(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157310
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】駐車装置
(51)【国際特許分類】
E04H 6/06 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
E04H6/06 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061446
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500521267
【氏名又は名称】株式会社ニッパツパーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】坂井 学
(57)【要約】
【課題】安全性と利便性が向上した駐車装置を提供すること。
【解決手段】駐車装置は、移動体と、移動体を移動するための駆動装置と、移動体の移動経路における所定位置に移動体が到達したことを検知するセンサと、移動体を目標位置に向けて移動させているときにセンサによって所定位置に移動体が到達したことが検知されると所定時間後に移動を停止させるように駆動装置を制御し、所定時間が経過する前に移動体の移動が停止したことを検知する制御装置と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と、
前記移動体を移動するための駆動装置と、
前記移動体の移動経路における所定位置に前記移動体が到達したことを検知するセンサと、
前記移動体を目標位置に向けて移動させているときに前記センサによって前記所定位置に前記移動体が到達したことが検知されると所定時間後に移動を停止させるように前記駆動装置を制御し、前記所定時間が経過する前に前記移動体の移動が停止したことを検知する制御装置と、を備える駐車装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記所定時間が経過する前に前記移動体の移動が停止したことを検知した場合に、前記所定位置に到達する前の位置に前記移動体を戻すように前記駆動装置を制御すること、を含む請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記所定時間が経過する前に前記移動体の移動が停止したことを検知した場合に、前記所定時間が経過する前に前記移動体の移動が停止したことを記憶する記憶部を備え、
前記制御装置は、前記移動体を目標位置に向けて移動させるときに、前記記憶部が前記所定時間が経過する前に前記移動体の移動が停止したことを記憶している場合に、前記所定位置に到達する前の位置に前記移動体を戻すように前記駆動装置を制御すること、を含む請求項1に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記移動体を前記所定位置に到達する前の位置に戻した後に、前記移動体を再度前記目標位置に向けて移動するように前記駆動装置を制御すること、をさらに含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記所定時間以上、前記移動体を戻すように前記駆動装置を制御すること、を含む請求項1乃至4の何れか1項に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記所定時間の2倍以上、前記移動体を戻すように前記駆動装置を制御すること、を含む請求項1乃至5の何れか1項に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記移動体を戻すときに前記センサによって前記所定位置に前記移動体が検知されなくなってから前記所定時間後に移動を停止させるように前記駆動装置を制御すること、を含む請求項1乃至4の何れか1項に記載の駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車スペースを有効に利用するために、上下方向に2段以上の駐車パレット(パレットともいう)を備えた多段式駐車装置が実用化されている。多段式駐車装置において、駐車パレットは、水平方向や上下方向に移動することができる。水平方向や上下方向への移動を確実に遂行するための制御が必要とされる。
【0003】
特許文献1には、垂直循環式立体駐車設備の制御装置において、呼び出されたケージの停止位置が正規停止位置センサにより正規停止位置に検知されない場合に、循環回走方向に1ケージ分循環回走させた後、呼び出し操作を再度起動する制御部が開示されている。特許文献2には、走行経路上を自走する搬送台車により自動車を入出庫する駐車場設備において、停電によって中断された入出庫作業の再開のため、停電前に搬送台車に対し与えられていた入庫指令に基づいて、中断段階以降の入庫作業を継続させるように搬送台車が制御される制御方法が開示されている。特許文献3には、停電から復電したときに、移送動作手順記憶手段に記憶されている移送動作手順に基づいて、安全且つ簡易に機械式駐車装置を復旧させることができる機械式駐車装置の制御装置を提供することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-331916号公報
【特許文献2】特開平2-217574号公報
【特許文献3】特開2003ー120065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、駐車装置の安全性と利便性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によると、移動体と、移動体を移動するための駆動装置と、移動体の移動経路における所定位置に移動体が到達したことを検知するセンサと、移動体を目標位置に向けて移動させているときにセンサによって所定位置に移動体が到達したことが検知されると所定時間後に移動を停止させるように駆動装置を制御し、所定時間が経過する前に移動体の移動が停止したことを検知する制御装置と、を備える、駐車装置が提供される。
【0007】
また、制御装置は、所定時間が経過する前に移動体の移動が停止したことを検知した場合に、所定位置に到達する前の位置に移動体を戻すように駆動装置を制御すること、を含んでもよい。
【0008】
また、制御装置は、所定時間が経過する前に移動体の移動が停止したことを検知した場合に、所定時間が経過する前に移動体の移動が停止したことを記憶する記憶部を備え、制御装置は、移動体を目標位置に向けて移動させるときに、記憶部が所定時間が経過する前に移動体の移動が停止したことを記憶している場合に、所定位置に到達する前の位置に移動体を戻すように駆動装置を制御すること、を含んでもよい。
【0009】
また、制御装置は、移動体を所定位置に到達する前の位置に戻した後に、移動体を再度目標位置に向けて移動するように駆動装置を制御すること、をさらに含んでもよい。
【0010】
また、制御装置は、所定時間以上、移動体を戻すように駆動装置を制御してもよい。
【0011】
また、制御装置は、所定時間の2倍以上、移動体を戻すように駆動装置を制御してもよい。
【0012】
また、制御装置は、移動体を戻すときにセンサによって所定位置に移動体が検知されなくなってから所定時間後に移動を停止させるように駆動装置を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る駐車装置を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る駐車装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットを移動するときの制御装置の処理を説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットを移動するときのパレット駆動装置の処理を説明するための図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットを反転移動するときのパレット駆動装置の処理を説明するための図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレットを移動するときの位置と処理の関係を説明するための図である。
【
図7】本発明の一変形例に係る駐車装置のパレットを移動するときの制御装置の処理を説明するための図である。
【
図8】本発明の一変形例に係る駐車装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0015】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0016】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る駐車装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
[駐車装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置の概略側面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車装置100の主たる構成を示す。
【0018】
駐車装置100は、支柱102により主構造体が構成され、主構造体の中に車両Vを載置するパレット104が複数設置されている。
【0019】
パレット104は、駆動部236により支柱102に沿って昇降可能に設けられている。また、パレット104は、図示しない他の駆動部236により車体横方向(
図1の紙面奥行き方向)に沿って移動させることが可能になっている。
【0020】
主構造体の中でパレット104は、複数の車両Vを縦方向に積み重ねたとき、車両同士が干渉しない間隔をもって設けられている。これにより、支柱102により形成される主構造体は、上下方向に複数段に積み重なった駐車領域P1、P2、P3、P4を形成している。なお、図示していないが、駐車領域P1、P2、P3、P4は上下方向のみならず、横方向(
図1に示す奥行方向)に複数並んで形成されるものであってもよい。
【0021】
駐車装置100は、操作盤214により操作される。操作盤214は、駐車装置100の外側に設けられている。この例では、駐車装置100の入出庫口(図右側下部)の近くの支柱102に操作盤214が取り付けられている。利用者は、駐車装置100の外側から操作盤214を操作して、目的のパレット104を入出庫口109まで移動させたり、ゲート108を開閉したりする。
【0022】
操作盤214は、駐車装置100を制御する制御装置200と有線または無線にて通信を行う。操作盤214から出力される信号は、制御装置200に送信され、制御装置200はパレット104の移動を行うパレット駆動装置230や、ゲート108の開閉を行うゲート駆動装置などに制御信号を出力する。制御装置200は、複数のパレット104やゲート108の動作を含む、駐車装置100のあらゆる動作を制御する。
図1には、車両Vの後方に制御装置200を備える例を示しているが、制御装置200の場所はとくに限定しない。
【0023】
駐車装置100の入出庫口に設けられるゲート108は、出庫時には、パレット104が入出庫口まで移動されると開放され、車両を出庫した後に操作盤214でゲート108を閉める操作がなされることによって閉じられる。入庫時には、操作盤214でゲート108を開ける操作がなされることで開放され、車両を入庫した後に操作盤214を操作することによって閉じられる。
【0024】
ゲート108は、車両Vを入出庫するために開けた場合以外は閉じた状態となっている。したがって、パレット104が移動するときもゲート108は閉じた状態になっている。ゲート108が閉じていることにより、通常は駐車装置100の装置内に人が入れないようになっている。
【0025】
上下方向に複数段に積み重なった駐車領域を形成し、立体的に車両を収納して駐車させる駐車装置100では、パレット104が昇降することで、目的とするパレット104を入出庫口109へ移動させて車両の出し入れを行う。目的とするパレット104の入出庫口109まで移動させる動作にはいくつかの方式がある。例えば、上段のパレット104に駐車された車両を出庫するために下段のパレット104を地下ピットに沈みこませる方式、下段又は上段のパレット104を車体横方向(
図1の紙面奥行き方向)にスライドさせて上段のパレット104を下段のパレット104が存在しない領域に降下させる方式、あるいはこれらを組み合わせた方式等が採用されている。
【0026】
センサ220aは、例えば、パレット104の移動を確実に遂行するため、パレット104の移動経路における所定位置(目標位置に到達する前の位置)にパレット104が到達したことを検知するように取り付けられる。この例では、センサ220aは、パレット104の車体後方向の近くに取り付けられていて、パレット104の車体横方向(
図1の紙面奥行き方向)への移動において、所定位置に存在する物体を検知する検知範囲が形成されている。しかしながらこれに限定されず、センサ220aは、例えば、パレット104の上下方向への移動において、所定位置に存在する物体を検知する検知範囲が形成されていてもよく、センサ220bは、ゲート108の上下方向への移動において、所定位置に存在する物体を検知する検知範囲が形成されていてもよい(センサ220aとセンサ220bを区別しないときにはセンサ220とする)。センサ220が検知する対象はとくに限定されず、駐車装置100内で移動する移動体であればよい。センサ220は、検知した情報をパレット駆動装置230に送信する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る駐車装置の概略構成を示すブロック図である。本発明の駐車装置は、制御装置200、操作盤214、パレット駆動装置230、ゲート駆動装置240、パレット104、ゲート108、センサ220を備える。
【0028】
制御装置200は、記憶部204及び制御部206を備える。記憶部204は、論理記憶領域であり、CPU内部の記憶領域、主記憶装置、二次記憶装置などのメモリである。記憶部204は、各種機能を制御装置200において実現させるプログラム等を記憶する。
【0029】
制御部206は、CPU(Central Processing Unit)である。制御部206は、記憶部204に記憶されたプログラムをCPUにより実行して、各種機能を制御装置200において実現させる。制御部206において実行されるプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、各プログラムは、ネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【0030】
制御部206は、パレット駆動装置230及びゲート駆動装置240に対し、操作盤214から受信した情報に基づいてパレット104及びゲート108の駆動に関する指示を含む信号を送信することで、駐車装置100の動作を制御する。駆動に関する指示とは、例えば、パレット104の目標位置に向けた移動動作が継続している間に、センサ220から所定位置にパレット104が到達したという情報を受信したら所定時間後にパレット104の移動を停止させる指示を含む信号(駆動出力通知A)を含んでもよい。駆動に関する指示とは、例えば、少なくとも所定位置までパレット104の移動を反転させる指示を含む信号(駆動出力通知B)を含んでもよい。駆動に関する指示とは、例えば、パレット104の反転移動を停止させる指示を含む信号(駆動出力通知C)を含んでもよい。
【0031】
操作盤214は、利用者が制御装置200に対して自動操作の指示(パレット104の番号指定やゲート108の開閉指示)を入力するユーザインターフェイスである。操作盤214は、利用者からの自動操作の指示の入力を受けると、制御装置200に対して自動操作を行うパレット104に関する情報や操作内容に関する情報を送信する。
【0032】
パレット駆動装置230は、入出力部234及び駆動部236を備える。入出力部234は、制御部206からパレット104の移動に関する指示を含む信号を受信する。入出力部234は、受信したパレット104の移動に関する指示を含む信号に基づいて駆動部236によってパレット104の移動を制御する。また、入出力部234は、センサ220aから情報を受信する。入出力部234は、受信した情報に基づいて駆動部236によってパレット104の移動を制御する。入出力部234は、CPU(Central Processing Unit)であり、上述の各種機能をパレット駆動装置230において実現させる。
【0033】
ゲート駆動装置240は、入出力部244及び駆動部246を備える。入出力部244は、制御部206からゲート108の移動に関する指示を含む信号を受信する。入出力部244は、受信したゲート108の移動に関する指示を含む信号に基づいて駆動部246によってゲート108の移動を制御する。また、入出力部244は、センサ220bから情報を受信する。入出力部244は、受信した情報に基づいて駆動部246によってゲート108の移動を制御する。入出力部244は、CPU(Central Processing Unit)であり、上述の各種機能をゲート駆動装置240において実現させる。
【0034】
センサ220は、パレット104またはゲート108の移動方向の所定領域に存在する物体を検知する。センサ220は、例えば、磁気センサ、光センサ、超音波センサ、赤外線センサ、画像認識(カメラにより撮影した画像を解析)によるセンサ等の非接触センサであってもよく、機械検出をアクチュエータを介して動作させる電気スイッチ、可動接点を用いたスイッチ、圧力により電力を生じる圧電センサ等の接触センサであってもよい。
【0035】
[駐車装置の入出庫の際の動作]
操作盤214で特定のパレットが指定され入出庫の操作がなされると、制御装置200がパレットを指定する情報を受信する。制御部206は、指定されたパレット番号のパレット104を入出庫口に移動させる指示を含む信号をパレット駆動装置230に出力する。パレット駆動装置230は、指定されたパレット番号のパレット104を入出庫口に移動させる指示を含む信号を受信すると、パレット104を入出庫口に移動する。パレット104の移動処理は、利用者による操作盤214の操作からパレット104の入出庫口への移動までをいい、制御装置200とパレット駆動装置230によって実行される。
【0036】
制御部206は、パレット104が入出庫口に到着すると、ゲート108を開扉する指示を含む信号をゲート駆動装置240に出力する。車両が入出庫された後に操作盤214でゲート108を閉める操作がなされると、制御部206は、ゲート108を閉扉する指示を含む信号をゲート駆動装置240に出力する。ゲート駆動装置240は、ゲート108を開閉する指示を含む信号を受信すると、ゲート108を開閉する。ゲート108の開閉処理は、ゲート108開扉または閉扉をいい、制御装置200とゲート駆動装置240によって実行される。
【0037】
[パレットの移動の際の動作]
図3は、本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレット104を移動するときの制御装置の処理を説明するための図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレット104を移動するときのパレット駆動装置の処理を説明するための図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレット104を反転移動するときのパレット駆動装置の処理を説明するための図である。
図6は、本発明の一実施形態に係る駐車装置のパレット104を移動するときの位置と処理の関係を説明するための図である。
【0038】
制御装置200の制御部206は、利用者による操作盤214の操作などがなされてパレット104の移動処理が開始されると、パレット104の目標位置X(
図6)に向けた移動動作が継続している間に、センサ220から検知位置Y(所定位置、
図6)にパレット104が到達したという情報を受信したら押し込み時間(所定時間)後にパレット104の移動を停止させる指示を含む信号(駆動出力通知A)を、パレット駆動装置230の入出力部234に出力する(
図3s300)。ここで押し込み時間とは、検知位置Yから目標位置Xまでパレット104を移動させるために要する時間であり、押し込み時間と検知位置は適宜設定することができる。例えば、押し込み時間は100msec以上1sec以下であってもよく、押し込み時間でのパレット104の移動距離から検知位置を設定してもよい。検知位置から目的位置までのパレット104の移動速度は、つねに一定であることが好ましい。
【0039】
パレット駆動装置230の入出力部234は、駆動出力通知Aが入力されると、パレット104を目標位置Xに向けて移動開始させるように駆動部236を制御する(
図4s610、
図6(a))。
【0040】
パレット104の移動が開始されると、入出力部234は、センサ220aから情報を受信しているかどうかを確認する(
図4s620)。この確認は、パレット104が検知位置Yに到達したかどうかを確認するものであり、パレット104の移動方向に存在する物を検知可能な場所に設置されたセンサ等を用いて行う。
【0041】
センサ220aから情報を受信していない場合(
図4s620;No)、入出力部234は、センサ220aから情報を受信するまで駆動部236にパレット104の移動を継続させる。
【0042】
パレット104が検知位置Yに到達し、センサ220aがパレット104を検知した場合(
図6(b))、センサ220aは検知した情報を入出力部234に送信する。本実施形態において、センサ220aはパレット104の進行方向側末端(右端)を検知する。しかしながらこれに限定されず、センサ220aの種類や位置によって検知する対象と位置は適宜選択することができる。例えば、センサ220aがパレット104の上方向への移動において、所定位置に存在する物体を検知する検知範囲が形成されている場合、検知位置Yは目標位置Xに到達する前の位置(目標位置Xより下)であってもよく、センサ220aはパレット104の進行方向側末端(上端)を検知してもよい。例えば、センサ220aがパレット104の下方向への移動において、所定位置に存在する物体を検知する検知範囲が形成されている場合、検知位置Yは目標位置Xに到達する前の位置(目標位置Xより上)であってもよく、センサ220aはパレット104の進行方向側末端(下端)を検知してもよい。
【0043】
入出力部234は、センサ220aから情報を受信すると(
図4s620;Yes)、遅延タイマをスタート(
図4s630)し、押し込み時間を計測しながら、押し込み時間が経過するまで駆動部236にパレット104の移動を継続させる(
図4s640;No、
図4s670;No)。
【0044】
押し込み時間が経過した(
図4s640;Yes)場合、入出力部234は、パレット104の移動を停止させるように駆動部236を制御する(
図4s650)。この結果、パレット104は目的位置Xで停止する(
図6(c))。パレット104の移動が停止したら、入出力部234は、検知位置Yにパレット104が到達(
図6(b))してから押し込み時間の間パレット104の移動を継続して、押し込み時間経過後にパレット104の移動を停止させた(
図6(c))こと含む信号(遅延完了通知)を制御部206に出力(
図4s660)して、パレット104の移動処理を完了する。
【0045】
一方で、押し込み時間が経過する前に何らかの異常でパレット104の移動が停止することがある(
図4s640;No、
図4s670;Yes)。正常に押し込み時間が経過しなかった場合、パレット104の移動を押し込み時間継続することができず、パレット104は検知位置Yと目標位置Xとの間で停止する(
図6(d))。入出力部234は、パレット104が移動しているか停止したかを認識することができる。パレット104が移動しているか停止したかを認識する方法としては、例えば、制御装置200からの駆動出力通知で認識してもよいし、駆動部の動作を認識してもよいし、センサなどを用いて認識してもよい。押し込み時間が経過する前にパレット104の移動の停止を検知したら、入出力部234は、検知位置Yにパレット104が到達(
図6(b))してから押し込み時間の間パレット104の移動を継続せずに、パレット104の移動が停止した(
図6(d))こと含む信号(遅延未完了通知)を制御部206に出力(
図4s680)する。
【0046】
なお、何らかの異常でパレット104の移動が停止してからセンサ220がパレット104を検知した場合(
図4s620;Yes)も、パレット104の移動を押し込み時間継続することができず、パレット104は検知位置Yで停止する(
図6(b))。このような場合も正常に押し込み時間が経過しなかった(
図4s640;No))場合に含まれ、入出力部234は、検知位置Yにパレット104が到達(
図6(b))してから押し込み時間の間パレット104の移動を継続せずに、パレット104の移動が停止したこと含む信号(遅延未完了通知)を制御部206に出力(
図4s680)する。
【0047】
本発明の一実施形態に係る駐車装置によると、遅延完了通知(
図4s660)または遅延未完了通知(
図4s680)の何れかを制御装置200に出力することで、制御装置200は停止しているパレット104が目標位置Xに到達した状態(
図6(c))であるか否かを判断することができる。このような構成を有することで、パレット104が目標位置Xからずれて次の移動を始めたときのパレット104の干渉などの問題を回避することができる。
【0048】
制御装置200の制御部206は、パレット駆動装置230の入出力部234からの通知を受信しているかどうかを確認する(
図3s320)。
【0049】
制御部206は、入出力部234からの通知を受信すると(
図3s320;Yes)、通知が遅延完了通知であるか遅延未完了通知であるか確認する。受信した通知が遅延完了通知である場合(
図3s340;Yes)、パレット104の移動処理を完了する。
【0050】
受信した通知が遅延未完了通知である場合(
図3s340;No)、制御部206は、少なくとも検知位置Yの前(検知位置Yの目標位置Xとは反対側)までパレット104の移動を反転させる指示を含む信号(駆動出力通知B)を、パレット駆動装置230の入出力部234に出力する(
図3s350)。
【0051】
パレット駆動装置230の入出力部234は、駆動出力通知Bが入力されると、パレット104を検知位置Yに向けて反転移動させるように駆動部236を制御する(
図5s710)。
【0052】
制御部206は、反転タイマをスタート(
図3s360)し、反転時間を計測しながら、反転時間が経過するまで駆動部236にパレット104の反転移動を継続させる(
図3s370;No)。
【0053】
パレット104の反転時間は、前述の遅延タイマの経過時間であってもよく、押し込み時間と同じであってもよく、押し込み時間の2倍であってもよい。パレット104の反転移動は、パレット104が停止している状態から加速する必要があるため、パレット104の移動速度と同じになるまでに必要な距離および時間を確保することが好ましい。
【0054】
本実施形態においては、パレット104の反転移動を反転時間で制御する例を示した。しかしながらこれに限定されず、パレット104の位置は、検知位置Yの前(検知位置Yの目標位置Xとは反対側)まで戻せばよい。したがって、パレット104の位置は、センサ220によって検知位置Yにパレット104が検知されなくなればよく、検知位置Yにパレット104が検知されなくなってから押し込み時間後に反転移動を停止してもよい。
【0055】
反転時間が経過した(
図3s370;Yes)場合、制御部206は、パレット104の反転移動を停止させる指示を含む信号(駆動出力通知C)を、パレット駆動装置230の入出力部234に出力する(
図3s380)。
【0056】
パレット駆動装置230の入出力部234は、駆動出力通知Cが入力されると、パレット104の反転移動を停止させるように駆動部236を制御する(
図5s750)。この結果、パレット104は検知位置Yの先(検知位置Yの目標位置Xとは反対側)で停止する(
図6(a))。
【0057】
パレット104の反転移動が停止したら、入出力部234はパレット104の反転移動処理を完了する。入出力部234は、パレット104の反転移動処理を完了する前に、パレット104が検知位置Yに到達(
図6(b))した後さらに先までパレット104の反転移動を継続して、パレット104の反転移動を停止させた(
図6(a))こと含む信号(反転完了通知)を制御部206に出力(
図5s760)してもよい。
【0058】
制御装置200の制御部206は、再度、駆動出力通知Aをパレット駆動装置230の入出力部234に出力する(
図3、s300)。制御部206は、入出力部234からの反転完了通知の受信(
図3s390;Yes)を確認してから、駆動出力通知Aをパレット駆動装置230の入出力部234に出力(
図3、s300)してもよい。
【0059】
入出力部234は、再度、駆動部236にパレット104を目標位置Xに向けて移動開始させ(
図4s610)、パレット104の移動処理を完了するまで繰り返す。しかしながらこれに限定されず、制御部206は、入出力部234からの通知を受信したら(
図3s380;Yes)、動作再開の指示を待ってもよい。
【0060】
以上で述べた本発明の一実施形態に係る駐車装置によると、パレット104の移動を確実に遂行することができ、駐車装置の安全性と利便性を向上させることができる。なお、本実施形態においては、パレット104の車体横方向への移動を例に説明した。しかしながらこれに限定されず、本発明の一実施形態に係る駐車装置はパレット104の上下方向への移動や、ゲート108の上下方向への移動においても同様の構成を適用することができる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0062】
<変形例1>
例えば、本発明の一実施形態に係る駐車装置100は、制御装置200が受信した通知が遅延未完了通知である場合(
図3s340;No)、所定位置に到達する前の位置にパレット104を戻すように駆動装置を制御する構成を示した。しかしながらこれに限定されず、制御装置200が受信した通知が遅延未完了通知である場合、記憶部は所定時間が経過する前にパレット104の移動が停止したことを記憶しておけばよい。記憶部が所定時間が経過する前にパレット104の移動が停止したことを記憶している場合に、所定位置に到達する前の位置にパレット104を戻すように駆動装置を制御すればよい。
【0063】
図7は、本発明の変形例に係る駐車装置のパレットを移動するときの制御装置の処理を説明するための図である。本変形例に係る駐車装置においては、記憶部204が遅延完了・未完了を記憶してパレット移動処理を完了すること、再度、パレット移動処理を開始したときに遅延完了・未完了の記憶を確認すること以外、一実施形態に係る駐車装置100と同じであることから繰り返しの説明は省略する。
【0064】
本変形例において、制御装置200の制御部206は、利用者による操作盤214の操作などがなされてパレット104の移動処理が開始されると、記憶部204を読みこみ後述する遅延完了記憶の情報の有無を確認(
図7s700)する。
【0065】
記憶部204に遅延完了記憶がある場合(
図7s700;Yes)、制御部206は、パレット駆動装置230の入出力部234に駆動出力通知Aを出力(
図7s300)する。
【0066】
記憶部204に遅延未完了記憶がある場合(
図7s700;No)、制御部206は、パレット駆動装置230の入出力部234に駆動出力通知Bを出力(
図7s300)する。
【0067】
制御装置200の制御部206が、パレット駆動装置230の入出力部234に駆動出力通知Bを出力(
図7s350)してから、反転タイマをスタート(
図7s360)し、反転時間が経過した(
図7s370;Yes)場合、パレット駆動装置230の入出力部234に駆動出力通知Cを出力(
図7s380)し、再度、駆動出力通知Aをパレット駆動装置230の入出力部234に出力する(
図7、s300)ことまでは、一実施形態に係る駐車装置のパレット移動の際の動作と同じである。
【0068】
制御装置200の制御部206が、パレット駆動装置230の入出力部234に駆動出力通知Aを出力(
図7s300)してから、パレット駆動装置230の入出力部234からの通知を受信しているかどうかを確認(
図7s320)し、通知が遅延完了通知であるか遅延未完了通知であるか確認する(
図7s340)までは、一実施形態に係る駐車装置のパレット移動の際の動作と同じである。
【0069】
本変形例において、入出力部234から受信した通知が遅延完了通知である場合(
図7s340;Yes)、制御装置200の記憶部204は、遅延完了を記憶(
図7s720)してパレット104の移動処理を完了する。入出力部234から受信した通知が遅延未完了通知である場合(
図7s340;No)、制御装置200の記憶部204は、遅延未完了を記憶(
図7s740)してパレット104の移動処理を完了する。
【0070】
本発明の一変形例に係る駐車装置によると、遅延完了(
図7s720)または遅延未完了(
図7s740)の何れかを制御装置200に記憶することで、制御装置200は停止しているパレット104が目標位置Xに到達した状態(
図6(c))であるか否かを判断することができる。このような構成を有することで、パレット104が目標位置Xからずれて次の移動を始めたときのパレット104の干渉などの問題を回避することができる。遅延完了(
図7s720)または遅延未完了(
図7s740)の何れかを制御装置200に記憶しておくことで、パレット104の移動を確実に遂行することができ、駐車装置の安全性と利便性を向上させることができる。
【0071】
<変形例2>
例えば、本発明の一実施形態に係る駐車装置100は、パレット駆動装置230が入出力部234を、ゲート駆動装置240が入出力部244を備える構成を示した。しかしながらこれに限定されず、入出力部234および入出力部244の処理はすべて制御部206で行ってもよい。
図7は、本発明の変形例に係る駐車装置の概略構成を示すブロック図である。本変形例に係る駐車装置100aにおいては、制御装置200aの制御部206が、センサ220からの情報を受信し、遅延タイマをスタートして押し込み時間を計測すること以外、一実施形態に係る駐車装置100と同じであることから繰り返しの説明は省略する。
【符号の説明】
【0072】
100…駐車装置
102…支柱
104…パレット
108…ゲート
200…制御装置
204…記憶部
206…制御部
214…操作盤
230…パレット駆動装置
240…ゲート駆動装置
220…センサ