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  • 特開-携帯型パーテーション 図1
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  • 特開-携帯型パーテーション 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157098
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】携帯型パーテーション
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/04 20060101AFI20221006BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A47B96/04 Z
A47G5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061132
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】守田 洋一
(57)【要約】
【課題】収納したときにコンパクトで持ち運びが便利であり、パーテーション高さが高くなり飛沫防止効果を十分に高めることができる携帯型パーテーションを提供する。
【解決手段】第1円筒体2と、第1円筒体の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第2円筒体3と、外周にシート4が巻き付いた状態で第2円筒体の内部に収納されている第3円筒体5と、第3円筒体の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第4円筒体6とを備えている。第2円筒体から第3円筒体を取り出した状態で、第3円筒体から第4円筒体を伸長させた状態で第3円筒体を下部として自立配置する。また、第1円筒体から第2円筒体を伸長させた状態で第2円筒体を下部として自立配置する。そして、第3円筒体の外周に巻きついていたシートを、第2円筒体及び第1円筒体の間で張設することで携帯型パーテーション1を形成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1円筒体と、
前記第1円筒体の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第2円筒体と、
外周にシートが巻き付いた状態で前記第2円筒体の内部に収納されている第3円筒体と、
前記第3円筒体の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第4円筒体と、を備え、
前記第2円筒体から前記第3円筒体を取り出した状態で、前記第3円筒体から前記第4円筒体を伸長させた状態で前記第3円筒体を下部として自立配置され、
前記第1円筒体から前記第2円筒体を伸長させた状態で前記第2円筒体を下部として自立配置され、
前記第3円筒体の外周に巻きついていたシートが、当該第2円筒体及び前記第1円筒体の間で張設されることを特徴とする携帯型パーテーション。
【請求項2】
前記シートの長手方向の一端側が前記第2円筒体の外周に固定されており、前記シートの長手方向の他端側は、前記第1円筒体に着脱自在に固定されることを特徴とする請求項1記載の携帯型パーテーション。
【請求項3】
前記第3円筒体の下部に着脱自在に装着されて前記第3円筒体の自立を補助する第1脚部と、
前記第2円筒体の下部に着脱自在に装着されて前記第2円筒体の自立を補助する第2脚部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯型パーテーション。
【請求項4】
前記第1脚部及び前記第2脚部は、前記第1円筒体、前記第2円筒体、前記第3円筒体及び前記第4円筒体の何れかに収納されていることを特徴とする請求項3記載の携帯型パーテーション。
【請求項5】
前記シートの表面は、抗菌・抗ウイルス処理が施されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の携帯型パーテーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運び可能な携帯型パーテーションに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今のコロナ禍の影響を受け、オフィス・会議室や窓口業務を行なう受付、食堂・飲食店や学校などの様々な場所では、飛沫防止用のパーテーションの設置が推奨され、設置されるようになってきている。
【0003】
通常のパーテーションは、据え置き設置型(例えば、特許文献1)が多いが、折り畳んで持ち運び可能なパーテーションの需要があり、持ち運び可能なパーテーションとして使用する飛沫防止透明扇子がある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3229208号公報
【特許文献2】実用新案登録第3229640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、飛沫防止パーテーションとして使用する場合、パーテーション高さは400mm程度必要である。このため、特許文献2の飛沫防止透明扇子は、折り畳んで収納しても長手方向の寸法が400mm以上となるので、持ち運びが不便となる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、収納したときにコンパクトで持ち運びが便利であるとともに、パーテーション高さが高くなり飛沫防止効果を十分に高めることができる携帯型パーテーションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題解決のために、本発明に係る携帯型パーテーションは、第1円筒体と、第1円筒体の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第2円筒体と、外周にシートが巻き付いた状態で第2円筒体の内部に収納されている第3円筒体と、第3円筒体の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第4円筒体と、を備え、第2円筒体から第3円筒体を取り出した状態で、第3円筒体から第4円筒体を伸長させた状態で第3円筒体を下部として自立配置され、第1円筒体から第2円筒体を伸長させた状態で第2円筒体を下部として自立配置され、第3円筒体の外周に巻きついていたシートが、第2円筒体及び第1円筒体の間で張設される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る携帯型パーテーションは、収納したときにコンパクトで持ち運びが便利であるとともに、パーテーション高さが高くなり飛沫防止効果を十分に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る第1実施形態の携帯型パーテーションの構成部材を分解して示した図である。
図2】第3円筒体の外周にシートの一端側が固定されている状態を示す図である。
図3】第3円筒体に巻きついているシートを示す図である。
図4】携帯型パーテーションが自立配置した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る第1実施形態の携帯型パーテーション(以下、単にパーテーションと称する)1の構成部材を分解して示したものである。
[パーテーション1の構成部材]
【0012】
本実施形態のパーテーション1は、第1円筒体2と、第1円筒体2の内径D1と外径D2が同一寸法とされて第1円筒体2の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第2円筒体3と、外周にシート4が巻き付いた状態で第2円筒体3の内部に収納されている第3円筒体5と、第3円筒体5の内径D3と外径D4が同一寸法とされて第3円筒体5の内部にテレスコープ状に伸縮自在に収納されている第4円筒体6と、第4円筒体6の内部に収納されている第1脚部7と、第1円筒体2の内部に収納されている第2脚部8と、第1円筒体2の両端開口部を閉塞する一対のキャップ部材9と、を備えている。
【0013】
第1円筒体2は、軸長が310mm程度の紙製円筒体である。この第1円筒体2の外周に、後述するシートに設けた面ファスナーループ部10bに着脱自在に係合する面ファスナーフック部10aが装着されている。
【0014】
第2円筒体3は、軸長が300mm程度の紙製円筒体であり、第1円筒体2の内部に摺動自在に収納されている。
【0015】
第3円筒体5は、第2円筒体3の内径より小さな外径を有し、第2円筒体3と軸長が略同一の紙製円筒体である。
【0016】
シート4は、厚さ75μm、幅300mm、長さ800mmのポリエチレンテレフタレート樹脂からなるフィルム部材であり、表面には、抗菌・抗ウイルス処理が施されている。図2に示すように、シート4の長手方向の一端側4aは第3円筒体5の外周に両面テープなどで固定されているとともに、長手方向の他端側4bには、前述した面ファスナーフック部10aに着脱自在に係合する面ファスナーループ部10bが設けられている。このシート4は、図3に示すように、第3円筒体5の外周に巻き付けられている。
【0017】
第4円筒体6は、第3円筒体5と軸長が略同一の紙製円筒体であり、第3円筒体5の内部に摺動自在に収納されている。この第4円筒体6の内部に収納されている第1脚部7は、第4円筒体6の開口部に嵌まり込む基部7aと、基部7aに展開自在に連結している3脚形式の3本の脚7b1~7b3とで構成されている。
【0018】
第2脚部8は、第2円筒体3とともに第1円筒体2の内部に収納されており、第2円筒体3の開口部に嵌まり込む基部8aと、基部8aに展開自在に連結している3脚形式の3本の脚8b1~8b3とで構成されている。
【0019】
そして、第1脚部7が収納されている第4円筒体6が、シート4が巻きついている第3円筒体5内部に収納されており、この第3円筒体5が第2円筒体3の内部に収納され、第2円筒体3が、第2脚部8とともに第1円筒体2の内部に収納され、一対のキャップ部材9が第1円筒体2の両端開口部を閉塞することで、第1円筒体2の内部に、パーテーション1を構成する部材の全てが収納されている。
[パーテーション1の組立て手順]
【0020】
次に、第1実施形態のパーテーション1を自立設置する手順について図4を参照して説明する。
【0021】
先ず、第1円筒体2から一対のキャップ部材9を取り外し、第1円筒体2の内部から、第4円筒体6を収納してシート4が外周に巻きついている第3円筒体5を取り出すとともに、第1円筒体2の内部から第2脚部8を取り出す。また、第4円筒体6の内部から第1脚部7を取り出す。
【0022】
次に、図4に示すように、第3円筒体5の内部から第4円筒体6をテレスコープ状に伸ばし、第4円筒体6の先端開口部に第1脚部7の基部7aを嵌め込み、脚7b1~7b3を展開する。
【0023】
次に、第1円筒体2の内部から第2円筒体3をテレスコープ状に伸ばし、第2円筒体3の先端開口部に第2脚部8の基部8aを嵌め込み、脚8b1~8b3を展開する。
【0024】
次に、第1脚部7の脚7b1~7b3をテーブルに載せ、第3円筒体5を上部として第4円筒体6を自立させる。また、第2脚部8の脚8b1~8b3もテーブルに載せ、第1円筒体2を上部として第2円筒体3を自立させる。
【0025】
次に、第3円筒体5の外周に巻きついているシート4を伸ばしていき、シート4の長手方向の他端側4bに設けている面ファスナーループ部10bを、第1円筒体2の外周に設けている面ファスナーフック部10aに装着する。
【0026】
これにより、第3円筒体5と第1円筒体2の間にシート4が張られた状態でパーテーション1が自立設置される。
[パーテーション1の作用効果]
【0027】
次に、本実施形態のパーテーション1の作用効果について説明する。
【0028】
本実施形態は、テーブルなどの設置面に、第4円筒体6及び第3円筒体5からなる支柱と、第2円筒体3及び第1円筒体2からなる支柱との間にシート4が張られてパーテーション1が自立設置され、上部側の支柱である第3円筒体5及び第1円筒体2の間のパーテーション高さが高い位置にシート4が設置されているので、飛沫防止効果を確実に高めることができる。
【0029】
また、下部側支柱である第4円筒体6の下部に第1脚部7が装着され、第2円筒体3の下部に第2脚部8が装着されて設置面上で立ち上がっているので、パーテーション1の自立設置の安定感を向上させることができる。
【0030】
また、第3円筒体5の外周に巻きついているシート4を伸ばしていき、シート4の長手方向の他端側4bに設けている面ファスナーループ部10bを、第1円筒体2の外周に設けている面ファスナーフック部10aに装着するだけで、シート4の張設作業を簡単に行うことができる。
【0031】
また、パーテーション1の収納時は、第1脚部7を収納した第4円筒体6を、シート4を巻きつけた第3円筒体5内部に収納し、この第3円筒体5を第2円筒体3の内部に収納するとともに、この第2円筒体3を、第2脚部8とともに第1円筒体2の内部に収納することで収納が完了する。このように、パーテーション1の全ての部品が第1円筒体2の内部に収納されるので、コンパクトで持ち運びが便利なパーテーション1を提供することができる。
【0032】
なお、第1実施形態では、シート4の長手方向の他端部を第1円筒体2の外周に着脱自在に装着する手段として、面ファスナーフック部10a及び面ファスナーループ部10bとしたが、他の手段で、シート4の長手方向の他端部及び第1円筒体2の外周を着脱自在に装着してもよい。
【0033】
また、第1脚部7及び第2脚部8も、上述した3脚形式の脚7b1~7b3,8b1~8b3を備えた構造に限らず、第4円筒体6及び第2円筒体3の自立安定性が向上する、例えば平板を十字形状に組み合わせた構造などの簡便な構造であってもよい。
【0034】
また、第1実施形態では、パーテーション1の収納時に、第1脚部7は第4円筒体6に収納され、第2脚部8は第1円筒体2に収納されているが、他の円筒体に第1脚部7及び第2脚部8を収納してもよい。
【0035】
さらに、第1実施形態では、第1円筒体2、第2円筒体3、第3円筒体5、第4円筒体6が紙製であるが、例えば合成樹脂で形成しても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 パーテーション
2 第1円筒体
3 第2円筒体
4 シート
4a シートの一端側
4b シートの他端側
5 第3円筒体
6 第4円筒体
7 第1脚部
7a 基部
7b1~7b3 脚
8 第2脚部
8a 基部
8b1~8b3 脚
9 キャップ部材
10a 面ファスナーフック部
10b 面ファスナーループ部
D1 第1円筒体の内径
D2 第2円筒体の外径
D3 第3円筒体の内径
D4 第4円筒体の外径
図1
図2
図3
図4