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特開2022-157012課金処理装置、課金処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157012
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】課金処理装置、課金処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20221006BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q20/08
G07B15/00 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061003
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山中 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大和
【テーマコード(参考)】
3E127
5L055
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA11
3E127EA03
3E127EA33
3E127FA18
3E127FA27
3E127FB10
3E127FB18
5L055AA32
(57)【要約】
【課題】課金処理に即時性が要求される場合であっても、システム全体の課金処理における負荷を低減することのできる課金処理装置を提供する。
【解決手段】課金処理装置は、即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両を識別可能な識別情報とを関連付けて記録する記録部と、前記識別情報に関連付けて前記車両の走行履歴を示す走行履歴情報を更新する更新部と、課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行う課金処理部であって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行う課金処理部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両を識別可能な識別情報とを関連付けて記録する記録部と、
前記識別情報に関連付けて前記車両の走行履歴を示す走行履歴情報を更新する更新部と、
課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行う課金処理部であって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行う課金処理部と、
を備える課金処理装置。
【請求項2】
前記課金処理部は、
前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、直ちに前記課金処理を行う、
請求項1に記載の課金処理装置。
【請求項3】
即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両を識別可能にする識別情報とを関連付けて記録することと、
前記識別情報に関連付けて前記車両の走行履歴を示す走行履歴情報を更新することと、
課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行うことであって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行うことと、
を含む課金処理方法。
【請求項4】
コンピュータに、
即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両を識別可能にする識別情報とを関連付けて記録することと、
前記識別情報に関連付けて前記車両の走行履歴を示す走行履歴情報を更新することと、
課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行うことであって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行うことと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、課金処理装置、課金処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの有料道路では車両が通過する際に課金処理が行われる。
特許文献1には、関連する技術として、有料道路において車両に課金処理を行うシステムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-166679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有料道路における課金の支払いの多くは、クレジットカードなどの後納処理によるものである。すなわち、クレジットカード会社から銀行への請求までに正しい課金額が算出されればよい。しかしながら、レンタカーやタクシーなどが有料道路を走行した場合、車両の利用者が正確な課金額を直ちに支払う必要がある。
そのため、課金処理に即時性が要求される場合であっても、正確な課金額を即時に算出しつつ、システム全体の課金処理における負荷を低減することのできる技術が求められている。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、課金処理に即時性が要求される場合であっても、システム全体の課金処理における負荷を低減することのできる課金処理装置、課金処理方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る課金処理装置は、即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両を識別可能な識別情報とを関連付けて記録する記録部と、前記識別情報に関連付けて前記車両の走行履歴を示す走行履歴情報を更新する更新部と、課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行う課金処理部であって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行う課金処理部と、を備える。
【0007】
本開示に係る課金処理方法は、即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両を識別可能な識別情報とを関連付けて記録することと、前記識別情報に関連付けて前記車両の走行履歴を示す走行履歴情報を更新することと、課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行うことであって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行うことと、を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両を識別可能な識別情報とを関連付けて記録することと、前記識別情報に関連付けて前記車両の走行履歴を示す走行履歴情報を更新することと、課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行うことであって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行うことと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る課金処理装置、課金処理方法及びプログラムによれば、課金処理に即時性が要求される場合であっても、システム全体の課金処理における負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態による情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本開示の一実施形態による車載器の構成の一例を示す図である。
図3】本開示の一実施形態による記憶装置の構成の一例を示す図である。
図4】本開示の一実施形態による記憶装置が記憶する情報の第1の例を示す図である。
図5】本開示の一実施形態による記憶装置が記憶する情報の第2の例を示す図である。
図6】本開示の一実施形態による記憶装置が記憶する情報の第3の例を示す図である。
図7】本開示の一実施形態による課金処理装置の構成の一例を示す図である。
図8】本開示の一実施形態による課金処理装置の処理フローの第1の例を示す図である。
図9】本開示の一実施形態による課金処理装置の処理フローの第2の例を示す図である。
図10】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本開示の一実施形態による情報処理システムについて説明する。
(情報処理システムの構成)
図1は、本開示の一実施形態による情報処理システム1の構成を示す図である。情報処理システム1は、図1に示すように、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星10、車両20a、20b、・・・、記憶装置30、および課金処理装置40を備える。車両20a、20b、・・・を総称して、車両20と呼ぶ。情報処理システム1は、即時課金の処理が必要な車両20に対して、即時課金の処理が不要な車両20よりも優先して課金処理を行うシステムである。なお、図1では、車両20aについて、GNSS衛星10および記憶装置30との間の通信のイメージを表すための点線が示されているが、車両20bも、GNSS10および記憶装置30と通信を行っている。また、課金処理装置40と記憶装置30の間でも通信が行われる。
【0012】
GNSS衛星10の例としては、GPS(Global Positioning System)などで用いられる人工衛星が挙げられる。GNSS衛星10は、例えば、4つ以上の静止通信衛星を含む。
【0013】
車両20は、有料道路(例えば、高速道路)を走行する車両である。車両20は、車載器201を備える。車載器201は、OBU(On BoardUnit)と呼ばれる場合がある。図2は、本開示の一実施形態による車載器201の構成を示す図である。車載器201は、図2に示すように、通信部2011、および測位部2012を備える。
【0014】
通信部2011は、車載器201の外部と通信を行う。例えば、通信部2011は、GNSS衛星10から電波を受信する。また、通信部2011は、課金処理装置40と通信を行う。
【0015】
測位部2012は、通信部2011が受信した電波に基づいて、自身の車両20について測位する。なお、測位部2012が行う測位方法は、例えば、4つのGNSS衛星10のうち3つから受信した電波に基づき自身の車両20の位置を算出し、もう1つのGNSS衛星10から受信した電波で位置を補正するなど、既知の技術を用いるものであってよい。
【0016】
また、測位部2012は、算出した自身の車両20の位置を、自身の車両20を識別可能にする識別情報とともに、測位結果として、通信部2011を介して記憶装置30に送信する。
【0017】
記憶装置30は、アカウント情報、および走行情報を記憶する。アカウント情報は、車両20を識別可能にする識別情報、および即時課金を要望する(即時課金が必要である)か否かを示す即時課金情報を少なくとも含む。なお、アカウント情報の詳細については後述する。
【0018】
図3は、本開示の一実施形態による記憶装置30の構成を示す図である。記憶装置30は、図3に示すように、記憶部301、302、303を備える。例えば、記憶部301は、アカウント情報を記憶する。例えば、記憶部302は、課金処理が行われていない走行情報を記憶する。例えば、記憶部303は、課金処理が行われた走行情報を記憶する。
【0019】
図4は、記憶部301が記憶するアカウント情報の一例を示す図である。アカウント情報は、即時課金を要望するか否かを示す即時課金情報と、車両20を識別可能にする識別情報とを関連付けた情報を少なくとも含む。即時課金情報の例としては、“0”の場合即時課金を要望せず、“1”の場合即時課金を要望する図4に示すような即時フラグが挙げられる。即時課金情報または即時フラグは、アカウント情報を登録または更新する際等における利用者からの申し出や、車種等に応じてあらかじめ設定されていてもよい。車両20を識別可能にする識別情報の例としては、アカウントIDが挙げられる。アカウントIDの例としては、車載器201の識別情報(車載器ID(Identification)など)、車両20のナンバープレート情報、車両20の車種情報などが挙げられる。
【0020】
図5は、記憶部302が記憶する課金処理が行われていない走行情報の一例を示す図である。また、図6は、記憶部303が記憶する課金処理が行われた走行情報の一例を示す図である。走行IDは、有料道路における車両20の走行に固有の識別情報である。即時フラグは、課金処理について、即時課金の必要の有無を示すフラグである。例えば、即時フラグ1は、課金処理において即時課金を行う必要があることを示す。また、即時フラグ0は、課金処理において即時課金を行う必要がないことを示す。入口IC(InterChange)は、車両20が有料道路に入ったインターチェンジを示す識別情報である。走行履歴は、車両20が入口ICを通過後の時刻と、その時刻における車両20の位置とを関連付けた情報である。出口ICは、車両20が有料道路から出たインターチェンジを示す識別情報である。精算対象フラグは、車両20が出口ICを通過し、有料道路の課金処理の対象となったことを示すフラグである。通行料金は、走行履歴に基づいて行われた課金処理の結果を示す。
【0021】
図7は、課金処理装置40の構成の一例を示す図である。課金処理装置40は、図7に示すように、アカウント管理部401(記録部の一例)、通信処理部402(更新部の一例)、およびデータ処理部403(課金処理部の一例)を備える。
【0022】
アカウント管理部401は、即時課金を要望するか否かを示す即時課金情報と、車両20を識別可能にする識別情報とを関連付けた情報を少なくとも含むアカウント情報を記憶装置30に記録する。
【0023】
通信処理部402は、車両20を識別可能にする識別情報に関連付けて車両20の走行履歴を示す走行履歴情報を更新する。例えば、通信処理部402は、所定のタイミングごとに、測位結果を受信する。通信処理部402は、受信した測位結果が示す識別情報を特定する。通信処理部402は、記憶装置30に記録された、その特定した識別情報に関連付けて車両20の走行履歴を示す走行履歴情報を書き換える。所定のタイミングごとの例としては、一定時間ごと(例えば1秒ごと)、車両20が一定以上の距離移動したことを検出するたびなどが挙げられる。
【0024】
データ処理部403は、課金対象となる条件を満たした走行履歴情報に基づいて、識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行う。例えば、データ処理部403は、走行履歴情報がその条件を満たした車両20が、即時課金を要望する即時課金情報に関連付けられた識別情報に対応する車両20である場合、即時課金を要望しない即時課金情報に関連付けられた識別情報に対応する車両20である場合よりも優先して課金処理を行う。より具体的には、例えば、走行履歴情報がその条件を満たした車両20が、即時課金を要望する即時課金情報に関連付けられた識別情報に対応する車両20である場合、データ処理部403は、直ちに課金処理を行う。
【0025】
(課金処理装置40が行う処理)
次に、情報処理システム1において課金処理装置40が行う課金処理について、図8および図9を参照して説明する。なお、ここでは、有料道路を走行する各車両20について、即時フラグとアカウントIDとを含むアカウント情報が、アカウント管理部401によって、予め記憶装置30の記憶部301に記録されているものとする。また、測位部2012は、通信部2011がGNSS衛星10から受信した電波に基づいて、自身の車両20について測位し、その測位結果を所定のタイミングごとに課金処理装置40に送信しているものとする。また、記憶部302は、課金処理が行われていない走行情報を記憶するものとする。また、記憶部303は、課金処理が行われた走行情報を記憶するものとする。
【0026】
まず、課金処理装置40が行う走行履歴を更新する処理について、図8を参照して説明する。通信処理部402は、車両20から測位結果を受信する(ステップS1)。通信処理部402は、記憶部302が記憶する未処理の走行情報に、受信した測位結果が示す識別情報を含む走行情報があるか否かを判定する(ステップS2)。通信処理部402は、記憶部302においてその識別情報を含む走行情報がないと判定した場合(ステップS2においてNO)、車両20が入口ICを通過したか否かを判定する(ステップS3)。例えば、記憶装置30が入口ICの位置情報を記憶しており、通信処理部402は、測位結果が入口ICを通過したことを示す場合、車両20が入口ICを通過したと判定する。また、通信処理部402は、測位結果が入口ICを通過しないことを示す場合、車両20が入口ICを通過していないと判定する。
【0027】
通信処理部402は、車両20が入口ICを通過していないと判定した場合(ステップS3においてNO)、ステップS1の処理に戻す。通信処理部402は、車両20が入口ICを通過したと判定した場合(ステップS3においてYES)、その車両20の課金処理として即時課金が必要であるか否かを判定する(ステップS4)。例えば、通信処理部402は、記憶部301が記憶するその車両20のアカウント情報に含まれる即時フラグが1である場合、即時課金が必要であると判定する。また、通信処理部402は、記憶部301が記憶するその車両20のアカウント情報に含まれる即時フラグが0である場合、即時課金が不要であると判定する。
【0028】
通信処理部402は、即時課金が必要であると判定した場合(ステップS4においてYES)、即時フラグを1にし(ステップS5)、未処理の走行情報として記憶部302に記録する(ステップS6)。また、通信処理部402は、即時課金が必要でないと判定した場合(ステップS4においてNO)、即時フラグを0にし(ステップS7)、ステップS6の処理に進める。
【0029】
また、通信処理部402は、記憶部302においてその識別情報を含む走行情報があると判定した場合(ステップS2においてYES)、車両20が出口ICを通過したか否かを判定する(ステップS8)。例えば、記憶装置30が出口ICの位置情報を記憶しており、通信処理部402は、測位結果が出口ICを通過したことを示す場合、車両20が出口ICを通過したと判定する。また、通信処理部402は、測位結果が出口ICを通過しないことを示す場合、車両20が出口ICを通過していないと判定する。
【0030】
通信処理部402は、車両20が出口ICを通過したと判定した場合(ステップS8においてYES)、精算対象フラグを1にし(ステップS9)、ステップS6の処理に進める。また、通信処理部402は、車両20が出口ICを通過していないと判定した場合(ステップS8においてNO)、精算対象フラグを0にし(ステップS10)、ステップS6の処理に進める。
【0031】
通信処理部402は、ステップS6の処理を終えると、即時フラグが1かつ精算対象フラグが1であるか否かを判定する(ステップS11)。通信処理部402は、即時フラグが1かつ精算対象フラグが1であると判定した場合(ステップS11においてYES)、データ処理部403へ即時課金の処理を依頼する(ステップS12)。具体的には、通信処理部402は、即時フラグが1かつ精算対象フラグが1の未処理の走行情報について即時課金の処理を実行させる指示をデータ処理部403に送信する。その指示には、アカウント情報が含まれている。そして、通信処理部402は、ステップS1の処理に戻す。また、通信処理部402は、即時フラグが1かつ精算対象フラグが1でないと判定した場合(ステップS11においてNO)、ステップS1の処理に戻す。
【0032】
なお、データ処理部403は、通信処理部402から即時課金の処理を依頼された場合、即時課金の処理を行い、処理結果を通信処理部402に送信する。通信処理部402は、処理結果を車両20に送信する(ステップS13)。
【0033】
次に、課金処理装置40が行う課金処理について、図9を参照して説明する。データ処理部403は、通信処理部402から即時課金の処理を依頼されたか否かを判定する(ステップS21)。例えば、データ処理部403は、即時フラグが1かつ精算対象フラグが1の未処理の走行情報について即時課金の処理を実行させる指示を通信処理部402から受信した場合、通信処理部402から即時課金の処理を依頼されたと判定する。また、データ処理部403は、その指示を通信処理部402から受信しない場合、通信処理部402から即時課金の処理を依頼されていないと判定する。
【0034】
データ処理部403は、即時課金の処理の依頼があると判定した場合(ステップS21においてYES)、課金処理を実行中であるか否かを判定する(ステップS22)。データ処理部403は、課金処理を実行中であると判定した場合(ステップS22においてYES)、実行中の課金処理が即時課金であるか否かを判定する(ステップS23)。データ処理部403は、実行中の課金処理が即時課金でないと判定した場合(ステップS23においてNO)、課金処理を実行中の走行情報を退避フラグとともに記憶装置30に退避させる(ステップS24)。データ処理部403は、ステップS21の即時課金の処理の依頼に含まれるアカウント情報を記憶部302において検索する(ステップS25)。そして、データ処理部403は、そのアカウント情報を含む未処理の走行情報を特定する(ステップS26)。データ処理部403は、特定した走行情報について課金処理を行う(ステップS27)。データ処理部403は、課金処理の結果を通信処理部402に送信する(ステップS28)。また、データ処理部403は、課金処理の結果を記憶部303に記録する(ステップS29)。そして、データ処理部403は、ステップS21の処理に戻す。
【0035】
また、データ処理部403は、実行中の課金処理が即時課金であると判定した場合(ステップS23においてYES)、課金処理を継続する(ステップS30)。データ処理部403は、課金処理の結果を通信処理部402に送信する(ステップS31)。また、データ処理部403は、課金処理の結果を記憶部303に記録する(ステップS32)。そして、データ処理部403は、ステップS25の処理に進める。また、データ処理部403は、課金処理を実行中でないと判定した場合(ステップS22においてNO)、ステップS25の処理に進める。
【0036】
また、データ処理部403は、即時課金の処理の依頼がないと判定した場合(ステップS21においてNO)、記憶装置30に退避させた課金処理を実行中の走行情報があるか否かを判定する(ステップS33)。例えば、データ処理部403は、記憶装置30において退避フラグを検索し、退避フラグがある場合、記憶装置30に退避させた課金処理を実行中の走行情報があると判定する。また、データ処理部403は、記憶装置30において退避フラグを検索し、退避フラグがない場合、記憶装置30に退避させた課金処理を実行中の走行情報がないと判定する。
【0037】
データ処理部403は、記憶装置30に退避させた課金処理を実行中の走行情報があると判定した場合(ステップS33においてYES)、その走行情報について課金処理を行う(ステップS34)。データ処理部403は、即時課金ではない未処理の走行情報があるか否かを判定する(ステップS35)。データ処理部403は、即時課金ではない未処理の走行情報があると判定した場合(ステップS35においてYES)、その走行情報について課金処理を行う(ステップS36)。そして、データ処理部403は、ステップS29の処理に進める。
【0038】
また、データ処理部403は、記憶装置30に退避させた課金処理を実行中の走行情報がないと判定した場合(ステップS33においてNO)、ステップS35の処理に進める。また、データ処理部403は、即時課金ではない未処理の走行情報がないと判定した場合(ステップS35においてNO)、ステップS21の処理に戻す。
【0039】
なお、図9において、データ処理部403は、ステップS21の判定処理を、他の処理と並行して常時行われており、ステップS21の処理でYESと判定した場合、他の処理よりも優先してステップS22の処理に進める。
【0040】
なお、図9に示す課金処理では、課金処理装置40は、未処理の走行情報について、古い情報から順に処理することが望ましい。
【0041】
(作用効果)
以上、本開示の一実施形態による情報処理システム1について説明した。情報処理システム1において、課金処理装置40は、即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両20を識別可能にする識別情報とを関連付けて記録するアカウント管理部401と、前記識別情報に関連付けて前記車両20の走行履歴を示す走行履歴情報を更新する通信処理部402と、課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行うデータ処理部403であって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両20が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行うデータ処理部403と、を備える。
【0042】
これにより、本開示の一実施形態による情報処理システム1の課金処理装置40は、課金処理に即時性が要求される場合であっても、即時課金処理すべき車両の課金処理を優先して実施し、即時課金処理すべき車両の課金処理を優先させないことにより、システム全体の課金処理における負荷を低減することができる。
【0043】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0044】
本開示の実施形態における記憶部301、302、303、記憶装置30、その他の記憶部や記憶装置(レジスタ、ラッチを含む)のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部301、302、303、記憶装置30、その他の記憶部や記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0045】
本開示の実施形態について説明したが、上述の情報処理システム1、課金処理装置40、車載器201、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図8は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図8に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の情報処理システム1、課金処理装置40、車載器201、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0046】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0047】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0048】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、種々の省略、種々の置き換え、種々の変更を行ってよい。
【0049】
<付記>
本開示の各実施形態に記載の課金処理装置40、課金処理方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0050】
(1)第1の態様に係る課金処理装置(40)は、
即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両(20)を識別可能な識別情報とを関連付けて記録する記録部(401)と、
前記識別情報に関連付けて前記車両(20)の走行履歴を示す走行履歴情報を更新する更新部(402)と、
課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行う課金処理部(403)であって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両(20)が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行う課金処理部(403)と、
を備える。
【0051】
これにより、課金処理装置(40)は、課金処理に即時性が要求される場合であっても、即時課金処理すべき車両の課金処理を優先して実施し、即時課金処理すべき車両の課金処理を優先させないことにより、システム全体の課金処理における負荷を低減することがきる。
【0052】
(2)第2の態様に係る課金処理装置(40)は、(1)の課金処理装置(40)であって、
前記課金処理部(403)は、
前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両(20)が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、直ちに前記課金処理を行うものであってもよい。
【0053】
これにより、課金処理装置(40)は、課金処理に即時性が要求される場合であっても、システム全体の課金処理における負荷を低減することがきる。
【0054】
(3)第3の態様に係る課金処理方法は、
即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両(20)を識別可能な識別情報とを関連付けて記録することと、
前記識別情報に関連付けて前記車両(20)の走行履歴を示す走行履歴情報を更新することと、
課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行うことであって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両(20)が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行うことと、
を含む。
【0055】
これにより、課金処理方法は、課金処理に即時性が要求される場合であっても、システム全体の課金処理における負荷を低減することがきる。
【0056】
(4)第4の態様に係るプログラムは、
コンピュータに、
即時課金が必要であるか否かを示す即時課金情報と、車両(20)を識別可能な識別情報とを関連付けて記録することと、
前記識別情報に関連付けて前記車両(20)の走行履歴を示す走行履歴情報を更新することと、
課金対象となる条件を満たした前記走行履歴情報に基づいて、前記識別情報に紐づく利用者に対して課金処理を行うことであって、前記走行履歴情報が前記条件を満たした前記車両(20)が、前記即時課金が必要である前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合、前記即時課金が必要でない前記即時課金情報に関連付けられた前記識別情報に対応する車両である場合よりも優先して前記課金処理を行うことと、
を実行させる。
【0057】
これにより、プログラムは、課金処理に即時性が要求される場合であっても、システム全体の課金処理における負荷を低減することがきる。
【符号の説明】
【0058】
1・・・情報処理システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・GNSS衛星
20、20a、20b・・・車両
30・・・記憶装置
40・・・課金処理装置
201・・・車載器
301、302、303・・・記憶部
401・・・アカウント管理部
402・・・通信処理部
403・・・データ処理部
2011・・・通信部
2012・・・測位部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10