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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157281
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ガスセンサ及びにおいセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G01N27/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061408
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000204284
【氏名又は名称】太陽誘電株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】原野 航
【テーマコード(参考)】
2G046
【Fターム(参考)】
2G046AA08
2G046AA13
2G046BE03
2G046DB05
2G046FB02
2G046FC08
2G046FE15
2G046FE39
2G046FE48
(57)【要約】
【課題】酸化性ガスを高精度に検出することが可能なガスセンサ及びにおいセンサを提供すること。
【解決手段】本発明に係るガスセンサは、ガス感知層と、ヒータと、加熱制御部と、検出部とを具備する。ガス感知層は、酸化性ガスが吸着する。ヒータは、ガス感知層を加熱する。加熱制御部は、ヒータによりガス感知層を加熱し、ガス感知層を第1の温度とする期間を第1の期間とし、ヒータによりガス感知層を加熱せず、ガス感知層を第1の温度より低い第2の温度とする期間を第2の期間とすると、第1の期間と第2の期間を順に行うようにヒータを制御する。検出部は、第2の期間におけるガス感知層の電気特性に基づいて酸化性ガスを検出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化性ガスが吸着するガス感知層と、
前記ガス感知層を加熱するヒータと、
前記ヒータにより前記ガス感知層を加熱し、前記ガス感知層を第1の温度とする期間を第1の期間とし、前記ヒータにより前記ガス感知層を加熱せず、前記ガス感知層を前記第1の温度より低い第2の温度とする期間を第2の期間とすると、前記第1の期間と前記第2の期間を順に行うように前記ヒータを制御する加熱制御部と、
前記第2の期間における前記ガス感知層の電気特性に基づいて前記酸化性ガスを検出する検出部と
を具備するガスセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のガスセンサであって、
前記第1の温度は350℃以上450℃以下である
ガスセンサ。
【請求項3】
請求項1に記載のガスセンサであって、
前記第1の温度は200℃以上250℃以下である
ガスセンサ。
【請求項4】
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のガスセンサであって、
前記検出部は、前記第1の期間における前記ガス感知層の電気特性に基づいて前記酸化性ガスを検出しない
ガスセンサ。
【請求項5】
請求項1に記載のガスセンサであって、
前記加熱制御部は、前記ヒータにより前記ガス感知層を加熱し、前記ガス感知層を前記第1の温度より低く、前記第2の温度より高い第3の温度とする期間を第3の期間とし、前記ヒータにより前記ガス感知層を加熱せず、前記ガス感知層を前記第2の温度とする期間を第4の期間とすると、前記第1の期間、前記第2の期間、前記第3の期間及び前記第4の期間をこの順に設け、
前記検出部は、前記第2の期間における前記ガス感知層の電気特性と、前記第4の期間における前記ガス感知層の電気特性に基づいて前記酸化性ガスを検出する
ガスセンサ。
【請求項6】
請求項5に記載のガスセンサであって、
前記検出部は、さらに、前記第1の期間における前記ガス感知層の電気特性と、前記第3の期間における前記ガス感知層の電気特性に基づいて前記酸化性ガスを検出する
ガスセンサ。
【請求項7】
請求項1から6のうちいずれか1項に記載のガスセンサであって、
前記ガス感知層は、金属酸化物半導体とAuを主成分とする
ガスセンサ。
【請求項8】
請求項7に記載のガスセンサであって、
前記ガス感知層は、金属酸化物半導体からなる金属酸化物層と、Auからなり、前記金属酸化物層上に形成された金属層とを有する
ガスセンサ。
【請求項9】
請求項7に記載のガスセンサであって、
前記ガス感知層は、金属酸化物半導体からなる金属酸化物層と、Auからなり、前記金属酸化物層中に分散された粒子とを有する
ガスセンサ。
【請求項10】
請求項7から9のうちいずれか1項に記載のガスセンサであって、
前記金属酸化物半導体は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛のいずれかからなる
ガスセンサ。
【請求項11】
請求項1から10のうちいずれか1項に記載のガスセンサと、加熱されることにより還元性ガスを検出するガスセンサを含む複数のガスセンサと、
前記複数のガスセンサの出力に基づいて、においを判定する判定部
を具備するにおいセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化性ガスを検出するガスセンサ及びにおいセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体からなるガス感知層を備え、ガス感知層に吸着するガス分子によるガス感知層の電気抵抗値変化に基づいてガスを検出する半導体式ガスセンサが知られている。このようなガスセンサは、ガス感知層の温度をヒータにより最適温度に制御した上でガスの検出を行うものが一般的である。
【0003】
また、近年、ヒータを間欠的に駆動できるパルス加熱駆動を用いてガスセンサの消費電力の低減や高感度化を図る研究も進められている(例えば特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-15703号公報
【特許文献2】特開2020-41833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載のような技術では、ガス感知層を最適温度に加熱してガス検出を行うことで高感度化を計っていた。しかしながら、その場合、環境中のHOの吸着により、酸化性ガスの吸着サイトが阻害され、低濃度(例えばppt濃度域)での酸化性ガス検出が困難といった問題がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、酸化性ガスを高精度に検出することが可能なガスセンサ及びにおいセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るガスセンサは、ガス感知層と、ヒータと、加熱制御部と、検出部とを具備する。
上記ガス感知層は、酸化性ガスが吸着する。
上記ヒータは、上記ガス感知層を加熱する。
上記加熱制御部は、上記ヒータにより上記ガス感知層を加熱し、上記ガス感知層を第1の温度とする期間を第1の期間とし、上記ヒータにより上記ガス感知層を加熱せず、上記ガス感知層を上記第1の温度より低い第2の温度とする期間を第2の期間とすると、上記第1の期間と上記第2の期間を順に行うように上記ヒータを制御する。
上記検出部は、上記第2の期間における上記ガス感知層の電気特性に基づいて上記酸化性ガスを検出する。
【0008】
上記第1の温度は350℃以上450℃以下であってもよい。
【0009】
上記第1の温度は200℃以上250℃以下であってもよい。
【0010】
上記検出部は、上記第1の期間における上記ガス感知層の電気特性に基づいて上記酸化性ガスを検出しなくてもよい。
【0011】
上記加熱制御部は、上記ヒータにより上記ガス感知層を加熱し、上記ガス感知層を上記第1の温度より低く、上記第2の温度より高い第3の温度とする期間を第3の期間とし、上記ヒータにより上記ガス感知層を加熱せず、上記ガス感知層を上記第2の温度とする期間を第4の期間とすると、上記第1の期間、上記第2の期間、上記第3の期間及び上記第4の期間をこの順に設け、
上記検出部は、上記第2の期間における上記ガス感知層の電気特性と、上記第4の期間における上記ガス感知層の電気特性に基づいて上記酸化性ガスを検出してもよい。
【0012】
上記検出部は、さらに、上記第1の期間における上記ガス感知層の電気特性と、上記第3の期間における上記ガス感知層の電気特性に基づいて上記酸化性ガスを検出してもよい。
【0013】
上記ガス感知層は、金属酸化物半導体とAuを主成分とするものであってもよい。
【0014】
上記ガス感知層は、金属酸化物半導体からなる金属酸化物層と、Auからなり、上記金属酸化物層上に形成された金属層とを有するものであってもよい。
【0015】
上記ガス感知層は、金属酸化物半導体からなる金属酸化物層と、Auからなり、上記金属酸化物層中に分散された粒子とを有するものであってもよい。
【0016】
上記金属酸化物半導体は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛のいずれかからなるものであってもよい。
ガスセンサ。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るにおいセンサは、複数のガスセンサと判定部とを具備する。
上記複数のガスセンサは、上記ガスセンサと、加熱されることにより還元性ガスを検出するガスセンサを含む。
上記判定部は、上記複数のガスセンサの出力に基づいて、においを判定する。
【発明の効果】
【0018】
以上のように本発明によれば、酸化性ガスを高精度に検出することが可能なガスセンサ及びにおいセンサを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るガスセンサの模式図である。
図2】上記ガスセンサの動作を示すフローチャートである。
図3】上記ガスセンサが備えるガス感知層の温度の推移を示す模式図である。
図4】上記ガスセンサの検出原理を示す模式図である。
図5】上記ガスセンサの他の動作を示すフローチャートである。
図6】上記ガスセンサの他の動作を示すフローチャートである。
図7】上記ガスセンサが備えるガス感知層の温度の推移を示す模式図である。
図8】上記ガスセンサが備えるセンサ素子の他の構造を示す模式図である。
図9】本発明の実施形態に係るにおいセンサの模式図である。
図10】本発明の実施例1に係るガスセンサ(Au表面担持SnO)の測定結果(第1温度T1:350℃)である。
図11】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃、空気)である。
図12】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃、NO)である。
図13】本発明の実施例1に係るガスセンサ及び比較例に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃)である。
図14】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃)である。
図15】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃、空気)である。
図16】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃、NO)である。
図17】本発明の実施例1に係るガスセンサ及び比較例に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃、第3温度T3:230℃)である。
図18】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃、第3温度T3:230℃)である。
図19】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃、第3温度T3:230℃、空気)である。
図20】本発明の実施例1に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃、第3温度T3:230℃、NO)である。
図21】本発明の実施例1に係るガスセンサ及び比較例に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:350℃、第3温度T3:230℃)である。
図22】本発明の実施例2に係るガスセンサ(Au表面担持In)の測定結果(第1温度T1:230℃、空気)である。
図23】本発明の実施例2に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃、NO)である。
図24】本発明の実施例3(実施例1と2の比較)に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃)である。
図25】本発明の実施例4に係るガスセンサ(Au分散SnO)の測定結果(第1温度T1:230℃、空気)である。
図26】本発明の実施例4に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃、NO)である。
図27】本発明の実施例5に係るガスセンサ(Au分散In)の測定結果(第1温度T1:230℃、空気)である。
図28】本発明の実施例5に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃、NO)である。
図29】本発明の実施例6(実施例4と5の比較)に係るガスセンサの測定結果(第1温度T1:230℃)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[ガスセンサの構成]
本発明の実施形態に係るガスセンサについて説明する。図1は本実施形態に係るガスセンサ100の構成を示す模式図である。同図に示すようにガスセンサ100は、センサ素子110及び制御モジュール120を有する。
【0021】
まずヒータ116を内蔵し、少なくとも表面が絶縁処理された支持層に関し説明する。このガスセンサ100は、少なくとも表面が絶縁処理された支持層があり、その支持層に例えば第1電極113及び第2電極114が形成されている。更に、支持層及び第1電極113及び第2電極114を覆うようにガス感知層117が設けられている。後述するが、ガス感知層117の材料は、金属酸化物半導体であり、例えば、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO)又は酸化亜鉛(ZnO)から選択される。そしてこのガス感知層117の上には、金属層118が設けられる。ここでは、白金(Pt)を用いている。
【0022】
一方、後述するが、感知層117は、加熱処理が施されるため、ヒータ116が必要となる。このヒータ116は、感知層117の下に設ける。つまり前述した支持層に設けられる。考えられる支持層としては、セラミック基板、ガラス基板または半導体基板である。まずセラミック基板としては、例えばAlを主成分とする焼結基板である。ペースト状のセラミック粉体を焼結するため、セラミック基板の中にヒータ用の金属を埋め込むことは簡単である。すると、このヒータが埋め込まれたセラミック基板は、表面が絶縁処理されているため、第1電極113及び第2電極114を設けることができる。
【0023】
続いて、ガラス基板を説明する。ガラス基板の上にヒータの材料を印刷、または貼り合わせで設けることができる。更にその上に、粉体のガラス層を焼結させたり、またはSiフィラーが入った絶縁樹脂層を被覆したりすることで、表面絶縁性の支持層を形成できる。そしてこの支持層の上には、第1電極113及び第2電極114を印刷またはメッキなどで形成できる。
【0024】
最後に、半導体基板を使った支持層を説明する。ここではSi基板を採用した構造に関し説明する。Si基板では、このガスセンサの演算処理が行われるため、PまたはN型で、半導性である。このSi基板の上に、熱酸化してSiO膜を被覆して表面が絶縁処理された支持層を用意する。あるいは、Si基板の表面に、CVD(chemical vapor deposition)またはスパッタリングなどで、SiOあるいはSiNxの絶縁層を被覆しても良い。成膜の仕方は色々とあり、SiO、SiNxなどを選択して少なくとも一層形成すれば、支持層となる。ヒータ112は、この絶縁層の間に埋め込まれれば良い。埋め込まれ、表面は絶縁処理されるため、この上に電極から上を構成すればよい。
【0025】
この様に、支持層は、第1電極113、第2電極114、感知層117および金属層118の支持を可能とすれば、色々なものを選択できる。尚、支持層内にヒータが内蔵されるのではなく、支持層の外部をヒータとなるもの、例えばNiCr線などで囲んでも良い。本発明では、まず、支持層として半導体基板を採用したため、以下、Si基板を支持層として説明していく。
【0026】
センサ素子110は、基板111、絶縁層112、第1電極113、第2電極114、ガス感知層115及びヒータ116を備える。
【0027】
基板111はセンサ素子110の各部を支持する。基板111は例えばシリコン(Si)からなる。絶縁層112は基板111上に設けられ、第1電極113及び第2電極114とヒータ116を絶縁する。絶縁層112は例えば二酸化ケイ素(SiO)からなる。
【0028】
第1電極113及び第2電極114は絶縁層112上に設けられ、ガス感知層115の電気特性を検知する。第1電極113と第2電極114は櫛歯型電極であり、互いに離間して配置されている。第1電極113と第2電極114は金属材料からなり、例えば白金(Pt)からなる。第1電極113と第2電極114の厚みは例えば80nmである。
【0029】
ガス感知層115は絶縁層112上に設けられ、酸化性ガスが吸着する。ガス感知層115は、金属酸化物半導体と金(Au)を主成分とし、具体的には金属酸化物層117と金属層118を有する。金属酸化物層117は金属酸化物半導体からなり、第1電極113及び第2電極114は金属酸化物層117により被覆される。金属酸化物半導体は、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO)又は酸化亜鉛(ZnO)である。酸化スズは例えば二酸化スズ(SnO)であり、酸化インジウムは例えば酸化インジウム(III)(In)である。金属酸化物層117の厚み例えば100nmである。金属層118は、金属酸化物層117上に形成され、金属酸化物層117上に担持された金(Au)からなる。金属層118の厚みは例えば3nmである。
【0030】
ヒータ116は絶縁層112に設けられ、ガス感知層115を加熱する。ヒータ116は例えば白金(Pt)からなる抵抗発熱体を有する抵抗加熱式ヒータである。ヒータ116は他の方式のヒータであってもよい。
【0031】
センサ素子110は以上のような構成を有する。センサ素子110の構成についてはここに示すものに限定されず、後述するガスセンサ100の動作を実現可能なものであればよい。
【0032】
制御モジュール120は加熱制御部121と検出部122を有する。制御モジュール120はセンサ素子110と一体的に構成されている。また、制御モジュール120はセンサ素子110とは別に設けられ、センサ素子110と接続されたものであってもよい。さらに、制御モジュール120の一部のみがセンサ素子110と一体的に構成されてもよい。例えば加熱制御部121はセンサ素子110と一体的に構成され、検出部122はセンサ素子110とは別に設けられるものであってもよい。
【0033】
加熱制御部121はヒータ116に接続され、ヒータ116の駆動を制御する。加熱制御部121は、「第1期間」と「第2期間」を順に行う。第1期間では、加熱制御部121がヒータ116を駆動する。具体的には加熱制御部121は、ヒータ116に所定の電圧を印加することでヒータ116を発熱させる。ガス感知層115はヒータ116により所定温度に加熱される。以下、第1期間におけるガス感知層115の温度を第1温度T1とする。第1温度T1は200℃以上250℃以下又は350℃以上450℃以下が好適である。
【0034】
第2期間では、加熱制御部121がヒータ116を駆動しない。具体的には加熱制御部121は、ヒータ116への電圧印可を停止することでヒータ116の加熱を停止させる。ガス感知層115はヒータ116により加熱されず、周囲の温度(即ち、室温)と同一の温度となる。なお、第2期間では加熱制御部121はヒータ116を駆動してガス感知層115が室温となるように制御してもよい。以下、第2期間におけるガス感知層115の温度を第2温度T2とする。第2温度T2は0℃以上60℃以下が好適である。
【0035】
検出部122はガス感知層115の電気特性に基づいて酸化性ガスを検出する。検出部122は、第1電極113及び第2電極114に接続され、第1電極113と第2電極114の間の抵抗値を取得する。第1電極113と第2電極114の間にはガス感知層115が存在するため、第1電極113と第2電極114の間の電気抵抗はガス感知層115の電気抵抗であり、即ちガス感知層115の電気特性である。検出部122は後述するように、この電気特性を用いて酸化性ガスを検出する。
【0036】
[センサ素子の製造方法]
センサ素子110の製造方法は特に限定されないが、次の様にして製造することができる。基板111上に絶縁材料を積層し、その上にヒータ116を形成する。ヒータ116上にも絶縁材料を積層し、ヒータ116が埋設された絶縁層112を形成する。続いて、絶縁層112上に金属酸化物層117を積層する。金属酸化物層117はRF(Radio-Frequency)スパッタリングにより堆積させる。さらに、金属酸化物層117上に金属層118を堆積させる。金属層118はDC(Direct Current)スパッタリング又はRFスパッタリングにより堆積させることができる。その後、所定条件で焼成することでセンサ素子110を形成する。所定条件は例えば380℃、12時間である。
【0037】
[ガスセンサの動作]
ガスセンサ100の動作について説明する。図2はガスセンサ100の動作を示すフローチャートであり、図3はガス感知層115の温度の推移を示すグラフである。
【0038】
以下の説明においてセンサ素子110に供給されるガスを「測定対象ガス」とする。ガスセンサ100は測定対象ガスに含まれる「酸化性ガス」を検出することができる。酸化性ガスはガス感知層115に吸着し、ガス感知層115中の電子を吸引する分子からなるガスであり、窒素酸化物(NO)ガス、オゾン(O)ガス及び塩素(Cl)ガス等が含まれる。特にガスセンサ100は二酸化窒素(NO)ガスの検出に好適である。
【0039】
測定プロセスが開始されると、加熱制御部121は、第1期間P1(図3参照)を開始する。即ち加熱制御部121はヒータ116を駆動し、ガス感知層115を第1温度T1に加熱する(St101)。加熱制御部121は、第1期間P1の間、ヒータ116の駆動を維持し、ガス感知層115を第1温度T1に維持する(St102)。第1期間P1は1秒間以上60秒間以下であり、1秒間以上10秒間以下が好適である。第1期間P1を長くすれば後述する水分子が脱離しやすくなり、酸化性ガスの感度が向上するが、消費電力が増加する。したがって、第1期間P1は1秒間以上10秒間以下が好適であり、例えば5秒間である。
【0040】
第1期間P1の終了後(St102;Yes)、加熱制御部121は第2期間P2(図3参照)を開始する。即ち加熱制御部121は、ヒータ116の駆動を停止し、ガス感知層115を第2温度T2にする(St103)。ヒータ116の駆動停止と同時に検出部122は、第1電極113と第2電極114の間の抵抗値を取得する(St104)。加熱制御部121は、第2期間P2の間、ヒータ116の駆動停止を維持し、ガス感知層115を第2温度T2に維持する(St105)。第2期間P2は消費電力の低減のため、長い方が好適であり、例えば10秒間である。
【0041】
第2期間P2の終了後(St105;Yes)、ガスセンサ100は測定プロセス終了まで、上記St101~St105を繰り返し実行する。加熱制御部121は、ガス感知層115の温度を図3に示すように第1温度T1と第2温度T2の間で急激に変化させるが、このような加熱方法はパルス加熱と呼ばれる。なお、ガスセンサ100は測定プロセスにおいてSt101~St105を一度のみ実行してもよい。
【0042】
[検出部による酸化性ガスの検出について]
検出部122は、第2期間P2において取得した抵抗値に基づいて酸化性ガスを検出する。図4は酸化性ガスの検出原理を示す模式図である。図4(a)に示すように、ガス感知層115には電子(図中「e」)が存在する。
【0043】
図4(b)に示すように、ガス感知層115に酸化性ガスのガス分子(図中「gas」)が接近するとガス感知層115中の電子(図中「e」)はガス分子に吸引され、図4(c)に示すように、ガス分子とガス感知層115の化学結合形成に利用される。
【0044】
これにより、ガス感知層115中の電子が減少するため、ガス感知層115の電気抵抗が増加する。ガス感知層115の電気抵抗はガス分子の吸着数によって変動するため、検出部122は第1電極113と第2電極114の間の抵抗値に基づいて酸化性ガスの濃度を特定することができる。具体的には、酸化性ガスが含まれない参照用ガス(例えば、空気)に対して測定された抵抗値をRa、酸化性ガスを含む測定対象ガスに対して測定された抵抗値をRgとすると、検出部122はRg/Raの比率によって測定対象ガスにおける酸化性ガスの濃度を特定することができる(実施例参照)。
【0045】
なお、本発明に係るガス感知層115は金属酸化物層117と金属層118(図1参照)を備える。金属層118は金属酸化物層117を完全には被覆せず、ガス分子は金属層118を透過して金属酸化物層117に吸着することができる。金属層118はガス分子の吸着に際して触媒として機能し、ガス分子の金属酸化物層117への吸着を促進する。
【0046】
以上のようにして検出部122は、ガス感知層115の電気特性に基づいて酸化性ガスを検出することができる。検出部122は、抵抗値の取得(図4、St104)と同時に酸化性ガスの検出を実施してもよく、取得した抵抗値を記憶しておき、事後的に酸化性ガスの検出を実施してもよい。
【0047】
なお、検出部122は第2期間P2において抵抗値を取得するが、第1期間P1においては第1電極113と第2電極114への電圧印可をせず、抵抗値の取得及び酸化性ガスの検出を行わないものとしてもよい。これにより、データ量や演算量の低減が可能であり、ガスセンサ100の消費電力を削減することができる。なお、第1期間P1において抵抗値の取得を行ってもよい。
【0048】
[ガス感知層の温度について]
加熱制御部121は、上記のようにヒータ116を駆動し、第1期間P1の間、ガス感知層115を第1温度T1に加熱する(図3参照)。その後、加熱制御部121は、ヒータ116の駆動を停止し、第2期間P2の間、ガス感知層115を第2温度T2とする。検出部122は第2期間P2において第1電極113と第2電極114の間の抵抗値を取得し、酸化性ガスを検出する。
【0049】
ここでガス感知層115には、事前に環境中の水分子が吸着している。ガス感知層115に水分子が吸着していると、酸化性ガスが吸着可能なガス感知層115の吸着サイトが水分子によって占められ、酸化性ガスの吸着が妨げられる。ここで加熱制御部121が、第1期間P1においてガス感知層115を第1温度T1に加熱することにより、水分子をガス感知層115から脱離させることができる。このため、第2期間P2では水分子が結合している吸着サイトが減少しており、酸化性ガスのガス感知層115への吸着を促進することができる。したがって、第2期間P2において抵抗値を取得する前に第1期間P1を設けることにより、酸化性ガスの検出精度を向上させることができる。
【0050】
ガス感知層115の構成と温度の関係について説明する。ガス感知層115は上記のように金属酸化物半導体からなる金属酸化物層117と、金属酸化物層117の表面に担持された金(Au)からなる金属層118を備える。上記のように第1期間P1において水分子がガス感知層115から脱離した後、第2期間P2では水分子が再度吸着サイトに吸着しようとする。ここで、金属酸化物層117の表面に金(Au)が存在することにより、金(Au)が触媒として作用し、第2温度T2における酸化性ガスの吸着サイトへの吸着速度が向上する。したがって、検出部122が第2期間P2において抵抗値を取得することにより、酸化性ガスの検出精度をより向上させることができる。
【0051】
第1温度T1は具体的には、300℃以上450℃以下と200℃以上250℃以下が好適である。以下、それぞれの温度範囲について説明する。
【0052】
(第1温度T1:300℃以上450℃以下)
ガス感知層115に吸着している水分子は、具体的には物理吸着及び化学吸着によりガス感知層115に吸着している。化学吸着では水分子の水酸基とガス感知層115の間に化学結合が生じている。ガス感知層115を350℃以上400℃以下に加熱すると、水酸基とガス感知層115の化学結合が解除され、化学吸着している水分子が脱離する。また、この温度では物理吸着している水分子も脱離する。このため第1期間P1においてガス感知層115の吸着サイトから多くの水分子が脱離する。これにより、酸化性ガスの濃度が低くても第2期間P2において抵抗値が変動するため、ガスセンサ100によって低濃度(例えば100ppt程度)の酸化性ガスを検出することが可能となる(実施例参照)。
【0053】
なお、第1温度T1が300℃未満であると第1期間P1において水分子の水酸基とガス感知層115の間の化学結合が解除されない。また、第1温度T1が450℃を超えると水分子は脱離するが、消費電力が過大となる。したがって、第1温度T1:300℃以上450℃以下が好適である。
【0054】
(第1温度T1:200℃以上250℃以下)
ガス感知層115を200℃以上250℃以下に加熱すると、水酸基とガス感知層115の化学結合が解除されず、化学吸着している水分子は脱離しない。一方、物理吸着している水分子は脱離する。このため第1期間P1においてガス感知層115の吸着サイトから一部の水分子が脱離する。この場合、酸化性ガスの濃度による抵抗値の変化量が大きくなり、特にppb濃度域において高分解能化が可能である(実施例参照)。
【0055】
なお、第1温度T1が200℃未満であるとガス感知層115へ物理吸着している水分子が第1期間P1において脱離しない。また、また、第1温度T1が250℃を超えると化学吸着している水分子の脱離が生じる。したがって、第1温度T1:200℃以上250℃以下が好適である。
【0056】
以上のように第1温度T1は、300℃以上450℃以下と200℃以上250℃以下が好適である。第1温度T1が300℃以上450℃以下の場合、低濃度の酸化性ガスを検出することが可能となる。また第1温度T1が200℃以上250℃以下の場合、高い分解能で酸化性ガスを検出することが可能となる。したがって、加熱制御部121は、低濃度の酸化性ガスを検出したい場合は第1温度T1を300℃以上450℃以下とし、酸化性ガスを高分解能で検出したい場合は第1温度T1を200℃以上250℃以下とすることができる。即ち加熱制御部121は、測定の目的や酸化性ガスの濃度範囲に応じて第1温度T1の温度範囲を選択することができる。
【0057】
[ガスセンサによる効果]
以上のようにガスセンサ100は、ヒータ116によりガス感知層115を第1温度T1に加熱する第1期間P1と、ヒータ116によりガス感知層115を加熱せず、第2温度T2とする第2期間P2とを順に設ける。第1期間P1において水分子をガス感知層115から脱離させることができ、第2期間P2では酸化性ガスのガス感知層115への吸着を促進することができる。したがって、酸化性ガスの検出精度を向上させることができる。
【0058】
また、センサ素子110において金属酸化物層117の表面に金(Au)からなる金属層118を設けたガス感知層115を用いることができる。この構成においては第2温度T2での酸化性ガスのガス感知層115への吸着速度を向上させることができ、酸化性ガスの検出精度をさらに向上させることができる。
【0059】
さらに加熱制御部121は第1温度T1を、300℃以上450℃以下、又は200℃以上250℃以下とすることができる。第1温度T1を300℃以上450℃以下とすると低濃度の酸化性ガスを検出することが実現可能であり、200℃以上250℃以下とすること高分解能での酸化性ガスの検出が実現可能である。
【0060】
[ガスセンサの他の動作について]
ガスセンサ100の他の動作について説明する。図5及び図6はガスセンサ100の他の動作を示すフローチャートであり、図7はこの動作におけるガス感知層115の温度の推移を示すグラフである。
【0061】
測定プロセスが開始されると、加熱制御部121は、第1期間P1(図7参照)を開始する。即ち加熱制御部121はヒータ116を駆動し、ガス感知層115を第1温度T1に加熱する(St111)。加熱制御部121は、第1期間P1の間、ヒータ116の駆動を維持し、ガス感知層115を第1温度T1に維持する(St112)。第1期間P1は1秒間以上60秒間以下であり、1秒間以上10秒間以下が好適である。第1期間P1は例えば10秒間である。
【0062】
第1期間P1の終了後(St112;Yes)、加熱制御部121は第2期間P2(図7参照)を開始する。即ち加熱制御部121は、ヒータ116の駆動を停止し、ガス感知層115を第2温度T2にする(St113)。ヒータ116の駆動停止と同時に検出部122は、第1電極113と第2電極114の間の抵抗値を取得する(St114)。加熱制御部121は、第2期間P2の間、ヒータ116の駆動停止を維持し、ガス感知層115を第2温度T2に維持する(St115)。第2期間P2は消費電力の低減のため、長い方が好適であり、例えば10秒間である。
【0063】
第2期間P2の終了後(St115;Yes)、加熱制御部121は第3期間P3(図7参照)を開始する。即ち加熱制御部121はヒータ116を駆動し、ガス感知層115を第3温度T3に加熱する(St116)。第3温度T3は第1温度T1より低く、第2温度T2より高い温度である。加熱制御部121は、第3期間P3の間、ヒータ116の駆動を維持し、ガス感知層115を第3温度T3に維持する(St117)。第3期間P3は1秒間以上60秒間以下であり、1秒間以上10秒間以下が好適である。第3期間P3は例えば10秒間である。
【0064】
第3期間P3の終了後(St117;Yes)、加熱制御部121は第4期間P4(図7参照)を開始する。即ち加熱制御部121は、ヒータ116の駆動を停止し、ガス感知層115を第2温度T2にする(St118)。ヒータ116の駆動停止と同時に検出部122は、第1電極113と第2電極114の間の抵抗値を取得する(St119)。加熱制御部121は、第4期間P4の間、ヒータ116の駆動停止を維持し、ガス感知層115を第2温度T2に維持する(St120)。第4期間P4は消費電力の低減のため、長い方が好適であり、例えば10秒間である。
【0065】
ガスセンサ100は測定プロセス終了まで、上記St111~St120を繰り返し実行する。なお、ガスセンサ100は測定プロセスにおいてSt111~St120を一度のみ実行してもよい。
【0066】
ガスセンサ100は以上のような動作を行うこともできる。第1温度T1と第3温度T3は異なる温度であるため、第1期間P1と第3期間P3ではガス感知層115からの水分子の脱離状況が異なる。このため、第2期間P2と第4期間P4では異なる条件で酸化性ガスがガス感知層115に吸着する。このため、検出可能な酸化性ガスの濃度範囲を拡張することが可能となる。
【0067】
具体的には、第1温度T1は300℃以上450℃以下が好適であり、第2温度T2は200℃以上250℃以下が好適である。上述したように、300℃以上450℃以下の温度でガス感知層115を加熱すると水分子の化学吸着及び物理吸着が解除され、加熱後に抵抗値を取得すると低濃度の酸化性ガスを検出することが可能となる。また、200℃以上250℃以下の温度でガス感知層115を加熱すると水分子の物理吸着が解除され、加熱後に抵抗値を取得すると高い分解能で酸化性ガスを検出することが可能となる。したがって、第1温度T1を300℃以上450℃以下、第2温度T2を200℃以上250℃以下とすることにより、一度の測定プロセスで低濃度の酸化性ガスの検出と高い分解能での酸化性ガスの検出が実現可能である(実施例参照)。
【0068】
なお、このガスセンサの動作(図5及び図6参照)では、検出部122は第2期間P2と第4期間P4において抵抗値を取得する(St114及びSt119)としたが、第1期間P1と第3期間P3においても抵抗値を取得してもよい。ガス感知層115が第1温度T1又は第3温度T3で加熱されている場合、高濃度(ppmから%濃度域)の酸化性ガスを検出することが可能となる(実施例参照)。したがって、検出部122が第1期間P1、第2期間P2、第3期間P3及び第4期間P4の4つの期間で抵抗値を取得することにより、検出可能な酸化性ガスの濃度範囲をさらに拡張することが可能となる。
【0069】
[センサ素子の他の構成]
センサ素子110の他の構成について説明する。図8は、他の構成を有するセンサ素子110の断面図である。上記説明においてガス感知層115は、金属酸化物半導体からなる金属酸化物層117と金(Au)からなる金属層118を備えるとしたが、ガス感知層115は複合材料層119を備えることも可能である。
【0070】
複合材料層119は金属酸化物半導体からなる層にAu粒子を分散した層である。金属酸化物半導体は酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO)又は酸化亜鉛(ZnO)とすることができる。酸化スズは例えば二酸化スズ(SnO)であり、酸化インジウムは例えば酸化インジウム(III)(In)である。このような複合材料層119はRF(Radio-Frequency)スパッタリングにより金属酸化物半導体と金(Au)を同時にスパッタリングすることにより積層することができる。その後、所定条件(例えば380℃、12時間)で焼成することでセンサ素子110を形成することができる。所定条件は例えば380℃、12時間である。なお、基板111にはキャビティが設けられてもよい。
【0071】
このような構成を有するセンサ素子110を用いることによっても、Au粒子が酸化性ガスのガス感知層115への吸着を促進し、低濃度の酸化性ガスの検出と高い分解能での酸化性ガスの検出が実現可能である。一方、低濃度の酸化性ガスの検出については表面に金属層118を備えるセンサ素子110(図1参照)の方が高い感度を有しており、より好適である。
【0072】
[においセンサ]
本発明の実施形態に係るにおいセンサについて説明する。図9は本実施形態に係るにおいセンサ200の構成を示すブロック図である。同図に示すようににおいセンサ200はチャンバ211、ガスセンサ212及び判定部213を具備する。
【0073】
チャンバ211は、ガスセンサ212を収容する。チャンバ211には第1吸入口211a、第2吸入口211b及び排出口211cが設けられている。チャンバ211内には湿度センサや温度センサが設けられてもよい。第1吸入口211aはチャンバ211内に測定対象ガスを供給する吸入口であり、ポンプやファン等、周囲の気体をチャンバ211内に送出する気体送出機構が接続される。第2吸入口211bにはチャンバ211内にクリーニングガスを供給する吸入口である。クリーニングガスは酸化性ガスが除去されたガスである。第2吸入口211bにはポンプやファン等の気体送出機構とフィルタが接続される。あるいは第2吸入口211bにはボンベ等のクリーニングガス源が接続されてもよい。
【0074】
ガスセンサ212はチャンバ211に収容され、チャンバ211内のガスを検出する。においセンサ200は1つ又は複数のガスセンサ212を備え、ガスセンサ212の数は限定されない。各ガスセンサ212はそれぞれが異なるガスを検出するガス感知層を備える。ガスセンサ212の少なくとも一つは上記ガスセンサ100の構成を有し、他の少なくとも一つは加熱されることにより還元性ガスを検出するガスセンサである。
【0075】
においセンサ200ではチャンバ211内に第2吸入口211bからクリーニングガスが供給され、各ガスセンサ212のガス感知層に吸着しているガス分子が除去される。その後、第1吸入口211aからチャンバ211内に測定対象ガスが供給される。測定対象ガスに含まれるガス分子はそれぞれのガスセンサ212のガス感知層に吸着し、検出される。
【0076】
判定部213は、各ガスセンサ212からガスの検出結果を取得し、測定対象ガスに含まれるにおいの判定を実行する。判定部213はにおい成分の有無、におい成分の濃度、においの種類及びにおいの強度のうち少なくともいずれか一つを判定することができる。においセンサ200では、ガスセンサ212の少なくとも一つがガスセンサ100の構成を有し、高精度に酸化性ガスを検出することができるため、高精度ににおいの判定を行うことが可能である。
【実施例0077】
(実施例1:Au表面担持SnO
SnOからなる金属酸化物層と、Auからなる金属層を備えるガス感知層を有するセンサ素子(図1参照)を作製し、酸化性ガスの検出を行った。
【0078】
<1-1:センサ素子の作製>
Si基板上にSiOを積層し、SiO上に白金(Pt)からなるヒータを形成した。さらにヒータ上にSiOを積層し、絶縁層を形成した。絶縁層上に白金(Pt)からなる櫛歯型電極である第1電極と第2電極を形成した。その上にRF(Radio-Frequency)スパッタリングによりSnOからなる金属酸化物層を100nmの厚みで成膜し、第1電極と第2電極を被覆した。その後に、金属酸化物層上にAuからなる金属層を3nmの厚みで成膜した。その後、380℃、12時間焼成し、センサ素子を作製した。
【0079】
<1-2:抵抗値の測定(加熱温度350℃)>
乾燥した合成空気とNO(濃度12ppm)のボンベを用意し、空気とNOを混合して測定対象ガスとした。第1期間P1と第2期間P2を交互に繰り返す周期でヒータをパルス駆動し、空気中及び測定対象ガス中での加熱(第1温度T1)時と非加熱(第2温度T2)時での第1電極と第2電極の間の抵抗値を測定した。第1温度T1は350℃とし、第1期間P1は5秒間、第2期間P2は10秒間とした。
【0080】
図10は測定結果を示すグラフであり、第1期間P1での抵抗値を「350℃」で示し、第2期間P2での抵抗値を「RT」で示す。なお、「RT」は「室温(room temperature)」を意味する。同図に示すようにセンサ素子に空気(図中「Air」)、50ppb、100ppb、500ppbのNOを順に供給した。同図に示すように、NO濃度が上昇するに伴って第2温度T2での抵抗値(図中「RT」)が上昇しており、NOの濃度上昇が検出されていることがわかる。
【0081】
図11図10において空気供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフであり、図12図10において500ppbのNO供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフである。図11では第1期間P1(図中「350℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が減少していることがわかる。SnO表面における水酸基の脱離開始温度は250℃以上であることが報告されており(Surface Science 86 (1979) 335-344参照)、第1期間P1において脱離した水分子が第2期間P2においてガス感知層に吸着することによるものであると考えられる。
【0082】
一方、図12では第1期間P1(図中「350℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が上昇していることがわかる。これはNO中では、第1期間P1において化学吸着している水分子が脱離し、その吸着サイトにNOが化学吸着したためと考えられる。
【0083】
図13は、空気供給時の抵抗値RaとNO供給時の抵抗値Rgの比(Rg/Ra)とNO濃度の関係を示すグラフである。図中「パルス加熱」は本発明の手法による加熱方法(図3参照)によって得られる測定結果であり、「定常加熱」は一定温度(230℃)を継続する加熱方法によって得られる測定結果である。同図に示すように「定常加熱」では低濃度(10ppb以下)のNOは検出できないが、「パルス加熱」では低濃度(ppt濃度域)のNOが検出可能であり、検出限界は100ppt程度である。このように、本発明の手法による加熱方法(図3参照)において第1温度T1を350℃とすることにより、低濃度のNOガスを検出可能であるといえる。
【0084】
<1-3:抵抗値の測定(加熱温度230℃)>
乾燥した合成空気とNO(濃度12ppm)のボンベを用意し、空気とNOを混合して測定対象ガスとした。第1期間P1と第2期間P2を順に繰り返す周期でヒータをパルス駆動し、空気中及び測定対象ガス中での加熱(第1温度T1)時と非加熱(第2温度T2)時での第1電極と第2電極の間の抵抗値を測定した。第1温度T1は230℃とし、第1期間P1は5秒間、第2期間P2は30秒間とした。
【0085】
図14は測定結果を示すグラフであり、第1期間P1での抵抗値を「230℃」で示し、第2期間P2での抵抗値を「RT」で示す。同図に示すようにセンサ素子に空気(図中「Air」)、50ppb、100ppb、500ppbのNOを順に供給した。同図に示すように、NO濃度が上昇するに伴って第2温度T2での抵抗値(図中「RT」)が上昇しており、NOの濃度上昇が検出されていることがわかる。
【0086】
図15図14において空気供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフであり、図16図14において500ppbのNO供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフである。図15では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が減少しないことがわかる。SnO表面における水酸基の脱離開始温度は250℃以上であることから、化学吸着している水分子は第1期間P1において脱離しておらず、第2期間P2における抵抗値の維持は水分子の化学吸着が由来であると考えられる。
【0087】
一方、図16では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が上昇していることがわかる。これはNO中では、物理吸着している水分子が230℃において脱離し、その吸着サイトにNOが化学吸着したためと考えられる。
【0088】
図17は、空気供給時の抵抗値RaとNO供給時の抵抗値Rgの比(Rg/Ra)とNO濃度の関係を示すグラフである。図中「パルス加熱」は本発明の手法による加熱方法(図3参照)によって得られる測定結果であり、「定常加熱」は一定温度(230℃)を継続する加熱方法によって得られる測定結果である。同図に示すように「パルス加熱」では「定常加熱」よりグラフの傾きが大きく、比(Rg/Ra)を感度として用いると、感度は各濃度において「定常加熱」より上昇しており、高分解能化が可能であるといえる。
【0089】
<1-4:抵抗値の測定(加熱温度350℃及び230℃)>
乾燥した合成空気とNO(濃度12ppm)のボンベを用意し、空気とNOを混合して測定対象ガスとした。第1期間P1、第2期間P2、第3期間P3及び第4期間P4を順に繰り返す周期でヒータをパルス駆動し、空気中及び測定対象ガス中での加熱(第1温度T1及び第3温度T3)時と非加熱(第2温度T2)時での第1電極と第2電極の間の抵抗値を測定した。第1温度T1は350℃とし、第1期間P1は5秒間、第2期間P2は10秒間とした。第3温度T3は230℃とし、第3期間P3は5秒間、第4期間P4は10秒間とした。
【0090】
図18は測定結果を示すグラフであり、第1期間P1での抵抗値を「350℃」で示し、第3期間P3での抵抗値を「230℃」で示す。また、第2期間P2及び第4期間P4での抵抗値を「RT」で示す。同図に示すようにセンサ素子に空気(図中「Air」)、50ppb、100ppb、500ppbのNOを順に供給した。同図に示すように、NO濃度が上昇するに伴って第2温度T2での抵抗値(図中「RT」)が上昇しており、NOの濃度上昇が検出されていることがわかる。
【0091】
図19図18において空気供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフであり、図20図18において500ppbのNO供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフである。図19では第1期間P1(図中「350℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT1」)、第3期間P3(図中「230℃」)及び第4期間P4(図中「RT2」)において抵抗値が減少していることがわかる。
【0092】
一方、図20では第2期間P2(図中「RT1」)、第3期間P3(図中「230℃」)及び第4期間P4(図中「RT2」)において抵抗値が上昇していることがわかる。これはNO中では、第1期間P1において化学吸着している水分子が脱離し、その吸着サイトにNOが化学吸着したためと考えられる。
【0093】
図21は、空気供給時の抵抗値RaとNO供給時の抵抗値Rgの比(Rg/Ra)とNO濃度の関係を示すグラフである。図中「350℃」は第1期間P1での抵抗値の測定結果であり、「RT(350℃後)」は第2期間P2での抵抗値の測定結果である。また、図中「230℃は」第3期間P3での抵抗値の測定結果であり、「RT(230℃後)」は第4期間P4での抵抗値の測定結果である。
【0094】
比(Rg/Ra)を感度として用いると、第2期間P2(図中「RT(350℃後))の抵抗値から低濃度域(100ppt~約1ppm)での酸化性ガスの検出が可能である。しかし1ppm以上となるとRgの抵抗値が高く、検出限界に差し掛かるため、検出が困難となる。一方、第3期間P3(図中「230℃」)ではRgの検出限界を考慮すると高濃度域(100ppt~約1%)での酸化性ガスの検出が可能である。したがって、第1期間P1~第4期間P4の各期間において抵抗値を計測することにより、低濃度域から高濃度域までの幅広い濃度範囲で酸化性ガスを検出することが可能であるといえる。
【0095】
(実施例2:Au表面担持In
Inからなる金属酸化物層と、Auからなる金属層を備えるガス感知層を有するセンサ素子(図1参照)を作製し、酸化性ガスの検出を行った。
【0096】
<2-1:センサ素子の作製>
Si基板上にSiOを積層し、SiO上に白金(Pt)からなるヒータを形成した。さらにヒータ上にSiOを積層し、絶縁層を形成した。絶縁層上に白金(Pt)からなる櫛歯型電極である第1電極と第2電極を形成した。その上にRF(Radio-Frequency)スパッタリングによりInからなる金属酸化物層を100nmの厚みで成膜し、第1電極と第2電極を被覆した。その後に、金属酸化物層上にAuからなる金属層を3nmの厚みで成膜した。その後、300℃、12時間焼成し、センサ素子を作製した。
【0097】
<2-2:抵抗値の測定(加熱温度230℃)>
乾燥した合成空気とNO(濃度12ppm)のボンベを用意し、空気とNOを混合して測定対象ガスとした。第1期間P1と第2期間P2を順に繰り返す周期でヒータをパルス駆動し、空気中及び測定対象ガス中での加熱(第1温度T1)時と非加熱(第2温度T2)時での第1電極と第2電極の間の抵抗値を測定した。第1温度T1は230℃とし、第1期間P1は5秒間、第2期間P2は30秒間とした。センサ素子に空気(図中「Air」)、50ppb、100ppb、500ppbのNOを順に供給した。
【0098】
図22は空気供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフであり、図23は500ppbのNO供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフである。図22では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が減少しないことがわかる。これは、化学吸着している水分子は第1期間P1において脱離しておらず、第2期間P2における抵抗値の維持は水分子の化学吸着が由来であることによるものと考えられる。
【0099】
一方、図23では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が上昇していることがわかる。これはNO中では、物理吸着している水分子が230℃において脱離し、その吸着サイトにNOが化学吸着したためと考えられる。なお、第1期間P1での加熱温度を350℃とした場合、ガス感知層と基板との熱線膨張係数差によって応力が生じ、基板が割れてしまう恐れがあるが、キャビティレスにしたり、基板を改良して強度を強くしたりすれば、基板が割れないようにすることができると考えられる。この場合理論的に低濃度の酸化性ガスを検出可能と推察される。
【0100】
(実施例3:Au表面担持SnOとAu表面担持Inの比較)
図24は実施例1に係るセンサ素子(ガス感知層がAu表面担持SnO)と実施例2に係るセンサ素子(ガス感知層がAu表面担持In)の感度(Rg/Ra)を示すグラフである。同図において「Au表面担持SnOパルス加熱」及び「Au表面担持Inパルス加熱」は本発明の手法による加熱方法(図3参照)によって得られる測定結果である。なお、第1温度T1は230℃である。また「Au表面担持SnO定常加熱」及び「Au表面担持In定常加熱」は一定温度(230℃)を継続する加熱方法によって得られる測定結果である。
【0101】
図24に示すように「Au表面担持SnOパルス加熱」及び「Au表面担持Inパルス加熱」は共に定常加熱より感度が向上しており、高分解能化が可能であるといえる。
【0102】
(実施例4:Au分散SnO
SnOからなる金属酸化物層中にAuからなる粒子を分散させた感知層を有するセンサ素子(図8参照)を作製し、酸化性ガスの検出を行った。
【0103】
<4-1:センサ素子の作製>
Si基板上にSiOを積層し、SiO上に白金(Pt)からなるヒータを形成した。さらにヒータ上にSiOを積層し、絶縁層を形成した。絶縁層上に白金(Pt)からなる櫛歯型電極である第1電極と第2電極を形成した。その上にRF(Radio-Frequency)スパッタリングによりSnO及びAuを同時に300nmの厚みで成膜し、第1電極と第2電極を被覆した。その後、380℃、12時間焼成し、センサ素子を作製した。
【0104】
<4-2:抵抗値の測定(加熱温度230℃)>
乾燥した空気とNO(濃度12ppm)のボンベを用意し、空気とNOを混合して測定対象ガスとした。第1期間P1と第2期間P2を順に繰り返す周期でヒータをパルス駆動し、空気中及び測定対象ガス中での加熱(第1温度T1)時と非加熱(第2温度T2)時での第1電極と第2電極の間の抵抗値を測定した。第1温度T1は230℃とし、第1期間P1は5秒間、第2期間P2は30秒間とした。センサ素子に空気(図中「Air」)、50ppb、100ppb、500ppbのNOを順に供給した。
【0105】
図25は空気供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフであり、図26は500ppbのNO供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフである。図25では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が減少しないことがわかる。このため化学吸着している水分子は第1期間P1において脱離しておらず、第2期間P2における抵抗値の維持は水分子の化学吸着が由来であると考えられる。
【0106】
また、図26では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値がほとんど上昇しないことがわかる。このため第2期間P2において酸化性ガスの吸着が生じていないことがわかる。
【0107】
(実施例5:Au分散In
Inからなる金属酸化物層中にAuからなる粒子を分散させた感知層を有するセンサ素子(図8参照)を作製し、酸化性ガスの検出を行った。
【0108】
<5-1:センサ素子の作製>
Si基板上にSiOを積層し、SiO上に白金(Pt)からなるヒータを形成した。さらにヒータ上にSiOを積層し、絶縁層を形成した。絶縁層上に白金(Pt)からなる櫛歯型電極である第1電極と第2電極を形成した。その上にRF(Radio-Frequency)スパッタリングによりIn及びAuを同時に300nmの厚みで成膜し、第1電極と第2電極を被覆した。その後、300℃、12時間焼成し、センサ素子を作製した。
【0109】
<5-2:抵抗値の測定(加熱温度230℃)>
乾燥した合成空気とNO(濃度12ppm)のボンベを用意し、空気とNOを混合して測定対象ガスとした。第1期間P1と第2期間P2を順に繰り返す周期でヒータをパルス駆動し、空気中及び測定対象ガス中での加熱(第1温度T1)時と非加熱(第2温度T2)時での第1電極と第2電極の間の抵抗値を測定した。第1温度T1は230℃とし、第1期間P1は5秒間、第2期間P2は30秒間とした。センサ素子に空気(図中「Air」)、50ppb、100ppb、500ppbのNOを順に供給した。
【0110】
図27は空気供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフであり、図28は500ppbのNO供給時の抵抗値の変化を抽出したグラフである。図27では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値が減少しないことがわかる。このため化学吸着している水分子は第1期間P1において脱離しておらず、第2期間P2における抵抗値の維持は水分子の化学吸着が由来であると考えられる。
【0111】
また、図28では第1期間P1(図中「230℃」)での加熱後、第2期間P2(図中「RT」)において抵抗値がほとんど上昇しないことがわかる。このため第2期間P2において酸化性ガスの吸着が生じていないことがわかる。
【0112】
(実施例6:Au分散SnOとAu分散Inの比較)
図29は実施例4に係るセンサ素子(ガス感知層がAu分散SnO)と実施例5に係るセンサ素子(ガス感知層がAu分散In)の感度(Rg/Ra)を示すグラフである。同図において「Au分散SnOパルス加熱」及び「Au分散Inパルス加熱」は本発明の手法による加熱方法(図3参照)によって得られる測定結果である。なお、第1温度T1は230℃である。また「Au分散SnO定常加熱」及び「Au分散In定常加熱」は一定温度(230℃)を継続する加熱方法によって得られる測定結果である。
【0113】
図29に示すように「Au分散SnOパルス加熱」及び「Au分散Inパルス加熱」は共に定常加熱より感度が向上しており、高分解能化が可能であるといえる。
【0114】
(実施例まとめ)
以上の実施例から、金属酸化物半導体と金(Au)からなるガス感知層を備えるセンサ素子(図1及び図8参照)を用いることにより、第1温度T1を200℃以上250℃以下とすることで酸化性ガスの中濃度域での分解能を向上させることが可能であり、第1温度T1を300℃以上350℃以下とすることで低濃度の酸化性ガスの検出が可能であるといえる。さらにガス感知層を金属酸化物層の表面にAuを担持させたもの(図1参照)とすると、感度(Rg/Ra)が向上するため、より好適である。
【符号の説明】
【0115】
100…ガスセンサ
110…センサ素子
111…基板
112…絶縁層
113…第1電極
114…第2電極
115…ガス感知層
116…ヒータ
117…金属酸化物層
118…金属層
119…複合材料層
120…制御モジュール
121…加熱制御部
122…検出部
200…においセンサ
211…チャンバ
212…ガスセンサ
213…判定部
図1
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