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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157728
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062120
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】511187214
【氏名又は名称】株式会社FLOSFIA
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼田 秀彰
(72)【発明者】
【氏名】水本 尚吾
(57)【要約】
【課題】発熱を効果的に吸収し放熱する機能を設けることで信頼性の向上を図ることが可能な半導体装置の提供を目的とする。
【解決手段】第1の基板と第2の基板との間に少なくとも1つの半導体素子が配置されている積層体を含む半導体装置であって、半導体素子の近傍で且つ第1の基板と略同じ積層方向高さの位置に、第1の基板および第2の基板とは異なる第3の基板に熱的に接続されている熱伝導部が設けられており、熱伝導部が、半導体素子とは電気的に絶縁されており、熱伝導部が半導体素子の周囲に配置されている半導体装置である。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と第2の基板との間に少なくとも1つの半導体素子が配置されている積層体を含む半導体装置であって、
前記半導体素子の近傍で且つ前記第1の基板と略同じ積層方向高さの位置に、前記第1の基板および前記第2の基板とは異なる第3の基板に熱的に接続されている熱伝導部が設けられており、前記熱伝導部が、前記半導体素子とは電気的に絶縁されており、前記熱伝導部が前記半導体素子の周囲に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記熱伝導部は前記半導体素子の周囲に連続的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記熱伝導部は前記半導体素子の周囲に断続的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記熱伝導部は前記半導体素子の側面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記熱伝導部の側面は前記半導体素子の側面とほぼ等距離に配置されていることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記熱伝導部は側面で受熱した熱を当該側面と直交する面の方向に放熱することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記熱伝導部は熱的に等方性を持つ材料で形成されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記熱伝導部は銅(Cu)を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体素子として、第1の半導体素子および第2の半導体素子が、前記第の基板と前記第2の基板との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記熱伝導部が、前記第1の半導体素子および前記第2の半導体素子の周囲を囲むように配置されていることを特徴とする請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第3の基板が、前記第1の基板および前記第2の基板と電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体素子が、前記半導体層と、半導体層の第1の面に設けられている第1の電極と、前記半導体層の第1の面とは反対側の第2の面に設けられている第2の電極とを備え、前記第2の電極と前記第2の基板とがビアを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項13】
前記熱伝導部と前記半導体素子の間には電気絶縁性材料が介在していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項14】
前記熱伝導部の熱は前記積層方向へ伝熱されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項15】
請求項1記載の半導体装置を用いた電力変換装置。
【請求項16】
請求項1記載の半導体装置を用いた制御システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体素子を搭載する半導体装置および半導体システムに関する。本発明は、特に、筐体内部の半導体素子等から発生する熱を筐体外部に効果的に導くことが可能な半導体装置および半導体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を搭載した回路基板を積層することで半導体装置を三次元的に高密度実装する、いわゆる電子部品内蔵モジュール化技術が知られている。特に、スイッチング機能を備えたIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ:Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)などの半導体素子をモジュール化する場合には、半導体素子やその電気回路の構成部品が比較的大きな発熱量を持つ。そのため、この熱をいかにしてモジュール外部に放熱するかの検討が進められている。例えば、特許文献1に開示された半導体装置は、MOSFETからなる半導体素子(半導体デバイスQ10)の上面に、放熱経路を確立するためのポスト部35Tの基端が接続されることで、半導体素子の上面から発生する熱をモジュール上面の上部や下部に放熱する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2018/047485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、半導体素子の上面から発生する熱を効果的にモジュール外部に放熱できる。しかし、モジュールの小型化や高密度化が進むと、半導体素子の局所的な放熱であってもその熱が素子全体を温度上昇させ、その熱は半導体素子全体から放熱される。したがって、半導体素子の特定の面だけに着目した放熱構造では、モジュール全体の温度上昇を抑制することが難しくなり、半導体装置の安定した動作を長期にわたって維持することが困難となる。
そこで本発明は、半導体素子の発熱を効果的に吸収し放熱する機能を設けることで信頼性の向上を図ることが可能な半導体装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、以下に示す半導体装置が、上記した従来の課題を解決できることを見出した。
本発明の実施形態に係る半導体装置は、第1の基板と第2の基板との間に少なくとも1つの半導体素子が配置されている積層体を含む半導体装置であって、前記半導体素子の近傍で且つ前記第1の基板と略同じ積層方向高さの位置に、前記第1の基板および前記第2の基板とは異なる第3の基板に熱的に接続されている熱伝導部が設けられており、前記熱伝導部が、前記半導体素子とは電気的に絶縁されており、前記熱伝導部が前記半導体素子の周囲に配置されていることを特徴とする半導体装置である。
【発明の効果】
【0006】
上記のように構成された本発明の実施形態によれば、半導体素子の周囲に配置された熱伝導部が半導体素子から発生する熱を吸収し放熱に供することができる。したがって、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態における熱伝導部の一例を示す斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態における熱伝導部の他の例を示す斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図5】実施形態に係る半導体装置を採用した制御システムの一例を示すブロック構成図である。
図6】本発明の実施形態に係る半導体装置を採用した制御システムの一例を示す回路図である。
図7】本発明の実施形態に係る半導体装置を採用した制御システムの他の例を示すブロック構成図である。
図8】本発明の実施形態に係る半導体装置を採用した制御システムの他の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る幾つかの実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、同一構成要素には同一符号を付すことで、重複する説明を省略する。
【0009】
図1は本発明に係る半導体装置の第1実施形態を示す断面図である。図1に示すように半導体装置110は、回路基板1(第1の基板)上に設けられた第1および第2の半導体素子2,3を有する。本実施形態においては、第1の半導体素子2は、スイッチング機能を備えたIGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ:Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等のスイッチング素子であり、また、第2の半導体素子3は、半導体部品であるSBD(Schottky Barrier Diode)やPiNダイオードなどのダイオードが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0010】
回路基板1の下層には、第1の金属基板4と第2の金属基板5が互いに平行となるように積層配置されている。回路基板1と第1の金属基板4とはビア6で接続され、第1の金属基板4と第2の金属基板5とはビア7で接続されている。これらの構成によって、第1および第2の半導体素子2,3はその下面から回路基板1、第1の金属基板4、第2の金属基板5に至る経路で電気的接続および熱的接続を図っている。回路基板1の上層には、第3の金属基板(第2の基板)8が平行に積層されることで、第1および第2の半導体素子2,3はこれら回路基板1と第3の金属基板8の間に配置される関係となっている。回路基板1と第3の金属基板8との間はビア9,10で接続されている。これらの構成によって、第1および第2の半導体素子2,3はその上面から第3の金属基板8に対して電気的接続および熱的接続を図っている。
また、ここでは図示しないが、本発明の実施形態において、半導素子2は、半導体層、半導体層の第1の面上に設けられた第1の電極、半導体層の前記第1の面とは反対側の第2の面上に設けられた第2の電極を有する。半導体素子2は、いわゆる縦型デバイスである。また、本発明の実施形態において、前記第2の電極は、ビア9を介して第2の基板(第3の金属基板)8と電気的および熱的に接続されている。また、第2の金属基板5と第3の金属基板8とはスルーホール11によって電気的に接続されている。これらビア6,7,9,10やスルーホール11などによる電気的接続および熱的接続のために、主に銅(Cu)を主成分とする材料が用いられている。
【0011】
回路基板1の近傍には、所定の隙間12aを介して回路基板1を囲むように、外周基板(第3の基板)13が配置されている。外周基板13と回路基板1は図1の断面方向から見て、その積層方向にて略同一高さの位置に配置されている。外周基板13上には熱伝導部材(熱伝導部)14が配置されている。熱伝導部材14は、熱伝導率の大きな材料で、かつ、熱的に等方性を持つ材料から選定されるのが好ましい。熱伝導部材14は、例えば銅(Cu)を主成分とした材料で形成され、上下面での受放熱特性(熱伝導率)と側面での受放熱特性(熱伝導率)とが同じに設計されている。
【0012】
第1の金属基板4と第2の金属基板5の周囲にも同様に、所定の隙間12b,12cを介して、外周基板15,16が設けられている。外周基板15,16の厚みや構成材料は、第1および第2の金属基板4,5と同じである。隙間12aの寸法と隙間12b,12cの寸法は同じであっても異なっていてもよいが、本発明においては、隙間12aの寸法が小さく設定されている方がより望ましい。
【0013】
外周基板13と外周基板15とはビア17で接続され、また外周基板15と外周基板16とはビア18で接続されている。外周基板13、外周基板15、外周基板15、ビア17,18はそれぞれ、熱伝導率の大きな材料である銅(Cu)を主成分とする材料で形成されている。
【0014】
第3の金属基板8の上部には、半導体装置110のモジュール外壁を構成する樹脂層19が積層されている。樹脂層19は電気絶縁性を備えた材料であり、半導体装置110のモジュール外部への電流の漏出を遮蔽し防止する。樹脂層19としては、例えばTIM(Thermal Interface Material)などの樹脂シートが用いられる。
【0015】
また、モジュールの内部空間にも、電気絶縁性を備えた材料が充填されている。モジュールの内部空間に充填されている材料としては、例えばプリプレグなどの繊維含侵樹脂が用いられる。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に係る熱伝導部14とその近傍の構成を示した斜視図である。図2に示すように、回路基板1は矩形状をなし、回路基板1の外周に沿うように、外周基板13が配置されている。回路基板1と外周基板13とは所定の隙間12aを介して、非接触で近接した状態で配置されている。回路基板1には図示しない電気配線パターンが形成され、第1および第2の半導体素子2,3との電気的な導通を行うが、外周基板13には電気配線パターンは形成されていない。また、回路基板(第1の基板)1と外周基板(第3の基板)13との隙間12aにはプリプレグなどの電気絶縁材料が充填されているため、両者は電気的には絶縁され、熱的には接続している。
【0017】
外周基板13の上面には熱伝導部材14が配置されている。本実施形態では、外周基板13と熱伝導部材14は共にロ字型の形状をなしている。熱伝導部材14の幅は、外周基板13の幅と同じか、やや小さく形成される。熱伝導部材14の厚みは、第1および第2の半導体素子2,3の厚みと同等でもよいが、空間的な余裕がある限りにおいては、第1および第2の半導体素子2,3の厚みよりも大きい方が好ましい。外周基板13が回路基板1を取り囲むように配置されることで、熱伝導部材14が第1および第2の半導体素子2,3を取り囲んでいる。
【0018】
なお、熱伝導部材14を外周基板13上に形成する方法としては、接着やめっき、あるいは拡散接合などを利用することが可能である。
【0019】
以上のように構成された本発明の第1実施形態に係る半導体装置110の動作について詳しく説明する。
【0020】
図示しない制御対象に所定の電力を供給するために、第1の半導体素子2(例えばIGBT)のゲート電極に制御信号を与えることでエミッタから電流が出力される。また、エミッタからの出力を第2の半導体素子3(例えばSBD)を介してコレクタに還流することで、過剰キャリアを除去した安定なスイッチング動作が行われる。このスイッチングの切替タイミングを制御することで、制御対象に安定した電力を供給し、また状況に応じて電圧を変化させることで、制御対象に所望の動作を行わせる。これら一連の制御動作に係る制御信号や入出力電力は、半導体素子2,3の下面から回路基板1、ビア6、第1の金属基板4、ビア7を経由して第2の金属基板5に至る電気経路と、半導体素子2,3の上面からビア9、第3の金属基板8、スルーホール11を経由して第2の金属基板5に至る電気経路とを用いることにより行われる。すなわち、半導体装置110内部の積層体を構成する各基板を経由させることで、電力や制御信号の入出力が行われる。
【0021】
スイッチング動作の継続により、半導体素子2,3は徐々に発熱する。半導体素子2,3の発熱量は電極付近が最も大きいため、半導体素子の電極面側に熱伝導率の高い材料を接続した上で、モジュール外部に熱を導くことで放熱する。そして、半導体素子がいわゆる縦型デバイスの場合には、半導体素子の両面に放熱構造を設ける。本実施形態の半導体素子2,3は共に縦型デバイスであるため、上述した2つの電気経路を利用して放熱を行う。すなわち、半導体素子2,3の下面からの熱を第2の金属基板5まで熱伝導することで、第2の金属基板5の下面に接続された図示しないヒートシンク等から放熱する。また、半導体素子2,3の上面からの熱を第3の金属基板8に熱伝導することで、樹脂層19の上面に接続された図示しない放熱フィン等から放熱する。すなわち、半導体装置110内部の積層体を構成する各基板を経由させることで、積層方向への伝熱経路を用いた放熱が行われる。
【0022】
本発明の実施形態では、半導体素子2,3の上面と下面に加えて、半導体素子2,3の側面方向へ放出される熱を吸収し放熱するための放熱構造を備えている。すなわち、図1における半導体素子2の左側面と、半導体素子3の右側面は、いずれも熱伝導部材14に対向配置する関係に構成されていることから、図1中に矢印で示すように、側面方向へ放出される熱を効果的に吸収することが可能となっている。また、図2に示すように、熱伝導部材14は半導体素子2,3の周囲を取り囲むように配置されているため、これら半導体素子2,3のいずれの側面からの放熱も確実に吸収することができる。特に、熱伝導部材14が途切れなく連続的に構成された環状の形状であることから、熱伝導部材14が全体的に均一温度となり易く、外周基板13との接触面全体を有効に利用した熱伝導が可能となる。
【0023】
そして、熱伝導部材14によって吸収された熱は、図1中に矢印で示すように、熱的に接続された外周基板13、ビア17、外周基板15、ビア18、外周基板16を経由して、外周基板16の下面に接続された図示しないヒートシンク等に到達することで、モジュール外部に放熱される。すなわち、熱伝導部材14を用いることで、熱伝導部材14の側面で受熱がなされ、受熱方向とは直交する方向である熱伝導部材14の下面から下方向に熱伝導することで放熱が行われる。受熱面と放熱面とが直交の関係にある放熱経路を実現するために、熱伝導部材14として熱伝導率に等方性を持つ材料で形成されることが望ましい。特に、熱伝導率が大きくかつ電気伝導率にも優れた銅(Cu)を主成分とする材料で形成することで、回路基板やビアとの接続性にも優れた熱伝導部材14が実現する。
【0024】
このような動作が行われる本発明の実施形態によれば、半導体素子の周囲に配置された熱伝導部材が半導体素子の側面方向へ放出される熱を効果的に吸収し放熱に供することができる。したがって、放熱性能が極めて良好となることから、半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、本発明の実施形態によれば、第2の基板(第3の金属基板)13を電気的な導通のためには用いずに熱的な導通のみに用いている。したがって、上述した半導体素子の側面方向からの発熱についての放熱経路に関する設計の自由度をより高めることができる。本発明の実施形態によれば、第1の半導体素子2および第2の半導体素子3が搭載されている回路基板1の外周を囲って熱伝導部材が配置されている。そのため、第1の半導体素子2および第2の半導体素子3との電気的な接続に影響を与えることなく、それぞれの半導体素子の側面方向への放熱性を高めることができる。
【0025】
また、本実施形態の半導体素子2,3は共に縦型デバイスであるため、その各電極に対応する回路基板1および第3の基板8には電気回路が形成される。電気回路を形成するためには、絶縁確保や配線設計の関係上、基板全体を銅などの熱伝導率の高い材料で製作することができない。したがって、横型デバイスを用いる場合に比べて各基板からの放熱量が少なくなる。しかし、本発明に係る熱伝導部14を用いることで、電気回路が形成された回路基板1および第3の基板8からの放熱に加えて、熱伝導部14を介した放熱が可能となることから、放熱効果を向上させることができるようになる。
【0026】
図3は、本発明に係る半導体装置の第2実施形態を示す斜視図である。この第2実施形態では、第1実施形態の熱伝導部材14とは異なる熱伝導部材20が用いられている。すなわち、熱伝導部材20a~20dは独立した4つの部材からなり、外周基板13の四隅を除いた直線部分にそれぞれ断続的に配置されている。いずれの熱伝導部材20a~20dも、対向する半導体素子2,3の側面に沿った状態で半導体素子2,3の側面と平行に配置されている。また、熱伝導部材20a~20dの側面と半導体素子2,3の側面とはほぼ等距離に配置されている。熱伝導部材20aの長辺の長さは、対向する第2の半導体素子3の側面の長さ以上に設定され、熱伝導部材20cの長辺の長さは、対向する第1の半導体素子2の側面の長さ以上に設定されている。また、熱伝導部材20b,20dの長辺の長さは、並設された第1の半導体素子2と第2の半導体素子3の合計長以上に設定されている。上述した熱伝導部材14と同様に、熱伝導部材20a~20dも銅(Cu)を主成分とする材料から形成されている。
【0027】
このように構成された熱伝導部材20a~20dは、少なくとも第1の半導体素子2と第2の半導体素子3のいずれかの側面に等距離で対向していることから、放熱側に最も近い位置に熱伝導部材を設けた効率的な構成である。また、それぞれの熱伝導部材20a~20dを矩形状の部材のみで構成することができるため、外周基板13上への製作も極めて容易である。
【0028】
図4は、本発明に係る半導体装置の第3実施形態を示す断面図である。本実施形態における半導体装置120は、第3の金属基板8の上部全体を遮蔽層21で覆うように構成されている。遮蔽層21は例えば銅(Cu)を主成分とする材料で形成されている。、遮蔽層21は、ビア22および第4の金属板23を介して熱伝導部材24と熱的に接続されている。図4中に矢印で示すように、半導体素子2,3からの発熱は、熱伝導部材24の側面で受熱され吸収される。そして、熱伝導部材24に伝わった熱は、熱伝導部材24の下面に熱的に接続された外周基板13、ビア17、外周基板15、ビア18、外周基板16を経由し、外周基板16の下面に接続された図示しないヒートシンク等に到達することで、モジュール外部に放熱される。さらに本実施形態では、熱伝導部材24の上面に熱的に接続されたビア22や第4の金属板23を経由して、樹脂層19の上面に接続された図示しない放熱フィン等からも放熱が行われる。すなわち、熱伝導部材24を用いることで、熱伝導部材24の側面で受熱がなされ、受熱方向とは直交する方向である熱伝導部材24の下面から下方向への熱伝導と、熱伝導部材24の上面から上方向への熱伝導とによる放熱が行われる。本実施形態の場合も、受熱面と放熱面とが直交の関係にある放熱経路を実現するために、熱伝導部材24として熱的に等方性を持つ材料で形成されることが望ましい。特に、熱伝導率が大きくかつ電気伝導率にも優れた銅(Cu)を主成分とする材料で形成することで、回路基板やビアとの接続性にも優れた熱伝導部材24が実現する。このような構成の半導体装置120によれば、上述した放熱効果に加えて、モジュール内部から発生する電磁ノイズがモジュール外部に放出されるのを遮断することが可能となる。
【0029】
本発明の実施形態に係る半導体装置は、パワー半導体の半導体材料として広く知られている炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga2O3)などが用いられた半導体素子を含む場合に有用である。特に、バンドギャップの高いコランダム構造の酸化ガリウム(α-Ga2O3)や、βガリア構造の酸化ガリウム(β-Ga2O3)が用いられた半導体素子を含む場合に極めて有用であり、半導体装置の高密度化のみならず信頼性向上にも貢献する。
【0030】
なお、上述した本発明に係る複数の実施形態を組合わせたり、一部の構成要素を他の実施形態に適用することももちろん可能であり、そのようなものも本発明の実施形態に属する。
本発明の実施形態においては、第1の半導体素子1および第2の半導体素子に加えて、さらに他の半導体素子がさらに内蔵されていてもよい。また、他の受動部品(例えば、コンデンサ、コイルまたは抵抗等)が半導体装置にさらに内蔵されていてもよい。本発明の実施形態においては、上記した半導体装置をサブモジュールとした上で、これらサブモジュールを複数組み合わせてモジュールを形成して使用してもよい。
【0031】
上述した本発明の実施形態に係る半導体装置は、上記した機能を発揮させるべく、インバータやコンバータなどの電力変換装置に適用することができる。図5は、本発明の実施形態に係る半導体装置を用いた制御システムの一例を示すブロック構成図、図6は同制御システムの回路図であり、特に電気自動車(Electric Vehicle)への搭載に適した制御システムである。
【0032】
図5に示すように、制御システム500はバッテリー(電源)501、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504、モータ(駆動対象)505、駆動制御部506を有し、これらは電気自動車に搭載されてなる。バッテリー501は例えばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの蓄電池からなり、給電ステーションでの充電あるいは減速時の回生エネルギーなどにより電力を貯蔵するとともに、電気自動車の走行系や電装系の動作に必要となる直流電圧を出力することができる。昇圧コンバータ502は例えばチョッパ回路を搭載した電圧変換装置であり、バッテリー501から供給される例えば200Vの直流電圧を、チョッパ回路のスイッチング動作により例えば650Vに昇圧して、モータなどの走行系に出力することができる。降圧コンバータ503も同様にチョッパ回路を搭載した電圧変換装置であるが、バッテリー501から供給される例えば200Vの直流電圧を、例えば12V程度に降圧することで、パワーウインドーやパワーステアリング、あるいは車載の電気機器などを含む電装系に出力することができる。
【0033】
インバータ504は、昇圧コンバータ502から供給される直流電圧をスイッチング動作により三相の交流電圧に変換してモータ505に出力する。モータ505は電気自動車の走行系を構成する三相交流モータであり、インバータ504から出力される三相の交流電圧によって回転駆動され、その回転駆動力を図示しないトランスミッション等を介して電気自動車の車輪に伝達する。
【0034】
一方、図示しない各種センサを用いて、走行中の電気自動車から車輪の回転数やトルク、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル量)などの実測値が計測され、これらの計測信号が駆動制御部506に入力される。また同時に、インバータ504の出力電圧値も駆動制御部506に入力される。駆動制御部506はCPU(Central Processing Unit)などの演算部やメモリなどのデータ保存部を備えたコントローラの機能を有するもので、入力された計測信号を用いて制御信号を生成してインバータ504にフィードバック信号として出力することで、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する。これによって、インバータ504がモータ505に与える交流電圧が瞬時に補正されることで、電気自動車の運転制御を正確に実行させることができ、電気自動車の安全・快適な動作が実現する。なお、駆動制御部506からのフィードバック信号を昇圧コンバータ502に与えることで、インバータ504への出力電圧を制御することも可能である。
【0035】
図6は、図5における降圧コンバータ503を除いた回路構成、すなわちモータ505を駆動するための構成のみを示した回路構成である。同図に示されるように、本発明の実施形態に係る半導体装置は、例えばショットキーバリアダイオードとして昇圧コンバータ502およびインバータ504に採用されることでスイッチング制御に供される。昇圧コンバータ502においてはチョッパ回路に組み込まれてチョッパ制御を行い、またインバータ504においてはIGBTを含むスイッチング回路に組み込まれてスイッチング制御を行う。なお、バッテリー501の出力にインダクタ(コイルなど)を介在させることで電流の安定化を図り、またバッテリー501、昇圧コンバータ502、インバータ504のそれぞれの間にキャパシタ(電解コンデンサなど)を介在させることで電圧の安定化を図っている。
【0036】
また、図6中に点線で示すように、駆動制御部506内にはCPU(Central Processing Unit)からなる演算部507と不揮発性メモリからなる記憶部508が設けられている。駆動制御部506に入力された信号は演算部507に与えられ、プログラムされた演算を必要に応じて行うことで各半導体素子に対するフィードバック信号を生成する。また記憶部508は、演算部507による演算結果を一時的に保持したり、駆動制御に必要な物理定数や関数などをテーブルの形で蓄積して演算部507に適宜出力する。演算部507や記憶部508は公知の構成を採用することができ、その処理能力等も任意に選定できる。
【0037】
図5図6に示されるように、制御システム500においては、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504のスイッチング動作にはダイオードやスイッチング素子であるサイリスタ、パワートランジスタ、IGBT、MOSFET等が用いられる。これらの半導体素子に酸化ガリウム(Ga)、特にコランダム型酸化ガリウム(α-Ga)をその材料として用いることでスイッチング特性が大幅に向上する。さらに、本発明の実施形態に係る半導体装置を適用することで、極めて良好なスイッチング特性が期待できるとともに、制御システム500の一層の小型化やコスト低減が実現可能となる。すなわち、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504のそれぞれが本発明による効果を期待できるものとなり、これらのいずれか一つ、もしくは任意の二つ以上の組合せ、あるいは駆動制御部506も含めた形態のいずれにおいても本発明の効果を期待することができる。
【0038】
なお、上述の制御システム500は本発明の実施形態に係る半導体装置を電気自動車の制御システムに適用できるだけではなく、直流電源からの電力を昇圧・降圧したり、直流から交流へ電力変換するといったあらゆる用途の制御システムに適用することが可能である。また、バッテリーとして太陽電池などの電源を用いることも可能である。
【0039】
図7は、本発明の実施形態に係る半導体装置を採用した制御システムの他の例を示すブロック構成図、図8は同制御システムの回路図であり、交流電源からの電力で動作するインフラ機器や家電機器等への搭載に適した制御システムである。
【0040】
図7に示すように、制御システム600は、外部の例えば三相交流電源(電源)601から供給される電力を入力するもので、AC/DCコンバータ602、インバータ604、モータ(駆動対象)605、駆動制御部606を有し、これらは様々な機器(後述する)に搭載することができる。三相交流電源601は、例えば電力会社の発電施設(火力発電所、水力発電所、地熱発電所、原子力発電所など)であり、その出力は変電所を介して降圧されながら交流電圧として供給される。また、例えば自家発電機等の形態でビル内や近隣施設内に設置されて電力ケーブルで供給される。AC/DCコンバータ602は交流電圧を直流電圧に変換する電圧変換装置であり、三相交流電源601から供給される100Vや200Vの交流電圧を所定の直流電圧に変換する。具体的には、電圧変換により3.3Vや5V、あるいは12Vといった、一般的に用いられる所望の直流電圧に変換される。駆動対象がモータである場合には12Vへの変換が行われる。なお、三相交流電源に代えて単相交流電源を採用することも可能であり、その場合にはAC/DCコンバータを単相入力のものとすれば同様のシステム構成とすることができる。
【0041】
インバータ604は、AC/DCコンバータ602から供給される直流電圧をスイッチング動作により三相の交流電圧に変換してモータ605に出力する。モータ604は、制御対象によりその形態が異なるが、制御対象が電車の場合には車輪を、工場設備の場合にはポンプや各種動力源を、家電機器の場合にはコンプレッサなどを駆動するための三相交流モータであり、インバータ604から出力される三相の交流電圧によって回転駆動され、その回転駆動力を図示しない駆動対象に伝達する。
【0042】
なお、例えば家電機器においてはAC/DCコンバータ602から出力される直流電圧をそのまま供給することが可能な駆動対象も多く(例えばパソコン、LED照明機器、映像機器、音響機器など)、その場合には制御システム600にインバータ604は不要となり、図7中に示すように、AC/DCコンバータ602から駆動対象に直流電圧を供給する。この場合、例えばパソコンなどには3.3Vの直流電圧が、LED照明機器などには5Vの直流電圧が供給される。
【0043】
一方、図示しない各種センサを用いて、駆動対象の回転数やトルク、あるいは駆動対象の周辺環境の温度や流量などといった実測値が計測され、これらの計測信号が駆動制御部606に入力される。また同時に、インバータ604の出力電圧値も駆動制御部606に入力される。これらの計測信号をもとに、駆動制御部606はインバータ604にフィードバック信号を与え、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する。これによって、インバータ604がモータ605に与える交流電圧が瞬時に補正されることで、駆動対象の運転制御を正確に実行させることができ、駆動対象の安定した動作が実現する。また、上述のように、駆動対象が直流電圧で駆動可能な場合には、インバータへのフィードバックに代えてAC/DCコンバータ602をフィードバック制御することも可能である。
【0044】
図8は、図7の回路構成を示したものである。同図に示されるように、本発明の実施形態に係る半導体装置は、例えばショットキーバリアダイオードとしてAC/DCコンバータ602およびインバータ604に採用されることでスイッチング制御に供される。AC/DCコンバータ602は、例えばショットキーバリアダイオードをブリッジ状に回路構成したものが用いられ、入力電圧の負電圧分を正電圧に変換整流することで直流変換を行う。またインバータ604においてはIGBTにおけるスイッチング回路に組み込まれてスイッチング制御を行う。なお、AC/DCコンバータ602とインバータ604の間にキャパシタ(電解コンデンサなど)を介在させることで電圧の安定化を図っている。
【0045】
また、図8中に点線で示すように、駆動制御部606内にはCPUからなる演算部607と不揮発性メモリからなる記憶部608が設けられている。駆動制御部606に入力された信号は演算部607に与えられ、プログラムされた演算を必要に応じて行うことで各半導体素子に対するフィードバック信号を生成する。また記憶部608は、演算部607による演算結果を一時的に保持したり、駆動制御に必要な物理定数や関数などをテーブルの形で蓄積して演算部607に適宜出力する。演算部607や記憶部608は公知の構成を採用することができ、その処理能力等も任意に選定できる。
【0046】
このような制御システム600においても、図5図6に示した制御システム500と同様に、AC/DCコンバータ602やインバータ604の整流動作やスイッチング動作にはダイオードやスイッチング素子であるサイリスタ、パワートランジスタ、IGBT、MOSFET等が用いられる。これら半導体素子に酸化ガリウム(Ga)、特にコランダム型酸化ガリウム(α-Ga)をその材料として用いることでスイッチング特性が向上する。さらに、本発明の実施形態に係る半導体装置を適用することで、極めて良好なスイッチング特性が期待できるとともに、制御システム600の一層の小型化やコスト低減が実現可能となる。すなわち、AC/DCコンバータ602、インバータ604のそれぞれが本発明による効果を期待できるものとなり、これらのいずれか一つ、もしくは組合せ、あるいは駆動制御部606も含めた形態のいずれにおいても本発明の効果を期待することができる。
【0047】
なお、図7および図8では駆動対象としてモータ605を例示したが、駆動対象は必ずしも機械的に動作するものに限られず、交流電圧を必要とする多くの機器を対象とすることができる。制御システム600においては、交流電源から電力を入力して駆動対象を駆動する限りにおいては適用が可能であり、インフラ機器(例えばビルや工場等の電力設備、通信設備、交通管制機器、上下水処理設備、システム機器、省力機器、電車など)や家電機器(例えば、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、LED照明機器、映像機器、音響機器など)といった機器を対象とした駆動制御のために搭載することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 回路基板(第1の基板)
2, 3 半導体素子
4 第1の金属基板
5 第2の金属基板
6, 7, 9, 10, 17, 18, 22 ビア
8 第3の金属基板(第2の基板)
11 スルーホール
12a, 12b, 12c 隙間
13 外周基板(第3の基板)
14 熱伝導部材(熱伝導部)
15, 16 外周基板
16 ゲート抵抗
19 樹脂層
20a, 20b, 20c, 20d 熱伝導部材(熱伝導部)
21 遮蔽層
23 第4の金属板
24 熱伝導部材(熱伝導部)
110, 120 半導体装置
500 制御システム
501 バッテリー(電源)
502 昇圧コンバータ
503 降圧コンバータ
504 インバータ
505 モータ(駆動対象)
506 駆動制御部
507 演算部
508 記憶部
600 制御システム
601 三相交流電源(電源)
602 AC/DCコンバータ
604 インバータ
605 モータ(駆動対象)
606 駆動制御部
607 演算部
608 記憶部



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と第2の基板との間に少なくとも1つの半導体素子が配置されている積層体を含む半導体装置であって、
前記半導体素子の近傍で且つ前記第1の基板と略同じ積層方向高さの位置に、前記第1の基板および前記第2の基板とは異なる第3の基板に熱的に接続されている熱伝導部が設けられており、前記熱伝導部が、前記半導体素子とは電気的に絶縁されており、前記熱伝導部が前記半導体素子の周囲に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記熱伝導部は前記半導体素子の周囲に連続的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記熱伝導部は前記半導体素子の周囲に断続的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記熱伝導部は前記半導体素子の側面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記熱伝導部の側面は前記半導体素子の側面とほぼ等距離に配置されていることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記熱伝導部は側面で受熱した熱を当該側面と直交する面の方向に放熱することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記熱伝導部は熱的に等方性を持つ材料で形成されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記熱伝導部は銅(Cu)を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体素子として、第1の半導体素子および第2の半導体素子が、前記第の基板と前記第2の基板との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記熱伝導部が、前記第1の半導体素子および前記第2の半導体素子の周囲を囲むように配置されていることを特徴とする請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第3の基板が、前記第1の基板および前記第2の基板と電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体素子が、前記半導体層と、半導体層の第1の面に設けられている第1の電極と、前記半導体層の第1の面とは反対側の第2の面に設けられている第2の電極とを備え、前記第2の電極と前記第2の基板とがビアを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項13】
前記熱伝導部と前記半導体素子の間には電気絶縁性材料が介在していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項14】
前記熱伝導部の熱は前記積層方向へ伝熱されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項15】
請求項1記載の半導体装置を用いた電力変換装置。
【請求項16】
請求項1記載の半導体装置を用いた制御システム。
【請求項17】
第1の基板と第2の基板との間に少なくとも1つの半導体素子が配置されている積層体を含む半導体装置であって、
前記半導体素子の近傍で且つ略同じ積層方向高さの位置に、前記第1の基板および前記第2の基板とは異なる第3の基板に熱的に接続されている熱伝導部が設けられており、前記熱伝導部が、前記半導体素子とは電気的に絶縁されており、前記熱伝導部が前記半導体素子の周囲に配置され、前記熱伝導部が前記第3の基板に積層され、
前記第3の基板は、積層方向において熱伝導部と反対側に位置する第4の基板と熱的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第1の金属基板4と第2の金属基板5の周囲にも同様に、所定の隙間12b,12cを介して、外周基板15(第4の基板),16が設けられている。外周基板15,16の厚みや構成材料は、第1および第2の金属基板4,5と同じである。隙間12aの寸法と隙間12b,12cの寸法は同じであっても異なっていてもよいが、本発明においては、隙間12aの寸法が小さく設定されている方がより望ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
1 回路基板(第1の基板)
2, 3 半導体素子
4 第1の金属基板
5 第2の金属基板
6, 7, 9, 10, 17, 18, 22 ビア
8 第3の金属基板(第2の基板)
11 スルーホール
12a, 12b, 12c 隙間
13 外周基板(第3の基板)
14 熱伝導部材(熱伝導部)
15 外周基板(第4の基板)
16 外周基
19 樹脂層
20a, 20b, 20c, 20d 熱伝導部材(熱伝導部)
21 遮蔽層
23 第4の金属板
24 熱伝導部材(熱伝導部)
110, 120 半導体装置
500 制御システム
501 バッテリー(電源)
502 昇圧コンバータ
503 降圧コンバータ
504 インバータ
505 モータ(駆動対象)
506 駆動制御部
507 演算部
508 記憶部
600 制御システム
601 三相交流電源(電源)
602 AC/DCコンバータ
604 インバータ
605 モータ(駆動対象)
606 駆動制御部
607 演算部
608 記憶部
【手続補正書】
【提出日】2022-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と第2の基板との間に少なくとも1つの半導体素子が配置されている積層体を含む半導体装置であって、
前記半導体素子の近傍で且つ前記半導体素子と略同じ積層方向高さの位置に、前記第1の基板および前記第2の基板とは異なる第3の基板に熱的に接続されている熱伝導部が設けられており、前記熱伝導部が、前記半導体素子とは電気的に絶縁されており、前記熱伝導部が前記半導体素子の周囲に配置されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記熱伝導部は前記半導体素子の周囲に連続的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記熱伝導部は前記半導体素子の周囲に断続的に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記熱伝導部は前記半導体素子の側面に沿って配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記熱伝導部の側面は前記半導体素子の側面とほぼ等距離に配置されていることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記熱伝導部は側面で受熱した熱を当該側面と直交する面の方向に放熱することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記熱伝導部は熱的に等方性を持つ材料で形成されていることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記熱伝導部は銅(Cu)を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体素子として、第1の半導体素子および第2の半導体素子が、前記第の基板と前記第2の基板との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
前記熱伝導部が、前記第1の半導体素子および前記第2の半導体素子の周囲を囲むように配置されていることを特徴とする請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第3の基板が、前記第1の基板および前記第2の基板と電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体素子が、半導体層と、前記半導体層の第1の面に設けられている第1の電極と、前記半導体層の第1の面とは反対側の第2の面に設けられている第2の電極とを備え、前記第2の電極と前記第2の基板とがビアを介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項13】
前記熱伝導部と前記半導体素子の間には電気絶縁性材料が介在していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項14】
前記熱伝導部の熱は前記積層方向へ伝熱されることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項15】
請求項1記載の半導体装置を用いた電力変換装置。
【請求項16】
請求項1記載の半導体装置を用いた制御システム。
【請求項17】
第1の基板と第2の基板との間に少なくとも1つの半導体素子が配置されている積層体を含む半導体装置であって、
前記半導体素子の近傍で且つ略同じ積層方向高さの位置に、前記第1の基板および前記第2の基板とは異なる第3の基板に熱的に接続されている熱伝導部が設けられており、前記熱伝導部が、前記半導体素子とは電気的に絶縁されており、前記熱伝導部が前記半導体素子の周囲に配置され、前記熱伝導部が前記第3の基板に積層され、
前記第3の基板は、積層方向において熱伝導部と反対側に位置する第4の基板と熱的に接続されていることを特徴とする半導体装置。