(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157413
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】映像送信装置、映像生成装置、映像送信方法、映像送信プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 21/4402 20110101AFI20221006BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20221006BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20221006BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H04N21/4402
H04N21/442
H04N7/18 J
G06F13/00 560A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061613
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 廣人
(72)【発明者】
【氏名】加峯 昂生
(72)【発明者】
【氏名】床井 晶勅
(72)【発明者】
【氏名】野田 靖之
(72)【発明者】
【氏名】伊田 裕一
【テーマコード(参考)】
5B084
5C054
5C164
【Fターム(参考)】
5B084AA03
5B084AA12
5B084AB07
5B084AB31
5B084BA09
5B084BB11
5B084BB13
5B084CB05
5B084CB22
5B084CE06
5B084CE14
5B084CF12
5B084DB01
5B084DC03
5C054CA04
5C054CC02
5C054DA07
5C054EG01
5C054HA30
5C164FA07
5C164PA38
5C164UA04S
5C164UA42S
5C164UA45S
5C164UB02P
5C164UB26S
5C164UB41P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】
自動車等の移動体から送信される動画の視聴者のユーザエクスペリエンスを維持しつつ、動画の送信のための情報通信量を低減させることが可能な映像送信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の映像送信装置は、移動体と共に移動する映像送信装置であって、移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得部と、前記車両の速度を取得する速度情報取得部と、前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成部と、前記送信映像を送信する送信部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と共に移動する映像送信装置であって、
前記移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得部と、
前記移動体の速度を取得する速度情報取得部と、
前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成部と、
前記送信映像を送信する送信部と、
を有することを特徴とする映像送信装置。
【請求項2】
前記映像生成部は、前記速度が大きいほど前記画角が狭い送信映像を生成することを特徴とする請求項1に記載の映像送信装置。
【請求項3】
前記映像取得部は、前記移動体の前方の映像を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の映像送信装置。
【請求項4】
移動体と共に移動する映像送信装置で実行される映像送信方法であって、
前記移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得ステップと、
前記移動体の速度を取得する速度情報取得ステップと、
前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成ステップと、
前記送信映像を送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする映像送信方法。
【請求項5】
移動体と共に移動する映像送信装置に、
前記移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得ステップと、
前記移動体の速度を取得する速度情報取得ステップと、
前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成ステップと、
前記送信映像を送信する送信ステップと、
を実行させることを特徴とする映像送信プログラム。
【請求項6】
移動体と共に移動する映像送信装置に、
前記移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得ステップと、
前記移動体の速度を取得する速度情報取得ステップと、
前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成ステップと、
前記送信映像を送信する送信ステップと、
を実行させる映像送信プログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項7】
前記移動体の周囲の映像を取得する映像取得部と、
前記映像を撮影している際の前記移動体の速度を取得する速度情報取得部と、
前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成部と、
を有することを特徴とする映像生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像送信装置、映像生成装置、映像送信方法、映像送信プログラム及び記憶媒体に関し、例えば、移動体からの映像を外部に提供するための映像送信装置、映像生成装置、映像送信方法、映像送信プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される車載機と当該車両の外部に位置する車外端末との間で通信を行う通信ステムがある。例えば、特許文献1には、車両の運転者と車外端末の操作者との間で音声通話を行い、当該音声通話がなされているときに、車両の前方の映像を表す映像データを車載機から車外端末に送信し、当該映像を車外端末に表示させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなシステムにおいては、例えば、動画を車両から外部に送信または配信することによる情報通信量の過多が問題になる場合がある。しかし、当該情報通信量を減らすために、単に送信する動画の解像度を落としたりフレームレートを落としたりすると、当該動画を視聴しているユーザのユーザエクスペリエンスを損なう可能性がある。
【0005】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、自動車等の移動体から送信される動画の視聴者のユーザエクスペリエンスを維持しつつ、動画の送信のための情報通信量を低減させることが可能な映像送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、移動体と共に移動する映像送信装置であって、移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得部と、前記車両の速度を取得する速度情報取得部と、前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成部と、前記送信映像を送信する送信部と、を有することを特徴とする映像送信装置である。
【0007】
請求項4に記載の発明は移動体と共に移動する映像送信装置で実行される映像送信方法であって、前記移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得ステップと、前記移動体の速度を取得する速度情報取得ステップと、前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成ステップと、前記送信映像を送信する送信ステップと、を有することを特徴とする映像送信方法である。
【0008】
請求項5に記載の発明は、移動体と共に移動する映像送信装置に、前記移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得ステップと、前記移動体の速度を取得する速度情報取得ステップと、前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成ステップと、前記送信映像を送信する送信ステップと、を実行させることを特徴とする映像送信プログラムである。
【0009】
請求項6に記載の発明は、移動体と共に移動する映像送信装置に、前記移動体の周囲の映像を逐次取得する映像取得ステップと、前記移動体の速度を取得する速度情報取得ステップと、前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成ステップと、前記送信映像を送信する送信ステップと、を実行させることを特徴とする映像送信プログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体である。
【0010】
請求項7に記載の発明は、移動体の周囲の映像を取得する映像取得部と、前記映像を撮影している際の前記移動体の速度を取得する速度情報取得部と、前記映像を処理して前記速度に応じた画角の送信映像を生成する映像生成部と、を有することを特徴とする映像生成装置である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施例1である映像配信システムの図である。
【
図2】車載装置を搭載した車両の前席部分の斜視図である。
【
図3】車載装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4A】通常モードでエンコード処理された映像の一例である
【
図4B】狭画角モードでエンコード処理された映像の一例である。
【
図5】サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】外部装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0012】
[1.システムの構成]
以下に、本発明の実施例1である映像配信システム100について添付図面を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例1である映像配信システム100を示している。
図1に示すように、映像配信システム100は、車載装置10、中継サーバ40及び外部装置70を含んで構成されている。なお、
図1においては、車載装置10が移動体の一例としての自動車Mに搭載されている場合を示している。また、
図1においては、外部装置70の一例として、スマートフォンを示している。
【0014】
車載装置10、中継サーバ40及び外部装置70とは、ネットワークNWを介して、例えば、TCP/IP、UDP/IP等の通信プロトコルを用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、移動体通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信及び有線通信を含むインターネット通信により構築されて得る。
【0015】
本実施例の映像配信システム100においては、車載装置10と外部装置70との間で音声通話が確立された上で、車載装置10から自動車Mにおいて撮影された映像が外部装置70に配信される。このように、車載装置10と外部装置70との間での音声通話を確立させつつ、自動車Mにおいて撮影された映像を車載装置10から外部装置70に配信する通信態様をビデオ通信と称する。
【0016】
このようなビデオ通信が行われることで、車載装置10から送信される映像を視聴している外部装置70のユーザは、あたかも自動車Mの運転者と自動車Mに同乗しているような感覚を得ることができる。言い換えれば、ビデオ通信によって、外部装置70のユーザの自動車Mへの仮想同乗を実現することができる。また、このようなビデオ通信を実現可能な本実施例の映像配信システム100のようなシステムを仮想同乗システムとも称する。
【0017】
以下、実施例1においては、車載装置10がカーナビゲーション装置である場合を例に説明する。また、実施例1においては、車載装置10が、ユーザが案内を希望する目的地をユーザから受け付け、当該目的地をサーバ40に送信し、サーバ40が目的地への経路を生成する、いわゆるクラウド型のカーナビゲーション装置の端末装置である場合を例に説明する。
【0018】
図2は、映像送信装置または映像生成装置としての車載装置10を搭載している自動車Mの前席付近を示す斜視図である。
図1では、取り付け例として、自動車Mの前席のダッシュボードDB内に車載装置10が取り付けられている場合を示す。
【0019】
GPS受信機11は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号(GPS信号)を受信する装置である。GPS受信機11は、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。なお、GPS受信機11は、GPS信号が受信できればどこに配されていてもよい。GPS受信機11は、受信したGPS信号を車載装置10に送信することが可能である。
【0020】
撮影部としての車外カメラ12は、自動車Mの前方を撮影する撮像装置である。本実施例において、車外カメラ12は、前方が撮影方向となる様にダッシュボードDBに配されている。例えば、車外カメラ12は、広角カメラであり、フロントガラスを介して自動車Mの前方の広い領域を撮影可能である。ビデオ通信時には、車外カメラ12によって撮像された映像が、外部装置70に配信される。なお、車載カメラ12は、車両の前方が撮影できれば、ルームミラーRMの裏等、どこに配されていてもよい。
【0021】
タッチパネル14は、例えば、映像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイとタッチパッドとが組み合わされたタッチパネルモニターである。タッチパネル14は、例えば、ダッシュボードDBのセンターコンソールCCに配されている。タッチパネル14は、運転者から視認できかつ運転者の手が届く場所に配されていればよい。例えば、タッチパネル14は、ダッシュボードDB上に取り付けられていてもよい。
【0022】
タッチパネル14は、車載装置10の制御に基づいて画面表示を行うことが可能である。また、タッチパネル14は、ユーザからの受け付けたタッチパネル14への入力操作を表す信号を車載装置10に送信することが可能である。例えば、タッチパネル14には、カーナビゲーションの案内表示がなされても良い。また、タッチパネル14を介して、目的地を設定する等、カーナビゲーション機能に関する操作が可能であってもよい。
【0023】
また、タッチパネル14には、ビデオ通信に関する情報が表示されたり、ビデオ通信の接続をするための操作の受付画面が表示されてもよい。自動車Mの乗員はタッチパネル14への入力操作によって、ビデオ通信の接続操作を行ってもよい。
【0024】
スピーカー15は、例えば、AピラーAPの室内側に設けられている。スピーカー15は、車載装置10の制御に基づいて音楽や音声等の音を発することが可能である。ビデオ通信時において、スピーカー15からは、音声通話における外部装置70からの音声が発せられる。
【0025】
マイク17は、車内の音を受音するマイク装置であり、例えば、ダッシュボードDB上に配されている。マイク17は、車内の音を受音可能であれば、ルームミラーRMまたはハンドル等、どこに設けられていてもよい。ビデオ通信時において、マイク17に収音された音声が音声通話の音声として外部装置70に送信される。
【0026】
図3は、車載装置10の構成を示すブロック図である。例えば、車載装置10は、システムバス21を介して、大容量記憶装置23と、制御部25と、入力部27と、出力部29と、エンコーダ部30と、データ通信部31と、が協働する装置である。
【0027】
なお、以下の説明において、自動車Mには加速度センサ19が搭載されているものとして説明する。加速度センサ19は、自動車Mの加速度を測定可能であり、当該測定された速度を示す信号を出力可能な例えばMEMS加速度センサであってもよい。なお、加速度センサ19は慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)であってもよい。また、加速度センサ19は、車載装置10に内蔵されていてもよい。
【0028】
大容量記憶装置23は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、端末用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。また、大容量記憶装置23は、道路地図を含む地図情報を保持している。
【0029】
各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、大容量記憶装置23に記憶される各種プログラム(後述する車載装置10における処理を実行するためのプログラムを含む)は、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0030】
制御部25は、CPU(Central Processing Unit)25A、ROM(Read Only Memory)25B、RAM(Random Access Memory)25C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU25Aが、ROM25Bや大容量記憶装置23に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。本実施例においては、制御部25によって、ビデオ通信時の動画配信機能、カーナビゲーション機能等が発揮される。
【0031】
入力部27は、車載装置10の制御部25と、車外カメラ12、タッチパネル14、マイク17及び加速度センサ19とを通信可能に接続するインタフェース部である。車載装置10は、入力部27を介して車外カメラ12が撮影した映像を逐次取得することが可能である。言い換えれば、制御部25は、入力部27を介して、車外カメラ12によって撮影された自動車の周囲の映像を示す映像データを逐次取得する映像取得部として機能する。
【0032】
制御部25は、入力部27を介して加速度センサ19からの加速度の測定信号を逐次取得することが可能である。制御部25は、当該加速度の測定信号に基づいて自動車Mの加速度及び速度を算出可能である。すなわち、制御部25は、自動車Mの速度を取得する速度情報取得部として機能する。
【0033】
車載装置10は、入力部27を介して、タッチパネル14への入力操作を示す信号を受信することが可能である。例えば、車載装置10は、入力部27を介して、タッチパネル14及びマイク17によってユーザからなされたビデオ通信の接続要求や、カーナビゲーションの目的地の設定入力を受け付けることが可能である。
【0034】
また、入力部27は、車載装置10とGPS受信機11とを通信可能に接続するインタフェース部である。車載装置10は、入力部27を介して、GPS受信機11から、GPS信号を受信し、当該GPS信号から車載装置10の現在位置、すなわち本実施例では自動車Mの現在位置の情報を取得することが可能である。言い換えれば、制御部25は、GPS受信機11から自動車Mの位置情報を取得する位置情報取得部として機能する。
【0035】
出力部29は、タッチパネル14及びスピーカー15と通信可能に接続されており、タッチパネル14に映像または画像信号を送信して表示をさせたり、スピーカー15に音声信号を送信して、音を出力させたりすることが可能である。
【0036】
エンコーダ部30は、制御部25からの命令に基づいて、カメラ12によって撮像された映像(撮像映像とも称する)をエンコーディング(以下、エンコード処理とも称する)する部分である。エンコーダ部は、映像エンコード用のCPU、いわゆるGPUを有しており、当該GPUによってエンコーディングがなされてもよい。
【0037】
エンコーダ部30は、例えば、MPEG-4規格のエンコード方式で撮像映像をエンコーディングして映像エンコードデータとしてのエンコードデータを生成する。例えば、エンコーダ部30は、H.264、Xvid、DivX、VP8、VP9等のコーデックを用いて、撮像映像からエンコードデータを生成する。
【0038】
データ通信部31は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータをサーバ40との間で送受信する。また、データ通信部31は、種々のデータをサーバ40を介して外部装置70との間で送受信する。
【0039】
例えば、車載装置10の制御部25は、データ通信部31を介して、サーバ40に車載装置10の現在位置を特定可能な位置データとしての位置特定情報、すなわち本実施例では自動車Mの現在位置の情報を送信可能である。また、例えば、制御部25は、データ通信部31を介して、サーバ40にユーザから入力された目的地を含む情報を送信し、サーバ40から、当該目的地への経路情報またはナビゲーション情報を受信可能である。
【0040】
制御部25は、データ通信部31を介して、ビデオ通信における音声通話のために、マイク17によって収音された音声の音声データを外部装置70に送信可能である。また、制御部25は、データ通信部31を介して、ビデオ通信における音声通話のために、外部装置70に入力された音声の音声データを受信可能である。
【0041】
また、制御部25は、データ通信部31を介して、エンコーダ部30によってエンコーディングされたエンコードデータを外部装置70に送信する。制御部25は、データ通信部31を介して、エンコードデータをバッファしつつ外部装置70に送信する。
【0042】
本実施例において、エンコーダ部30は、異なる複数の処理モードで撮影映像のエンコーディングを行う。エンコーダ部30は、カメラ12からの映像のエンコーディングについて複数の動作モードを有する。具体的には、例えば、エンコーダ部30は、エンコーディングの動作モードとして、第1の画角モードとしての通常モード及び第2の画角モードとしての狭画角モードを有する。
【0043】
図4Aは、通常モードでカメラ12からの映像(以下、単にカメラ映像とも称する)をエンコード処理した際に生成されるエンコードデータが示す画像である。本実施例において、エンコーダ部30は、通常モードでの動作時には、カメラ映像のそのままの映像である通常映像をエンコード処理し、当該通常映像のエンコード済みデータ(以下、通常エンコードデータ)を生成する。
【0044】
図4Bは、狭画角モードでカメラ映像をエンコード処理した際に生成されるエンコードデータが示す画像である。エンコーダ部30は、狭画角モードでの動作時には、カメラ映像をエンコード処理して、当該カメラ映像よりも画角が狭い、すなわち通常映像よりも画角が狭い狭画角映像を表す狭画角映像エンコードデータを生成する。
【0045】
図4に示すように、エンコーダ部30は、例えば、狭画角モードでの動作時には、カメラ映像、いわゆる通常映像の左端を含む部分及び右端を含む部分を取り除いた映像である狭画像をエンコード処理した狭画角映像エンコードデータを生成する。この狭画角映像エンコードデータは、上述のように通常映像の左右端を取り除いたものをエンコード処理しているので、通常映像エンコードデータよりもデータ量が少ない。
【0046】
車載装置10は、上記した加速度センサ19から得られた自動車Mの速度に応じて、エンコーダ部30の動作モードを通常モードと狭画角モードとの間で変更する。
【0047】
一般的に人が自動車を運転している際に、人の視野は速度が上がるほど自動車前景の中央に集中し、視野が狭くなる傾向がある。同様に、自動車の前方映像を視聴している人の視野も映像の中央に集中して狭くなる傾向がある。よって、自動車Mの速度が大きいときの映像を観ている視聴者は、映像の両端部をほとんど見ない傾向がある。従って、自動車Mの速度が大きいときの映像が画角が狭い狭画角映像となっても視聴者のユーザエクスペリエンスには余り影響が出ない。
【0048】
よって、自動車Mの速度が大きいときに、エンコーダ部30を狭画角モードで動作させて狭画像エンコードデータを外部に送信することで、外部の視聴者のユーザエクスペリエンスを維持しつつ情報通信量を低減することが可能である。
【0049】
また、視聴者が余り映像にのめり込むタイプではなく、自動車Mの速度が大きい場合であっても視聴者の映像に対する視野が狭くならない場合は、自動車Mの速度が上がった際に狭画角映像を視聴者に見せることで、運転者の実際の視野を再現することが可能となる。この場合には、運転者の実際の感覚を視聴者に伝えているという点で、良好なユーザエクスペリエンスを維持しつつ情報通信量の低減を行うことが出来る。
【0050】
なお、上記狭画角モードに変更するか否かの自動車Mの速度の閾値は、上回ると自動車Mの運転者の視界が大きく狭まるとされている速度、例えば時速70kmである。なお、運転者の視界は速度の上昇に応じて漸次狭くなる傾向がある。従って、速度が所定値(例えば、時速30km)を超えた後に狭画角モードでの動作が開始され、その後の速度の上昇に応じて、狭画角モードにおいて生成されるエンコードデータで示される映像の画角をだんだん狭くしていくこととしてもよい。
【0051】
すなわち、映像送信装置の映像生成部としてのエンコーダ部30は、自動車Mの速度が大きいほど画角が狭い映像を示す送信映像としてのエンコードデータを生成する。
【0052】
図5は、サーバ40の構成を示すブロック図である。例えば、サーバ40はシステムバス41を介して、大容量記憶装置43と、制御部45と、データ通信部47と、が協働している装置である。サーバ40は、ビデオ通信中において、車載装置10と外部装置70との間の音声通話を確立し、当該音声通話のデータを転送するSIPサーバのような機能を有している。
【0053】
また、サーバ40は、車載装置10から自動車Mの位置特定情報及び自動車Mの乗員であるユーザが設定した目的地の情報を受信し、当該位置特定情報及び目的地の情報に基づいて当該目的地への経路を生成する機能を有する。
【0054】
また、サーバ40は、車載装置10から送られてきたエンコードデータを外部装置70に転送する機能を有している。
【0055】
大容量記憶装置43は、例えば、ハードディスク装置及びSSD(solid state drive)等により構成されており、オペレーティングシステムや、サーバ40用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0056】
また、大容量記憶装置43内には、道路地図を含む地図情報が保存されている地図情報データベース(図中、地図情報DBと示す)43Aが含まれている。地図情報データベース43Aの地図情報は、例えば一般的なナビゲーション装置に用いられている地図情報と同等の情報を有しているデータベースである。
【0057】
制御部45は、CPU(Central Processing Unit)45A、ROM(Read Only Memory)45B、RAM(Random Access Memory)45C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU45Aが、ROM45Bや大容量記憶装置43に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0058】
データ通信部47は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータを車載装置10及び外部装置70との間で送受信する。
【0059】
制御部45は、データ通信部47を介して、車載装置10から自動車Mの現在位置を示す位置特定情報を取得する。また、制御部45は、データ通信部47を介して、車載装置10から自動車Mの乗員が車載装置10に入力した目的地の情報を取得する。制御部45は、当該位置特定情報及び目的地の情報に基づいて、当該目的地までの経路を生成し、当該経路を示す情報を車載装置10に送信する。
【0060】
また、制御部45は、データ通信部47を介して、車載装置10から受信したエンコードデータ及び音声を外部装置70に転送する。制御部45は、データ通信部47を介して、外部装置70から受信した音声を車載装置10に転送する。
【0061】
図6は、外部装置70の外観を示す正面図である。上述のように、実施例1において、外部装置70はスマートフォンである。
【0062】
タッチパネル71は、例えば、映像を表示可能な液晶ディスプレイ等のディスプレイとタッチパッドとが組み合わされたタッチパネルモニターである。タッチパネル71は、ユーザからの受け付けたタッチパネル71への入力操作を表す信号を生成することが可能である。本実施例において、タッチパネル71には、車載装置10から配信された映像が表示される。
【0063】
また、タッチパネル71には、ビデオ通信に関する情報が表示されたり、ビデオ通信の接続をするための操作の受付画面が表示されてもよい。外部装置70のユーザは、タッチパネル71への入力操作によって、ビデオ通信の接続操作を行ってもよい。
【0064】
スピーカー73は、音楽や音声等の音を発することが可能である。ビデオ通信時において、スピーカー73からは、音声通話における車載装置10からの音声が発せられる。
【0065】
マイク75は、外部装置70に向けて発せられた音を受音するマイク装置である。ビデオ通信時において、マイク75に収音された音声が音声通話の音声として外部装置70に送信される。
【0066】
図7は、外部装置70の構成を示すブロック図である。例えば、外部装置70は、システムバス81を介して、大容量記憶装置83と、制御部84と、入力部85と、出力部86と、データ通信部87、デコーダ部88と、が協働する装置である。
【0067】
大容量記憶装置83は、例えば、ハードディスク装置、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ等により構成されており、オペレーティングシステムや、端末用のソフトウェア等の各種プログラムを記憶する。
【0068】
なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されて各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、大容量記憶装置83に記憶される各種プログラム(後述する外部装置70における処理を実行するためのプログラムを含む)は、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することが可能である。
【0069】
制御部84は、CPU(Central Processing Unit)84A、ROM(Read Only Memory)84B、RAM(Random Access Memory)84C等により構成され、コンピュータとして機能する。そして、CPU84Aが、ROM84Bや大容量記憶装置83に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0070】
入力部85は、タッチパネル71及びマイク75に対する入力インタフェース部である。制御部84は、入力部85を介して、タッチパネル71への入力操作を示す信号およびマイク75からの音声入力信号を受信することが可能である。例えば、制御部84は、入力部85を介して、タッチパネル71及びマイク75によってユーザからなされたビデオ通信の接続要求を受け付けることが可能である。
【0071】
出力部86は、タッチパネル71及びスピーカー73への出力インタフェース部である。制御部は84、出力部86を介してタッチパネル71に映像または画像信号を送信して表示をさせたり、スピーカー75に音声信号を送信して、音を出力させたりすることが可能である。
【0072】
データ通信部87は、上記したネットワークNWに接続されており、種々のデータをサーバ40との間で送受信する。また、データ通信部87は、車載装置10から送信された映像のエンコードデータを始めとして、種々のデータをサーバ40を介して車載装置10との間で送受信する。すなわち、制御部84は、データ通信部87を介してエンコードデータを受信するエンコードデータ受信部として機能する。
【0073】
例えば、外部装置70の制御部84は、データ通信部31を介して、サーバ40から車載装置10から送信された自動車Mの現在位置を特定可能な位置特定情報位置の情報を受信可能である。また、例えば、制御部84は、データ通信部87を介して、サーバ40から、自動車Mの経路情報またはナビゲーション情報を受信可能である。
【0074】
また、制御部84は、データ通信部87を介して、ビデオ通信における音声通話のために、マイク75によって収音された音声の音声データを車載装置10に送信可能である。また、制御部84は、データ通信部87を介して、ビデオ通信における音声通話のために、車載装置10から送信された音声データを受信可能である。
【0075】
映像出力部としてのデコーダ部88は、制御部84からの命令に基づいて、車載装置10から受信したエンコードデータをデコーディングして再生し出力する部分である。デコーダ部88は、エンコードデータのエンコード時のコーデック、例えば、MPEG-4規格のエンコード方式でエンコードデータをデコーディングして映像を再生して出力する。当該再生された映像は制御部84によってタッチパネル71に表示させられる。
【0076】
[2.車載装置の動作]
以下、実施例1のシステム100の動作を実現するための車載装置10の制御ルーチンについて説明する。以下、ビデオ通信で動画配信が開始されると、エンコーダ部は通常モードで動作をし、動画のエンコード処理が開始するものとして説明する。
【0077】
図8は、車載装置10の制御部25において実行される動画配信ルーチンRT1を示すフローチャートである。制御部25は、例えば、車載装置10に電源が投入されると動画配信ルーチンRT1を開始し、これを繰り返し実行する。
【0078】
まず、制御部25は、車載装置10が外部装置70とのビデオ通信を開始しているか否かを判定する(ステップS101)。この判定は、例えば、車載装置10において、ビデオ通信の発信がなされ、外部装置70との間で通信が確立されているか否かに基づいてなされる。制御部25は、ビデオ通信が開始されていないと判定すると(ステップS101:NO)、ルーチンRT1を終了する。
【0079】
制御部25は、車載装置10がビデオ通信を開始していると判定する(ステップS101:YES)と、加速度センサ19からの信号に基づいて自動車Mの速度を示す速度情報を取得し、車外カメラ12から映像を取得し、当該取得した映像を自動車Mの速度に応じた動作モードでエンコードしてサーバ40を介して外部装置70に配信する動画配信動作を開始する(ステップS102)。なお、速度は、GPS受信機11からの信号に基づいて定まる自動車Mの位置の時間変化から算出されてもよい。
【0080】
言い換えれば、制御部25は、ステップS102において、カメラ12から映像を取得する映像取得部として機能する。また、ステップS102において、制御部25は、映像データをエンコーディングして当該エンコーディングされたエンコードデータを送信するデータ送信部として機能する。
【0081】
また、上述のようにエンコーダ部30は、カメラ映像をエンコードする際、自動車Mの速度に基づく制御部25からの指示に応じて、通常モード及び狭画角モードでエンコード処理を行う。従って、ステップS102の動画配信動作において、制御部25及びエンコーダ部30は、カメラ12からの映像を処理して自動車Mの速度に応じた画角の送信映像としての映像エンコードデータを生成する映像生成部として機能する。また、ステップS102において、制御部25は、送信映像としての映像エンコードデータを送信する送信部として機能する。
【0082】
ステップS102は、本発明の映像送信方法、プログラム及び記憶媒体における速度情報取得ステップ、映像取得ステップ及びデータ送信ステップに対応する。
【0083】
ステップS102が実行され、動画配信動作が開始されると制御部25は、車載装置10と外部装置70とのビデオ通信が終了したか否かを判定する(ステップS103)。制御部25は、ビデオ通信が終了していない、すなわちビデオ通信が継続していると判定すると(ステップS103:NO)、繰り返しステップS103を実行する。すなわち、ビデオ通信が終了しない限り動作配信動作は継続する。
【0084】
制御部25は、ステップS103において、外部装置70とのビデオ通信が終了したと判定すると、動画配信動作を終了して(ステップS104)、ルーチンR1が終了する。言い換えれば、制御部25は、外部装置70とのビデオ通信が終了したと判定すると、速度情報の取得、映像の取得並びに当該映像のエンコード処理及び送信を終了する。
【0085】
図9は、車載装置10の制御部25において実行されるエンコード処理制御ルーチンRT2を示すフローチャートである。制御部25は、例えば、動画配信動作が開始されるとエンコード処理制御ルーチンRT2を開始し、これを繰り返し実行する。なお、本実施例においては、動画配信動作が開始されると、エンコーダ部30は、最初は通常モードでエンコード処理をするとして説明する。
【0086】
まず、制御部25は、自動車Mの速度が閾値を超えている否かを判定する(ステップS201)。この判定は、上述のように、加速度センサ19からの信号に基づいて自動車Mの速度を算出し、その算出値と閾値を比較することで行われる。ここで、閾値は、上述したように自動車Mの運転者の視界が大きく狭まるとされている速度、例えば時速70kmとしてもよい。
【0087】
制御部25は、自動車Mの速度が閾値を超えた判定すると(ステップS201:YES)、エンコーダ部30の動作を狭画角モードに切り替える(ステップS202)。なお、この狭画角モードへの切り替えの際、制御部25は、エンコーダ部30の動作を狭画角モードへ切り替えたこと通知する狭画角モード切替信号を、外部装置70に送信してもよい。この通知に応じて、例えば、外部装置70は狭画角モードで生成される狭画角エンコードデータに適した態様で効率的に当該狭画角エンコードデータをデコード処理することができる。
【0088】
制御部25は、自動車Mの速度が閾値を超えていないと判定すると(ステップS201:NO)、ルーチンRT2を終了する。
【0089】
制御部25は、ステップS202の実行後、自動車Mの速度が閾値を下回ったか否かを判定する(ステップS203)。制御部25は、自動車Mの速度が閾値を下回っていないと判定すると(ステップS203:NO)、ステップS203を繰り返し実行する。すなわち、自動車Mの速度が閾値を下回るまで、エンコーダ部30は狭画角モードで動作する。
【0090】
制御部25は、自動車Mの速度が閾値を下回ったと判定すると(ステップS203:YES)、エンコーダ部30の動作を通常モードに切り替えて(ステップS204)、その後ルーチンRT2を終了する。なお、この通常モードへの切り替えの際、制御部25は、エンコーダ部の動作を通常モードへ切り替えたこと通知する通常モード切替信号を、外部装置70に送信してもよい。この通知に応じて、例えば、外部装置70は、エンコードデータのデコード処理の態様を、上記狭画角エンコードデータに応じた態様から通常エンコードデータに適した態様に戻すことができる。
【0091】
上記実施例において、車載装置10は、車載ナビゲーション装置であるとしたが、車載装置10は、単にカメラ12からの動画を配信可能であればよい。また、車載装置10は、スマートフォン、タブレット等、カメラ12を内蔵する端末であり得る。この場合、車載装置10は、内蔵カメラが自動車Mのフロントガラスを通して自動車Mの前方を撮影可能なように、例えばクレードル等でダッシュボードDB上に取り付けられ得る。
【0092】
上述した実施例における車載装置10、サーバ40及び外部装置70の構成、ルーチン等は、例示に過ぎず、用途等に応じて、適宜選択または変更することができる。
【0093】
また、上記実施例においては、車載装置10と外部装置70とがサーバ40を介してビデオ通信を行うこととしたが、ビデオ通信は車載装置10と外部装置70との間で直接なされてもよい。また、車載装置10と外部装置70は、必ずしも音声通話が出来なくともよい。
【0094】
例えば、上記したYouTube(登録商標)やニコニコ生放送(登録商標)のように、双方向の音声通話を伴わず単に車載装置10から外部装置70に映像及び音声が配信される態様であっても良い。
【0095】
上記実施例においては、車載装置10において、車載装置10と外部装置70との通信が確立されてから動画配信動作が開始される場合を例に説明した。しかし、上記したYouTube(登録商標)やニコニコ生放送(登録商標)の動画配信のような態様で動画配信がなされてもよい。すなわち、外部装置70等の視聴者側の端末との通信の確立が無くとも、動画配信動作が開始されてもよい。具体的には、車載装置10と外部装置70等の視聴者側の端末との通信の確立が無くとも、車載装置10によるサーバ40への動画データのアップロードが開始されても良い。
【0096】
例えば、車載装置10による動画配信動作は、車載装置10とサーバ40との通信が確立された後に、外部装置70との通信接続の確立無しに開始されてもよい。この場合、不特定のまたは許可を受けた特定の外部装置70がサーバ40に接続することで、車載装置10から配信された動画を受信し、外部装置70のユーザが当該動画を視聴することが可能となる。
【0097】
また、映像配信システム100で車載装置10から外部装置70に上記映像配信が行われつつ、映像配信システム100とは別の経路で並行して車載装置10と外部装置70との間の音声通話が確立されていても良い。
【0098】
本実施例において、主に、車載装置10と外部装置70とがサーバ40を介してビデオ通信を行うことについて説明したが、当該ビデオ通信は、サーバ40を介さずに、車載装置10と外部装置70との間でP2P(Peer to Peer)通信などによって直接なされてもよい。
【0099】
本実施例において、車載装置10がタッチパネル14に接続されている場合について説明したが、これに限られない。例えば、車載装置10は、自動車Mの運転者が携帯するスマートフォンと通信を行って、タッチパネル14に代えて当該スマートフォンのディスプレイにビデオ通信に関する画面等を表示させてもよい。
【0100】
また、車載装置10は、自動車Mの運転者に提示する画面を表示しない構成であってもよい。例えば、車載装置10は、ドライブレコーダのような構成を有していてもよく、例えば、車外撮影カメラ12と一体となった装置であってもよい。具体的には、車載装置10は、例えば、車外撮影カメラ12の筐体内に上記した車載装置10のビデオ通信機能を果たすハードウェアを内蔵したような装置であってもよい。この場合、車載装置10は、上記において説明したような種々の表示出力を行わないこととしてもよい。
【0101】
さらに、本発明の映像送信装置は、本実施例における車載装置10と同様の構成を有する端末装置と車外撮影カメラ12とタッチパネル14とが一体化された構成であってもよい。具体的には、例えば、本発明の映像送信装置は、上記車載装置10と同様の機能を発揮するアプリを搭載したカメラ付きのスマートフォン、タブレットまたはPC等であってもよい。
【0102】
本実施例において、自動車Mの外部の映像が車載装置10から外部装置70に送信される場合について説明したがこれに限定されない。例えば、自動車Mの内部、例えば客室を撮影する車内カメラが設けられ、車載装置10から外部装置70に送信される映像が、自動車Mの外部の映像から当該車内カメラによって撮影される自動車Mの内部の映像に切り替え可能であってよい。自動車Mの内部の映像が送信されている際には、外部装置70のユーザは、例えば、自動車Mの内部の様子を見ながら自動車Mの運転者とコミュニケーションをとることができる。
【0103】
なお、外部装置70に送信する映像を車外撮影カメラ12の映像と車内カメラの映像との間で切り替える切換操作は、車載装置10においてなされてもよい。また、当該切換操作は、外部装置70のユーザによる当該外部装置70への操作によって遠隔的になされてもよい。
【0104】
本実施例において、外部装置70の制御部84は、車載装置10から送信されている自動車Mの外部の映像をサーバ40を介して受信するとしたが、当該映像に加えて、自動車Mの現在地及び移動予定経路が記された地図画像や、自動車Mの運転者の氏名、自動車Mの走行速度などを受信してもよい。
【0105】
例えば、外部装置70の制御部84は、タッチパネル71において、車載装置10から受信した地図画像や自動車Mの運転者の氏名、自動車Mの走行速度を自動車Mの外部の映像に重ねて表示させてもよく、自動車Mの外部の映像とは異なる表示領域に表示させてもよい。このとき、地図画像や自動車Mの運転者の氏名、自動車Mの走行速度は、外部装置70の操作者によって、その表示/非表示を自由に切り替え可能であってもよい。
【0106】
本実施例において、車載装置10は、加速度センサ19によって計測される自動車Mの加速度に基づいて自動車Mの速度を示す速度情報を取得するとしたが、自動車Mの速度を取得する方法はこれに限られない。例えば、車載装置10は、自動車Mの移動距離と時間から算出される速度を取得してもよく、車速信号(車速パルス)を受信して自動車Mの速度を取得してもよい。
【0107】
上記実施例においては、車載装置10が自動車Mに搭載される例を説明したが、車載装置10は、自転車、バイク等他の移動体に搭載されていていてもよい。また、車載装置10がスマートフォンのようなカメラを内蔵したものであり、これを人が保持しており、例えば歩きながらビデオ通信を行って映像を配信することしてもよい。