバンド4は、ヘルメット1の使用者の前頭部に巻回される前側巻回部41と、同じく後頭部に巻回される後側巻回部42と、を備える。前側巻回部41及び後側巻回部42の材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、エラストマー等を採用可能であるが、低価格、耐衝撃性、柔軟性という観点よりポリエチレンを採用することが望ましい。
【0024】
前側巻回部41には
図3及び
図6に示す如く、それぞれに支持爪41bが形成された四箇所の被支持部41aが設けられる。
図3及び
図8に示す如く、被支持部41aにおける支持爪41bをバンド支持部32における何れかの支持孔32aに係合させることにより、ヘッドバンド4がハンモック3に支持される。前側巻回部41の後部には、ヘルメット1の使用時において下方に延出される連結部46が形成されている。連結部46の下端部46aには係止爪46bが形成される。
【0025】
図7に示す如く、後側巻回部42は右側の第一調節部43と左側の第二調節部44とを組み合わせて構成される。第一調節部43と第二調節部44とは相対変位可能とされるとともに、ロック部45のロックボタン45aを操作することにより相対位置が固定される。即ち、後側巻回部42は第一調節部43と第二調節部44との相対位置を変更することにより長さが調節可能とされる。第一調節部43には第二調節部44との相対位置を固定するために、ロック部45においてロックボタン45aと係合可能な調節溝部43bが形成されている。また、第二調節部44には第一調節部43の先端部をガイドするためのガイド部44bが形成されている。
【0026】
図1及び
図2に示す如く、後側巻回部42の前端部(第一調節部43の前端部43a及び第二調節部44の前端部44a)はそれぞれ、連結部46・46の下端部46a・46aに回動可能に連結される。具体的には、第一調節部43の前端部43aには係止孔43cが開口され、係止孔43cに連結部46の係止爪46bが挿入されることにより、後側巻回部42が連結部46に対して回動可能に連結される。第二調節部44においても同様に、連結部46の係止爪46bが挿入されることにより、後側巻回部42が連結部46に対して回動可能に連結される。本実施形態の如く後側巻回部42を前側巻回部41に対して回動可能に形成する事により、後側巻回部42と帽体2の内周面2Pの間の空間が確保しやすくなるため、後頭部側に形成した衝撃吸収部材5の取り外しが容易になり、かつ、帽体2の内周面2Pの洗浄やメンテナンスが容易になる。
【0027】
なお、後側巻回部42の前端部に係止爪を形成し、連結部46の下端部46aに係止孔を形成して、それぞれの係止孔に係爪を挿入することにより、後側巻回部42の前端部と連結部46の下端部とを回動可能に連結することも可能である。
【0028】
本実施形態に係るヘッドバンド4においては、
図7及び
図8に示す如く、連結部46の下端部46aと第一調節部43の前端部43aとに、互いの回動範囲を規制する回動規制部として、第一の凸部である規制凸部46c、及び、第二の凸部である被規制凸部43dが形成される。そして、
図9に示す如く、後側巻回部42が連結部46に対して回動する際に、規制凸部46cと被規制凸部43dとが同一回転円周上で当接することにより、連結部46に対する第一調節部43(後側巻回部42)の回動範囲を規制する。
【0029】
なお、連結部46の下端部46aと第一調節部43の前端部43aとのうち何れか一方のみに、他方の回動範囲を規制する回動規制部を設ける構成とすることも可能である。また、回動規制部として、下端部46aと前端部43aとの何れか一方の凸部を形成し、他方に凹部を形成する構成とすることも可能である。
【0030】
本実施形態においては
図9に示す如く、回動規制部(規制凸部46c及び被規制凸部43d)は、ヘルメット1の使用時の側面視において、水平面から下方への第一調節部43(後側巻回部42)の回動範囲が45度となるように構成されている。このように、後側巻回部42の下方への垂れ下がりを防止する観点において、ヘルメット1の使用時の側面視における後側巻回部42の回動範囲は50度以内で規制することが好ましい。
【0031】
本実施形態に係るヘルメット1においては上記の如く、前側巻回部41における左右それぞれの後部に、ヘルメット1の使用時において下方に延出される連結部46が形成されている。そして、後側巻回部42における左右の前端部は、それぞれ連結部46の下端部46aに回動可能に連結される。これにより、
図10に示す如く、後側巻回部42の回動中心(連結部46との係合部)を、使用者の頭骨において最も後方に突出した部分に近づけることができる。このため、
図10の如く後側巻回部42を使用者の頭骨に沿って配置した後で、
図11に示す如く連結部46に対する後側巻回部42の回動角度が変わった場合に、後側巻回部42を頭骨に沿わせることができる。即ち、本実施形態に係るヘルメット1においては、連結部46に対して後側巻回部42の回動角度が変わっても、後側巻回部42による後頭部の保持姿勢を適切に維持することができるのである。
【0032】
上記の如く、後側巻回部42と連結部46との連結部分を、使用者の頭骨において最も後方に突出した部分に近づけるという観点より、後側巻回部42の前端部と連結部46の下端部46aとの連結部分は、前側巻回部41の下端部からの距離が30mm以上50mm以下となるように形成することが好ましい。また、上記の寸法とすることにより、長髪の者が帽体2の後端部と後側巻回部42との隙間から結わえた頭髪を出すことも可能となる。
【0033】
なお、本実施形態に係るヘルメット1においては、後側巻回部42における左右の前端部を、それぞれ連結部46の下端部46aに回動可能に連結しているが、後側巻回部42と連結部46との連結態様は本実施形態に限定されるものではない。即ち、後側巻回部42の前部と連結部46の下部とを連結する構成であれば、それぞれの端部を連結する構成でなくても差し支えない。
【0034】
また、本実施形態に係るヘッドバンド4においては、連結部46の下端部46aと第一調節部43の前端部43aとに、互いの回動範囲を規制する回動規制部として、第一の凸部である規制凸部46c、及び、第二の凸部である被規制凸部43dを形成している。これにより、後側巻回部42の下方への垂れ下がりを防止して、後頭部の保持姿勢を適切に維持することを可能としている。また、前側巻回部41に対する後側巻回部42の回動範囲を適切な範囲内に制限することにより、前側巻回部41に対する後側巻回部42の角度を調整しやすくできる。
【0035】
また、本実施形態に係るヘッドバンド4においては、後側巻回部42が連結部46に対して回動する際に、規制凸部46cと被規制凸部43dとが同一回転円周上で当接することにより、連結部46に対する第一調節部43(後側巻回部42)の回動範囲を規制する構成としている。このように、後側巻回部42と連結部46とにおいて互いに当接する部分を形成することにより、簡易な構成で回動規制部を設けることができる。
【0036】
また、本実施形態に係るヘッドバンド4においては、後側巻回部42の前端部(第一調節部43の前端部43a及び第二調節部44の前端部44a)には係止孔が開口され、この係止孔に連結部46の係止爪46bが挿入されることにより、後側巻回部42が連結部46に対して回動可能に連結される構成としている。このように、互いに係合させて回動機構を形成することにより、別途他の部品を使用することなく、簡易な構成で後側巻回部42を連結部46に対して回動可能とすることができる。なお、後側巻回部42と連結部46との連結部分は、係止爪と係止孔で構成する以外に、ヒンジ形状、固定ピンによる連結、等により構成する事も可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 ヘルメット 2 帽体
2P 内周面 3 ハンモック
4 ヘッドバンド 5 衝撃吸収部材
21 係止部 22 係合部(接合部)
30 環状部 31 連係部
31a 連係孔 32 バンド支持部
32a 支持孔 41 前側巻回部
41a 被支持部 41b 支持爪
42 後側巻回部 43 第一調節部
43a 前端部 43b 調節溝部
43c 係止孔 43d 被規制凸部
44 第二調節部 44a 前端部
44b ガイド部 45 ロック部
45a ロックボタン 46 連結部
46a 下端部 46b 係止爪
46c 規制凸部