(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157266
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】演算装置および演算方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20221006BHJP
G01G 19/10 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
E02F9/20 M
G01G19/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061390
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 実
(72)【発明者】
【氏名】山脇 翔太
(72)【発明者】
【氏名】小山 幹
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB03
2D003AB04
2D003AC09
2D003BA02
2D003BA07
2D003DA04
2D003DB02
2D003DB04
(57)【要約】
【課題】作業機の運搬する荷の重量を精度よく算出できる演算装置を提供する。
【解決手段】油圧ショベル100は、車体と、車体に支持されたブームボトムピン5aと、ブームボトムピン5aにより車体に回転可能に連結されたブーム3aと、ブーム3aの先端に取り付けられたブームトップピン5bと、ブームトップピン5bによりブーム3aに回転可能に連結されたアーム3bと、アーム3bの先端に取り付けられたアームトップピン5cと、アームトップピン5cによりアーム3bに回転可能に連結されたバケット3cとを備えている。演算装置は、ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合い式、ブームトップピン5bまわりのモーメントの釣り合い式、アームトップピン5cまわりのモーメントの釣り合い式のうちのいずれか2つの釣り合い式から、作業機3の運搬する荷の重量を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機を備える作業機械の、前記作業機の運搬する荷の重量を算出する演算装置であって、
前記作業機械は、
車体と、
前記車体に支持されたブームボトムピンと、
前記ブームボトムピンにより前記車体に回転可能に連結されたブームと、
前記ブームの先端に取り付けられたブームトップピンと、
前記ブームトップピンにより前記ブームに回転可能に連結されたアームと、
前記アームの先端に取り付けられたアームトップピンと、
前記アームトップピンにより前記アームに回転可能に連結されたアタッチメントとを備え、
前記ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合い式、前記ブームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式、前記アームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式のうちのいずれか2つの釣り合い式から、前記荷の重量を算出する、演算装置。
【請求項2】
前記作業機械は、
前記ブームを前記車体に対して相対回転させる推力を発生するアクチュエータと、
前記車体に対する前記ブームの角度を検知するセンサとを備え、
前記アクチュエータの発生する推力と、前記センサの検知結果とに基づいて、前記ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合い式を立てる、請求項1に記載の演算装置。
【請求項3】
前記作業機械は、
前記アームを前記ブームに対して相対回転させる推力を発生するアクチュエータと、
前記ブームに対する前記アームの角度を検知するセンサとを備え、
前記アクチュエータの発生する推力と、前記センサの検知結果とに基づいて、前記ブームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式を立てる、請求項1に記載の演算装置。
【請求項4】
前記作業機械は、
前記アタッチメントを前記アームに対して相対回転させる推力を発生するアクチュエータと、
前記アームに対する前記アタッチメントの角度を検知するセンサとを備え、
前記アクチュエータの発生する推力と、前記センサの検知結果とに基づいて、前記アームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式を立てる、請求項1に記載の演算装置。
【請求項5】
前記作業機械は、前記アクチュエータと前記アームとを連結するリンク部材をさらに備え、
前記センサは、前記リンク部材に取り付けられている、請求項4に記載の演算装置。
【請求項6】
前記アタッチメントは、リフティングマグネットである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の演算装置。
【請求項7】
前記いずれか2つの釣り合い式から、前記荷の重心位置を算出する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の演算装置。
【請求項8】
作業機を備える作業機械の、前記作業機の運搬する荷の重量を算出する演算装置であって、
前記作業機械は、
車体と、
前記車体に支持されたブームボトムピンと、
前記ブームボトムピンにより前記車体に回転可能に連結されたブームと、
前記ブームの先端に取り付けられたブームトップピンと、
前記ブームトップピンにより前記ブームに回転可能に連結されたアタッチメントと、
前記ブームに支持され、前記アタッチメントとともに前記ブームに対して回転可能な回動部材とを備え、
前記ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合い式と、前記回動部材の回転中心まわりのモーメントの釣り合い式との2つの釣り合い式から、前記荷の重量を算出する、演算装置。
【請求項9】
前記作業機械は、
前記ブームを前記車体に対して相対回転させる推力を発生するアクチュエータと、
前記車体に対する前記ブームの角度を検知するセンサとを備え、
前記アクチュエータの発生する推力と、前記センサの検知結果とに基づいて、前記ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合い式を立てる、請求項8に記載の演算装置。
【請求項10】
前記作業機械は、
前記アタッチメントを前記ブームに対して相対回転させる推力を発生するアクチュエータと、
前記ブームに対する前記アタッチメントの角度を検知するセンサとを備え、
前記アクチュエータの発生する推力と、前記センサの検知結果とに基づいて、前記回転中心まわりのモーメントの釣り合い式を立てる、請求項8に記載の演算装置。
【請求項11】
前記2つの釣り合い式から、前記荷の重心位置を算出する、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の演算装置。
【請求項12】
作業機を備える作業機械の、前記作業機の運搬する荷の重量を算出する演算装置であって、
前記作業機械は、
車体と、
前記車体に支持されたブームボトムピンと、
前記ブームボトムピンにより前記車体に一端を回転可能に連結されたブームと、
前記ブームの他端に取り付けられたブームトップピンと、
前記ブームトップピンにより前記ブームの他端に一端を回転可能に連結されたアームと、
前記アームの他端に取り付けられたアームトップピンと、
前記アームトップピンにより前記アームの他端に一端を回転可能に連結されたアタッチメントと、
前記ブームを駆動して回転動作させるブーム油圧シリンダと、
前記アームを駆動して回転動作させるアーム油圧シリンダと、
前記アタッチメントを駆動して回転動作させるアタッチメント油圧シリンダと、
前記ブーム油圧シリンダに取り付けられ前記ブーム油圧シリンダの作動油圧力情報を出力するブーム圧力センサと、前記アーム油圧シリンダに取り付けられ前記アーム油圧シリンダの作動油圧力情報を出力するアーム圧力センサと、前記アタッチメント油圧シリンダに取り付けられ前記アタッチメント油圧シリンダの作動油圧力情報を出力するアタッチメント圧力センサと、のうちの少なくとも2つのセンサを含む、圧力センサと、
前記車体に対する前記ブームの位置を得るためのブーム情報を出力するブーム位置センサと、前記ブームに対する前記アームの位置を得るためのアーム情報を出力するアーム位置センサと、前記アームに対する前記アタッチメントの位置を得るためのアタッチメント情報を出力するアタッチメント位置センサと、を備え、
前記荷の運搬における、前記ブーム油圧シリンダの前記作動油圧力情報と前記ブーム情報とから生成される第一の関係式と、前記アーム油圧シリンダの前記作動油圧力情報と前記アーム情報とから生成される第二の関係式と、前記アタッチメント油圧シリンダの前記作動油圧力情報と前記アタッチメント情報とから生成される第三の関係式と、のうちのいずれか2つの関係式から、前記荷の重量を算出し、
前記圧力センサは、前記2つの関係式に対応する2つのセンサを少なくとも含む、演算装置。
【請求項13】
前記ブーム位置センサは、前記車体に対する前記ブームの角度を検知するセンサであり、
前記アーム位置センサは、前記ブームに対する前記アームの角度を検知するセンサであり、
前記アタッチメント位置センサは、前記アームに対する前記アタッチメントの角度を検知するセンサである、請求項12に記載の演算装置。
【請求項14】
前記第一の関係式は、前記荷の運搬の際の、前記ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合い式であり、
前記第二の関係式は、前記荷の運搬の際の、前記ブームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式であり、
前記第三の関係式は、前記荷の運搬の際の、前記アームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式である、請求項12または請求項13に記載の演算装置。
【請求項15】
作業機を備える作業機械の、前記作業機の運搬する荷の重量を算出する演算方法であって、
前記作業機は、第1回転中心を軸として回動するブームと、第2回転中心を軸として回動するアームと、第3回転中心を軸として回動するアタッチメントと、を部材として有し、
前記部材について、前記第1回転中心、前記第2回転中心および前記第3回転中心のうちのいずれか2つの回転中心回りの運動の回転式を立式することと、
前記部材の各々の重量および重心位置を取得することと、
前記荷の運搬時における前記部材の位置を取得することと、
前記関係式の前記運動に対応する推力を取得することと、
前記部材の前記重心位置と前記位置とから、前記荷の運搬時における前記部材の各々の重心位置と、対応する前記第1回転中心、前記第2回転中心および前記第3回転中心のそれぞれとの水平方向距離を演算することと、
前記関係式と、前記取得された情報と、前記演算された情報とにより、前記作業機の運搬する前記荷の重量を演算することと、を備える、演算方法。
【請求項16】
前記部材の前記位置を、前記部材の姿勢を示す角度から取得する、請求項15に記載の演算方法。
【請求項17】
前記関係式は、前記運動の回転中心まわりのモーメントの釣り合い式である、請求項15または請求項16に記載の演算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機の運搬する荷の重量を算出する演算装置および演算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平10-245874号公報(特許文献1)には、バケットを備えた油圧ショベルにおいて、バケット支持軸回りの力の釣り合い条件からバケット内の積荷重量を算出する演算装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献には、バケット積荷の重心位置を実験的に求めることが記載されている。しかしながら、バケット積荷の重心位置は必ずしも一定ではない。そのため、実験的に求めた重心位置を用いて積荷重量を算出する技術では、積荷重量の精度を高くすることが困難であった。
【0005】
本開示では、作業機の運搬する荷の重量を精度よく算出できる演算装置が提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、作業機を備える作業機械における、作業機の運搬する荷の重量を算出する演算装置が提案される。作業機械は、車体と、車体に支持されたブームボトムピンと、ブームボトムピンにより車体に回転可能に連結されたブームと、ブームの先端に取り付けられたブームトップピンと、ブームトップピンによりブームに回転可能に連結されたアームと、アームの先端に取り付けられたアームトップピンと、アームトップピンによりアームに回転可能に連結されたアタッチメントとを備えている。演算装置は、ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合い式、ブームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式、アームトップピンまわりのモーメントの釣り合い式のうちのいずれか2つの釣り合い式から、荷の重量を算出する。
【0007】
本開示のある局面に従うと、作業機を備える作業機械における、作業機の運搬する荷の重量を算出する演算装置が提案される。作業機械は、車体と、車体に支持されたブームボトムピンと、ブームボトムピンにより車体に回転可能に連結されたブームと、ブームの先端に取り付けられたブームトップピンと、ブームトップピンによりブームに回転可能に連結されたアタッチメントと、ブームに支持され、アタッチメントとともにブームに対して回転可能な回動部材とを備えている。演算装置は、ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合い式と、回動部材の回転中心まわりのモーメントの釣り合い式との2つの釣り合い式から、荷の重量を算出する。
【0008】
本開示のある局面に従うと、作業機を備える作業機械の、前記作業機の運搬する荷の重量を算出する演算装置が提案される。作業機械は、車体と、車体に支持されたブームボトムピンと、ブームボトムピンにより車体に一端を回転可能に連結されたブームと、ブームの他端に取り付けられたブームトップピンと、ブームトップピンによりブームの他端に一端を回転可能に連結されたアームと、アームの他端に取り付けられたアームトップピンと、アームトップピンによりアームの他端に一端を回転可能に連結されたアタッチメントと、ブームを駆動して回転動作させるブーム油圧シリンダと、アームを駆動して回転動作させるアーム油圧シリンダと、アタッチメントを駆動して回転動作させるアタッチメント油圧シリンダと、圧力センサと、位置センサとを備えている。圧力センサは、ブーム油圧シリンダに取り付けられブーム油圧シリンダの作動油圧力情報を出力するブーム圧力センサと、アーム油圧シリンダに取り付けられアーム油圧シリンダの作動油圧力情報を出力するアーム圧力センサと、アタッチメント油圧シリンダに取り付けられアタッチメント油圧シリンダの作動油圧力情報を出力するアタッチメント圧力センサと、のうちの少なくとも2つのセンサを含んでいる。位置センサは、車体に対するブームの位置を得るためのブーム情報を出力するブーム位置センサと、ブームに対するアームの位置を得るためのアーム情報を出力するアーム位置センサと、アームに対するアタッチメントの位置を得るためのアタッチメント情報を出力するアタッチメント位置センサと、を含んでいる。演算装置は、荷の運搬における、ブーム油圧シリンダの作動油圧力情報とブーム情報とから生成される第一の関係式と、アーム油圧シリンダの作動油圧力情報とアーム情報とから生成される第二の関係式と、アタッチメント油圧シリンダの作動油圧力情報とアタッチメント情報とから生成される第三の関係式と、のうちのいずれか2つの関係式から、荷の重量を算出する。圧力センサは、上記の2つの関係式に対応する2つのセンサを少なくとも含んでいる。
【0009】
本開示のある局面に従うと、作業機を備える作業機械の、作業機の運搬する荷の重量を算出する演算方法が提案される。作業機は、第1回転中心を軸として回動するブームと、第2回転中心を軸として回動するアームと、第3回転中心を軸として回動するアタッチメントと、を部材として有している。演算方法は、以下の処理を備えている。第1の処理は、上記の部材について、第1回転中心、第2回転中心および第3回転中心のうちのいずれか2つの回転中心回りの運動の回転式を立式することである。第2の処理は、部材の各々の重量および重心位置を取得することである。第3の処理は、荷の運搬時における部材の位置を取得することである。第4の処理は、関係式の運動に対応する推力を取得することである。第5の処理は、部材の重心位置と部材の位置とから、荷の運搬時における部材の各々の重心位置と、対応する第1回転中心、第2回転中心および第3回転中心のそれぞれとの水平方向距離を演算することである。第6の処理は、関係式と、取得された情報と、演算された情報とにより、作業機の運搬する荷の重量を演算することである。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る演算装置および演算方法によれば、作業機の運搬する荷の重量を精度よく算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の第一実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図1に示される作業機械のシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2に示されるコントローラ内の機能ブロックを示す図である。
【
図4】ブームボトムピンまわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。
【
図5】アームトップピンまわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。
【
図6】ブームトップピンまわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。
【
図7】第三実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す図である。
【
図8】第四実施形態に基づく作業機械の構成を概略的に示す図である。
【
図9】第四実施形態のコントローラ内の機能ブロックを示す図である。
【
図10】支持ピンまわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。
【
図11】本開示の演算方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0013】
[第一実施形態]
<作業機械の構成>
図1は、本開示の第一実施形態に基づく作業機械の一例としての油圧ショベル100の構成を概略的に示す側面図である。
図1に示されるように、本実施の形態の油圧ショベル100は、走行体1と、旋回体2と、作業機3とを主に有している。走行体1と旋回体2とにより、油圧ショベル100の車体が構成されている。
【0014】
走行体1は左右一対の履帯装置1aを有している。この左右一対の履帯装置1aの各々は履帯を有している。左右一対の履帯が回転駆動されることにより油圧ショベル100が自走する。
【0015】
旋回体2は走行体1に対して旋回自在に設置されている。この旋回体2は、運転室(キャブ)2aと、運転席2bと、エンジンルーム2cと、カウンタウェイト2dとを主に有している。運転室2aは、旋回体2のたとえば前方左側(車両前側)に配置されている。運転室2aの内部空間には、オペレータが着座するための運転席2bが配置されている。
【0016】
エンジンルーム2cおよびカウンタウェイト2dの各々は、運転室2aに対して旋回体2の後方側(車両後側)に配置されている。エンジンルーム2cは、エンジンユニット(エンジン、排気処理構造体など)を収納している。エンジンルーム2cの上方はエンジンフードにより覆われている。カウンタウェイト2dは、エンジンルーム2cの後方に配置されている。
【0017】
作業機3は、旋回体2の前方側であって運転室2aのたとえば右側にて軸支されている。作業機3は、たとえばブーム3a、アーム3b、バケット3c、ブームシリンダ4a、アームシリンダ4b、バケットシリンダ4cなどを有している。ブーム3aの基端部(一端)は、ブームボトムピン5aにより旋回体2に回転可能に連結されている。アーム3bの基端部(一端)は、ブームトップピン5bによりブーム3aの先端部(他端)に回転可能に連結されている。バケット3c(の一端)は、アームトップピン5cによりアーム3bの先端部(他端)に回転可能に連結されている。
【0018】
本実施形態においては、作業機3を基準として、油圧ショベル100の各部の位置関係について説明する。
【0019】
作業機3のブーム3aは、旋回体2に対して、ブームボトムピン5aを中心に回転移動する。旋回体2に対して回動するブーム3aの特定の部分、たとえばブーム3aの先端部が移動する軌跡は円弧状であり、その円弧を含む平面が特定される。油圧ショベル100を平面視した場合に、当該平面は直線として表される。この直線の延びる方向が、油圧ショベル100の車体の前後方向、または旋回体2の前後方向であり、以下では単に前後方向ともいう。油圧ショベル100の車体の左右方向(車幅方向)、または旋回体2の左右方向とは、平面視において前後方向と直交する方向であり、以下では単に左右方向ともいう。油圧ショベル100の車体の上下方向、または旋回体2の上下方向とは、前後方向および左右方向によって定められる平面に直交する方向であり、以下では単に上下方向ともいう。
【0020】
前後方向において、車体から作業機3が突き出している側が前方向であり、前方向と反対方向が後方向である。前方向を視て左右方向の右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。上下方向において地面のある側が下側、空のある側が上側である。
【0021】
前後方向とは、運転室2a内の運転席2bに着座したオペレータの前後方向である。左右方向とは、運転席2bに着座したオペレータの左右方向である。上下方向とは、運転席2bに着座したオペレータの上下方向である。運転席2bに着座したオペレータに正対する方向が前方向であり、運転席2bに着座したオペレータの背後方向が後方向である。運転席2bに着座したオペレータが正面に正対したときの右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。運転席2bに着座したオペレータの足元側が下側、頭上側が上側である。
【0022】
ブーム3aは、ブームシリンダ(ブーム油圧シリンダ)4aにより駆動可能である。この駆動により、ブーム3aは、ブームボトムピン5aを中心に旋回体2に対して上下方向に回動可能である。アーム3bは、アームシリンダ(アーム油圧シリンダ)4bにより駆動可能である。この駆動により、アーム3bは、ブームトップピン5bを中心にブーム3aに対して上下方向に回動可能である。バケット(アタッチメント)3cは、バケットシリンダ(アタッチメント油圧シリンダ)4cにより駆動可能である。この駆動によりバケット3cは、アームトップピン5cを中心にアーム3bに対して上下方向に回動可能である。このように作業機3は駆動可能である。
【0023】
ブームボトムピン5aは、油圧ショベル100の車体に支持されている。ブームボトムピン5aは、旋回体2のフレームの一対の縦板(図示せず)に支持されている。ブームトップピン5bは、ブーム3aの先端に取り付けられている。アームトップピン5cは、アーム3bの先端に取り付けられている。ブームボトムピン5a、ブームトップピン5bおよびアームトップピン5cは、いずれも左右方向に延びている。ブームボトムピン5aはブームフートピンとも呼ばれる。
【0024】
作業機3は、バケットリンク3dを有している。バケットリンク3dは、第1リンク部材3daと、第2リンク部材3dbとを有している。第1リンク部材3daの先端と第2リンク部材3dbの先端とは、バケットシリンダトップピン3dcを介して、相対回転可能に連結されている。バケットシリンダトップピン3dcは、バケットシリンダ4cの先端に連結されている。したがって第1リンク部材3daおよび第2リンク部材3dbは、バケットシリンダ4cにピン連結されている。
【0025】
第1リンク部材3daの基端は、第1リンクピン3ddによりアーム3bに回転可能に連結されている。第2リンク部材3dbの基端は、第2リンクピン3deによりバケット3cの根元部分のブラケットに回転可能に連結されている。
【0026】
ブームシリンダ4aのヘッド側には、圧力センサ6aが取り付けられている。圧力センサ6aは、ブームシリンダ4aのシリンダヘッド側油室40A内の作動油の圧力(ヘッド圧)を検出することができる。ブームシリンダ4aのボトム側には、圧力センサ6bが取り付けられている。圧力センサ6bは、ブームシリンダ4aのシリンダボトム側油室40B内の作動油の圧力(ボトム圧)を検出することができる。圧力センサ6a,6bは、ヘッド圧とボトム圧とからなる作動油圧力情報を後述のコントローラ10に出力する。
【0027】
アームシリンダ4bのヘッド側には、圧力センサ6cが取り付けられている。圧力センサ6cは、アームシリンダ4bのシリンダヘッド側油室内の作動油の圧力(ヘッド圧)を検出することができる。アームシリンダ4bのボトム側には、圧力センサ6dが取り付けられている。圧力センサ6dは、アームシリンダ4bのシリンダボトム側油室内の作動油の圧力(ボトム圧)を検出することができる。圧力センサ6c,6dは、ヘッド圧とボトム圧とからなる作動油圧力情報を後述のコントローラ10に出力する。
【0028】
バケットシリンダ4cのヘッド側には、圧力センサ6eが取り付けられている。圧力センサ6eは、バケットシリンダ4cのシリンダヘッド側油室内の作動油の圧力(ヘッド圧)を検出することができる。バケットシリンダ4cのボトム側には、圧力センサ6fが取り付けられている。圧力センサ6fは、バケットシリンダ4cシリンダボトム側油室内の作動油の圧力(ボトム圧)を検出することができる。圧力センサ6e,6fは、ヘッド圧とボトム圧とからなる作動油圧力情報を後述のコントローラ10に出力する。
【0029】
ブーム3a、アーム3bおよびバケット3cには、それぞれの位置および姿勢の情報を得るための位置センサが設けられている。位置センサは、ブーム3a、アーム3bおよびバケット3cのそれぞれの位置を得るためのブーム情報、アーム情報およびアタッチメント情報を、後述のコントローラ10に出力する。
【0030】
ブームシリンダ4aには、位置センサとして、ストロークセンサ7aが取り付けられている。ストロークセンサ7aは、ブームシリンダ4aにおけるシリンダaaに対するシリンダロッド4abの変位量をブーム情報として検出する。アームシリンダ4bには、位置センサとして、ストロークセンサ7bが取り付けられている。ストロークセンサ7bは、アームシリンダ4bにおけるシリンダロッドの変位量をアーム情報として検出する。バケットシリンダ4cには、位置センサとして、ストロークセンサ7cが取り付けられている。ストロークセンサ7cは、バケットシリンダ4cにおけるシリンダロッドの変位量をアタッチメント情報として検出する。
【0031】
位置センサは、角度センサであってもよい。ブームボトムピン5aの周囲には、角度センサ9aが取り付けられている。ブームトップピン5bの周囲には、角度センサ9bが取り付けられている。アームトップピン5cの周囲には、角度センサ9cが取り付けられている。角度センサ9a,9b,9cは、ポテンショメータであってもよく、ロータリーエンコーダであってもよい。角度センサ9a,9b,9cは、ブーム3aなどの回転角情報(ブーム情報、アーム情報およびアタッチメント情報)を、後述のコントローラ10に出力する。
【0032】
図1に示されるように、側方視において、ブームボトムピン5aとブームトップピン5bとを通る直線(
図1中に二点鎖線で図示)と、上下方向に延びる直線(
図1中に破線で図示)とのなす角度を、ブーム角θbとする。ブーム角θbは、通常、鋭角である。ブーム角θbは、旋回体2に対するブーム3aの角度を表す。ブーム角θbは、ストロークセンサ7aの検出結果から算出することができ、また角度センサ9aの測定値から算出することができる。
【0033】
側方視において、ブームボトムピン5aとブームトップピン5bとを通る直線と、ブームトップピン5bとアームトップピン5cとを通る直線(
図1中に二点鎖線で図示)とのなす角度を、アーム角θaとする。アーム角θaは、側方視でアーム3bが回動する領域におけるブーム3aに対するアーム3bの角度を表す。アーム角θaは、ストロークセンサ7bの検出結果から算出することができ、また角度センサ9bの測定値から算出することができる。
【0034】
側方視において、ブームトップピン5bとアームトップピン5cとを通る直線と、アームトップピン5cとバケット3cの刃先とを通る直線(
図1中に二点鎖線で図示)とのなす角度を、バケット角θkとする。バケット角θkは、側方視でバケット3cが回動する領域におけるアーム3bに対するバケット3cの角度を表す。バケット角θkは、ストロークセンサ7cの検出結果から算出することができ、また角度センサ9cの測定値から算出することができる。
【0035】
位置センサは、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)であってもよい。旋回体2、ブーム3a、アーム3bおよび第1リンク部材3daのそれぞれには、IMU8a,8b,8c,8dが取り付けられている。IMU8aは、前後方向、左右方向および上下方向における旋回体2の加速度と、前後方向、左右方向および上下方向まわりの旋回体2の角速度とを計測する。IMU8b,8c,8dのそれぞれは、前後方向、左右方向および上下方向におけるブーム3a、アーム3b、第1リンク部材3daの加速度と、前後方向、左右方向および上下方向まわりのブーム3a、アーム3b、第1リンク部材3daの角速度とを計測する。
【0036】
旋回体2に取り付けられたIMU8aで測定された加速度とブーム3aに取り付けられたIMU8bで測定された加速度との差分に基づいて、ブームシリンダ4aの伸縮の加速度(ブームシリンダ4aの伸縮速度の変化量)を取得することができる。ブーム角θb、アーム角θa、バケット角θkは、それぞれIMU8b,8c,8dの検出結果から算出されてもよい。
【0037】
位置センサとして、各油圧シリンダのストロークセンサ、ブーム3aなどの各リンクの角度センサ、およびIMUを挙げたが、位置センサは六軸加速度センサであってもよい。位置センサは上記センサのいくつかを併用するものであってもよい。位置センサは上記センサに加え、GNSS(Global Navigation Satellite System:衛星測位システム)を併用するものであってもよい。
【0038】
<作業機械のシステムの概略構成>
次に、作業機械のシステムの概略構成について
図2を用いて説明する。
図2は、
図1に示される作業機械のシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0039】
図2に示されるように、本実施形態におけるシステムは、作業機3の運搬する荷L(
図1)の重量である積荷重量を決定するためのシステムである。本実施形態におけるシステムは、
図1に示す作業機械の一例としての油圧ショベル100と、
図2に示されるコントローラ10とを含んでいる。コントローラ10は、油圧ショベル100に搭載されていてもよい。コントローラ10は、油圧ショベル100の外部に設置されていてもよい。コントローラ10は、油圧ショベル100の作業現場に配置されてもよく、油圧ショベル100の作業現場から離れた遠隔地に配置されてもよい。
【0040】
エンジン31は、たとえばディーゼルエンジンである。エンジン31への燃料の噴射量がコントローラ10によって制御されることにより、エンジン31の出力が制御される。
【0041】
油圧ポンプ33は、エンジン31に連結されている。エンジン31の回転駆動力が油圧ポンプ33に伝達されることにより、油圧ポンプ33が駆動される。油圧ポンプ33は、たとえば斜板を有し、斜板の傾転角が変更されることにより吐出容量を変化させる可変容量型の油圧ポンプである。油圧ポンプ33から吐出された油の一部は、作動油として方向制御弁34に供給される。油圧ポンプ33から吐出された油の一部は、減圧弁によって一定の圧力に減圧されて、パイロット油として使用される。
【0042】
方向制御弁34は、たとえばロッド状のスプールを動かして作動油が流れる方向を切り換えるスプール方式の弁である。スプールが軸方向に移動することにより、アクチュエータ40に対する作動油の供給量が調整される。方向制御弁34には、スプールの移動距離(スプールストローク)を検出するスプールストロークセンサが設けられる。
【0043】
アクチュエータ40への油圧の供給および排出が制御されることにより、作業機3の動作、旋回体2の旋回、および走行体1の走行動作が制御される。上記アクチュエータ40は、
図1に示されるブームシリンダ4a、アームシリンダ4b、バケットシリンダ4c、走行モータ、図示しない旋回モータなどを含んでいる。
【0044】
なお、本例においては、アクチュエータ40を作動するために、そのアクチュエータ40に供給される油は作動油と称される。また、方向制御弁34を作動するためにその方向制御弁34に供給される油はパイロット油と称される。また、パイロット油の圧力はパイロット油圧と称される。
【0045】
油圧ポンプ33は、上記のように作動油とパイロット油との両方を送出するものであってもよい。油圧ポンプ33は、作動油を送出する油圧ポンプ(メイン油圧ポンプ)と、パイロット油を送出する油圧ポンプ(パイロット油圧ポンプ)とを別々に有してもよい。
【0046】
操作装置25は、運転室2a内に配置されている。操作装置25は、オペレータにより操作される。操作装置25は、作業機3を駆動するオペレータ操作を受け付ける。また操作装置25は、旋回体2を旋回させるオペレータ操作を受け付ける。操作装置25は、オペレータ操作に応じた操作信号を出力する。
【0047】
操作装置25は、第1操作レバー25Rと、第2操作レバー25Lとを有している。第1操作レバー25Rは、たとえば運転席2bの右側に配置されている。第2操作レバー25Lは、たとえば運転席2bの左側に配置されている。第1操作レバー25Rおよび第2操作レバー25Lでは、前後左右の動作が2軸の動作に対応する。
【0048】
第1操作レバー25Rにより、たとえばブーム3aおよびバケット3cが操作される。第1操作レバー25Rの前後方向の操作は、たとえばブーム3aの操作に対応し、前後方向の操作に応じてブーム3aが下降する動作および上昇する動作が実行される。第1操作レバー25Rの左右方向の操作は、たとえばバケット3cの操作に対応し、左右方向の操作に応じてバケット3cの掘削方向(上向き)およびダンプ方向(下向き)への動作が実行される。
【0049】
第2操作レバー25Lにより、たとえばアーム3bおよび旋回体2が操作される。第2操作レバー25Lの前後方向の操作は、たとえば旋回体2の旋回に対応し、前後方向の操作に応じて旋回体2の右旋回動作および左旋回動作が実行される。第2操作レバー25Lの左右方向の操作は、たとえばアーム3bの操作に対応し、左右方向の操作に応じてアーム3bのダンプ方向(上向き)および掘削方向(下向き)への動作が実行される。
【0050】
油圧ポンプ33から送出され、減圧弁によって減圧されたパイロット油が、操作装置25に供給される。操作装置25の操作量に基づいて、パイロット油圧が調整される。
【0051】
操作装置25と方向制御弁34とは、パイロット油路450を介して接続されている。パイロット油は、パイロット油路450を介して方向制御弁34に供給される。これにより、方向制御弁34のスプールが軸方向に移動して、ブームシリンダ4a、アームシリンダ4bおよびバケットシリンダ4cに供給される作動油の流れ方向および流量が調整され、ブーム3a、アーム3b、バケット3cの上下方向への動作が実行される。
【0052】
パイロット油路450には、圧力センサ36が配置されている。圧力センサ36は、パイロット油圧を検出する。圧力センサ36の検出結果は、コントローラ10に出力される。パイロット油圧の増加量は、操作レバー25L,25Rの各々を中立位置から傾倒させる角度によって異なる。圧力センサ36によるパイロット油圧の検出結果によって、操作装置25の操作内容を判断することができる。
【0053】
コントローラ10には、ストロークセンサ7a~7c、IMU8a~8d、角度センサ9a~9cおよび圧力センサ6a~6fの検出信号も入力される。
【0054】
コントローラ10は、ストロークセンサ7a~7c、IMU8a~8d、角度センサ9a~9cおよび圧力センサ6a~6f,36の各々と有線で電気的に接続されていてもよく、また無線で通信可能とされていてもよい。コントローラ10は、たとえばコンピュータ、サーバー、携帯端末などであり、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。
【0055】
上記においては操作装置25がパイロット油圧方式である場合について説明したが、操作装置25は電気方式の操作装置であってもよい。操作装置25が電気方式である場合、第1操作レバー25Rおよび第2操作レバー25Lの各々の操作量は、たとえばポテンショメータにより検出される。ポテンショメータとは、機械的な位置に比例した電気(電圧)出力を得る変位センサである。ポテンショメータの検出結果は、コントローラ10に出力される。ポテンショメータの検出結果によって、操作装置25の操作内容を判断することができる。
【0056】
<コントローラ10内の機能ブロック>
次に、コントローラ10内の機能ブロックについて
図3を用いて説明する。
図3は、
図2に示されるコントローラ10内の機能ブロックを示す図である。
【0057】
図3に示されるように、ブームシリンダ推力算出部10aは、圧力センサ6a,6bの検知結果を取得する。具体的には、ブームシリンダ推力算出部10aは、圧力センサ6aにより検知されたブームシリンダ4aのヘッド圧を取得する。ブームシリンダ推力算出部10aは、圧力センサ6bにより検知されたブームシリンダ4aのボトム圧を取得する。ブームシリンダ推力算出部10aは、ブームシリンダ4aのヘッド圧とボトム圧とに基づいて、ブームシリンダ推力Fboomを算出する。
【0058】
推力とは物体を運動方向におしすすめる力と定義され、ブームシリンダ推力Fboomは、ブームシリンダ4aの発生する、ブーム3aを車体に対して相対回転させる推力である。ブームシリンダ推力Fboomは、ブームシリンダ4aの延在方向に作用する力である。ブームシリンダ推力算出部10aは、算出したブームシリンダ推力Fboomを、積荷重量算出部10iへ出力する。
【0059】
アームシリンダ推力算出部10bは、圧力センサ6c,6dの検知結果を取得する。具体的には、アームシリンダ推力算出部10bは、圧力センサ6cにより検知されたアームシリンダ4bのヘッド圧を取得する。アームシリンダ推力算出部10bは、圧力センサ6dにより検知されたアームシリンダ4bのボトム圧を取得する。アームシリンダ推力算出部10bは、アームシリンダ4bのヘッド圧とボトム圧とに基づいて、アームシリンダ推力Farmを算出する。
【0060】
アームシリンダ推力Farmは、アームシリンダ4bの発生する、アーム3bをブーム3aに対して相対回転させる推力である。アームシリンダ推力Farmは、アームシリンダ4bの延在方向に作用する力である。アームシリンダ推力算出部10bは、算出したアームシリンダ推力Farmを、積荷重量算出部10iへ出力する。
【0061】
バケットシリンダ推力算出部10cは、圧力センサ6e,6fの検知結果を取得する。具体的には、バケットシリンダ推力算出部10cは、圧力センサ6eにより検知されたバケットシリンダ4cのヘッド圧を取得する。バケットシリンダ推力算出部10cは、圧力センサ6fにより検知されたバケットシリンダ4cのボトム圧を取得する。バケットシリンダ推力算出部10cは、バケットシリンダ4cのヘッド圧とボトム圧とに基づいて、バケットシリンダ推力Fbucketを算出する。
【0062】
バケットシリンダ推力Fbucketは、バケットシリンダ4cの発生する、バケット3cをアーム3bに対して相対回転させる推力である。バケットシリンダ推力Fbucketは、バケットシリンダ4cの延在方向に作用する力である。バケットシリンダ推力算出部10cは、算出したバケットシリンダ推力Fbucketを、積荷重量算出部10iへ出力する。
【0063】
ブーム角算出部10dは、ストロークセンサ7a、IMU8b、および角度センサ9aの少なくともいずれか1つのセンサから、ブーム角θbに関する情報を取得する。ブーム角算出部10dは、取得した情報に基づいて、ブーム角θbを算出する。ブーム角算出部10dは、算出したブーム角θbを、重心位置算出部10gへ出力する。
【0064】
アーム角算出部10eは、ストロークセンサ7b、IMU8c、および角度センサ9bの少なくともいずれか1つのセンサから、アーム角θaに関する情報を取得する。アーム角算出部10eは、取得した情報に基づいて、アーム角θaを算出する。アーム角算出部10eは、算出したアーム角θaを、重心位置算出部10gへ出力する。
【0065】
バケット角算出部10fは、ストロークセンサ7c、IMU8d、および角度センサ9cの少なくともいずれか1つのセンサから、バケット角θkに関する情報を取得する。バケット角算出部10fは、取得した情報に基づいて、バケット角θkを算出する。バケット角算出部10fは、算出したバケット角θkを、重心位置算出部10gへ出力する。
【0066】
記憶部10jは、作業機3を構成する各部材の寸法、重量および重心の位置などの各種情報を記憶している。これらの各種情報は、コントローラ10外部の入力部11から、記憶部10jに入力されてもよい。記憶部10jは、コントローラ10に含まれず、コントローラ10の外部に配置されていてもよい。
【0067】
重心位置算出部10gは、作業機3を構成する各部材、たとえばブーム3a、ブームシリンダ4aのシリンダ4aa、第1リンク部材3daなど、の重心の、ブームボトムピン5aに対する相対位置を算出する。重心位置算出部10gは、ブーム角算出部10dで算出されたブーム角θbと、アーム角算出部10eで算出されたアーム角θaと、バケット角算出部10fで算出されたバケット角θkと、記憶部10jに記憶されている作業機3を構成する各部材の重心の位置とから、作業機3を構成する各部材の上記相対位置を算出する。
【0068】
重心位置算出部10gは、ブーム角θb、アーム角θaおよびバケット角θkから、ブームボトムピン5aを基準とするブーム3a、アーム3bおよびバケット3cの姿勢を算出する。重心位置算出部10gは、算出された姿勢から作業機3の他の構成部材の状態(姿勢・ストローク)を算出する。重心位置算出部10gは、算出結果と記憶されている各部材の重心位置とから、作業機3を構成する各部材のブームボトムピン5aを基準とする相対位置を算出する。
【0069】
モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aから、作業機を構成する各部材の重心までの、水平方向における距離を算出する。具体的には、モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからブーム3aの重心までの水平方向の距離Xboomを算出する。モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからアーム3bの重心までの水平方向の距離Xarmを算出する。モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからバケット3cの重心までの水平方向の距離Xbucketを算出する。
【0070】
モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからブームシリンダ4aのシリンダ部分(シリンダ4aa)の重心までの水平方向の距離XboomCを算出する。モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからブームシリンダ4aのシリンダロッド部分(シリンダロッド4ab)の重心までの水平方向の距離XboomCRを算出する。
【0071】
モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからアームシリンダ4bのシリンダ部分の重心までの水平方向の距離XarmCを算出する。モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからアームシリンダ4bのシリンダロッド部分の重心までの水平方向の距離XarmCRを算出する。
【0072】
また、モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからブームトップピン5bまでの水平方向の距離Xboomtopを算出する。モーメント距離算出部10hは、ブームボトムピン5aからアームトップピン5cまでの水平方向の距離Xarmtopを算出する。
【0073】
また、モーメント距離算出部10hは、ブームシリンダ4aの延在方向に直交する方向における、ブームボトムピン5aからブームシリンダ4aまでの距離hboomを算出する。モーメント距離算出部10hは、アームシリンダ4bの延在方向に直交する方向における、ブームトップピン5bからアームシリンダ4bまでの距離harmを算出する。モーメント距離算出部10hは、バケットシリンダ4cの延在方向に直交する方向における、アームトップピン5cからバケットシリンダ4cまでの距離hbucketを算出する。
【0074】
モーメント距離算出部10hは、算出したこれらの距離を、積荷重量算出部10iへ出力する。
【0075】
積荷重量算出部10iは、バケット3cに積載された荷Lの重量Mpayloadを算出する。重量Mpayloadの算出方法は後述する。積荷重量算出部10iは、算出した重量Mpayloadをコントローラ10外の表示部12に出力する。表示部12は、たとえば運転室2a(
図1)内に配置されていてもよく、また油圧ショベル100から離れた遠隔地に配置されていてもよい。表示部12は、算出した重量Mpayloadを画面に表示する。運転室2a内で油圧ショベル100を操作するオペレータ、遠隔地で油圧ショベル100を操作するオペレータまたは油圧ショベル100の動作を監視する監視者などは、表示部12を見ることにより、バケット3cに積載された荷Lの重量Mpayloadを認識することができる。
【0076】
なお入力部11および表示部12の各々は、コントローラ10と有線で接続されていてもよく、また無線で接続されていてもよい。
【0077】
<荷Lの重量の算出>
以下、バケット3cに積載された荷Lの重量Mpayloadの算出方法の詳細について説明する。荷Lの重量Mpayloadは、荷Lの運搬中における作業機3を構成する3つのリンク(ブーム3a、アーム3b、バケット3c)それぞれに関して位置センサからの情報と圧力センサからの情報とからセットアップされた3つの関係式のいずれか2つから算出される。以下、リンクとしてブーム3aとバケット3cとを対象にし、関係式としてモーメントの釣り合い式をセットアップして、荷Lの重量Mpayloadの算出方法を説明する。
【0078】
図3に示される積荷重量算出部10iは、記憶部10jから、ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合い式を読み出す。
図4は、ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合い式は、以下の式(1)により表される。
【0079】
【0080】
式(1)の左辺は、ブームシリンダ推力Fboomによるモーメントである。式(1)の右辺の第1項において、Mpayloadは、バケット3cに積載された荷Lの重量である。Xpayloadは、ブームボトムピン5aから、バケット3cに積載された荷Lの重心位置までの水平方向の距離である。式(1)の右辺の第1項は、バケット3cに積載された荷Lによるモーメントである。
【0081】
式(1)の右辺の第2項のMXweは、作業機3の自重によるモーメントである。モーメントMXweは、以下の式(2)により算出される。
【0082】
【0083】
式(2)において、Mboomは、ブーム3aの重量である。MboomCは、ブームシリンダ4aのシリンダ部分の重量である。MboomCRは、ブームシリンダ4aのシリンダロッド部分の重量である。Marmは、アーム3bの重量である。MarmCは、アームシリンダ4bのシリンダ部分の重量である。MarmCRは、アームシリンダ4bのシリンダロッド部分の重量である。Mbucketは、バケット3cの重量である。
【0084】
これらの重量Mboom、MboomC、MboomCR、Marm、MarmC、MarmCRおよびMbucketの各々は、たとえば、
図3に示される入力部11にて記憶部10jへの入力操作を行なうことにより、記憶部10jに記憶されている。
【0085】
次に、積荷重量算出部10iは、記憶部10jから、アームトップピン5cまわりのモーメントの釣り合い式を読み出す。
図5は、アームトップピン5cまわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。アームトップピン5cまわりのモーメントの釣り合い式は、以下の式(3)により表される。
【0086】
【0087】
式(3)の左辺は、バケットシリンダ4cの推力Fbucketによるモーメントである。式(3)の右辺の第1項は、バケット3cに積載された荷Lによるモーメントである。式(3)の右辺の第2項のMXwe_bucketは、バケット3cの自重によるモーメントである。
【0088】
式(1)と式(3)との連立方程式から、積荷重量Mpayloadを算出するための式として、距離Xpayloadに依存しない以下の式(4)を立式することができる。
【0089】
【0090】
式(1)には距離Xpayloadが含まれており、式(3)にも距離Xpayloadが含まれている。これら2つの釣り合い式を連立方程式として解くことで、距離Xpayloadを含まない式(4)が導き出される。式(4)に基づいて、積荷重量Mpayloadを算出することが可能になる。これにより、バケット3cに積載された荷Lの重心位置のずれの影響をなくして、より精度のよい積荷重量Mpayloadを算出することができる。
【0091】
式(4)に従って算出された積荷重量Mpayloadを式(1)または式(3)に代入することで、距離Xpayloadを算出することができる。また、式(1)と式(3)との連立方程式から、距離Xpayloadを算出するための式として、積荷重量Mpayloadに依存しない以下の式(5)を立式することができる。
【0092】
【0093】
算出された距離Xpayloadに従って、バケット3cに積載された荷Lの重心位置を補正することができる。
【0094】
要約すると、バケット3cの運搬する荷Lの重量Mpayloadを算出する演算方法は、以下の処理を含む。
図11は、本開示の演算方法のフローチャートを示す図である。
【0095】
図11に示されるステップS1で実行される処理は、作業機3の部材について、ブームボトムピン5a(第1回転中心)、ブームトップピン5b(第2回転中心)、およびアームトップピン5c(第3回転中心)のうちのいずれか2つの回転中心まわりの運動の関係式を立式することである。本実施形態では、第1回転中心および第3回転中心まわりの運動の関係式が立式される。運動の関係式は、運動の回転中心まわりのモーメントの釣り合い式であってよい。立式は、記憶部10jに記憶される関係式情報を取得するものであってよい。記憶部10jから取得される関係式情報は、上記2つの回転中心まわりの運動の関係式から積荷重量Mpayloadについて整理した1つの関係式であってもよい。
【0096】
ステップS2で実行される処理は、ブーム3a、アーム3bおよびバケット3c(アタッチメント)の各部材の重量および重心位置を取得することである。各部材の重心および重心位置の情報は、記憶部10jから取得してよい。
【0097】
ステップS3で実行される処理は、荷Lの運搬時における各部材の位置を取得することである。各部材の位置は、各部材の姿勢を示す各部材の回転角を取得して、その回転角から演算により取得してもよい。
【0098】
ステップS4で実行される処理は、各部材の運動の関係式における、部材の運動に対応する推力を取得することである。本実施形態では、ブーム3aとバケット3cとを動作させる油圧シリンダの作動油圧力を計測して、推力を取得している。推力は、ブーム3a、アーム3bおよびバケット3c(アタッチメント)の各部材を回動させる油圧シリンダのヘッド圧とボトム圧とから得られてよい。
【0099】
ステップS5で実行される処理は、各部材の重心位置と、荷Lの運搬時の各部材の位置とから、荷Lの運搬時における各部材の重心位置と各部材の回転中心である上記第1回転中心、第2回転中心および第3回転中心のそれぞれとの水平方向の距離(モーメント距離)を演算することである。
【0100】
ステップS6で実行される処理は、各部材の運動の関係式に、取得された情報および演算された情報を入力して、作業機3の運搬する荷Lの重量(積荷重量Mpayload)を演算することである。取得された情報とは、作業機3の各部材の重量および重心位置と、荷Lの運搬時の各部材を回動させる油圧シリンダの推力とを指す。演算された情報とは、荷Lの運搬時の各部材の重心位置と各部材の回転中心との水平方向の距離を指す。
【0101】
[第二実施形態]
第一実施形態では、ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合い式と、アームトップピン5cまわりのモーメントの釣り合い式との2つの釣り合い式から、バケット3cに積載された荷Lの重量Mpayloadを算出する例について説明した。この例に限られず、コントローラ10は、ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合い式、ブームトップピン5bまわりのモーメントの釣り合い式、アームトップピン5cまわりのモーメントの釣り合い式のうちのいずれか2つの釣り合い式から、バケット3cに積載された荷Lの重量Mpayloadを算出することができる。第二実施形態では、ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合い式と、ブームトップピン5bまわりのモーメントの釣り合い式との2つの釣り合い式から、重量Mpayloadを算出する例について説明する。
【0102】
第二実施形態における油圧ショベル100の構成、システム構成、およびコントローラ10内の機能ブロックは、
図1から
図3を参照して第一実施形態で説明した通りである。
【0103】
第二実施形態においては、積荷重量算出部10iは、記憶部10jから、ブームトップピン5bまわりのモーメントの釣り合い式を読み出す。
図6は、ブームトップピン5bまわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。ブームトップピン5bまわりのモーメントの釣り合い式は、以下の式(6)により表される。
【0104】
【0105】
式(6)の左辺は、アームシリンダ推力Farmによるモーメントである。式(6)の右辺の第1項は、バケット3cに積載された荷Lによるモーメントである。式(6)の右辺の第2項のMXwe_armは、ブームトップピン5bよりも作業機3の先端側の作業機3の自重によるモーメントである。モーメントMXwe_armは、式(2)と同様の釣り合い式により算出される。
【0106】
式(1)と式(6)との連立方程式から、積荷重量Mpayloadを算出するための式として、距離Xpayloadに依存しない以下の式(7)を立式することができる。
【0107】
【0108】
式(1)には距離Xpayloadが含まれており、式(6)にも距離Xpayloadが含まれている。これら2つの釣り合い式を連立方程式として解くことで、距離Xpayloadを含まない式(7)が導き出される。式(7)に基づいて、積荷重量Mpayloadを算出することが可能になる。これにより、バケット3cに積載された荷Lの重心位置のずれの影響をなくして、より精度のよい積荷重量Mpayloadを算出することができる。
【0109】
式(7)に従って算出された積荷重量Mpayloadを式(1)または式(6)に代入することで、距離Xpayloadを算出することができる。また、式(1)と式(6)との連立方程式から、距離Xpayloadを算出するための式として、積荷重量Mpayloadに依存しない式を立式することができる。算出された距離Xpayloadに従って、バケット3cに積載された荷Lの重心位置を補正することができる。
【0110】
第一および第二実施形態の説明では、バケット3cに積載された荷Lの重量である積荷重量Mpayloadを算出する例について説明した。この例に限られず、たとえば吊りフックが第2リンクピン3deに取り付けられて荷Lを吊り上げおよび吊り下げることが可能なアームクレーン仕様の油圧ショベル100に、実施形態の思想を適用することで、吊り荷の重量を精度よく算出することが可能である。
【0111】
第一および第二実施形態に示される油圧ショベル100においては、作業機3の3つのリンク(ブーム3a、アーム3b、バケット3c)のそれぞれが位置センサ9a,9b,9c、および対応する圧力センサ6a,6b,6cを備えるが、この構成に限定されるものではない。圧力センサは、積荷重量Mpayloadの算出に使用される2つの関係式の対象となるリンクのみが具備してもよい。
【0112】
[第三実施形態]
第一および第二実施形態では、作業機3の先端のアタッチメントとしてバケット3cを備える油圧ショベル100について説明した。アタッチメントはバケット3cに限られず、作業の種類に応じて、アタッチメントが、グラップル、リフティングマグネットなどに付け替えられることがある。第三実施形態では、アタッチメントとしてリフティングマグネット103を備える油圧ショベル100について説明する。
【0113】
図7は、第三実施形態に基づく作業機械の一例としての油圧ショベル100の構成を概略的に示す側面図である。第三実施形態に基づく油圧ショベル100は、
図1に示される第一実施形態の油圧ショベル100とほぼ同一の構成を備えており、バケット3cに替えてリフティングマグネット103を作業機3の先端に備える点で異なっている。
【0114】
リフティングマグネット103は、本体部105と、支持部104とを有している。本体部105は、磁力を発生する磁石である。本体部105はたとえば、電磁石である。本体部105は、磁力によって、磁性体を保持して運搬することができる。支持部104は、本体部105を支持する。支持部104は、アームトップピン5cによりアーム3bの先端部に回転可能に連結されている。第2リンク部材3dbの基端は、第2リンクピン3deにより支持部104の根元部分のブラケットに回転可能に連結されている。
【0115】
リフティングマグネット103を備える油圧ショベル100においては、作業機3の運搬する荷L、すなわち本体部105に吸着保持される磁性体の、本体部105に対する相対位置および磁性体の姿勢を一定にするのが難しい。そのため、磁性体の重心位置がずれやすい。
図7に示されるように、ブームボトムピン5aまわりのモーメントの釣り合い式と、アームトップピン5cまわりのモーメントの釣り合い式との2つの釣り合い式から、荷Lの重心位置のずれに依存しない荷Lの重量を算出するための式を立式することにより、リフティングマグネット103に保持された荷Lの重心位置のずれの影響をなくして、より精度のよい荷Lの重量を算出することができる。
【0116】
第一から第三実施形態に示される油圧ショベル100においては、走行体1に対する旋回体2の旋回中に、荷Lの重量を算出することで、より精度よく荷Lの重量を算出することができる。
【0117】
[第四実施形態]
第一から第三実施形態では、作業機械が油圧ショベル100である例について説明した。油圧ショベル100に限られず、多リンク機構の作業機3を備え作業機3が荷Lを運搬する作業機械に、実施形態の思想を適用することで、作業機3の運搬する荷Lの重量を精度よく算出することが可能である。たとえば作業機械は、ホイールローダ、バックホーローダ、スキッドステアローダなどであってもよい。
【0118】
図8は、第四実施形態に基づく作業機械の一例としてのホイールローダ200の構成を概略的に示す側面図である。
図8に示されるように、ホイールローダ200は、車体フレーム202と、作業機203と、走行装置204と、キャブ205とを有している。
【0119】
車体フレーム202およびキャブ205から、ホイールローダ200の車体が構成されている。キャブ205内には、オペレータが着座するシートおよび操作装置などが配置されている。ホイールローダ200の車体には、作業機203および走行装置204が取り付けられている。作業機203は車体の前方に配置されており、車体の最後端にはカウンタウエイト206が設けられている。
【0120】
車体フレーム202は、前フレーム211と後フレーム212とを含んでいる。前フレーム211と後フレーム212とには、ステアリングシリンダ213が取り付けられている。ステアリングシリンダ213は、油圧シリンダである。ステアリングシリンダ213はステアリングポンプ(図示せず)からの作動油で伸縮する。ステアリングシリンダ213の伸縮により、前フレーム211と後フレーム212とは互いに左右方向に揺動可能である。これにより、ホイールローダ200の進行方向が左右に変更可能である。
【0121】
第四実施形態において、ホイールローダ200が直進走行する方向を、ホイールローダ200の前後方向という。ホイールローダ200の前後方向において、車体フレーム202に対して作業機203が配置されている側を前方向とし、前方向と反対側を後方向とする。ホイールローダ200の左右方向とは、平面視において前後方向と直交する方向である。前方向を見て左右方向の右側、左側が、それぞれ右方向、左方向である。ホイールローダ200の上下方向とは、前後方向および左右方向によって定められる平面に直交する方向である。上下方向において地面のある側が下側、空のある側が上側である。
【0122】
走行装置204は、走行輪204a,204bを含んでいる。走行輪204a,204bの各々は車輪であり、ゴムよりなるタイヤを有している。走行輪(前輪)204aは、前フレーム211に回転可能に取り付けられている。走行輪(後輪)204bは、後フレーム212に回転可能に取り付けられている。ホイールローダ200は、走行輪204a,204bが回転駆動されることにより自走可能である。
【0123】
作業機203は、掘削などの作業を行うためのものである。作業機203は、前フレーム211に取り付けられている。作業機203は、バケット214と、ブーム215と、ベルクランク216と、チルトロッド217と、ブームシリンダ218と、バケットシリンダ219とを含んでいる。
【0124】
ブーム215の基端部は、ブームボトムピン221によって前フレーム211に回転自在に取付けられている。これによりブーム215は車体に回転可能に取り付けられている。バケット214は、ブームトップピン222によってブーム215の先端に回転自在に取付けられている。ブームボトムピン221は、ホイールローダ200の車体に支持されている。ブームトップピン222は、ブーム215の先端に取り付けられている。ブームボトムピン221とブームトップピン222とは、左右方向に延びている。
【0125】
ブームシリンダ218はブーム215を駆動する。ブームシリンダ218の一端は、車体の前フレーム211にピン223によって回転可能に取り付けられている。これによりブームシリンダ218は、車体に回転可能に取り付けられている。ブームシリンダ218の他端は、ブーム215にピン224によって回転可能に取り付けられている。
【0126】
ブームシリンダ218はたとえば油圧シリンダである。ブームシリンダ218は、作業機ポンプ(図示せず)からの作動油によって伸縮する。これによりブーム215が駆動し、ブーム215の先端に取り付けられたバケット214が昇降する。
【0127】
ベルクランク216は、支持ピン229によってブーム215に回転自在に支持されている。ベルクランク216は、支持ピン229の一方側に位置する第1端部と、支持ピン229に対して第1端部と反対側に位置する第2端部とを有している。ベルクランク216の第1端部はチルトロッド217を介在してバケット214に接続されている。ベルクランク216の第2端部はバケットシリンダ219を介在して車体の前フレーム211に接続されている。
【0128】
チルトロッド217の一端はベルクランク216の第1端部にピン227によって回転可能に取り付けられている。チルトロッド217の他端はバケット214にピン228によって回転可能に取り付けられている。
【0129】
バケットシリンダ219は、ブーム215に対してバケット214を駆動する。バケットシリンダ219の一端は車体の前フレーム211にピン225によって回転可能に取り付けられている。バケットシリンダ219の他端はベルクランク216の第2端部にピン226によって回転可能に取り付けられている。
【0130】
バケットシリンダ219はたとえば油圧シリンダである。バケットシリンダ219は、作業機ポンプ(図示せず)からの作動油によって伸縮する。バケットシリンダ219の伸縮によりベルクランク216が駆動し、ベルクランク216がブーム215に対して回転する。ベルクランク216の回転がチルトロッド217を介してバケット214に伝達されることで、バケット214が駆動し、バケット214がブーム215に対して上下に回動する。ベルクランク216は、バケット214とともにブーム215に対して回転可能な、実施形態の回動部材に相当する。
【0131】
ホイールローダ200は、ブームシリンダ218の推力Fboomに関する情報を検知するセンサと、バケットシリンダ219の推力Fbucketに関する情報を検知するセンサとをさらに有している。
【0132】
ブームシリンダ218の推力Fboomに関する情報を検知するセンサは、たとえば圧力センサ231b,231hである。圧力センサ231b,231hの各々は、ブームシリンダ218のシリンダ圧力を検知する。圧力センサ231bは、ブームシリンダ218のボトム圧を検知する。圧力センサ231hは、ブームシリンダ218のヘッド圧を検知する。
【0133】
ヘッド圧とは油圧シリンダのピストンに対してシリンダーロッド側の圧力を意味し、ボトム圧とはピストンに対してチューブ側の圧力を意味する。
【0134】
バケットシリンダ219の推力Fbucketに関する情報を検知するセンサは、たとえば圧力センサ232b,232hである。圧力センサ232b,232hの各々は、バケットシリンダ219のシリンダ圧力を検知する。圧力センサ232bは、バケットシリンダ219のボトム圧を検知する。圧力センサ232hは、バケットシリンダ219のヘッド圧を検知する。
【0135】
ホイールローダ200は、作業機203の姿勢に関する情報を検知するセンサをさらに有している。作業機203の姿勢に関する情報を検知するセンサは、たとえばブーム角度に関する情報を検知する第1センサと、ブームに対するバケット角度に関する情報を検知する第2センサとを含む。
【0136】
作業機203の姿勢に関する情報は、距離hboomおよび距離hbucket(
図10)を含む。距離hboomは、ブームボトムピン221とピン223との間の距離であって、ブームシリンダ218の延びる方向に直交する方向の距離である。距離hbucketは、支持ピン229とピン226との間の距離であって、バケットシリンダ219の延びる方向に直交する方向の距離である。
【0137】
ブーム角度は、車体の前フレーム211に対するブーム215の角度である。バケット角度は、ブーム215に対するバケット214の角度である。
【0138】
ブーム角度に関する情報を検知する第1センサは、たとえばポテンショメータ233である。ポテンショメータ233は、ブームボトムピン221と同心となるように取り付けられている。ブーム角度に関する情報を検知する第1センサとして、ポテンショメータ233に代えて、ブームシリンダ218のストロークセンサ235が用いられてもよい。
【0139】
またブーム角度に関する情報を検知する第1センサとして、IMU(Inertial Measurement Unit)237が用いられてもよい。IMU237は、たとえばブーム215に取り付けられている。
【0140】
バケット角度に関する情報を検知する第2センサは、たとえばポテンショメータ234である。ポテンショメータ234は、支持ピン229と同心となるように取り付けられている。バケット角度に関する情報を検知する第2センサとして、ポテンショメータ234に代えて、バケットシリンダ219のストロークセンサ236が用いられてもよい。
【0141】
またバケット角度に関する情報を検知する第2センサとして、IMU238が用いられてもよい。IMU238は、たとえばチルトロッド217に取り付けられている。
【0142】
上記のポテンショメータ233,234、ストロークセンサ235,236、およびIMU237,238は、作業機203の重心GC1の位置に関する情報を検知するセンサとして用いられてもよい。作業機203の重心GC1の位置に関する情報とは、距離Xweである。
【0143】
距離Xweは、重心GC1とブームボトムピン221との間の距離であって、ホイールローダ200の前後方向に沿う距離である。距離Xweは、ホイールローダ200が水平な地面に載置されている状態においては、重心GC1とブームボトムピン221との間の水平方向に沿う距離である。
【0144】
また上記のポテンショメータ233,234、ストロークセンサ235,236、およびIMU237,238は、バケット214内の積荷の重心GC2の位置に関する情報を検知するセンサとして用いられてもよい。バケット214内の積荷の重心GC2の位置に関する情報とは、距離Xpayloadである。
【0145】
距離Xpayloadは、重心GC2とブームボトムピン221との間の距離であって、ホイールローダ200の前後方向に沿う距離である。Xpayloadは、ホイールローダ200が水平な地面に載置されている状態においては、重心GC2とブームボトムピン221との間の水平方向に沿う距離である。
【0146】
図9は、第四実施形態のコントローラ250内の機能ブロックを示す図である。本実施形態におけるシステムは、作業機203の運搬する荷の重量である積荷重量を決定するためのシステムである。本実施形態におけるシステムは、
図8に示す作業機械の一例としてのホイールローダ200と、
図9に示されるコントローラ250とを含んでいる。コントローラ250は、ホイールローダ200に搭載されていてもよい。コントローラ250は、ホイールローダ200の外部に設置されていてもよい。コントローラ250は、ホイールローダ200の作業現場に配置されてもよく、ホイールローダ200の作業現場から離れた遠隔地に配置されてもよい。
【0147】
図9に示されるように、ブームシリンダ推力算出部250aは、圧力センサ231b,231hの検知結果を取得する。具体的には、ブームシリンダ推力算出部250aは、圧力センサ231hにより検知されたブームシリンダ218のヘッド圧を取得する。ブームシリンダ推力算出部250aは、圧力センサ231bにより検知されたブームシリンダ218のボトム圧を取得する。ブームシリンダ推力算出部250aは、ブームシリンダ218のヘッド圧とボトム圧とに基づいて、ブームシリンダ推力Fboomを算出する。
【0148】
推力とは物体を運動方向におしすすめる力と定義され、ブームシリンダ推力Fboomは、ブームシリンダ218の発生する、ブーム215を車体に対して相対回転させる推力である。ブームシリンダ推力算出部250aは、算出したブームシリンダ推力Fboomを、積荷重量算出部250iへ出力する。
【0149】
バケットシリンダ推力算出部250cは、圧力センサ232b,232hの検知結果を取得する。具体的には、バケットシリンダ推力算出部250cは、圧力センサ232hにより検知されたバケットシリンダ219のヘッド圧を取得する。バケットシリンダ推力算出部250cは、圧力センサ232bにより検知されたバケットシリンダ219のボトム圧を取得する。バケットシリンダ推力算出部250cは、バケットシリンダ219のヘッド圧とボトム圧とに基づいて、バケットシリンダ推力Fbucketを算出する。
【0150】
バケットシリンダ推力Fbucketは、バケットシリンダ219の発生する、バケット214をブーム215に対して相対回転させる推力である。バケットシリンダ推力算出部250cは、算出したバケットシリンダ推力Fbucketを、積荷重量算出部250iへ出力する。
【0151】
ブーム角算出部250dは、ストロークセンサ235、IMU237、およびポテンショメータ233の少なくともいずれか1つのセンサから、ブーム角度に関する情報を取得する。ブーム角算出部250dは、取得した情報に基づいて、ブーム角度を算出する。ブーム角算出部250dは、算出したブーム角度を、重心位置算出部250gへ出力する。
【0152】
バケット角算出部250fは、ストロークセンサ236、IMU238、およびポテンショメータ234の少なくともいずれか1つのセンサから、バケット角度に関する情報を取得する。バケット角算出部250fは、取得した情報に基づいて、バケット角度を算出する。バケット角算出部250fは、算出したバケット角度を、重心位置算出部250gへ出力する。
【0153】
記憶部250jは、作業機203を構成する各部材の寸法および重量、および作業機203の重心GC1の位置などの各種情報を記憶している。これらの各種情報は、コントローラ250外部の入力部251から、記憶部250jに入力されてもよい。記憶部250jは、コントローラ250に含まれず、コントローラ250の外部に配置されていてもよい。
【0154】
重心位置算出部250gは、作業機203の重心GC1の、ブームボトムピン221に対する相対位置を算出する。重心位置算出部250gは、ブーム角算出部250dで算出されたブーム角度と、バケット角算出部250fで算出されたバケット角度と、記憶部10jに記憶されている作業機203における重心GC1の位置とから、作業機203の重心GC1の上記相対位置を算出する。
【0155】
モーメント距離算出部250hは、ブームボトムピン221から、作業機203の重心GC1までの、水平方向における距離を算出する。具体的には、モーメント距離算出部250hは、ブームボトムピン221から作業機203の重心GC1までの水平方向の距離Xweを算出する。
【0156】
また、モーメント距離算出部250hは、ブームボトムピン221からバケット214の重心GC3(
図10)までの水平方向の距離Xbucketを算出する。モーメント距離算出部250hは、ブームボトムピン221からチルトロッド217の重心までの水平方向の距離Xtiltrodを算出する。
【0157】
また、モーメント距離算出部250hは、ブームボトムピン221から支持ピン229までの水平方向の距離Xpinを算出する。
【0158】
また、モーメント距離算出部250hは、ブームシリンダ218の延在方向に直交する方向における、ブームボトムピン221からブームシリンダ218までの距離hboomを算出する。モーメント距離算出部250hは、バケットシリンダ219の延在方向の直交する方向における、支持ピン229からバケットシリンダ219までの距離hbucketを算出する。
【0159】
モーメント距離算出部250hは、算出したこれらの距離を、積荷重量算出部250iへ出力する。
【0160】
積荷重量算出部250iは、バケット214に積載された荷の重量Mpayloadを算出する。積荷重量算出部250iは、算出した重量Mpayloadをコントローラ250外の表示部252に出力する。表示部252は、たとえばキャブ205(
図8)内に配置されていてもよく、またホイールローダ200から離れた遠隔地に配置されていてもよい。表示部252は、算出した重量Mpayloadを画面に表示する。キャブ205内でホイールローダ200を操作するオペレータ、遠隔地でホイールローダ200を操作するオペレータまたはホイールローダ200の動作を監視する監視者などは、表示部252を見ることにより、バケット214に積載された荷の重量Mpayloadを認識することができる。
【0161】
なお入力部251および表示部252の各々は、コントローラ250と有線で接続されていてもよく、また無線で接続されていてもよい。
【0162】
以下、第四実施形態における、バケット214に積載された荷の重量Mpayloadの算出方法の詳細について説明する。
図9に示される積荷重量算出部250iは、記憶部250jから、ブームボトムピン221まわりのモーメントの釣り合い式を読み出す。ブームボトムピン221まわりのモーメントの釣り合い式は、以下の式(8)により表される。
【0163】
【0164】
式(8)の左辺は、ブームシリンダ推力Fboomによるモーメントである。式(8)において、Mpayloadは、バケット214に積載された荷の重量である。Xpayloadは、ブームボトムピン221から、バケット214に積載された荷の重心GC2のまでの水平方向の距離である。式(8)の右辺の第1項は、バケット214に積載された荷によるモーメントである。
【0165】
式(8)の右辺の第2項のMXweは、作業機203の自重によるモーメントである。モーメントMXweは、作業機203を構成する各部材の重量の和M1(
図8)と、ブームボトムピン221から作業機203の重心GC1までの水平方向の距離Xweとの積で求められる。
【0166】
次に、積荷重量算出部250iは、記憶部250jから、支持ピン229まわりのモーメントの釣り合い式を読み出す。
図10は、支持ピン229まわりのモーメントの釣り合いを示す模式図である。支持ピン229まわりのモーメントの釣り合い式は、以下の式(9)により表される。
【0167】
【0168】
式(9)の左辺は、バケットシリンダ推力Fbucketによるモーメントである。式(9)の右辺の第1項は、バケット214に積載された荷によるモーメントである。式(9)の右辺の第2項のMXwe_pinは、支持ピン229よりも作業機203の先端側の作業機203の自重によるモーメントである。モーメントMXwe_pinは、以下の式(10)により算出される。
【0169】
【0170】
式(10)において、Mbucketは、バケット214の重量である。Mtiltrodは、チルトロッド217の重量である。これらの重量Mbucket、Mtiltrodの各々は、たとえば、
図9に示される入力部251にて記憶部250jへの入力操作を行うことにより、記憶部250jに記憶されている。
【0171】
式(8)と式(9)との連立方程式から、積荷重量Mpayloadを算出するための式として、距離Xpayloadに依存しない以下の式(11)を立式することができる。
【0172】
【0173】
式(8)には距離Xpayloadが含まれており、式(9)にも距離Xpayloadが含まれている。これら2つの釣り合い式を連立方程式として解くことで、距離Xpayloadを含まない式(11)が導き出される。式(11)に基づいて、積荷重量Mpayloadを算出することが可能になる。これにより、バケット214に積載された荷の重心位置のずれの影響をなくして、より精度のよい積荷重量Mpayloadを算出することができる。
【0174】
式(11)に従って算出された積荷重量Mpayloadを式(8)または式(9)に代入することで、距離Xpayloadを算出することができる。また、式(8)と式(9)との連立方程式から、距離Xpayloadを算出するための式として、積荷重量Mpayloadに依存しない式を立式することができる。算出された距離Xpayloadに従って、バケット214に積載された荷の重心位置を補正することができる。
【0175】
第四実施形態に示されるホイールローダ200においては、バケット214に荷を積載した状態でホイールローダ200が後進する積荷後進中に、荷の重量を算出することで、より精度よく荷の重量を算出することができる。
【0176】
上記実施形態では、コントローラ10は、荷の重量を算出するための関係式として、作業機が備える複数のリンクの各々に関するモーメントの釣り合い式のうちの2つの釣り合い式を使用した。関係式は、モーメントの釣り合い式に限定されるものではなく、複数のリンクの各々に関する運動方程式であってもよい。運動方程式は、釣り合い式と同様に、圧力センサと位置センサとからの情報によりセットアップしてよい。
【0177】
以上のように実施形態について説明を行ったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0178】
1 走行体、2 旋回体、2a 運転室、3,203 作業機、3a,215 ブーム、3b アーム、3c,214 バケット(アタッチメント)、3d バケットリンク、3da 第1リンク部材、3db 第2リンク部材、3dc バケットシリンダトップピン、3dd 第1リンクピン、3de 第2リンクピン、4a,218 ブームシリンダ(ブーム油圧シリンダ)、4aa シリンダ、4ab シリンダロッド、4b アームシリンダ(アーム油圧シリンダ)、4c,219 バケットシリンダ(アタッチメント油圧シリンダ)、5a,221 ブームボトムピン(第1回転中心)、5b,222 ブームトップピン(第2回転中心)、5c アームトップピン(第3回転中心)、6a,6b,6c,6d,6e,6f,231b,231h,232b,232h 圧力センサ、7a,7b,7c,235,236 ストロークセンサ、9a,9b,9c 角度センサ(センサ、位置センサ)、10,250 コントローラ、10a,250a ブームシリンダ推力算出部、10b アームシリンダ推力算出部、10c,250c バケットシリンダ推力算出部、10d,250d ブーム角算出部、10e アーム角算出部、10f,250f バケット角算出部、10g,250g 重心位置算出部、10h,250h モーメント距離算出部、10i,250i 積荷重量算出部、10j,250j 記憶部、11,251 入力部、12,252 表示部、40 アクチュエータ、100 油圧ショベル、103 リフティングマグネット、104 支持部、105 本体部、200 ホイールローダ、202 車体フレーム、204 走行装置、205 キャブ、216 ベルクランク、217 チルトロッド、229 支持ピン、233,234 ポテンショメータ、L 荷。