(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157517
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】穿刺ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20221006BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20221006BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061795
(22)【出願日】2021-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-20
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度~3年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、 「革新的がん医療実用化研究事業」 「針穿刺ロボットを用いたがんに対する低侵襲治療「CT透視ガイド下アブレーション」の検証的医師主導治験」令和元年度、岡山県、「特別電源所在県科学技術振興事業」「岡山発の革新的医療用針穿刺ロボットの開発:治験のための新たな安全機構およびインターフェースの開発」 委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504147243
【氏名又は名称】国立大学法人 岡山大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀川 哲志
(72)【発明者】
【氏名】松野 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】平木 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】谷本 圭司
(57)【要約】 (修正有)
【課題】CT透視画像から穿刺深さを確認する頻度を減らし、穿刺される患者の被ばく量を低減させる穿刺ロボットを提供する。
【解決手段】穿刺ロボット100は、穿刺針を穿刺開始位置に位置させたときの直動部の位置を穿刺針の穿刺開始位置として設定する穿刺開始位置設定部1010と、直動部が直動することで穿刺針が穿刺開始位置から設定穿刺深さまで進んだ際の直動部の位置を穿刺針の穿刺深さ目標位置として設定する穿刺深さ目標位置設定部1020と、直動部の現在位置情報を取得し、穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示すると共に、直動部の現在位置情報から穿刺針の現在位置を特定して表示する表示部1040を備える。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺針を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる直動部と、
前記穿刺針を穿刺開始位置に位置させたときの前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺開始位置として設定する穿刺開始位置設定部と、
前記直動部が直動することで前記穿刺針が前記穿刺開始位置設定部で設定された穿刺開始位置から設定穿刺深さまで進んだ際の前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置として設定する穿刺深さ目標位置設定部と、
前記直動部の現在位置情報を取得する取得部と、
前記穿刺深さ目標位置設定部で設定された前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示すると共に、前記穿刺針の現在位置を前記取得部で取得した前記直動部の現在位置情報から特定して表示する表示部、
を備えた穿刺ロボットシステム。
【請求項2】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項1に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項3】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置及び前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示する、
請求項1又は2に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項4】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺開始位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項1に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項5】
前記表示部は、前記穿刺深さ方向直動軸の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺開始位置及び前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示する、
請求項1又は4に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項6】
前記直動部が前記穿刺開始位置から、前記穿刺針が許容される穿刺深さの最大値まで進んだ位置を、ソフトリミット設定値として設定するソフトリミット設定値設定部を備え、
前記表示部に、前記ソフトリミット設定値設定部で設定されたソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項7】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項6に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項8】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項6又は7に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項9】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺開始位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項6に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項10】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺開始位置、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項6又は9に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項11】
前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記穿刺深さ目標位置設定部による穿刺深さ目標位置の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、
請求項1から5のいずれ一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項12】
前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記穿刺深さ目標位置設定部による穿刺深さ目標位置の設定と、前記ソフトリミット設定値設定部によるソフトリミット設定値の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、
請求項6から10のいずれ一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項13】
前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記穿刺深さ目標位置を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、
請求項11に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項14】
前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記穿刺深さ目標位置を設定する操作と、前記ソフトリミット設定値を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、
請求項12に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項15】
穿刺針を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる直動部と、
前記穿刺針を穿刺開始位置に位置させたときの前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺開始位置として設定する穿刺開始位置設定部と、
前記直動部が前記穿刺開始位置から、前記穿刺針が許容される穿刺深さの最大値まで直動した位置を、ソフトリミット設定値として設定するソフトリミット設定値設定部と、
前記直動部の現在位置情報を取得する取得部と、
前記ソフトリミット設定値設定部で設定されたソフトリミット設定値に対応する位置を表示すると共に、前記穿刺針の現在位置を前記取得部で取得した前記直動部の現在位置情報から特定して表示する表示部、
を備えた穿刺ロボットシステム。
【請求項16】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項15に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項17】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項13又は14に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項18】
前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記ソフトリミット設定値設定部によるソフトリミット設定値の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、
請求項15から17のいずれ一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項19】
前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記ソフトリミット設定値を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、
請求項18に記載の穿刺ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺ロボットシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
穿刺ロボットを用いて穿刺を行うには、CT透視画像で穿刺深さを確認しながら、穿刺開始位置から穿刺深さ目標位置まで、穿刺深さ方向直動軸(針を穿刺/抜去する駆動軸)を直動させる穿刺操作、つまり操作用コントローラによる操作を行う必要がある。
【0003】
特許文献1(特開2009-45081号公報)には、生体内に穿刺される穿刺針の穿刺長を検出する穿刺長検出手段と、穿刺針の穿刺限度長を設定する設定手段を備え、現在の穿刺針の位置と、穿刺限度長との相対位置関係を表示可能な超音波診断装置について記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2006-149560号公報)には、表示されたスライス画像上で穿刺開始点と穿刺目標点を設定し、術具と登録部位の相対位置情報として、術具先端から登録部位(穿刺目標点)までの距離を算出して表示する態様が記載されている。
【0005】
特許文献3(特開2020-39406号公報)には、穿刺ロボットに関し、穿刺針の体表上の刺入位置と、穿刺対象位置とを設定し、これらを結ぶ直線状の領域を穿刺経路とし、ディスプレイにはCT画像や穿刺経路を表示する態様が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-45081号公報
【特許文献2】特開2006-149560号公報
【特許文献3】特開2020-39406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
穿刺ロボットを用いて穿刺される患者の被ばく低減のためには、CT透視時間を限りなく短くする必要がある。
【0008】
CT透視画像だけに頼って穿刺操作を行うとすると、CT透視時間に応じた患者の被ばく量が問題となる。
【0009】
特許文献1(特開2009-45081号公報)記載の発明は、超音波プロープに設けられた検出器で穿刺長を検出するものでしかなく、ロボットの駆動軸の位置に基づき穿刺針の目標位置を設定するものではない。
【0010】
特許文献2(特開2006-149560号公報)記載の発明は、術前断面画像上の位置を目標点として設定するものでしかなく、ロボットの駆動軸の位置に基づき穿刺針の目標位置を設定するものではない。
【0011】
特許文献3(特開2020-39406号公報)記載の発明は、穿刺経路を表示するものであって、穿刺針の穿刺深さ方向直動軸の現在位置と穿刺深さ目標点との相対位置関係を表示するものではない。
【0012】
ソフトリミット値を設定することは、周知慣用な一般的な技術である。しかし、穿刺ロボットの分野で、許容される穿刺深さの最大値としてソフトリミット値を設定するという技術は従来知られていなかった。
【0013】
本発明は、CT透視画像から穿刺深さを確認する頻度を減らし、結果的に、CT透視時間を減らし、穿刺ロボットを用いて穿刺される患者の被ばく量を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様は、穿刺針を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる直動部と、前記穿刺針を穿刺開始位置に位置させたときの前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺開始位置として設定する穿刺開始位置設定部と、前記直動部が直動することで前記穿刺針が前記穿刺開始位置設定部で設定された穿刺開始位置から設定穿刺深さまで進んだ際の前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置として設定する穿刺深さ目標位置設定部と、前記直動部の現在位置情報を取得する取得部と、前記穿刺深さ目標位置設定部で設定された前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示すると共に、前記穿刺針の現在位置を前記取得部で取得した前記直動部の現在位置情報から特定して表示する表示部、を備えた穿刺ロボットシステムである。
【0015】
第2の態様は、第1の態様において、前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置の相対位置関係を表示するものである、穿刺ロボットシステムである。
【0016】
第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置及び前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示する、穿刺ロボットシステムである。
【0017】
第4の態様は、第1の態様において、前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺開始位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置の相対位置関係を表示するものである、穿刺ロボットシステムである。
【0018】
第5の態様は、第1又は第4の態様において、前記表示部は、前記穿刺深さ方向直動軸の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺開始位置及び前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示する、穿刺ロボットシステムである。
【0019】
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記直動部が前記穿刺開始位置から、前記穿刺針が許容される穿刺深さの最大値まで進んだ位置を、ソフトリミット設定値として設定するソフトリミット設定値設定部を備え、前記表示部に、前記ソフトリミット設定値設定部で設定されたソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、穿刺ロボットシステムである。
【0020】
第7の態様は、第6の態様において、前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、穿刺ロボットシステムである。
【0021】
第8の態様は、第6又は第7の態様において、前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、穿刺ロボットシステムである。
【0022】
第9の態様は、第6の態様において、前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺開始位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、穿刺ロボットシステムである。
【0023】
第10の態様は、第6又は第9の態様において、前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺開始位置、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、穿刺ロボットシステムである。
【0024】
第11の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記穿刺深さ目標位置設定部による穿刺深さ目標位置の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、穿刺ロボットシステムである。
【0025】
第12の態様は、第6から第10の態様のいずれかにおいて、前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記穿刺深さ目標位置設定部による穿刺深さ目標位置の設定と、前記ソフトリミット設定値設定部によるソフトリミット設定値の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、穿刺ロボットシステムである。
【0026】
第13の態様は、第11の態様において、前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記穿刺深さ目標位置を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、穿刺ロボットシステムである。
【0027】
第14の態様は、第12の態様において、前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記穿刺深さ目標位置を設定する操作と、前記ソフトリミット設定値を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、穿刺ロボットシステムである。
【0028】
第15の態様は、穿刺針を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる直動部と、前記穿刺針を穿刺開始位置に位置させたときの前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺開始位置として設定する穿刺開始位置設定部と、前記直動部が前記穿刺開始位置から、前記穿刺針が許容される穿刺深さの最大値まで直動した位置を、ソフトリミット設定値として設定するソフトリミット設定値設定部と、前記直動部の現在位置情報を取得する取得部と、前記ソフトリミット設定値設定部で設定されたソフトリミット設定値に対応する位置を表示すると共に、前記穿刺針の現在位置を前記取得部で取得した前記直動部の現在位置情報から特定して表示する表示部、
を備えた穿刺ロボットシステムである。
【0029】
第16の態様は、第15の態様において、前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、穿刺ロボットシステムである。
【0030】
第17の態様は、第15又は第16の態様において、前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、穿刺ロボットシステムである。
【0031】
第18の態様は、第15から第17の態様のいずれかにおいて、前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記ソフトリミット設定値設定部によるソフトリミット設定値の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、穿刺ロボットシステムである。
【0032】
第19の態様は、第18の態様において、前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記ソフトリミット設定値を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、穿刺ロボットシステムである。
【発明の効果】
【0033】
第1乃至第14の態様によれば、表示部に、穿刺針の現在位置と、穿刺針の穿刺深さ目標位置が表示される。このため、術者は、CT透視画像から得られる穿刺深さの情報に加え、表示部に表示される穿刺深さの情報を併用して、穿刺深さ方向直動軸を直動させる穿刺操作を行うことができる。表示部に表示される穿刺深さの情報を確認しながら、穿刺操作が行われるため、相対的にCT透視画像を確認する頻度が減る。結果的に、本発明を実施しないで穿刺操作を行った場合と比較して、CT透視時間を減らすことができ、穿刺ロボットを用いて穿刺される患者の被ばく量を低減させることができる。
【0034】
第15乃至第19の態様によれば、表示部に、穿刺針の穿刺深さ目標位置の代わりにソフトリミット設定値が表示され、同様にして本発明を実施しないで穿刺操作を行った場合と比較して、CT透視時間を減らすことができ、穿刺ロボットを用いて穿刺される患者の被ばく量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、穿刺ロボットシステムの全体の構成を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、穿刺ロボットの各第1乃至第8駆動軸の動作方向と可動範囲を示す表である。
【
図3】
図3は、穿刺ロボットの駆動制御部のブロック図である。
【
図4】
図4は、操作インタフェースの外観を示す図である。
【
図5】
図5は、操作インタフェースを構成する操作用コントローラの外観を示す図である。
【
図6】
図6は、操作用PCのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図7A】
図7Aは、実施形態の穿刺ロボットシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図7B】
図7Bは、実施形態の穿刺ロボットシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、ディスプレイの表示画面を示す図である。
【
図9】
図9は、ディスプレイの表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、穿刺ロボットシステムの実施の形態について説明する。
【0037】
【0038】
穿刺ロボットシステムは、大きくは、穿刺針110を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる穿刺深さ方向直動軸6を含む各駆動軸1~8を備えた穿刺ロボット100と、寝台210上の患者に対してX線を照射してCT撮影(Computed Tomography;コンピュータ断層撮影)してCT透視画像(体軸断面、矢状断面、冠状断面の各断層画像)を取得するCT装置200と、CT装置200で取得したCT透視画像及び術野モニタ用カメラ310で撮影した患者の術野を示す術野画像を表示画面320に表示する外部モニタ300と、穿刺ロボット100の駆動を操作する操作インタフェース1000を含んで構成される。
【0039】
操作インタフェース1000は、タッチパネルで構成された表示画面1110を有するディスプレイ1100と、操作用コントローラ1200と、操作用PC(パーソナルコンピュータ)1300を含んで構成される。
【0040】
以下、穿刺ロボット100、操作インタフェース1000について
図2乃至
図7を併せ参照して説明する。
【0041】
(穿刺ロボット)
【0042】
図2Aは、穿刺ロボット100の外観を斜視図で示す。
図2Aにおいて図中手前側が患者の頭方向、図中奥側が患者の足(尾)方向とする。
【0043】
図2Bは、穿刺ロボット100の各第1乃至第8駆動軸1~8の動作方向と可動範囲を表で示す。
【0044】
穿刺ロボット100は、第1駆動軸1、第2駆動軸2、第3駆動軸3、第4駆動軸4、第5駆動軸5、第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6、第7駆動軸(瞬発穿刺軸)7、第8駆動軸8を有した8軸のマニピュレータである。なお第8駆動軸8は、手動制御軸である。
【0045】
基台109は、下部に設けられた3つのキャスタ109Aにより床面上で移動自在となっている。したがって基台109は、
図1に示す寝台210の左右のいずれにも配置可能である。
【0046】
第1及び第2駆動軸部101は、基台109の上端に取り付けられ、穿刺針110が床面から高さ方向に移動する方向及び患者の頭尾方向に移動する方向に直動する。
【0047】
第3駆動軸部103は、第1及び第2駆動軸部101の上端に取り付けられ、穿刺針110が患者の左右方向に移動する方向に直動する。
【0048】
第4駆動軸部104は、第3駆動軸部103の先端に取り付けられ、穿刺針110が患者の左右方向に傾斜する方向に回転する。
【0049】
第5駆動軸部105は、第4駆動軸部104の先端に取り付けられ、穿刺軸110が患者の頭尾方向に傾斜する方向に回転する。
【0050】
第6駆動軸部(穿刺深さ方向直動軸)106は、第5駆動軸部105の先端に取り付けられ、穿刺針110が穿刺深さ方向に/穿刺深さ方向とは逆方向に穿刺/抜去する方向に直動する。
【0051】
第7駆動軸部(瞬発穿刺軸)107は、第6の駆動軸部106の先端に取り付けられ、穿刺針110が穿刺深さ方向に高速で移動するように直動する。第7駆動軸部(瞬発穿刺軸)107は、穿刺針110を短い可動範囲で超高速で動かすための軸である。第6駆動軸部(穿刺深さ方向直動軸)106及び第7駆動軸部(瞬発穿刺軸)107は、穿刺針110を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる直動部を構成する。
【0052】
第7駆動軸部(瞬発穿刺軸)107の先端に、穿刺針110が設けられている。穿刺針110は、第7駆動軸部(瞬発穿刺軸)107の先端に着脱自在に把持されている。
ディスプレイ1100の表示画面1110に表示される穿刺針110の穿刺開始位置、現在位置、穿刺深さ目標位置、ソフトリミット設定値に対応する位置は、直動部を構成する第6駆動軸部106及び第7駆動軸部107の位置を用いて表すことができる。したがってディスプレイ1100の表示画面1110に表示される穿刺針110の穿刺開始位置、現在位置、穿刺深さ目標位置、ソフトリミット設定値に対応する位置は、穿刺深さ方向直動軸6及び第7駆動軸(瞬発穿刺軸)7の位置を用いて表すことができる。
上述したように、穿刺針110は、第6駆動軸部106及び第7駆動軸部107によって、穿刺する方向に直動可能としているが、穿刺針110が穿刺する方向に直動可能となっていれば、その構成は、第6駆動軸部106及び第7駆動軸部107に限定されることはない。
第6駆動軸部106や第7駆動軸部107以外の機構で穿刺針110を直動させてもよい。たとえば、いわゆるシリアルリンク型のロボットアームや、パラレルリンク型のロボットアーム等を適宜用いることで、穿刺針110を穿刺する方向に直動可能としていてもよい。
【0053】
第8駆動軸部108は、手動で、穿刺針110が患者の左右方向に傾斜する方向に回転する。
【0054】
図3は、穿刺ロボット100の駆動制御部120のブロック図を示す。
【0055】
穿刺ロボット100には、各第1乃至第7駆動軸1~7を駆動制御するための駆動制御部120が設けられている。
【0056】
第1乃至第6駆動軸1~6はそれぞれ、電源131を駆動源とし、アクチュエータとしての例えば電動モータ11~16によって駆動される。第7軸7は、空圧源132を駆動源とし、アクチュエータとしての例えばエアシリンダ17によって駆動される。なお、各第1乃至第7駆動軸1~7の駆動源、アクチュエータの種類は任意である。また、電動、空圧に限定されるわけでなく、油圧を用いる実施も可能である。
【0057】
第1乃至第7駆動軸1~7の現在の直動位置又は回転位置(以下、適宜「駆動軸の位置」という)を検出し取得するエンコーダ等で構成されたセンサはそれぞれ、取得部121~127を構成する。
【0058】
駆動制御部120は、コントローラ接続ケーブル191を介して操作用コントローラ1200に電気的に接続されている。操作用コントローラ1200で行われる操作に応じた操作信号は、コントローラ接続ケーブル191を介して駆動制御部120に入力される。駆動制御部120は、入力された操作信号に応じて各第1乃至第7駆動軸1~7を駆動制御する。
【0059】
制御装置129は、例えば取得部121~127で取得された各駆動軸1~7の位置をフィードバックして、入力された操作信号(操作量及び操作方向)に対応する所望位置になるように各第1乃至第7駆動軸1~7の位置を調整する。
【0060】
駆動制御部120は、LANケーブル190を介して操作用PC1300に、データの送受信が可能に接続されている。
【0061】
取得部121~127で取得された各第1乃至第7駆動軸1~7の現在位置を示すデータは、LANケーブル190を介して操作用PC1300に送信される。また操作用PC1300からは、後述するソフトリミット指令信号が、LANケーブル190を介して駆動制御部120に送信される。
【0062】
(操作インタフェース)
【0063】
図4は操作インタフェース1000の外観を示す。
図5は、操作インタフェース1000を構成する操作用コントローラ1200の外観を示す。
【0064】
操作用コントローラ1200は、穿刺ロボット100の第1乃至第7駆動軸1~7の駆動を操作する操作部として構成されている。なお、第8の駆動軸8については手動制御される。
【0065】
操作用コントローラ1200は、穿刺ロボット100の第1乃至第7駆動軸1~7の駆動を操作する駆動用操作具1201~1207と、穿刺ロボット100の駆動軸1~7の駆動速度を低速に設定する速度設定用操作具1210、穿刺ロボット100の駆動軸1~7の駆動速度を高速に設定する速度設定用操作具1211を備えている。
【0066】
操作用PC1300は、パーソナルコンピュータで構成される。
【0067】
図6は、操作用PC1300のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図6に示すように、操作用PC1300では、システムバス1315を介してCPU(Central Processing Unit)1311、ROM(Read Only Memory)1312、RAM(Random Access Memory)1313、ストレージ1314、入力装置1316、ディスプレイ(表示装置)1100、通信I/F1318が相互に通信可能に接続されている。
CPU1311は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、システムバス1315に接続される各デバイスを制御したりする。すなわち、CPU1311は、ROM1312又はストレージ1314からプログラムを読み出し、RAM1313を作業領域としてプログラムを実行する。CPU1311は、ROM1312又はストレージ1314に記録されているプログラムにしたがって、システムバス1315に接続される各デバイスの制御及び各種の演算処理を行う。ROM1312又はストレージ1314は、CPU1311が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、実施形態を実現するためのコンピュータで読み取りが可能で実行が可能な「穿刺ロボットシステム」のプログラム及び必要な各種データを保持している。
【0068】
ROM1312は、各種制御プログラム及び各種データを格納する。RAM1313は、CPU11の主メモリ、ワークエリア等として機能し作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ1314は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)により構成され、BIOS、OSを含む各種プログラム及び各種データを格納する。
【0069】
入力装置1316は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0070】
ディスプレイ1100は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示画面1110に表示する。ディスプレイ1100は、実施形態ではタッチパネル方式を採用しており、入力装置1316として機能する。
【0071】
ディスプレイ1100の表示画面1110の表示内容については後述する。
【0072】
通信インタフェース1318は、穿刺ロボット100の駆動制御部120、操作用コントローラ1200を含む他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。通信インタフェース1318は、LAN等のネットワークと接続してデータの送受信の制御を行う。
【0073】
通信インタフェース1318は、LANケーブル190を介して穿刺ロボット100の駆動制御部120に接続されており、穿刺ロボット100と操作インタフェース1000の間でデータの送受信を行う。
【0074】
(穿刺ロボットシステムの機能構成)
【0075】
図7A、7Bは、実施形態の穿刺ロボットシステムの機能構成を示すブロック図である。
【0076】
図7A、7Bに示す機能構成は、
図6に示す操作用PC1300のハードウェア構成を含むハードウェアとしての操作インタフェース1000、穿刺ロボット100及びROM1312又はストレージ1314に格納された「穿刺ロボットシステム」のプログラムを含むソフトウェアによって実現される。
【0077】
図7Aに示すように、操作インタフェース1000及び穿刺ロボット100は、穿刺開始位置設定部1010と、穿刺深さ目標位置設定部1020と、ソフトリミット設定値設定部1030と、表示部1040と、取得部121~127を備えている。
【0078】
ディスプレイ1100の表示画面1110に表示される穿刺針110の穿刺開始位置、穿刺深さ目標位置、ソフトリミット設定値に対応する位置は、穿刺深さ方向直動軸6の位置を用いて設定することができる。また穿刺針110の現在位置は、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置の情報を用いて特定してディスプレイ1100の表示画面1110に表示することができる。
穿刺開始位置設定部1010は、穿刺針110を穿刺開始位置に位置させたときの穿刺深さ方向直動軸6の位置を、穿刺針110の穿刺開始位置として設定する。
【0079】
穿刺深さ目標位置設定部1020は、穿刺深さ方向直動軸6が穿刺開始位置設定部1010で設定された穿刺開始位置から設定穿刺深さまで進んだ位置を、穿刺針110の穿刺深さ目標位置として設定する。
【0080】
ソフトリミット設定値設定部1030は、穿刺深さ方向直動軸6が穿刺開始位置から、穿刺針110が許容される穿刺深さの最大値まで進んだ位置を、ソフトリミット設定値として設定する。
【0081】
表示部1040は、取得部126で取得した穿刺深さ方向直動軸6の現在位置を穿刺針110の現在位置として表示し、穿刺開始位置設定部1010で設定された穿刺針110の穿刺開始位置を表示し、設定穿刺深さ目標位置設定部1020で設定された穿刺針110の穿刺深さ目標位置を表示し、ソフトリミット設定値設定部1030で設定されたソフトリミット設定値を表示する。
【0082】
表示部1040は、穿刺針110の現在位置と、穿刺針110の穿刺開始位置と、穿刺針110の穿刺深さ目標位置と、ソフトリミット設定値の相対位置関係を表示する。また表示部1040は、穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲に対応づけて、穿刺針110の現在位置、穿刺針110の穿刺開始位置、穿刺針の穿刺深さ目標位置及びソフトリミット設定値に対応する位置を表示する。
【0083】
穿刺開始位置設定部1010による穿刺開始位置の設定と、穿刺深さ目標位置設定部1020による穿刺深さ目標位置の設定と、ソフトリミット設定値設定部1030によるソフトリミット設定値の設定は、ディスプレイ1100の表示画面1110上で行われる。
【0084】
また
図7Bに示すように、操作インタフェース1000及び穿刺ロボット100は、操作用コントローラとして構成される操作部1200と、選択部1060と、制御部1070を備えている。
【0085】
操作部1200は、第1乃至第7駆動軸1~7の駆動を操作する。
【0086】
選択部1060は、穿刺針位置決めモード又は穿刺モードを選択する。
【0087】
制御部1070は、選択部1060で穿刺針位置決めモードが選択されていることを条件に、操作部1200の操作によって穿刺駆動軸6、7を除いた駆動軸1乃至5が駆動されることを許容する。制御部1070は、選択部1060で穿刺モードが選択されていることを条件に、操作部1200の操作によって穿刺駆動軸6、7が駆動されることを許容する。
【0088】
制御部1070は、駆動用操作具1201~1207と速度設定用操作具1210、1211が同時に操作されていることを条件に、穿刺ロボット100の対応する駆動軸1~7が駆動されることを許容する。ただし、実施形態では、穿刺針位置決めモードが選択されている場合は、低速の速度設定用操作具1210が操作されていることを条件として駆動軸1乃至5が駆動されることを許容する。
【0089】
選択部1060による穿刺針位置決めモード又は穿刺モードの選択は、ディスプレイ1100の表示画面1110上で行われる。
【0090】
図8は、ディスプレイ1100の表示画面1110の表示内容を示す。
【0091】
図8に示すように、ディスプレイ1100の表示画面1110には、術者が行うべき操作を指示するナビゲーション表示部1120、各第1乃至第5駆動軸1~5の現在位置を表示する現在位置表示部1130、穿刺針位置決めモードの選択をオン/オフするサーボオン/オフボタン1140A/B、針ターゲッティング完了ボタン1145、穿刺針110の穿刺開始位置を設定するための穿刺開始位置設定ボタン1150、穿刺針110の穿刺深さを設定するための穿刺深さ設定ボタン1160、穿刺針110のソフトリミット設定値を設定するためのソフトリミット設定部1170、穿刺モードの選択をオン/オフする穿刺モードオン/オフボタン1180A/B、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置を、穿刺開始位置、穿刺深さ目標位置、ソフトリミット設定値と共に、これらの相対位置関係を、穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲に対応づけて表示する穿刺深さ位置表示部1190が配置されている。
【0092】
ナビゲーション表示部1120には、術者が行うべき各操作を指示する各表示部が配置されている。ナビゲーション表示部1120は、「ロボットサーボオン」表示部1121、「針のターゲッティング完了」表示部1122、「穿刺開始位置の設定」表示部1123、「穿刺深さの設定」表示部1124、「ソフトリミットの有効化」表示部1125、「穿刺モードオン」表示部1126を含んでいる。各表示部1121~1126は、操作の順序に応じて、表示画面の上から下に順次配置されている。なお、「穿刺開始位置の設定」表示部1123、「穿刺深さの設定」表示部1124の順序を入れ替えてもよい。
【0093】
各表示部1121~1126の内実行済みの操作に対応する表示部は、表示画面1110の地色(例えば白色)と識別できる色、例えばグリーン(図中白抜きで示す)で識別表示され、未だ実行されていない操作に対応する表示部は、実行済みの操作に対応する表示部の識別色と識別できる色、例えばピンク(図中ハッチングで示す)で識別表示される。
【0094】
サーボオン/オフボタン1140A/B、針ターゲッティング完了ボタン1145、穿刺開始位置設定ボタン1150、穿刺深さ設定ボタン1160、ソフトリミット設定部1170、穿刺モードオン/オフボタン1180A/Bそれぞれに対応して、サーボオン/オフ表示部1140D、針ターゲッティング完了/未完了表示部1145D、穿刺開始位置設定/未設定表示部1150D、穿刺深さ設定/未設定表示部1160D、ソフトリミット有効/無効表示部1170D、穿刺モードオン/オフ表示部1180Dが付設されている。
【0095】
ナビゲーション表示部1120の各表示部1121~1126の上記識別表示に対応して、サーボオン/オフ表示部1140D、針ターゲッティング完了/未完了表示部1145D、穿刺開始位置設定/未設定表示部1150D、穿刺深さ設定/未設定表示部1160D、ソフトリミット有効/無効表示部1170D、穿刺モードオン/オフ表示部1180Dの内実行済みの操作に対応する表示部は、同じグリーン(図中白抜きで示す)で識別表示され、未だ実行されていない操作に対応する表示部は、同じピンク(図中ハッチングで示す)で識別表示される。
【0096】
現在位置表示部1130には、取得部121~125でそれぞれ取得された第1乃至第5駆動軸1~5(
図8中では軸1~5で示される)の現在位置が、それぞれの可動範囲に対応づけられて表示される。
【0097】
第1駆動軸1の現在位置1131が第1駆動軸1の可動範囲1131Aに対応づけられて表示される。第1駆動軸1の可動範囲1131Aの正負の両エンド位置から所定範囲(例えば10mm)1131ED1、1131ED2は、アラートゾーンである。アラートゾーン1131ED1、1131ED2は、アラートゾーン1131ED1、1131ED2を除いた可動範囲と識別できる色、例えばオレンジ色(図中クロスハッチングで示す)で識別表示されている。
【0098】
同様に第2駆動軸2の現在位置1132が、アラートゾーン1132ED1、1132ED2を含む第2駆動軸2の可動範囲1132Aに対応づけられて表示される。
【0099】
同様に第3駆動軸3の現在位置1133が、アラートゾーン1133ED1、1133ED2を含む第3駆動軸3の可動範囲1133Aに対応づけられて表示される。
【0100】
また第4駆動軸4の現在位置1134が、第4駆動軸4の可動範囲1134Aに対応づけられて表示される。
【0101】
同様に第5駆動軸5の現在位置1135が、第5駆動軸5の可動範囲1135Aに対応づけられて表示される。
【0102】
穿刺深さ位置表示部1190には、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191B(+0.0mm)が、アラートゾーン1195EDを含む第6駆動軸(穿刺方向直動軸)6の可動範囲1195A(0~+173mm)に対応づけられて表示される。
【0103】
以下、
図8~
図18を参照して操作の手順について説明する。
【0104】
ディスプレイ1100の表示画面1110は、各操作が実行されるに応じて、
図8~
図18に各画面に順次遷移する。
【0105】
ナビゲーション表示部1120によって指示されながら、穿刺開始位置を設定する操作と、穿刺深さ目標位置を設定する操作と、ソフトリミット設定値を設定する操作を行うことができる。また、ナビゲーション表示部1120によって指示されながら、穿刺針位置決めモードを選択する操作と、穿刺モードを選択する操作を行うことができる。
【0106】
(穿刺針位置決めモードの選択)
【0107】
操作用PC1300を起動させ、ROM1312又はストレージ1314に格納された「穿刺ロボットシステム」のプログラムが実行されると、ディスプレイ1100の表示画面1110は、
図8に示す表示に遷移する。
【0108】
図8に示す表示画面1110には、「ロボットサーボオン」表示部1121が、未実行の操作を示す識別色で識別表示されていると共に、サーボオン/オフ表示部1140Dが、同様に未実行の操作を示す識別色で識別表示されている。
【0109】
術者は、この識別表示に従い、表示画面1110上で、サーボオンボタン1140Aを押す操作を行い、穿刺針位置決めモードを選択する。
【0110】
(穿刺針の位置決め)
【0111】
穿刺針位置決めモードが選択されると、ディスプレイ1100の表示画面1110は、
図9に示す表示に遷移する。サーボオンボタン1140Aを押す操作が行われると、サーボオン/オフ表示部1140Dの表示は、「サーボオン;穿刺位置決めモード選択」となる。
【0112】
図9に示す表示画面1110には、「針のターゲッティング完了」表示部1122が、未実行の操作を示す識別色で識別表示されていると共に、針ターゲッティング完了/未完了表示部1145Dが、同様に未実行の操作を示す識別色で識別表示されている。
【0113】
術者は、この識別表示に従い、穿刺針110を穿刺開始位置に位置決めする操作を実行する。
【0114】
穿刺針位置決めモードが選択されているため、術者は、穿刺駆動軸6、7以外の各駆動軸1乃至5を、低速の速度設定用操作具1210が同時に操作されていることを条件に、操作用コントローラ1200の駆動用操作具1201~1205の操作によって駆動できるようになっている。
【0115】
術者は、低速の速度設定用操作具1210を押す操作をしながら、同時に駆動用操作具1201~1205を操作することで、各駆動軸1乃至5を動かし穿刺針110を患者の体表面の穿刺開始位置に位置決めする。なお、低速の速度設定用操作具1210を押す操作が同時になされていない場合には、駆動用操作具1201~1205を操作したとして操作信号は無効化され、対応する第1乃至第5駆動軸1~5は駆動されないように制御される。また穿刺駆動軸6、7に対応する駆動用操作具1206、1207を操作した場合にも、同様に操作信号は無効化され、対応する第6、第7駆動軸6、7は駆動されないように制御される。
【0116】
このため穿刺針110を患者の体表面に位置決めする穿刺針位置決め操作をしている段階で、操作用コントローラ1200の不用意な操作によって穿刺ロボット100の穿刺駆動軸6、7が動作してしまうことが防止される。
【0117】
穿刺針110が患者の体表面の穿刺開始位置に位置決めされると、術者は、表示画面1110上で、針ターゲッティング完了ボタン1145を押す操作を行う。
【0118】
(穿刺開始位置の設定)
【0119】
針ターゲッティング完了ボタン1145を押す操作が行われると、ディスプレイ1100の表示画面1110は、
図10Aに示す表示に遷移する。
【0120】
図10Aに示す表示画面1110には、「穿刺開始位置の設定」表示部1123が、未実行の操作を示す識別色で識別表示されていると共に、穿刺開始位置設定/未設定表示部1150Dが、同様に未実行の操作を示す識別色で識別表示されている。
【0121】
術者は、この識別表示に従い、穿刺開始位置設定ボタン1150を押す操作を実行する。
【0122】
穿刺開始位置設定ボタン1150を押す操作が行われると、
図10Bに示すように表示画面1110上に、「現在の穿刺深さ方向直動軸6の位置を、穿刺針110の穿刺開始位置に設定する」旨の穿刺開始位置の承認を促す表示がなされたウインドウ画面1110W1が表示される。ウインドウ画面1110W1上の穿刺開始位置承認ボタン1110ACを押す操作がなされると、取得部126で取得された刺深さ方向直動軸6の現在位置(例えば+30.0mm)が、穿刺針110の穿刺開始位置として設定される。
【0123】
(穿刺深さの設定)
【0124】
穿刺開始位置承認ボタン1110ACを押す操作が行われると、ディスプレイ1100の表示画面1110は、
図11Aに示す表示に遷移する。
【0125】
図11Aに示す表示画面1110には、「穿刺深さの設定」表示部1124が、未実行の操作を示す識別色で識別表示されていると共に、穿刺深さ設定/未設定表示部1160Dが、同様に未実行の操作を示す識別色で識別表示されている。
【0126】
術者は、この識別表示に従い、穿刺深さ設定ボタン1160を押す操作を実行する。穿刺深さ設定ボタン1160を押す操作が行われると、
図11Bに示すように表示画面1110上に、「穿刺深さ設定」のためのウインドウ画面1110W2が表示される。ウインドウ画面1110W2には、患者の体表面の穿刺開始位置から穿刺深さ方向の距離「-10mm」、「-5mm」、「-1mm」、「+1mm」、「+5mm」、「+10mm」を選択する穿刺深さ方向距離選択ボタン1161~1166と、設定確定ボタン1167が配置されている。穿刺深さ方向距離選択ボタン1161~1166を押す操作がなされ、穿刺深さ設定確定ボタン1167が押されると、押された穿刺深さ方向距離選択ボタンに対応する穿刺深さ方向距離、対応する穿刺深さ方向距離選択ボタンを押した回数に応じた穿刺深さが、穿刺針110の穿刺深さ(例えば60.0mm)として設定される。
【0127】
(穿刺開始位置と穿刺深さ目標位置の表示)
【0128】
穿刺深さ設定確定ボタン1167を押す操作が行われると、ディスプレイ1100の表示画面1110上の穿刺深さ位置表示部1190には、
図12に示す表示がなされる。
【0129】
図12に示すように、穿刺深さ位置表示部1190には、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191B(+30.0mm)が、穿刺開始位置1192(+30.0mm)、穿刺深さ目標位置1193(+90.0mm)と共に、これらの相対位置関係が、穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195A(0~+173mm)に対応づけて表示される。
【0130】
穿刺深さ(60.0mm)に、穿刺開始位置1192(+30.0mm)を加算した値が、穿刺深さ目標位置1193(+90mm)となる。
【0131】
(ソフトリミット設定値の設定(ソフトリミットの有効化))
【0132】
穿刺深さ設定確定ボタン1167を押す操作が行われると、ディスプレイ1100の表示画面1110は、
図13に示す表示に遷移する。
【0133】
図13に示す表示画面1110には、「ソフトリミットの有効化」表示部1125が、未実行の操作を示す識別色で識別表示されていると共に、ソフトリミット有効/無効表示部1170Dが、同様に未実行の操作を示す識別色で識別表示されている。
【0134】
術者は、この識別表示に従い、ソフトリミット設定部1170でソフトリミット設定値の設定及びソフトリミットの有効/無効を選択する操作を実行する。
【0135】
ソフトリミット設定部1170には、ソフトリミットの有効ボタン1171、ソフトリミットの無効ボタン1172、距離「-5mm」、「-1mm」、「+1mm」、「+5mm」を選択する距離選択ボタン1173~1176が配置されている。距離選択ボタン1173~1176を押す操作がなされると、押された距離選択ボタンに対応する距離、対応する距離選択ボタンを押した回数に応じた距離(例えば-22.0mm)を、第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6のエンド位置(+173mm)に加算した値が、ソフトリミット設定値(例えば151.0mm)として設定される。
【0136】
ソフトリミット設定値は、穿刺深さ方向直動軸6が穿刺開始位置から、穿刺針110が許容される穿刺深さの最大値まで進んだ位置であり、CT透視画像から測定するなどして予め求めておくことができる。
【0137】
例えば、患者の穿刺対象領域をCT撮影し外部モニタ300の表示画面320に穿刺対象領域を含む穿刺対象領域断面画像を表示させる。この穿刺対象領域断面画像上に穿刺針110の穿刺経路を設定し穿刺経路角度を測定する。穿刺針110が、設定した穿刺経路に沿って、測定した穿刺経路角度に応じた姿勢角度で移動したときに、その穿刺針110の許容される穿刺深さの最大値を穿刺断面画像上で測定するようにする。
【0138】
ソフトリミットの有効ボタン1171が押されると、ソフトリミット有効/無効表示部1170Dの表示は、「ソフトリミット有効」となる。
【0139】
ソフトリミットの有効ボタン1171が押された場合には、仮に第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6の位置がソフトリミット設定値(例えば+151.0mm)に達したならば、ソフトウェア上で第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6の動きがロックされる。すなわち、ソフトリミットの有効ボタン1171が押されると、ソフトリミット設定値(例えば+151.0mm)で第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6の動きをロックするためのソフトリミット指令信号が穿刺ロボット100の駆動制御部120に送信される。駆動制御部120は、ソフトリミット指令信号に従い第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6の位置がソフトリミット設定値(例えば+151.0mm)に達すると、第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6がソフトリミット設定値(例えば+151.0mm)以上に達しないように第6駆動軸(穿刺深さ方向直動軸)6を制御する。
【0140】
ソフトリミットの無効ボタン1172が押されると、ソフトリミット有効/無効表示部1170Dの表示は、「ソフトリミット無効」となる。ソフトリミットの無効ボタン1172が押されると、ソフトリミット指令信号の送信はオフされる。
【0141】
(穿刺開始位置と穿刺深さ目標位置とソフトリミット設定値の表示)
【0142】
ソフトリミットの有効ボタン1171を押す操作が行われると、ディスプレイ1100の表示画面1110上の穿刺深さ位置表示部1190には、
図14Aに示す表示がなされる。
【0143】
図14Aに示すように、穿刺深さ位置表示部1190には、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191B(+30.0mm)が、穿刺開始位置1192(+30.0mm)、穿刺深さ目標位置1193(+90.0mm)、ソフトリミット設定値1194(+151.0mm)と共に、これらの相対位置関係が、穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195A(0~+173mm)に対応づけて表示される。穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195Aの内ソフトリミット設定値1194(+151.0mm)からエンド位置(+173mm)の範囲のソフトリミット有効領域1194Aは、他の可動範囲と識別できる色、例えば紺色(図中クロスハッチングで示す)で識別表示される。
【0144】
なお、ソフトリミットの無効ボタン1172を押す操作が行われると、ディスプレイ1100の表示画面1110上の穿刺深さ位置表示部1190には、
図14Bに示す表示がなされる。
図14Bに示すように、
図14Aに示す表示からソフトリミット設定値1194、ソフトリミット有効領域1194Aが除去された表示がなされる。
【0145】
(穿刺モードの選択)
【0146】
ソフトリミットの有効ボタン1171(またはソフトリミットの無効ボタン1172)を押す操作が行われると、ディスプレイ1100の表示画面1110は、
図15に示す表示に遷移する。
【0147】
図15に示す表示画面1110には、「穿刺モードオン」表示部1126が、未実行の操作を示す識別色で識別表示されていると共に、穿刺モードオン/オフ表示部1180Dが、同様に未実行の操作を示す識別色で識別表示されている。
【0148】
術者は、この識別表示に従い、表示画面1110上で、穿刺モードオンボタン1180Aを押す操作を行い、穿刺モードを選択する。
【0149】
(穿刺)
【0150】
穿刺モードが選択されると、ディスプレイ1100の表示画面1110は、
図16に示す表示に遷移する。穿刺モードオンボタン1180Aを押す操作が行われると、穿刺モードオン/オフ表示部1180Dの表示は、「穿刺モードオン;穿刺モード選択」となる。
【0151】
穿刺モードが選択されているため、術者は、穿刺駆動軸6、7を、速度設定用操作具1210又は1211が同時に操作されていることを条件に、操作用コントローラ1200の駆動用操作具1207、1208の操作によって駆動できるようになっている。
【0152】
術者は、低速又は高速の速度設定用操作具1210、1211を押す操作をしながら、同時に駆動用操作具1206を操作することで、穿刺駆動軸6を直動させ穿刺針110を患者の体表面内に穿刺する。穿刺駆動軸7を駆動させず穿刺駆動軸6のみを直動させて穿刺してもよく、穿刺駆動軸6、7を併用動作させて穿刺してもよい。
【0153】
なお、速度設定用操作具1210、1211を押す操作が同時になされていない場合には、駆動用操作具1206、1207を操作したとして操作信号は無効化され、対応する穿刺駆動軸6、7は駆動されないように制御される。
【0154】
また、穿刺モードが選択されている場合には、術者は、第1乃至第5駆動軸1~5を、速度設定用操作具1210が同時に操作されていることを条件に、操作用コントローラ1200の駆動用操作具1201~1205の操作によって駆動できるようになっている。
【0155】
したがって、穿刺針110が撓んだ場合には、穿刺針110の移動経路を修正するために、適宜、第1乃至第5駆動軸1~5を動作させて、穿刺針110の姿勢を補正してもよい。
【0156】
また、穿刺駆動軸6、7と第1駆動軸1を併用動作させて穿刺針110を直動させてもよい。第1駆動軸1を併用動作させた場合には、第1駆動軸1の変位が加算されて、穿刺駆動軸6の現在位置1191A、1191Bが表示される。
【0157】
穿刺中、ディスプレイ1100の表示画面1110上の穿刺深さ位置表示部1190には、
図17に示す表示がなされる。
【0158】
このため術者は、穿刺中に、穿刺深さ位置表示部1190を見て、穿刺針110の現在位置1191Bが、穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195Aのいずれの箇所にあるか、刺針110の現在位置1191Aが、穿刺深さ目標位置1193及びソフトリミット設定値1194までどの程度の余裕があるかを確認することができる。
【0159】
術者は、穿刺深さ位置表示部1190から得られる情報に基づいて、操作用コントローラ1200で穿刺深さ方向直動軸6を操作して穿刺経路に沿って穿刺深さ目標位置1193まで正確に移動させることができる。
【0160】
術者は、穿刺針110が許容される穿刺深さの最大値(ソフトリミット設定値)1194を超えないように穿刺深さ位置表示部1190で確認しながら穿刺作業を進めることができる。仮に、穿刺針110の現在位置1191Aが、穿刺深さ目標位置1193を超えてもソフトリミット設定値1194を超えて進まないようにソフトウェア上で制限される。したがって穿刺針110を患者の体外から体内の穿刺標的まで安全、確実に移動させることができる。
【0161】
術者は、穿刺深さ位置表示部1190から得られる情報に基づいて、穿刺作業を進めることができ、相対的に、外部モニタ300の表示画面320上のCT透視画像で穿刺深さを確認する時間及び頻度が減る。結果的に、実施形態の穿刺ロボットシステムを用いなかった場合と比較して、CT透視が間欠的に行われCT透視時間が減り、患者の被ばく量を低減させることができる。
【0162】
(穿刺終了)
【0163】
穿刺が終了すると、
図18に示すように、表示画面1110上で、穿刺モードオフボタン1180Bを押す操作を行い、穿刺モードの選択をオフにする。穿刺モードオン/オフ表示部1180Dの表示は、「穿刺モードオフ」となる。
【0164】
上述した実施形態は一例であり、種々変形して実施することができる。
【0165】
以下に、表示画面1110上の穿刺深さ位置表示部1190の他の表示例について説明する。
図14Aに示す表示から適宜表示要素を省略することができる。
【0166】
(表示例1)
【0167】
図19Aに示すように、穿刺開始位置1192及びソフトリミット設定値1194(ソフトリミット有効領域1194A)の表示を省略し、穿刺深さ位置表示部1190に、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191Bと、穿刺深さ目標位置1193のみを表示する実施も可能である。
【0168】
(表示例2)
【0169】
図19Bに示すように、ソフトリミット設定値1194(ソフトリミット有効領域1194A)の表示を省略し、穿刺深さ位置表示部1190に、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191Bと、穿刺開始位置1192と、穿刺深さ目標位置1193のみを表示する実施も可能である。
【0170】
(表示例3)
【0171】
図20Aに示すように、穿刺開始位置1192の表示を省略し、穿刺深さ位置表示部1190に、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191Bと、穿刺深さ目標位置1193、ソフトリミット設定値1194(ソフトリミット有効領域1194A)のみを表示する実施も可能である。
【0172】
図14Aの表示例、上記表示例1、表示例2、表示例3において、穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195Aを除去した表示をしてもよい。
【0173】
(表示例4)
【0174】
たとえば
図20Bに示すように、
図14Aに示す表示例から穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195Aを除去した表示をしてもよい。
【0175】
また穿刺深さ目標位置1193を省略し、その代わりにソフトリミット設定値1194を表示する実施であってもよい。
【0176】
(表示例5)
【0177】
図21Aに示すように、穿刺深さ位置表示部1190に、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191Bと、ソフトリミット設定値1194(ソフトリミット有効領域1194A)を表示する実施も可能である。
【0178】
(表示例6)
【0179】
図21Bに示すように、穿刺深さ位置表示部1190に、穿刺深さ方向直動軸6の現在位置1191A、1191Bと、穿刺開始位置1192と、ソフトリミット設定値1194(ソフトリミット有効領域1194A)を表示する実施も可能である。
【0180】
上記表示例5、表示例6において、穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195Aを除去した表示をしてもよい。
【0181】
(表示例7、8)
【0182】
図22A、Bに示すように、
図21A、Bの表示例5、表示例6から穿刺深さ方向直動軸6の可動範囲1195Aを除去した表示をしてもよい。
【符号の説明】
【0183】
1~7 駆動軸
6 穿刺方向直動軸
7 瞬発穿刺軸
100 穿刺ロボット
110 穿刺針
121~127 取得部
1000 操作インタフェース
1010 穿刺開始位置設定部
1020 穿刺深さ目標位置設定部
1030 ソフトリミット設定値設定部
1040 表示部
121~127 取得部
1100 ディスプレイ
1110 表示画面
1200 操作用コントローラ
1300 操作用PC
【手続補正書】
【提出日】2021-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺針を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる直動部と、
前記穿刺針を穿刺開始位置に位置させたときの前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺開始位置として設定する穿刺開始位置設定部と、
前記直動部が直動することで前記穿刺針が前記穿刺開始位置設定部で設定された穿刺開始位置から設定穿刺深さまで進んだ際の前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置として設定する穿刺深さ目標位置設定部と、
前記直動部の現在位置情報を取得する取得部と、
前記穿刺深さ目標位置設定部で設定された前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示すると共に、前記穿刺針の現在位置を前記取得部で取得した前記直動部の現在位置情報から特定して表示する表示部、
を備えた穿刺ロボットシステム。
【請求項2】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項1に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項3】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置及び前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示する、
請求項1又は2に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項4】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺開始位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項1に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項5】
前記表示部は、前記穿刺深さ方向直動軸の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺開始位置及び前記穿刺針の穿刺深さ目標位置を表示する、
請求項1又は4に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項6】
前記直動部が前記穿刺開始位置から、前記穿刺針が許容される穿刺深さの最大値まで進んだ位置を、ソフトリミット設定値として設定するソフトリミット設定値設定部を備え、
前記表示部に、前記ソフトリミット設定値設定部で設定されたソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項7】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項6に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項8】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項6又は7に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項9】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記穿刺針の穿刺開始位置と、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項6に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項10】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置、前記穿刺針の穿刺開始位置、前記穿刺針の穿刺深さ目標位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項6又は9に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項11】
前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記穿刺深さ目標位置設定部による穿刺深さ目標位置の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、
請求項1から5のいずれ一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項12】
前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記穿刺深さ目標位置設定部による穿刺深さ目標位置の設定と、前記ソフトリミット設定値設定部によるソフトリミット設定値の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、
請求項6から10のいずれ一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項13】
前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記穿刺深さ目標位置を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、
請求項11に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項14】
前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記穿刺深さ目標位置を設定する操作と、前記ソフトリミット設定値を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、
請求項12に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項15】
穿刺針を穿刺開始位置から穿刺深さ方向に直動させる直動部と、
前記穿刺針を穿刺開始位置に位置させたときの前記直動部の位置を、前記穿刺針の穿刺開始位置として設定する穿刺開始位置設定部と、
前記直動部が前記穿刺開始位置から、前記穿刺針が許容される穿刺深さの最大値まで直動した位置を、ソフトリミット設定値として設定するソフトリミット設定値設定部と、
前記直動部の現在位置情報を取得する取得部と、
前記ソフトリミット設定値設定部で設定されたソフトリミット設定値に対応する位置を表示すると共に、前記穿刺針の現在位置を前記取得部で取得した前記直動部の現在位置情報から特定して表示する表示部、
を備えた穿刺ロボットシステム。
【請求項16】
前記表示部は、前記穿刺針の現在位置と、前記ソフトリミット設定値に対応する位置の相対位置関係を表示するものである、
請求項15に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項17】
前記表示部は、前記直動部の可動範囲に対応づけて、前記穿刺針の現在位置及び前記ソフトリミット設定値に対応する位置を表示する、
請求項15又は16に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項18】
前記穿刺開始位置設定部による穿刺開始位置の設定と、前記ソフトリミット設定値設定部によるソフトリミット設定値の設定は、操作インタフェースの表示画面上で行われる、
請求項15から17のいずれ一項に記載の穿刺ロボットシステム。
【請求項19】
前記操作インタフェースの表示画面上に、前記穿刺開始位置を設定する操作と、前記ソフトリミット設定値を設定する操作を指示するナビゲーション表示部が設けられている、
請求項18に記載の穿刺ロボットシステム。