(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157073
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】照明器具および照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20221006BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20221006BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20221006BHJP
【FI】
H05B47/13
H05B47/16
H05B47/125
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061096
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克磨
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273QA11
3K273QA17
3K273QA21
3K273QA27
3K273QA28
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA38
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA26
3K273TA27
3K273TA49
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】遅延時間を適切に設定できる照明器具および照明システムを得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る照明器具は、光源と、前記光源を点灯させる点灯回路と、人感センサが人の存在を検出すると前記光源の調光率を上昇させ、前記人感センサが人の不在を検出すると遅延時間の経過後に前記光源の調光率を低下させるように点灯回路を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、人が存在する頻度または人が不在である頻度に基づき前記遅延時間を変更する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を点灯させる点灯回路と、
人感センサが人の存在を検出すると前記光源の調光率を上昇させ、前記人感センサが人の不在を検出すると遅延時間の経過後に前記光源の調光率を低下させるように点灯回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、人が存在する頻度または人が不在である頻度に基づき前記遅延時間を変更することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記制御回路は、前記人感センサが人の存在を検出すると、前記頻度に基づき前記遅延時間を変更することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記制御回路は、前記人感センサが人の存在を検出すると、前記人感センサが前記人の存在を検出した時点から予め定められたサンプル時間前までの期間での前記頻度に基づき前記遅延時間を変更することを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記制御回路は、予め定められた期間に前記人感センサが人の存在を検出した回数が大きいほど、前記遅延時間を長くすることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記制御回路は、予め定められた期間に前記人感センサが人の不在を検出した回数が大きいほど、前記遅延時間を短くすることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記制御回路は、人が不在の状態が継続した不在継続時間に基づき、前記遅延時間を変更することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記制御回路は、前記不在継続時間が予め定められた値を上回った回数または予め定められた値を下回った回数に基づき、前記遅延時間を変更することを特徴とする請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記制御回路は、時刻または曜日に応じた前記頻度の学習データを蓄積し、時刻または曜日に応じて前記学習データに基づき前記遅延時間を変更することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項9】
前記制御回路は、前記頻度の情報を外部機器に出力することを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記制御回路は、外部機器からの情報に基づき前記人感センサの感度を調整することを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項11】
光源と、
前記光源を点灯させる点灯回路と、
人感センサが人の存在を検出すると前記光源の調光率を上昇させ、前記人感センサが人の不在を検出すると遅延時間の経過後に前記光源の調光率を低下させるように点灯回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、人が不在の状態が継続した不在継続時間に基づき前記遅延時間を変更することを特徴とする照明器具。
【請求項12】
前記人感センサを備えることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項13】
請求項1から11の何れか1項に記載の照明器具と、
前記人感センサと、
を備えることを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明装置が開示されている。この照明装置は、電気的な光源を点灯させる点灯部と、所定の検出範囲における人体の有無を検出する人感センサと、制御部を備える。制御部は、光源が消灯している状態で人感センサによって人体が検出されたときに光源の点灯を開始させる。また、制御部は、光源が点灯していて且つ人感センサに人体が検出されない状態が予め定められた遅延時間だけ継続したときに、光源に対する電力の供給を停止することで光源を消灯させるように、点灯部を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるような照明器具では、人が頻繁に出入りする環境において短時間の消灯が発生するおそれがある。このため、使用者が煩わしさを感じるおそれがある。また、人の出入りが少ない環境で遅延時間を長く設定すると、照明器具が人の不在時に長く点灯し続け、無駄な電力消費が発生するおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、遅延時間を適切に設定できる照明器具および照明システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る照明器具は、光源と、前記光源を点灯させる点灯回路と、人感センサが人の存在を検出すると前記光源の調光率を上昇させ、前記人感センサが人の不在を検出すると遅延時間の経過後に前記光源の調光率を低下させるように点灯回路を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、人が存在する頻度または人が不在である頻度に基づき前記遅延時間を変更する。
【0007】
第2の開示に係る照明器具は、光源と、前記光源を点灯させる点灯回路と、人感センサが人の存在を検出すると前記光源の調光率を上昇させ、前記人感センサが人の不在を検出すると遅延時間の経過後に前記光源の調光率を低下させるように点灯回路を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、人が不在の状態が継続した不在継続時間に基づき前記遅延時間を変更することを特徴とする照明器具。
【発明の効果】
【0008】
第1の開示に係る照明器具では、人が存在する頻度または人が不在である頻度に基づき遅延時間が変更される。従って、遅延時間を適切に設定できる。
第2の開示に係る照明器具では、人が不在の状態が継続した不在継続時間に基づき遅延時間が変更される。従って、遅延時間を適切に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る人感センサの検出状態および光源の点灯状態を示すタイムチャートである。
【
図4】実施の形態2に係る人感センサの検出状態および光源の点灯状態を示すタイムチャートである。
【
図5】実施の形態3に係る人感センサの検出状態および光源の点灯状態を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各開示の実施の形態に係る照明器具および照明システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1を示す斜視図である。照明器具1は、本体2、光源3、点灯装置4および人感センサ5を備える。本体2は、本体部6、反射枠7および取付バネ8を備える。本体部6には、光源3、点灯装置4および人感センサ5が取り付けられる。反射枠7および取付バネ8は、本体部6に取り付けられる。取付バネ8は、天井などの被取付部に係合する。被取付部は取付穴とも呼ばれる。
【0012】
光源3は、LEDまたは有機ELなどの発光部材を有する。人感センサ5は、人の存在および不在を検出する。人感センサ5は、人の存在または不在を検出したことを通知するための検出信号を制御回路10に出力する。人感センサ5は、赤外線センサまたは画像センサを備える。
【0013】
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の構成を示すブロック図である。点灯装置4は、光源3に電力を供給して光源3を点灯させる点灯回路9と、点灯回路9を制御する制御回路10を備える。点灯回路9は、例えばスイッチング素子のオンオフにより光源3に電力を供給するスイッチング回路である。
【0014】
制御回路10は、人感センサ5が人の存在を検出すると、光源3の調光率を上昇させるように点灯回路9を制御する。人感センサ5が人の存在を検出した際に設定される光源3の調光率は、例えば人が不在の状態よりも高い調光率である。また制御回路10は、人感センサ5が人の不在を検出すると、遅延時間の経過後に光源3の調光率を低下させるように点灯回路9を制御する。ここで、調光率を低下させることには、光源3を消灯させることも含まれる。制御回路10は、人感センサ5が人の不在を検出すると、例えば調光率100%の全光点灯状態から調光率5%の点灯状態に切り替えても良く、光源3を消灯させても良い。
【0015】
制御回路10は、判別を行う判別部11と、記憶部12とを備える。判別部11は、人感センサ5からの検出信号に応じて、人が存在する頻度または人が不在である頻度を算出する。さらに判別部11は、人が存在する頻度または人が不在である頻度に基づき、遅延時間を変更する。判別部11は、例えばマイクロコンピュータで構成される。記憶部12は、判別部11での演算に用いられる各種データが記憶される。記憶部12は、例えば人感センサ15が人の存在または不在を検出した回数を記憶している。記憶部12は、例えば不揮発性メモリから構成させる。
【0016】
次に、本実施の形態における遅延消灯動作について説明する。
図3は、実施の形態1に係る人感センサ5の検出状態および光源3の点灯状態を示すタイムチャートである。以下で、人感センサ5が人の存在を検出することを「在検出」、人感センサ5が人の不在を検出することを「不在検出」と呼ぶことがある。
【0017】
判別部11は、在検出の回数をカウントしている。時刻T1において在検出があったとする。これにより、人感センサ5が人の存在を検出したことを示す検出信号が制御回路10に入力される。判別部11は検出信号に応じて、光源3を点灯させるための点灯制御信号を点灯回路9に出力する。これにより光源3が点灯する。また判別部11は、人感センサ5が人の存在を検出すると、人感センサ5が人の存在を検出した時点から予め定められたサンプル時間前までの期間での人が存在する頻度または人が不在である頻度に基づき、遅延時間を変更する。
【0018】
本実施の形態の判別部11は、人が存在する頻度としてサンプル時間における在検出の回数に応じて、遅延時間を決定する。サンプル時間は例えば1時間である。判別部11は、例えばサンプル時間における在検出の回数と予め定められた値を比較して、遅延時間を決定する。
【0019】
例えば、1時間当たりの在検出の回数が10回を超えた場合、判別部11は人の存在する頻度が高いと判別し、遅延時間を長く設定する。長い遅延時間は、例えば10分である。また、例えば1時間当たりの在検出の回数が3回を下回った場合、判別部11は人の存在する頻度が低いと判別し、遅延時間を短く設定する。短い遅延時間は、例えば1分である。また、1時間当たりの在検出の回数が3~10回の場合、判別部11は遅延時間を標準設定に維持する。
図3に示される例では、在検出頻度が低い場合、標準設定に対して遅延時間が短縮される。また、在検出頻度が高い場合、標準設定に対して遅延時間が延長される。
【0020】
このように、本実施の形態では人が存在する頻度に基づき遅延時間が変更される。従って、遅延時間を適切に設定できる。具体的には、制御回路10は、予め定められた期間に人感センサ5が人の存在を検出した回数が大きいほど、遅延時間を長くする。これにより、人が存在する頻度が高い場合に消灯、点灯を繰り返す頻度を低減させることができる。従って、光源3の点滅により使用者が煩わしさを感じることを抑制できる。具体的には、人が人感センサ5の検出範囲内に入る直前に光源3が消灯するようなケースを軽減できる。
【0021】
また、人が存在する頻度が低い場合、遅延時間が短くなる。このため、人の不在時に光源3が長く点灯し続けることを抑制できる。従って、消費電力を抑制できる。
【0022】
本実施の形態では、制御回路10は人感センサ5が人の存在を検出すると、人が存在する頻度に応じて遅延時間を変更するものとした。遅延時間を更新するタイミングは在検出時に限らず、不在検出時または予め定められた時刻等でも良い。
【0023】
また、本実施の形態では照明器具1が人感センサ5を備えるものとした。これに限らず、人感センサ5は照明器具1と分離されていても良い。この場合、照明器具1と人感センサ5とで照明システムを構成しても良い。また、照明器具1は
図1に示される構成に限らず電球形LED等であっても良い。
【0024】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る照明器具および制御システムについて適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明器具および制御システムについては実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0025】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る人感センサ5の検出状態および光源3の点灯状態を示すタイムチャートである。本実施の形態では人が不在である頻度に基づき遅延時間が設定される点が実施の形態1と異なる。照明器具1の構成は実施の形態1と同様である。
【0026】
本実施の形態の判別部11は、不在検出の回数をカウントしている。時刻T1において在検出があったとする。これにより、制御回路10は光源3を点灯させる。また判別部11は、人感センサ5が人の存在を検出すると、人が不在である頻度に基づき遅延時間を変更する。判別部11は、人が不在である頻度としてサンプル時間における不在検出の回数に応じて、遅延時間を決定する。サンプル時間は例えば1時間である。判別部11は、例えばサンプル時間における不在検出の回数と予め定められた値を比較して、遅延時間を決定する。
【0027】
例えば、1時間当たりの不在検出の回数が10回を超えた場合、判別部11は人が不在である頻度が高いと判別し、遅延時間を短く設定する。短い遅延時間は、例えば1分である。また、例えば1時間当たりの不在検出の回数が3回を下回った場合、判別部11は人が不在である頻度が低いと判別し、遅延時間を長く設定する。長い遅延時間は、例えば10分である。また、1時間当たりの不在検出の回数が3~10回の場合、判別部11は遅延時間を標準設定に維持する。
図4に示される例では、不在検出頻度が高い場合、標準設定に対して遅延時間が短縮される。また、不在検出頻度が低い場合、標準設定に対して遅延時間が延長される。
【0028】
このように、本実施の形態では人が不在である頻度に基づき遅延時間が変更される。従って、遅延時間を適切に設定できる。具体的には、制御回路10は予め定められた期間に人感センサ5が人の不在を検出した回数が大きいほど、遅延時間を短くする。これにより、人が存在する頻度が高い場合に消灯、点灯を繰り返す頻度を低減させることができる。また、人が存在する頻度が低い場合に遅延時間が短くなる。このため、人の不在時に光源3が長く点灯し続けることを抑制できる。
【0029】
ここで、不在検出の回数は、例えば
図4で不在継続時間dとして示される人が不在であった期間の回数であっても良い。また、人感センサ5は定期的に人の存在、不在を判別しても良い。この場合、不在検出の回数は、人感センサ5による定期的な判別結果のうち、サンプル時間内に人が不在であると判別された回数であっても良い。同様に、在検出の回数は、人が存在していた期間の回数であっても良く、人感センサ5による定期的な判別結果のうち、サンプル時間内に人が存在していると判別された回数であっても良い。
【0030】
本実施の形態の変形例として、制御回路10は、人が不在の状態が継続した不在継続時間dに基づき、人が不在である頻度の高さを判別しても良い。変形例に係る制御回路10は、不在継続時間dに基づき遅延時間を変更する。制御回路10は、例えば不在継続時間dが予め定められた値を上回った回数または予め定められた値を下回った回数に基づき、遅延時間を変更する。
【0031】
ここでは、標準設定での遅延時間をaとする。判別部11は、例えばd<aに該当する回数が規定回数以上のとき、不在頻度が低いと判別して遅延時間を延長する。また判別部11は、例えば2a<dに該当する回数が規定回数以上のときは不在頻度が高いと判別して遅延時間を短くする。規定回数は例えば10回である。また判別部11は、a≦d≦2aに該当する回数が規定回数以上のとき、標準設定の遅延時間を維持しても良い。
【0032】
また、制御回路10は不在継続時間dの平均値に基づいて遅延時間を変更しても良い。
【0033】
ここで、赤外線センサを用いる人感センサ5は、赤外線を発する人の移動によって人の存在を判別する。このため、一般に赤外線センサは、人数を判別すること、および、特定の人物を検出することはできない。つまり、人感センサ5の検出エリアに存在する人数が一人であっても二人であっても、人感センサ5は在検出を行う。このため、複数の人が検出エリアに入れ違いで出入りすると、人感センサ5は在検出をし続ける可能性がある。このような場合、人が存在する状態が継続する存在継続時間は長くなる。しかし、存在継続時間当たりの在検出の回数は1回となり、人が存在する頻度が低いと判別されるおそれがある。
【0034】
これに対して、人が不在である頻度に応じて遅延時間を設定する場合は、赤外線センサを用いる場合でも不在検出の回数または不在継続時間を精度よく検出できる。このため、例えば不在継続時間が短いほど遅延時間を長くする制御を精度よく行うことができる。
【0035】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る人感センサ5の検出状態および光源3の点灯状態を示すタイムチャートである。本実施の形態では、制御回路10は、時刻または曜日に応じた人が存在する頻度または人が不在である頻度の学習データを蓄積する。また、制御回路10は、時刻または曜日に応じて、蓄積した学習データに基づき遅延時間を変更する。これ以外の構成は実施の形態1、2と同様である。
【0036】
制御回路10は、例えば24時間すべての時刻について、在検出または不在検出の回数または遅延継続時間を学習し、学習データを記憶部12に蓄積する。また、制御回路10がカレンダー機能を有しても良い。この場合、制御回路10は曜日または日付に応じて、在検出または不在検出の回数または遅延継続時間を学習し、学習データを記憶部12に蓄積する。このような学習データは教師データとも呼ばれる。制御回路10は、例えば7日前または14日前等の同じ曜日、同じ時刻の学習データを参照して、遅延時間を設定する。この際、制御回路10は、例えば人が存在する頻度が高いほど遅延時間を長くする。また制御回路10は、人が不在である頻度が高いほど遅延時間を短くしても良い。
【0037】
これに限らず、遅延時間は曜日に関係なく制御されても良い。また、制御回路10は常に学習データを蓄積し続けなくても良い。例えば制御回路10は、予め定められた時間間隔で学習データを生成しても良い。予め定められた時間間隔は、例えば7日または14日である。制御回路10は、電源が投入されると、自立学習により遅延時間の調整を自動で行っても良い。このように本実施の形態では、制御回路10が学習データに基づき遅延時間を変更することで、遅延時間を適切に設定できる。
【0038】
実施の形態4.
実施の形態1―3では、人が存在する頻度または人が不在である頻度のデータまたは学習データが記憶部12に記憶される。本実施の形態では、記憶部12が保持するデータは、外部からの指令に基づき入出力される。照明器具1と外部との通信手段は、リモコン通信または無線通信等である。制御回路10は外部との通信機能を有する通信部を備える。
【0039】
制御回路10は、外部からデータの読み出し指令を受信すると、記憶部12に保存されたデータを読み出し、通信部を介して外部に出力する。また制御回路10は、外部からデータの書き出し指令を受信すると、記憶部12にデータを書き込む。
【0040】
これにより制御回路10は、人が存在する頻度または人が不在である頻度の情報を外部機器に出力することができる。例えば、照明器具1は頻度の情報を出力し、エアコンに入力しても良い。これによりエアコンでは、人が存在する頻度または人が不在である頻度に応じた最適な温度設定が可能となる。また、エアコン等の外部機器に学習データを出力することで、外部機器を時刻または曜日に応じて全自動で制御できる。
【0041】
制御回路10は、人が不在である状態が予め定められた時間継続した場合に、外部機器の電源をオフしても良い。予め定められた時間は例えば1時間である。また制御回路10は、人感センサ5が人の存在を検出すると周辺機器の電源をオンさせても良い。このように、人感センサ付き照明器具1をスイッチとして周辺機器を制御しても良い。
【0042】
制御回路10は、外部機器からの情報に基づき、例えば人感センサ5の感度を調整しても良い。例えばエアコンの温度設定情報を制御回路10にインプットすることで、人感センサ5の感度を適切に調整できる。
【0043】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 照明器具、2 本体、3 光源、4 点灯装置、5 人感センサ、6 本体部、7 反射枠、8 取付バネ、9 点灯回路、10 制御回路、11 判別部、12 記憶部、15 人感センサ