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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157760
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】送風機、及び空気清浄機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20221006BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20221006BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20221006BHJP
   F24F 8/95 20210101ALI20221006BHJP
   F04D 29/46 20060101ALI20221006BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F04D29/44 Q
F24F8/22
F24F8/80 230
F24F8/95
F04D29/46 E
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062178
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 孝治
(72)【発明者】
【氏名】國知 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 公昭
(72)【発明者】
【氏名】チョン ザオ シャン
(72)【発明者】
【氏名】水谷 嘉伸
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 弘明
【テーマコード(参考)】
3H130
4C180
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB42
3H130AC25
3H130BA61A
3H130BA68A
3H130CA06
3H130CA21
3H130DG03X
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH19
4C180MM08
(57)【要約】
【課題】大型化を抑制しつつ、より大きな風量で空気を供給できる送風機、及び空気清浄機を提供する。
【解決手段】ユーザUが首掛け可能にU字状に形成された本体と、回転駆動するファンとを備え、本体には、ファンによって送り出された空気を吹き出す吹出口29と、吹出口29を挟んで配置される複数のフィンが設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが首掛け可能にU字状に形成された本体と、回転駆動するファンとを備え、
前記本体には、前記ファンによって送り出された空気を吹き出す吹出口と、前記吹出口を挟んで配置される複数のフィンが設けられる
ことを特徴とする送風機。
【請求項2】
前記本体は、前記吹出口が設けられたノズル部を備え、
前記フィンの少なくとも一つは、前記吹出口を挟んだ状態を維持しつつ、前記ノズル部と共に前記本体に沿って移動可能に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記ノズル部は、前記吹出口が向かう方向を調節可能に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の送風機。
【請求項4】
前記ノズル部は、前記フィンと共に移動可能に設けられる
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の送風機。
【請求項5】
複数の前記フィンは、前記本体の外方に向かって並べて設けられ、前記フィンの配列方向に直交する方向にずれて配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項6】
請求項1から請求項5に記載の送風機と、
前記送風機に送り出された空気に紫外線光を照射する光源とを備える
ことを特徴とする空気清浄機。
【請求項7】
前記ファンに取り込まれる空気に含まれる粒子を捕集する捕集部を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の空気清浄機。
【請求項8】
前記本体には、前記本体を覆う外装部が取り付けられ、
前記外装部は、前記本体から着脱可能に形成される
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機、及び空気清浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが首に掛けることが可能なU字状の筐体と、ウイルスを吸着して除去可能な吸着材と、ファンとを備えた空気清浄機が知られる。この空気清浄機では、ファンの駆動によって筐体に取り込まれた空気を吸着材に通過させて清浄な空気とした後に、筐体に設けられた吹出口から清浄な空気をユーザの顔の周辺に向けて吹き出す。これによって、空気清浄機は、ウイルス等が存在する雰囲気中においても当該ウイルスが除去された清浄な空気をユーザの周りに供給する(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このような空気清浄機では、ユーザの体型によっては、筐体に設けられた吹出口とユーザの顔とが大きく離間してしまう虞がある。これを解決するために、空気清浄機から吹き出される清浄な空気の風量を大きくすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-199149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のような空気清浄機において、吹き出される空気の風量を大きくする場合には、当該空気清浄機の大型化を招く虞がある。
本発明は、大型化を抑制しつつ、より大きな風量で空気を供給できる送風機、及び空気清浄機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ユーザが首掛け可能にU字状に形成された本体と、回転駆動するファンとを備え、前記本体には、前記ファンによって送り出された空気を吹き出す吹出口と、前記吹出口を挟んで配置される複数のフィンが設けられることを特徴とする送風機である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、大型化を抑制しつつ、より大きな風量で空気を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る空気清浄機を示す斜視図である。
図2】空気清浄機の斜視図である。
図3】空気清浄機の平面図である。
図4】筐体端部の斜視図である。
図5】筐体端部の斜視図である。
図6】筐体端部の斜視図である。
図7】空気清浄機を装着したユーザを示す図である。
図8】空気清浄機を装着したユーザを示す図である。
図9】変形例に係る第1フィンと第2フィンと第3フィンの縦断面図である。
図10】変形例に係る第1フィンと第2フィンと第3フィンの縦断面図である。
図11】変形例に係る第1フィンと第2フィンと第3フィンの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示す符号FRは、ユーザUに装着された場合における空気清浄機1の前方を示し、符号UPは、ユーザUに装着された場合における空気清浄機1の上方を示し、符号LHは、ユーザUに装着された場合における空気清浄機1の左方を示す。
【0009】
空気清浄機1は、周囲から取り込んだ空気を除菌して清浄な空気とし、ユーザU(図7)の口や鼻に向けて清浄な空気を吹き出すことで、ユーザUに清浄な空気を供給すると共に、ユーザUの顔の周囲にエアカーテンS(図7)を形成してユーザUが外気を吸い込むことを抑制する技術を備える携帯空気清浄機である。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る空気清浄機1を前方から視た斜視図である。図2は、空気清浄機1を前方から視た斜視図である。図3は、空気清浄機1の平面図である。
図1から図3に示すように、空気清浄機1は、平面視でU字状に形成された筐体10を備える。筐体10は、空気清浄機1の本体の一例に相当する。筐体10は、例えば、所定の弾性を有した樹脂材で形成される。なお、これに限らず、所定の弾性を有した金属材等であってもよい。
筐体10は、前方に延びる一対の筐体端部11と、これらの筐体端部11を当該筐体端部11の後端側で連結する連結部12とを備える。
【0011】
図3に示すように、連結部12の内部には、振動発電ユニット14が収められる。振動発電ユニット14は、加えられた振動により振動面に発生する圧力を圧電素子等によって電力に変換する装置である。本実施の形態では、空気清浄機1を装着したユーザUが歩行等を行うことによって、振動発電ユニット14が発電可能となる。
【0012】
振動発電ユニット14には、給電線19が連結される。振動発電ユニット14は、この給電線19を介して空気清浄機1の各部に電力を供給する電力部として機能する。本実施の形態では、給電線19は、振動発電ユニット14の両端から、各筐体端部11に向かって延びる。
【0013】
なお、本実施の形態では、空気清浄機1は、電源部として振動発電ユニット14を備えるとしたが、これに限らず、光エネルギーを電力に変換する太陽電池ユニットや、熱電変換素子等によって熱を電力に変換する温度差発電ユニットのような環境発電装置、あるいは各種の電池を備えてもよい。また、空気清浄機1は、上述した各種の発電装置や電池を組み合わせて備えてもよい。
【0014】
連結部12の上面には、電源スイッチ15が設けられる。この電源スイッチ15が押圧操作されることで、振動発電ユニット14から、空気清浄機1の各部に電力の供給が開始される。
【0015】
図2、及び図3に示すように、連結部12の外周面には、複数の吸込口16が設けられる。吸込口16は、筐体10の後方に向かって開口する貫通孔である。本実施の形態では、連結部12の外周面において、各筐体端部11に接近した位置のそれぞれに、当該筐体10の上下方向に沿って2つずつ吸込口16が設けられる。
【0016】
各吸込口16には、いずれも流入孔17が連結される。流入孔17は、連結部12の内部に設けられたトンネル状の空洞部である。これらの流入孔17は、いずれも各吸込口16から、隣接する筐体端部11側に向かって延びる。
【0017】
図3に示すように、一対の筐体端部11は、いずれも先端側が互いに接近するように、内周面側に湾曲する形状を有する。
各筐体端部11の先端部は、いずれも上下方向に所定の幅寸法を有した平板なフィン形状となるように形成される。以下、各筐体端部11の先端部を第1フィン20とする。
各筐体端部11の上縁は、空気清浄機1がユーザUに装着された場合に、いずれもユーザUの下顎の輪郭に沿うような形状に形成される。
【0018】
各筐体端部11には、いずれも送風筐体21が設けられる。これらの送風筐体21は、いずれも筐体10の外側に位置する各筐体端部11の外側面から、外方に向かって膨出する直方体状に形成される。
各送風筐体21は、いずれも長手方向が筐体端部11の長手方向に沿って延びる。また、各送風筐体21は、いずれも、第1フィン20より後方に配置される。
【0019】
各送風筐体21の内部には、いずれも送風空間22が設けられる。これらの送風空間22は、送風筐体21の内部に設けられた空洞部である。これらの送風空間22のそれぞれには、隣接してけられる流入孔17が連結される。すなわち、各吸込口16と、送風空間22とは、流入孔17を介して連結される。
【0020】
各送風空間22の内部には、いずれも遠心ファン24が配置される。各遠心ファン24は、いずれもモータ25に連結される。これらのモータ25は、各送風筐体21の内部に収められる。また、本実施の形態では、各モータ25は、いずれも送風空間22の外部に配置される。各モータ25には、給電線19を介して振動発電ユニット14から電力が供給される。
【0021】
各遠心ファン24が回転駆動すると、各吸込口16から空気清浄機1の周辺の空気が筐体10の内部に流れ込む。筐体10に流れ込んだ空気は、流入孔17を介して、送風空間22に吸い込まれる。
【0022】
各送風空間22の下方には、捕集トラップ26が設けられる。捕集トラップ26は、送風空間22の下方槽状に形成された空間である。送風空間22では、空気と共に送風空間22に運ばれた塵埃や、所謂PM2.5、花粉、0.1μm以下の微粒子、ウイルス飛沫、エアロゾル等の各種の大気浮遊物が遠心ファン24によって遠心分離され、この捕集トラップ26に捕集される。すなわち、捕集トラップ26は、空気清浄機1の捕集部の一例に相当する。
なお、本実施の形態では、空気清浄機1は、遠心ファン24を備えるとしたが、これに限らず軸流ファン等の各種のファンや、ブロワ等の各種の圧縮機を備えてもよい。
【0023】
図4は、一方の筐体端部11の斜視図である。図4では、第2フィン40、及び第3フィン50を省略して示す。
以下、一対の筐体端部11の内の一方を示してその概略構成について説明するが、他方の筐体端部11についても略同一の構成を有する。
図4に示すように、送風筐体21の上面において、筐体端部11の先端側に接近した位置には、一対のエアチューブ27の一端が連結される。これらのエアチューブ27は、いずれも可撓性を有した樹脂材で形成された管状部材である。
これらのエアチューブ27の一端は、送風筐体21の内部において、いずれも送風空間22に連結される。
【0024】
これらのエアチューブ27の一端は、送風筐体21の長手方向に直交する方向に沿って並べて連結される。
これらのエアチューブ27の内、第1フィン20側に連結されたエアチューブ27は、他方のエアチューブ27、すなわち筐体10に対してより外側に位置するエアチューブ27よりも短い長さ寸法を有する。
【0025】
一対のエアチューブ27の他端には、ノズル部材であるエアノズル28がそれぞれ連結される。各エアノズル28は、ノズル部材の一例に相当する。各エアノズル28は、いずれも内部に空間が設けられ、各エアノズル28は、これらの空間のそれぞれに連通する。
各エアノズル28には、当該エアノズル28の内部のそれぞれに設けられた空間に連通する吹出口29が設けられる。
【0026】
各遠心ファン24が回転駆動することで、筐体10に流れ込んだ空気は、各エアチューブ27、及び各エアノズル28を介して、吹出口29から吹き出される。
すなわち、空気清浄機1では、吸込口16と、流入孔17と、送風空間22と、エアチューブ27、と、エアノズル28と、吹出口29とによって、空気の流路が形成される。
【0027】
各エアノズル28には、光源部23が設けられる。これらの光源部23は、LED等の紫外線光を放射する発光素子を備える。各光源部23は、各エアノズル28の内部に設けられた空間にそれぞれ収められる。また、各光源部23には、給電線19を介して振動発電ユニット14から電力が供給される。
【0028】
各光源部23が発光すると、各エアノズル28の内部の空間を流れる空気に紫外線光が照射される。紫外線光が照射された空気は、吹出口29から吹き出される。このように、空気清浄機1では、紫外線光によって殺菌された空気を吹出口29から吹き出させることができる。
【0029】
一対のエアノズル28の内、第1フィン20側に配置されたエアチューブ27に連結されたエアノズル28は、第1フィン20の外側面に、固定部材30によって固定される。このエアノズル28は、吹出口29が第1フィン20の前方側、且つ斜め上方に向かうように、第1フィン20に取り付けられる。
また、このエアノズル28は、第1フィン20の前端から、当該第1フィン20の長手方向に沿って、所定の間隔を空けて取り付けられる。
【0030】
送風筐体21の上面、及び下面において、当該筐体10の長手方向における両端に接近した位置には、いずれも第2ガイド溝31が設けられる。この第2ガイド溝31は、送風筐体21の長手方向に沿って、所定の長さ寸法で延びる溝部である。送風筐体21の上面、及び下面において、各第2ガイド溝31は、いずれも送風筐体21の長手方向に直交する方向における略中央に配置される。
【0031】
送風筐体21の筐体端部11とは反対側に位置する側面には、複数の第3ガイド溝32が設けられる。各当第3ガイド溝32は、送風筐体21の長手方向に沿って、所定の長さ寸法で延びる溝部である。
【0032】
図5は、一方の筐体端部11の斜視図である。図5では、第3フィン50を省略して示す。
図5に示すように、送風筐体21には、第2フィン40が取り付けられる。第2フィン40は、所定の幅寸法を有した平板なフィン形状を有する板状部材である。この第2フィン40は、長手方向の長さ寸法が筐体端部11の長手方向の長さ寸法と略同一となるように形成される。
【0033】
第2フィン40の平面部の略中央には、当該第2フィン40の厚さ方向に延びる貫通孔41が設けられる。この貫通孔41は、平面視で、第2フィン40の長手方向に沿って所定の長さ寸法を有した長孔である。この貫通孔41は、長手方向の長さ寸法が送風筐体21の長手方向の長さ寸法よりも長く形成される。さらに、貫通孔41は、長手方向に直交する方向の長さ寸法が送風筐体21の長手方向に直交する方向の長さ寸法、すなわち高さ方向の長さ寸法と略同一に形成される。
この貫通孔41の上縁、及び下縁には、いずれも一対の第2スライドピン42が設けられる。これらの第2スライドピン42は、貫通孔41の内側に向かって突出する突形状を有する。
【0034】
第2フィン40は、貫通孔41に送風筐体21が挿通され、複数の第2スライドピン42のそれぞれが第2ガイド溝31に嵌合することで送風筐体21に取り付けられる。
各第2スライドピン42は、いずれも各第2ガイド溝31に摺動自在に保持される。これによって、第2フィン40は、送風筐体21に対して、送風筐体21の長手方向、すなわち筐体端部11の長手方向に沿ってスライド移動可能となる。
【0035】
一対のエアノズル28の内、筐体10に対してより外側に位置するエアチューブ27に連結されたエアノズル28は、第2フィン40の第1フィン20に対向する側面とは反対側に位置する側面に、固定部材30によって固定される。このエアノズル28は、吹出口29が第1フィン20の前方側、且つ斜め上方に向かうように、第1フィン20に取り付けられる。
また、このエアノズル28は、第2フィン40の前端から、当該第2フィン40の長手方向に沿って、所定の間隔を空けて取り付けられる。
【0036】
上述の通り、第2フィン40は、送風筐体21に対して、スライド移動可能である。また、第2フィン40に取り付けられたエアノズル28に連結されたエアチューブ27は、所定の長さ寸法を有する。図5では、第2フィン40が連結部12に最も接近した位置に配置される場合、すなわち、第2フィン40がスライド可能な範囲における最後部に配置される場合を示す。
【0037】
図5に示すように、第2フィン40がスライド可能な範囲における最後部に配置される場合、エアチューブ27は、下方に撓むように折りたたまれる。この場合であっても、遠心ファン24によって送り出された空気は、当該エアチューブ27を通って吹出口29から吹き出し可能である。
【0038】
図6は、筐体端部11の斜視図である。図6では、第3フィン50を省略して示す。
図6では、第2フィン40が連結部12に最も遠ざかった位置に配置される場合、すなわち、第2フィン40がスライド可能な範囲における最前部に配置される場合を示す。
図6に示すように、第2フィン40がスライド可能な範囲における最前部に配置される場合、第2フィン40の前端部は、第1フィン20の前端部よりも前方に突出する。このため、第2フィン40に取り付けられたエアノズル28もまた、第1フィン20の前端部よりも前方に配置される。この場合、当該エアノズル28に連結されるエアチューブ27は、第2フィン40の長手方向に沿って延びる。
この場合であっても、遠心ファン24によって送り出された空気は、当該エアチューブ27を通って吹出口29から吹き出し可能である。
【0039】
このように、送風筐体21と、エアノズル28とは、可撓性と所定の長さ寸法とを有したエアチューブ27によって連結される。このため、第2フィン40がスライド可能な範囲におけるどの位置に配置された場合であっても、空気清浄機1では、遠心ファン24によって送り出された空気を、エアチューブ27を介して吹出口29から吹き出させることができる。
【0040】
図1から図3に示すように、送風筐体21には、第3フィン50が取り付けられる。第3フィン50は、所定の幅寸法を有した平板なフィン形状を有する板状部材である。この第3フィン50は、長手方向の長さ寸法が筐体端部11の長手方向の長さ寸法と略同一となるように形成される。
【0041】
第3フィン50の送風筐体21に対向する平面には、複数の第3スライドピン52が設けられる。これらの第3スライドピン52は、送風筐体21に向かって突出する突形状を有する。
第2フィン40は、複数の第3スライドピン52のそれぞれが第3ガイド溝32に嵌合することで送風筐体21に取り付けられる。
各第3スライドピン52は、いずれも各第3ガイド溝32に摺動自在に保持される。これによって、第3フィン50は、送風筐体21に対して、送風筐体21の長手方向、すなわち筐体端部11の長手方向に沿ってスライド移動可能となる。
【0042】
図1に示すように、第1フィン20と、送風筐体21に取り付けられた第2フィン40、及び第3フィン50とは、互いに所定の間隔W1を空けた状態で、筐体10の外方に向かって並べて配置される。
空気清浄機1は、第1フィン20と第2フィン40との間隔W1と、第2フィン40と第3フィン50との間隔W2が略同一の幅寸法となるように形成される。
また、第1フィン20に取り付けられたエアノズル28は、第1フィン20と、第2フィン40とに挟み込まれて配置される。同様に、第2フィン40に取り付けられたエアノズル28は、第2フィン40と、第3フィン50とに挟み込まれて配置される。
【0043】
さらに、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とは、空気清浄機1の側面視で、これらの配列方向に直交する方向、すなわち上下方向に沿ってずれた状態で設けられる。
これによって、各エアノズル28から吹き出された空気をそれぞれ異なる方向に送り出すことが可能となる。
【0044】
本実施の形態では、筐体10と、遠心ファン24と、エアノズル28と、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とで本発明の送風機が形成される。
【0045】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図7は、空気清浄機1を装着したユーザUを示す図である。
図7に示すように、空気清浄機1は、ユーザUが首に掛けるようにして装着される。詳述すると、ユーザUは、U字状に形成された筐体10の内周面が首に接するように当該筐体10を装着する。この場合、連結部12がユーザUのうなじ側に位置する。
また、図1に示すように、筐体10の内周面において、各筐体端部11の内側面の所定領域である当接領域60と、連結部12の内側面の所定領域である当接領域70との3か所がユーザUの首に接することによって、ユーザUの首に空気清浄機1が固定され、携帯可能となる。
【0046】
空気清浄機1が駆動すると、モータ25に通電されることで遠心ファン24が回転駆動し、吸込口16から空気清浄機1の周囲の空気が吸い込まれ、送風空間22に導入される。送風空間22では、空気中に含まれる待機浮遊物が分離される。この後、送風空間22の空気は、エアノズル28において、光源部23の紫外線光が照射され、殺菌される。殺菌された空気は、エアノズル28の吹出口29から吹き出され、ユーザUの顔が位置する斜め上方に向かう。吹出口29から吹き出された空気は、所定の風量と風速を有し、ユーザUの顔の周囲にエアカーテンSを形成する。
これによって、空気清浄機1は、ユーザUに清浄な空気を送り出すことができると共に、ユーザUの周囲の空気をエアカーテンSによってユーザUの顔から遮蔽することができる。
【0047】
ここで、各エアノズル28は、それぞれが第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とに挟み込まれて設けられる。
エアノズル28の吹出口29から清浄な空気が噴出されると、当該吹出口29の周囲、すなわち、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間が負圧となる。この場合、清浄な空気は、エアノズル28から斜め上方に向かって吹き出される。このため、負圧となった第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間には、空気清浄機1の下方から当該空気清浄機1の周囲の空気が流れ込む。
【0048】
さらにこの場合、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間に流れ込む空気は、コアンダ効果によって、これら第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の側面に沿って流れる。
第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の側面に沿って流れる空気は、周囲の空気を誘導する、所謂オーギュメント効果によって、より大きな空気流を形成し、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間に流れ込む。
【0049】
これによって、空気清浄機1では、吹出口29から吹き出された清浄な空気に加えて、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間に流れ込んだ空気を送り出すことができる。このため、空気清浄機1では、より大きな風量でユーザUに空気を供給できる。そして、ユーザUの体型によって、エアノズル28がユーザUの顔から離間して配置された場合であっても、清浄な空気をユーザUの顔まで送り出すことができる。
【0050】
なお、空気清浄機1は、吹出口29から漏れ出た光源部23の紫外線光によって、空気清浄機1の下方から、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間に流れ込んだ空気を殺菌可能に構成してもよい。
【0051】
図7では、第2フィン40、及び第3フィン50がスライド可能な範囲における最後部に配置される。
上述の通り、ユーザUが空気清浄機1を装着した場合において、ユーザUの体型によっては、エアノズル28がユーザUの顔から離間して配置される、あるいはエアノズル28から吹き出された清浄な空気がユーザUの顔とは異なる方向に向かう虞がある。
【0052】
図8は、空気清浄機1を装着したユーザUを示す図である。図8では、第2フィン40、及び第3フィン50がスライド可能な範囲における最前部に配置される。
上述の通り、空気清浄機1では、第2フィン40、及び第3フィン50がスライド移動可能に形成される。
図8に示すように、ユーザUが第2フィン40をスライドさせて、筐体10の前方側に移動させると、当該第2フィン40の移動に伴って、第2フィン40に取り付けられたエアノズル28が筐体10の前方側に移動する。これによって、ユーザUの顔に対する第2フィン40に取り付けられたエアノズル28の配置位置が変化する。
【0053】
また、ユーザUが第2フィン40をスライドさせて、筐体10の前方側に移動させると、ユーザUの首に固定された空気清浄機1の重心が前方側に移動する。同様に、第3フィン50をスライドさせて、筐体10の前方側に移動させると、ユーザUの首に固定された空気清浄機1の重心が前方側に移動する。これによって、空気清浄機1がユーザUの首に固定される角度が変化する。そして、ユーザUの顔に対するエアノズル28の配置位置が変化する。
加えて、空気清浄機1では、第2フィン40、及び第3フィン50をスライドさせる移動量をユーザUが調節することで、ユーザUの首に固定された空気清浄機1の重心の位置を調節可能である。
【0054】
これによって、ユーザUに装着された空気清浄機1では、第2フィン40、及び第3フィン50をスライド移動させることで、各エアノズル28の配置位置を変化させ、各吹出口29から吹き出される清浄な空気の向かう方向を調節することができる。
このため、空気清浄機1では、ユーザUの体型に応じて、各エアノズル28の吹出口29から吹き出される清浄な空気の向かう方向を調節できる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、空気清浄機1は、ユーザUが首掛け可能にU字状に形成された筐体10と、回転駆動する遠心ファン24とを備える。そして、筐体10には、遠心ファン24によって送り出された空気を吹き出す吹出口29を備えたエアノズル28と、吹出口29を挟んで配置される第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とが設けられる構成とした。
【0056】
これによれば、空気清浄機1では、吹出口29から吹き出された清浄な空気に加えて、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間に流れ込んだ空気を送り出すことができる。このため、空気清浄機1では、送風部の大型化を抑制しつつ、より大きな風量で空気を供給できる。
【0057】
また、本実施形態によれば、第2フィン40と、第3フィン50とは、吹出口29を挟んだ状態を維持しつつ、エアノズル28と共に筐体10に沿って、スライド移動可能に設けられる構成とした。
これによれば、第2フィン40、及び第3フィン50をスライド移動させることで、ユーザUの首に固定された空気清浄機1の重心を変化させることができる。このため、空気清浄機1のユーザUの首に固定される角度を変化させ、ユーザUの顔に対するエアノズル28の配置位置を変化させることができる。
【0058】
これによって、空気清浄機1では、エアノズル28の吹出口29から吹き出される清浄な空気の向かう方向を変化させることができる。このため、空気清浄機1では、第2フィン40、及び第3フィン50をスライド移動させることで、ユーザUの体型に応じて、エアノズル28の吹出口29から吹き出される清浄な空気の向かう方向を調節できる。
【0059】
また、本実施形態によれば、一方のエアノズル28は、第2フィン40と共に移動可能に設けられる構成とした。
これによれば、当該エアノズル28は、第2フィン40がスライド移動した場合であっても、第2フィン40と第3フィン50とに挟み込まれて配置された状態を維持できる。このため、空気清浄機1は、第2フィン40がスライド移動した場合であっても、より大きな風量で空気を供給できる。
【0060】
また、本実施形態によれば、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とは、筐体10の外方に向かって並べて設けられ、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との配列方向に直交する方向にずれて配置される構成とした。
これによれば、空気清浄機1では、各エアノズル28から吹き出された空気をそれぞれ異なる方向に送り出すことが可能となる。
【0061】
また、本実施形態によれば、空気清浄機1は、遠心ファン24に送り出された空気に紫外線光を照射する光源部23を備える構成とした。
これによれば、空気清浄機1では、遠心ファン24に送り出された空気を殺菌することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、空気清浄機1は、遠心ファン24に取り込まれる空気に含まれる粒子を捕集する捕集トラップ26を備える構成とした。
これによれば、空気清浄機1は、空気と共に送風空間22に運ばれた各種の大気浮遊物を分離して捕集できる。
【0063】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0064】
図9は、変形例に係る第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の概略構成を示す縦断面図である。
上述した実施形態では、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とは、平板状の部材であるとした。
しかしながら、これに限らず、図9に示すように、第1フィン20、第2フィン40、及び第3フィン50には、筐体10の高さ方向、すなわち第1フィン20、第2フィン40、及び第3フィン50の幅方向における所定箇所に他の箇所よりも長い厚さ寸法を有する翼厚部80が設けられていてもよい。
【0065】
これらの翼厚部80は、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とのそれぞれの上下方向における所定箇所が筐体10の反対側に位置する側面である外側面側に突出するように形成される。これらの翼厚部80が設けられることで、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とのそれぞれの外側面には、上下方向の断面における所定箇所に、R状の曲面81が形成される。
【0066】
なお、図9において、翼厚部80が設けられた第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とのそれぞれには、縦断面視で、いずれも略同一のR状の曲面81が形成される。
また、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とのそれぞれにおいて、筐体10側に位置する側面である内側面は、いずれも平滑面となるように形成される。
【0067】
第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間に流れ込んだ空気は、コアンダ効果により、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の外側面に沿って流れる。さらに、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の外側面に沿って流れる空気は、コアンダ効果により、各翼厚部80における曲面81のR形状に沿って流れる。
【0068】
すなわち、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の外側面に沿って流れる空気は、各翼厚部80に流れ込んだ方向とは異なる方向、具体的には、ユーザUの顔に向かう方向に流れる。
このように、翼厚部80を形成して、第1フィン20、第2フィン40、及び第3フィン50の断面形状を変化させることで、空気清浄機1が送り出す空気、及び当該空気によって形成されるエアカーテンSの向かう方向を制御することができる。
【0069】
図10は、変形例に係る第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の概略構成を示す縦断面図である。
図9では、翼厚部80が設けられた第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とのそれぞれには、縦断面視で、いずれも略同一のR状の曲面81が形成されるとした。
しかしながら、これに限らず、図10に示すように、第1フィン20、第2フィン40、及び第3フィン50の各外側面には、縦断面視で、互いに異なるR状の曲面81、83、85が形成されていてもよい。
【0070】
具体的には、第2フィン40の所定箇所には、第1フィン20の翼厚部80よりも長い厚さ寸法を有する翼厚部82が形成される。また、第3フィン50の所定箇所には、第2フィン40の翼厚部82よりも長い厚さ寸法を有する翼厚部84が形成される。
これによって、第2フィン40の外側面の所定箇所には、第1フィン20の外側面の所定箇所よりも大きいR形状を有する曲面83が形成され、第3フィン50の外側面の所定箇所には、第2フィン40の外側面の所定箇所よりも大きいR形状を有する曲面85が形成される。
【0071】
上述の通り、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の外側面に沿って流れる空気は、コアンダ効果により、各翼厚部80、82、84におけるR形状に沿って流れる。
これによって、第2フィン40の外側面に沿って流れる空気は、第1フィン20の外側面に沿って流れる空気よりもより大きな角度で方向を変えながらユーザU側に向かう。
同様に、第3フィン50の外側面に沿って流れる空気は、第2フィン40の外側面に沿って流れる空気よりもより大きな角度で方向を変えながらユーザU側に向かう。
【0072】
これによって、コアンダ効果により第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の側面に沿って流れる空気は、筐体端部11の上方において、合流することとなる。
このため、筐体端部11において形成されたエアカーテンSは、より早い風速を有すると共に、より集約された状態でユーザUの顔に向かう。そして、空気清浄機1では、ユーザUの周囲の空気をユーザUの顔からより確実に遮蔽するエアカーテンSを形成することが可能となる。加えて、空気清浄機1では、エアノズル28がユーザUの顔から離間して配置された場合であっても、より確実に清浄な空気をユーザUの顔まで送り出すことが可能となる。
【0073】
図11は、変形例に係る第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50の概略構成を示す縦断面図である。
上述した実施形態では、第1フィン20と、第3フィン50とは、平板状の部材であるとした。
しかしながら、これに限らず、図11に示すように、第1フィン20と、第3フィン50とのそれぞれには、当該第1フィン20と、第3フィン50とのそれぞれの厚さ方向に延びる複数のスリット孔90、92が設けられてもよい。
【0074】
各スリット孔90、92は、いずれも貫通孔である。また、各スリット孔90、92は、それぞれが平面視で、第1フィン20、または第3フィン50の長手方向に沿って所定の長さ寸法を有した長孔である。図11において、1フィン20と、第3フィン50とには、それぞれ3つのスリット孔90、92が設けられる。
【0075】
第1フィン20において、各スリット孔90は、第1フィン20の筐体10側に位置する側面である内側面から、第1フィン20の筐体10の反対側に位置する側面である外側面に延びるにつれて、第1フィン20の下縁から、上縁に向かうように傾斜して設けられる。
また、第1フィン20において、各スリット孔90の上縁には、第1フィン20の内側面側に所定の幅寸法で突出するガイドフィン91が設けられる。
各ガイドフィン91は、ルーバ状の平板部材である。各ガイドフィン91は、各スリット孔90と略同一の角度で、第1フィン20の上縁から、下縁に向かうように傾斜して突出する。
【0076】
同様に、第3フィン50において、各スリット孔90は、第3フィン50の筐体10の反対側に位置する側面である外側面から、第3フィン50の筐体10側に位置する側面である内側面に延びるにつれて、第3フィン50の下縁から、上縁に向かうように傾斜して設けられる。
また、第3フィン50において、各スリット孔92の上縁には、第3フィン50の外側面側に所定の幅寸法で突出するガイドフィン93が設けられる。
各ガイドフィン93は、各ガイドフィン91と略同一形状に形成された部材である。各ガイドフィン93は、各スリット孔92と略同一の角度で、第3フィン50の上縁から、下縁に向かうように傾斜して突出する。
【0077】
上述の通り、エアノズル28の吹出口29から清浄な空気が噴出されると、負圧となった第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間には、空気清浄機1の下方から当該空気清浄機1の周囲の空気が流れ込む。
さらに、第1フィン20と、第2フィン40との間の空間には、複数のスリット孔90を介して、第1フィン20の内側面側から空気が流れ込む。
同様に、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間には、複数のスリット孔92を介して、第3フィン50の外側面側から空気が流れ込む。
【0078】
これによって、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間には、より大きな空気流が形成される。このため、空気清浄機1では、吹出口29から吹き出された清浄な空気に加えて、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50との間の空間に流れ込んだ空気を送り出すことができ、より大きな風量でユーザUに空気を供給できる。
【0079】
また、この空気清浄機1では、ガイドフィン91によって、第1フィン20の内側面側を上方に向かって流れる空気を、より確実にスリット孔90に誘導可能となる。同様に、空気清浄機1では、ガイドフィン93によって、第3フィン50の外側面側を上方に向かって流れる空気を、より確実にスリット孔92に誘導することが可能となる。
【0080】
上述した実施形態では、第2フィン40と、第3フィン50とは、筐体10の前後方向に沿ってスライド移動可能に設けられるとしたが、これに限らず、筐体10の上下方向に沿ってスライド移動可能に設けられてもよい。これによって、ユーザUの体型に応じて、ユーザUの顔に対するエアノズル28の配置位置を変化させることが可能となる。
またこれによって、空気清浄機1では、第3フィン50の下縁をユーザUの肩に当接させることが可能となり、ユーザUが装着した空気清浄機1が脱落することをより確実に抑制すると共に、各エアノズル28の配置位置が移動することを抑制可能となる。
【0081】
また例えば、各エアノズル28は、第1フィン20、あるいは第2フィン40に回動可能に取り付けられてもよい。
この場合、空気清浄機1では、各エアノズル28を第1フィン20、あるいは第2フィン40の外側面に沿って回動させることで、各吹出口29の配置位置を調節できる。このため、空気清浄機1は、エアノズル28から吹き出される空気の向かう方向を調節できる。
【0082】
また例えば、空気清浄機1には、筐体10を被覆する外装部であるカバー部材が当該筐体10から着脱可能に取り付けられていてもよい。
この場合、空気清浄機1の送風機を構成する各部を維持しつつ、筐体10を覆うカバー部材を取り外すことができる。このため、空気清浄機1のカバー部材に破損等が生じた場合であっても、当該空気清浄機1では、空気清浄機1の送風機を構成する各部を損なうことなく、当該カバー部材を交換することができる。
【0083】
また例えば、第1フィン20と、第2フィン40と、第3フィン50とは、いずれも筐体10の前後方向に沿って延びる軸を回転軸として、回動可能に設けられてもよい。これによって、エアノズル28の吹出口29から吹き出される清浄な空気の向かう方向を変化させることが可能となる。
【0084】
[上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0085】
(構成1)ユーザが首掛け可能にU字状に形成された本体と、回転駆動するファンとを備え、前記本体には、前記ファンによって送り出された空気を吹き出す吹出口と、前記吹出口を挟んで配置される複数のフィンが設けられることを特徴とする送風機。
この構成によれば、送風機では、吹出口から吹き出された清浄な空気に加えて、各フィン同士の間の空間に流れ込んだ空気を送り出すことができる。このため、送風機では、送風部の大型化を抑制しつつ、より大きな風量で空気を供給できる。
【0086】
(構成2)前記本体は、前記吹出口が設けられたノズル部を備え、前記フィンの少なくとも一つは、前記吹出口を挟んだ状態を維持しつつ、前記ノズル部と共に前記本体に沿って移動可能に設けられることを特徴とする構成1に記載の送風機。
この構成によれば、所定のフィンをスライド移動させることで、ユーザUの首に固定された送風機の重心を変化させることができ、ノズル部の吹出口から吹き出される清浄な空気の向かう方向を変化させることができる。このため、送風機では、所定のフィンをスライド移動させることで、ユーザUの体型に応じて、ノズル部の吹出口から吹き出される清浄な空気の向かう方向を調節できる。
【0087】
(構成3)前記ノズル部は、前記吹出口が向かう方向を調節可能に設けられることを特徴とする構成2に記載の送風機。
この構成によれば、送風機では、ノズル部をフィンの外側面に沿って回動させることで、各吹出口の配置位置を調節できる。このため、送風機は、ノズル部から吹き出される空気の向かう方向を調節できる。
【0088】
(構成4)前記ノズル部は、前記フィンと共に移動可能に設けられることを特徴とする構成2または構成3に記載の送風機。
この構成によれば、当該ノズル部は、フィンがスライド移動した場合であっても、フィンとフィンとに挟み込まれて配置された状態を維持できる。このため、送風機は、フィンがスライド移動した場合であっても、より大きな風量で空気を供給できる。
【0089】
(構成5)複数の前記フィンは、前記本体の外方に向かって並べて設けられ、前記フィンの配列方向に直交する方向にずれて配置されることを特徴とする構成1から構成4のいずれか一項に記載の送風機。
この構成によれば、送風機では、各ノズル部から吹き出された空気をそれぞれ異なる方向に送り出すことが可能となる。
【0090】
(構成6)構成1から構成5に記載の送風機と、前記送風機に送り出された空気に紫外線光を照射する光源とを備えることを特徴とする空気清浄機。
この構成によれば、空気清浄機では、ファンに送り出された空気を殺菌することができる。
【0091】
(構成7)前記ファンに取り込まれる空気に含まれる粒子を捕集する捕集部を備えることを特徴とする構成6に記載の空気清浄機。
この構成によれば、空気清浄機は、空気と共に前記ファンによって運ばれた各種の大気浮遊物を分離して捕集できる。
【0092】
(構成8)前記本体には、前記本体を覆う外装部が取り付けられ、前記外装部は、前記本体から着脱可能に形成されることを特徴とする構成6または構成7に記載の空気清浄機。
この構成によれば、空気清浄機は、送風機を構成する各部を維持しつつ、本体を覆うカバー部材を取り外すことができる。このため、空気清浄機のカバー部材に破損等が生じた場合であっても、空気清浄機では、送風機を構成する各部を損なうことなく、当該カバー部材を交換することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 空気清浄機
10 筐体(本体)
11 筐体端部
12 連結部
16 吸込口
17 流入孔
20 第1フィン(フィン)
21 送風筐体
22 送風空間
23 光源部
24 遠心ファン(ファン)
25 モータ
26 捕集トラップ(捕集部)
27 エアチューブ
28 エアノズル(ノズル部)
29 吹出口
40 第2フィン(フィン)
50 第3フィン(フィン)
S エアカーテン
U ユーザ
W1 間隔
W2 間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11