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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157571
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】表示装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/34 20060101AFI20221006BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20221006BHJP
   G02F 1/167 20190101ALI20221006BHJP
   G02F 1/1685 20190101ALI20221006BHJP
【FI】
G09G3/34 C
G09G3/20 624B
G09G3/20 621A
G09G3/20 642A
G09G3/20 622C
G09G3/20 622D
G02F1/167
G02F1/1685
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021061865
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 匡孝
【テーマコード(参考)】
2K101
5C080
【Fターム(参考)】
2K101AA04
2K101BA02
2K101BB43
2K101BC02
2K101BD61
2K101EC08
2K101EC09
2K101ED13
2K101ED41
2K101ED43
2K101ED74
2K101EE02
2K101EJ12
5C080AA13
5C080BB05
5C080DD05
5C080EE29
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080JJ07
(57)【要約】
【課題】表示品位の低下を抑制する電気泳動表示装置の駆動方法を提供すること。
【解決手段】第1の端子を有する第1の容量素子と、第1の端子に接続され、第2の端子と、ゲート電極を有するトランジスタと、を有する少なくとも1つの画素を含む表示装置の駆動方法は、第1のフレームにおいて、トランジスタのゲート電極に第1のパルス幅の信号を供給し、第2の端子から前記第1の端子に第1の電圧を書き込み、第1のフレームの後の第2のフレームにおいて、ゲート電極に第2のパルス幅の信号を供給し、第1の端子は第1の電圧を保持し、第2のフレームの後の第3のフレームにおいて、ゲート電極に第3のパルス幅の信号を供給し、第2の端子から第1の端子に第2の電圧を書き込み、第2のパルス幅は第1のパルス幅より狭く、第3のパルス幅は第1のパルス幅と同一であり、第2の電圧は第1の電圧よりも小さい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端子を有する第1の容量素子と、
前記第1の端子に接続され、第2の端子と、ゲート電極を有するトランジスタと、
を有する少なくとも1つの画素を含む表示装置の駆動方法であって、
第1のフレームにおいて、
前記トランジスタのゲート電極に、第1のパルス幅の信号を供給し、
前記第2の端子から前記第1の端子に第1の電圧を書き込み、
前記第1のフレームの後の第2のフレームにおいて、
前記ゲート電極に、第2のパルス幅の信号を供給し、
前記第1の端子は前記第1の電圧を保持し、
前記第2のフレームの後の第3のフレームにおいて、
前記ゲート電極に、第3のパルス幅の信号を供給し、
前記第2の端子から前記第1の端子に第2の電圧を書き込み、
前記第2のパルス幅は、前記第1のパルス幅より狭く、
前記第3のパルス幅は、前記第1のパルス幅と同一であり、
前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも小さい、
表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記第2のフレームと、前記第3のフレームとの間に、前記第2のフレームと同等の期間を複数期間含む、
請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記第1のパルス幅と、前記第2のパルス幅と、前記第2のフレームと同等の複数期間のそれぞれの第2のパルス幅とを合計した時間で、前記画素に表示する階調が変化する、
請求項2に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記第2のフレームと前記第3のフレームとの間に、前記第1のフレームと同等の期間と、前記第2のフレームと同等の期間とを含む、
請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記第1のパルス幅と、前記第2のパルス幅と、前記第1のフレームと同等の期間における第1のパルス幅と、前記第2のフレームと同等の期間における第2のパルス幅とを合計した時間で、前記画素に表示する階調が変化する、
請求項4に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの画素を含む複数の画素を有し、
前記第1のフレームと、前記第2のフレームと、前記第3のフレームとを、前記複数の画素のそれぞれで行う、
請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記第2の端子は、第1の信号線に接続し、
前記ゲート電極は、第2の信号線に接続し、
前記第1のパルス幅の信号と、前記第2のパルス幅の信号と、前記第3のパルス幅の信号とは、前記第2の信号線から前記ゲート電極に供給され、
前記第1の電圧及び前記第2の電圧は、前記第1の信号線から前記第2の端子に供給され、
前記第1のフレームにおいて、前記第1のパルス幅の信号を前記第2の信号線から前記ゲート電極に供給する間、前記トランジスタはオンし、
前記第2のフレームにおいて、前記第2のパルス幅の信号を前記第2の信号線から前記ゲート電極に供給する間、前記トランジスタはオンし、
前記第3のフレームにおいて、
前記第3のパルス幅の信号を前記第2の信号線から前記ゲート電極に供給する間、前記トランジスタはオンし、
前記第1の端子の電圧は、前記第1の電圧から前記第2の電圧に低下する、
請求項1に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項8】
前記トランジスタの閾値電圧は、前記第2の信号線に供給される信号のハイレベルと、前記第1の電圧との差より小さい、
請求項7に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項9】
第1のフレームにおいて、第1のパルス幅の信号が供給される間、第1の端子に第1の電圧を供給し、
前記第1のフレームの後の第2のフレームにおいて、前記第1のパルス幅の信号とは異なる第2のパルス幅の信号が供給される間、前記第1の端子は前記第1の電圧を保持し、
前記第2のフレームの後の第3のフレームにおいて、前記第1のパルス幅の信号及び前記第2のパルス幅の信号とは異なる第3のパルス幅の信号が供給される間、前記第1の端子に第2の電圧を供給し、
前記第2のパルス幅は、前記第1のパルス幅より狭く、
前記第3のパルス幅は、前記第1のパルス幅と同一であり、
前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも小さい、
表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一つとして、電気泳動表示装置が知られている。電気泳動表示装置は、例えば、電子ペーパーと呼ばれ、携帯型の電子書籍として普及している。電気泳動表示装置は、複数の画素を有する。複数の画素の各々は、例えば、一方の電極と、他方の電極と、一方の電極と他方の電極とに挟持された電気泳動層と、電気泳動層に含まれるマイクロカプセルと、一方の電極と他方の電極との何れか一方に電圧を供給するスイッチング素子とを有する。複数の画素の各々の一方の電極と他方の電極とに電圧を印加すると、マイクロカプセル内の粒子が、一方の電極と他方の電極との間を移動する。その結果、電気泳動表示装置は、画像を表示することができる。また、複数の画素の各々の一方の電極と他方の電極とに電圧を印加する時間を変えると、マイクロカプセルが、一方の電極と他方の電極との間を移動する距離が変わる。その結果、電気泳動表示装置は、所謂、中間調(例えば、灰色)を表示することができる。
【0003】
例えば、スイッチング素子が、中間調に対応する電圧を一方の電極と他方の電極との何れか一方に安定して供給できない場合、電気泳動表示装置は、ムラのある中間調を表示する。その結果、電気泳動表示装置の表示品位が、損なわれる。例えば、特許文献1は、中間調を表示する際のノイズを低減し、表示品位の低下を抑制する電気泳動表示装置の駆動方法を、開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-185989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題の一つは、表示品位の低下を抑制する電気泳動表示装置の駆動方法を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の端子を有する第1の容量素子と、前記第1の端子に接続され、第2の端子と、ゲート電極を有するトランジスタと、を有する少なくとも1つの画素を含む表示装置の駆動方法は、第1のフレームにおいて、前記トランジスタのゲート電極に、第1のパルス幅の信号を供給し、前記第2の端子から前記第1の端子に第1の電圧を書き込み、前記第1のフレームの後の第2のフレームにおいて、前記ゲート電極に、第2のパルス幅の信号を供給し、前記第1の端子は前記第1の電圧を保持し、前記第2のフレームの後の第3のフレームにおいて、前記ゲート電極に、第3のパルス幅の信号を供給し、前記第2の端子から前記第1の端子に第2の電圧を書き込み、前記第2のパルス幅は、前記第1のパルス幅より狭く、前記第3のパルス幅は、前記第1のパルス幅と同一であり、前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも小さい。
【0007】
表示装置の駆動方法は、第1のフレームにおいて、第1のパルス幅の信号が供給される間、第1の端子に第1の電圧を供給し、前記第1のフレームの後の第2のフレームにおいて、前記第1のパルス幅の信号とは異なる第2のパルス幅の信号が供給される間、前記第1の端子は前記第1の電圧を保持し、前記第2のフレームの後の第3のフレームにおいて、前記第1のパルス幅の信号及び前記第2のパルス幅の信号とは異なる第3のパルス幅の信号が供給される間、前記第1の端子に第2の電圧を供給し、前記第2のパルス幅は、前記第1のパルス幅より狭く、前記第3のパルス幅は、前記第1のパルス幅と同一であり、前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の構成を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る画素回路を示す回路図である。
図4図1に示すA1-A2線に沿った切断部端面構造を示す。
図5】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図7図6に示すタイミングチャートにおける画素の動作状態を示す模式的な図である。
図8図6に示すタイミングチャートにおける画素の動作状態を示す模式的な図である。
図9図6に示すタイミングチャートにおける画素の動作状態を示す模式的な図である。
図10図6に示すタイミングチャートにおける画素の動作状態を示す模式的な図である。
図11図6に示すタイミングチャートにおける画素の動作状態を示す模式的な図である。
図12図6に示すタイミングチャートにおける画素の動作状態を示す模式的な図である。
図13】比較例に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図14】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図15】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すフローチャートである。
図16】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図17】本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状、構成等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。なお、各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0010】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、例えば、電気泳動表示装置である。本明細書においては、本発明の表示装置が電気泳動表示装置である例を示すが、本発明の表示装置は電気泳動表示装置に限定されず、時間階調を用いて画像を表示する表示装置であってもよい。本発明の一実施形態に係る表示装置は、例えば、複数のフレームで画素に所望の電圧を書き込み、1つの画像を表示する。例えば、それぞれのフレームで、書き込み時間を変えることと、画素に書き込む電圧を変えることで、複数の階調を表示することができる。
【0011】
<1.第1実施形態>
<1-1.電気泳動表示装置100の構成>
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置100の構成を示す模式的な平面図である。本発明の一実施形態に係る電気泳動表示装置100の構成は、図1及び図2に示された構成に限定されない。以降、電気泳動表示装置100は表示装置100と記す。
【0012】
図1に示すように、表示装置100は、第1基板101、対向基板102、表示部103、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、ドライバIC106、端子107、フレキシブルプリント基板108、及び映像信号線駆動回路111を有する。表示装置100は、アクティブマトリックス型の表示装置である。
【0013】
本発明の一実施形態では、例えば、方向D1は第1の方向D1と呼ばれ、方向D2は第2の方向D2と呼ばれる。方向とは、図中矢印の指す方向であり、矢印の指す方向に対して180度反転した方向は逆方向とする。また、本発明の一実施形態では、第1基板101から対向基板102に向かう方向を上方(または、上)とし、対向基板102から第1基板101に向かう方向を下方(または、下)とする。例えば、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接してもよく、第1部材から離れて位置していてよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が設けられてもよい。
【0014】
第1基板101は矩形状に形成される。対向基板102は矩形状に形成され、第1基板101より内側に設けられる。対向基板102の外形は第1基板101の外形より小さい。第1基板101と、対向基板102とは、互いに向き合うように対向配置される。
【0015】
表示部103は、複数の画素109を有する。複数の画素109は、D1方向と、D1方向に交差するD2方向にマトリクス状に配列する。詳細は後述するが、複数の画素109のそれぞれは、画素回路120を構成する複数のトランジスタ(図3)、及び複数の容量素子(図3)を有する。
【0016】
フレキシブルプリント基板108は、複数の端子107に電気的に接続する。フレキシブルプリント基板108は、外部回路(図示は省略)から信号、電圧、電力などを供給され、供給された信号、電圧、電力などをドライバIC106、走査信号線駆動回路104a,走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111などに供給する。
【0017】
ドライバIC106は、フレキシブルプリント基板108に実装される例を示す。ドライバIC106は、第1基板101上に実装されてもよい。ドライバIC106は、例えば、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111、容量配線412(図2)、コモン電位線422(図2)、表示部103(図2)に電気的に接続する。ドライバIC106は、フレキシブルプリント基板108などを介し、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111、表示部103などに信号を与えることができる。
【0018】
また、ドライバIC106は、論理回路(図示は省略)、電圧生成回路(図示は省略)、駆動タイミング制御回路(図示は省略)を有する。ドライバIC106は、論理回路、電圧生成回路を用いて、信号または電源電圧を生成し、生成した信号、電源電圧、又は電力を、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111、及び表示部103に供給する。また、ドライバIC106は、例えば、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111、及び表示部103等の信号処理に必要なタイミング制御信号を生成し、生成した当該タイミング制御信号を走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111、及び表示部103に供給する。タイミング制御信号は、例えば、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104bの行選択を制御するクロック信号、及びスタートパルス、映像信号線駆動回路111の列選択を制御するクロック信号、及びスタートパルスなどである。
【0019】
本発明の一実施形態では、容量配線412はCAP配線とも呼ばれ、コモン電位線422はCOM電位線とも呼ばれる。定電圧VPCが容量配線412に供給され、コモン電圧VCOMがコモン電位線422に供給される。本発明の一実施形態では、容量配線412に供給される定電圧VPCは、コモン電圧VCOMと同一または略同一の電圧であるが、定電圧VPCは、コモン電圧VCOMと異なる電圧であってもよい。
【0020】
図2に示すように、走査信号線駆動回路104a、及び走査信号線駆動回路104bは、例えば、D1方向に並ぶ画素109に対してD1方向に隣接する位置に配置される。走査信号線駆動回路104a、及び走査信号線駆動回路104bには、例えば、複数の走査信号線410が接続される。走査信号線駆動回路104a、及び走査信号線駆動回路104bは、n行目に位置する複数の画素109の画素回路120のそれぞれに、共通に、選択信号SG(n)を供給する。具体的には、走査信号線駆動回路104a、及び走査信号線駆動回路104bは、ドライバIC106から供給されたタイミング制御信号を用いて、選択信号SG(n)を生成する。複数の走査信号線410のそれぞれは、表示部103内のn行目に位置する複数の画素109の画素回路120に接続される。選択信号SG(n)が複数の走査線408のそれぞれに供給される。例えば、走査信号SG(1)が第1番目の走査線に供給され、走査信号SG(2)が第2番目の走査線に供給され、走査信号SG(3)が第3番目の走査線に供給され、走査信号SG(4)が第4番目の走査線に供給され、走査信号SG(n-1)が第n-1番目の走査線に供給され、選択信号SG(n)が第n番目の走査線に供給される。
【0021】
映像信号線駆動回路111は、例えば、D2方向に並ぶ画素109に対してD2方向に隣接する位置に配置される。映像信号線駆動回路111には、例えば、複数の映像信号線409が接続される。映像信号線409は、同じ列に配列された複数の画素109に接続される。映像信号線駆動回路111は、ドライバIC106から供給されたタイミング制御信号を用いて、m列目に位置する複数の画素109の画素回路120のそれぞれに、映像信号SL(m)(Vsig(m)とも呼ぶ)を供給する。複数の映像信号線409のそれぞれは、表示部103内のm列目に位置する複数の画素109の画素回路120に接続される。映像信号SL(m)が複数の映像信号線409のそれぞれに供給される。例えば、映像信号SL(1)が第1番目の映像信号線に供給され、映像信号SL(2)が第2番目の映像信号線に供給され、階調信号Vsig(m-2)が第m-2番目の映像信号線SL(m-2)に供給され、映像信号SL(m-1)が第m-1番目の映像信号線に供給され、映像信号SL(m)が第m番目の映像信号線に供給される。
【0022】
ドライバIC106は、表示部103に含まれる画素109の画素回路120のそれぞれに、定電圧VPC、及びコモン電圧VCOMを供給する。なお、図示は省略するが、ドライバIC106は、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111、及び表示部103の駆動に必要な電圧、電力を、走査信号線駆動回路104a、走査信号線駆動回路104b、映像信号線駆動回路111、及び表示部103に供給する。本発明の一実施形態において、複数の画素109は、例えば、第1の方向D1にm個配列し、第2方向D2にn個配列する。数値m及び数値nはそれぞれ自然数である。例えば、3行5列に配列する画素109は、3行5列の画素109、または座標(3、5)の画素109などと呼ばれる。
【0023】
<1-2.画素109の構成>
図3は、本発明の一実施形態に係る画素回路120を示す回路図である。複数の画素109のそれぞれは、画素回路120を構成する複数のトランジスタと、容量素子とを有する。図3は、図2に示したn行m列の画素109の画素回路120を構成する構成要素を示す。図3に示す画素回路120の構成は一例であって、画素回路120の構成は、図3に示す構成に限定されない。図1及び図2と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0024】
図3に示すように、画素109の画素回路120は、第1の選択トランジスタMsstaと、第2の選択トランジスタMsstbと、第1の容量SC1と、第2の容量SC2と、を備えている。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは、同一導電型、例えばPチャネル型の薄膜トランジスタ(TFT)により構成されている。本発明の一実施形態では、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbのそれぞれの半導体層は、酸化物半導体で形成されている。なお、上記半導体層は、低温多結晶シリコンなどの多結晶シリコン、非晶質シリコンなど、酸化物半導体以外の半導体を利用してもよい。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは、Nチャネル型のTFTにより構成されてもよい。
【0025】
第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは、それぞれ、第1の端子210、第2の端子212、及び制御端子214を有する。本発明の一実施形態では、制御端子214はゲート電極として機能し、第1の端子210及び第2の端子212の一方がソース電極として機能し、第1の端子210及び第2の端子212の他方がドレイン電極として機能する。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは、電気的に映像信号線409と画素電極420aとの間にて並列に接続される。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbでは、ソース電極及びドレイン電極に供給される電圧によって、各々の電極のソースとしての機能とドレインとしての機能とが入れ替わってもよい。
【0026】
第1の選択トランジスタMsstaでは、第1の端子210aは映像信号線409に接続され、第2の端子212aは画素電極420aに接続され、制御端子214aは走査信号線410に接続される。第2の選択トランジスタMsstbでは、第1の端子210bは映像信号線409に接続され、第2の端子212bは画素電極420aに接続され、制御端子214bは走査信号線410に接続される。走査信号線410には選択信号SG(n)が供給される。映像信号線409には映像信号SL(m)が供給される。その結果、制御端子214a及び制御端子214bは走査信号線410から選択信号SG(n)が供給され、第1の端子210a及び第1の端子210bは映像信号線409から映像信号SL(m)が供給される。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbのそれぞれは、選択信号SG(n)により、導通状態又は非導通状態に切替えられる。映像信号SL(m)は、映像信号線409及び導通状態の第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbのそれぞれを介して画素電極420aに供給される。
【0027】
本発明の一実施形態では、導通状態とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極とが導通し、トランジスタがオン(ON)の状態を示すものとする。また、本発明の一実施形態において、非導通状態とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極とが非導通となり、トランジスタがオフ(OFF)の状態を示すものとする。なお、各トランジスタにおいて、ソース電極とドレイン電極とは、各電極の電圧によって、入れ替わる場合がある。また、トランジスタがオフの状態であっても、リーク電流などのように、わずかに電流が流れることは、当業者であれば容易に理解できることである。
【0028】
第1の容量SC1及び第2の容量SC2は、容量素子である。第1の容量SC1の第1の端子220bは画素電極420aに接続され、第1の容量SC1の第2の端子222bはコモン電極422aに接続される。第2の容量SC2の第1の端子220aは画素電極420aに接続され、第2の容量SC2の第2の端子222aは容量配線412に接続される。コモン電極422aはコモン電位線422に接続される。コモン電極422aは、例えば、対向基板102に設けられ、対向電極と呼ばれる場合がある。また、コモン電極422aは、全ての画素109で共用され、共通電極と呼ばれる場合がある。
【0029】
第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは、選択信号SG(n)に基づき、画素電極420aに、映像信号SL(m)に供給される電圧を供給するか否かを制御する。
【0030】
第1の容量SC1は、第1の端子220b及び画素電極420aと、コモン電極422aとの間に挟持された表示機能層430(図4)を制御する機能を有する。詳細は後述するが、第1の端子220b及び画素電極420aに電圧を印加することで、表示機能層430に含まれるマイクロカプセル30(図4)内の粒子が移動する。その結果、本発明の一実施形態に係る表示装置100は、画像を表示することができる。また、第1の容量SC1は、第1の端子220b及び画素電極420aに供給される電圧に相当する電荷を保持する機能も有する。すなわち、第1の容量SC1を用いることで、映像信号SL(m)に供給される電圧に相当する電荷を保持することができるため、画素109が表示する階調の低下を抑制することができる。
【0031】
第2の容量SC2は、第1の端子220a及び画素電極420aに供給される電圧に相当する電荷を保持する機能を有する。第1の端子220a及び画素電極420aに供給される電圧は、映像信号SL(m)に供給される電圧と同一または略同一であるから、画素109は、第1の端子220a及び画素電極420aに供給される電圧に対応する階調を表示する。すなわち、第2の容量SC2を用いることで、映像信号SL(m)に供給される電圧に相当する電荷を保持することができるため、画素109が表示する階調の低下を抑制することができる。また、第2の容量SC2は、第1の容量SC1と同様に、第1の端子220a及び画素電極420aに供給される電圧に相当する電荷を保持する機能も有する。すなわち、第2の容量SC2を用いることで、映像信号SL(m)に供給される電圧に相当する電荷を保持することができるため、画素109が表示する階調の低下を抑制することができる。
【0032】
<1-3.表示装置100の切断部端面の例>
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の図1に示すA1-A2線に沿った切断部端面構造の概略である。図4に示す切断部端面構造の概略は、第1の画素109aと、第2の画素109bとの境界を概略的に示している。図4に示す本発明の一実施形態に係る表示装置100の切断部端面構造は一例であって、本発明の一実施形態に係る表示装置100の切断部端面構造は、図4に示す構成に限定されない。図1図3と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0033】
図4に示すように、下地層140が第1基板101の上に設けられる。第1の画素109aの画素電極420aaと、第2の画素109bの画素電極420abとが、下地層140の上に設けられる。コモン電極422aが、対向基板102に設けられる。コモン電極422aが設けられる対向基板102の面は、画素電極420aa及び画素電極420abと対向している。コモン電極422aは、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料で形成される。
【0034】
本発明の一実施形態では、第1基板101及び対向基板102は、例えば、樹脂、ガラスなどの絶縁性の材料で形成される。対向基板102は、光透過性を有している。対向基板102は、画面側(観察側)に設けられる。第1基板101は、画面の反対側に設けられ、不透明であってよく、透明であってもよい。
【0035】
表示部103に設けられる表示機能層430は、画素電極420aa及び画素電極420abとコモン電極422aとの間に設けられる。本発明の一実施形態に係る表示装置100は電気泳動表示装置であり、表示機能層430は電気泳動層である。表示機能層430は、複数のマイクロカプセル30a、30b、30cを有する。表示機能層430では、第1の方向D1と第2の方向D2との平面または略平面において、複数のマイクロカプセル30が、概ね隙間なく配列される。
【0036】
また、粘着層(図示は省略)が、画素電極420aa及び画素電極420abと表示機能層430との間に設けられる。画素電極420aは、粘着層に接する。なお、絶縁性の保護層が、画素電極420aと粘着層との間に設けられてもよい。本発明の一実施形態に係る表示装置100は、絶縁性の保護層を備えることで、画素電極420aを保護することができる。
【0037】
マイクロカプセル30は、例えば20μm以上70μm以下の粒径を有する球状体である。図4では、説明の便宜上、3個のマイクロカプセル30が画素電極420aa及び画素電極420abとコモン電極422aとの間に配置される例を示す。例えば、画素109が矩形状、または、多角形状であって、画素109の1辺の長さが百~数百μmの場合は、画素109の画素電極420上には、1個~10個程度のマイクロカプセル30が配置される。
【0038】
マイクロカプセル30は、分散媒31と、複数の黒色粒子32と、複数の白色粒子33とを有する。黒色粒子32及び白色粒子33は、電気泳動粒子とも呼ばれる。マイクロカプセル30の外殻部(壁膜)34は、例えば、アクリル樹脂等の透明な樹脂を用いて形成される。分散媒31は、マイクロカプセル30内において、黒色粒子32と、白色粒子33とを分散させる液体である。黒色粒子32は、例えば、アニリンブラック等の黒色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば正に帯電する。白色粒子33は、例えば、二酸化チタン等の白色顔料からなる粒子(高分子あるいはコロイド)であり、例えば負に帯電する。当該顔料には、必要に応じて添加剤を添加することができる。また、黒色粒子32及び白色粒子33の代わりに、例えば赤色、緑色、青色、イエロー、シアン、マゼンタなどの顔料を用いてもよい。
【0039】
上記構成の表示機能層430では、第2の画素109bが黒色を表示する場合、画素電極420aaに供給される電圧がコモン電極422aに供給される電圧より大きい。すなわち、コモン電極422aの電位を基準電位としたとき、画素電極420aaには正の電圧が供給され、画素電極420aaは正の電圧に相当する電荷を保持する。その結果、正に帯電した黒色粒子32がコモン電極422aに移動し、負に帯電した白色粒子33が画素電極420aaに移動する。すなわち、第2の画素109bが黒色を表示する。よって、コモン電極422a側から第2の画素109bを観察すると黒色が視認される。
【0040】
一方、上記構成の表示機能層430では、第1の画素が白色を表示する場合、画素電極420abに供給される電圧がコモン電極422aに供給される電圧より小さい。すなわち、コモン電極422aの電位を基準電位としたとき、画素電極420abには負の電圧が供給され、画素電極420abは負の電圧に相当する電荷を保持する。その結果、負に帯電した白色粒子33がコモン電極422aに移動し、正に帯電した黒色粒子32が画素電極420abに移動する。すなわち、第1の画素109aが白色を表示する。よって、コモン電極422a側から第1の画素109aを観察すると白色が視認される。
【0041】
また、上記構成の表示機能層430では、走査信号線410に供給する選択信号SG(n)のパルス幅を変更すること、または、映像信号線409に供給する映像信号SL(m)のレベル(電圧)を変更することで、第1の画素109aが、黒色と白色の間の階調(中間調、例えば灰色)を表示することができる。すなわち、第1の選択トランジスタMsstaの制御端子214a、及び第2の選択トランジスタMsstbの制御端子214bが導通状態である時間と、第1の選択トランジスタMsstaの第1の端子210a、及び第2の選択トランジスタMsstbの第1の端子210bに供給される電圧とに応じて、第1の画素109aが表示する階調を変えることができる。
【0042】
<1-4.表示装置100の駆動方法>
図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を示すフローチャートである。図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を示すタイミングチャートである。図7図12は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の画素109の動作状態を示す模式的な図である。図5図12に示す駆動方法は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法の一例であって、表示装置100の駆動方法は、図5図12に示す駆動方法に限定されない。図1図4と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0043】
本発明の一実施形態では、n行目の走査信号線410に電気的に接続する複数の画素109を駆動するための表示装置100の駆動方法を説明する。図6に示すように、表示装置100の駆動方法では、複数のフレーム(frame、F)を有する。複数のフレームは、例えば、L個のフレームである。複数のフレームは、J番目のフレームと、J+1番目のフレームと、J+2番目のフレームと、J+3番目のフレームと、・・・、K番目のフレームと、・・・、L-2番目のフレームと、L-1番目のフレームと、L番目のフレームとを含む。各フレームは、第1の保持期間(Th1)と、書き込み期間(Tw)と、第2の保持期間(Th2)を含む。数値J、数値K、数値Lは、それぞれ正の自然数であって、数値Lは数値Kよりも大きく、数値Kは数値Jよりも大きい。本発明の一実施形態では、フレームをフレーム期間と呼ぶことがある。図6は、一例として、n行目の走査信号線410に電気的に接続する複数の画素109を駆動するためのタイミングチャートを示す。具体的には、図6は、n行目m列目の画素109に、第1の階調の信号(電圧)を入力し(書き込み)、n行目m列目の画素109が第1の階調を表示するタイミングチャートである。図7図13は、n行目m列目の画素109の動作状態を示す。表示装置100は、図5に示す駆動方法のフローチャートに基づいて、1行目の複数の画素109から最終行(n行目)の複数の画素109に、それぞれの画素に対応する階調の信号(電圧)を書き込み、画像を表示することができる。
【0044】
はじめに、J番目のフレームにおいて、表示装置100は、J番目のフレームの駆動が実行される。図5図6及び図7を用いて、J番目のフレームにおける駆動方法を説明する。表示装置100が駆動を開始すると、コモン電位線422にはコモン電圧VCOMが供給され、容量配線412には定電圧VPCが供給される。なお、以降の動作方法では、継続して、コモン電位線422にはコモン電圧VCOMが供給され、容量配線412には定電圧VPCが供給される。本発明の一実施形態では、容量配線412は定電位線又は定電圧線と呼ばれることがある。
【0045】
図6に示すように、J番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、選択信号SG(n)はロー(Low)レベルが供給され、映像信号線409には第2の電圧である映像信号SL(m)が供給される。n行目m列目の画素109の画素電極420aの電圧は、例えば、第2の電圧が保持されている。選択信号SG(n)にロー(Low)レベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態となる。
【0046】
続いて、J番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t0において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は、映像信号線409には第2の電圧である映像信号SL(m)が供給される。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第2の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。時間T2が経過すると、すなわち、時刻t0+T2において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第2の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)への第2の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第2の電圧を保持することができる。
【0047】
続いて、J番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t0+T2から、J番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第2の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第2の電圧を保持する。本発明の一実施形態では、J番目のフレームは、例えば、表示装置100に画像を表示するための最初のフレームであり、初期化期間、またはリセット期間である。また、本発明の一実施形態では、第2の電圧は、ローレベルの電圧より大きく、ハイ(High)レベルの電圧、コモン電圧VCOM及び定電圧VPCより小さい。
【0048】
次に、J+1番目のフレームにおける駆動方法を説明する。図5に示すように、ステップ31(S31)において、J+1番目のフレームでは、第1のパルス幅(時間T1のパルス幅)で第1の電圧を画素に入力する。図5図6及び図8に示すように、J+1番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、J番目のフレームの第2の保持期間(Th2)から引き続き、選択信号SG(n)はロー(Low)レベルが供給され、映像信号線409には第2の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、n行目m列目の画素109の画素電極420aは第2の電圧を保持している。よって、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態のままである。
【0049】
続いて、J+1番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t1において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は、第2の電圧から第1の電圧に変化し、映像信号線409には第1の電圧が供給される。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第1の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。
【0050】
第1の電圧は、第2の電圧、ローレベルの電圧、コモン電圧VCOM及び定電圧VPCより大きく、ハイ(High)レベルの電圧より小さい。また、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbの閾値電圧は、選択信号SG(n)に供給されるハイレベル(ハイレベルの電圧)と、第1の電圧との差より小さい。その結果、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは、第1の電圧を、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に、十分に供給することができる。換言すると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは、電圧降下のない、又は、電圧降下を抑制された第1の電圧を、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給することができる。なお、第1の電圧の極性が反転し、第1の電圧が第2の電圧より小さい場合、第1の電圧は、ローレベルの電圧、コモン電圧VCOM及び定電圧VPC、並びに、ハイ(High)レベルの電圧より小さい場合がある。
【0051】
図6及び図9に示すように、時間T1が経過すると、すなわち、時刻t1+T1において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第1の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)への第1の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第1の電圧を保持することができる。
【0052】
続いて、図6及び図9に示すように、J+1番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t1+T1から、J+1番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第1の電圧を保持する。J+1番目のフレームでは、選択信号SG(n)は時間T1の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T1のパルス幅の信号を有する。時間T1のパルス幅が第1のパルス幅である。
【0053】
次に、J+2番目のフレームにおける駆動方法を説明する。図5に示すように、ステップ33(S33)において、J+2番目のフレームでは、第2のパルス幅(時間T2のパルス幅)で第1の電圧を画素に入力する。図6及び図9に示すように、J+2番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、選択信号SG(n)はローレベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、n行目m列目の画素109の画素電極420aの電圧は第1の電圧を保持している。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態のままである。
【0054】
続いて、図6及び図10に示すように、J+2番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t2において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は第1の電圧が供給され続けている。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第1の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。
【0055】
図6及び図9に示すように、時間T2が経過すると、すなわち、時刻t2+T2において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第1の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)への第1の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第1の電圧を保持し続ける。
【0056】
続いて、図6及び図9に示すように、J+2番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t2+T2から、J+2番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第1の電圧を保持する。J+2番目のフレームでは、選択信号SG(n)は時間T2の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T2のパルス幅の信号を有する。時間T2のパルス幅が第2のパルス幅である。
【0057】
続いて、J+3番目のフレームにおける駆動方法を説明する。J+3番目のフレームにおける駆動方法は、J+2番目のフレームにおける駆動方法と同様である。J+3番目のフレームにおける駆動方法は、J+2番目のフレームの駆動方法において、時刻t2を時刻t3に置き換えた駆動方法である。それ以外の駆動方法は、J+2番目のフレームの駆動方法と同様であるから、ここでの説明は省略する。J+3番目のフレームでは、J+2番目のフレームと同様に、選択信号SG(n)は時間T2の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T2のパルス幅の信号を有する。時間T2のパルス幅が第2のパルス幅である。
【0058】
J+3番目のフレームに続く、J+4番目のフレームからK-1番目のフレームのそれぞれにおける駆動方法は、J+3番目のフレームにおける駆動方法と同様であるから、ここでの説明は省略する。J+4番目のフレームからK-1番目のフレームのそれぞれのフレームにおいても、J+3番目のフレームと同様に、選択信号SG(n)は時間T2の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T2のパルス幅の信号を有する。時間T2のパルス幅が第2のパルス幅である。
【0059】
次に、K番目のフレームにおける駆動方法を説明する。図5に示すように、ステップ35(S35)において、K番目のフレームでは、第1のパルス幅(時間T1のパルス幅)で第2の電圧を画素に入力する。図6及び図9に示すように、K番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、K-1番目のフレームの第2の保持期間(Th2)から引き続き、選択信号SG(n)はロー(Low)レベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、n行目m列目の画素109の画素電極420aは第1の電圧を保持している。よって、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態のままである。
【0060】
続いて、図6及び図11に示すように、K番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t4において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は、第1の電圧から第2の電圧に変化し、映像信号線409には第2の電圧が供給される。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第2の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。
【0061】
図6及び図11に示すように、時間T1が経過すると、すなわち、時刻t4+T1において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第2の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)への第2の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420aは第2の電圧を保持することができる。
【0062】
続いて、K番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t4+T1から、K番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第2の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420aは第2の電圧を保持する。K番目のフレームでは、選択信号SG(n)は時間T1の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T1のパルス幅の信号を有する。時間T1のパルス幅が第1のパルス幅である。
【0063】
次に、図5に示すように、ステップ37(S37)において、K+1番目のフレームからL-1番目のフレームのそれぞれのフレームでは、第2のパルス幅(時間T2のパルス幅)で第2の電圧を画素に入力する。K番目のフレームに続く、K+1番目のフレームからL-1番目のフレームのそれぞれの駆動方法は、L-2番目のフレームにおける駆動方法と同様である。ここでは、L-2番目のフレーム及びL-1番目のフレームにおける駆動方法を説明し、それ以外のフレームの説明は省略する。図6及び図9に示すように、L-2番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、選択信号SG(n)はローレベルが供給され、映像信号線409には第2の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、n行目m列目の画素109の画素電極420aの電圧は第2の電圧を保持している。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態のままである。
【0064】
続いて、図6及び図11に示すように、L-2番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t5において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は第2の電圧が供給され続けている。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第2の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。
【0065】
図6及び図12に示すように、時間T2が経過すると、すなわち、時刻t5+T2において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第2の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420aへの第2の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420aは第2の電圧を保持し続ける。
【0066】
続いて、図6及び図12に示すように、L-2番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t5+T2から、L-2番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第2の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第2の電圧を保持する。L-2番目のフレームでは、選択信号SG(n)は時間T2の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T2のパルス幅の信号を有する。時間T2のパルス幅が第2のパルス幅である。
【0067】
続いて、L-1番目のフレームにおける駆動方法を説明する。L-1番目のフレームにおける駆動方法は、L-2番目のフレームにおける駆動方法と同様である。L-1番目のフレームにおける駆動方法は、L-2番目のフレームの駆動方法において、時刻t5を時刻t6に置き換えた駆動方法である。それ以外の駆動方法は、L-2番目のフレームの駆動方法と同様であるから、ここでの説明は省略する。L-1番目のフレームでは、L-2番目のフレームと同様に、選択信号SG(n)は時間T2の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T2のパルス幅の信号を有する。時間T2のパルス幅が第2のパルス幅である。
【0068】
次に、L番目のフレームにおける駆動方法を説明する。図5に示すように、ステップ39(S39)において、L番目のフレームでは、第1のパルス幅(時間T1のパルス幅)で第2の電圧を画素に入力する。L番目のフレームにおける駆動方法は、K番目のフレームにおける駆動方法と同様である。L番目のフレームにおける駆動方法は、K番目のフレームの駆動方法において、時刻t4を時刻t7に置き換えた駆動方法である。それ以外の駆動方法は、K番目のフレームの駆動方法と同様であるから、ここでの説明は省略する。L番目のフレームでは、K番目のフレームと同様に、選択信号SG(n)は時間T1の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T1のパルス幅の信号を有する。
【0069】
図13は、比較例に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャート(第2の階調)である。図13では、比較例に係る表示装置において、例えば、J+1番目のフレームからL番目のフレームにおいて、画素109に第1の電圧または第2の電圧を書き込むパルス幅が、同じパルス幅である。具体的には、画素109に第1の電圧または第2の電圧を書き込むパルス幅は、第1のパルス幅より狭い第2のパルス幅である。このとき、J+1番目のフレームにおいて、第1の電圧が、画素109の画素電極420aに映像信号SL(m)から画素109に供給されたとしても、選択信号SG(n)に供給される信号のパルス幅が狭いため、n行目m列目の画素109の画素電極420aには十分な電圧が供給されない。その結果、n行目m列目の画素109の画素電極420aに書き込まれる電圧は、第1の電圧より小さい第6の電圧である。続く、J+2番目のフレームにおいて、画素109の画素電極420aに書き込まれる電圧が、第6の電圧から第1の電圧となる。画素109ごとに、第1の選択トランジスタMsstaまたは第2の選択トランジスタMsstbのトランジスタ特性が異なる場合、第1の画素109の画素電極420aは第1の電圧が供給され、第2の画素109の画素電極420aは上述のように第1の電圧より小さい第6の電圧が供給されることがある。それぞれの画素109に同じ電圧を供給しているのにも関わらず、それぞれの画素109の画素電極420aに書き込まれる電圧が異なると、表示装置100は画素109ごとに異なる階調の画像を表示し、階調の違いが表示ムラとなる。
【0070】
一方、本発明の一実施形態に係る表示装置100は、第1の階調を表示するとき、J+1番目のフレームからK-1番目のフレームにおいて、画素109に第1の電圧を書き込み、K番目のフレームからL番目のフレームにおいて、画素109に第2の電圧を書き込む。画素109に第1の電圧を書き込むJ+1番目のフレームの第1のパルス幅は、画素109に第1の電圧より小さい第2の電圧を書き込むK番目のフレームの第1のパルス幅と同じである。なお、第1の電圧の極性が反転し、第1の電圧が第2の電圧より小さい場合もある。また、画素109に第1の電圧を書き込むJ+2番目のフレームからK-1番目のフレームのそれぞれの第2のパルス幅は、第1のパルス幅より狭い。すなわち、第1の階調を表示するとき、1フレーム目(J+1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は、最終フレーム目(K番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅と同一または略同一の第1のパルス幅にする。また、2フレーム目から最終フレームの直前のフレーム(K-1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は同一または略同一の第2のパルス幅とする。ここで、第2のパルス幅は、第1のパルス幅より狭くする。J+1番目のフレームにおいて、第1の電圧が、画素109の画素電極420aに映像信号SL(m)から画素109に供給されると、選択信号SG(n)に供給される信号のパルス幅が広いため、n行目m列目の画素109の画素電極420aに第1の電圧を充分に書き込むことができる。その結果、画素109ごとに、第1の選択トランジスタMsstaまたは第2の選択トランジスタMsstbのトランジスタ特性が異なる場合であっても、それぞれの画素109の画素電極420aに書き込む電圧を、それぞれの画素109に対応した所望の電圧をすることができるため、表示装置100は画素109ごとに所望の階調の画像を表示することができる。したがって、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を用いることで、電気泳動表示装置の表示品位の低下を抑制することができる。
【0071】
上記のように、本発明の一実施形態に係る表示装置100は、J+1番目のフレームにおける第1のパルス幅と、J+2番目のフレームにおける第2のパルス幅と、J+2番目のフレーム(第2のフレーム)と同等のJ+3番目~K-1番目のフレーム(複数期間)のそれぞれの第2のパルス幅とを合計した時間で、複数の画素109のそれぞれに対応する電圧を供給し、複数の画素109のそれぞれの表示する階調を変えることができる。
【0072】
本発明の一実施形態では、第1の電圧の極性は変わる場合があり、コモン電圧VCOM及び定電圧VPCは第2の電圧と呼ばれることがあり、ハイレベルの電圧は第4の電圧と呼ばれることがあり、ローレベルの電圧は第5の電圧と呼ばれることがある。本発明の一実施形態では、例えば、第1の電圧は+15Vであり、第2の電圧は第1の電圧より小さいグラウンドGNDであり、第3の電圧は第4の電圧と第5の電圧との間の電圧(中間電圧又は略中間電圧)であり、第4の電圧は+18Vであり、第5の電圧は-18Vである。また、例えば、第1の電圧は-15Vであり、第2の電圧は第1の電圧より大きいグラウンドGNDである。グラウンドGNDは、例えば、0Vである。
【0073】
<1-5.表示装置100の駆動方法>
図14は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を示すタイミングチャートである。図14に示す駆動方法は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法の一例であって、表示装置100の駆動方法は、図14に示す駆動方法に限定されない。図1図13と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0074】
図14は、4行1列(n=4、m=1)の各画素109の駆動方法を示す。また、図14は、J番目のフレームと、J+1番目のフレームと、J+2番目のフレームと、J+3番目のフレームと、K番目のフレームと、L-2番目のフレームと、L-1番目のフレームと、L番目のフレームとを含む。各フレームは、図6に示す第1の保持期間(Th1)と、書き込み期間(Tw)と、第2の保持期間(Th2)を含む。数値J、数値K、数値Lは、それぞれ正の自然数であって、数値Lは数値Kよりも大きく、数値Kは数値Jよりも大きい。本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法では、例えば、数値Jは1、数値Kは5、数値Lは8である。J番目のフレームは1番目のフレームであり、J+1番目のフレームは2番目のフレームであり、J+2番目のフレームは3番目のフレームであり、J+3番目のフレームは4番目のフレームであり、K番目のフレームは5番目のフレームであり、L-2番目のフレームは6番目のフレームであり、L-1番目のフレームは7番目のフレームであり、L番目のフレームは8番目のフレームである。各フレームでの駆動方法は、図5図13を用いて説明したため、ここでの説明は省略する。
【0075】
図14に示すように、1行1列の画素109は、J+1番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第1のパルス幅の信号が供給され、J+2番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、J+3番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、K番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第1のパルス幅の信号が供給され、L-2番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、L-1番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、L番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第1のパルス幅の信号が供給される。また、1行1列の画素109は、J+1番目のフレームからJ+3番目のフレームまでは、映像信号SL(1)に第1の電圧の信号が供給され、K番目のフレームからL番目のフレームまでは、映像信号SL(1)に第2の電圧の信号が供給される。その結果、1行1列の画素109の画素電極420a(PIX(1,1))は、J+1番目のフレームからJ+3番目のフレームまでは、選択信号SG(1)に応じて、第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、K番目のフレームからL番目のフレームまでは、選択信号SG(1)に応じて、第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。
【0076】
以上のようにして、1行1列の画素109が、第1の階調を表示するとき、2フレーム目(J+1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は、5フレーム目(K番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅と同一または略同一の第1のパルス幅にする。また、3フレーム目(J+2番目のフレーム)、4フレーム目(J+3番目のフレーム)、6フレーム目(L-2番円のフレーム)、及び7フレーム目(L-1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は同一または略同一の第2のパルス幅とする。さらに、8フレーム目(L番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は、2フレーム目(J+1番目のフレーム)及び5フレーム目(K番目のフレーム)の選択信号SG(n)パルス幅と同一または略同一の第1のパルス幅とする。その結果、1行1列の画素109は、第1の階調を表示することができる。
【0077】
図14に示すように、2行1列の画素109には、選択信号SG(2)、映像信号SL(1)、が供給される。選択信号SG(2)は、選択信号SG(1)に供給された信号が、J番目のフレーム、J+2番目のフレーム、J+3番目のフレーム、L-2番目のフレーム、及びL-1番目のフレームでは、時間T2シフトし、J+1番目のフレーム、K番目のフレーム、及びL番目のフレームでは、時間T1シフトした信号である。2行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)は、1行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)と同様の信号である。その結果、2行1列の画素109の画素電極420a(PIX(2,1))は、J+1番目のフレームからJ+3番目のフレームまでは、選択信号SG(2)に応じて、第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、K番目のフレームからL番目のフレームまでは、選択信号SG(2)に応じて、第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。したがって、2行1列の画素109は、第1の階調を表示することができる。
【0078】
図14に示すように、3行1列の画素109には、選択信号SG(3)、映像信号SL(1)、が供給される。選択信号SG(3)は、選択信号SG(2)に供給された信号が、J番目のフレーム、J+2番目のフレーム、J+3番目のフレーム、L-2番目のフレーム、及びL-1番目のフレームでは、時間T2シフトし、J+1番目のフレーム、K番目のフレーム、及びL番目のフレームでは、時間T1シフトした信号である。3行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)は、1行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)と同様の信号である。その結果、3行1列の画素109の画素電極420a(PIX(3,1))は、J+1番目のフレームからJ+3番目のフレームまでは、選択信号SG(3)に応じて第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、K番目のフレームからL番目のフレームまでは、選択信号SG(3)に応じて第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。したがって、3行1列の画素109は、第1の階調を表示することができる。
【0079】
図14に示すように、4行1列の画素109には、選択信号SG(4)、映像信号SL(1)、が供給される。選択信号SG(4)は、選択信号SG(2)に供給された信号が、J番目のフレーム、J+2番目のフレーム、J+3番目のフレーム、L-2番目のフレーム、及びL-1番目のフレームでは、時間T2シフトし、J+1番目のフレーム、K番目のフレーム、及びL番目のフレームでは、時間T1シフトした信号である。4行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)は、1行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)と同様の信号である。その結果、4行1列の画素109の画素電極420a(PIX(3,1))は、J+1番目のフレームからJ+3番目のフレームまでは、選択信号SG(4)に応じて第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、K番目のフレームからL番目のフレームまでは、選択信号SG(4)に応じて第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。したがって、4行1列の画素109は、第1の階調を表示することができる。
【0080】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る表示装置100は、第1の階調を表示する場合においても、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を用いることで、電気泳動表示装置の表示ムラを抑制し、表示品位の低下を抑制することができる。
【0081】
<1-6.表示装置100の駆動方法>
図15は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を示すフローチャートである。図16及び図17は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を示すタイミングチャートである。図15図17に示す駆動方法は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法の一例であって、表示装置100のの駆動方法は、図15図17に示す駆動方法に限定されない。図1図14と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0082】
図15図17に示す駆動方法は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を用いて、第2の階調を表示する駆動方法である。
【0083】
J番目のフレーム、J+1番目のフレーム、J+2番目のフレーム、J+3番目のフレーム、J+4番目のフレームからK-1番目のフレームの駆動方法は、図5図12を用いて説明した駆動方法と同様であるから、ここでの説明は省略する。
【0084】
次に、K番目のフレームにおける駆動方法を説明する。図15に示すように、ステップ45(S45)において、K番目のフレームでは、第1のパルス幅(時間T1のパルス幅)で第1の電圧を画素に入力する。図16に示すように、K番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、K-1番目のフレームの第2の保持期間(Th2)から引き続き、選択信号SG(n)はロー(Low)レベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、n行目m列目の画素109の画素電極420aは第1の電圧を保持している。よって、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態のままである。
【0085】
続いて、図16に示すように、K番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t4において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は第1の電圧が供給され続けており、映像信号線409には第1の電圧が供給される。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第1の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。
【0086】
図16に示すように、時間T1が経過すると、すなわち、時刻t4+T1において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第1の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)への第1の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420aは第1の電圧を保持することができる。
【0087】
続いて、K番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t4+T1から、K番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420aは第1の電圧を保持する。K番目のフレームでは、選択信号SG(n)は時間T1の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T1のパルス幅の信号を有する。時間T1のパルス幅が第1のパルス幅である。
【0088】
次に、図15に示すように、ステップ47(S47)において、K+1番目のフレームからL-1番目のフレームのそれぞれのフレームでは、第2のパルス幅(時間T2のパルス幅)で第1の電圧を画素に入力する。K番目のフレームに続く、K+1番目のフレームからL-1番目のフレームのそれぞれの駆動方法は、L-2番目のフレームにおける駆動方法と同様である。ここでは、L-2番目のフレーム及びL-1番目のフレームにおける駆動方法を説明し、それ以外のフレームの説明は省略する。図16に示すように、L-2番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、選択信号SG(n)はローレベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、n行目m列目の画素109の画素電極420aの電圧は第1の電圧を保持している。第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態のままである。
【0089】
続いて、図16に示すように、L-2番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t5において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は第1の電圧が供給され続けている。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第1の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。
【0090】
図16に示すように、時間T2が経過すると、すなわち、時刻t5+T2において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第1の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420aへの第1の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420aは第1の電圧を保持し続ける。
【0091】
続いて、図16に示すように、L-2番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t5+T2から、L-2番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)は第1の電圧を保持する。L-2番目のフレームでは、選択信号SG(n)は時間T2の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T2のパルス幅の信号を有する。時間T2のパルス幅が第2のパルス幅である。
【0092】
続いて、L-1番目のフレームにおける駆動方法を説明する。L-1番目のフレームにおける駆動方法は、L-2番目のフレームにおける駆動方法と同様である。L-1番目のフレームにおける駆動方法は、L-2番目のフレームの駆動方法において、時刻t5を時刻t6に置き換えた駆動方法である。それ以外の駆動方法は、L-2番目のフレームの駆動方法と同様であるから、ここでの説明は省略する。L-1番目のフレームでは、L-2番目のフレームと同様に、選択信号SG(n)は時間T2の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T2のパルス幅の信号を有する。時間T2のパルス幅が第2のパルス幅である。
【0093】
次に、L番目のフレームにおける駆動方法を説明する。図15に示すように、ステップ49(S49)において、L番目のフレームでは、第1のパルス幅(時間T1のパルス幅)で第2の電圧を画素に入力する。図16に示すように、L番目のフレームの第1の保持期間(Th1)では、L-1番目のフレームの第2の保持期間(Th2)から引き続き、選択信号SG(n)はロー(Low)レベルが供給され、映像信号線409には第1の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、n行目m列目の画素109の画素電極420aは第1の電圧を保持している。よって、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態のままである。
【0094】
続いて、図16に示すように、L番目のフレームの書き込み期間(Tw)では、時刻t7において、選択信号SG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、選択信号SG(n)にはハイレベルが供給される。映像信号線409は、第1の電圧から第2の電圧に変化し、映像信号線409には第2の電圧が供給される。選択信号SG(n)にハイレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは非導通状態から導通状態となり、第2の電圧が、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)に供給される。
【0095】
図16に示すように、時間T1が経過すると、すなわち、時刻t7+T1において、選択信号SG(n)はハイレベルからローレベルに変化する。選択信号SG(n)にはローレベルが供給される。映像信号線409には第2の電圧が供給されたままである。選択信号SG(n)にローレベルが供給されると、第1の選択トランジスタMssta及び第2の選択トランジスタMsstbは導通状態から非導通状態となり、映像信号線409から、n行目m列目の画素109の画素電極420a(第1の容量SC1の第1の端子220b、第2の容量SC2の第1の端子220a)への第2の電圧の供給は停止される。画素109は第1の容量SC1及び第2の容量SC2を含むため、画素電極420aは第2の電圧を保持することができる。
【0096】
続いて、L番目のフレームの第2の保持期間(Th2)では、時刻t7+T1から、K番目のフレームが終了するまで、選択信号SG(n)にはローレベルが供給され、映像信号線409には第2の電圧を供給された映像信号SL(m)が供給され、画素電極420aは第2の電圧を保持する。L番目のフレームでは、選択信号SG(n)は時間T1の間はハイレベルであり、選択信号SG(n)は時間T1のパルス幅の信号を有する。時間T1のパルス幅が第1のパルス幅である。
【0097】
本発明の一実施形態に係る表示装置100は、第2の階調を表示するとき、J+1番目のフレームからL-1番目のフレームにおいて、画素109に第1の電圧を書き込み、L番目のフレームにおいて、画素109に第2の電圧を書き込む。画素109に第1の電圧を書き込むJ+1番目のフレームの第1のパルス幅は、画素109に第1の電圧より小さい第2の電圧を書き込むL番目のフレームの第1のパルス幅と同じである。なお、第1の電圧の極性が反転し、第1の電圧が第2の電圧より小さい場合もある。また、画素109に第1の電圧を書き込むJ+2番目のフレームからK-1番目のフレームと、K+1番目のフレームからL-1番目のフレームのそれぞれの第2のパルス幅は、第1のパルス幅より狭い。さらに、画素109に第1の電圧を書き込むK番目のフレームの第1のパルス幅は、J+1番目のフレームの第1のパルス幅及びL番目のフレームの第1のパルス幅と同じである。すなわち、第2の階調を表示するとき、1フレーム目(J+1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は、最終フレーム目(L番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅と同一または略同一の第1のパルス幅にする。また、2フレーム目からK-1番目のフレームと、K+1番目のフレームからL-1番目のフレームの選択信号SG(n)のパルス幅は同一または略同一の第2のパルス幅とする。ここで、第2のパルス幅は、第1のパルス幅より狭くする。J+1番目のフレームにおいて、第1の電圧が、画素109の画素電極420aに映像信号SL(m)から画素109に供給されると、選択信号SG(n)に供給される信号のパルス幅が広いため、n行目m列目の画素109の画素電極420aに第1の電圧を充分に書き込むことができる。その結果、画素109ごとに、第1の選択トランジスタMsstaまたは第2の選択トランジスタMsstbのトランジスタ特性が異なる場合であっても、それぞれの画素109の画素電極420aに書き込む電圧を、それぞれの画素109に対応した所望の電圧をすることができるため、表示装置100は画素109ごとに所望の階調の画像を表示することができる。したがって、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を用いることで、電気泳動表示装置の表示品位の低下を抑制することができる。
【0098】
また、1フレーム目(J+1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は、K番目のフレームの選択信号SG(n)のパルス幅、及び、L番目のフレームの選択信号SG(n)のパルス幅と同一または略同一の第1のパルス幅にし、2フレーム目からK-1番目のフレームと、K+1番目のフレームからL-1番目のフレームの選択信号SG(n)のパルス幅は同一または略同一の第2のパルス幅とし、第2のパルス幅は第1のパルス幅より狭くする。その結果、画素109の列ごとに、画素109に供給する選択信号SG(n)のパルス幅の合計時間を揃えることができる。よって、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を用いることで、電気泳動表示装置の表示ムラを抑制し、表示品位の低下を抑制することができる。
【0099】
上記のように、本発明の一実施形態に係る表示装置100は、J+1番目のフレームにおける第1のパルス幅と、J+2番目のフレームにおける第2のパルス幅と、K番目のフレーム(J+1番目のフレーム(第1のフレーム)と同等の期間)における第1のパルス幅と、J+2番目のフレーム(第2のフレーム)と同等のJ+3番目~K-1番目のフレーム(複数期間)のそれぞれの第2のパルス幅と、L番目のフレームにおける第3のパルス幅とを合計した時間で、複数の画素109のそれぞれに対応する電圧を供給し、複数の画素109のそれぞれの表示する階調を変えることができる。
【0100】
<1-7.表示装置100の駆動方法>
図17は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を示すタイミングチャートである。図17に示す駆動方法は、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法の一例であって、表示装置100の駆動方法は、図17に示す駆動方法に限定されない。図1図16と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0101】
図17は、第1の階調を表示することを説明する図14と比較して、第2の階調を表示することを説明する図である。それ以外の点は、図14と同様であるから、ここでの説明は省略する。
【0102】
図17に示すように、1行1列の画素109は、J+1番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第1のパルス幅の信号が供給され、J+2番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、J+3番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、K番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第1のパルス幅の信号が供給され、L-2番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、L-1番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第2のパルス幅の信号が供給され、L番目のフレームでは、選択信号SG(1)に第1のパルス幅の信号が供給される。また、1行1列の画素109は、J+1番目のフレームからL-1番目のフレームまでは、映像信号SL(1)に第1の電圧の信号が供給され、L番目のフレームは、映像信号SL(1)に第2の電圧の信号が供給される。その結果、1行1列の画素109の画素電極420a(PIX(1,1))は、J+1番目のフレームからL-1番目のフレームまでは、選択信号SG(1)に応じて、第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、L番目のフレームでは、選択信号SG(1)に応じて、第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。
【0103】
以上のようにして、1行1列の画素109が、第2の階調を表示するとき、2フレーム目(J+1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は、5フレーム目(K番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅、及び、8フレーム目(L番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅と同一または略同一の第1のパルス幅にする。また、3フレーム目(J+2番目のフレーム)、4フレーム目(J+3番目のフレーム)、6フレーム目(L-2番円のフレーム)、及び7フレーム目(L-1番目のフレーム)の選択信号SG(n)のパルス幅は同一または略同一の第2のパルス幅とする。その結果、1行1列の画素109は、第2の階調を表示することができる。
【0104】
図17に示すように、2行1列の画素109には、選択信号SG(2)、映像信号SL(1)、が供給される。選択信号SG(2)は、選択信号SG(1)に供給された信号が、J番目のフレーム、J+2番目のフレーム、J+3番目のフレーム、L-2番目のフレーム、及びL-1番目のフレームでは、時間T2シフトし、J+1番目のフレーム、K番目のフレーム、及びL番目のフレームでは、時間T1シフトした信号である。2行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)は、1行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)と同様の信号である。その結果、2行1列の画素109の画素電極420a(PIX(2,1))は、J番目のフレームからL-1番目のフレームまでは、選択信号SG(2)に応じて、第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、L番目のフレームでは、選択信号SG(2)に応じて、第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。したがって、2行1列の画素109は、第2の階調を表示することができる。
【0105】
図17に示すように、3行1列の画素109には、選択信号SG(3)、映像信号SL(1)、が供給される。選択信号SG(3)は、選択信号SG(2)に供給された信号が、J番目のフレーム、J+2番目のフレーム、J+3番目のフレーム、L-2番目のフレーム、及びL-1番目のフレームでは、時間T2シフトし、J+1番目のフレーム、K番目のフレーム、及びL番目のフレームでは、時間T1シフトした信号である。3行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)は、1行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)と同様の信号である。その結果、3行1列の画素109の画素電極420a(PIX(3,1))は、J+1番目のフレームからL-1番目のフレームまでは、選択信号SG(3)に応じて、第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、L番目のフレームでは、選択信号SG(3)に応じて、第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。したがって、3行1列の画素109は、第2の階調を表示することができる。
【0106】
図17に示すように、4行1列の画素109には、選択信号SG(4)、映像信号SL(1)、が供給される。選択信号SG(4)は、選択信号SG(3)に供給された信号が、J番目のフレーム、J+2番目のフレーム、J+3番目のフレーム、L-2番目のフレーム、及びL-1番目のフレームでは、時間T2シフトし、J+1番目のフレーム、K番目のフレーム、及びL番目のフレームでは、時間T1シフトした信号である。4行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)は、1行1列の画素109に供給される映像信号SL(1)と同様の信号である。その結果、4行1列の画素109の画素電極420a(PIX(3,1))は、J番目のフレームからL-1番目のフレームまでは、選択信号SG(4)に応じて、第1の電圧の信号が書き込まれ、かつ、第1の電圧を保持し、L番目のフレームでは、選択信号SG(4)に応じて、第2の電圧が書き込まれ、かつ、第2の電圧を保持する。したがって、4行1列の画素109は、第2の階調を表示することができる。
【0107】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る表示装置100は、第2の階調を表示する場合においても、本発明の一実施形態に係る表示装置100の駆動方法を用いることで、電気泳動表示装置の表示ムラを抑制し、表示品位の低下を抑制することができる。
【0108】
本発明の実施形態として上述した各実施形態又は各実施形態の一部は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。
【0109】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる別の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0110】
30:マイクロカプセル、30a:マイクロカプセル、30b:マイクロカプセル、30c:マイクロカプセル、31:分散媒、32:黒色粒子、33:白色粒子、34:外殻部(壁膜)、100:電気泳動表示装置、100:表示装置、101:第1基板、102:対向基板、103:表示部、104a:走査信号線駆動回路、104b:走査信号線駆動回路、107:端子、108:フレキシブルプリント基板、109:第2の画素、109:第1の画素、109:画素、109a:第1の画素、109b:第2の画素、111:映像信号線駆動回路、120:画素回路、140:下地層、210:第1の端子、210a:第1の端子、210b:第1の端子、212:第2の端子、212a:第2の端子、212b:第2の端子、214:制御端子、214a:制御端子、214b:制御端子、220a:第1の端子、220b:第1の端子、222a:第2の端子、222b:第2の端子、408:走査線、409:映像信号線、410:走査信号線、412:容量配線、420:画素電極、420a:画素電極、420aa:画素電極、420ab:画素電極、422:コモン電位線、422a:コモン電極、430:表示機能層
図1
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