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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022156920
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20221006BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G02F1/1335
G09F9/00 324
G09F9/00 336E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021060861
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 修一
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 光一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 義史
【テーマコード(参考)】
2H291
5G435
【Fターム(参考)】
2H291FA02X
2H291FA22Z
2H291FA48Z
2H291FA81Z
2H291FA95Z
2H291FA96Z
2H291FB13
2H291FC36
2H291FD31
2H291LA40
5G435AA03
5G435AA17
5G435BB12
5G435CC12
5G435DD13
5G435EE25
5G435FF02
5G435FF05
5G435FF12
5G435HH02
5G435KK03
(57)【要約】
【課題】 複数色に対応する波長に分散された光がいずれも一定の方向に偏ることなく、同一の分布で輝度範囲を持つように分離制御を可能とする表示装置を提供する。
【解決手段】 実施形態の表示装置は、バックライトと液晶パネルと色分離素子基板とを備える。液晶パネルは、バックライトからのバックライト光を入射して表示映像に合わせてカラーフィルタで指定色成分を吸収する。色分離素子基板は、液晶パネルとバックライトとの間に配置され、透明素材基板の一方面に色分離素子が形成される。液晶パネルには、バックライト光の入射面側の透明素材基板の周縁部に一定幅の接合領域が設けられ、色分離素子基板には、液晶パネルに対向する面の周縁部に一定の高さの段差が形成され、色分離素子基板の段差の上面と液晶パネルの透明素材基板の接合領域とは膜を介して接合される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライト光を出射するバックライトと、
前記バックライト光が入射する液晶パネルと、
前記液晶パネルと前記バックライトとの間に配置され、透明素材基板の一方面に色分離素子が形成される色分離素子基板と
を具備し、
前記液晶パネルには、前記バックライト光の入射面側の透明素材基板の周縁部に一定幅の接合領域が設けられ、
前記色分離素子基板には、前記液晶パネルに対向する面の周縁部に一定の高さの段差が形成され、
前記色分離素子基板の段差の上面と前記液晶パネルの透明素材基板の接合領域とは膜を介して接合される表示装置。
【請求項2】
前記液晶パネルには、前記接合領域の内側に偏光板が配置され、
前記色分離素子基板には、前記段差の内側に色分離素子が形成される請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記段差には、一部に空気穴となる開口部が形成される請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記膜は、透明無機膜である請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
バックライト光を出射するバックライトと、
前記バックライト光が入射する液晶パネルと、
前記液晶パネルと前記バックライトとの間に配置され、透明素材基板の一方面に色分離素子が形成される色分離素子基板と
を具備し、
前記液晶パネルには、前記色分離素子基板に対向する透明素材基板の周縁部に一定の高さの段差が形成され、
前記色分離素子基板には、前記液晶パネルに対向する面の周縁部に一定幅の接合領域が設けられ、
前記液晶パネルの透明素材基板の段差の上面と前記色分離素子基板の接合領域とは、膜を介して接合される表示装置。
【請求項6】
前記液晶パネルには、前記段差の内側に偏光板が配置され、
前記色分離素子基板には、前記接合領域の内側に色分離素子が形成される請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記段差には、一部に空気穴となる開口部が形成される請求項5記載の表示装置。
【請求項8】
前記膜は、透明無機膜である請求項5記載の表示装置。
【請求項9】
バックライト光を出射するバックライトと、
前記バックライト光が入射する液晶パネルと、
前記液晶パネルと前記バックライトとの間に配置され、透明素材基板の一方面に色分離素子が形成される色分離素子基板と、
前記色分離素子基板と前記液晶パネルとの間に配置され、それぞれの周縁部に沿った形状の一定の高さの透明素材枠と
を具備し、
前記液晶パネルには、前記透明素材枠に対向する透明素材基板の周縁部に一定幅の接合領域が設けられ、
前記色分離素子基板には、前記透明素材枠に対向する面の周縁部に一定幅の接合領域が設けられ、
前記色分離素子基板の接合領域と前記透明素材枠との間、前記液晶パネルの透明素材基板の接合領域と前記透明素材枠との間は、それぞれ膜を介して接合される表示装置。
【請求項10】
前記液晶パネルには、前記接合領域の内側に偏光板が配置され、
前記色分離素子基板には、前記接合領域の内側に色分離素子が形成される請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
前記透明素材枠には、一部に空気穴となる開口部が形成される請求項9記載の表示装置。
【請求項12】
前記膜は、透明無機膜である請求項9記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、色分離素子技術を用いる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示モジュールに用いられるカラーフィルタ(CF:Color Filter)方式の表示装置は、画素単位でRGBのCFを形成した液晶パネル(液晶TFT(thin-film-transistor:薄膜トランジスタ)基板にCF基板を積層したパネル)に対して、白色のバックライト光を表示映像に合わせてRGB画素それぞれのフィルタに入射することで、CF色の波長光を透過させ、CF以外の波長光を吸収する。このため、光の利用効率が低い。そこで、光の利用効率を高める目的で、光分離素子技術が提案されている。
【0003】
色分離素子技術は、ガラス基板の表面に所定のパターンの凹凸による色分離溝を形成した色分離素子により、白色のバックライト光を入射してRGBそれぞれの波長成分ごとに特定の方向に回折させ分離するものである。この技術によれば、CF方式の表示装置において、上記色分離素子を形成したガラス基板(以下、色分離素子基板)をバックライトと液晶パネルと間に対向配置させ、色分離素子によって、バックライト光をRGBのCFそれぞれに対応する波長に分離し、所定の方向に回折して、CFに対応する波長の光のみを液晶パネルのRGB画素それぞれのフィルタに入射させる。これによって、CFに対応する波長以外の光の吸収を低減し、光(輝度)の利用効率の向上を図る。
【0004】
ただし、色分離素子と液晶パネルとの間には、色ごとに回折された光を空間的に分離するための間隙(Air-GAP)が必要である。そこで、液晶パネルの縁面と色分離素子基板の周縁部とを略ロの字の両面テープによって接着し、両面テープの厚みによって間隙を形成する手法が検討されている。
【0005】
しかしながら、両面テープで接着した場合、テープ自体の厚みにばらつきがあること、両面テープを液晶パネルと色分離素子基板の両方に貼り合わせする必要であり、複数回の張り合わせによるずれのリスクがあることが懸念されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-146750号公報
【特許文献2】特開2020-158358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、従来のCF方式の表示装置では、光分離素子技術の採用に際して、色分離素子基板と液晶パネルを両面テープによって接着する手法が検討されているが、両面テープで接着した場合、テープ自体の厚みのばらつき、貼り合わせによるずれのリスクがあることが懸念されている。
【0008】
そこで、本実施形態は、色分離素子基板と液晶パネルとを、均一な間隙で、かつずれを生じることなく一体化することのできる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態に係る表示装置は、バックライトと液晶パネルと色分離素子基板とを備える。液晶パネルは、バックライトからのバックライト光を入射して表示映像に合わせてカラーフィルタで指定色成分を吸収する。色分離素子基板は、液晶パネルとバックライトとの間に配置され、透明素材基板の一方面に色分離素子が形成される。液晶パネルには、バックライト光の入射面側の透明素材基板の周縁部に一定幅の接合領域が設けられ、色分離素子基板には、液晶パネルに対向する面の周縁部に一定の高さの段差が形成され、色分離素子基板の段差の上面と液晶パネルの透明素材基板の接合領域とは膜を介して接合される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す分解斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る表示装置の具体的な構造を示す断面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る表示装置の製造工程を段階的に示す図である。
図4図4は、第2の実施形態に係る表示装置の具体的な構造を示す断面図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る表示装置の製造工程を段階的に示す図である。
図6図6は、第3の実施形態に係る表示装置の具体的な構造を示す断面図である。
図7図7は、第3の実施形態に係る表示装置の製造工程を段階的に示す図である。
図8図8は、本実施形態に適用される色分離素子の具体的な構造を示す断面図である。
図9図9は、図8に示す色分離素子の具体的な処理例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態と称する)について詳細に説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
まず、本実施形態に適用される色分離素子について、図8及び図9を参照して説明する。
【0013】
図8は色分離素子の具体的な構造を示す断面図、図9図8に示す色分離素子によるバックライト光の色分離例を示す断面図である。
【0014】
すなわち、色分離素子は、図8に示すように、ガラス基板に最小構造幅1μm~3μm、最大深さ3μm~4μmの溝をRGBに対応する所定のパターンで形成したものである。以下、上記溝を色分離溝111と称する。また、色分離溝111を形成したガラス基板を色分離素子基板11と称する。
【0015】
バックライト光(白色光)をそのままカラーフィルタに入射すると、図9(a)に示すように、R、G、BのフィルタでそれぞれR、G、B以外の光が吸収されてしまう。これに対して、バックライト光(白色光)を、色分離素子基板11を介してカラーフィルタに入射すると、図9(b)に示すように、R、G、Bの光がそれぞれ異なる方向に回折され、各色のフィルタに集光される。これにより、カラーフィルタでの光吸収が低減されるため、光(輝度)の利用効率を向上させることができる。
【0016】
以下、上記色分離素子基板11を用いた表示装置の実施形態を説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の基本的な構成を示す分解斜視図である。図1に示す表示装置は、光分離溝111が形成された色分離素子基板11と、CF基板及び液晶TFT基板を積層した液晶パネル21と、両者を接合するための10nm程度のガラス材による無機透明薄膜31とを備える。
【0018】
色分離素子基板11には、周縁部に段差構造をなす一定の高さの外周壁112が形成される。なお、外周壁の一部は、空気穴113として切除されている。空気穴113は、内部空間の結露防止策として機能する。
【0019】
一方、液晶パネル21には、バックライト光入射面側に、周縁から一定幅で接合領域が確保される。その接合領域の内側には、下偏光板211が装着される。
【0020】
上記色分離素子基板11の外周壁112の上面には、透明無機膜(透明素材による無機な薄膜)31が貼り付けられ、その上から液晶パネル21の接合領域が位置を合わせて貼り付けられる。ここで、透明無機膜を用いたガラス基板の接合については、ランテクニカルサービス株式会社のホームページ(http://www.lantechnical.co.jp)にその詳細が解説されている。透明無機膜31の貼り付け及び接合は、真空環境下で、イオンビームスパッターにより材料表面に成膜することで行う。
【0021】
これにより、色分離素子と液晶パネルとが一定の距離で対向配置され、色分離素子基板11の底面側から入射した光を色分離素子基板11でRGBごとに色分離して液晶パネル21のカラーフィルタに照射することができる。このとき、色分離素子基板11と液晶パネル21とは透明無機膜31を介して接合されるため、均一な厚さで、かつずれを生じることなく一体化することができる。
【0022】
図2は、第1の実施形態に係る表示装置の具体的な構造を示す断面図、図3はその製造工程を段階的に示す図である。
【0023】
本実施形態に係る表示装置は、図2に示すように、色分離素子基板11と、液晶パネル21とを透明無機膜31を介して接合した積層構造となっている。まず、色分離素子基板11には、空気穴113の形成部分を除き、周縁部に一定の高さの外周壁112が形成され、その内側上面に色分離溝111が形成される。一方、液晶パネル21は、バックライト光入射側から順に、下偏光板211、TFTガラス基板212、液晶TFT基板213、CF基板214、CFガラス基板215、上偏光板216を積層した構造となっている。
【0024】
上記色分離素子基板11は、その製造工程において、図3(a)に示す前処理がなされる。この工程では、色分離素子基板11の元となるガラス基板11Aの上面に、空気穴113の形成部分を除き、周囲に沿って一定幅で耐HF(フッ化水素酸)レジスト41を塗布する。
【0025】
次に、図3(b)に示すように、前処理されたガラス基板11Aをエッチング容器42に収容し、一定時間、エッチング処理する。これにより、ガラス基板11Aは、耐HFレジスト41が塗布された部分が残り、他の部分がエッチング処理時間相当の深さまで溶解される。この結果、ガラス基板11Aは、図3(c)に示すように、上面周縁部に、空気穴113の形成部分を除き、一定の高さの外周壁112を形成した形状となる。ここで、ガラス基板11Aの外周壁112で囲まれた領域内に、ナノプリント処理によって色分離素子となる色分離溝111を形成する。これによって、色分離素子基板11の形成が完了する。この状態で、図3(d)に示すように、上記色分離素子基板11の外周壁112の上面に透明無機膜31を貼り付けた後、図3(e)に示すように、その上から液晶パネル21を、接合領域を位置合わせして貼り付ける。
【0026】
以上の製造工程により、色分離素子基板11と液晶パネル21とを、均一な間隙で、かつずれを生じることなく一体化することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る表示装置の具体的な構造を示す断面図、図5はその製造工程を段階的に示す図である。
【0028】
第1の実施形態では、色分子素子基板11に段差構造を形成するようにしたが、本実施形態では、液晶パネル21に段差構造を形成する。すなわち、本実施形態に係る表示装置は、図4に示すように、色分離素子基板11、液晶パネル21の基本構造が第1の実施形態と同じであるが、本実施形態では、色分離素子基板11には、周辺部に段差はなく、一定幅の接合領域が設けられ、その内側にナノプリント処理によって色分離素子となる色分離溝111が形成される。一方、液晶パネル21では、空気穴113の形成部分を除き、TFTガラス基板212の周縁部に、段差構造をなす一定の高さの外周壁2121が形成され、その内側に下偏光板211が配置される。
【0029】
上記TFTガラス基板212は、その製造において、図5(a)に示す前処理がなされる。この工程では、TFTガラス基板212の元となるガラス基板212Aの上面に、空気穴113の形成部分を除き、周囲に沿って一定幅で耐HF(フッ化水素酸)レジスト43を塗布し、エッチング容器(図示せず)に収容し、一定時間、エッチング処理する。これにより、ガラス基板212Aは図5(b)に示すように、耐HFレジスト43が塗布された部分が残り、他の部分がエッチング処理時間相当の深さまで溶解される。この結果、ガラス基板212Aは、周縁部に、空気穴113の形成部分を除き、一定の高さの外周壁2121を形成した形状となる。下偏光板211は、外周壁2121で囲まれた領域内に配置される。この状態で、図5(c)に示すように、上記TFTガラス基板11の外周壁2121の上面に透明無機膜32を貼り付けた後、図5(d)に示すように、その上から色分離素子基板11を、接合領域を位置合わせして貼り付ける。
【0030】
以上の製造工程により、色分離素子基板11と液晶パネル21とを、均一な間隙で、かつずれを生じることなく一体化することができる。
【0031】
(第3の実施形態)
図6は、第3の実施形態に係る表示装置の具体的な構造を示す断面図、図7はその製造工程を段階的に示す図である。
【0032】
第1の実施形態では、色分子素子基板11に段差構造を形成し、第2の実施形態では液晶パネル21のTFTガラス基板212に段差構造を形成するようにしたが、本実施形態では、他のガラス部材で段差構造を形成する。すなわち、本実施形態に係る表示装置は、図6に示すように、色分離素子基板11、液晶パネル21の基本構造が第1、第2の実施形態と同じであるが、本実施形態では、色分離素子基板11、液晶パネル21のTFTガラス基板212には、いずれも周辺部に段差はなく、一定幅の接合領域が設けられる。そして、色分離素子基板11と液晶パネル21のTFTガラス基板212との間に、空気穴113の形成部分を除き、それぞれの周縁部に沿って一定の高さで形成された異形状加工のガラス枠51が透明無機膜33,34を介して接合される。
【0033】
上記構造による表示装置の製造工程では、まず、図7(a)に示すように、色分離素子基板11の上面周辺部に一定幅の接合領域を設け、その接合領域に沿うように成形され、対向面に透明無機膜33が貼り付けられた異形状加工のガラス枠51を、上方から接合領域に位置合わせして接合する。続いて、図7(b)に示すように、ガラス枠51の上面に透明無機膜34を貼り付け、その上方から液晶パネル21のTFTガラス基板212を、その接合領域に位置合わせて、図7(c)に示すように接合する。
【0034】
以上の製造工程により、色分離素子基板11、液晶パネル21に段差を形成することなく、色分離素子基板11と液晶パネル21とを、均一な間隙で、かつずれを生じることなく一体化することができる。本実施形態では、接合に別部材を利用するため、接合回数が増えてしまうが、透明無機膜を用いるため、両面テープの場合と比較してずれのリスクを十分に低減することができる。
【0035】
なお、上記実施形態では、色分離素子基板、液晶TFT基板、透明無機膜を、いずれもガラス材の加工品としたが、樹脂等の透明素材を用いてもよい。接合のための透明薄膜は、無機に限らず、有機系であってもよい。
【0036】
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0037】
11…色分離素子基板、111…色分離溝、112…外周壁、113…空気穴、11A…ガラス基板、21…液晶パネル、211…下偏光板、212…TFTガラス基板、2121…外周壁、213…液晶TFT基板、214…CF基板、215…CFガラス基板、216…上偏光板、31,32,33,34…透明無機膜、41,43…耐HFレジスト、42…エッチング容器、51…異形状加工ガラス枠。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9