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特開2022-157486火災感知器及び火災感知器本体の取り付け方法
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  • 特開-火災感知器及び火災感知器本体の取り付け方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157486
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】火災感知器及び火災感知器本体の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/10 20060101AFI20221006BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G08B17/10 H
G08B17/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061741
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 進
【テーマコード(参考)】
5C085
5G405
【Fターム(参考)】
5C085AA03
5C085CA15
5C085FA11
5C085FA13
5G405AA01
5G405AB02
5G405AD07
5G405CA21
5G405FA06
5G405FA07
(57)【要約】
【課題】火災感知器本体の取り付けや取り外しの際には、作業者が感知器ベースに近寄る必要がある。しかしながら、ロビーやエントランスなどの天井が高い場所に火災感知器を設置している場合、足場を設置して火災感知器本体の取り外しや取り付けを行う必要があった。
【解決手段】火災感知器を、火災感知器本体と、感知器ベースと、を備え、火災感知器本体は、固定片を有し、火災感知器本体は、磁石により感知器ベースに仮固定された状態で固定片が作動して感知器ベースに固定されるものとする。これにより、マルチコプターであるドローン等によって感知器ベースから火災感知器本体を取り外したり、感知器ベースに火災感知器本体を取り付けたりすることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災感知器本体と、
感知器ベースと、を備え、
前記火災感知器本体は、固定片を有し、
前記火災感知器本体は、磁石により前記感知器ベースに仮固定された状態で前記固定片を作動させて前記感知器ベースに固定されることを特徴とする火災感知器。
【請求項2】
前記固定片はスイッチを押すことで固定状態から解除されることを特徴とする請求項1に記載された火災感知器。
【請求項3】
前記固定片は、前記火災感知器本体が前記感知器ベースに仮固定された状態で、前記感知器ベースから前記火災感知器本体に供給される電力により作動することを特徴とする請求項1または2に記載された火災感知器。
【請求項4】
前記火災感知器本体は確認灯を有し、
前記固定片により前記火災感知器本体が固定されると、前記確認灯が点灯することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載された火災感知器。
【請求項5】
火災感知器本体を設置対象の天井に取り付ける取り付け方法であって、
マルチコプターの上部に前記火災感知器本体を取り付け姿勢で搭載し、
前記マルチコプターをリモート操作して、天井に固定された感知器ベースまで前記火災感知器本体を搬送し、
前記感知器ベースが備える被着部に前記火災感知器本体が備える吸着部を磁気吸着させることで仮固定し、
その後に前記火災感知器本体が備える固定片を作動させて前記感知器ベースに前記火災感知器本体を固定することを特徴とする火災感知器本体の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災感知器及び火災感知器本体の取り付け方法に関するものであり、特に天井が高い施設に有用な火災感知器及び火災感知器本体の取り付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
煙感知器や炎感知器等の火災感知器は、天井等に設けられて煙や炎を検知し、火災を感知する。このような火災感知器は、天井等に設けた感知器ベースに火災感知器本体を取り付けることにより設置される。そして、点検や交換の際に、火災感知器本体を感知器ベースから取り外したり、再び取り付けたりすることができる。
【0003】
特許文献1の発明では、感知器ベースに一対の嵌合端子を設けると共に感知器本体には一対の嵌合金具を設けている。そして、感知器本体を感知器ベースに嵌め入れて、嵌合端子に嵌合金具が入り込むようにまわすことで、感知器本体を感知器ベースに機械的かつ電気的に固定する。また、逆向きにまわすことで、感知器ベースから感知器本体を取り外すことができる。感知器ベースに取り付けられた火災感知器本体は、作業者が手で回転させることにより嵌合金具から嵌合端子が外れて、電気的接続を解除すると共に取り外すことができる。また、作業者が火災感知器本体を手で持ち、感知器ベースに押し当てて取り外し時と逆に回転することにより嵌合金具に嵌合端子が嵌合し、火災感知器本体を感知器ベースに取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-147774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明では、火災感知器本体の取り付けや取り外しの際に作業者が感知器ベースに近寄る必要がある。そのため、ロビーやエントランスなどの天井が高い場所に火災感知器を設置する場合、足場を設置して火災感知器本体の取り外しや取り付けを行う必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、火災感知器本体と、感知器ベースと、を備え、前記火災感知器本体は、固定片を有し、前記火災感知器本体は、磁石により前記感知器ベースに仮固定された状態で前記固定片が作動して前記感知器ベースに固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、高所に設置した火災感知器において、マルチコプター等の飛行ロボットによって感知器ベースから火災感知器本体を取り外したり、感知器ベースに火災感知器本体を取り付けたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態における火災感知器の外面図。図1(a)は天井取り付け時の側面図、図1(b)は天井取り付け時の下面図を示す。
図2】実施形態における火災感知器本体の側面図。図2(a)は、感知器ベース1に固定している状態の火災感知器本体、図2(b)は、感知器ベースに取り付ける前、又は取り外した後の火災感知器本体を示す。
図3】実施形態における天井板に固定された感知器ベースの側断面図。
図4】実施形態におけるマルチコプターに搭載された火災感知器本体。
図5】実施形態における火災感知器本体の接続筒近傍を拡大した断面図。図5(a)は、火災感知器本体2が感知器ベース1に固定されている状態、図5(b)は、火災感知器本体2を感知器ベース1に取り付ける前、又は取り外した後の状態を示す。
図6】実施形態における火災感知器本体の接続筒近傍の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では火災感知器として煙感知器の例を示すが、他の感知器でも良い。後述するように感知器ベース1は天井板6にネジ止めされる。そして、図1に示すように、火災感知器本体2は感知器ベース1に固定される。火災感知器本体2は、天井取り付け時における下方に煙流入窓21を有し、その下に天板22を有する。そして、天板22の中央下部にスイッチ23が設けられている。スイッチ23にはLEDが備えられており、煙感知器が作動したときに点灯したり、後述のように取り付け時に点灯したりする確認灯を兼ねている。
【0010】
図2に示すように、火災感知器本体2の上方中央には筒状の接続筒24が設けられている。そして、接続筒24の上に2つの固定片25が設けられる。固定片25は長方形の鉄板であり、基部には軸251が固定されている。そして、バネ(図示せず)により、外側に倒れるように付勢されている。感知器ベース1に固定している状態の図2(a)では、固定片25は外側へ倒れている。また、感知器ベース1に取り付ける前、又は取り外した後の図2(b)では、固定片25は上方へ延びている。接続筒24の外周面下方には、リング状の永久磁石26が設けられている。
【0011】
図3に示すように、感知器ベース1は下方からネジ(図示せず)により設置対象となる天井の天井板6に固定されている。天井板6には、配線用の孔61が開けられている。また、感知器ベース1の中心にも孔13が設けられている。図2(a)のように固定片25が倒れる際のスペースのため、配線用の孔61は孔13よりも大きくあけられる。図3において、孔13の周囲には鉄リング12が設けられている。火災感知器本体2を感知器ベース1に固定した際には、感知器ベース1における鉄リング12の内側に火災感知器本体2の接続筒24が位置する。
【0012】
高所にある感知器ベース1から火災感知器本体2を取り外したり、感知器ベース1に火災感知器本体2を取り付けたりする場合には、火災感知器本体2をマルチコプター3に搭載して搬送する。図4に示すように、火災感知器本体2をマルチコプター3に搭載するため、マルチコプター3の上部に保持アダプター4が取り付けられている。そして、保持アダプター4の上に火災感知器本体2が搭載される。保持アダプター4の中心には、着脱可能な解除片41が設けられる。また、マルチコプター3の上部には、保持アダプター4の側部に略上向きでカメラ5が固定される。カメラ5の映像は無線によりマルチコプター3のコントローラ(図示せず)に送信され、コントローラの表示部(図示せず)に映される。
【0013】
高所にある感知器ベース1から火災感知器本体2を取り外す際には、保持アダプター4に解除片41を取り付ける。そして、作業者がカメラ5からの映像を見ながらコントローラによりマルチコプター3をリモート操作して、保持アダプター4を火災感知器本体2の下方に当接させる。そうすると、解除片41により火災感知器本体2のスイッチ23が押され、固定片25が立ち上がって図2(b)のように固定状態から解除される。立ち上がった固定片25は鉄リング12の内側に位置するため、保持アダプター4から火災感知器本体2が外れて、火災感知器本体2は保持アダプター4の上に搭載される。そして、マルチコプター3をコントローラからリモート操作して下ろすことにより図4の状態となり、火災感知器本体2を高所の感知器ベース1から搬送することができる。
【0014】
また、高所にある感知器ベース1に火災感知器本体2を取り付ける際には、保持アダプター4から解除片41を取り外した後に、保持アダプター4の上に火災感知器本体2を取り付け姿勢で搭載する。そして、作業者がカメラ5からの映像を見ながら、コントローラによりマルチコプター3をリモート操作して、図2に示す火災感知器本体2の接続筒24が図3に示す感知器ベース1の孔13へ入るようにする。この際、感知器ベース1が備える被着部である鉄リング12に火災感知器本体2が備える吸着部である永久磁石26を磁気吸着させることで仮固定される。この仮止めの状態により、感知器ベース1と火災感知器本体2の間で端子(図示せず)により電気的に接続する。そして、バネにより固定片25が外側へ倒れて火災感知器本体2が感知器ベース1に固定された固定状態となる。火災感知器本体2の固定後に、作業者はコントローラの操縦によりマルチコプター3を回収する。保持アダプター4は、火災感知器本体2の頭部が圧入もしくは嵌合される構造(図示せず)を有し、後述する永久磁石26による仮固定よりも、火災感知器本体2を強固に保持できるものである。
【0015】
図5において、接続筒24と永久磁石26を断面で示す。接続筒24の内側の対向する面には、自己保持ソレノイドであるアクチュエータ27が一つずつ設けられている。アクチュエータ27は、固定片25をシャフト271で押し上げることができる位置に設けられる。接続筒24の外面下方には、リング状の永久磁石26が設けられている。図5(a)は、火災感知器本体2が感知器ベース1に固定の状態を示し、図5(b)は仮固定の状態を示す。固定又は仮固定の状態では、接続筒24の外側に感知器ベース1の鉄リング12が位置する。なお、図5に示すとおり、接続筒24の高さは、永久磁石26の高さと鉄リング12の高さとを合わせた高さとほぼ等しくなるように形成されている。
【0016】
吸着部である永久磁石26が被着部である鉄リング12に付くことにより、火災感知器本体2は感知器ベース1側に仮固定される。また本実施形態では、鉄リング12が磁石となり、鉄リング12が鉄製の固定片25に付く。そのため、より強固に火災感知器本体2を固定することができる。また、永久磁石26による仮固定は弱い固定であり、火災感知器本体2を取り外す際には火災感知器本体2の自重等により仮固定は解除される。
【0017】
図6に示すように、固定片25の軸251は、接続筒24の上面端部にある上面板241に回転可能に取り付けられている。また軸251では、バネ(図示せず)により固定片25が外側へ倒れるように付勢している。図6において、アクチュエータ27は固定片25の下に隠れている。
【0018】
火災感知器本体2を感知器ベース1から取り外す際には、次のような方法を用いる。まず、空の保持アダプター4を有したマルチコプター3を、天井の火災感知器へ飛行させる。このとき、保持アダプター4には解除片41を取り付けておく。火災感知器では、固定片25は図5(a)のように外側に倒れており、火災感知器本体2が感知器ベース1に固定されている。そして、マルチコプター3が火災感知器本体2に近づいて、保持アダプター4の解除片41が、火災感知器本体2の天板22の下に設けたスイッチ23を押すと、アクチュエータ27からシャフト271が上方へ突出する。この時、アクチュエータ27は、感知器ベース1から端子(図示せず)を介して火災感知器本体2に供給されている電力により作動する。突出したシャフト271は、固定片25の当接凸部252をバネの力に反して押し上げる。その結果、図5(b)に示すように、固定片25は回転して上方を向き、感知器ベース1と火災感知器本体2の固定が解除される。また、保持アダプター4には火災感知器本体2の頭部が圧入もしくは嵌合される。そして、マルチコプター3が下方に移動すると、火災感知器本体2の自重及び火災感知器本体2の頭部が圧入もしくは嵌合されていることにより永久磁石26と鉄リング12の間の仮固定が解除される。アクチュエータ27は自己保持ソレノイドであり、感知器ベース1から離れて火災感知器本体2に電力供給されなくなってもシャフト271は突出したままである。仮固定の解除後、作業者はマルチコプター3をコントローラによりリモート操作して火災感知器本体2を搬送し、回収することができる。
【0019】
一方、火災感知器本体2を感知器ベース1に取り付ける際には、次のような方法を用いる。まず、保持アダプター4から解除片41を外しておく。そして、保持アダプター4に火災感知器本体2を搭載して、マルチコプター3を天井の感知器ベース1の近傍へ搬送する。感知器ベース1の孔13の中に接続筒24を差し込むようにマルチコプター3を上昇させると、火災感知器本体2の吸着部である永久磁石26が被着部である鉄リング12に引き付けられて磁気吸着により仮固定される。これにより、感知器ベース1に環状に設けた感知器線リング(図示せず)と、その外側に設けたコモン線リング(図示せず)に、火災感知器本体2の端子(図示せず)が接続し、感知器ベース1から火災感知器本体2に電力供給が行われる。そして、仮固定で端子が接続したことにより火災感知器本体2に供給される電力によって自己保持ソレノイドが作動し、アクチュエータ27のシャフト271が下がる。シャフト271が下がると、固定片25の軸251はバネにより付勢されているため、図5(a)及び図6のように固定片25が外側へ倒れて火災感知器本体2が感知器ベース1に固定される。図3に示すように天井板6には、十分に広い配線用の孔61を設けており、図5(a)のように固定片25が外側へ倒れて感知器ベース1の鉄リング12の上に達する。さらに、鉄製の固定片25は永久磁石26により磁化した鉄リング12に引きつけられて、火災感知器本体2が感知器ベース1の固定が強固となる。
【0020】
なお、火災感知器本体2の感知器ベース1への取り付け方は、上記の方法に限定されない。保持アダプター4の解除片41を用いた取り付け方法も考えられる。この場合は、上記の手順で、火災感知器本体2を、永久磁石26を用いて仮止めする。この段階で、火災感知器本体2の電極端子と感知器ベース1の環状リングからなる電極が接して、火災感知器本体2には電源が供給される。そして、スイッチ23を押すことで、アクチュエータ27のシャフト271が下がるように構成してもよい。
【0021】
固定片25が鉄リング12と接触するか、またはスイッチ23を押すと、しばらくの間にわたりスイッチ23の確認灯が点灯する。そのため、火災感知器本体2が確実に固定されたことを、作業者が確認することができる。また、確認灯を兼ねるスイッチ23は火災感知器本体2の下端の中心に取り付けられているため、どの方向からでも視認することができる。確認灯は扉の方向から視認できる必要があるが、火災感知器本体2は取り付ける際に方向性がない。なお、スイッチ23が押されると、図示しない火災感知器本体2の送信回路から図示しない火災受信機へと信号が送られ、火災受信機側でも火災感知器本体2の取り付け取り外しを認識することができる。
【0022】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【0023】
たとえば、固定の際に固定片25が鉄リング12に磁気的に付かなくてもよく、その場合に固定片25が非磁性体であってもよい。また、磁石により仮結合が行われればよく、鉄リング12が火災感知器本体2に、永久磁石26が感知器ベース1に設けられていてもよい。鉄リング12は、磁石に付く磁性体であれば鉄以外のものでも良く、環状でなくても良い。永久磁石と磁性体のうち少なくともいずれか一方が環状であればよく、火災感知器本体2を取り付ける際に方向性がなくなり、取り付けが容易となる。本発明の実施形態では、接続筒24を設けるため、火災感知器本体2の高さが大きくなっているが、この高さを低くするために、仮止め用の磁石には、マグネットシートのような薄い磁石を使用するようにしてもよい。
【0024】
実施形態ではアクチュエータ27は電力供給されていなくてもシャフト271が突出した状態で保持するように自己保持ソレノイドとした。しかし、火災感知器本体2を感知器ベース1から取り外す際に、シャフト271が突出した状態で火災感知器本体2がすぐに引き抜かれるようにすれば、自己保持型にしなくてもよい。また、自己保持型であることを活かして、シャフト271の先端を固定片25にワイヤで接続してもよい。このようにすれば、固定片25をシャフト271で引いて倒すことができ、固定片25を付勢するバネを省略することもできる。また実施形態では、火災感知器本体2に電源を供給した上で、固定片25による取り付けを行うよう説明したが、固定片25の作動は機械的な手法によるものでも構わない。この場合は、火災感知器本体2の下方に設けたスイッチ23が、固定片25とリンク機構を介して接続されており、1度スイッチ23を押すことで、図示しないストッパの解除が行われてバネにより固定片25が横方向に広がり、再度スイッチを押すことで、横方向に広がった固定片25を垂直方向に戻す電源不要の機械的な機構を備えるようにしてもよい。
【0025】
実施形態では、マルチコプター3が下方に移動すると、火災感知器本体2の自重及び火災感知器本体2の頭部が圧入もしくは嵌合されていることにより永久磁石26と鉄リング12の間の仮固定が解除される。しかし、十分に弱い仮固定として圧入や嵌合せずに自重だけで仮固定が解除されるようにしてもよい。また感知器ベース1からの火災感知器本体2の取り外しやすさを向上させるために、火災感知器本体2の下方のスイッチ23を押すと、永久磁石26と鉄リング12との距離を一時的に離せるような機構を別途設けるようにしてもよい。
【0026】
従来技術で説明したように、火災感知器本体2と感知器ベース1との取り付けは、回転係合によって行われる。一方、マルチコプター3であるドローンは、上下方向に対して力をかけやすいが、回転力を与えることは難しく、回転係合によって取り付けられた火災感知器本体2をドローンで取り外すのは難しいとされていた。しかし、本実施形態では、火災感知器本体2を回転させることなく、感知器ベース1に取り付けているので、ドローンを用いた火災感知器本体2の取り付け取り外しが行いやすい。特に環状に形成された電極を利用して、火災感知器本体2と感知器ベース1との電気接続を行っているので、取り付けにあたり、火災感知器本体2を一切、回転させる必要がない。
【符号の説明】
【0027】
1 感知器ベース、12 鉄リング、13 孔、
2 火災感知器本体、21 煙流入窓、22 天板、23 スイッチ、24 接続筒、241 上面板、25 固定片、251 軸、252 当接凸部、26 永久磁石、27 アクチュエータ、271 シャフト、
3 マルチコプター、4 保持アダプター、41 解除片、5 カメラ、6 天井板、61 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6