(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157328
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20221006BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20221006BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20221006BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20221006BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20221006BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20221006BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20221006BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20221006BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G09F9/30 349Z
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
G02B5/00 B
G02F1/1333
G02F1/1368
G09F9/30 338
G09F9/00 366A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061481
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松永 和己
【テーマコード(参考)】
2H042
2H189
2H192
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
2H042AA03
2H042AA10
2H042AA15
2H042AA26
2H189AA13
2H189AA21
2H189HA16
2H189JA05
2H189JA07
2H189JA10
2H189LA01
2H189LA03
2H189LA05
2H189LA06
2H189LA14
2H189LA27
2H189LA31
2H192AA24
2H192BA13
2H192GB04
2H192GB14
2H192GB23
2H192GD12
2H192JA06
2H192JA13
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC41
3K107EE21
3K107EE29
3K107EE68
5C094AA09
5C094AA60
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA20
5C094ED01
5C094ED15
5C094FA02
5G435AA08
5G435BB05
5G435BB12
5G435CC09
5G435DD10
5G435FF08
5G435FF13
5G435GG01
(57)【要約】
【課題】SN比の低下を抑制する表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示パネルと、表示パネルの法線方向からみて、表示パネルの表示領域の内側にある、光を受光する複数の受光素子と、受光素子と重畳して設けられる導光部と、を備える。導光部は、受光素子に少なくとも一部が重畳する導光路、及び、導光路よりも光の吸収率が高い遮光部を含む。導光路は、表示パネルの法線方向に対して、所定の第1方向に傾斜している。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの法線方向からみて、前記表示パネルの表示領域の内側にある、光を受光する複数の受光素子と、
前記受光素子と重畳して設けられる導光部と、を備え、
前記導光部は、前記受光素子に少なくとも一部が重畳する導光路、及び、前記導光路よりも前記光の吸収率が高い遮光部を含み、
前記導光路は、前記表示パネルの法線方向に対して、所定の第1方向に傾斜している、
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルの法線方向を視認側からみて、前記受光素子に最も近い前記導光路の第1開口は、前記受光素子に最も遠い当該導光路の第2開口とはずれている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示パネルの法線方向からみて、前記受光素子に最も近い前記導光路の第1開口は、前記受光素子と重畳しており、前記受光素子に最も遠い当該導光路の第2開口は、前記第1開口と非重畳である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルの法線方向に直交する平面において、前記導光路の形状は楕円であり、前記楕円の長軸が延びる方向に、当該導光路の前記第2開口が前記第1開口よりもずれている、請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルの法線方向を視認側からみて、前記受光素子に最も近い前記導光路の第1開口は、前記受光素子に最も遠い当該導光路の第2開口とはずれており、
前記表示パネルの法線方向からみて、前記受光素子と重畳する検出領域と、
被検出体からの反射光を前記受光素子へ検出させるために、前記表示パネルの表示領域の一部の発光領域を発光させ、
前記表示パネルの法線方向を視認側からみて、前記発光領域の面積重心が前記検出領域の面積重心に対してずれる方向は、前記第2開口が前記第1開口に対してずれる方向である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記導光部は、前記第2開口を覆うレンズを備える請求項2から5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルの法線方向からみて、前記受光素子と重畳する検出領域と、
被検出体からの反射光を前記受光素子へ検出させるために、前記表示パネルの表示領域の一部の発光領域を発光させ、
前記発光領域の面積重心が前記検出領域の面積重心に対してずれる方向は、前記表示パネルの法線方向を視認側からみて、前記第1方向である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記受光素子を複数有する光学センサを有し、前記光学センサは、前記表示パネルの視認側とは反対側にあり、かつ前記表示パネルの表示領域と重ね合わされる、請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記受光素子及び前記導光部は、前記表示パネルの内部に設けられる、請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは、アレイ基板と、前記表示パネルの法線方向において前記アレイ基板に対向する対向基板とを備え、
前記複数の受光素子は、前記アレイ基板に設けられ、
前記導光部は、前記対向基板に設けられる、請求項1から7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルの主視角は、前記表示パネルの法線方向に対してずれており、
前記表示パネルの法線方向を視認側からみて、前記受光素子に最も近い前記導光路の第1開口は、前記受光素子に最も遠い当該導光路の第2開口とはずれており、
前記表示パネルの法線方向を視認側からみて、前記表示パネルの主視角が前記表示パネルの法線方向に対してずれる方向は、前記第1開口が前記第2開口に対してずれる方向である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルの主視角は、前記表示パネルの法線方向に対してずれており、
前記表示パネルの法線方向を視認側からみて、前記表示パネルの主視角が前記表示パネルの法線方向に対してずれる方向は、前記第1方向の逆方向である、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個人認証等に用いられるセンサとして、光学式のセンサが知られている(例えば、特許文献1)。光学式のセンサは、受光した光量に応じて出力される信号が変化する受光素子を有する。特許文献1に記載されているセンサは、フォトダイオード等の受光素子が基板上に複数配列されている。
【0003】
また、車載用の表示装置であって、助手席からの視認を可能とし、運転席からの視認を制限するように視野角を制御する視野角制御装置が知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0012069号明細書
【特許文献2】特開2006-195388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された光学式の検出装置は、表示パネルの光の反射光を受光素子に導く必要がある。光学式の検出装置において、外光や迷光を抑制し、表示パネルの光の反射光を受光素子に光を導くためには、改善の余地がある。
【0006】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたもので、SN比の低下を抑制する表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
本開示の一態様の検出装置は、表示パネルと、前記表示パネルの法線方向からみて、前記表示パネルの表示領域の内側にある、光を受光する複数の受光素子と、前記受光素子と重畳して設けられる導光部と、を備え、前記導光部は、前記受光素子に少なくとも一部が重畳する導光路、及び、前記導光路よりも前記光の吸収率が高い遮光部を含み、前記導光路は、前記表示パネルの法線方向に対して、所定の第1方向に傾斜している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る表示装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る表示装置の断面を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る検出装置を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る検出装置の受光素子を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る表示領域の画素と受光素子との配置関係を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係る導光路の第1開口と第2開口との配置関係を模式的に示す平面図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る導光路の第1開口と第2開口との配置関係を模式的に示す断面図である。
【
図11】
図11は、比較例に係る導光路の第1開口と第2開口との配置関係を模式的に示す断面図である。
【
図13】
図13は、実施形態1の変形例1に係る導光経路の形状を模式的に示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施形態1の変形例2に係る導光経路の断面形状を模式的に示す断面図である。
【
図15】
図15は、実施形態1の変形例3に係る導光経路の断面形状を模式的に示す断面図である。
【
図16】
図16は、実施形態2に係る表示装置を模式的に示す斜視図である。
【
図17】
図17は、実施形態2に係る表示領域の画素と受光素子との配置関係を模式的に示す平面図である。
【
図20】
図20は、実施形態2に係る表示装置の主視角方向を説明するための説明図である。
【
図21】
図21は、実施形態2に係る表示装置の水平面内の視野角と輝度の分布との関係を説明するための説明図である。
【
図22】
図22は、実施形態2に係る検出素子の感度指向性を説明するための説明図である。
【
図23】
図23は、実施形態2に係る表示装置の水平面内の視野角と、検出素子の感度指向性との関係を説明するための模式図である。
【
図24】
図24は、実施形態2の変形例1に係る受光素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明を実施するための形態(実施形態1)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態1に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本実施形態において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示装置を模式的に示す斜視図である。
図2は、実施形態1に係る表示装置の断面を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、表示装置1は、光学センサ5と、表示パネル6と、透光性のカバー部材CBとを有する。表示パネル6には、偏光板PLが重ね合わされている。
【0012】
図2に示すように、光学センサ5は、表示パネル6の視認側とは反対側にあり、表示パネル6の表示領域DAに重ね合わされており、表示領域DAの周辺にある額縁領域BEには光学センサ5が重なっていない。これにより、光学センサ5は、表示パネル6から照射された光L1を利用して、被検出体Fgに関する情報を検出することができる。
【0013】
図2に示すように、光学センサ5は、基板21と、受光素子3と、導光部50とを備える。受光素子3は、被検出体Fgからの光L2を検出する。具体的には、表示パネル6の光L1が被検出体Fgに到達すると、光L1が被検出体Fgを透過又は反射して、光L2となり、光L2がカバー部材CB、偏光板PL、表示パネル6を透過する。光L2は、導光部50に入射する。光L2は、導光部50を通って受光素子3に入射する。これにより、光学センサ5は、光Lを検出することができる。被検出体Fgは、例えば指、手のひら、手首等である。例えば、光学センサ5は、光L2に基づいて、被検出体Fgの指紋等の情報を検出することができる。また、光学センサ5は、例えば血管の形、脈拍、脈波等、種々の情報(生体情報)を検出してもよい。
【0014】
導光部50は、光学フィルターであって、被検出体Fg等の被検出体で反射された光L2のうち、第3方向Dzに対して所定方向に傾斜した方向に進行する成分をフォトダイオード30に向けて透過させ、他の方向に進行する成分を減衰させる光学素子である。導光部50は、コリメートアパーチャ、あるいは、コリメータとも呼ばれる。導光部50は、受光素子3の被検出体Fg側に設けられ、受光素子3に対向している。導光部50は、複数の導光路51と、複数の導光路51の周囲に設けられた遮光部55と、を有する。
【0015】
実施形態1の表示パネル6は、例えば、有機ELディスプレイパネル(OLED:Organic Light Emitting Diode)である。表示パネル6は、例えば、無機ELディスプレイ(マイクロLED、ミニLED)であってもよい。或いは、表示パネル6は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)であってもよい。
【0016】
図3は、実施形態1に係る検出装置を模式的に示す平面図である。
図3に示すように、光学センサ5は、受光素子アレイ基板2(基板21)と、受光素子3と、走査線駆動回路15と、信号線選択回路16と、検出回路48と、制御回路102と、電源回路103と、を有する。
【0017】
基板21には、配線基板510を介して制御基板501が電気的に接続される。配線基板510は、例えば、フレキシブルプリント基板やリジット基板である。配線基板510には、検出回路48が設けられている。制御基板501には、制御回路102及び電源回路103が設けられている。制御回路102は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)である。制御回路102は、センサ部10、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16に制御信号を供給して、センサ部10の検出動作を制御する。電源回路103は、電源電位SVSや基準電位VR1(
図5参照)等の電圧信号をセンサ部10、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16に供給する。なお、本実施形態1においては、検出回路48が配線基板510に配置される場合を例示したがこれに限られない。検出回路48は、基板21の上に配置されても良い。
【0018】
基板21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AAは、センサ部10が有する複数の受光素子3が設けられる領域である。周辺領域GAは、検出領域AAの外側の領域であり、受光素子3が設けられない領域である。すなわち、周辺領域GAは、検出領域AAの外周と基板21の外縁部との間の領域である。
【0019】
センサ部10の複数の受光素子3は、それぞれ、センサ素子としてフォトダイオード30を有する光センサである。フォトダイオード30は、それぞれに照射される光に応じた電気信号を出力する。より具体的には、フォトダイオード30は、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードや有機半導体を用いたOPD(Organic Photodiode)である。受光素子3は、検出領域AAにマトリクス状に配列される。複数の受光素子3が有するフォトダイオード30は、走査線駆動回路15から供給されるゲート駆動信号に従って検出を行う。複数のフォトダイオード30は、それぞれに照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路16に出力する。表示装置1は、複数のフォトダイオード30からの検出信号Vdetに基づいて、被検出体Fgに関する情報を検出する。
【0020】
走査線駆動回路15及び信号線選択回路16は、周辺領域GAに設けられる。具体的には、走査線駆動回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。信号線選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路48との間に設けられる。
【0021】
なお、第1方向Dxは、基板21と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、基板21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。また、第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、基板21の法線方向である。
【0022】
図4は、実施形態1に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、表示装置1は、さらに検出制御回路11と検出部40と、を有する。検出制御回路11の機能の一部又は全部は、制御回路102に含まれる。また、検出部40のうち、検出回路48以外の機能の一部又は全部は、制御回路102に含まれる。
【0023】
検出制御回路11は、走査線駆動回路15、信号線選択回路16及び検出部40にそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御回路11は、スタート信号STV、クロック信号CK等の各種制御信号を走査線駆動回路15に供給する。また、検出制御回路11は、選択信号ASW等の各種制御信号を信号線選択回路16に供給する。
【0024】
走査線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて複数の走査線GLS(
図5参照)を駆動する回路である。走査線駆動回路15は、複数の走査線GLSを順次又は同時に選択し、選択された走査線GLSにゲート駆動信号VGLを供給する。これにより、走査線駆動回路15は、走査線GLSに接続された複数のフォトダイオード30を選択する。
【0025】
信号線選択回路16は、複数の出力信号線SLS(
図5参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路16は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路16は、検出制御回路11から供給される選択信号ASWに基づいて、選択された出力信号線SLSと検出回路48とを接続する。これにより、信号線選択回路16は、フォトダイオード30の検出信号Vdetを検出部40に出力する。
【0026】
検出部40は、検出回路48と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、記憶回路46と、検出タイミング制御回路47と、を備える。検出タイミング制御回路47は、検出制御回路11から供給される制御信号に基づいて、検出回路48と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、が同期して動作するように制御する。
【0027】
検出回路48は、例えばアナログフロントエンド回路(AFE、Analog Front End)である。検出回路48は、少なくとも検出信号増幅回路42及びA/D変換回路43の機能を有する信号処理回路である。検出信号増幅回路42は、検出信号Vdetを増幅する回路であり、例えば、積分回路である。A/D変換回路43は、検出信号増幅回路42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0028】
信号処理回路44は、検出回路48の出力信号に基づいて、センサ部10に入力された所定の物理量を検出する論理回路である。信号処理回路44は、被検出体Fgが検出面(カバー部材CB)に接触又は近接した場合に、検出回路48からの信号に基づいて被検出体Fgで反射した光に基づく情報を検出できる。また、信号処理回路44は、検出回路48からの信号に基づいて、例えば、指紋や、脈波、脈拍、血中酸素飽和度等の他の生体情報を抽出することもできる。
【0029】
記憶回路46は、信号処理回路44で演算された信号を一時的に保存する。記憶回路46は、例えばRAM(Random Access Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
【0030】
座標抽出回路45は、信号処理回路44において被検出体Fgの接触又は近接が検出されたときに、被検出体Fgの検出座標(例えば指の表面の凹凸の検出位置や、掌や手首の血管の検出位置)を求める論理回路である。座標抽出回路45は、センサ部10の各受光素子3から出力される検出信号Vdetを組み合わせて、指の表面の凹凸の形状や、血管像を示す二次元情報を生成する。なお、座標抽出回路45は、検出座標を算出せずにセンサ出力Voとして検出信号Vdetを出力してもよい。
【0031】
次に、光学センサ5の回路構成例について説明する。
図5は、光学センサ5の受光素子を示す回路図である。
図5に示すように、受光素子3は、フォトダイオード30と、容量素子Caと、第1トランジスタTrと、を含む。第1トランジスタTrは、フォトダイオード30に対応して設けられる。第1トランジスタTrは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT(Thin Film Transistor)で構成されている。第1トランジスタTrのゲートは走査線GLSに接続される。第1トランジスタTrのソースは出力信号線SLSに接続される。第1トランジスタTrのドレインは、フォトダイオード30のアノード及び容量素子Caに接続される。
【0032】
フォトダイオード30のカソードには、電源回路103から電源電位SVSが供給される。また、容量素子Caには、電源回路103から、容量素子Caの初期電位となる基準電位VR1が供給される。
【0033】
受光素子3に光が照射されると、フォトダイオード30には光量に応じた電流が流れ、これにより容量素子Caに電荷が蓄積される。第1トランジスタTrがオンになると、容量素子Caに蓄積された電荷に応じて、出力信号線SLSに電流が流れる。出力信号線SLSは、信号線選択回路16を介して検出回路48に接続される。これにより、表示装置1は、受光素子3ごとに、フォトダイオード30に照射される光の光量に応じた信号を検出できる。
【0034】
なお、
図5では1つの受光素子3を示しているが、走査線GLS及び出力信号線SLSは、複数の受光素子3に接続される。具体的には、走査線GLSは、第1方向Dx(
図2参照)に延在し、第1方向Dxに配列された複数の受光素子3と接続される。また、出力信号線SLSは、第2方向Dyに延在し、第2方向Dyに配列された複数の受光素子3に接続される。
【0035】
なお、第1トランジスタTrは、n型TFTに限定されず、p型TFTで構成されてもよい。また、受光素子3において、1つのフォトダイオード30に対応して、複数のトランジスタが設けられていてもよい。
【0036】
次に、表示装置1の詳細な構成について説明する。
図6は、実施形態1に係る検出装置の受光素子を模式的に示す平面図である。
図6に示すように、受光素子3は、走査線GLSと、出力信号線SLSとで囲まれた領域である。本実施形態1では、走査線GLSは、第1走査線GLAと第2走査線GLBとを含む。第1走査線GLAは、第2走査線GLBと重なって設けられる。第1走査線GLAと第2走査線GLBとは、絶縁層22c、22d(
図7参照)を介して異なる層に設けられている。第1走査線GLAと第2走査線GLBとは、任意の箇所で電気的に接続され、同じ電位を有するゲート駆動信号VGLが供給される。第1走査線GLA及び第2走査線GLBの少なくとも一方が、走査線駆動回路15に接続される。なお、
図6では、第1走査線GLAと第2走査線GLBとは異なる幅を有しているが、同じ幅であってもよい。
【0037】
フォトダイオード30は、走査線GLSと、出力信号線SLSとで囲まれた領域に設けられる。フォトダイオード30は、半導体層31と、上部電極34と、下部電極35とを含む。フォトダイオード30は、例えば、PINフォトダイオードである。
【0038】
上部電極34は、接続配線36を介して電源信号線Lvsと接続される。電源信号線Lvsは、電源電位SVSをフォトダイオード30に供給する配線である。本実施形態1では、電源信号線Lvsは、出力信号線SLSと重なって第2方向Dyに延在する。第2方向Dyに配列された複数の受光素子3は、共通の電源信号線Lvsに接続される。このような構成により、受光素子3の開口を大きくすることができる。下部電極35、半導体層31及び上部電極34は、平面視で略四角形状である。ただし、これに限定されず、下部電極35、半導体層31及び上部電極34の形状は適宜変更できる。
【0039】
第1トランジスタTrは、走査線GLSと出力信号線SLSとの交差部の近傍に設けられる。第1トランジスタTrは、半導体層61、ソース電極62、ドレイン電極63、第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bを含む。
【0040】
半導体層61は、酸化物半導体である。より好ましくは、半導体層61は、酸化物半導体のうち透明アモルファス酸化物半導体(TAOS:Transparent Amorphous Oxide Semiconductor)である。第1トランジスタTrに酸化物半導体を用いることにより、第1トランジスタTrのリーク電流を抑制できる。すなわち、第1トランジスタTrは、非選択の受光素子3からのリーク電流を低減できる。このため、表示装置1は、S/N比を向上させることができる。ただし、半導体層61は、これに限定されず、微結晶酸化物半導体、アモルファス酸化物半導体、ポリシリコン、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Polycrystalline Silicone)等であってもよい。
【0041】
半導体層61は、第1方向Dxに沿って設けられ、平面視で第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bと交差する。第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bは、それぞれ第1走査線GLA及び第2走査線GLBから分岐して設けられる。言い換えると、第1走査線GLA及び第2走査線GLBのうち、半導体層61と重なる部分が第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bとして機能する。第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bは、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金が用いられる。また、半導体層61の、第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bと重なる部分にチャネル領域が形成される。
【0042】
半導体層61の一端は、コンタクトホールH1を介してソース電極62と接続される。半導体層61の他端は、コンタクトホールH2を介してドレイン電極63と接続される。出力信号線SLSのうち、半導体層61と重なる部分がソース電極62である。また、第3導電層67のうち、半導体層61と重なる部分がドレイン電極63として機能する。第3導電層67はコンタクトホールH3を介して下部電極35と接続される。このような構成により、第1トランジスタTrは、フォトダイオード30と出力信号線SLSとの間の接続と遮断とを切り換え可能になっている。
【0043】
なお、受光素子3(フォトダイオード30)の第1方向Dxでの配置ピッチは、出力信号線SLSの第1方向Dxでの配置ピッチで規定される。また、受光素子3(フォトダイオード30)の第2方向Dyでの配置ピッチは、走査線GLSの第2方向Dyでの配置ピッチで規定される。
【0044】
次に光学センサ5の層構成について説明する。
図7は、
図6のVII-VII’断面図である。
図7では、検出領域AA(
図3参照)の層構造と周辺領域GA(
図3参照)の層構造との関係を示すために、VII-VII’線に沿う断面と、周辺領域GAの第2トランジスタTrGを含む部分の断面とを、模式的に繋げて示している。さらに、
図7では、周辺領域GAの端子部72を含む部分の断面を模式的に繋げて示している。
【0045】
なお、光学センサ5の説明において、基板21の表面に垂直な方向(第3方向Dz)において、基板21からフォトダイオード30に向かう方向を「上側」又は「上」とする。フォトダイオード30から基板21に向かう方向を「下側」又は「下」とする。また、「平面視」とは、基板21の表面に垂直な方向から見た場合の位置関係を示す。
【0046】
図7に示すように、基板21は絶縁基板であり、例えば、石英、無アルカリガラス等のガラス基板が用いられる。基板21の一方の面に、第1トランジスタTr、各種配線(走査線GLS及び出力信号線SLS)及び絶縁層が設けられて受光素子アレイ基板2が形成される。フォトダイオード30は、受光素子アレイ基板2の上、すなわち、基板21の一方の面側に配列される。なお、基板21は、ポリイミド等の樹脂で構成された樹脂基板又は樹脂フィルムであってもよい。
【0047】
絶縁層22a、22bは、基板21の上に設けられる。絶縁層22a、22b、22c、22d、22e、22f、22gは、無機絶縁膜であり、例えば、酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiN)等である。また、各無機絶縁層は、単層に限定されず積層膜であってもよい。
【0048】
第1ゲート電極64Aは、絶縁層22bの上に設けられる。絶縁層22cは、第1ゲート電極64Aを覆って絶縁層22bの上に設けられる。半導体層61、第1導電層65及び第2導電層66は、絶縁層22cの上に設けられる。第1導電層65は、半導体層61のうちソース電極62と接続される端部を覆って設けられる。第2導電層66は、半導体層61のうちドレイン電極63と接続される端部を覆って設けられる。
【0049】
絶縁層22dは、半導体層61、第1導電層65及び第2導電層66を覆って絶縁層22cの上に設けられる。第2ゲート電極64Bは、絶縁層22dの上に設けられる。半導体層61は、基板21に垂直な方向において、第1ゲート電極64Aと第2ゲート電極64Bとの間に設けられる。つまり、第1トランジスタTrは、いわゆるデュアルゲート構造である。ただし、第1トランジスタTrは、第1ゲート電極64Aが設けられ、第2ゲート電極64Bが設けられないボトムゲート構造でもよく、第1ゲート電極64Aが設けられず、第2ゲート電極64Bのみが設けられるトップゲート構造でもよい。
【0050】
絶縁層22eは、第2ゲート電極64Bを覆って絶縁層22dの上に設けられる。ソース電極62(出力信号線SLS)及びドレイン電極63(第3導電層67)は、絶縁層22eの上に設けられる。本実施形態1では、ドレイン電極63は、絶縁層22d、22eを介して半導体層61の上に設けられた第3導電層67である。ソース電極62は、コンタクトホールH1及び第1導電層65を介して半導体層61と電気的に接続される。ドレイン電極63は、コンタクトホールH2及び第2導電層66を介して半導体層61と電気的に接続される。
【0051】
第3導電層67は、平面視で、フォトダイオード30と重なる領域に設けられる。第3導電層67は、半導体層61、第1ゲート電極64A及び第2ゲート電極64Bの上側にも設けられる。つまり、第3導電層67は、基板21に垂直な方向において、第2ゲート電極64Bと下部電極35との間に設けられる。これにより、第3導電層67は、第1トランジスタTrを保護する保護層としての機能を有する。
【0052】
第2導電層66は、半導体層61と重ならない領域において、第3導電層67と対向して延在する。また、半導体層61と重ならない領域において、絶縁層22dの上に第4導電層68が設けられる。第4導電層68は、第2導電層66と第3導電層67との間に設けられる。これにより、第2導電層66と第4導電層68との間に容量が形成され、第3導電層67と第4導電層68との間に容量が形成される。第2導電層66、第3導電層67及び第4導電層68により形成される容量は、
図5に示す容量素子Caの容量である。
【0053】
第1有機絶縁層23aは、ソース電極62(出力信号線SLS)及びドレイン電極63(第3導電層67)を覆って、絶縁層22eの上に設けられる。第1有機絶縁層23aは、第1トランジスタTrや、各種導電層で形成される凹凸を平坦化する平坦化層である。
【0054】
次に、フォトダイオード30の断面構成について説明する。フォトダイオード30は、受光素子アレイ基板2の第1有機絶縁層23aの上に、下部電極35、半導体層31、上部電極34の順に積層される。受光素子アレイ基板2は、所定の検出領域ごとにセンサを駆動する駆動回路基板である。受光素子アレイ基板2は、基板21と、基板21に設けられた第1トランジスタTr、第2トランジスタTrG及び各種配線等を有する。
【0055】
下部電極35は、第1有機絶縁層23aの上に設けられ、コンタクトホールH3を介して第3導電層67と電気的に接続される。下部電極35は、フォトダイオード30のアノードであり、検出信号Vdetを読み出すための電極である。下部電極35は、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等の金属材料が用いられる。又は、下部電極35は、これらの金属材料が複数積層された積層膜であってもよい。下部電極35は、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透光性を有する導電材料であってもよい。
【0056】
半導体層31は、アモルファスシリコン(a-Si)である。半導体層31は、i型半導体層32a、n型半導体層32b及びp型半導体層32cを含む。i型半導体層32a、n型半導体層32b及びp型半導体層32cは、光電変換素子の一具体例である。
図7では、基板21の表面に垂直な方向において、p型半導体層32c、i型半導体層32a及びn型半導体層32bの順に積層されている。ただし、反対の構成、つまり、n型半導体層32b、i型半導体層32a及びp型半導体層32cの順に積層されていてもよい。また半導体層31は、有機半導体からなる光電変換素子であってもよい。
【0057】
n型半導体層32bは、a-Siに不純物がドープされてn+領域を形成する。p型半導体層32cは、a-Siに不純物がドープされてp+領域を形成する。i型半導体層32aは、例えば、ノンドープの真性半導体であり、n型半導体層32b及びp型半導体層32cよりも低い導電性を有する。
【0058】
上部電極34は、フォトダイオード30のカソードであり、電源電位SVSを光電変換層に供給するための電極である。上部電極34は、例えばITO等の透光性導電層であり、フォトダイオード30ごとに複数設けられる。
【0059】
第1有機絶縁層23aの上に絶縁層22f及び絶縁層22gが設けられている。絶縁層22fは、上部電極34の周縁部を覆い、上部電極34と重なる位置に開口が設けられている。接続配線36は、上部電極34のうち、絶縁層22fが設けられていない部分で上部電極34と接続される。絶縁層22gは、上部電極34及び接続配線36を覆って絶縁層22fの上に設けられる。絶縁層22gの上に平坦化層である第2有機絶縁層23bが設けられる。また、有機半導体のフォトダイオードの場合には、さらにその上に絶縁層22hが設けられる場合がある。
【0060】
周辺領域GAには、走査線駆動回路15の第2トランジスタTrGが設けられている。第2トランジスタTrGは、第1トランジスタTrと同一の基板21に設けられる。第2トランジスタTrGは、半導体層81、ソース電極82、ドレイン電極83及びゲート電極84を含む。
【0061】
半導体層81は、ポリシリコンである。より好ましくは、半導体層81は、低温ポリシリコン(LTPS)である。半導体層81は、絶縁層22aの上に設けられる。つまり、第1トランジスタTrの半導体層61は、基板21に垂直な方向において、第2トランジスタTrGの半導体層81よりも基板21から離れた位置に設けられる。ただし、これに限定されず、半導体層81は、半導体層61と同層に、同じ材料で形成されていてもよい。
【0062】
ゲート電極84は、絶縁層22bを介して半導体層81の上側に設けられる。ゲート電極84は、第1ゲート電極64Aと同層に設けられる。第2トランジスタTrGは、いわゆるトップゲート構造である。ただし、第2トランジスタTrGは、デュアルゲート構造でもよく、ボトムゲート構造でもよい。
【0063】
ソース電極82及びドレイン電極83は、絶縁層22eの上に設けられる。ソース電極82及びドレイン電極83は、第1トランジスタTrのソース電極62及びドレイン電極63と同層に設けられる。コンタクトホールH4、H5は、絶縁層22bから絶縁層22eを貫通して設けられる。ソース電極82は、コンタクトホールH4を介して半導体層81と電気的に接続される。ドレイン電極83は、コンタクトホールH5を介して半導体層81と電気的に接続される。
【0064】
端子部72は、周辺領域GAのうち、走査線駆動回路15が設けられた領域とは異なる位置に設けられる。端子部72は、第1端子導電層73、第2端子導電層74、第3端子導電層75及び第4端子導電層76を有する。第1端子導電層73は、第1ゲート電極64Aと同層に、絶縁層22bの上に設けられる。コンタクトホールH6は、絶縁層22c、22d、22e及び第1有機絶縁層23aを連通して設けられる。
【0065】
第2端子導電層74、第3端子導電層75及び第4端子導電層76は、コンタクトホールH6内に、この順で積層され、第1端子導電層73と電気的に接続される。第2端子導電層74は、第3導電層67等と同じ材料を用い、同じ工程で形成できる。また、第3端子導電層75は、下部電極35と同じ材料を用い、同じ工程で形成できる。第4端子導電層76は、接続配線36及び電源信号線Lvs(
図6参照)と同じ材料を用い、同じ工程で形成できる。
【0066】
なお、
図7では1つの端子部72を示しているが、端子部72は間隔を有して複数配列される。複数の端子部72は、例えばACF(Anisotropic Conductive Film)等により、配線基板510(
図2参照)と電気的に接続される。
【0067】
光学センサ5は、フォトダイオード30で光L2を検出可能であれば、以上説明した構造に限られない。また、光学センサ5は、フォトダイオード30で光L2を受光して情報を検出するものであれば、指紋の情報以外を検出するものであってもよい。
【0068】
図8は、実施形態1に係る表示領域の画素と受光素子との配置関係を模式的に示す平面図である。
図9は、実施形態1に係る導光路の第1開口と第2開口との配置関係を模式的に示す平面図である。
図10は、実施形態1に係る導光路の第1開口と第2開口との配置関係を模式的に示す断面図である。
【0069】
図8は、表示パネル6の表示領域DAの一部を第3方向Dz(カバー部材CB側)から見た部分拡大平面図であり、平面視で画素PIXに対する、導光路51の第2開口51aの位置が点線で示されている。
図9は、平面視では
図8に示す範囲と対応する範囲であって、
図10に示す導光部50の導光路51の第1開口51bがある第1面を示している。実施形態1では、第1開口51bと第2開口51aとは、平面視で同じ面積を有している。
【0070】
画素PIXは、副画素SPX-R、SPX-G、SPX-Bが含まれる。副画素SPX-R、SPX-G、SPX-Bに、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色領域が1組として対応付けられる。表示パネル6は、有機ELディスプレイパネルであるので、副画素SPX-R、SPX-G、SPX-Bには、赤(R)、緑(G)、青(B)の有機発光層がある画素電極を有する。以下、副画素SPX-R、SPX-G、SPX-Bの色を区別しない場合、副画素SPXという。副画素SPXは、それぞれスイッチング素子Trrを備えている。画素信号線SLは、第2方向Dyに延在する。画素信号線SLは、各画素電極に画素信号を供給するための配線である。走査線GLは、第1方向Dxに延在する。走査線GLは、各スイッチング素子Trrを駆動する駆動信号(走査信号)を供給するための配線である。
【0071】
図8においては、導光路51の第2開口51aは副画素SPXに重ならない位置に設けられているが、この例に限らず、第2開口51aは1つ以上の副画素SPXに重なる領域に設けられるものであっても良い。
【0072】
図10に示すように、導光部50は、複数の導光路51と、遮光部55と、を有する。複数の導光路51は、第1方向Dx及び第2方向Dyに配列されマトリクス状に設けられる。複数の導光路51は、それぞれ、光L2(
図2参照)を透過可能である。遮光部55の光L2の吸収率は、複数の導光路51の光L2の吸収率よりも高い。言い換えると、複数の導光路51の光L2の透過率は、遮光部55の光L2の透過率より高い。
【0073】
遮光部55は、複数の導光路51の周囲に設けられ、光Lを透過しにくい部材で構成される。遮光部55の光の吸収率は、99%以上100%以下であることが好ましく、100%であることがより好ましい。ここでの光の吸収率とは、入射光Linの強度に対する、入射光Linの強度と出射光Loutの強度との差分の比率((Lin-Lout)/Lin)を指す。
【0074】
図10に示す複数の導光路51の第2開口51aは、受光素子3に光Lを出射する第2面にある。
図9に示すように、第2開口51aのそれぞれは、第1方向Dxに、第1開口51bとずれて配置される。導複数の導光路51の第1開口51bは、受光素子3の受光素子3と重なって設けられ、光L2を精度良く受光素子3に出射できる。
【0075】
図8に示すように、導光部50は、第2開口51aがある面と、第2開口51aがある面と反対側の第1開口51bがある面とを有する。
図9に示すように、導光部50の第1開口51bは、受光素子3と対向する。第2開口51aは、副画素SPXとは重ならない位置に配置されている。
図9に示すように、第1開口51b及びフォトダイオード30は、副画素SPXとは重なる位置に配置されている。ただし、第2開口51aも副画素SPXに重なる位置に設けられるものであっても良い。
【0076】
複数の導光路51は、導光柱とも呼ばれ、それぞれ第1開口51bのある第1面から第2開口51aのある第2面まで、第3方向Dzに対して角度θだけ傾いて延在する。つまり、複数の導光路51の第2開口51aは、導光部50の第1開口51bよりも第1方向Dxにずれている。これにより、受光素子3に到達する外光Lsが抑制されるので、SN比の低下が抑制される。
【0077】
図11は、比較例に係る導光路の第1開口と第2開口との配置関係を模式的に示す断面図である。比較例の導光路51は、第3方向Dzに対して平行である。比較例に係る導光路では、表示パネル6から発光されて被検出体Fgで反射した光L2とともに他の外光Lsが、受光素子3に到達しやすい。これに対して、実施形態1では、第3方向Dzからみて、受光素子3のフォトダイオード30に最も近い導光路51の第1開口51bは、受光素子3のフォトダイオード30と重畳しており、受光素子3のフォトダイオード30に最も遠い導光路51の第2開口51aは、第1開口51bと非重畳である。これにより、例えば、屋外で使用する際の太陽光などの外光Lsがあっても受光素子3に到達しにくい。その結果、フォトダイオード30のノイズが低減され、センシング感度が向上する。
【0078】
図12Aから
図12Dは、表示装置の動作を説明するための平面図である。
図12Aに示す表示装置1は、被検出体Fgの検出領域G1を表示する。これにより、
図12Bに示すように、被検出体Fgが検出領域G1に誘導される。ここで、仮に、
図2に示す表示領域DAの全面が発光させると、カバー部材CBと空気の界面で生じる反射光の量が多くなり、カバー部材CB内を伝播する迷光が増え、迷光が検出領域G1へ到達しやすくなる。
【0079】
そこで、
図12Cに示すように、表示装置1は、表示パネル6の発光領域G2を部分的に発光させる。
図12Dに示すように、表示パネル6の発光領域G2の面積重心C2は、検出領域G1の面積重心C1よりもずれた位置が発光される。これにより、表示パネル6の発光領域G2と検出領域G1とずれているので、迷光の光量が減り、迷光が検出領域G1に到達しにくい。その結果、検出領域G1で検出される迷光のノイズが低減する。
【0080】
面積重心C2が面積重心C1に対してずれる方向は、第1開口51bに対して第2開口51aがずれる方向である。本実施形態1の導光路51では、第2開口51aは、導光部50の第1開口51bよりも第1方向Dxにずれているので、表示パネル6の発光領域G2の発光に応じて被検出体Fgに反射した光が受光素子3に入射しやすくなる。その結果、受光素子3が受ける信号強度が大きくなり、SN比が改善される。
【0081】
言い換えると、表示パネル6の法線方向(第3方向Dz)からみて、受光素子3と重畳する検出領域G1と、被検出体Fgからの反射光を受光素子3へ検出させるために、表示パネル6の表示領域の一部の発光領域G2を発光させる。ここで、表示パネル6の第3方向Dzを視認側からみて、発光領域G2の面積重心C2が検出領域G1の面積重心C1に対してずれる方向は、導光路51が傾斜する方向である。
【0082】
(実施形態1の変形例1)
図13は、実施形態1の変形例1に係る導光経路の形状を模式的に示す平面図である。実施形態1と同じ構造については、同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。変形例1において、第1方向Dx及び第2方向Dyの仮想平面で切った、導光路51の断面は、楕円である。このため、第2開口51a及び第1開口51bも楕円である。楕円の長軸の方向は、第1方向Dxであり、第1開口51bに対して第2開口51aがずれる方向に沿う。これにより、フォトダイオード30へ投影される射影の形状が円に近くなる。その結果、フォトダイオード30の検出精度が向上する。
【0083】
(実施形態1の変形例2)
図14は、実施形態1の変形例2に係る導光経路の断面形状を模式的に示す断面図である。実施形態1と同じ構造については、同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。導光部50は、複数の導光路51と、遮光部55Aと、遮光部55Bと、遮光部55Cとを有する。遮光部55A、遮光部55B及び遮光部55Cは、第3方向Dzに積層されている。そして、遮光部55A、遮光部55B及び遮光部55Cをそれぞれ第3方向Dzにみると、
図13と同様に、ピンホールとなっている導光路51が楕円となっている。この楕円の長軸の方向は、第1方向Dxであり、第1開口51bに対して第2開口51aがずれる方向に沿う。
【0084】
(実施形態1の変形例3)
図15は、実施形態1の変形例3に係る導光経路の断面形状を模式的に示す断面図である。実施形態1及び実施形態1の変形例2と同じ構造については、同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0085】
実施形態1の変形例3では、導光路51の第2開口51aの上面を覆う集光レンズ55Zがある。これにより、フォトダイオード30へ投影される光Lの集光焦点が精度よく設定される。
【0086】
(実施形態2)
図16は、実施形態2に係る表示装置を模式的に示す斜視図である。
図16に示すように、表示装置1は、光学センサ5が内蔵された表示パネル6と、透光性のカバー部材CBと、調光パネルVCと、バックライトBLとを有する。表示パネル6は、液晶表示パネルであり、表示パネル6とバックライトBLとの間には、調光パネルVCが重ね合わされている。調光パネルVCは、視野角制御装置CTの制御に基づいて、表示パネル6の視野角を制御する。カバー部材CBは、表示パネル6の視認側に重ね合わされている。
【0087】
図17は、実施形態2に係る表示領域の画素と受光素子との配置関係を模式的に示す平面図である。
図18は、
図17に示すXVIII-XVIIIの断面図である。
図18において、
図16に示す透光性のカバー部材CBは、省略されている。
図17に示すように、表示パネル6の表示領域DAの一部を第3方向Dz(カバー部材CB側)から見た部分拡大平面図であり、平面視で画素PIXに対する、導光路51の第1開口51b及び第2開口51aの位置が点線で示されている。フォトダイオード30は、画素PIX内にそれぞれ配置されている。フォトダイオード30は、表示パネル6から照射された光を利用して、被検出体Fgに関する情報を検出することができる。受光素子3及び導光部50は、表示パネル6の内部に設けられる。
【0088】
図18に示すように、表示パネル6の液晶層LCは、アレイ基板SUB1と対向基板SUB2との間に設けられる。アレイ基板SUB1は、基体として第1基板110を有する。対向基板SUB2は、基体として第2基板120を有する。第1基板110及び第2基板120は、例えばガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する材料で形成される。
【0089】
図18に示すように、対向基板SUB2は、アレイ基板SUB1の表面に垂直な方向に対向して配置される。液晶層LCは、アレイ基板SUB1と対向基板SUB2との間に設けられる。アレイ基板SUB1は、基体として第1基板110を有する。対向基板SUB2は、基体として第2基板120を有する。第1基板110及び第2基板120は、例えばガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する材料で形成される。
【0090】
アレイ基板SUB1は、第1基板110の対向基板SUB2と対向する側に、第1絶縁膜111、第2絶縁膜112、第3絶縁膜113、第4絶縁膜114、第5絶縁膜115、画素信号線SL、画素電極PE、共通電極DE、第1配向膜AL1等を備えている。
【0091】
なお、第1基板110に垂直な方向において、第1基板110から第2基板120に向かう方向を「上側」又は単に「上」とする。また、第2基板120から第1基板110に向かう方向を「下側」又は単に「下」とする。
【0092】
第1絶縁膜111は、第1基板110の上に設けられる。第2絶縁膜112は、第1絶縁膜111の上に設けられる。第3絶縁膜113は、第2絶縁膜112の上に設けられる。画素信号線SLは、第3絶縁膜113の上に設けられる。第4絶縁膜114は、第3絶縁膜113の上に設けられ、画素信号線SLを覆っている。なお、
図3では図示されないが、走査線は、例えば第2絶縁膜112の上に設けられる。
【0093】
共通電極DEは、第4絶縁膜114の上に設けられる。共通電極DEは、表示領域DAに亘って連続して設けられている。ただし、これに限定されず、共通電極DEはスリットが設けられ、複数に分割されていてもよい。共通電極DEは、第5絶縁膜115によって覆われている。
【0094】
画素電極PEは、第5絶縁膜115の上に設けられ、第5絶縁膜115を介して共通電極DEと対向している。画素電極PE及び共通電極DEは、例えば、ITOやIZOなどの透光性を有する導電材料によって形成されている。画素電極PE及び第5絶縁膜115は、第1配向膜AL1によって覆われている。
【0095】
第1絶縁膜111、第2絶縁膜112、第3絶縁膜113及び第5絶縁膜115は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの透光性を有する無機系材料によって形成されている。第4絶縁膜114は、透光性を有する樹脂材料によって形成され、無機系材料によって形成された他の絶縁膜と比べて厚い膜厚を有している。
【0096】
対向基板SUB2は、第2基板120のアレイ基板SUB1と対向する側に、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。対向基板SUB2は、第2基板120のアレイ基板SUB1と反対側に導電層121を備えている。
【0097】
表示領域DAにおいて、遮光層BMは、第2基板120のアレイ基板SUB1と対向する側に位置している。そして、遮光層BMは、画素電極PEとそれぞれ対向する開口部を規定している。画素電極PEは、画素PXの開口部ごとに区画されている。遮光層BMは、黒色の樹脂材料や、遮光性の金属材料によって形成されている。
【0098】
カラーフィルタCFR、CFG、CFBのそれぞれは、第2基板120のアレイ基板SUB1と対向する側に位置し、それぞれの端部が遮光層BMに重なっている。一例では、カラーフィルタCFR、CFG、CFBは、それぞれ赤色、緑色、青色に着色された樹脂材料によって形成されている。
【0099】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBを覆っている。オーバーコート層OCは、透光性を有する樹脂材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0100】
導電層121は、第2基板120の上に設けられる。導電層121は、例えばITO等の透光性の導電性材料である。外部から印加される静電気や、第2偏光板PL2に帯電した静電気は、導電層121を流れる。表示パネル6は、静電気を短時間に除去することができ、表示層である液晶層LCに加えられる静電気を低減することができる。これにより、表示パネル6は、ESD耐性を向上させることができる。
【0101】
第1偏光板PL1は、第1基板110の外面と対向する面に配置される。第2偏光板PL2は、第2基板120の外面、あるいは、観察位置側の面に配置される。第1偏光板PL1の第1偏光軸及び第2偏光板PL2の第2偏光軸は、例えばDx-Dy平面においてクロスニコルの位置関係にある。なお、表示パネル6は、第1偏光板PL1及び第2偏光板PL2に加え、位相差板などの他の光学機能素子を含んでいてもよい。
【0102】
アレイ基板SUB1及び対向基板SUB2は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が向かい合うように配置されている。液晶層LCは、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に封入されている。液晶層LCは、誘電率異方性が負のネガ型液晶材料、あるいは、誘電率異方性が正のポジ型液晶材料によって構成されている。
【0103】
例えば、液晶層LCがネガ型液晶材料である場合であって、液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、液晶分子LMは、Dx-Dy平面内において、その長軸が第1方向Dxに沿う方向に初期配向している。一方、液晶層LCに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと共通電極DEとの間に電界が形成されたオン時において、液晶分子LMは、電界の影響を受けてその配向状態が変化する。オン時において、入射した直線偏光は、その偏光状態が液晶層LCを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。
【0104】
アレイ基板SUB1には、
図17に示す各副画素SPXのスイッチング素子Trr、画素信号線SL、走査線GL等が形成されている。画素信号線SLは、第2方向Dyに延在する。画素信号線SLは、各画素電極PE(
図18参照)に画素信号を供給するための配線である。走査線GLは、第1方向Dxに延在する。走査線GLは、各スイッチング素子Trrを駆動する駆動信号(走査信号)を供給するための配線である。
【0105】
画素PIXは、複数の副画素SPXが含まれる。副画素SPXは、それぞれスイッチング素子Trrを備えている。スイッチング素子Trrは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。
図18に示す画素電極PEと共通電極DEとの間に第5絶縁膜115が設けられ、これらによって保持容量が形成される。
【0106】
図18に示すカラーフィルタCFR、CFG、CFBは、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色された色領域が周期的に配列されている。各副画素SPX-R、SPX-G、SPX-Bに、R、G、Bの3色の色領域が1組として対応付けられる。そして、3色の色領域に対応する副画素SPXを1組として画素PIXが構成される。つまり、表示パネル6は、赤色を表示する副画素SPX-Rと、緑色を表示する副画素SPX-Gと、青色を表示する副画素SPX-Bと、を含む。なお、カラーフィルタは、4色以上の色領域を含んでいてもよい。この場合、画素PIXは、4つ以上の副画素SPXを含んでいてもよい。
【0107】
図18に示すように、調光パネルVCは、表示パネル6と、バックライトBLとの間に挟まれている。以下、調光パネルVCの具体的な構造について、説明する。
【0108】
図18に示すように、調光パネルVCの液晶層LCは、第3基板150と第4基板160との間に設けられる。調光パネルVCの液晶層LCは、縦電界モードであり、例えば、TN(Twisted Nematic:ツイステッドネマティック)の液晶である。調光パネルVCの液晶層LCは、VA(Virtical Alignment:垂直配向)、ECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)等の各種モードの液晶を用いてもよい。第3基板150及び第4基板160は、例えばガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する材料で形成される。
【0109】
第3基板150の第4基板160と対向する側に、第1電極151、第3配向膜AL11を備えている。第1電極151は、例えば、ITOやIZOなどの透光性を有する導電材料によって形成されている。第1電極151は、第3配向膜AL11によって覆われている。
【0110】
第4基板160の第3基板150と対向する側に、第2電極161、第4配向膜AL12を備えている。第2電極161は、例えば、ITOやIZOなどの透光性を有する導電材料によって形成されている。第2電極161は、第4配向膜AL12によって覆われている。
【0111】
第1電極151と第2電極161との間の電界は、
図16に示す視野角制御装置で制御される。
図16に示す視野角制御装置は、例えば、第3方向Dzに平行な方向から、第3方向Dzに対して角度θだけ第1方向Dxに主視角方向FVCを傾けることができる。
【0112】
第3偏光板PL11は、第3基板150の外面と対向する面に配置される。第4偏光板PL12は、第4基板160の外面、あるいは、観察位置側の面に配置される。第3偏光板PL11の偏光軸及び第4偏光板PL12の第2偏光軸は、例えばDx-Dy平面においてクロスニコルの位置関係にある。なお、調光パネルVCは、第3偏光板PL11及び第4偏光板PL12に加え、位相差板などの他の光学機能素子を含んでいてもよい。
【0113】
図19は、
図17に示すXIX-XIXの断面図である。
図19において、
図16に示す透光性のカバー部材CB、調光パネルVC及びバックライトBLは、省略されている。
図17に示すように、導光路51の第2開口51aは、平面視で、各副画素SPX-R、SPX-G、SPX-Bとは重ならない位置に配置されている。
【0114】
アレイ基板SUB1には、受光素子3が内蔵される。受光素子3を駆動する第1トランジスタTrは、半導体層61、ソース電極62、ドレイン電極63、ゲート電極64及び遮光層69を含む。遮光層69は、バックライトBLからの光を遮光する金属層である。フォトダイオード30の上部は、接続配線36を介して電源信号線Lvs(
図5)と接続される。
【0115】
遮光層69は、第1基板110の上に設けられる。第1絶縁膜111は、遮光層69を覆って第1基板110の上に設けられる。半導体層61は、第1絶縁膜111の上に設けられる。第2絶縁膜112は、半導体層61を覆って第1絶縁膜111の上に設けられる。ゲート電極64は、第2絶縁膜112の上に設けられる。
【0116】
第3絶縁膜113は、ゲート電極64を覆って第2絶縁膜112の上に設けられる。ソース電極62(出力信号線SLS)及びドレイン電極63(第3導電層67)は、第3絶縁膜113の上に設けられる。本実施形態2では、ドレイン電極63は、第2絶縁膜112、第3絶縁膜113を貫通するスルーホールを介して半導体層61と電気的に接続される。ソース電極62は、コンタクトホール内の第1導電層65を介して半導体層61と電気的に接続される。
【0117】
絶縁層141は、ソース電極62(出力信号線SLS)及びドレイン電極63を覆って、第3絶縁膜113の上に設けられる。
【0118】
フォトダイオード30は、絶縁層141の上に形成される。フォトダイオード30の下部は、コンタクトホールを介してドレイン電極63と電気的に接続される。
【0119】
絶縁層142は、フォトダイオード30を覆い、絶縁層141の上に設けられている。ソース電極62は、絶縁層142の上に設けられている。絶縁層143は、ソース電極62を覆って絶縁層142の上に形成される。絶縁層144は、接続配線36を覆って絶縁層144の上に形成される。上述した第4絶縁膜114は、絶縁層141、142、143及び144を含む。
【0120】
図19に示すように、対向基板SUB2には、導光部50がある。
図19に示す導光部50は、
図18に示す、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFBと同層に形成されている。導光部50は、導光路51と、遮光部55と、を有する。導光路51は、それぞれ、光L2(
図2参照)を透過可能である。遮光部55は、遮光層BMと同じ材料で形成されている。
【0121】
第1開口51bがある第1面には、赤外線低減層59が形成されている。赤外線低減層59は、光L2(
図2参照)のうち赤外線が低減され、可視光が低減されにくい光フィルターである。赤外線低減層59によれば、フォトダイオード30が赤外線の影響を受けにくくなる。赤外線低減層59は、なくてもよい。
【0122】
図17及び
図19に示すように、導光路51は、導光柱と呼ばれ、それぞれ第1開口51bのある第1面から第2開口51aのある第2面まで、第3方向Dzに対して角度θだけ傾いて延在する。つまり、複数の導光路51の第2開口51aは、導光部50の第1開口51bよりも第1方向Dxにずれている。これにより、液晶層LCを伝播する迷光が導光部50を通じて視認されにくくなり、表示パネル6の黒浮きが抑制され、表示品位が向上する。
【0123】
図20は、実施形態2に係る表示装置の主視角方向を説明するための説明図である。実施形態2の表示装置1が車に搭載された場合、運転席及び助手席の両方で表示装置1が視認される第1モードと、助手席のみで表示装置1が視認される第2モードとを切り替えることができる。
図20に示すように、第2モードでは、助手席からは画面を見ることができる一方で、運転席からは画面を見ることができないように、主視角方向FVCが制御される。
【0124】
図21は、実施形態2に係る表示装置の水平面内の視野角と輝度の分布との関係を説明するための説明図である。
図21では、横軸が水平面内の視野角であり、縦軸が輝度である。
図20に示す表示装置1において、
図21に示すように輝度SLuの分布が最大となる主視角θ1を持つ方向を主視角方向FVCとする。
【0125】
図22は、実施形態2に係る検出素子の感度指向性を説明するための説明図である。
図23は、実施形態2に係る表示装置の水平面内の視野角と、検出素子の感度指向性との関係を説明するための模式図である。なお、
図23において、光学センサ5は、表示パネル6と分けて記載するために、表示パネル6の裏面側にあるが、実際には、光学センサ5は、表示パネル6に内蔵されている。
図22では、横軸が水平面内の角度であり、縦軸が受光素子3の感度である。
図22のように、受光素子3の感度Stuのピークを主視角方向FVCの方向とは逆にずらしている。
【0126】
表示装置1(
図20参照)が操作され、
図23に示すように、被検出体Fgが表示装置1の第3方向Dzにある場合、表示パネルから照射される光は、主視角方向FVCに輝度のピークを有する。表示パネルから照射される光は、被検出体Fgに入射すると、入射角に対応する反射角で反射光が反射される。このため、受光素子3の感度Stuのピークを主視角方向FVCの方向とは逆にずらすことにより、導光部50を通過して受光素子3に到達する、被検出体Fgでの反射光が増加する。その結果、受光素子3の感度が向上する。
【0127】
図23に示す被検出体Fgが理想的な平面とすると、入射角と反射角とはほぼ等しくなる。このため、主視角θ1の大きさと受光素子3の感度Stuが最大となる角度θの大きさを一致させることが望ましい。上述した角度θの大きさが表示パネル6の主視角θ1の大きさに近づくほど、受光素子3の感度が向上する。あるいは、主視角θ1が第3方向Dzに対してずれる方向が、導光路51が傾斜する方向と逆方向に沿っていれば、受光素子3の感度Stuが向上する。
【0128】
以上説明したように、表示パネル6の主視角θ1は、表示パネル6の法線方向(第3方向Dz)に対してずれている。表示パネル6の法線方向を視認側からみて、受光素子3に最も近い導光路51の第1開口51bは、受光素子3に最も遠い当該導光路51の第2開口51aとはずれている。表示パネル6の第3方向Dzを視認側からみて、表示パネル6の主視角θ1が表示パネル6の第3方向Dzに対してずれる方向は、第1開口51bが第2開口51aに対してずれる方向である。また、表示パネル6の主視角θ1が表示パネル6の第3方向Dzに対してずれる方向は、第2開口51aが第1開口51bに対してずれる方向の逆方向である。表示パネル6の主視角θ1が表示パネル6の第3方向Dzに対してずれる方向は、第2開口51aが第1開口51bに対してずれる方向に一致していなくても、沿っていれば、表示パネル6の光の反射光を受光素子3に導くことができる。その結果、受光素子3は、十分な検出データを出力できる。
【0129】
(実施形態2の第1変形例)
図24は、実施形態2の変形例1に係る受光素子の断面図である。
図24の断面は、
図17に示すXIX-XIXの断面の変形例である。実施形態1、実施形態1の変形例2及び第2実施形態と同じ構造については、同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。導光部50は、複数の導光路51と、遮光部55Aと、遮光部55Bと、遮光部55Cとを有する。遮光部55A、遮光部55B及び遮光部55Cは、第3方向Dzに積層されている。そして、遮光部55A、遮光部55B及び遮光部55Cをそれぞれ第3方向Dzにみると、
図13と同様に、ピンホールとなっている導光路51が楕円となっている。この楕円の長軸の方向は、第1方向Dxであり、第1開口51bに対して第2開口51aがずれる方向に沿う。
【0130】
以上、本開示の好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0131】
例えば、本実施形態では、第1開口51bに対して第2開口51aがずれる方向が第1方向Dxである例を説明したが、第1開口51bに対して第2開口51aがずれる方向がDx-Dy平面のどの方向でもよい。
【0132】
図23に示すように、光学センサ5は、液晶表示装置である表示パネル6の裏面側にあってもよい。
【符号の説明】
【0133】
1 表示装置
2 受光素子アレイ基板
3 受光素子
5 光学センサ
6 表示パネル
10 センサ部
40 検出部
50 導光部
51 導光路
51a 第2開口
51b 第1開口
55、55A、55B、55C 遮光部
55Z 集光レンズ
59 赤外線低減層
BE 額縁領域
BL バックライト
BM 遮光層
C1 面積重心
C2 面積重心
CB カバー部材
CT 視野角制御装置
DA 表示領域
Dx 第1方向
Dy 第2方向
Dz 第3方向
FVC 主視角方向
Fg 被検出体
G1 検出領域
G2 発光領域
GA 周辺領域
θ 角度
θ1 主視角