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特開2022-157166管理システム、管理方法、管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157166
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20221006BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06F8/65
B60R16/02 660U
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061242
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】都築 将仁
(72)【発明者】
【氏名】舟橋 聡
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 大樹
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AB04
5B376AB13
5B376AB25
5B376AB43
5B376CA04
5B376CA05
5B376CA15
5B376CA16
5B376CA36
5B376CA45
5B376CA46
5B376CA47
5B376CA64
5B376GA07
(57)【要約】
【課題】対象機器の運転を維持しつつ、ソフトウェア、データを適切な状態に維持する。
【解決手段】対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータの少なくとも一方を含む更新データを管理する管理システムであって、更新データを取得し、ネットワークを介して更新データを提供する管理サーバと、管理サーバから更新情報を受信するエリアサーバと、エリアサーバの管理対象の対象機器と、を含み、対象機器は、対象機器の稼働を制御する運転演算部と、運転演算部の運転に使用する更新情報を管理する更新制御部と、を含み、エリアサーバは、管理サーバから提供された更新データに基づいて、更新する対象機器を特定し、対象機器の状態情報を取得し、対象機器が更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、更新データを対象機器の更新制御部に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータの少なくとも一方を含む更新データを管理する管理システムであって、
前記更新データを取得し、ネットワークを介して更新データを提供する管理サーバと、
前記管理サーバから更新情報を受信するエリアサーバと、
前記エリアサーバの管理対象の対象機器と、を含み、
前記対象機器は、前記対象機器の稼働を制御する運転演算部と、前記運転演算部の運転に使用する更新情報を管理する更新制御部と、を含み、
前記エリアサーバは、前記管理サーバから提供された更新データに基づいて、更新する対象機器を特定し、前記対象機器の状態情報を取得し、前記対象機器が前記更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、前記更新データを前記対象機器の前記更新制御部に出力する管理システム。
【請求項2】
前記管理システムは、前記更新データの通常モードと緊急モードを含む優先度情報を対応付け可能であり、
前記対象機器の状態情報は、前記通常モードでは更新可能と判断せず、前記緊急モードでは更新可能と判定する場合が設定される請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記エリアサーバは、前記緊急モードの更新データの出力時に、稼働中の前記対象機器を停止させる指示が含まれる請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記エリアサーバは、前記対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータのバージョンを管理する個別車両管理データを記憶し、前記対象機器の前記更新制御部から更新完了の情報を受信した場合、前記個別車両管理データを更新する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記更新データの前記エリアサーバへの提供を管理するデータ提供履歴テーブルを記憶し、
前記エリアサーバから前記更新データの受領の情報を受信した場合、前記データ提供履歴テーブルを更新する請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理サーバは、前記更新データを稼働させるために必要な他のソフトウェア及びデータの更新データの情報である関連性データを備え、
前記エリアサーバは、前記更新データに対応する関連性データと前記データ提供履歴テーブルに基づいて、前記更新データを稼働させるために必要な他のソフトウェア及びデータの更新データで、前記対象機器が更新していないデータがあるかを判定し、更新していないデータがある場合、前記更新データと、前記対象機器が更新していないデータと、を前記更新制御部に出力する請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記対象機器は、荷役を搬送する搬送機器であり、
前記対象機器の状態情報は、停止状態、移動状態、荷役に対して作業を行う荷役状態を含む請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項8】
対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータの少なくとも一方を含む更新データを管理する管理方法であって、
前記更新データを取得し、ネットワークを介して更新データを提供する管理サーバと、前記管理サーバから更新情報を受信するエリアサーバと、前記エリアサーバの管理対象の対象機器と、を含み、前記対象機器は、前記対象機器の稼働を制御する運転演算部と、前記運転演算部の運転に使用する更新情報を管理する更新制御部と、を含み、
前記エリアサーバが前記管理サーバから提供された更新データに基づいて、更新する対象機器を特定するステップと、
前記対象機器の状態情報を取得するステップと、
前記対象機器が前記更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、前記更新データを前記対象機器の前記更新制御部に出力するステップと、を含む管理方法。
【請求項9】
対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータの少なくとも一方を含む更新データを管理する管理プログラムであって、
前記更新データを取得し、ネットワークを介して更新データを提供する管理サーバと、前記管理サーバから更新情報を受信するエリアサーバと、前記エリアサーバの管理対象の対象機器と、を含み、前記対象機器は、前記対象機器の稼働を制御する運転演算部と、前記運転演算部の運転に使用する更新情報を管理する更新制御部と、を含み、
前記エリアサーバが前記管理サーバから提供された更新データに基づいて、更新する対象機器を特定するステップと、
前記対象機器の状態情報を取得するステップと、
前記対象機器が前記更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、前記更新データを前記対象機器の前記更新制御部に出力するステップと、を含む処理を実行させる管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象機器に記憶されるソフトウェア、データを管理する管理システム、管理方法、管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業機器の対象機器は、同時に複数の対象機器が運用されている。例えば、荷役を搬送する移動機器は、1つの敷地内で複数の対象機器を運転して、荷役を並列で移動させる。また、同じ管理者が複数の敷地内にある複数の対象機器を管理する。対象機器は、性能を向上させるため、各部を動作させるソフトウェアやデータを更新する。
【0003】
特許文献1には、圃場内で作業しながら自動走行可能な作業車両に接続される外部端末と、作業車両を操作可能な無線通信端末と、作業車両に搭載されたコントローラに実装されている車両側ソフトウェアの車両側バージョン情報、および無線通信端末に実装されている端末側ソフトウェアの端末側バージョン情報を管理するソフトウェア管理装置とを備えるソフトウェア管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-124223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のソフトウェア管理装置のように、通信でソフトウェアを提供することで、遠隔で更新作業を行うことができる。また、ソフトウェアのバージョンを管理することで、システムの健全性を維持することができる。
【0006】
ここで、産業機器には、種々のソフトウェア、データを使用して、複数の動作を実行している。産業機器は、ソフトウェア、データを最新の状態に更新することで、より性能を向上させることができるが、動作中に更新を行うと不具合が出る場合、1つのソフトウェアを更新することで、他のソフトウェアが使用できなくなる場合がある。
【0007】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、対象機器の運転を維持しつつ、ソフトウェア、データを適切な状態に維持する管理システム、管理方法、管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための開示は、対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータの少なくとも一方を含む更新データを管理する管理システムであって、前記更新データを取得し、ネットワークを介して更新データを提供する管理サーバと、前記管理サーバから更新情報を受信するエリアサーバと、前記エリアサーバの管理対象の対象機器と、を含み、前記対象機器は、前記対象機器の稼働を制御する運転演算部と、前記運転演算部の運転に使用する更新情報を管理する更新制御部と、を含み、前記エリアサーバは、前記管理サーバから提供された更新データに基づいて、更新する対象機器を特定し、前記対象機器の状態情報を取得し、前記対象機器が前記更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、前記更新データを前記対象機器の前記更新制御部に出力する管理システムを提供する。
【0009】
上記の目的を達成するための開示は、対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータの少なくとも一方を含む更新データを管理する管理方法であって、前記更新データを取得し、ネットワークを介して更新データを提供する管理サーバと、前記管理サーバから更新情報を受信するエリアサーバと、前記エリアサーバの管理対象の対象機器と、を含み、前記対象機器は、前記対象機器の稼働を制御する運転演算部と、前記運転演算部の運転に使用する更新情報を管理する更新制御部と、を含み、前記エリアサーバが前記管理サーバから提供された更新データに基づいて、更新する対象機器を特定するステップと、前記対象機器の状態情報を取得するステップと、前記対象機器が前記更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、前記更新データを前記対象機器の前記更新制御部に出力するステップと、を含む管理方法を提供する。
【0010】
上記の目的を達成するための開示は、対象機器に記憶させるソフトウェア及びデータの少なくとも一方を含む更新データを管理する管理プログラムであって、前記更新データを取得し、ネットワークを介して更新データを提供する管理サーバと、前記管理サーバから更新情報を受信するエリアサーバと、前記エリアサーバの管理対象の対象機器と、を含み、前記対象機器は、前記対象機器の稼働を制御する運転演算部と、前記運転演算部の運転に使用する更新情報を管理する更新制御部と、を含み、前記エリアサーバが前記管理サーバから提供された更新データに基づいて、更新する対象機器を特定するステップと、前記対象機器の状態情報を取得するステップと、前記対象機器が前記更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、前記更新データを前記対象機器の前記更新制御部に出力するステップと、を含む処理を実行させる管理プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、対象機器の運転を維持しつつ、ソフトウェア、データを適切な状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る管理システムの模式図である。
図2図2は、管理システムの制御機能の構成を示すブロック図である。
図3図3は、更新データテーブルの一例を示す模式図である。
図4図4は、データ提供管理テーブルの一例を示す模式図である。
図5図5は、関係性管理テーブルで管理する情報の一例を模式的に示す模式図である。
図6図6は、個別車両管理データの一例を示す模式図である。
図7図7は、個別車両管理データの一例を示す模式図である。
図8図8は、エリアサーバの管理画面の一例を示す模式図である。
図9図9は、本実施形態に係る管理サーバの処理フローの一例を説明するフローチャートである。
図10図10は、本実施形態に係るエリアサーバの処理フローの一例を説明するフローチャートである。
図11図11は、本実施形態に係る更新制御部の処理フローの一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0014】
(管理システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る管理システムの模式図である。図2は、管理システムの制御機能の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る管理システム10は、システム提供者が販売、リース等をしている多数の車両36の制御に用いるプログラム、データの更新を管理するシステムである。また、本実施形態の車両36は、自動運転で制御される。
【0015】
管理システム10は、システム提供エリア12とシステム使用エリア14とに各部がそれぞれ配置され、ネットワーク16で両者が接続されている。システム提供エリア12は、システム提供者が作業を行う。システム提供エリア12には、管理サーバ20と、データ作成部22と、が配置される。また、システム提供エリア12は、管理システム10でソフトウェア、データの作成、更新を管理する対象の車両制御システム30が運用されている領域である。システム提供エリア12と、システム使用エリア14との物理的な距は特に限定されない。また、本実施形態の管理システム10は、1つのシステム提供エリア14のみを示しているが、システム提供エリア14を複数備えていればよい。管理サーバ20は、複数の車両制御システム30と、ネットワーク16で接続される。ネットワーク16は、情報通信を行う通信網である。ネットワーク16は、公衆通信網としても、管理システム10専用の通信網でもよい。
【0016】
管理サーバ20は、システム提供エリア12に配置され、本システムの提供者により管理される。管理サーバ20は、提供するシステムに必要なソフトウェアやデータを車両制御システム30に提供する。管理サーバ20は、コンピュータである。
【0017】
管理サーバ20は、図2に示すように、演算部50と、記憶部52と、通信部54と、を有する。演算部50は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。演算部50は、データ管理部60と、データ提供管理部62と、提供履歴管理部64と、を含む。演算部50は、記憶部52からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、データ管理部60と、データ提供管理部62と、提供履歴管理部64とを実現して、その処理を実行する。なお、演算部30は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、データ管理部60と、データ提供管理部62と、提供履歴管理部64とをハードウェア回路で実現してもよい。
【0018】
データ管理部60は、車両制御システム30に提供し、車両36で実行されるソフトウェア、データを管理する。具体的には、データ管理部60は、更新データのバージョン、構成等を管理する。データ提供管理部62は、車両制御システム30に供給するデータとタイミングを制御する。提供履歴管理部64は、車両制御システム30に提供したデータの履歴を管理する。
【0019】
記憶部52は、演算部50の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部52は、更新データテーブル70と、データ提供履歴テーブル72と、関係性管理テーブル74と、提供側管理プログラム76と、を含む。
【0020】
更新データテーブル70は、更新するソフトウェア、データ、つまり更新データ情報である。ここで、更新データは、ソフトウェアの場合、更新プログラムである。更新データは、データの場合、例えば、対象物を認識する際の比較対象の画像データや、プログラムを処理する際に使用する各種条件のデータ等である。
【0021】
図3は、更新データテーブルの一例を示す模式図である。図3に示すように、更新データテーブル70は、更新データの車両タイプ、SW群名(ソフトウェア群名)、SWバージョン(ソフトウェアバージョン)、リリーズ日、SW実体(ソフトウェアのデータ)等の情報を含む。なお、図3はソフトウェアの場合を示しているが、データも同様である。車両タイプは、ソフトウェアを適用する車両の種類を示す情報である。SW群名は、ソフトウェアを複数の種類に分類した場合に所属する種類の情報である。例えば、ソフトウェアを車両タイプ、機能(移動用のソフトウェアか、周囲情報の分析のソフトウェアか、荷役搬送部の駆動のためのソフトウェアか)で分類する。SW実体は、対象のソフトウェアの更新に用いるデータの情報である。データソフトウェアの実体は、記憶部52のデータを保存している場所を示す情報のみを含め、実際のデータをテーブル上に保存しなくてもよい。更新データテーブル70は、新しい更新データが管理サーバ20に供給された場合、データ管理部60により更新される。
【0022】
データ提供履歴テーブル72は、更新データと、管理対象のシステム使用エリアの車両40への提供の履歴の情報を含む。図4は、データ提供管理テーブルの一例を示す模式図である。データ提供履歴テーブル72は、図4に示すように、客、車両タイプ、車両ID、SW群名、最新バージョン、最新バージョンのSWの実体、受領済/未を含む。客は、システム使用エリア14に対応付けられ、車両制御システム30を使用している対象者の情報である。車両IDは、車両制御システム30で運用している車両36を個別に識別する情報である。車両IDは、管理システム10で更新データを提供する対象の車両36のそれぞれにユニークな情報である。最新バージョンは、対象のソフトウェアに設定されている最も新しい更新データの識別情報である。最新バージョン、最新バージョンのSWの実体は、更新データテーブル70に連動して更新される。「受領済/未」は、対象の車両が該当する最新バージョンの更新データを受け取っているか否かの情報である。「受領済/未」は、データの受領について確認している情報であり、更新データを用いて車両36のソフトウェア、データを更新しているかの情報ではない。
【0023】
関係性管理テーブル74は、ソフトウェア、データの関係性を定義した情報である。図5は、関係性管理テーブルで管理する情報の一例を模式的に示す模式図である。図5は、関係性を模式的に示すものである。関係性管理テーブル74は、図5に示す関係性をデータとして管理する。図5に示すように、車両36で使用されるソフトウェア群150は、複数のソフトウェア152、154、156、158、160、162を含む。車両36は、ソフトウェア群150の複数のソフトウェアを組み合わせて、複数の機能、本実施形態では機能X、機能Y、機能Zを実行する。機能Xは、グループ170に含まれるソフトウェア152、ソフトウェア154で実行する。機能Yは、グループ172に含まれるソフトウェア154、ソフトウェア156、ソフトウェア158、ソフトウェア160で実行する。機能Zは、グループ174に含まれるソフトウェア156、ソフトウェア158、ソフトウェア162、ソフトウェア164で実行する。ソフトウェア群150は、ソフトウェア154が、機能X、機能Yの両方で使用される。ソフトウェア群150は、ソフトウェア156、ソフトウェア158が、機能Y、機能Zの両方で使用される。関係性管理テーブル74は、上記を整理した情報が記憶される。関係性管理テーブル74は、各ソフトウェアの関係と、ソフトウェアが含まれる機能を実行するために必要な他のソフトウェアのバージョンの情報が記憶される。つまり、関係性テーブル74には、機能を実行する為に必要なソフトウェアの関係と、ソフトウェアのバージョンの関係が記憶される。
【0024】
提供側管理プログラム76は、データ管理部60と、データ提供管理部62と、提供履歴管理部64とで実行されるプログラムである。提供側管理プログラム76は、更新データのバージョンを管理する処理、車両制御システム30に更新データを提供する処理、更新データの送信と各車両との対応を管理する処理を実行する。
【0025】
通信部54は、通信インターフェースを用いて、データの送信を行う。通信54は、と通信を行い取得した各種データ、プログラムを記憶部52に送り、保存する。通信部54は、有線の通信回線で外部機器と接続しても、無線の通信回線で外部機器と接続してもよい。
【0026】
データ作成部22は、管理サーバ20に更新するソフトウェア、データを作成し、管理サーバ20に提供する。データ作成部22は、コンピュータであり、管理システム10を管理する作業者が、ソフトウェアや、データの更新データを作成する。データ作成部22は、更新データのバージョン、適用対象の車両、他のソフトウェア、データとの関係等の情報を備えるデータが作成され、管理サーバ20に提供される。
【0027】
車両制御システム30は、上位システム32と、エリアサーバ34と、複数の車両36と、を含む。車両36は、更新制御部42と、運転制御部44と、を有する。車両制御システム30は、システム使用エリア14に配置された管理対象の車両36の移動を制御するシステムである。システム使用エリア14は、例えば倉庫など、物流管理される設備である。
【0028】
上位システム32は、システム使用エリア14における物流を管理するシステムである。上位システム32は、本実施形態ではWMS(Warehouse Management System)であるが、WMSに限られず任意のシステムであってよく、例えば、その他の生産管理系システムのようなバックエンドシステムでも構わない。上位システム32が設けられる位置は任意であり、設備内に設けられてもよいし、設備から離れた位置に設けられて、離れた位置から設備を管理するものであってもよい。上位システム32は、コンピュータであり、演算部と記憶部とを含む。記憶部は、演算部の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。演算部は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。
【0029】
上位システム32は、車両36と荷役の位置とを管理し、車両36により荷役を搬送させる。具体的には、上位システム32は、荷役の位置と移動計画に基づいて、荷役を移動させる車両36を特定し、特定した車両に移動経路、移動対象の荷役の位置等の情報を提供する。また、本実施形態の管理システムは、車両36のソフトウェア、データの更新で説明しているが、上位システム32の処理に用いるソフトウェア、データの更新も管理することができる。
【0030】
エリアサーバ34は、管理サーバ20とネットワーク16を介して通信し、車両36と通信し、車両36のソフトウェア、データの更新処理を実行する。エリアサーバ34は、コンピュータである。
【0031】
エリアサーバ34は、図2に示すように、演算部80と、記憶部82と、通信部84と、を有する。演算部80は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。演算部80は、受信データ管理部90と、個別車両バージョン情報管理部92と、更新管理部94と、を含む。演算部80は、記憶部82からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、受信データ管理部90と、個別車両バージョン情報管理部92と、更新管理部94と、を実現して、その処理を実行する。なお、演算部30は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、受信データ管理部90と、個別車両バージョン情報管理部92と、更新管理部94と、をハードウェア回路で実現してもよい。
【0032】
受信データ管理部90は、管理サーバ20から提供される更新データと、管理サーバ20との通信を管理する。受信データ管理部90は、受信した更新データを記憶部82に記憶させ、更新データを受領した情報(受信信号)を管理サーバ20に出力する。個別車両バージョン情報管理部92は、管理サーバ20から提供された更新データに基づいた提供可能な最新の更新データと、車両36で稼働しているソフトウェア、データのバージョンの情報を管理する。更新管理部94は、車両36と通信を行い、更新データの送信タイミング、更新条件等を管理する。
【0033】
記憶部82は、演算部80の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。記憶部82は、個別車両管理データ110と、更新データバッファ112と、使用側管理プログラム114と、を含む。
【0034】
個別車両管理データ110は、車両の状態情報と、現在使用しているソフトウェアのバージョンの情報、管理サーバ20から提供されたソフトウェアの情報等が含まれる。
【0035】
図6は、個別車両管理データの一例を示す模式図である。図6に示す個別車両管理データ110は、車両の状態情報と、現在使用しているソフトウェアのバージョンの情報等の情報を含む。個別車両管理データ110は、図6に示すように、車両タイプ、車両ID、状態、SW群名、最新バージョン、実装バージョン、最新実装済/未を含む。車両IDは、車両制御システム30で運用している車両36を個別に識別する情報である。状態は、車両36との通信で取得した車両の状態を示す情報である。図6では、アップデート可能状態、通常移動を示している。車両状態は、車両36から提供される状態を示す情報と、車両36から提供された状態の情報に基づいて、更新管理部94が判断した情報とが含まれる。車両36から提供される状態を示す情報としては、例えば、待機状態、充電状態、移動状態、荷役搬送状態等の情報が含まれる。更新管理部94が判断した情報としては、アップデート可能状態、緊急度が高いアップデートが可能な状態、アップデート負荷状態等がある。最新バージョンは、管理サーバから提供された対象のソフトウェアに設定されている最も新しい更新データの識別情報である。実装バージョンは、車両で現状使用されているバージョンの情報である。「最新実装済/未」は、対象の車両が該当する最新バージョンの更新データの更新が完了しているか否かの情報である。
【0036】
図7は、個別車両管理データの一例を示す模式図である。図7に示すデータは、管理サーバから提供された更新データを管理するデータである。個別車両管理データ110は、更新データの車両タイプ、SW群名(ソフトウェア群名)、SWバージョン(ソフトウェアバージョン)、リリーズ日、SW実体(ソフトウェアのデータ)等の情報を含む。なお、図7はソフトウェアの場合を示しているが、データも同様である。車両タイプは、ソフトウェアを適用する車両の種類を示す情報である。SW群名は、ソフトウェアを複数の種類に分類した場合に所属する種類の情報である。例えば、ソフトウェアを車両タイプ、機能(移動用のソフトウェアか、周囲情報の分析のソフトウェアか、荷役搬送部の駆動のためのソフトウェアか)で分類する。SW実体は、対象のソフトウェアの更新に用いるデータの情報である。データソフトウェアの実体は、記憶部82のデータを保存している場所を示す情報のみを含め、実際のデータをテーブル上に保存しなくてもよい。新しい更新データが管理サーバ20からエリアサーバ34に供給された場合、受信データ管理部90により更新される。
【0037】
更新データバッファ112は、管理サーバ20から送信された更新するソフトウェア、データ、つまり更新データを記憶する。更新データバッファ112は、対象の車両への更新が完了した後、記憶した更新データを消去する。
【0038】
使用側管理プログラム114は、受信データ管理部90と、個別車両バージョン情報管理部92と、更新管理部94とで実行されるプログラムである。使用側管理プログラム114は、管理サーバ20とのデータの送受信を管理し、更新データを受領する処理、管理サーバ20から提供される更新データのバージョンと、車両36のソフトウェア、データのバージョンを管理する処理と、車両36と通信を行い、車両36に更新データを提供する処理を実行する。
【0039】
通信部84は、通信インターフェースを用いて、データの送信を行う。通信84は、と通信を行い取得した各種データ、プログラムを記憶部82に送り、保存する。通信部84は、有線の通信回線で外部機器と接続しても、無線の通信回線で外部機器と接続してもよい。
【0040】
エリアサーバ34は、管理画面を表示させ、更新について指示を入力できる。図8は、エリアサーバの管理画面の一例を示す模式図である。画面200は、車両バージョン表示欄202と、ソフトウェア表示欄208と、スイッチ210、212と、ログ表示欄214と、を示す。スイッチ210、212は、更新の開始と、更新処理時の優先度を指示するスイッチである。スイッチ210は、通常の更新開始の指示のボタンであり、スイッチ212は、緊急モードでの更新開始の指示のボタンである。なお、エリアサーバ34は、更新作業をスイッチ210、212の操作で開始してもよいが、設定に基づいて自動で開始することが好ましい。エリアサーバ34は、スイッチ210、212の操作で、更新処理の設定を切り替えることができる。なお、図8に示す画面は、上位サーバ32で運用してもよい。
【0041】
車両36は、自動で移動可能な装置である。本実施形態では、車両36は、フォークリフトであり、さらにいえば、いわゆるAGF(Automated Guided Forklift)やAGV(Automated Guided Vehicle)である。車両36は、ルートに従って、設置領域に向けて移動する。車両36は、開始位置に到達したら、荷役(パレット)の位置情報に基づいて設定された軌道に従って、開始位置から、目標位置・姿勢(目標位置)まで移動して、パレットをピックアップする。車両36は、ピックアップしたパレットを設定された軌道で搬送し、目的位置でドロップする。
【0042】
車両36は、車体40と、更新制御部42と、運転制御部44と、を含む。車体40は、車輪が設置された本体と、本体に設置され荷役を搬送するマスト及びフォークとを備える。また、車両36は、車体40に移動、荷役の制御に必要な各種センサが搭載されている。
【0043】
更新制御部42は、車両状態判定部120と、更新処理部122と、を含む。車両状態判定部120は、運転制御部44から情報を取得し、車両の状態を検出し、検出した車両状態の情報をエリアサーバ34に出力する。車両状態としては、例えば、待機状態、充電状態、移動状態、荷役搬送状態等の情報が含まれる。更新処理部122は、更新可能かを判定し、更新可能と判定した場合、更新データに基づいて、対象のソフトウェア、データを更新する。
【0044】
運転制御部44は、上位システム32から出力される指示と、車体40に設置されたセンサの検出結果に基づいて、車両36の移動、荷役の搬送の制御を実行する。また、運転制御部44は、システム使用エリア14に設置されたセンサと通信可能な場合、車体40のセンサ以外から取得した情報に基づいて、移動、荷役の搬送を制御してもよい。
【0045】
次に、図9から図11を用いて、管理システム10の処理動作について説明する。図9を用いて、管理サーバ20の処理を説明する。図9は、本実施形態に係る管理サーバの処理フローの一例を説明するフローチャートである。管理サーバ20は、更新データを取得する(ステップS12)。具体的には、更新データテーブル70から、車両制御システム30に提供する更新データの情報を取得する。更新データは、データ作成部22で作成され、更新データテーブル70に記憶されたデータである。
【0046】
管理サーバ20は、更新データの関連情報を取得する(ステップS14)。管理サーバ20は、関係性データテーブル74から更新データに関連するソフトウェアの情報を取得する。つまり、更新するソフトウェアを更新した際に、ソフトウェアを用いる機能を実行可能なソフトウェアのバージョンの組み合わせの情報を取得する。
【0047】
管理サーバ20は、更新対象の車両を特定する(ステップS16)。管理サーバ20は、データ提供管理部62で、データ提供履歴テーブル72で、対象の更新データの受領を確認していない車両を特定し、更新対象の車両とする。
【0048】
管理サーバ20は、対象の車両のエリアサーバにデータを送信する(ステップS18)。管理サーバ20は、データ提供管理部62で、対象の車両に基づいてエリアサーバを特定し、該当するエリアサーバに更新データと関係性の情報を送信する。
【0049】
管理サーバ20は、受信信号を検出したかを判定する(ステップS20)。受信信号は、更新データを送信したエリアサーバから送信される更新データの受領完了を示す信号である。管理サーバ20は、受信信号を検出していない(ステップS20でNo)と判定した場合、ステップS18に戻り、再度データを送信する。管理サーバ20は、受信信号を検出した(ステップS20でYes)と判定した場合、データ提供履歴テーブルを更新し(ステップS22)、本処理を終了する。
【0050】
次に、図10を用いて、エリアサーバ34の処理を説明する。図10は、本実施形態に係るエリアサーバの処理フローの一例を説明するフローチャートである。エリアサーバ34は、管理サーバ20から更新データを受信する(ステップS32)。エリアサーバ34は、受信した更新データを更新データバッファ112に記憶させる。エリアサーバ34は、受信信号を管理サーバ20に出力する(ステップS34)。エリアサーバ34は、受信データ管理部90により管理サーバ20に該当の更新データを受領したことを示す受信信号を出力する。
【0051】
次に、エリアサーバ34は、更新対象の車両である車両を特定する(ステップS36)。エリアサーバ34は、個別車両バージョン情報管理部92で、受信した更新データに対応し、更新が完了していないソフトウェアを使用する車両を抽出する。
【0052】
エリアサーバ34は、対象の車両の状態情報を取得する(ステップS38)。エリアサーバ34は、対象の車両と通信を行い、更新制御部42から車両状態を取得する。
【0053】
エリアサーバ34は、更新条件を満たすかを判定する(ステップS40)。エリアサーバ34は、更新管理部94で、対象の車両について、車両状態と、更新データの設定と、を比較して、更新可能かを判定する。更新条件は種々の設定とすることができるが、以下が例示される。更新管理部94は、車両状態がアップデート可能状態である場合、また、充電状態、停止状態である場合、更新条件を満たす判定する。更新管理部94は、車両状態がアップデート不可状態である場合、更新条件を満たさないと判定する。また、更新管理部94は、車両状態が移動状態、荷役状態である場合、更新データの設定と比較して判定を行う。例えば、更新データの設定が移動状態での更新可の設定で、車両状態が移動状態である場合、更新条件を満たすと判定する。
【0054】
更新データの設定が通常モードか緊急モードかで更新条件を切り替えてもよい。更新データの設定が通常モードで、車両状態が移動状態、荷役状態である場合、更新条件を満たさないと判定し、更新データの設定が緊急モードで、車両状態が移動状態、荷役状態である場合、更新条件を満たすと判定してもよい。通常モード、緊急モードの設定は、管理サーバ20で行っても、上述したようにエリアサーバで行ってもよい。
【0055】
エリアサーバ34は、更新条件を満たさない(ステップS40でNo)と判定した場合、ステップS36に戻り、ステップS36、ステップS38、ステップS40の処理を再度実行する。エリアサーバ34は、一定回数更新条件を満たさないと判定した場合、更新できない車両を、ステップS36抽出する車両から除外してもよい。なお、エリアサーバ34は、ステップS38に戻ってもよい。
【0056】
エリアサーバ34は、更新条件を満たす(ステップS40でYes)と判定した場合、更新データを対象の車両に送信する(ステップS42)。次に、エリアサーバ34は、更新完了通知を受信したかを判定する(ステップS44)。エリアサーバ34は、更新完了通知を受信していない(ステップS44でNo)と判定した場合、ステップS42に戻り、ステップS42の処理を再度実行する。エリアサーバ34は、更新完了通知を受信した(ステップS44でYes)と判定した場合、車両管理データの情報を更新し(ステップS46)、本処理を終了する。
【0057】
次に、図11を用いて、車両36で実行する更新処理について説明する。図11は、本実施形態に係る更新制御部の処理フローの一例を説明するフローチャートである。更新制御部42は、エリアサーバから車両状態の要求を受信する(ステップS52)。次に、更新制御部42は、車両状態を判定する(ステップS54)。更新制御部42は、車両状態判定部120で車両の状態を判定する。更新制御部42は、エリアサーバ34に車両状態を通知する(ステップS56)。
【0058】
次に、更新制御部42は、更新データを受信したかを判定する(ステップS58)。上述したようにエリアサーバ34は、車両状態と設定に基づいて更新可能かを判定する。このため、更新データが送信される場合と、送信されない場合がある。更新制御部42は、更新データを受信していない(ステップS58でNo)と判定した場合、ステップS52に戻り、再度車両状態の要求を受信するまで待機する。なお、運転制御部44は、車両436の動作を制御し、指示に基づいた移動、荷役操作を実行する。
【0059】
更新制御部42は、更新データを受信した(ステップS58でYes)と判定した場合、更新データの更新条件を検出する(ステップS60)。更新制御部42は、更新条件を満たすように運転制御部44で制御しつつ、更新処理を実行する(ステップS62)。つまり、更新制御部42は、データの更新のために、車両36の移動を停止する場合、移動を停止させて更新を行い、運転制御部44の制御に制限がない場合、運転制御部44の制御と並行して更新処理を実行する。更新制御部42は、更新処理が完了した後、エリアサーバに更新完了の情報を出力し(ステップS64)、本処理を終了する。
【0060】
管理システム10は、以上のように、管理サーバ20で更新データを作成し、エリアサーバ34で各車両の更新を制御するシステムにおいて、エリアサーバ34が、管理サーバ20から提供された更新データに基づいて、更新する車両(対象機器)を特定し、車両の状態情報を取得し、対象機器が更新データの更新が可能な状態であると判定した場合、更新データを対象機器の更新制御部に出力する。このように、車両の状態情報を取得し、その状態に基づいて更新を制御することで、車両の運転に影響を与えることを抑制しつつ、迅速に更新処理を実行することができる。
【0061】
管理システム10は、更新データの通常モードと緊急モードを含む優先度情報を対応付け可能とし、車両の状態情報は、通常モードでは更新可能と判断せず、緊急モードでは更新可能と判定する場合が設定される。また、エリアサーバは、緊急モードの更新データの出力時に、稼働中の前記対象機器を停止させる指示が含まれる。このように緊急モードを設定することで、必要な更新処理を迅速に行うことができる。また、車両の運転を一時的に停止して更新を行うことで、安全に更新を行うことができる。
【0062】
また、エリアサーバ34は、車両に記憶させるソフトウェア及びデータのバージョンを管理する個別車両管理データを記憶し、車両の更新制御部から更新完了の情報を受信した場合、個別車両管理データを更新する。これにより、エリアサーバ34は、車両の状態を適切に管理することができる。
【0063】
また、管理サーバ20は、更新データのエリアサーバへの提供を管理するデータ提供履歴テーブルを記憶し、エリアサーバから更新データの受領の情報を受信した場合、データ提供履歴テーブルを更新する。これにより、管理サーバ20は、エリアサーバに必要な更新データを適切に提供することができる。また、管理サーバ20は、車両への更新の有無の情報を管理しないことで、管理にかかる負荷を低減することができる。
【0064】
管理サーバ20は、更新データを稼働させるために必要な他のソフトウェア及びデータの更新データの情報である関連性データを備え、エリアサーバ34は、更新データに対応する関連性データと前記データ提供履歴テーブルに基づいて、更新データを稼働させるために必要な他のソフトウェア及びデータの更新データで、対象機器が更新していないデータがあるかを判定し、更新していないデータがある場合、更新データと、対象機器が更新していないデータと、を更新制御部に出力する。このように、管理システム10は、関係性データ(関係性管理テーブル)を用い、更新データと他のソフトウェアおよびデータとの関係を把握することで、必要な更新を連動して実行することができる。これにより、1つのデータを更新したことで、機能の性能が低下することを抑制できる。管理サーバ20は、本実施形態のように関連性データを用いて、更新を制御することが好ましいが、関連性データを用いずにそれぞれのソフトウェア、データの更新を制御してもよい。
【0065】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0066】
10 管理システム
12 システム提供エリア
14 システム使用エリア
16 ネットワーク
20 管理サーバ
22 データ作成部
30 車両制御システム
32 上位システム
34 エリアサーバ
36 車両
42 更新制御部
44 運転演算部
50 演算部
52 記憶部
54 通信部
60 データ管理部
62 データ提供管理部
64 提供履歴管理部
70 更新データテーブル
72 データ提供履歴テーブル
74 関係性管理テーブル
76 提供側管理プログラム
80 演算部
82 記憶部
84 通信部
90 受信データ管理部
92 個別車両バージョン情報管理部
94 更新管理部
110 個別車両管理データ
112 更新データバッファ
114 使用側管理プログラム
120 車両状態判定部
122 更新処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11