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特開2022-157507変更プログラム、変更方法、および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157507
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】変更プログラム、変更方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/28 20120101AFI20221006BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20221006BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q50/28
G01C21/34
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061770
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】徳永 新吾
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA06
2F129BB03
2F129DD20
2F129DD27
2F129DD58
2F129DD66
2F129EE54
2F129EE58
2F129EE59
2F129EE83
2F129FF02
2F129FF04
2F129FF07
2F129FF12
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF43
2F129FF57
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA15
5H181FF05
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】移動体の移動状況を考慮して移動経路を適切に変更可能にすること。
【解決手段】情報処理装置100は、複数の移動体101の移動開始後、道路状況の変化、または、配送状況の変化などにより、それぞれの移動体101の移動経路を変更することを検出する。情報処理装置100は、それぞれの移動体101の移動経路を変更することを検出すると、それぞれの移動体101の移動経路上に存在する当該移動体101が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体101が訪問後出発するまでの残り時間を取得する。情報処理装置100は、取得した残り時間に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体101のいずれの移動体101も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。情報処理装置100は、決定した訪問先に基づいて、それぞれの移動体101の移動経路を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得し、
取得した前記残り時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする変更プログラム。
【請求項2】
前記決定する処理は、
前記複数の移動体に含まれる移動体の数と、前記複数の訪問先のうち、訪問予定を変更する訪問先の数とに応じて、訪問予定を変更する変更処理にかかる処理時間を算出可能にするモデルを利用して、前記複数の訪問先のうち、取得した前記残り時間で訪問予定を変更可能な訪問先の数を特定し、特定した前記数に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の変更プログラム。
【請求項3】
前記決定する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体が次に訪問予定の訪問先を基準点とした領域に含まれる未訪問の訪問先を、特定した前記数だけ選択し、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する、ことを特徴とする請求項2に記載の変更プログラム。
【請求項4】
前記決定する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体のいずれかの出発点を基準点とした領域に含まれる未訪問の訪問先を、特定した前記数だけ選択し、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する、ことを特徴とする請求項2または3に記載の変更プログラム。
【請求項5】
前記取得する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体が次に訪問予定の訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の変更プログラム。
【請求項6】
取得した前記残り時間の最小値に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の変更プログラム。
【請求項7】
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の変更プログラム。
【請求項8】
複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得し、
取得した前記残り時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする変更方法。
【請求項9】
複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得し、
取得した前記残り時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする変更プログラム。
【請求項11】
前記取得する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の移動体に含まれる移動体の数と、前記複数の訪問先のうち、訪問予定を変更する訪問先の数とに応じて、訪問予定を変更する変更処理にかかる処理時間を算出可能にするモデルを利用して、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得する、ことを特徴とする請求項10に記載の変更プログラム。
【請求項12】
前記決定する処理は、
前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、取得した前記所要時間で訪問可能な訪問先と、取得した前記所要時間後で次に訪問予定の訪問先とを除外した残余の訪問先を、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する、ことを特徴とする請求項10または11に記載の変更プログラム。
【請求項13】
複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする変更方法。
【請求項14】
複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変更プログラム、変更方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の訪問先を訪問する移動体の移動経路を予め決定する技術がある。例えば、配送事業に関し、配送コスト、および、顧客による配送時間帯の要望などの観点を考慮しつつ、配送車の出発前に、配送車の移動経路を予め決定する技術がある。移動経路を決定する問題は、組み合わせ最適化問題の一種である。
【0003】
先行技術としては、例えば、配送計画が立案され、各車両の配送業務が開始された後に、追加注文が入った場合、配送計画または配送計画と各車両の配送業務の進捗状況とから追加注文に対する配送業務を追加する対象車両を決定するものがある。また、例えば、最小台数の自動車積載車両で、かつ、最小の総走行距離で、期間内に配送する自動車群を、配送先群に配送できる配送計画を探索する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-002444号公報
【特許文献2】特開2001-315918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、移動体の移動中に移動経路を変更することが難しい。例えば、移動経路の変更中にも、移動体が移動し続けており、訪問先への訪問状況が変化し続けるため、変更後の移動経路は、有効な移動経路にならない場合がある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、移動体の移動状況を考慮して移動経路を適切に変更可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様によれば、複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得し、取得した残り時間に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、決定した訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更する変更プログラム、変更方法、および情報処理装置が提案される。
【発明の効果】
【0008】
一態様によれば、移動体の移動状況を考慮して移動経路を適切に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態にかかる変更方法の一実施例を示す説明図である。
図2図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。
図3図3は、移動経路の一例を示す説明図である。
図4図4は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実績情報管理テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。
図6図6は、移動体情報管理テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。
図7図7は、搭載装置204のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図8図8は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。
図9図9は、情報処理装置100の具体的な機能的構成例を示すブロック図である。
図10図10は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図(その1)である。
図11図11は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図(その2)である。
図12図12は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図(その3)である。
図13図13は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図(その4)である。
図14図14は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図(その5)である。
図15図15は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図(その6)である。
図16図16は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図(その7)である。
図17図17は、第1動作例における全体処理手順の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、第1動作例における再計画処理手順の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、情報処理装置100の第2動作例を示す説明図(その1)である。
図20図20は、情報処理装置100の第2動作例を示す説明図(その2)である。
図21図21は、第2動作例における全体処理手順の一例を示すフローチャートである。
図22図22は、第2動作例における再計画処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本発明にかかる変更プログラム、変更方法、および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態にかかる変更方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる変更方法の一実施例を示す説明図である。情報処理装置100は、複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の移動経路を適切に変更するためのコンピュータである。
【0012】
従来では、複数の移動体の出発前に、それぞれの移動体の移動経路を決定しておくことがある。例えば、配送事業に関し、配送車の数、配送コスト、および、顧客による配送時間帯の要望などの観点を考慮しつつ、複数の配送車の出発前に、それぞれの配送車の移動経路を予め決定しておき、全体の配送計画を立案することがある。配送コストは、例えば、燃料費、走行時間、走行距離、または、排気量などである。配送コストは、例えば、配送時間帯の要望の満たしづらさであってもよい。
【0013】
移動経路を決定する問題は、組み合わせ最適化問題の一種である。組み合わせ最適化問題は、例えば、SA(Simulated Annealing)、GA(Genetic Algorithms)、または、タブーサーチなどの数理最適化手法が適用される。
【0014】
これに対し、複数の移動体の出発後、複数の移動体の移動中に、それぞれの移動体の移動経路を修正したいという要望がある。例えば、複数の配送車の出発後、複数の配送車の移動中に、それぞれの配送車の移動経路を修正することが望まれる場合が考えられる。
【0015】
具体的には、渋滞の発生、交通事故の発生、道路工事の開始、または、通行止めの開始などの道路状況の変化により、それぞれの配送車の移動経路を修正することが望まれる場合が考えられる。また、具体的には、新たな配送先の追加、顧客による再配送の依頼、顧客による配送時間帯の指定、または、顧客による配送時間の変更などの配送状況の変化により、それぞれの配送車の移動経路を修正することが望まれる場合が考えられる。
【0016】
しかしながら、従来では、複数の移動体の移動中に、それぞれの移動体の移動経路を変更することが難しい。例えば、それぞれの移動体の新たな移動経路を決定する決定処理の実施中にも、それぞれの移動体は移動し続け、それぞれの訪問先への訪問状況は変化し続けることになる。このため、それぞれの移動体の新たな移動経路を決定したタイミングで、それぞれの移動体の新たな移動経路は、有効な移動経路にならない場合がある。
【0017】
特に、数理最適化手法で、それぞれの移動体の新たな移動経路を決定しようとする場合、決定処理にかかる所要時間の増大化を招くことがある。例えば、訪問先が多いほど、または、配送時間帯などに関する制約条件が多いほど、決定処理にかかる所要時間の増大化を招き易くなる。そして、所要時間が増大するほど、それぞれの移動体の新たな移動経路が、有効な移動経路にならない確率が増大し易くなる。
【0018】
そこで、本実施の形態では、複数の移動体のそれぞれの移動体の移動状況を考慮して、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込むことにより、複数の移動体のそれぞれの移動体の移動経路を適切に変更することができる変更方法について説明する。
【0019】
図1において、複数の移動体101が存在する。図1の例では、移動体101は、具体的には、車両iなどである。iは、1以上の整数である。また、複数の移動体101が分散して訪問する複数の訪問先が存在する。図1の例では、訪問先A、訪問先B、訪問先C、訪問先D、および、訪問先Eなどが存在する。
【0020】
複数の移動体101の移動開始前に、それぞれの移動体101の移動経路が決定されたとする。移動経路は、例えば、移動体101が訪問予定の2以上の訪問先を経由するように形成される。具体的には、車両1の移動経路は、例えば、符号110に示す「訪問先A→訪問先B→訪問先C→訪問先D→訪問先E→・・・」である。それぞれの移動体101は、決定された当該移動体101の移動経路に沿って移動開始したとする。
【0021】
(1-1)情報処理装置100は、それぞれの移動体101の移動経路を変更することを検出する。情報処理装置100は、例えば、複数の移動体101の移動開始後、道路状況の変化、または、配送状況の変化などにより、それぞれの移動体101の移動経路を変更することが好ましいことを検出する。これにより、情報処理装置100は、適切なタイミングで、それぞれの移動体101の移動経路を変更する変更処理を開始することができる。
【0022】
(1-2)情報処理装置100は、それぞれの移動体101の移動経路を変更することを検出すると、それぞれの移動体101の移動経路上に存在する当該移動体101が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体101が訪問後出発するまでの残り時間を取得する。いずれかの訪問先は、例えば、移動体101が次に訪問予定の訪問先である。情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の移動経路上に存在する当該移動体101が次に訪問予定の訪問先を、当該移動体101が訪問後出発するまでの残り時間を取得する。
【0023】
情報処理装置100は、具体的には、それぞれの移動体101の平均速度、および、平均滞在時間などに基づいて、それぞれの移動体101が次に訪問予定の訪問先を訪問後、出発するまでの残り時間を算出する。図1の例では、情報処理装置100は、車両1の平均速度、および、平均滞在時間などに基づいて、車両1が次に訪問予定の訪問先Bを、車両1が訪問後出発するまでの残り時間を算出する。これにより、情報処理装置100は、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む指針となる情報を得ることができる。
【0024】
(1-3)情報処理装置100は、取得した残り時間に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体101の、いずれの移動体101も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。情報処理装置100は、例えば、取得した残り時間で、複数の移動体101全体による訪問予定を変更する変更処理が完了するよう、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。
【0025】
図1の例では、情報処理装置100は、取得した残り時間で、1以上の車両i全体による訪問予定を変更する変更処理が完了するよう、それぞれの車両iによる訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。情報処理装置100は、より具体的には、車両1に関しては、訪問先Cおよび訪問先Dを、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する。これにより、情報処理装置100は、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込むことができ、それぞれの移動体101の移動経路を適切に変更可能にすることができる。
【0026】
(1-4)情報処理装置100は、決定した訪問先に基づいて、それぞれの移動体101の移動経路を変更する。情報処理装置100は、例えば、決定した訪問先の訪問予定を変更するよう、それぞれの移動体101の移動経路を変更する。具体的には、車両1の移動経路は、例えば、符号120に示す「訪問先A→訪問先B→訪問先D→訪問先C→訪問先E→・・・」に変更される。
【0027】
これにより、情報処理装置100は、それぞれの移動体101の移動経路を変更するにあたり、当該移動体101の移動経路のうち、当該移動体101が未訪問であったいずれかの訪問先までの部分経路は変更せずに残しておくことができる。このため、情報処理装置100は、変更後の移動経路が、移動体101の移動状況に合致せず、無効な移動経路になってしまうことを防止することができる。
【0028】
ここで、従来では、車両1が訪問先Bに移動中に、車両1の移動経路を変更しようとすると、車両1の移動状況を考慮せず、車両1の移動経路を変更してしまう。具体的には、従来では、車両1の移動経路は、符号130に示す「訪問先A→訪問先C→訪問先B→訪問先D→訪問先E→・・・」に変更されてしまうことがある。ところが、車両1は、移動経路を変更中も移動し続けており、移動経路が変更された時点で、既に訪問先Bに到着し、または、訪問先Bから出発していることがある。このため、車両1は、変更された移動経路に沿って移動することができない場合がある。従って、変更された移動経路が、有効な移動経路とならない場合がある。
【0029】
これに対し、情報処理装置100は、車両1の移動状況を考慮し、車両1が訪問先Bに到着後出発するまでに、車両1の移動経路のうち、訪問先B以降の部分経路に絞って変更することができる。具体的には、車両1の移動経路は、符号120に示す「訪問先A→訪問先B→訪問先D→訪問先C→訪問先E→・・・」に変更される。このように、情報処理装置100は、変更された移動経路に沿って、車両1が移動可能になるよう、移動経路を変更することができる。また、情報処理装置100は、変更された移動経路が、有効な移動経路になるよう、移動経路を変更することができる。
【0030】
ここでは、情報処理装置100が、それぞれの移動体101の移動経路上に存在する当該移動体101が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体101が訪問後出発するまでの残り時間を取得する場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、それぞれの移動体101の移動経路上に存在する当該移動体101が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体101が訪問するまでの残り時間を取得する場合があってもよい。
【0031】
ここでは、情報処理装置100が、それぞれの移動体101の移動経路上に存在する当該移動体101が次に訪問予定の訪問先を、当該移動体101が訪問後出発するまでの残り時間を取得する場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、それぞれの移動体101の移動経路上で、当該移動体101の現在地からn個先に存在する訪問予定の訪問先を、当該移動体101が訪問後出発するまでの残り時間を取得する場合があってもよい。
【0032】
ここでは、情報処理装置100が、それぞれの移動体101が、未訪問のいずれかの訪問先を訪問後出発するまでの残り時間を、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む指針となる情報として利用する場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、それぞれの移動体101の移動経路を変更する際にかかる所要時間を、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む指針となる情報として利用する場合があってもよい。この場合に対応する具体例については、例えば、図19図22を用いて後述する。
【0033】
(情報処理システム200の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した情報処理装置100を適用した、情報処理システム200の一例について説明する。
【0034】
図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。図2において、情報処理システム200は、情報処理装置100と、演算装置201と、蓄積装置202と、交通管理装置203と、それぞれの移動体101に搭載された搭載装置204とを含む。
【0035】
情報処理システム200において、情報処理装置100と演算装置201とは、有線または無線のネットワークを介して接続される。ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。また、情報処理装置100と蓄積装置202とは、有線または無線のネットワークを介して接続される。また、情報処理装置100と交通管理装置203とは、有線または無線のネットワークを介して接続される。情報処理装置100と搭載装置204とは、有線または無線のネットワークを介して接続される。
【0036】
情報処理装置100は、それぞれの移動体101の移動経路を決定し、または、変更するためのコンピュータである。情報処理装置100は、例えば、図5に後述する実績情報管理テーブル500を記憶する。実績情報管理テーブル500は、例えば、過去に移動経路を決定する際にかかった所要時間を記憶する。実績情報管理テーブル500は、具体的には、過去に移動経路を決定する際に用いられた条件と、過去に移動経路を決定する際にかかった所要時間とを対応付けて記憶する。条件は、例えば、移動体101の数と、訪問先の数とである。
【0037】
情報処理装置100は、例えば、地図情報を、蓄積装置202から受信する。情報処理装置100は、例えば、移動体情報を、蓄積装置202から受信する。移動体情報は、例えば、移動体101の平均速度と、移動体101の平均滞在時間とを含む。移動体情報は、例えば、図6に後述する移動体情報管理テーブル600に記憶される。情報処理装置100は、例えば、定期的に、交通情報を、交通管理装置203から受信する。交通情報は、例えば、道路状況を示す。道路状況は、例えば、渋滞の発生、交通事故の発生、道路工事の開始、または、通行止めの開始などである。
【0038】
情報処理装置100は、例えば、受信した地図情報と、受信した移動体情報と、受信した交通情報とを含めた、それぞれの移動体101の初期の移動経路を決定する決定要求を、演算装置201に送信する。情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の初期の移動経路を、演算装置201から受信する。情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の初期の移動経路を、当該移動体101に搭載された搭載装置204に送信する。また、情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の初期の移動経路を、蓄積装置202に送信しておく。移動経路の一例は、例えば、図3を用いて後述する。
【0039】
情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の進捗情報を、当該移動体101に搭載された搭載装置204から受信する。進捗情報は、例えば、移動体101の現在地と、訪問履歴とを含む。訪問履歴は、移動体101が訪問済みの訪問先、および、移動体101が未訪問の訪問先を特定可能にする。情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の進捗情報、または、交通情報などに基づいて、それぞれの移動体101の移動経路を変更するか否かを判定する。
【0040】
また、情報処理装置100は、例えば、利用者の操作入力に基づいて、それぞれの移動体101の移動経路を変更することを要求する変更要求を受け付けた場合に、それぞれの移動体101の移動経路を変更すると判定してもよい。また、情報処理装置100は、いずれかの移動体101に搭載された搭載装置204から、当該移動体101の移動経路を変更することを要求する変更要求を受信した場合に、それぞれの移動体101の移動経路を変更すると判定してもよい。
【0041】
情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の移動経路を変更すると判定すると、複数の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む。情報処理装置100は、具体的には、それぞれの移動体101の移動体情報と、それぞれの移動体101の進捗情報とに基づいて、それぞれの移動体101が、次に訪問予定の訪問先を訪問後出発するまでの残り時間を算出する。そして、情報処理装置100は、具体的には、実績情報管理テーブル500を参照して、算出した残り時間の最小値に基づいて、残り時間の最小値の範囲で、訪問予定を変更可能な訪問先の数を特定する。その後、情報処理装置100は、特定した数の範囲で、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む。
【0042】
情報処理装置100は、例えば、受信した地図情報と、受信した移動体情報と、受信した交通情報と、絞り込んだ訪問先とを含めた、それぞれの移動体101の移動経路を再決定する再決定要求を、演算装置201に送信する。情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の移動経路を、演算装置201から受信する。情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の移動経路を、当該移動体101に搭載された搭載装置204に送信する。また、情報処理装置100は、例えば、それぞれの移動体101の移動経路を、蓄積装置202に送信しておく。情報処理装置100は、例えば、サーバ、または、PC(Personal Computer)などである。
【0043】
演算装置201は、情報処理装置100の制御に従って、それぞれの移動体101の移動経路を決定するコンピュータである。演算装置201は、数理最適化手法により、組み合わせ最適化問題を解く機能を有する。演算装置201は、決定したそれぞれの移動体101の移動経路を、情報処理装置100に送信する。演算装置201は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0044】
蓄積装置202は、地図情報、移動経路、および、移動体情報などを管理するコンピュータである。蓄積装置202は、地図情報、移動経路、および、移動体情報などを、情報処理装置100に提供する。蓄積装置202は、例えば、サーバ、または、PCなどである。交通管理装置203は、交通情報を管理するコンピュータである。交通管理装置203は、交通情報を、情報処理装置100に提供する。交通管理装置203は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0045】
搭載装置204は、移動体101に搭載されるコンピュータである。搭載装置204は、自装置が搭載された移動体101の移動経路を、情報処理装置100から受信する。搭載装置204は、自装置が搭載された移動体101の移動経路を、当該移動体101の運転者が把握可能に出力する。搭載装置204は、定期的に、進捗情報を生成し、情報処理装置100に送信する。搭載装置204は、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン、または、カーナビゲーション装置などである。
【0046】
ここでは、情報処理装置100と、演算装置201とが異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、演算装置201としての機能を有する場合があってもよい。この場合、情報処理システム200は、演算装置201を含まなくてもよい。
【0047】
ここでは、情報処理装置100と、蓄積装置202とが異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、蓄積装置202としての機能を有する場合があってもよい。この場合、情報処理システム200は、蓄積装置202を含まなくてもよい。
【0048】
ここでは、情報処理装置100と、交通管理装置203とが異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、交通管理装置203としての機能を有する場合があってもよい。この場合、情報処理システム200は、交通管理装置203を含まなくてもよい。
【0049】
(移動経路の一例)
次に、図3を用いて、移動経路の一例について説明する。
【0050】
図3は、移動経路の一例を示す説明図である。図3において、情報処理装置100は、移動体101の移動経路301~303を決定する。情報処理装置100は、所定のアルゴリズムに従って、累計移動時間または累計移動距離が短くなるよう、移動体101の移動経路301~303を決定する。図3に示すように、移動経路301~303は、2以上の訪問先300を経由するように形成される。移動経路301~303は、最初の出発点が、デポである。デポは、例えば、配送拠点である。移動経路301~303は、最終の到着点が、デポである。このため、移動経路301~303は、例えば、閉路である。
【0051】
(情報処理装置100のハードウェア構成例)
次に、図4を用いて、情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
【0052】
図4は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)401と、メモリ402と、ネットワークI/F(Interface)403と、記録媒体I/F404と、記録媒体405とを有する。また、各構成部は、バス400によってそれぞれ接続される。
【0053】
ここで、CPU401は、情報処理装置100の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
【0054】
ネットワークI/F403は、通信回線を通じてネットワーク410に接続され、ネットワーク410を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F403は、ネットワーク410と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F403は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
【0055】
記録媒体I/F404は、CPU401の制御に従って記録媒体405に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F404は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体405は、記録媒体I/F404の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体405は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体405は、情報処理装置100から着脱可能であってもよい。
【0056】
情報処理装置100は、上述した構成部の他、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、情報処理装置100は、記録媒体I/F404や記録媒体405を複数有していてもよい。また、情報処理装置100は、記録媒体I/F404や記録媒体405を有していなくてもよい。
【0057】
(実績情報管理テーブル500の記憶内容)
次に、図5を用いて、実績情報管理テーブル500の記憶内容の一例について説明する。実績情報管理テーブル500は、例えば、図4に示した情報処理装置100のメモリ402や記録媒体405などの記憶領域により実現される。
【0058】
図5は、実績情報管理テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示すように、実績情報管理テーブル500は、Noと、車両数と、対象訪問先数と、計算時間とのフィールドを有する。実績情報管理テーブル500は、移動経路を決定するごとに各フィールドに情報を設定することにより、実績情報がレコード500-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0059】
Noのフィールドには、レコードの番号が設定される。車両数のフィールドには、過去に1以上の移動体のそれぞれの移動体の移動経路を決定した際に、いくつの移動体の移動経路を決定したのかを示す車両数が設定される。換言すれば、車両数は、過去に1以上の移動体のそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられた条件の一つである。
【0060】
対象訪問先数のフィールドには、過去に1以上の移動体のそれぞれの移動体の移動経路を決定した際に、全体としていくつの訪問先に対する、それぞれの移動体の移動経路を決定したのかを示す対象訪問先数が設定される。換言すれば、対象訪問先数は、過去に1以上の移動体のそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられた条件の一つである。計算時間のフィールドには、過去に移動経路を決定した際の計算時間が設定される。
【0061】
(移動体情報管理テーブル600の記憶内容)
次に、図6を用いて、移動体情報管理テーブル600の記憶内容の一例について説明する。移動体情報管理テーブル600は、例えば、図4に示した情報処理装置100のメモリ402や記録媒体405などの記憶領域により実現される。
【0062】
図6は、移動体情報管理テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、移動体情報管理テーブル600は、Noと、平均速度と、平均滞在時間とのフィールドを有する。移動体情報管理テーブル600は、移動体ごとに各フィールドに情報を設定することにより、移動体情報がレコード600-bとして記憶される。bは、任意の整数である。
【0063】
Noのフィールドには、移動体の番号が設定される。平均速度のフィールドには、移動体の平均速度が設定される。平均速度の単位は、例えば、時速である。平均滞在時間のフィールドには、訪問先における、移動体の平均滞在時間が設定される。平均滞在時間の単位は、例えば、分である。平均滞在時間は、例えば、過去に、複数の訪問先のそれぞれの訪問先において、移動体が停止してから移動再開するまでの時間に基づいて算出される。平均滞在時間は、例えば、過去に、複数の訪問先のそれぞれの訪問先において、移動体の動力が停止してから再稼働するまでの時間に基づいて算出される。動力は、例えば、エンジンである。平均滞在時間は、例えば、過去に、複数の訪問先のそれぞれの訪問先において、移動体に搭載された搭載装置204が停止してから再起動するまでの時間に基づいて算出される。
【0064】
(演算装置201のハードウェア構成例)
演算装置201のハードウェア構成例は、具体的には、図4に示した情報処理装置100のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0065】
(蓄積装置202のハードウェア構成例)
蓄積装置202のハードウェア構成例は、具体的には、図4に示した情報処理装置100のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0066】
(交通管理装置203のハードウェア構成例)
交通管理装置203のハードウェア構成例は、具体的には、図4に示した情報処理装置100のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
(搭載装置204のハードウェア構成例)
次に、図7を用いて、図2に示した情報処理システム200に含まれる搭載装置204のハードウェア構成例について説明する。
【0068】
図7は、搭載装置204のハードウェア構成例を示すブロック図である。図7において、搭載装置204は、CPU701と、メモリ702と、ネットワークI/F703と、記録媒体I/F704と、記録媒体705と、ディスプレイ706と、GPS(Global Positioning System)装置707とを有する。また、各構成部は、バス700によってそれぞれ接続される。
【0069】
ここで、CPU701は、搭載装置204の全体の制御を司る。メモリ702は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU701のワークエリアとして使用される。メモリ702に記憶されるプログラムは、CPU701にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU701に実行させる。
【0070】
ネットワークI/F703は、通信回線を通じてネットワーク410に接続され、ネットワーク410を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F703は、ネットワーク410と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F703は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
【0071】
記録媒体I/F704は、CPU701の制御に従って記録媒体705に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F704は、例えば、ディスクドライブ、SSD、USBポートなどである。記録媒体705は、記録媒体I/F704の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体705は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体705は、搭載装置204から着脱可能であってもよい。
【0072】
ディスプレイ706は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ706は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。GPS装置707は、GPS衛星の電波を検出する。GPS装置707は、GPS衛星の電波に基づいて、搭載装置204の座標を検出する。
【0073】
搭載装置204は、上述した構成部の他、例えば、キーボード、マウス、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、搭載装置204は、記録媒体I/F704や記録媒体705を複数有していてもよい。また、搭載装置204は、記録媒体I/F704や記録媒体705を有していなくてもよい。
【0074】
(情報処理装置100の機能的構成例)
次に、図8を用いて、情報処理装置100の機能的構成例について説明する。
【0075】
図8は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部800と、取得部801と、検出部802と、算出部803と、決定部804と、出力部805とを含む。
【0076】
記憶部800は、例えば、図4に示したメモリ402や記録媒体405などの記憶領域によって実現される。以下では、記憶部800が、情報処理装置100に含まれる場合について説明するが、これに限らない。例えば、記憶部800が、情報処理装置100とは異なる装置に含まれ、記憶部800の記憶内容が情報処理装置100から参照可能である場合があってもよい。
【0077】
取得部801~出力部805は、制御部の一例として機能する。取得部801~出力部805は、具体的には、例えば、図4に示したメモリ402や記録媒体405などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、ネットワークI/F403により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図4に示したメモリ402や記録媒体405などの記憶領域に記憶される。
【0078】
記憶部800は、各機能部の処理において参照され、または更新される各種情報を記憶する。記憶部800は、交通情報を記憶する。交通情報は、例えば、道路状況を示す。道路状況は、例えば、渋滞の発生、交通事故の発生、道路工事の開始、または、通行止めの開始などである。交通情報は、例えば、取得部801によって取得される。
【0079】
記憶部800は、例えば、複数の訪問先のそれぞれの訪問先の位置を含む訪問先情報を記憶する。訪問先は、例えば、配送先、または、集荷先である。訪問先の位置は、例えば、訪問先の座標である。訪問先は、例えば、利用者によって設定される。訪問先情報は、さらに、訪問先に訪問する訪問時間帯の制限を含んでもよい。訪問先情報は、例えば、取得部801によって取得される。
【0080】
記憶部800は、例えば、複数の移動体のそれぞれの移動体の平均速度、および、平均滞在時間などを含む移動体情報を記憶する。記憶部800は、具体的には、移動体情報管理テーブル600を用いて、それぞれの移動体の移動体情報を記憶する。移動体情報は、例えば、取得部801によって取得される。
【0081】
記憶部800は、それぞれの移動体の移動経路を記憶する。移動経路は、例えば、移動体の移動予定である。移動経路は、例えば、移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由するように形成される。記憶部800は、現在採用中のそれぞれの移動体の移動経路を記憶する。移動経路は、例えば、決定部804によって生成される。
【0082】
記憶部800は、例えば、複数の移動体のそれぞれの移動体の位置と、訪問履歴とを含む進捗情報を記憶する。移動体の位置は、例えば、移動体の座標である。訪問履歴は、移動体が訪問済みの訪問先、および、移動体が未訪問の訪問先を特定可能にする。進捗情報は、例えば、取得部801によって取得される。
【0083】
記憶部800は、変更処理にかかる処理時間を算出可能にするモデルを記憶する。変更処理は、それぞれの移動体の移動経路を変更するために、少なくともいずれかの訪問先に対する訪問予定を変更する処理である。モデルは、例えば、数式である。モデルは、例えば、ニューラルネットワークであってもよい。モデルは、例えば、移動体の数と、訪問予定を変更する訪問先の数とに応じて、それぞれの訪問先に対する訪問予定を変更する変更処理にかかる処理時間を算出する数式である。モデルは、例えば、算出部803によって、実績情報管理テーブル500に基づいて生成される。モデルは、例えば、取得部801によって取得される。
【0084】
記憶部800は、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む指針となる時間情報を記憶する。時間情報は、例えば、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間である。時間情報は、例えば、それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間である。時間情報は、例えば、算出部803によって算出される。時間情報は、例えば、取得部801によって取得される。
【0085】
取得部801は、各機能部の処理に用いられる各種情報を取得する。取得部801は、取得した各種情報を、記憶部800に記憶し、または、各機能部に出力する。また、取得部801は、記憶部800に記憶しておいた各種情報を、各機能部に出力してもよい。取得部801は、例えば、利用者の操作入力に基づき、各種情報を取得する。取得部801は、例えば、情報処理装置100とは異なる装置から、各種情報を受信してもよい。
【0086】
取得部801は、例えば、交通情報を取得する。取得部801は、具体的には、交通情報を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、例えば、交通管理装置203である。交通情報は、例えば、検出部802でそれぞれの移動体の移動経路を変更することを検出する際に用いられる。交通情報は、例えば、算出部803で時間情報を生成する際に用いられる。交通情報は、例えば、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられる。
【0087】
取得部801は、例えば、訪問先情報を取得する。取得部801は、例えば、利用者の操作入力に基づき、訪問先情報の入力を受け付けることにより、訪問先情報を取得する。訪問先情報は、例えば、検出部802でそれぞれの移動体の移動経路を変更することを検出する際に用いられる。訪問先情報は、例えば、算出部803で時間情報を生成する際に用いられる。訪問先情報は、例えば、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられる。
【0088】
取得部801は、例えば、移動体情報を取得する。取得部801は、具体的には、利用者の操作入力に基づき、移動体情報の入力を受け付けることにより、移動体情報を取得する。移動体情報は、例えば、検出部802でそれぞれの移動体の移動経路を変更することを検出する際に用いられる。移動体情報は、例えば、算出部803で時間情報を生成する際に用いられる。移動体情報は、例えば、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられる。
【0089】
取得部801は、例えば、それぞれの移動体の進捗情報を取得する。取得部801は、具体的には、それぞれの移動体の進捗情報を、他のコンピュータから受信することにより、それぞれの移動体の進捗情報を取得する。他のコンピュータは、例えば、移動体に搭載された搭載装置204である。進捗情報は、例えば、検出部802でそれぞれの移動体の移動経路を変更することを検出する際に用いられる。進捗情報は、例えば、算出部803で時間情報を生成する際に用いられる。進捗情報は、例えば、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられる。
【0090】
取得部801は、例えば、変更処理にかかる処理時間を算出可能にするモデルを取得する。取得部801は、具体的には、モデルを、他のコンピュータから受信することにより取得する。取得部801は、具体的には、利用者の操作入力に基づき、モデルの入力を受け付けることにより、モデルを取得する。モデルは、例えば、算出部803で時間情報を生成する際に用いられる。モデルは、例えば、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられる。
【0091】
取得部801は、例えば、時間情報を取得する。取得部801は、具体的には、時間情報を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、例えば、移動体に搭載された搭載装置204である。取得部801は、具体的には、算出部803で時間情報を生成しない場合、時間情報を、他のコンピュータから受信する。時間情報は、例えば、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定する際に用いられる。
【0092】
取得部801は、例えば、移動体の移動経路を変更することを要求する変更要求を取得する。取得部801は、具体的には、利用者の操作入力に基づき、変更要求の入力を受け付けることにより、変更要求を取得する。取得部801は、具体的には、変更要求を、他のコンピュータから受信することにより取得する。他のコンピュータは、例えば、いずれかの移動体に搭載された搭載装置204である。
【0093】
取得部801は、例えば、訪問先を追加または削除すること、あるいは、訪問時間帯の制限を変更することを要求する更新要求を取得する。訪問先の削除は、例えば、訪問先に対する訪問予定が取り消された場合の他、訪問先に対する訪問予定が明日以降に延期された場合などに発生する。取得部801は、具体的には、更新要求を、他のコンピュータから受信することにより取得する。取得部801は、具体的には、更新要求に応じて、記憶部800に記憶された訪問先情報を更新してもよい。
【0094】
取得部801は、いずれかの機能部の処理を開始する開始トリガーを受け付けてもよい。開始トリガーは、例えば、利用者による所定の操作入力があったことである。開始トリガーは、例えば、他のコンピュータから、所定の情報を受信したことであってもよい。開始トリガーは、例えば、いずれかの機能部が所定の情報を出力したことであってもよい。
【0095】
検出部802は、複数の移動体のそれぞれの移動体の移動経路を纏めて変更することを検出する。検出部802は、例えば、取得部801で取得した交通情報、訪問先情報、移動体情報、および、進捗情報の少なくともいずれかに基づいて、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更することを検出する。
【0096】
検出部802は、具体的には、交通情報に基づいて、それぞれの移動体の移動経路上で、渋滞、交通事故、または、通行止めなどが発生したか否かを判定する。そして、検出部802は、具体的には、渋滞、交通事故、または、通行止めなどが発生したと判定した場合、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更することを検出する。これにより、検出部802は、適切なタイミングで、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更可能にすることができる。
【0097】
検出部802は、具体的には、交通情報と、訪問先情報、移動体情報、および、進捗情報に基づいて、いずれかの移動体が、いずれかの訪問先を訪問する時点の予測値が、訪問時間帯の制限を満たすか否かを判定する。そして、検出部802は、訪問時間帯の制限を満たさないと判定した場合、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更することを検出する。これにより、検出部802は、適切なタイミングで、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更可能にすることができる。
【0098】
検出部802は、例えば、取得部801で変更要求、または、更新要求を取得したことに応じて、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更することを検出してもよい。これにより、検出部802は、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更する必要性があることを検出し、適切なタイミングで、それぞれの移動体の移動経路を纏めて変更可能にすることができる。
【0099】
算出部803は、時間情報を生成する。算出部803は、例えば、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間を算出する。算出部803は、具体的には、交通情報と、訪問先情報、移動体情報、および、進捗情報に基づいて、それぞれの移動体がn個後に訪問予定の訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間を算出する。nは、1以上の整数である。算出部803は、より具体的には、それぞれの移動体が次に訪問予定の訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間を算出する。これにより、算出部803は、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定するにあたり、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む指針となる情報を得ることができる。
【0100】
算出部803は、例えば、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を算出する。算出部803は、具体的には、交通情報と、訪問先情報、移動体情報、および、進捗情報に基づいて、それぞれの移動体がn個後に訪問予定の訪問先を、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を算出する。算出部803は、より具体的には、それぞれの移動体が次に訪問予定の訪問先を、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を算出する。これにより、算出部803は、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定するにあたり、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む指針となる情報を得ることができる。
【0101】
算出部803は、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、複数の訪問先のうち、いずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得する。算出部803は、例えば、モデルを利用して、進捗情報を参照して、いずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得する。算出部803は、具体的には、モデルに、いずれの移動体も未訪問の訪問先の数を入力することにより、当該モデルから出力される、それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得する。これにより、算出部803は、決定部804でそれぞれの移動体の移動経路を決定するにあたり、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込む指針となる情報を得ることができる。
【0102】
算出部803は、モデルを生成、または、モデルを更新する。算出部803は、それぞれの移動体が移動完了した後、訪問先情報、移動体情報、および、進捗情報に基づいて、モデルを生成、または、モデルを更新する。これにより、算出部803は、モデルの精度を向上させることができ、それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を精度よく算出可能にすることができる。
【0103】
決定部804は、取得部801で取得、または、算出部803で算出した時間情報に基づいて、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。決定部804は、例えば、残り時間に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。決定部804は、例えば、残り時間の統計値に基づいて、いずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。統計値は、例えば、最大値、最小値、最頻値、または、中央値などである。統計値は、例えば、最小値であることが好ましい。
【0104】
決定部804は、具体的には、モデルを利用して、複数の訪問先のうち、残り時間の最小値で訪問予定を変更可能な訪問先の数を特定する。そして、決定部804は、具体的には、特定した数に基づいて、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。決定部804は、より具体的には、移動体の数と、残り時間の最小値とをモデルに入力することにより、モデルから出力される訪問先の数を取得し、訪問予定を変更可能な訪問先の数に設定する。そして、決定部804は、より具体的には、それぞれの移動体に対応する領域に含まれる未訪問の訪問先を、特定した数だけ選択し、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する。
【0105】
領域は、例えば、移動体が次に訪問予定の訪問先を基準点とした領域である。領域は、例えば、それぞれの移動体が最初に出発した出発点を基準点とした領域であってもよい。領域は、例えば、それぞれの移動体が最後に到着する到着点を基準点とした領域であってもよい。領域は、基準点からの直線距離に基づいて設定される。領域は、基準点からの移動時間に基づいて設定される。
【0106】
この際、決定部804は、さらに具体的には、それぞれの移動体に対応する領域を、当該領域に含まれるいずれの移動体も未訪問の訪問先の合計が、特定した数を超えるまで拡張する。決定部804は、さらに具体的には、拡張した領域に含まれる、いずれの移動体も未訪問の訪問先を、特定した数だけ選択し、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する。これにより、決定部804は、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込むことができ、それぞれの移動体の移動経路を纏めて適切に変更可能にすることができる。
【0107】
決定部804は、例えば、所要時間に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する。決定部804は、具体的には、いずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、取得した所要時間で訪問可能な訪問先と、取得した所要時間後で次に訪問予定の訪問先とを除外した残余の訪問先を、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する。これにより、決定部804は、訪問予定を変更する対象とする訪問先を絞り込むことができ、それぞれの移動体の移動経路を纏めて適切に変更可能にすることができる。
【0108】
決定部804は、決定した訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更する。決定部804は、決定した訪問先以外の他の訪問先の訪問予定を変更せず、決定した訪問先の訪問予定を変更することにより、それぞれの移動体の新たな移動経路を決定し、それぞれの移動体の移動経路を変更する。これにより、決定部804は、それぞれの移動体の移動経路を適切に変更することができる。
【0109】
決定部804は、決定した訪問先を、演算装置201に送信することにより、演算装置201に、それぞれの移動体の新たな移動経路を決定させ、演算装置201から、それぞれの移動体の新たな移動経路を取得してもよい。これにより、決定部804は、それぞれの移動体の移動経路を適切に変更することができる。決定部804は、それぞれの移動体の初期の移動経路を決定してもよい。これにより、決定部804は、それぞれの移動体に移動開始させることができる。
【0110】
出力部805は、少なくともいずれかの機能部の処理結果を出力する。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、ネットワークI/F403による外部装置への送信、または、メモリ402や記録媒体405などの記憶領域への記憶である。これにより、出力部805は、少なくともいずれかの機能部の処理結果を利用者に通知可能にし、情報処理装置100の利便性の向上を図ることができる。
【0111】
出力部805は、決定部804で決定したそれぞれの移動体の移動経路を出力する。出力部805は、例えば、それぞれの移動体の移動経路を、当該移動体に搭載された搭載装置204に送信する。これにより、出力部805は、決定したそれぞれの移動体の移動経路に沿って、当該移動体を適切に移動させることができる。
【0112】
(情報処理装置100の具体的な機能的構成例)
次に、図9を用いて、情報処理装置100の具体的な機能的構成例について説明する。
【0113】
図9は、情報処理装置100の具体的な機能的構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、経路状況記憶部901と、計算時間蓄積部902と、新経路保存部903とを有する。また、情報処理装置100は、車両位置取得部911と、道路状況取得部912と、猶予時間決定部913と、再計画範囲決定部914と、最適経路生成部915と、計画採用可否判定部916とを含む。
【0114】
経路状況記憶部901は、例えば、配送車が有するGPS装置で取得された配送車の座標を記憶する。経路状況記憶部901は、例えば、配送車が、それぞれの訪問予定の配送先に訪問済みであるか否かを示すフラグ情報を記憶する。経路状況記憶部901は、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)から取得された交通情報を記憶する。VICSは、登録商標である。
【0115】
計算時間蓄積部902は、例えば、過去に配送計画を立案した際の条件と所要時間とを蓄積する。配送計画は、それぞれの配送車の移動経路を含む。立案は、それぞれの配送車の移動経路を決定することである。条件は、配送車の数、および、配送先の数などである。新経路保存部903は、例えば、最新の配送計画を記憶する。新経路保存部903は、具体的には、最新の配送計画として、それぞれの配送車の最新の移動経路を記憶する。
【0116】
車両位置取得部911は、例えば、配送車が有するGPS装置から取得された配送車の座標を、当該配送車に搭載された搭載装置204から受信する。車両位置取得部911は、例えば、受信した配送車の座標を、経路状況記憶部901に格納する。車両位置取得部911は、例えば、配送車が、それぞれの訪問予定の配送先に訪問済みであるか否かを示すフラグ情報を、当該配送車に搭載された搭載装置204から受信する。車両位置取得部911は、例えば、受信したフラグ情報を、経路状況記憶部901に格納する。道路状況取得部912は、例えば、VICSから交通情報を取得する。道路状況取得部912は、取得した交通情報を、経路状況記憶部901に格納する。
【0117】
猶予時間決定部913は、例えば、配送計画の立案に利用可能な猶予時間を決定する。猶予時間決定部913は、具体的には、配送車の座標、フラグ情報、および、交通情報に基づいて、配送計画の立案に利用可能な猶予時間として、それぞれの配送車が、次に訪問予定の配送先を訪問後出発するまでの残り時間を算出する。猶予時間決定部913は、例えば、いずれの配送車も未訪問の配送先について、新たな配送計画を立案する際にかかる所要時間を決定してもよい。猶予時間決定部913は、具体的には、計算時間蓄積部902を参照して、所要時間を決定するモデルを生成し、生成したモデルを利用して、いずれの配送車も未訪問の配送先について、新たな配送計画を立案する際にかかる所要時間を決定する。
【0118】
再計画範囲決定部914は、例えば、猶予時間に基づいて、いずれの配送車も未訪問の配送先のうち、新たな配送計画を立案する際に処理対象とし、訪問予定を変更する対象とする配送先を決定する。再計画範囲決定部914は、具体的には、猶予時間内で、配送計画を立案する立案処理を完了可能な、処理対象とする配送先の数の上限を特定する。そして、再計画範囲決定部914は、特定した上限以下で、いずれの配送車も未訪問の配送先のうち、新たな配送計画を立案する際に処理対象とし、訪問予定を変更する対象とする配送先を決定する。
【0119】
最適経路生成部915は、例えば、初期の配送計画を立案する。立案は、それぞれの配送車の移動経路を決定することである。最適経路生成部915は、具体的には、数理最適化手法を利用して、初期の配送計画を立案する。最適経路生成部915は、例えば、訪問予定を変更する対象とする配送先について、配送計画を再立案する。最適経路生成部915は、具体的には、数理最適化手法を利用して、訪問予定を変更する対象とする配送先について、配送計画を再立案する。
【0120】
計画採用可否判定部916は、例えば、最適経路生成部915で立案した配送計画を採用するか否かを判定する。計画採用可否判定部916は、具体的には、新たに立案した配送計画が、採用中の配送計画より適切であれば、新たに立案した配送計画を採用する。適切とは、例えば、配送コストが比較的小さいことである。また、計画採用可否判定部916は、配送先の追加などにより、採用中の配送計画が不適切になっていれば、新たに立案した配送計画を採用する。
【0121】
(情報処理装置100の第1動作例)
次に、図10図16を用いて、情報処理装置100の第1動作例について説明する。
【0122】
図10図16は、情報処理装置100の第1動作例を示す説明図である。図10において、情報処理装置100は、すべての配送先を、訪問予定を決定する対象とし、それぞれの配送車1001の初期の移動経路を決定することにより、初期の配送計画を立案して採用する。情報処理装置100は、例えば、配送業務の前日に、初期の配送計画を立案する。
【0123】
情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の初期の移動経路を、当該配送車1001に搭載された搭載装置204に送信する。配送車1001は、移動経路を、運転手が把握可能に出力する。運転手は、配送車1001を運転し、配送車1001を移動経路に沿って移動させ、配送業務を実施する。
【0124】
配送車1001は、移動中、定期的に、当該配送車1001の現在地と、当該配送車1001の訪問履歴とを含む進捗情報を、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動中、定期的に、それぞれの配送車1001から、当該配送車1001の現在地と、当該配送車1001の訪問履歴とを含む進捗情報を受信する。また、情報処理装置100は、定期的に、交通情報を、交通管理装置203から受信する。交通情報は、例えば、道路状況を示す。道路状況は、例えば、渋滞の発生、交通事故の発生、道路工事の開始、または、通行止めの開始などである。次に、図11の説明に移行する。
【0125】
図11において、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の現在地と、交通情報とに基づいて、配送計画を再立案するトリガーを検出する。情報処理装置100は、例えば、現在の移動経路よりも、配送車1001が配送先1100に早く到着可能な移動経路があると判断したことを、配送計画を再立案するトリガーとして検出する。図11に示すように、情報処理装置100は、具体的には、現在の移動経路1101よりも、配送車1001が配送先1100に早く到着可能な移動経路1102があると判断したことを、配送計画を再立案するトリガーとして検出する。
【0126】
また、情報処理装置100は、例えば、ある配送車1001が、配送先1100に向かうよりも、別の配送車1001が、配送先1100に向かう方が好ましいと判断したことを、配送計画を再立案するトリガーとして検出する。図11に示すように、情報処理装置100は、具体的には、ある配送車1001が移動経路1101で配送先1100に向かうよりも、別の配送車1001が移動経路1103で配送先1100に向かう方が好ましいか否かを判断する。情報処理装置100は、別の配送車1001が移動経路1103で配送先1100に向かう方が好ましいと判断したことを、配送計画を再立案するトリガーとして検出する。
【0127】
また、情報処理装置100は、例えば、配送先1100の追加、配送先1100の減少、または、配送時間帯の制限の変更などがあると判断したことを、配送計画を再立案するトリガーとして検出する。情報処理装置100は、具体的には、配送先に対応する受取人による再配達依頼などに起因し、配送先1100の追加、配送先1100の減少、または、配送時間帯の制限の変更などがあるか否かを判断する。
【0128】
また、情報処理装置100は、例えば、配送車1001が配送先1100に到着する予定時点が、配送時間帯の制限を満たさないと判断したことを、配送計画を再立案するトリガーとして検出する。ここでは、情報処理装置100が、配送計画を再立案するトリガーを検出したとする。次に、図12の説明に移行する。
【0129】
図12において、それぞれの配送車1001は、移動中である。配送車1001は、例えば、車両1、車両2、車両3、および、車両4である。それぞれの配送車1001の移動経路上に存在する、当該配送車1001により訪問予定の複数の配送先1100が、当該配送車1001に対応する時間軸上に示されている。図12の例では、白い家のマークは、現時点で訪問済みの配送先1100を示す。黒い家のマークは、現時点で未訪問の配送先1100を示す。
【0130】
情報処理装置100は、それぞれの配送車1001が次に訪問予定の配送先1100よりも後に訪問予定の配送先1100を、配送計画を再立案する際に訪問予定を変更する配送先1100の候補として特定する。換言すれば、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の最初の出発点から、当該配送車1001が次に訪問予定の配送先1100までのそれぞれの配送先1100を、配送計画を再立案する際に訪問予定を変更する配送先1100としない。
【0131】
情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の平均速度、および、平均滞在時間などに基づいて、それぞれの配送車1001が次に訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間を、配送計画を再立案する猶予時間の候補として算出する。情報処理装置100は、算出した候補の最小値を、配送計画を再立案する猶予時間に設定する。情報処理装置100は、例えば、車両4について算出した候補を、配送計画を再立案する猶予時間に設定する。
【0132】
これにより、情報処理装置100は、配送車1001が移動し続け、配送状況が変化し続けても、配送計画を再立案した後に、配送業務に支障が生じないよう、いつまでに、配送計画を再立案完了すればよいかを把握することができる。次に、図13および図14の説明に移行する。
【0133】
図13において、情報処理装置100は、猶予時間内に配送計画の再立案を完了するよう、特定した配送先1100の候補をさらに絞り込む。情報処理装置100は、例えば、実績情報管理テーブル500を参照して、車両数ごとに、対象訪問先数と、計算時間との関係を示す数式1300を生成する。数式は、例えば、y=ax^n+bである。yは、計算時間である。xは、対象訪問先数である。aは、係数である。bは、係数である。情報処理装置100は、予め、数式1300を生成しておいてもよい。この際、情報処理装置100は、実績情報管理テーブル500が空であれば、車両数と、対象訪問先数とを仮定し、仮の配送計画を立案することにより、計算時間を試算し、予め、数式1300を生成しておいてもよい。次に、図14の説明に移行する。
【0134】
図14において、情報処理装置100は、今回の車両数に対応する数式1400を取得する。情報処理装置100は、数式1400のyに猶予時間を入力し、訪問予定を変更可能な配送先1100の数=xを算出する。情報処理装置100は、特定した配送先1100の候補の中から、算出したxの分だけ、配送先1100の候補を選択し、訪問予定を変更する配送先1100に決定する。これにより、情報処理装置100は、配送業務に支障が生じない範囲で、訪問予定を変更する配送先1100を決定することができ、適切に配送計画を再立案可能にすることができる。
【0135】
次に、図15および図16の説明に移行し、情報処理装置100が、訪問予定を変更する配送先1100を決定する具体例について説明する。図15において、(15-1)情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の次の訪問予定の配送先1100を中心とするエリア1500を設定する。
【0136】
エリア1500は、例えば、中心から一定距離までの範囲であり、円状エリアとなる。エリア1500は、例えば、中心からの一定時間で移動可能な範囲であってもよい。エリア1500の大きさは、例えば、配送車1001ごとに異なってもよい。
【0137】
(15-2)情報処理装置100は、それぞれのエリア1500に含まれる未訪問の配送先1100の数を足し合わせた数が、算出した訪問予定を変更可能な配送先1100の数以上であるか否かを判定する。
【0138】
ここで、情報処理装置100は、訪問予定を変更可能な配送先1100の数以上でなければ、それぞれのエリア1500を、所定幅だけ拡張する。そして、情報処理装置100は、拡張する都度、それぞれのエリア1500に含まれる未訪問の配送先1100の数を足し合わせた数が、算出した訪問予定を変更可能な配送先1100の数以上であるか否かを再び判定する。一方で、情報処理装置100は、訪問予定を変更可能な配送先1100の数以上であれば、それぞれのエリア1500を、再計画範囲1600に設定する。ここで、図16の説明に移行する。
【0139】
図16において、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動経路のうち、設定した再計画範囲1600に含まれない部分経路を変更せずに残すことにする。図16の例では、再計画範囲1600に含まれない部分経路は、二重線で示される。情報処理装置100は、例えば、再計画範囲1600に含まれない未訪問の配送先1100については、訪問予定を変更しないことにより、再計画範囲1600に含まれない部分経路を変更せずに残すことにする。
【0140】
一方で、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動経路のうち、再計画範囲1600に含まれる部分経路を変更することとする。情報処理装置100は、例えば、再計画範囲1600に含まれない未配送の配送先1100の中から、算出した訪問予定を変更可能な配送先1100の数だけ、未配送の配送先1100を選択し、実際に配送予定を変更する対象に設定する。そして、情報処理装置100は、例えば、設定した未配送の配送先1100の配送予定を変更することにより、再計画範囲1600に含まれる部分経路を変更し、それぞれの配送車1001の移動経路を変更し、配送計画を再立案して採用する。
【0141】
この際、情報処理装置100は、変更後の再計画範囲1600に含まれる部分経路が、設定した再計画範囲1600に含まれない部分経路の始点を、接続点として接続されるよう、変更後の再計画範囲1600に含まれる部分経路を変更することになる。これにより、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動経路が分断しないようにすることができる。また、情報処理装置100は、配送車1001が移動し続け、配送状況が変化し続けても、配送業務に支障が生じないよう、適切に配送計画を再立案することができ、それぞれの配送車1001の有効な移動経路を決定することができる。
【0142】
ここで、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動経路を変更し、配送計画を再立案した際、猶予時間を経過している場合、再立案した配送計画を破棄してもよい。そして、情報処理装置100は、採用中の配送計画を、そのまま採用し続ける。これにより、情報処理装置100は、適切に配送作業を実施可能にすることができる。
【0143】
また、情報処理装置100は、配送計画を再立案した際、再立案した配送計画が、所定の制限を満たさなければ、再立案した配送計画を破棄してもよい。所定の制限は、例えば、それぞれの配送車1001が、それぞれの配送先1100を、当日中に訪問し切ることである。この際、情報処理装置100は、いずれかの配送先1100に対する配送予定を翌日以降に延期し、配送計画を再立案してもよい。これにより、情報処理装置100は、適切に配送作業を実施可能にすることができる。
【0144】
また、情報処理装置100は、再立案した配送計画が、採用中の配送計画より適切であるか否かを判定し、適切であると判定した場合に、再立案した配送計画を採用してもよい。情報処理装置100は、例えば、再立案した配送計画における配送コストが、採用中の配送計画における配送コストより小さければ、再立案した配送計画が、採用中の配送計画より適切であると判定する。これにより、情報処理装置100は、適切な配送計画を採用することができ、配送コストの低減化を図ることができる。
【0145】
ここでは、情報処理装置100が、配送車1001が次の訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間の最小値を、猶予時間に設定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、配送車1001がn個後の訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間の最小値を、猶予時間に設定する場合があってもよい。
【0146】
具体的には、情報処理装置100は、配送車1001が次の訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間の最小値が、閾値以下であるか否かを判定する。そして、情報処理装置100は、閾値以下であると判定すると、配送車1001がn個後の訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間の最小値を、猶予時間に設定する。これにより、情報処理装置100は、猶予時間を比較的長くすることができ、配送計画を再立案し易くすることができる。
【0147】
具体的には、情報処理装置100は、配送車1001が次の訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間の最小値を、猶予時間に設定したと仮定した場合に、訪問予定を変更可能になる配送先1100の数が、閾値以下であるか否かを判定する。閾値は、例えば、0である。そして、情報処理装置100は、閾値以下であると判定すると、配送車1001がn個後の訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間の最小値を、猶予時間に設定する。これにより、情報処理装置100は、猶予時間を比較的長くすることができ、配送計画を再立案し易くすることができる。
【0148】
また、例えば、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001がn個後の訪問予定の配送先1100を訪問後出発するまでの残り時間を算出するにあたり、nを配送車1001ごとに可変に設定する場合があってもよい。
【0149】
(第1動作例における全体処理手順)
次に、図17を用いて、情報処理装置100が実行する、第1動作例における全体処理手順の一例について説明する。全体処理は、例えば、図4に示したCPU401と、メモリ402や記録媒体405などの記憶領域と、ネットワークI/F403とによって実現される。
【0150】
図17は、第1動作例における全体処理手順の一例を示すフローチャートである。図17において、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001についての初期の配送ルートを生成し、生成したそれぞれの配送車1001についての配送ルートを採用する(ステップS1701)。ここで、情報処理装置100は、採用したそれぞれの配送車1001についての配送ルートを、当該配送車1001の搭載装置204に送信しておく。
【0151】
次に、情報処理装置100は、配送作業が終了したか否かを判定する(ステップS1702)。ここで、配送作業が終了している場合(ステップS1702:Yes)、情報処理装置100は、全体処理を終了する。一方で、配送作業が終了していない場合(ステップS1702:No)、情報処理装置100は、ステップS1703の処理に移行する。
【0152】
ステップS1703では、情報処理装置100は、採用中の少なくともいずれかの配送車1001についての配送ルートの変更トリガーが発生したか否かを判定する(ステップS1703)。ここで、変更トリガーが発生していない場合(ステップS1703:No)、情報処理装置100は、ステップS1702の処理に戻る。一方で、変更トリガーが発生している場合(ステップS1703:Yes)、情報処理装置100は、ステップS1704の処理に移行する。
【0153】
ステップS1704では、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の平均速度と、道路状況とに基づいて、それぞれの配送車1001が次の配送先1100から出発するまでの残り時間を算出し、猶予時間に設定する(ステップS1704)。次に、情報処理装置100は、図18に後述する再計画処理を実行し、それぞれの配送車1001についての新たな配送ルートを生成する(ステップS1705)。
【0154】
そして、情報処理装置100は、生成したそれぞれの配送車1001についての新たな配送ルートを採用する必要性があるか否かを判定する(ステップS1706)。ここで、採用する必要性がない場合(ステップS1706:No)、情報処理装置100は、ステップS1707の処理に移行する。一方で、採用する必要性がある場合(ステップS1706:Yes)、情報処理装置100は、ステップS1708の処理に移行する。
【0155】
ステップS1707では、情報処理装置100は、生成したそれぞれの配送車1001についての新たな配送ルートが、現在の配送ルートより適切であるか否かを判定する(ステップS1707)。ここで、現在の配送ルートより適切ではない場合(ステップS1707:No)、情報処理装置100は、ステップS1702の処理に戻る。一方で、現在の配送ルートより適切である場合(ステップS1707:Yes)、情報処理装置100は、ステップS1708の処理に移行する。
【0156】
ステップS1708では、情報処理装置100は、生成したそれぞれの配送車1001についての新たな配送ルートを採用する(ステップS1708)。ここで、情報処理装置100は、採用したそれぞれの配送車1001についての新たな配送ルートを、当該配送車1001の搭載装置204に送信する。そして、情報処理装置100は、ステップS1702の処理に戻る。
【0157】
(第1動作例における再計画処理手順)
次に、図18を用いて、情報処理装置100が実行する、第1動作例における再計画処理手順の一例について説明する。再計画処理は、例えば、図4に示したCPU401と、メモリ402や記録媒体405などの記憶領域と、ネットワークI/F403とによって実現される。
【0158】
図18は、第1動作例における再計画処理手順の一例を示すフローチャートである。図18において、情報処理装置100は、猶予時間を、所定の数式モデルに入力することにより、計算可能な配送先1100の数を算出する(ステップS1801)。
【0159】
次に、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の次の配送先1100の座標を取得する(ステップS1802)。そして、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001を中心とする円状の再計画範囲を拡大する(ステップS1803)。
【0160】
次に、情報処理装置100は、再計画範囲に含まれる配送先1100の数が、計算可能な配送先1100の数以上であるか否かを判定する(ステップS1804)。ここで、計算可能な配送先1100の数未満である場合(ステップS1804:No)、情報処理装置100は、ステップS1803の処理に戻る。一方で、計算可能な配送先1100の数以上である場合(ステップS1804:Yes)、情報処理装置100は、ステップS1805の処理に移行する。
【0161】
ステップS1805では、情報処理装置100は、採用されたそれぞれの配送車1001についての配送ルートのうち、再計画範囲から外れる部分ルートを維持しつつ、再計画範囲に含まれる部分ルートを変更する(ステップS1805)。情報処理装置100は、具体的には、再計画範囲に含まれる未配送の配送先1100の中から、計算可能な配送先1100の数だけ、配送先1100を選択する。情報処理装置100は、具体的には、選択した配送先1100に対する訪問予定を変更することにより、再計画範囲に含まれる部分ルートを変更する。
【0162】
次に、情報処理装置100は、計算条件と、計算時間とを、データベースに記憶する(ステップS1806)。データベースは、例えば、実績情報管理テーブル500である。そして、情報処理装置100は、所定の数式モデルを更新する(ステップS1807)。その後、情報処理装置100は、再計画処理を終了する。
【0163】
ここで、情報処理装置100は、図17および図18の各フローチャートの一部ステップの処理の順序を入れ替えて実行してもよい。例えば、ステップS1706,S1707の処理の順序は入れ替え可能である。また、情報処理装置100は、図17および図18の各フローチャートの一部ステップの処理を省略してもよい。例えば、ステップS1706,S1707の処理は省略可能である。
【0164】
(情報処理装置100の第2動作例)
次に、図19および図20を用いて、情報処理装置100の第2動作例について説明する。
【0165】
図19および図20は、情報処理装置100の第2動作例を示す説明図である。第1動作例と同様に、情報処理装置100は、すべての配送先1100を、訪問予定を決定する対象とし、それぞれの配送車1001の初期の移動経路を決定することにより、初期の配送計画を立案して採用する。第1動作例と同様に、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の初期の移動経路を、当該配送車1001に搭載された搭載装置204に送信する。
【0166】
第1動作例と同様に、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動中、定期的に、それぞれの配送車1001から、当該配送車1001の現在地と、当該配送車1001の訪問履歴とを含む進捗情報を受信する。第1動作例と同様に、情報処理装置100は、定期的に、交通情報を、交通管理装置203から受信する。第1動作例と同様に、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の現在地と、交通情報とに基づいて、配送計画を再立案するトリガーを検出する。
【0167】
図19において、それぞれの配送車1001は、移動中である。図19の例では、白い家のマークは、訪問済みの配送先1100を示す。黒い家のマークは、未訪問の配送先1100を示す。
【0168】
情報処理装置100は、いずれの配送車1001も未訪問の配送先1100を、訪問予定を変更する配送先1100に設定したと仮定し、配送計画を再立案する際にかかる所要時間を推定する。情報処理装置100は、例えば、図13に示した数式1300を利用して、配送計画を再立案する場合にかかる所要時間を推定する。情報処理装置100は、具体的には、図13に示した数式1300に、設定した配送先1100の数=xを代入することにより、所要時間=yを算出する。
【0169】
情報処理装置100は、算出した所要時間が経過したと仮定し、それぞれの配送車1001の座標を推定する。情報処理装置100は、推定したそれぞれの配送車1001の座標に基づいて、算出した所要時間が経過したと仮定した場合に、それぞれの配送車1001が、訪問済みとなる配送先1100と、次に訪問予定となる配送先1100とを特定する。これにより、情報処理装置100は、現時点から配送計画を再立案開始したと仮定すると、再立案完了した際に、それぞれの配送車1001が、訪問済みとなる配送先1100と、次に訪問予定となる配送先1100とを特定することができる。換言すれば、情報処理装置100は、訪問予定を変更する対象として有用ではなく、訪問予定を変更する対象としない方が好ましい訪問先を特定することができる。
【0170】
情報処理装置100は、特定した訪問先以外の、いずれの配送車1001も未訪問の訪問先を、配送計画を再立案する際に訪問予定を変更する配送先1100に決定する。これにより、情報処理装置100は、配送車1001が移動し続け、配送状況が変化し続けても、配送業務に支障が生じない範囲で、配送計画を再立案可能にすることができる。次に、図20の説明に移行し、情報処理装置100が、訪問予定を変更する配送先1100を決定する具体例について説明する。
【0171】
図20において、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の現在地aを取得する。情報処理装置100は、いずれの配送車1001も未訪問の配送先1100を、訪問予定を変更する配送先1100に設定したと仮定し、配送計画を再立案する際にかかる所要時間を推定する。情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の平均速度、および、平均滞在時間に基づいて、所要時間が経過後のそれぞれの配送車1001の座標bを特定する。
【0172】
情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の座標bに基づいて、所要時間が経過後の当該配送車1001が次に訪問予定となる配送先1100を特定する。そして、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動経路のうち、当該配送車1001の最初の出発点から、特定した当該配送車1001が次に訪問予定となる配送先1100までの部分経路を、確定した部分経路とし、変更せずに残すことにする。最初の出発点は、例えば、デポである。図20の例では、確定した部分経路は、実線で示される。情報処理装置100は、例えば、確定した部分経路上の未訪問の配送先1100については、訪問予定を変更しないことにより、確定した部分経路を変更せずに残すことにする。
【0173】
一方で、情報処理装置100は、それぞれの配送車1001の移動経路のうち、特定した当該配送車1001が次に訪問予定となる配送先1100より後の部分経路を、処理対象とする。情報処理装置100は、例えば、処理対象とする部分経路上の未訪問の配送先1100の訪問予定を変更することにより、処理対象とする部分経路を変更し、それぞれの配送車1001の移動経路を変更し、配送計画を再立案して採用する。これにより、情報処理装置100は、配送車1001が移動し続け、配送状況が変化し続けても、配送業務に支障が生じないよう、適切に配送計画を再立案することができ、それぞれの配送車1001の有効な移動経路を決定することができる。
【0174】
ここで、情報処理装置100は、再立案した配送計画が、採用中の配送計画より適切であるか否かを判定し、適切であると判定した場合に、再立案した配送計画を採用してもよい。情報処理装置100は、例えば、再立案した配送計画における配送コストが、採用中の配送計画における配送コストより小さければ、再立案した配送計画が、採用中の配送計画より適切であると判定する。これにより、情報処理装置100は、適切な配送計画を採用することができ、配送コストの低減化を図ることができる。
【0175】
(第2動作例における全体処理手順)
次に、図21を用いて、情報処理装置100が実行する、第2動作例における全体処理手順の一例について説明する。全体処理は、例えば、図4に示したCPU401と、メモリ402や記録媒体405などの記憶領域と、ネットワークI/F403とによって実現される。
【0176】
図21は、第2動作例における全体処理手順の一例を示すフローチャートである。図21において、情報処理装置100は、それぞれの配送車についての初期の配送ルートを生成し、生成したそれぞれの配送車についての配送ルートを採用する(ステップS2101)。ここで、情報処理装置100は、採用したそれぞれの配送車についての配送ルートを、当該配送車の搭載装置204に送信しておく。
【0177】
次に、情報処理装置100は、配送作業が終了したか否かを判定する(ステップS2102)。ここで、配送作業が終了している場合(ステップS2102:Yes)、情報処理装置100は、全体処理を終了する。一方で、配送作業が終了していない場合(ステップS2102:No)、情報処理装置100は、ステップS2103の処理に移行する。
【0178】
ステップS2103では、情報処理装置100は、採用中の少なくともいずれかの配送車についての配送ルートの変更トリガーが発生したか否かを判定する(ステップS2103)。ここで、変更トリガーが発生していない場合(ステップS2103:No)、情報処理装置100は、ステップS2102の処理に戻る。一方で、変更トリガーが発生している場合(ステップS2103:Yes)、情報処理装置100は、ステップS2104の処理に移行する。
【0179】
ステップS2104では、情報処理装置100は、図22に後述する再計画処理を実行し、それぞれの配送車についての新たな配送ルートを生成する(ステップS2104)。
【0180】
次に、情報処理装置100は、生成したそれぞれの配送車についての新たな配送ルートを採用する必要性があるか否かを判定する(ステップS2105)。ここで、採用する必要性がない場合(ステップS2105:No)、情報処理装置100は、ステップS2106の処理に移行する。一方で、採用する必要性がある場合(ステップS2105:Yes)、情報処理装置100は、ステップS2107の処理に移行する。
【0181】
ステップS2106では、情報処理装置100は、生成したそれぞれの配送車についての新たな配送ルートが、現在の配送ルートより適切であるか否かを判定する(ステップS2106)。ここで、現在の配送ルートより適切ではない場合(ステップS2106:No)、情報処理装置100は、ステップS2102の処理に戻る。一方で、現在の配送ルートより適切である場合(ステップS2106:Yes)、情報処理装置100は、ステップS2107の処理に移行する。
【0182】
ステップS2107では、情報処理装置100は、生成したそれぞれの配送車についての新たな配送ルートを採用し、採用したそれぞれの配送車についての新たな配送ルートを、当該配送車の搭載装置204に送信する(ステップS2107)。そして、情報処理装置100は、ステップS2102の処理に戻る。
【0183】
(第2動作例における再計画処理手順)
次に、図22を用いて、情報処理装置100が実行する、第2動作例における再計画処理手順の一例について説明する。再計画処理は、例えば、図4に示したCPU401と、メモリ402や記録媒体405などの記憶領域と、ネットワークI/F403とによって実現される。
【0184】
図22は、第2動作例における再計画処理手順の一例を示すフローチャートである。図22において、情報処理装置100は、所定の数式モデルを利用して、未訪問の配送先1100の数に基づいて、所要時間を算出する(ステップS2201)。
【0185】
次に、情報処理装置100は、所要時間が経過したとした場合の、それぞれの配送車の座標を予測する(ステップS2202)。そして、情報処理装置100は、予測したそれぞれの配送車の座標に基づいて、所要時間が経過したとした場合の、それぞれの配送車の未訪問の配送先1100を抽出する(ステップS2203)。その後、情報処理装置100は、抽出した未訪問の配送先1100を含む範囲で、それぞれの配送車についての新たな配送ルートを生成する(ステップS2204)。
【0186】
次に、情報処理装置100は、計算条件と、計算時間とを、データベースに記憶する(ステップS2205)。そして、情報処理装置100は、所定の数式モデルを更新する(ステップS2206)。その後、情報処理装置100は、再計画処理を終了する。
【0187】
ここで、情報処理装置100は、図21および図22の各フローチャートの一部ステップの処理の順序を入れ替えて実行してもよい。例えば、ステップS2106,S2107の処理の順序は入れ替え可能である。また、情報処理装置100は、図21および図22の各フローチャートの一部ステップの処理を省略してもよい。例えば、ステップS2106,S2107の処理は省略可能である。
【0188】
以上説明したように、情報処理装置100によれば、複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出することができる。情報処理装置100によれば、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間を取得することができる。または、情報処理装置100によれば、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得することができる。情報処理装置100によれば、取得した残り時間に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定することができる。情報処理装置100によれば、決定した訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更することができる。これにより、情報処理装置100は、変更後の移動経路が、移動体の移動状況に合致せず、無効な移動経路になってしまうことを防止することができる。
【0189】
情報処理装置100によれば、所定のモデルを利用して、複数の訪問先のうち、取得した残り時間で訪問予定を変更可能な訪問先の数を特定することができる。情報処理装置100によれば、特定した数に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定することができる。これにより、情報処理装置100は、残り時間で訪問予定を変更可能な訪問先の数を精度よく特定し易くすることができる。
【0190】
情報処理装置100によれば、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体が次に訪問予定の訪問先を基準点とした領域に含まれる未訪問の訪問先を、特定した数だけ選択することができる。情報処理装置100によれば、選択した未訪問の訪問先を、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定することができる。これにより、情報処理装置100は、残り時間で、訪問先に対する訪問予定を変更完了し易くすることができる。
【0191】
情報処理装置100によれば、それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体のいずれかの出発点を基準点とした領域に含まれる未訪問の訪問先を、特定した数だけ選択することができる。情報処理装置100によれば、選択した未訪問の訪問先を、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定することができる。これにより、情報処理装置100は、残り時間で、訪問先に対する訪問予定を変更完了し易くすることができる。
【0192】
情報処理装置100によれば、領域を、基準点からの直線距離に基づいて設定することができる。これにより、情報処理装置100は、基準点からの直線距離を考慮して、変更後の移動経路が短くなり易いよう、訪問予定を変更する訪問先を決定可能にすることができる。
【0193】
情報処理装置100によれば、領域を、基準点からの移動時間に基づいて設定することができる。これにより、情報処理装置100は、基準点からの移動時間を考慮して、変更後の移動経路が短くなり易いよう、訪問予定を変更する訪問先を決定可能にすることができる。
【0194】
情報処理装置100によれば、それぞれの移動体が次に訪問予定の訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得することができる。これにより、情報処理装置100は、それぞれの移動体が次に訪問予定の訪問先を、訪問、または、訪問後出発するまでに、それぞれの移動体の移動経路を変更可能にすることができる。
【0195】
情報処理装置100によれば、取得した残り時間の最小値に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定することができる。これにより、情報処理装置100は、残り時間の最小値を考慮して、それぞれの移動体の移動経路が、無効な移動経路になってしまうことを防止することができる。
【0196】
情報処理装置100によれば、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、複数の訪問先のうち、複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得することができる。情報処理装置100によれば、取得した所要時間に基づいて、複数の訪問先に含まれる複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定することができる。情報処理装置100によれば、決定した訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更することができる。これにより、情報処理装置100は、変更後の移動経路が、移動体の移動状況に合致せず、無効な移動経路になってしまうことを防止することができる。
【0197】
情報処理装置100によれば、それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、所定のモデルを利用して、いずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得することができる。これにより、情報処理装置100は、所要時間を精度よく取得し易くすることができる。
【0198】
情報処理装置100によれば、いずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、取得した所要時間で訪問可能な訪問先と、取得した所要時間後で次に訪問予定の訪問先とを除外した残余の訪問先を、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定することができる。これにより、情報処理装置100は、それぞれの移動体の移動経路が、無効な移動経路になってしまうことを防止し易くすることができる。
【0199】
なお、本実施の形態で説明した変更方法は、予め用意されたプログラムをPCやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した変更プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。記録媒体は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、MO(Magneto Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などである。また、本実施の形態で説明した変更プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。
【0200】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0201】
(付記1)複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得し、
取得した前記残り時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする変更プログラム。
【0202】
(付記2)前記決定する処理は、
前記複数の移動体に含まれる移動体の数と、前記複数の訪問先のうち、訪問予定を変更する訪問先の数とに応じて、訪問予定を変更する変更処理にかかる処理時間を算出可能にするモデルを利用して、前記複数の訪問先のうち、取得した前記残り時間で訪問予定を変更可能な訪問先の数を特定し、特定した前記数に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する、ことを特徴とする付記1に記載の変更プログラム。
【0203】
(付記3)前記決定する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体が次に訪問予定の訪問先を基準点とした領域に含まれる未訪問の訪問先を、特定した前記数だけ選択し、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する、ことを特徴とする付記2に記載の変更プログラム。
【0204】
(付記4)前記決定する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体のいずれかの出発点を基準点とした領域に含まれる未訪問の訪問先を、特定した前記数だけ選択し、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する、ことを特徴とする付記2または3に記載の変更プログラム。
【0205】
(付記5)前記領域は、前記基準点からの直線距離に基づいて設定される、ことを特徴とする付記3または4に記載の変更プログラム。
【0206】
(付記6)前記領域は、前記基準点からの移動時間に基づいて設定される、ことを特徴とする付記3~5のいずれか一つに記載の変更プログラム。
【0207】
(付記7)前記取得する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問の訪問先のうち、当該移動体が次に訪問予定の訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得する、ことを特徴とする付記1~6のいずれか一つに記載の変更プログラム。
【0208】
(付記8)取得した前記残り時間の最小値に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定する、ことを特徴とする付記1~7のいずれか一つに記載の変更プログラム。
【0209】
(付記9)前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~8のいずれか一つに記載の変更プログラム。
【0210】
(付記10)複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得し、
取得した前記残り時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする変更方法。
【0211】
(付記11)複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記それぞれの移動体の移動経路上に存在する当該移動体が未訪問のいずれかの訪問先を、当該移動体が訪問するまでの残り時間、または、当該移動体が訪問後出発するまでの残り時間を取得し、
取得した前記残り時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【0212】
(付記12)複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする変更プログラム。
【0213】
(付記13)前記取得する処理は、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の移動体に含まれる移動体の数と、前記複数の訪問先のうち、訪問予定を変更する訪問先の数とに応じて、訪問予定を変更する変更処理にかかる処理時間を算出可能にするモデルを利用して、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得する、ことを特徴とする付記12に記載の変更プログラム。
【0214】
(付記14)前記決定する処理は、
前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、取得した前記所要時間で訪問可能な訪問先と、取得した前記所要時間後で次に訪問予定の訪問先とを除外した残余の訪問先を、訪問予定を変更する対象とする訪問先に決定する、ことを特徴とする付記12または13に記載の変更プログラム。
【0215】
(付記15)複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする変更方法。
【0216】
(付記16)複数の訪問先を分散して訪問する複数の移動体のそれぞれの移動体の、当該移動体が訪問予定の2以上の訪問先を経由する移動経路を変更することを検出し、
前記それぞれの移動体の移動経路を変更することを検出すると、前記複数の訪問先のうち、前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する際にかかる所要時間を取得し、
取得した前記所要時間に基づいて、前記複数の訪問先に含まれる前記複数の移動体のいずれの移動体も未訪問の訪問先のうち、訪問予定を変更する対象とする訪問先を決定し、
決定した前記訪問先に基づいて、前記それぞれの移動体の移動経路を変更する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0217】
100 情報処理装置
101 移動体
110,120,130 符号
200 情報処理システム
201 演算装置
202 蓄積装置
203 交通管理装置
204 搭載装置
300 訪問先
301~303,1101~1103 移動経路
400,700 バス
401,701 CPU
402,702 メモリ
403,703 ネットワークI/F
404,704 記録媒体I/F
405,705 記録媒体
500 実績情報管理テーブル
600 移動体情報管理テーブル
706 ディスプレイ
707 GPS装置
800 記憶部
801 取得部
802 検出部
803 算出部
804 決定部
805 出力部
901 経路状況記憶部
902 計算時間蓄積部
903 新経路保存部
911 車両位置取得部
912 道路状況取得部
913 猶予時間決定部
914 再計画範囲決定部
915 最適経路生成部
916 計画採用可否判定部
1001 配送車
1100 配送先
1300,1400 数式
1500 エリア
1600 再計画範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22