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特開2022-157322鉄道支持物評価装置、鉄道支持物評価システム、及び鉄道支持物評価方法
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  • 特開-鉄道支持物評価装置、鉄道支持物評価システム、及び鉄道支持物評価方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157322
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】鉄道支持物評価装置、鉄道支持物評価システム、及び鉄道支持物評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061468
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】510241915
【氏名又は名称】エバ・ジャパン 株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】野呂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】高良 洋平
(72)【発明者】
【氏名】和田 将樹
(72)【発明者】
【氏名】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 清司
(72)【発明者】
【氏名】柴田 佳佑
(72)【発明者】
【氏名】小川 英紀
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059EE12
2G059FF01
2G059HH02
2G059HH06
2G059KK04
2G059MM01
2G059MM05
(57)【要約】
【課題】鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることができる鉄道支持物評価装置、鉄道支持物評価システム、及び鉄道支持物評価方法を提供する。
【解決手段】鉄道支持物3の腐食を評価する鉄道支持物評価装置1であって、前記鉄道支持物3を撮像したスペクトル画像データを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記スペクトル画像データに基づき、所定の周波数帯に含まれる特定波長を正規化波長とし、所定の周波数帯に含まれる特定波長を評価波長として選択する選択部と、前記選択部により選択された前記正規化波長と前記評価波長との間において、前記正規化波長と前記評価波長の分光強度の差により反射率を算出し、算出した前記反射率に基づいて、前記鉄道支持物3の設置環境として前記腐食を評価する評価部とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価装置であって、
前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記スペクトル画像データに基づき、所定の周波数帯に含まれる特定波長を正規化波長とし、所定の周波数帯に含まれる特定波長を評価波長として選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記正規化波長と前記評価波長との間において、前記正規化波長と前記評価波長の分光強度の差により反射率を算出し、算出した前記反射率に基づいて、前記鉄道支持物の設置環境として前記腐食を評価する評価部と
を備えること
を特徴とする鉄道支持物評価装置。
【請求項2】
鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価装置であって、
前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記スペクトル画像データに基づき、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する選択部と、
前記選択部により選択された前記第1正規化波長と前記第1評価波長との間において、前記第1正規化波長と前記第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出し、算出した前記第1反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日向の設置環境として前記腐食を評価する評価部と
を備えること
を特徴とする請求項1に記載の鉄道支持物評価装置。
【請求項3】
前記選択部は、
前記スペクトル画像データを参照し、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択し、
前記評価部は、
前記選択部により選択された前記第2正規化波長と前記第2評価波長との間において、前記第2正規化波長と前記第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出し、算出した前記第2反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日陰の設置環境として前記腐食を評価すること
を特徴とする請求項1又は2記載の鉄道支持物評価装置。
【請求項4】
前記取得部により取得される前記スペクトル画像データは、
前記鉄道支持物の全景画像、近接画像、又はミラー照射画像の少なくとも何れかを含むこと
を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載の鉄道支持物評価装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記鉄道支持物を構成する部位を特定する部位情報をさらに取得し、
前記評価部は、
前記取得部により取得された前記部位情報の一部、または全部に基づいて、前記鉄道支持物の日向、又は日陰の少なくとも何れかを含む設置環境における腐食の状態を評価すること
を特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の鉄道支持物評価装置。
【請求項6】
前記評価部は、
前記スペクトル画像データの評価結果に基づいて、前記鉄道支持物の前記部位ごとのピクセルの分布から前記腐食の度合いを示す腐食レベルを付与する腐食レベル付与部をさらに備えること
を特徴とする請求項1~5の何れか1項記載の鉄道支持物評価装置。
【請求項7】
鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価システムであって、
前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記スペクトル画像データに基づき、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記第1正規化波長と前記第1評価波長との間において、前記第1正規化波長と前記第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出し、算出した前記第1反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日向の設置環境として前記腐食を評価する評価手段と
を備えること
を特徴とする鉄道支持物評価システム。
【請求項8】
前記選択手段は、
前記スペクトル画像データを参照し、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択し、
前記評価手段は、
前記選択手段により選択された前記第2正規化波長と前記第2評価波長との間において、前記第2正規化波長と前記第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出し、算出した前記第2反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日陰の設置環境として前記腐食を評価すること
を特徴とする請求項7に記載の鉄道支持物評価システム。
【請求項9】
鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価方法であって、
前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記スペクトル画像データに基づき、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択された前記第1正規化波長と前記第1評価波長との間において、前記第1正規化波長と前記第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出し、算出した前記第1反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日向の設置環境として前記腐食を評価する評価ステップと
を有すること
を特徴とする鉄道支持物評価方法。
【請求項10】
前記選択ステップは、
前記スペクトル画像データを参照し、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択し、
前記評価ステップは、
前記選択ステップにより選択された前記第2正規化波長と前記第2評価波長との間において、前記第2正規化波長と前記第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出し、算出した前記第2反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日陰の設置環境として前記腐食を評価すること
を特徴とする請求項9に記載の鉄道支持物評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価装置、鉄道支持物評価システム、及び鉄道支持物評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象となる金物、構造物及び各種物品の表面を撮影した画像を用いて、その金物や構造物の劣化度及び各種物品の変化具合を診断する技術として、例えば特許文献1の表面状態診断装置等が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された表面状態診断装置は、劣化レベル判定用データ記憶手段、表面画像データから劣化レベル判定位置を指定する劣化レベル判定箇所指定手段、指定位置周囲の各画素のRGB値を取得するRGB値取得手段、RGB値の平均値と分散値を求める劣化レベルデータ演算手段、RGB値の平均値と分散値に基づき平均値劣化レベル及び分散値劣化レベルを記憶する手段、平均値劣化レベルと分散値劣化レベルが同一レベルか否かを比較する劣化レベル比較手段及び動作選択手段を備える。このため、動作選択手段は比較結果が同一レベルである時には劣化レベル報知手段を動作させ、同一レベルでない時にはRGB値補正処理手段及びフィードバック手段を動作させることができる。これにより、低コストのシステムで、変化レベルの判定処理時間が短く、変化レベルを的確かつ分かりやすい報知をすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6034529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鉄道支持物の表面に発生するサビ等の腐食を評価する場合、現状では検査員による目視検査が行われている。このため、評価結果には検査者の経験や体調、検査時の天候等に起因するバラつきが大きい。特に、屋外環境に設置される鉄道支持物の場合は、太陽光の照度変化の影響を受けやすく、背景の空と金属支持物の分離が困難になるため、屋外環境における評価が懸念として挙げられる。
【0006】
この点、特許文献1の開示技術では、鋼材表面を撮影した画像をRGB表色系のデータで表し、UCS表色系に変換するなどして評価するため、太陽光の照度変化や背景の空と金属支持物の分離等を考慮した腐食を評価することが困難である。このような事情により、屋外における鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上が望まれている。
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、屋外における鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることができる鉄道支持物評価装置、鉄道支持物評価システム、及び鉄道支持物評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る鉄道支持物評価装置は、鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価装置であって、前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記スペクトル画像データに基づき、所定の周波数帯に含まれる特定波長を正規化波長とし、所定の周波数帯に含まれる特定波長を評価波長として選択する選択部と、前記選択部により選択された前記正規化波長と前記評価波長との間において、前記正規化波長と前記評価波長の分光強度の差により反射率を算出し、算出した前記反射率に基づいて、前記鉄道支持物の設置環境として前記腐食を評価する評価部とを備えることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る鉄道支持物評価装置は、第1発明において、鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価装置であって、前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記スペクトル画像データに基づき、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する選択部と、前記選択部により選択された前記第1正規化波長と前記第1評価波長との間において、前記第1正規化波長と前記第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出し、算出した前記第1反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日向の設置環境として前記腐食を評価する評価部とを備えることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る鉄道支持物評価装置は、第1発明又は第2発明において、前記選択部は、前記スペクトル画像データを参照し、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択し、前記評価部は、前記選択部により選択された前記第2正規化波長と前記第2評価波長との間において、前記第2正規化波長と前記第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出し、算出した前記第2反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日陰の設置環境として前記腐食を評価すること、を特徴とする。
【0011】
第4発明に係る鉄道支持物評価装置は、第1発明~第3発明の何れかにおいて、前記取得部により取得される前記スペクトル画像データは、前記鉄道支持物の全景画像、近接画像、又はミラー照射画像の少なくとも何れかを含むことを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る鉄道支持物評価装置は、第1発明~第4発明の何れかにおいて、前記取得部は、前記鉄道支持物を構成する部位を特定する部位情報をさらに取得し、前記評価部は、前記取得部により取得された前記部位情報の一部、または全部に基づいて、前記鉄道支持物の日向、又は日陰の少なくとも何れかを含む設置環境における腐食の状態を評価することを特徴とする。
【0013】
第6発明に係る鉄道支持物評価装置は、第1発明~第5発明の何れかにおいて、前記評価部は、前記スペクトル画像データの評価結果に基づいて、前記鉄道支持物の前記部位ごとのピクセルの分布から前記腐食の度合いを示す腐食レベルを付与する腐食レベル付与部をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
第7発明に係る鉄道支持物評価システムは、鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価システムであって、前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記スペクトル画像データに基づき、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記第1正規化波長と前記第1評価波長との間において、前記第1正規化波長と前記第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出し、算出した前記第1反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日向の設置環境として前記腐食を評価する評価手段とを有することを特徴とする。
【0015】
第8発明に係る鉄道支持物評価システムは、第7発明において、前記選択手段は、前記スペクトル画像データを参照し、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択し、前記評価手段は、前記選択手段により選択された前記第2正規化波長と前記第2評価波長との間において、前記第2正規化波長と前記第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出し、算出した前記第2反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日陰の設置環境として前記腐食を評価すること、を特徴とする。
【0016】
第9発明に係る鉄道支持物評価方法は、鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価方法であって、前記鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記スペクトル画像データに基づき、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択された前記第1正規化波長と前記第1評価波長との間において、前記第1正規化波長と前記第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出し、算出した前記第1反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日向の設置環境として前記腐食を評価する評価ステップとを有することを特徴とする。
【0017】
第10発明に係る鉄道支持物評価方法は、第9発明において、前記選択ステップは、前記スペクトル画像データを参照し、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択し、前記評価ステップは、前記選択ステップにより選択された前記第2正規化波長と前記第2評価波長との間において、前記第2正規化波長と前記第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出し、算出した前記第2反射率に基づいて、前記鉄道支持物を日陰の設置環境として前記腐食を評価すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1発明~第6発明によれば、取得部は、鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する。このため、幅広い周波数帯のスペクトル情報を選択することができる。これにより、屋外における鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0019】
第1発明~第6発明によれば、選択部は、所定の周波数帯に含まれる特定波長を正規化波長とし、所定の周波数帯に含まれる特定波長を評価波長として選択する。このため、撮像されたスペクトル画像データの特徴を分離することができる。これにより、屋外における鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0020】
特に、第2発明によれば、選択部は、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する。このため、撮像されたスペクトル画像データから日向条件の特徴を分離することができる。これにより、屋外における日向の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0021】
また第2発明によれば、評価部は、第1正規化波長と第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出する。このため、算出した第1反射率に基づいて、鉄道支持物を日向の設置環境として腐食を評価することができる。これにより、屋外における日向の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0022】
特に、第3発明によれば、選択部は、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択する。このため、撮像されたスペクトル画像データから日陰条件の特徴を分離することができる。これにより、屋外における日陰の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0023】
また第3発明によれば、評価部は、第2正規化波長と第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出する。このため、算出した第2反射率に基づいて、鉄道支持物を日陰の設置環境として腐食を評価することができる。これにより、屋外における日陰の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0024】
特に、第4発明によれば、取得部は、鉄道支持物の全景画像、近接画像、又はミラー照射画像の少なくとも何れかを含む。このため、屋外環境における設置場所、設置規模、鉄道支持物の構造、天候や日射状況毎に異なる特徴等を踏まえた評価を実現することができる。これにより、鉄道支持物の腐食を評価する精度をさらに向上させることが可能となる。
【0025】
特に、第5発明によれば、取得部は、鉄道支持物を構成する部位を特定する部位情報をさらに取得する。このため、評価部は、部位情報の一部、または全部に基づいて、鉄道支持物の日向、又は日陰の少なくとも何れかを含む設置環境における腐食の状態を評価することができる。これにより、鉄道支持物の腐食を評価する精度をさらに向上させることが可能となる。
【0026】
特に、第6発明によれば、評価部は、腐食レベル付与部をさらに備える。このため、スペクトル画像データの評価結果に基づいて、鉄道支持物の部位ごとのピクセルの分布から腐食度合いを示す腐食レベルを付与することができる。これにより、鉄道支持物の腐食を評価する精度をさらに向上させることが可能となる。
【0027】
第7発明、第8発明によれば、取得手段は、鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する。このため、幅広い周波数帯のスペクトル情報を選択することができる。これにより、屋外における鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0028】
特に、第7発明によれば、選択手段は、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する。このため、撮像されたスペクトル画像データから日向条件の特徴を分離することができる。これにより、屋外における日向の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0029】
特に、第8発明によれば、選択手段は、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択する。このため、撮像されたスペクトル画像データから日陰条件の特徴を分離することができる。これにより、屋外における日陰の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0030】
第9発明、第10発明によれば、取得ステップは、鉄道支持物を撮像したスペクトル画像データを取得する。このため、幅広い周波数帯のスペクトル情報を選択することができる。これにより、屋外における鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0031】
特に、第9発明によれば、選択ステップは、500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1評価波長として選択する。このため、撮像されたスペクトル画像データから日向条件の特徴を分離することができる。これにより、屋外における日向の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0032】
特に、第10発明によれば、選択ステップは、615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択する。このため、撮像されたスペクトル画像データから日陰条件の特徴を分離することができる。これにより、屋外における日陰の鉄道支持物の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本実施形態における鉄道支持物評価システムの一例を示す模式図である。
図2図2は、本実施形態における鉄道支持物評価システムの動作の一例を示す模式図である。
図3図3(a)は、本実施形態における鉄道支持物評価装置の構成の一例を示す模式図であり、図3(b)は、本実施形態における鉄道支持物評価装置の機能の一例を示す模式図である。
図4図4(a)は、本実施形態におけるスペクトル画像データの一例を示す模式図であり、図4(b)本実施形態における正規化された第1スペクトルグラフの一例を示す模式図である。
図5図5(a)は、本実施形態におけるスペクトル画像データの一例を示す模式図であり、図5(b)本実施形態における正規化された第2スペクトルグラフの一例を示す模式図である。
図6図6は、本実施形態における鉄道支持物評価システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を適用した実施形態における鉄道支持物評価装置、鉄道支持物評価システム、及び鉄道支持物評価方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
図1を参照して、本実施形態における鉄道支持物評価システム100の一例について説明する。
(第1実施形態:鉄道支持物評価システム100)
図1図6を参照して、第1実施形態における鉄道支持物評価システム100の構成の一例について説明する。図1は、第1実施形態における鉄道支持物評価システム100の構成の一例を示す模式図である。
【0036】
本実施形態における鉄道支持物評価システム100は、例えば図1に示すように、鉄道支持物評価装置1を有する。鉄道支持物評価装置1は、例えば撮像装置2(撮像装置2a、2b、撮像装置2c等)と接続するほか、例えば通信網4を介して他の端末5やサーバ6に接続されてもよい。
【0037】
鉄道支持物評価システム100は、例えば屋外における設置場所40(例えば〇〇線 〇〇町 本10号)に設置される鉄道支持物3の腐食を評価する。鉄道支持物評価システム100は、例えば鉄道支持物3を検査後に行われる対処後の作業確認評価(例えば検査員が行う「施工確認検査」)のほか、例えば鉄道支持物3の検査前に行われる事前評価にも用いることができる。
【0038】
鉄道支持物評価システム100は、例えば図2に示すように、撮像装置2a等を用いて屋外の設置場所40に設置される鉄道支持物3が撮像される。鉄道支持物評価システム100は、鉄道支持物評価装置1を介して、例えば撮像装置2aによって生成された画像データや連続した数多くの波長要素で形成されるスペクトル画像データ等を取得する。鉄道支持物評価システム100は、例えば鉄道支持物評価装置1により撮像装置2において撮像された鉄道支持物3のスペクトル画像データを取得し、取得したスペクトル画像データをサーバ6、または鉄道支持物評価装置1等に格納する。
【0039】
鉄道支持物評価装置1は、取得したスペクトル画像データを参照し、スペクトル画像データの周波数帯に含まれる正規化波長と、評価波長を選択し、選択された正規化波長と評価波長との間における分光強度の差により反射率を算出する。鉄道支持物評価装置1は、例えば算出した反射率に基づいて、屋外における鉄道支持物3の日向、日陰における各々の腐食の状態を評価する。鉄道支持物評価装置1は、例えば評価した評価結果等を表示部109等に出力する。
【0040】
鉄道支持物評価装置1は、例えば評価結果の内容を表示画面1aに示す。表示画面1aには、例えば設置場所40の場所や路線名等の他、例えば鉄道支持物3の撮像画像、腐食の状態を示す画像等が表示される。鉄道支持物評価装置1は、例えば表示画面1aに表示される指定部1bにより選択された腐食の状態に対する対処情報1cを表示する。表示画面1aには、例えば検査を行った場所の「○○線 ○○町 本10号」と対応付けて、鉄道支持物3の撮像画像と腐食の評価結果を示す対応画、その他の各種の関連情報が各々に対応付けられて表示するようにしてもよい。
【0041】
鉄道支持物評価装置1は、例えば鉄道支持物3を構成する部位と表面の腐食度合いを対応付けて、例えば「部位A 異常なし)」、「部位B 要塗装」等のように、鉄道支持物3の腐食の評価結果に対する対処を表示するようにしてもよい。また鉄道支持物評価装置1は、その他の評価結果として、例えば「腐食レベル1」や、「腐食レベル1 80%」等のような鉄道支持物3の表面に発生する腐食の程度や、腐食要因等が発生している確率等を表示してもよい。
【0042】
鉄道支持物評価システム100は、例えば評価者等が直接に鉄道支持物評価装置1に入力するほか、鉄道支持物評価装置1、撮像装置2の他に、例えば他の端末5等から評価対象となるスペクトル画像データが送信されてもよい。
【0043】
鉄道支持物評価装置1として、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器が用いられるほか、例えばスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、IoT(Internet of Things)デバイス等の電子機器、Raspberry Pi(登録商標)等のシングルボードコンピュータが用いられてもよく、例えば撮像装置2が内蔵されてもよい。
【0044】
また鉄道支持物評価システム100は、撮像装置2が内蔵されたHMD(Head Mounted Display)が用いられてもよい。この場合、評価者等は、ディスプレイ越しに設置場所40の鉄道支持物3を視認することで、鉄道支持物3の評価結果を認識することができる。このため、鉄道支持物3の腐食評価作業の難易度を低下させることができる上、評価作業時間を短縮することが可能となる。
【0045】
鉄道支持物評価装置1は、例えば1つの鉄道支持物3が、複数の部材や構造物で形成されている場合は、数多くの波長要素で形成されるスペクトル画像データを別々に生成するようにしてもよい。鉄道支持物評価装置1は、例えば鉄道支持物3を構成する各部材や構造物等の部品に対する評価結果を、鉄道支持物3を構成する部品の一部、または全部を指定して表示するようにしてもよい。また鉄道支持物評価装置1は、例えば1つの鉄道支持物3に対する評価結果を生成する際、数多くの波長要素で形成される複数のスペクトル画像データに基づいてもよい。
【0046】
鉄道支持物評価装置1は、例えば撮像装置2により撮像された鉄道支持物3の全景画像、近接画像、及びミラーにより照射したミラー画像の少なくとも何れかを含むスペクトル画像データを取得するようにしてもよい。鉄道支持物評価装置1は、取得した全景画像、近接画像、ミラー画像等の各種のスペクトル画像データに基づき、屋外における鉄道支持物3の日向、日陰の腐食の状況を評価することができる。鉄道支持物評価装置1は、これにより、評価精度を向上させることが可能となる。
【0047】
鉄道支持物評価装置1は、例えば鉄道支持物3に関するスペクトル画像データの他に、例えば設置場所40、撮像画像や腐食評価に関する設定情報、評価範囲の位置情報、撮像者等の情報をテキスト形式や他の形式の情報で取得するようにしてもよい。
【0048】
鉄道支持物評価装置1が取得する画像データは、例えばスペクトル画像データの他、ハイパースペクトルデータ、任意の波長を選択したマルチスペクトル画像データ、ある特定の波長に絞ったターゲットスペクトル画像データであってもよい。
【0049】
また鉄道支持物評価装置1は、例えばスペクトル画像データ等に関連する各種の情報を取得するようにしてもよい。鉄道支持物評価装置1は、例えばスペクトル画像データが撮像された鉄道支持物3の評価実施の地区、場所等における日向、日陰等の日射の条件等を設置情報として取得するようにしてもよい。
【0050】
設置情報は、例えば評価実施の地域の晴天、曇り、雨等の天候に関連する天候情報の他、例えば直射日光、天空光、地面反射光、ミラー照射等の日射情報を含んでもよい。鉄道支持物評価装置1は、例えばスペクトル画像データに関連する各種の情報を含む設置情報を取得することで、例えば日射や季節毎の特徴を踏まえた高精度な腐食の評価を実現することができる。
【0051】
鉄道支持物評価装置1は、例えばスペクトル画像データに撮像された鉄道支持物3を検査したときの日程、気温、及び検査対象部位、及び検査者、並びに、鉄道支持物3を検査する予定の日程等の検査情報を設置情報に含ませてもよい。
【0052】
検査情報は、例えば鉄道支持物3の材質や設置年数等の内部材質や設置に関する情報等である。
【0053】
(鉄道支持物評価装置1)
次に、図3を参照して、本実施形態における鉄道支持物評価装置1の一例を説明する。図3(a)は、本実施形態における鉄道支持物評価装置1の構成の一例を示す模式図であり、図3(b)は、本実施形態における鉄道支持物評価装置1の機能の一例を示す模式図である。
【0054】
鉄道支持物評価装置1は、例えば図3(a)に示すように、筐体10と、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、保存部104と、I/F105~107とを備える。各構成101~107は、内部バス110により接続される。
【0055】
CPU101は、鉄道支持物評価装置1全体を制御する。ROM102は、CPU101の動作コードを格納する。RAM103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。保存部104は、各種の設置情報や評価対象の情報や参照データベース等の各種情報が保存される。保存部104として、例えばHDD(Hard Disk Drive)の他、SSD(Solid State Drive)やSDカード、miniSDカード等のデータ保存装置が用いられる。なお、例えば鉄道支持物評価装置1は、図示しないGPU(Graphics Processing Unit)を有してもよい。GPUを有することで、通常よりも高速演算処理が可能となる。
【0056】
I/F105は、撮像装置2との各種情報の送受信を行うためのインターフェースであるほか、例えばインターネット等の通信網4を介して、他の端末5やサーバ6等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースでもよい。I/F106は、入力部108との情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部108として、例えばキーボードが用いられ、鉄道支持物評価装置1を利用する評価者等は、入力部108を介して、各種情報又は鉄道支持物評価装置1の制御コマンド等を入力する。I/F107は、表示部109との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。表示部109は、保存部104に保存された評価結果等の各種情報、または鉄道支持物評価装置1の処理状況等を出力する。表示部109として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式でもよい。
【0057】
<参照データベース>
保存部104に保存された参照データベースには、例えば撮像装置2から取得した鉄道支持物3を撮像したスペクトル画像データ(例えば静止画、動画等)が記憶されるほか、スペクトル画像データ等に関連する検査情報を含む設置情報、腐食のレベル情報、評価結果、評価アルゴリズム等が記憶される。
【0058】
ここで、図4図5を参照して、本実施形態におけるスペクトル画像データの一例と、正規化されたスペクトルグラフの一例を説明する。
【0059】
図4(a)は、本実施形態におけるスペクトル画像データの一例を示す模式図であり、図4(b)本実施形態における正規化された第1スペクトルグラフの一例を示す模式図である。図5(a)は、本実施形態におけるスペクトル画像データの一例を示す模式図であり、図5(b)本実施形態における正規化された第2スペクトルグラフの一例を示す模式図である。
【0060】
撮像装置2により、例えば設置場所において複数の鉄道支持物3のスペクトル画像データが撮像される。図4(a)、図5(a)は、撮像装置2により撮像された複数箇所の鉄道支持物3のスペクトル画像データが複数のスペクトルグラフを示す。複数のスペクトルグラフの実線、破線の各々は、例えば撮像された複数の鉄道支持物3のスペクトル画像に対応する。スペクトルグラフは、例えば鉄道支持物評価装置1により取得されたスペクトル画像データが正規化される前の状態のグラフを示す。
【0061】
スペクトルグラフは、例えば正規化される前のグラフでは、各々のスペクトルグラフに差異の傾向が少なく、例えば日向と日陰でその差異(特徴)を抽出しづらい。
【0062】
このため鉄道支持物評価装置1は、取得したスペクトル画像データに基づき、スペクトルグラフの周波数帯から正規化波長と評価波長を選択し、正規化波長と評価波長との間における分光強度の差により反射率を算出し、算出した反射率に基づいて、鉄道支持物3を日向、または日陰の設置環境として腐食を評価する。これにより、屋外において差別化が困難な日向の腐食状態、日陰の腐食状態を分離させ、腐食の差異を明確にすることができる。
【0063】
ここで、例えば選択される周波数組の算出は、ある特徴的な差異の傾向から選択される。選択される周波数組は、例えば2波長(λ1, λ2)間の分光強度(スペクトル強度)の差(傾き)によるスペクトル変化により算出する。その際に2波長の和で正規化する(除する)ことにより、例えば光のムラや影等、条件が異なっていた場合においても、それらの影響を軽減して、特徴を比較可能にすることができる。これらの算出は、例えば公知のスペクトル計測手法、スペクトル解析技法(例えば「NDSI:normalized difference spectral index、正規化分光反射指数」)等により次式により求める。「Iλ」は、例えば「λnm」の反射率となり、正規化波長は「λ2」、評価波長は「λ1」として求められる。
【0064】
【数1】
【0065】
図4(b)、図5(b)は、正規化スペクトルグラフを示す。図4(b)は、例えば日向の鉄道支持物3と、日向でミラーを照射した鉄道支持物3の正規化スペクトルグラフであり、図5(b)は、例えば2拠点の日陰の鉄道支持物3の正規化スペクトルデータを示す。即ち、図4(b)、図5(b)は、正規化スペクトルグラフにおける各々の正規化波長、評価波長を特定し、その範囲において正規化スペクトルグラフ(分光強度)を作成することにより、他の鉄道支持物3における腐食を評価することが可能となる。
【0066】
このような鉄道支持物3の腐食を評価することができるスペクトルグラフに含まれる周波数帯の何れかの周波数を特定波長とし、正規化波長(例えば第1正規化波長、第2正規化波長)、および評価波長(例えば第1評価波長、第2評価波長)として選択する。
【0067】
正規化波長、および評価波長は、図4(b)に示す正規化スペクトルグラフの各周波数の差異に基づいて、例えば日向の反射光の第1正規化波長の対象として500~600nmと、差異が明確な評価波長600~800nmを選択している。また、図5(b)に示す正規化スペクトルグラフの各周波数の差異に基づいて、例えば日陰の反射光の第2正規化波長の対象として615~715nmと、第2評価波長750~850nmを選択する。
【0068】
前述の正規化波長(例えば第1正規化波長、第2正規化波長)、および評価波長(例えば第1評価波長、第2評価波長)に着目することで、日向と日陰の腐食レベルを分離して評価することができ、より精度の高い解析が可能となる。
【0069】
なお、本実施形態では、図4(b)に示す日向の反射光に基づく第1正規化波長(500~600nm)と評価波長(600~800nm)を選択し、また、図5(b)に示す日陰の反射光として第2正規化波長(615~715nm)と第2評価波長(750~850nm)を特定波長として選択する。ここで、例えば特定波長は1点で特定してもよいし、複数を特定してもよい。特定波長の決め方としては、例えば各周波数帯の波長範囲の中心波長としてもよいし、各スペクトルグラフ間のスペクトル強度の差分値が最も大きくなる波長としてもよい。
【0070】
また各正規化スペクトルグラフ上で凸のピークが形成されている特異点を特定波長として特定するようにしてもよい。この特定波長の選択は、例えば鉄道支持物3の設置場所40、日時、天候、季節、部品、部品の材質、または塗装等により、評価者が実施する検査対象毎に異なるものであってもよい。
【0071】
また、これらの特定波長を中心とした特定波長の範囲を設定するようにしてもよい。特定波長の範囲は、例えば±10nm等のように、予め設定した所定の波長範囲で構成されてもよい。このため、仮に特定波長が550nmであり、特定波長範囲が±10nmであれば、実際にスペクトルデータを検出する範囲は、540~560nmとなる。この特定波長の範囲は、鉄道支持物3の評価目的毎に異なるものであってもよい。
【0072】
参照データベースには、このような特定された正規化波長(例えば第1正規化波長、第2正規化波長)と、特定された評価波長(例えば第1評価波長、第2評価波長)とが、例えば検出アルゴリズムとして記憶される。さらに、その他の特定波長と、特定波長の範囲、場合によっては演算方法やそれを規定する演算式そのものが、鉄道支持物3の評価目的毎に各々に対応付けられて記憶されている。
【0073】
また、例えば正規化波長500~600nmと評価波長600~800nmによる検出アルゴリズムに基づく評価を「日向レベル」とし、例えば正規化波長615~715nmと評価波長750~850nmによる検出アルゴリズムに基づく評価を「日陰レベル」とし、段階的に評価結果を割り当てるようにしてもよい。
【0074】
また鉄道支持物3の腐食の度合いを示す腐食レベルとして、例えば面積当たりの亜鉛めっきの腐食の進行、範囲、表面塗料の剥がれ、変色等に合わせ、レベル1~5等の具体的な腐食の程度を示すようにしてもよい。腐食レベルは、例えばスペクトル画像データの評価結果に基づいて、鉄道支持物3の部位ごとのピクセルの分布から求められ、腐食の度合いを示す腐食レベルとして付与されるようにしてもよい。
【0075】
腐食レベルの判定基準として、例えばスペクトル画像データの評価結果に基づいて、鉄道支持物3を構成する評価対象ごとのピクセルを、各腐食レベル情報で分類し、その比率を算出するようにしてもよい。尚、本評価では、支持物内における部位ごとのレベルの違いも考慮するため、支持物を3領域に分け、それぞれのエリアにて各レベルのピクセル数を算出するようにしてもよい。
【0076】
図3(b)は、鉄道支持物評価装置1の機能の一例を示す模式図である。鉄道支持物評価装置1は、取得部11と、選択部12と、評価部13と、記憶部14と、出力部15とを備える。なお、図3(b)に示した各機能は、CPU101が、RAM103を作業領域として、保存部104等に保存されたプログラムを実行することにより実現され、例えば人工知能により制御されてもよい。
【0077】
<取得部11>
取得部11は、鉄道支持物3を撮像したスペクトル画像データを取得する。取得部11は、撮像装置2等からスペクトル画像データを取得するほか、例えば鉄道支持物評価装置1に内蔵された撮像装置2から、スペクトル画像データを取得するようにしてもよい。取得部11は、例えば予め評価者(又は検査者)等から入力された設置情報等を取得するほか、例えば撮像装置2等から、スペクトル画像データに対応する鉄道支持物3の評価対象となる評価箇所、または設置環境に関する検査情報等を含む設置情報を取得する。なお、取得部11がスペクトル画像データ、関連する各種の情報等を取得する頻度、及び周期は、任意である。
【0078】
また取得部11は、撮像装置2により撮像された鉄道支持物3の全景画像、近接画像、又はミラー照射画像の少なくとも何れかを含むスペクトル画像データを取得する。取得部11は、それらスペクトル画像データを撮像した撮像装置2の機種情報、撮像日時、位置情報(緯度経度)、撮像装置2の撮像設定情報等を取得するようにしてもよい。
【0079】
また取得部11は、鉄道支持物3を構成する部位を特定する部位情報を取得するようにしてもよい。部位情報は、例えば撮像装置2による撮影の前、又は撮影後のタイミング等で取得するようしてもよい。
【0080】
また取得部11は、例えば鉄道支持物評価装置1に送信された各種情報を取得するようにしてもよい。取得部11は、例えば通信網4及びI/F105を介して、他の端末5等の外部端末から送信されたスペクトル画像データ、検査情報等を含む設置情報の各種の情報を受信してもよい。
【0081】
<選択部12>
選択部12は、取得部11により取得されたスペクトル画像データに基づき、所定の周波数帯に含まれる特定波長を正規化波長とし、所定の周波数帯に含まれる特徴波長を評価波長として選択する。選択部12は、例えば500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、600~800nmの周波数帯に含まれる特徴波長を第1評価波長として選択する。
【0082】
選択部23は、選択した第1正規化波長(500~600nm)と、第1評価波長(600~800nm)を、例えば鉄道支持物3の日向の設置環境における記腐食を評価用の検出アルゴリズム(既知の特定周波数帯)とするようにしてもよい。
【0083】
また選択部12は、取得部11により取得されたスペクトル画像データに基づき、例えば615~715nmの周波数帯に含まれる特定波長を第2正規化波長とし、750~850nmの周波数帯に含まれる特徴波長を第2評価波長として選択する。
【0084】
選択部23は、選択した第2正規化波長(615~715nm)と、第1評価波長(750~850nm)を、例えば鉄道支持物3の日陰の設置環境における記腐食を評価用の検出アルゴリズム(既知の特定周波数帯)とするようにしてもよい。
【0085】
<評価部13>
評価部13は、取得部11により取得されたスペクトル画像データに対する評価を、選択部12により選択された第1正規化波長と第1評価波長との間において、第1正規化波長と第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出し、算出した第1反射率に基づいて、鉄道支持物3を日向の設置環境として腐食を評価する。
【0086】
また、評価部13は、選択部12により選択された第2正規化波長と第2評価波長との間において、第2正規化波長と第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出し、算出した第2反射率に基づいて、鉄道支持物3を日陰の設置環境として腐食を評価する。
【0087】
評価部13は、参照データベースや保存部104を参照し、例えば検出アルゴリズムとして記憶されている既知の正規化波長と評価波長とに基づいて、取得部11により取得したスペクトル画像データを評価するようにしてもよい。評価部13は、例えば検索アルゴリズムの他に、評価用パラメータ、設定情報等のデータ、または公知の技術を用いて評価をするようにしてもよい。
【0088】
<腐食レベル付与部>
また評価部13は、例えば腐食レベル付与部をさらに備える。腐食レベル付与部は、例えばスペクトル画像データの評価結果に基づいて、鉄道支持物3の部位ごとのピクセルの分布から腐食の度合いを示す腐食レベルを付与する。
【0089】
<記憶部14>
記憶部14は、保存部104に保存された参照データベース等の各種情報を必要に応じて取出す。記憶部12は、各構成11、13~15により取得又は生成された各種情報を、保存部104に保存する。
【0090】
<出力部15>
出力部15は、評価結果を出力する。出力部15は、I/F107を介して表示部109に評価結果を送信するほか、例えばI/F105を介して、他の端末5等に評価結果を送信する。出力部15は、例えば図2に示した鉄道支持物3の表面状態を再現した画像を表示するデータを、表示部109等に出力する。
【0091】
<表示部109>
表示部109は、評価結果を表示する。表示部109は、例えば図2に示すように、表示画像1aと、指定部1bと、評価結果とを表示する。表示画像1aは、取得部11が取得したスペクトル画像データに基づく鉄道支持物3が映された画像を示す。指定部1bは、表示画像1aのうち、評価象となる鉄道支持物3を撮像したスペクトル画像データの評価箇所を指定する(図2では、例えば枠内の右図内を示す)。
【0092】
評価結果は、指定部1bを介して、例えば評価対象となる鉄道支持物3に対して表示される。これにより、例えば鉄道支持物3を構成する複数個所を一度に評価する場合においても、各鉄道支持物3の評価結果を表示することができる。なお、表示部109は、例えばリストや文字列のみを用いて、評価結果を表示してもよい。上記表示方法には、公知の技術を用いることができる。
【0093】
なお、例えば鉄道支持物評価システム1としてHMDが用いられる場合、表示部109として、透過型のディスプレイが用いられる。このとき、表示部109は、例えば評価者等が表示部109越しに視認する鉄道支持物3に対して、指定部1b及び評価結果を表示することができる。
【0094】
<撮像装置2>
撮像装置2は、鉄道支持物3を撮像してスペクトル画像データを生成する公知のカメラである。撮像装置2として、例えばRGBカメラ、マルチスペクトルカメラ、ターゲットスペクトルカメラ、ハイパースペクトルカメラ等が用いられ、複数用いられてもよい。撮像装置2は、例えば動画を撮影するビデオカメラであってもよく、鉄道支持物評価装置1に内蔵されてもよい。撮像装置2がスペクトルビデオカメラの場合は、例えば撮像された動画の一部からスペクトル画像データが抽出されてもよい。
【0095】
<通信網4>
通信網4は、例えば鉄道支持物評価システム100等が通信回路を介して接続されるインターネット網等である。通信網4は、いわゆる光ファイバ通信網で構成されてもよい。また、通信網4は、有線通信網のほか、無線通信網等の公知の通信網で実現してもよい。
【0096】
<他の端末5>
他の端末5として、例えば鉄道支持物評価装置1と同様に電子機器で具現化されたものが用いられる。他の端末5は、例えば鉄道支持物評価システム100を構成する複数の鉄道支持物評価装置1と通信可能な中央制御装置等を示す。他の端末5は、例えば複数の鉄道支持物評価装置1と接続可能であり、各々の各鉄道支持物評価装置1により生成された評価結果を取得することができる。これにより、例えば複数個所で生産された鉄道支持物3の評価結果を分析することができ、鉄道支持物3の腐食改善等を図ることが可能となる。
【0097】
<サーバ6>
サーバ6には、例えば上述した各種情報が記憶される。サーバ6には、例えば通信網4を介して送られてきた各種情報が蓄積される。サーバ6には、例えば保存部104と同様の情報が保存され、通信網4を介して1つ以上の鉄道支持物評価装置1と各種情報の送受信が行われてもよい。即ち、鉄道支持物評価装置1は、保存部104の代わりにサーバ6を用いてもよい。
【0098】
(鉄道支持物評価装置1の動作の一例)
次に、本実施形態における鉄道支持物評価装置1の動作の一例について説明する。図6は、本実施形態における鉄道支持物評価装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0099】
<取得手段S110>
図6に示すように、取得部11により鉄道支持物3を撮像したスペクトル画像データを取得する(取得手段S110)。取得部11は、例えば撮像装置2が撮像した鉄道支持物3のスペクトル画像データを評価対象の情報として取得する。取得部11は、例えば記憶部12を介して、スペクトル画像データを保存部104に保存する。
【0100】
取得部11は、例えば設置場所40に関する情報、鉄道支持物3の評価や検査に関する各種の検査情報等を含む設置情報、スペクトル画像データに関する評価対象情報などを取得する。取得部11が取得する各種の情報は、例えば予めスペクトル画像データと紐づくように、評価者や検査者等によって鉄道支持物評価装置1に入力されるほか、例えばスペクトル画像データに基づき、取得部11がスペクトル画像データに適した各情報を選択するようにしてもよい。この場合、取得部11は、予め保存部104に保存された各種の検査情報等を含む設置情報から、スペクトル画像データに適した各情報を取得する。
【0101】
取得部11は、例えば複数の撮像装置2を用いて1つの鉄道支持物3を撮像した場合、複数の撮像装置2によって生成された複数のスペクトル画像データを、1つの評価対象情報として取得する。取得部11は、スペクトル画像データが生成される度に、例えば関連する評価対象情報等を取得するほか、例えば任意の期間に生成されたスペクトル画像データを一度に受信し、スペクトル画像データを取得してもよい。
【0102】
また取得部11は、例えば鉄道支持物3の全景画像、近接画像、又はミラー照射画像等のスペクトル画像データを取得する。取得部11は、撮像装置2により撮像された鉄道支持物3の複数のスペクトル画像データを、一度に取得するようにしてもよい。
【0103】
また取得部11は、鉄道支持物3を構成する部位を特定する部位情報をさらに取得する。取得部11により取得されたスペクトル画像データ、関連する各種の情報やデータ、画像は、例えば保存部104に保存される。
【0104】
<選択手段S120>
次に、取得部11により取得されたスペクトル画像データに基づき、スペクトルグラフの周波数帯に含まれる正規化波長と評価波長を選択する(選択手段S120)。
【0105】
選択部12は、取得部11により取得されたスペクトル画像データに基づき、所定の周波数帯に含まれる特定波長を正規化波長とし、所定の周波数帯に含まれる特徴波長を評価波長として選択する。なお、選択部12は、例えば500~600nmの周波数帯に含まれる特定波長を第1正規化波長とし、例えば600~800nmの周波数帯に含まれる特徴波長を第1評価波長として選択するようにしてもよい。
【0106】
また選択部12は、取得部11により取得されたスペクトル画像データに基づき、例えば615~715nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2正規化波長とし、例えば750~850nmの周波数帯に含まれる特定周波数を第2評価波長として選択するようにしてもよい。
【0107】
選択部12により選択される正規化波長は、例えば既知の正規化波長、検出アルゴリズム等として予め選択されておいてもよい。選択部12は、例えば既知の正規化波長、検出アルゴリズム等に基づいて、評価対象とする評価波長を周波数帯の範囲から選択する。
<評価手段S130>
次に、選択部により選択された正規化波長と評価波長との間において、正規化波長と評価波長の分光強度の差により反射率を算出し、鉄道支持物3の腐食を評価する(評価手段S130)。評価部13は、例えば参照データベースを参照し、日向、又は日陰の設置環境における鉄道支持物3の腐食を評価する。
【0108】
評価部13は、選択部12により選択された第1正規化波長と第1評価波長との間において、第1正規化波長と前記第1評価波長の分光強度の差により第1反射率を算出する。評価部13は、算出した第1反射率に基づいて、鉄道支持物3を日向の設置環境として腐食を評価する。
【0109】
また評価部13は、例えば選択部12により選択された第2正規化波長と第2評価波長との間において、第2正規化波長と第2評価波長の分光強度の差により第2反射率を算出する。評価部13は、算出した第2反射率に基づいて、鉄道支持物3を日陰の設置環境として腐食を評価する。
【0110】
また評価部13は、取得部11により取得された鉄道支持物3を構成する部位を特定する部位情報に基づいて、鉄道支持物3を構成する範囲(エリア)ごとの腐食の状態を評価する。評価部13は、鉄道支持物3の部位情報の一部、または全部に基づいて、鉄道支持物3の日向、又は日陰の少なくとも何れかを含む設置環境における腐食の状態を評価する。
【0111】
さらに評価部13は、さらに腐食レベル付与部を備える。腐食レベル付与部は、例えばスペクトル画像データの評価結果に基づいて、鉄道支持物3の部位ごとのピクセルの分布から腐食の度合いを示す腐食レベルを付与する。
【0112】
評価部13は、例えば1つの鉄道支持物3を評価対象として1つの評価結果を生成するほか、例えば複数の鉄道支持物3、鉄道支持物3を構成する部品や範囲を評価対象としての1つの評価結果を生成してもよい。評価部13は、例えば保存部104に保存された出力用フォーマット等の形式データを用いて、評価結果を生成する。評価部13は、例えば記憶部12を介して、評価結果を保存部104に保存する。
【0113】
<出力手段>
次に、出力部15により評価結果が出力される(出力手段)。出力部15は、評価結果を表示部109等に出力する。出力部15は、例えば通信網4を介して他の端末5又はサーバ6に出力してもよい。
【0114】
出力部15は、例えばスペクトル画像データに基づく鉄道支持物3を映した表示画像1aと、表示画像1aのうち、評価対象となる鉄道支持物3を指定する指定部1bと、指定部1bを介して、評価対象となる鉄道支持物3に対する評価結果とを、表示部109に表示させるための情報を、表示部109に出力する。これにより、表示部109には、表示画像1a、指定部1b、及び評価結果が表示される。
【0115】
これにより、本実施形態における鉄道支持物評価装置1の動作が終了する。なお、更新手段S140を実施する場合のタイミングは、任意である。
【0116】
本実施形態によれば、評価部13は、参照データベースを参照し、設置情報や評価対象情報に対する評価結果を生成する。参照情報は、腐食レベル情報を含む。このため、過去に鉄道支持物3の腐食を評価した結果を踏まえた評価結果を生成することができる。これにより、鉄道支持物3の腐食を評価する精度の向上を図ることが可能となる。
【0117】
また、本実施形態によれば、設置情報は、各種の検査情報を含む。このため、検査の条件によって異なる鉄道支持物3の表面状態を踏まえた評価を実現することができる。これにより、鉄道支持物3の腐食を評価する精度をさらに向上されることが可能となる。また、検査の条件に紐づく評価結果が得られるため、腐食劣化の要因となる条件の特定や、検査の条件の変更に伴う腐食の変化等を把握することができる。これにより、鉄道支持物3の腐食改善に繋げることが可能となる。
【0118】
また、本実施形態によれば、表示部109は、評価対象となる鉄道支持物3を指定する指定部1bを表示する。このため、複数の鉄道支持物3が1つのスペクトル画像データとして撮像された場合においても、各々の鉄道支持物3の評価結果を容易に知ることができる。これにより、評価結果に基づく鉄道支持物3の対処、修繕の計画を容易に実施することが可能となる。
【0119】
また、本実施形態によれば、鉄道支持物の腐食を評価する鉄道支持物評価方法は、取得手段S110を行う取得ステップ、選択手段S120を行う選択ステップ、評価手段S130を行う評価ステップにより提供することができる。
【0120】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1 :鉄道支持物評価装置
1a :表示画面
1b :指定部
1c :対処情報
2 :撮像装置
2a :撮像装置
2b :撮像装置
2c :撮像装置
3 :鉄道支持物
4 :通信網
5 :他の端末
6 :サーバ
10 :筐体
11 :取得部
12 :選択部
13 :評価部
14 :記憶部
15 :出力部
40 :設置場所
100 :鉄道支持物評価システム
101 :CPU
102 :ROM
103 :RAM
104 :保存部
105 :I/F
106 :I/F
107 :I/F
108 :入力部
109 :表示部
110 :内部バス
S110 :取得手段
S120 :選択手段
S130 :評価手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6