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特開2022-157776監視システム、端末装置、及びサーバ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157776
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】監視システム、端末装置、及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 23/00 20060101AFI20221006BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221006BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G08B23/00 530A
G08B25/04 K
H04M11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062205
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 雅弘
【テーマコード(参考)】
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C087AA19
5C087DD03
5C087DD05
5C087DD24
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG35
5C087GG70
5C087GG83
5K201AA07
5K201BA03
5K201CC02
5K201CC09
5K201DC04
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED09
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】利用者による監視サービスの活用状況を容易に把握できるようにする。
【解決手段】監視システムは、複数の警備モードを用いて監視対象エリアへの侵入監視を行うとともに、設定された警備モードに基づき監視サービスの活用状況を評価する。監視システムは、複数の警備モードのいずれかを設定する設定手段と、警備モードの設定履歴を用いて、所定期間における少なくとも一の警備モードの利用時間の合計に応じて活用状況を評価する評価手段と、評価手段による評価結果を出力する出力手段とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の警備モードを用いて監視対象エリアへの侵入監視を行うとともに、設定された警備モードに基づき監視サービスの活用状況を評価する監視システムであって、
前記複数の警備モードのいずれかを設定する設定手段と、
前記警備モードの設定履歴を用いて、所定期間における少なくとも一の警備モードの利用時間の合計に応じて前記活用状況を評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記複数の警備モードは、前記監視対象エリアを監視する警戒モードと、前記監視対象エリアを監視しない解除モードとを少なくとも含み、
前記評価手段は、前記所定期間に設定された前記警戒モードの利用時間の合計が長いほど、又は、前記解除モードの利用時間の合計が短いほど高く評価する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記評価手段は、前記所定期間において設定された前記警戒モードに前記監視対象エリアの一部を監視する有人警戒モードが含まれる場合、前記有人警戒モードが含まれない場合より高く評価する
ことを特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記警戒モードは、前記監視対象エリア全体を監視する無人警戒モードと、前記監視対象エリアの一部を監視する有人警戒モードとを含み、
前記評価手段は、前記無人警戒モードの前記利用時間より前記有人警戒モードの前記利用時間の重み付けを高くして前記評価を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の監視システム。
【請求項5】
前記評価手段は、前記所定期間に設定された警備モードの種類と、当該警備モードが設定された時間帯とに応じて前記評価を行う
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
前記監視対象エリアに居る対象者の状況を検知する検知手段をさらに備え、
前記評価手段は、さらに前記所定期間に設定された警備モードの種類と前記検知手段の検知結果とに応じて前記評価を行う
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項7】
さらに、前記評価結果に対応する評価コメントを記憶する記憶手段を備え、
前記出力手段は、前記評価手段の評価結果と、当該評価結果に対応する評価コメントとを併せて表示手段に出力する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の監視システムに用いられる端末装置であって、
前記出力手段から出力された前記評価結果を取得する取得手段と、
前記取得した評価結果に応じた評価画像を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項9】
複数の警備モードに基づいて監視対象エリアの侵入監視を行う警備装置及び利用者が所持する端末装置と通信するとともに、設定された前記警備モードに基づき監視サービスの活用状況を評価するサーバ装置であって、
前記警備装置から前記警備モードの設定履歴を取得する取得手段と、
前記設定履歴を用いて、所定期間における少なくとも一の警備モードの利用時間の合計に応じて前記活用状況を評価する評価手段と、
前記端末装置に前記評価手段による評価結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象エリアを監視するための複数の警備モードの利用状況を評価する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の警備モードを有する警備システムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-250745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
警備モードは対象者の操作に応じて設定されるが、状況に応じて適切な警備モードを設定しないと防犯の効果が低くなってしまう。しかし、従来の監視システムでは、利用者が監視システムをどの程度活用できているのか、すなわち監視サービスの活用状況を容易に把握することができなかった。
【0005】
本発明は、利用者による監視サービスの活用状況を容易に把握できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の警備モードを用いて監視対象エリアへの侵入監視を行うとともに、設定された警備モードに基づき監視サービスの活用状況を評価する監視システムであって、前記複数の警備モードのいずれかを設定する設定手段と、前記警備モードの設定履歴を用いて、所定期間における少なくとも一の警備モードの利用時間の合計に応じて前記活用状況を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする監視システムを提供する。
【0007】
前記複数の警備モードは、前記監視対象エリアを監視する警戒モードと、前記監視対象エリアを監視しない解除モードとを少なくとも含み、前記評価手段は、前記所定期間に設定された前記警戒モードの利用時間の合計が長いほど、又は、前記解除モードの利用時間の合計が短いほど高く評価してもよい。
【0008】
前記評価手段は、前記所定期間において設定された前記警戒モードに前記監視対象エリアの一部を監視する有人警戒モードが含まれる場合、前記有人警戒モードが含まれない場合より高く評価してもよい。
【0009】
前記警戒モードは、前記監視対象エリア全体を監視する無人警戒モードと、前記監視対象エリアの一部を監視する有人警戒モードとを含み、前記評価手段は、前記無人警戒モードの前記利用時間より前記有人警戒モードの前記利用時間の重み付けを高くして前記評価を行ってもよい。
【0010】
前記評価手段は、前記所定期間に設定された警備モードの種類と、当該警備モードが設定された時間帯とに応じて前記評価を行ってもよい。
【0011】
前記監視システムは、前記監視対象エリアに居る対象者の状況を検知する検知手段をさらに備え、前記評価手段は、さらに前記所定期間に設定された警備モードの種類と前記検知手段の検知結果とに応じて前記評価を行ってもよい。
【0012】
前記監視システムは、さらに、前記評価結果に対応する評価コメントを記憶する記憶手段を備え、前記出力手段は、前記評価手段の評価結果と、当該評価結果に対応する評価コメントとを併せて表示手段に出力してもよい。
【0013】
本発明の別の態様は、前記監視システムに用いられる端末装置であって、前記出力手段から出力された前記評価結果を取得する取得手段と、前記取得した評価結果に応じた評価画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする端末装置を提供する。
【0014】
本発明のさらに別の態様は、複数の警備モードに基づいて監視対象エリアの侵入監視を行う警備装置及び利用者が所持する端末装置と通信するとともに、設定された前記警備モードに基づき監視サービスの活用状況を評価するサーバ装置であって、前記警備装置から前記警備モードの設定履歴を取得する取得手段と、前記設定履歴を用いて、所定期間における少なくとも一の警備モードの利用時間の合計に応じて前記活用状況を評価する評価手段と、前記端末装置に前記評価手段による評価結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とするサーバ装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、利用者による監視サービスの活用状況を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る監視システムの構成の一例を示す図である。
図2】コントローラの構成の一例を示す図である。
図3】サーバ装置の構成の一例を示す図である。
図4】コメントテーブルの一例を示す図である。
図5】端末装置の構成の一例を示す図である。
図6】警備モードの利用状況を評価する動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図7】端末装置に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
構成
図1は、実施形態に係る監視システム10の構成の一例を示す図である。監視システム10は、対象者が所在する監視対象エリアへの侵入等の異常を監視する監視サービスと、高齢者等の対象者の状況を見守る見守りサービスとを提供する。また、監視システム10は、監視対象エリアの侵入監視を行う監視サービスの活用状況を評価する機能も有する。
【0018】
監視システム10は、複数のセンサ100と、コントローラ200と、設定ユニット300と、サーバ装置400と、複数の端末装置600とを備える。複数のセンサ100、コントローラ200、及び設定ユニット300は、対象者の住居等の監視対象エリアに設置され、LAN(Local Area Network)等の通信網11を介して接続されている。サーバ装置400は、監視サービス及び見守りサービスを提供する事業者により運営される監視センタに設置される。複数の端末装置600は、それぞれ、対象者及び見守り者により使用される。対象者及び見守り者は、本発明に係る「利用者」の一例である。コントローラ200、サーバ装置400、及び端末装置600は、インターネットと移動体通信ネットワークとを含む通信網12を介して接続されている。
【0019】
複数のセンサ100は、監視対象エリアにおける対象者の状況を検知し、その検知結果を示す検知情報を出力する。センサ100は、本発明に係る「検知手段」の一例である。また、複数のセンサ100の少なくとも一部は、監視対象エリアへの侵入者を検知する侵入監視用途に用いられる。監視対象エリアが住居である場合、複数のセンサ100には、住居の屋内に設置されるセンサ100(以下、「屋内のセンサ100」ともいう。)と、住居の屋外に設置されるセンサ100(以下、「屋外のセンサ100」ともいう。)とが含まれる。屋内のセンサ100は、例えば玄関扉や窓等の開口部、住居内における通路等の動線部分や居室などに設置される。屋外のセンサ100は、例えば庭や門扉に設置される。一の例において、複数のセンサ100には、窓/ドアセンサ、人感センサ、TOF(Time Of Flight)センサ、超音波(ミリ波、マイクロ波)センサ、及び照明/家電操作検知センサが含まれる。侵入監視用途のセンサは、窓/ドアセンサなどといった開閉を検知するセンサや人の存在を検知する人感センサである。また、侵入監視用途のセンサは対象者の状況を見守る見守り用のセンサとして使用しても良い。他の見守り用のセンサには、照明/家電操作検知センサが含まれる。
【0020】
窓/ドアセンサは、玄関扉、窓、門扉等の開口部に設置され、扉や窓などの開閉体の開放を検知する。窓/ドアセンサの例としては、磁界の変化を検知して扉の開放を検知するセンサ、及びタンパースイッチのオン/オフで扉の開放を検知するセンサが挙げられる。人感センサは、空間センサとも呼ばれ、動線部分や居室に設置され、人の存在を検知する。人感センサの例としては、熱線の変動により人の存在を検知するセンサ、音波や高周波により人の存在を検知するセンサ、入力画像から人の存在を検知するセンサ、及び投光部からの入射光が遮られることにより人の存在を検知するセンサが挙げられる。TOF(Time Of Flight)センサ及び超音波センサは人感センサの用途に加え、動線部分や居室に設置され、対象者の姿勢を検知する。照明/家電操作検知センサは、家電機器に対する操作を検知する。照明/家電操作検知センサは、家電機器に設けられ、家電機器の操作ボタンを用いて行われた操作を検知してもよい。或いは、照明/家電操作検知センサは、リモートコントローラから家電機器に送信される操作信号を受信し得る場所に設置され、この操作信号に基づいて家電機器に対する操作を検知してもよい。家電機器の例としては、テレビ受信機、照明機器、エアコン、暖房器具、扇風機、電子ケトルラジオ、水道、ガス及び電気等が挙げられる。例えば、テレビを操作したことを検知した場合は、テレビが設置されている場所(リビングなど)や操作された時間から、対象者がリビングでテレビを付けた動き(状況)を検知できる。さらに、見守り用途のセンサとして、水道、ガス、電気などのライフラインの使用量を検知するセンサを用いてよい。
【0021】
コントローラ200は、センサ100を用いて対象者が所在する監視対象エリアへの侵入監視を行う。コントローラ200は、本発明に係る「警備装置」の一例である。例えばセンサ100により侵入者が検知されると、コントローラ200は、監視対象エリアへ侵入者が侵入したことをサーバ装置400へ通知する。コントローラ200は、無人警戒モード、有人警戒モード、及び解除モードの三つの警備モードを有する。また、コントローラ200は、対象者の見守りのための処理を行う。例えばセンサ100から検知情報が出力されない期間が所定時間継続すると、コントローラ200は、対象者に所定時間動きがないことをサーバ装置400に通知する。これらの通知は、例えば異常信号の送信により実現される。
【0022】
無人警戒モードは、監視対象エリア全体を監視する警備モードである。無人警戒モードは、対象者が外出して監視対象エリアが無人であるときに用いられる。無人警戒モードにおいては、複数のセンサ100のうち侵入監視用途に用いられるセンサの検知情報が出力されると、コントローラ200からサーバ装置400に異常信号が送信される。なお、無人警戒モードが設定された場合、対象者の退館経路を監視するセンサ100については、無人警戒モードが設定されてから予め定められた時間が経過した後に侵入者の検知を開始し、外出する対象者を侵入者として誤検知しないようにすることが好ましい。
【0023】
有人警戒モードは、監視対象エリアの一部を監視する警備モードである。有人警戒モードは、監視対象エリアに対象者が居る場合において、対象者が居ない部分における侵入者の監視を行うときに用いられる。例えば有人警戒モードにおいては、外部から監視対象エリアへの侵入を検知するために玄関扉、窓、門扉、住居の屋外などの予め定められた外周エリアが監視される。或いは、監視対象エリアに含まれる複数の区域のうち、対象者の操作に応じて指定された区域が監視されてもよい。有人警戒モードにおいては、外周エリア又は指定された区域(2階など)に設置された侵入監視用途に用いられるセンサ100から検知情報が出力されると、コントローラ200からサーバ装置400に異常信号が送信される。一方、外周エリア又は指定された区域以外の場所に設置されたセンサ100から検知情報が出力されてもこの検知情報は無視され、コントローラ200からサーバ装置400に異常信号は送信されない。なお、有人監視モード時のセンサ100の検知情報を、算出手段412、決定手段413による評価に用いても良い。
【0024】
解除モードは、監視対象エリアの監視を行わない警備モードである。解除モードは、監視対象エリアに対象者が居る場合において、侵入者を監視する必要がないときに用いられる。解除モードにおいては、監視対象エリアへの侵入者の監視が行われず、センサ100から検知情報が出力されても、この検知情報は無視され、コントローラ200からサーバ装置400に異常信号は送信されない。
【0025】
設定ユニット300は、コントローラ200の警備モードを設定する操作を受け付ける。例えば設定ユニット300は、住居の玄関に設置され、外出時や帰宅時などに警備モードの設定を行うために用いられる。
【0026】
サーバ装置400は、コントローラ200から異常信号を受信すると、監視対象エリアや対象者の情報を出力することにより、監視センサの管制員に対象者への確認や監視対象エリアへ駆けつける警備員への対処を促す。また、サーバ装置400は、監視サービス又は見守りサービスの一環として、監視対象エリアを監視するための警備モードの利用状況を評価し、その評価結果を見守り者が使用する端末装置600及び対象者が使用する端末装置600のうち少なくとも一方に提供する。
【0027】
端末装置600は、対象者又は見守り者が監視サービスや見守りサービスに関する各種の情報を見るために用いられる。端末装置600の例としては、スマートフォン、携帯電話機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、及びウェアラブル端末が挙げられる。
【0028】
図2は、コントローラ200の構成の一例を示す図である。コントローラ200は、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、操作部204と、表示部205と、鳴動部206とを備える。コントローラ200の各部は、バスを介して接続されている。
【0029】
制御部201は、自装置の各部の制御及び各種の処理を行うプロセッサである。例えば、制御部201にはCPU(Central Processing Unit)が含まれる。記憶部202は、自装置の機能を実現するためのプログラムと各種のデータを記憶するメモリである。記憶部202に記憶されるデータには、現在設定されている警備モードを示す情報と警備モードの設定操作に必要な認証コードとが含まれる。例えば、記憶部202にはROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)のうち少なくともいずれかが含まれる。通信部203は、自装置を通信網11及び12に接続するための通信インターフェースである。通信部203は、通信網11又は12を介して接続された他の装置と通信を行うために用いられる。
【0030】
操作部204は、自装置に対する各種の操作を受け付ける。操作部204が受け付ける操作には、警備モードを設定する操作と、認証媒体から認証コードを読み取らせる操作とが含まれる。例えば、操作部204には、表示部205の画面上の操作を受け付けるタッチセンサと、警備モードの設定を受け付ける操作ボタンと、対象者が所持するICカード等の認証媒体から認証コードを読み取る読取装置とが含まれる。表示部205は、各種の情報を表示する。表示部205が表示する情報には、現在設定されている警備モード、センサ100の状態、及びセンサ100の設置場所を示す情報が含まれる。例えば、表示部205には液晶ディスプレイが含まれる。また、表示部205は、タッチセンサとの組み合わせによりタッチパネルとして構成されてもよい。鳴動部206は、異常の発生を知らせる音やメッセージ音声等の各種の音を出力する。例えば、鳴動部206にはスピーカが含まれる。
【0031】
制御部201は、取得手段211と、設定手段212と、送信手段213として機能する。これらの機能は、制御部201が記憶部202に記憶されたプログラムを実行して、制御部201が演算を行い又はコントローラ200の各部を制御することにより実現される。
【0032】
取得手段211は、設定ユニット300を用いて警備モードを設定する操作が行われると、この操作を示す操作情報を取得する。
【0033】
設定手段212は、対象者の操作に応じて複数の警備モードのいずれかを設定する。設定手段212は、操作部204を用いて警備モードを設定する操作が行われた場合には、この操作に応じた警備モードを、設定ユニット300を用いて警備モードを設定する操作が行われた場合には、取得手段211により取得された操作情報に応じた警備モードを設定する。
【0034】
送信手段213は、設定手段212により設定された警備モードを示す警備モード情報をサーバ装置400に送信する。警備モード情報には、設定された警備モードの種類とその警備モードの設定日時とを示す情報が含まれる。
【0035】
図3は、サーバ装置400の構成の一例を示す図である。サーバ装置400は、制御部401と、記憶部402と、通信部403とを備える。サーバ装置400の各部は、バスを介して接続されている。制御部401、記憶部402、及び通信部403は、それぞれ、基本的にはコントローラ200の制御部201、記憶部202、及び通信部203と同様である。ただし、記憶部402には、サーバ装置400を実現するためのプログラムに加えて、コメントテーブル421が記憶される。記憶部402は、本発明に係る「記憶手段」の一例である。通信部403は、自装置を通信網12に接続するための通信インターフェースであり、通信網12を介して接続された他の装置と通信を行うために用いられる。
【0036】
制御部401は、取得手段411と、算出手段412と、決定手段413と、生成手段414と、出力手段415として機能する。これらの機能は、制御部401が記憶部402に記憶されたプログラムを実行して、制御部401が演算を行い又はサーバ装置400の各部を制御することにより実現される。
【0037】
取得手段411は、コントローラ200から警備モード情報を取得する。この警備モード情報は、警備モードの設定履歴を構成する。
【0038】
算出手段412は、警備モードの設定履歴を用いて、所定期間における各警備モードの利用時間の合計に応じた指標値を算出する。この利用時間とは、警備モードが設定されていた時間をいう。指標値は、警備モードの利用状況を評価する指標となる値である。指標値は、有人警戒モードと無人警戒モードとを併せた警戒モードの利用時間の合計が大きいほど大きくなる。
【0039】
決定手段413は、警備モードの設定履歴を用いて、少なくとも一つの警備モードの利用時間の合計に応じて評価を行う。具体的には、算出手段412により算出された指標値に応じて評価値を決定する。この評価値は、監視サービスを十分に活用していたか(警備モードが適切に設定されていたか)を示す値である。評価値が大きいほど、監視サービスを十分に活用していたことを示す。警備モードは対象者の操作に応じて設定されるため、警備モードが適切に設定されているということは、対象者の防犯意識が高いことを意味する。評価値は、警戒モードの指標値が大きいほど、すなわち警戒モードの利用時間の合計が大きいほど大きくなる。言い換えると、評価値は、解除モードの指標値が大きいほど、すなわち解除モードの利用時間の合計が大きいほど小さくなる。これは、解除モードの利用時間が長い場合には、警備モードが適切に設定されていたとは言えないためである。一の例において、評価値は、1から4までの評価レベルである。評価レベル4は最も評価が高いことを示し、評価レベル3は評価が2番目に高く、評価レベル2は評価が3番目に高く、評価レベル1は最も評価が低いことを示す。警戒モード(有人警戒モードと無人警戒モード)の利用時間、又は、解除モードの利用時間のいずれか一方のみを用いて評価を行っても良い。なお、算出手段412及び決定手段413は、本発明の評価手段に相当する機能を担っている。
【0040】
生成手段414は、コメントテーブル421を参照して、決定手段413により決定された評価値と、所定期間に設定された警備モードの種類とに基づいて評価結果を生成する。この評価結果には、決定手段413により決定された評価値と、この評価値に応じたコメントとが含まれる。コメントは、本発明に係る「評価コメント」の一例である。
【0041】
出力手段415は、生成手段414により生成された評価結果を端末装置600に出力する。
【0042】
図4は、コメントテーブル421の一例を示す図である。コメントテーブル421には、評価レベルと、警備モードの利用状況と、評価レベル及び警備モードの利用状況に応じたコメントとが格納される。各評価レベルと各警備モードの利用状況との組合せには、その評価レベル及び警備モードの利用状況に応じたコメントが関連付けられている。警備モードの利用状況は、所定期間に設定された警備モードの種類を示す。警備モードの利用状況には、「無人警戒モードのみ利用」と、「有人警戒モードのみ利用」と、「無人警戒モードと有人警戒モードとを利用」とが含まれる。「無人警戒モードのみ利用」は、所定期間に無人警戒モードは設定されたが有人警戒モードは設定されていないことを示す。「有人警戒モードのみ利用」は、所定期間に有人警戒モードは設定されたが無人警戒モードは設定されていないことを示す。「無人警戒モードと有人警戒モードとを利用」は、所定期間に有人警戒モードと無人警戒モードとが両方とも設定されたことを示す。
【0043】
コメントは、評価レベル及び警備モードの利用状況によって内容が異なる。例えば「無人警戒モードのみ利用」の場合において評価レベルが1であるときは、「家を空ける時に防犯機能を活用して頂いています。在宅時にも防犯機能を活用するようお勧めください。」というコメントが用いられる。一方、「無人警戒モードのみ利用」の場合において評価レベルが2であるときは、「家を空ける時に防犯機能を良く活用して頂いています。在宅時にも防犯機能を活用するようお勧めください。」というコメントが用いられる。評価レベル2の場合のコメントには「良く活用」という文言が含まれているのに対し、評価レベル1の場合のコメントでは単に「活用」という文言になっており、「良く」という文言が含まれない点でこれらのコメントの内容は相違する。
【0044】
また、評価レベルが1である場合において「無人警戒モードのみ利用」のときは、「家を空ける時に防犯機能を活用して頂いています。在宅時にも防犯機能を活用するようお勧めください。」というコメントが用いられる。一方、評価レベルが1である場合において「有人警戒モードのみ利用」のときは、「在宅時に防犯機能を活用して頂いています。外出時にも防犯機能を活用するようお勧めください。」というコメントが用いられる。また、評価レベルが1である場合において「無人警戒モードと有人警戒モードとを利用」のときは、「在宅時にも防犯機能を活用して頂いています。不在時、在宅時ともに、さらに防犯機能を活用するようお勧めください。」というコメントが用いられる。「無人警戒モードのみ利用」の場合のコメントには、有人警戒モードの利用を勧めるアドバイスが含まれるのに対し、「有人警戒モードのみ利用」の場合のコメントには、無人警戒モードの利用を勧めるアドバイスが含まれる。また、「無人警戒モードと有人警戒モードとを利用」の場合のコメントには、有人警戒モードと無人警戒モードの両方についてさらなる利用を勧めるアドバイスが含まれる。これらのコメントの内容は、利用を勧める警備モードが異なる点で相違する。このように、コメントの内容は、同一の評価レベルであっても、警備モードの利用状況によって相違する。なお、図示していないが、所定期間において無人警戒モードも有人警戒モードも使用していなかった場合は、防犯機能を利用していない旨のコメントと、外出時に防犯機能を使用することを進めるアドバイスを表示する。またこの場合、防犯レベルは0としてもよい。
【0045】
図5は、端末装置600の構成の一例を示す図である。端末装置600は、制御部601と、記憶部602と、通信部603と、操作部604と、表示部605とを備える。端末装置600の各部は、バスを介して接続されている。制御部601、記憶部602、通信部603、操作部604、及び表示部605は、それぞれ、基本的にはコントローラ200の制御部201、記憶部202、サーバ装置400の通信部403、コントローラ200の操作部204、及び表示部205と同様である。ただし、記憶部602には、端末装置600の機能を実現するためのアプリケーションプログラムが記憶される。操作部604には、例えば表示部605の画面上の操作を受け付けるタッチセンサと、各種の操作を受け付ける操作ボタンとが含まれる。表示部605は、本発明に係る「表示手段」の一例である。
【0046】
制御部601は、取得手段611と、表示制御手段612として機能する。これらの機能は、制御部601が記憶部602に記憶されたプログラムを実行して、制御部601が演算を行い又は端末装置600の各部を制御することにより実現される。
【0047】
取得手段611は、サーバ装置400から評価結果を取得する。表示制御手段612は、取得手段611により取得された評価結果を表示部605に表示する。
【0048】
動作
図6は、警備モードの利用状況を評価する動作の一例を示すシーケンスチャートである。一の例において、この動作は所定の時間間隔で開始される。なお、端末装置600は、見守り者が使用する端末装置600であってもよいし、対象者が使用する端末装置600であってもよいし、見守り者が使用する端末装置600と対象者が使用する端末装置600との両方であってもよい。
【0049】
ステップS11において、コントローラ200の設定手段212は、警備モードが変更されたか否かを判定する。例えば対象者により警備モードを変更する操作が行われていない場合には、ステップS11の判定がNOになる。この場合、処理は終了する。一方、対象者により警備モードを変更する操作が行われ、設定手段212がこの操作に応じて警備モードを変更した場合には、ステップS11の判定がYESになる。この場合、処理はステップS12に進む。
【0050】
ステップS12において、コントローラ200の送信手段213は、警備モード情報をサーバ装置400に送信する。例えば20XX年12月1日10時に有人警戒モードから無人警戒モードに変更された場合、警備モード情報には、「無人警戒モード」という種類と、「20XX年12月1日10時」という設定日時とを示す情報が含まれる。サーバ装置400の取得手段411は、コントローラ200から警備モード情報を受信する。
【0051】
ステップS13において、サーバ装置400の取得手段411は、受信した警備モード情報を記憶部402に記憶させる。このようにして、記憶部402には、警備モードが変更される度に、コントローラ200から受信した警備モード情報が記憶される。記憶部402に記憶された複数の警備モード情報により警備モードの設定履歴が構成される。
【0052】
ステップS14において、サーバ装置400の算出手段412は、記憶部402に記憶された警備モードの設定履歴を用いて、第1所定期間における各警備モードの利用時間の合計を算出する積算処理を行う。ここでは、第1所定期間は1日であるものとする。記憶部402に記憶された警備モードの設定履歴には、各警備モードの設定日時が含まれる。各警備モードの設定日時から、各警備モードが設定されていた時間帯が得られる。例えば20XX年12月1日の0時から9時及び18時から24時まで有人警戒モードが設定された場合、この日における有人警戒モードの利用時間の合計は、0時から9時までの9時間に18時から24時までの6時間を加えた15時間となる。また、20XX年12月1日の9時から15時まで無人警戒モードが設定された場合、この日の無人警戒モードの利用時間の合計は、9時から15時までの6時間となる。さらに、20XX年12月1日の15時から18時まで解除モードが設定された場合、この日の解除モードの利用時間の合計は、15時から18時までの3時間となる。
【0053】
ステップS15において、サーバ装置400の算出手段412は、第2所定期間における警戒モードの利用時間の合計に応じた指標値を算出する。ここでは、第2所定期間は1週間であるものとする。警戒モードには、3つの警備モードのうち解除モードを除いた有人警戒モード及び無人警戒モードが含まれる。例えば20XX年12月1日~12月7日までの各日の有人警戒モードの利用時間の合計を足し合わせることにより、この1週間の有人警戒モードの利用時間の合計が得られる。同様に、20XX年12月1日~12月7日までの各日の無人警戒モードの利用時間の合計を足し合わせることにより、この1週間の無人警戒モードの利用時間の合計が得られる。続いて、20XX年12月1日~12月7日までの有人警戒モードの利用時間の合計と無人警戒モードの利用時間の合計とを足し合わせることにより、この1週間の警戒モードの利用時間の合計が得られる。例えば20XX年12月1日~12月7日までの有人警戒モードの利用時間の合計が65時間であり、無人警戒モードの利用時間の合計が35時間である場合、この1週間の警戒モードの利用時間の合計は100時間となる。一の例において、指標値は、1週間に占める警戒モードの利用時間の合計の割合である。1週間は168時間であるため、1週間の警戒モードの利用時間の合計が100時間である場合、指標値は100時間/168時間×100=約60%となる。
【0054】
ステップS16において、サーバ装置400の決定手段413は、ステップS15において算出された指標値と閾値との比較により評価レベルを決定する。この閾値は、予め設定されている。ここでは、第1閾値が20%であり、第2閾値が40%であるものとする。指標値が第1閾値未満である場合には、評価レベル1が決定される。指標値が第1閾値以上第2閾値未満である場合には、評価レベル2が判定される。指標値が第2閾値以上である場合には、評価レベル3が決定される。例えば指標値が60%である場合には、第2閾値以上であるため、評価レベル3が決定される。
【0055】
また、決定手段413は、警備モードの設定履歴により示される第2所定期間に設定された警備モードの種類に応じて評価レベルを調整する。すなわち、決定手段413は、ステップS15において算出された指標値に加えて、第2所定期間に設定された警備モードの種類に応じて最終的な評価レベルを決定する。具体的には、決定手段413は、第2所定期間において設定された警備モードに有人警戒モードが含まれる場合には、対象者が適切に警備モードを使い分けていると考えられるため、評価レベルを1つ上げる。例えば20XX年12月1日~12月7日に設定された警備モードに有人警戒モードが含まれる場合には、指標値に応じて決定された評価レベル3が4に変更される。
【0056】
ステップS17において、サーバ装置400の生成手段414は、ステップS16において決定された評価レベルに応じた評価結果を生成する。評価結果には、評価レベルと、この評価レベルと警備モードの設定履歴により示される警備モードの利用状況とに応じたコメントとが含まれる。
【0057】
例えば20XX年12月1日~12月7日の評価レベルが4である場合、評価結果にはこの評価レベル4が含まれる。また、20XX年12月1日~12月7日に設定された警備モードに無人警戒モードと有人警戒モードとが両方とも含まれる場合には、図4に示されるコメントテーブル421から、評価レベル4と、「無人警戒モードと有人警戒モードとを利用」との組合せに関連付けられた「外出時、在宅時ともに防犯意識が高く、しっかり防犯機能を使用して頂いています。引き続き、変わらず防犯機能をご活用下さい。」というコメントが読み出され、評価結果にはこのコメントが含まれる。
【0058】
ステップS18において、サーバ装置400の出力手段415は、ステップS14の積算処理の結果を示す積算情報と、記憶部402に記憶された第2所定期間における警備モード情報と、ステップS17において生成された評価結果とを端末装置600に送信する。積算情報には、第1所定期間と、各警備モードの利用時間の合計とを示す情報が含まれる。第2所定期間における警備モード情報には、第2所定期間において設定された警備モードの種類と、その警備モードの設定日時とを示す情報が含まれる。端末装置600の取得手段611は、サーバ装置400から積算情報、警備モード情報、及び評価結果を受信する。
【0059】
ステップS19において、端末装置600の表示制御手段612は、受信した積算情報と警備モード情報とを用いて、第1所定期間における各警備モードの利用時間の合計に応じた情報と、第1所定期間における各警備モードが設定されていた時間帯とを表示部605に表示する。また、表示制御手段612は、受信した評価結果を表示部605に表示する。
【0060】
図7は、表示部605に表示される画面650の一例を示す図である。画面650には、一日単位の画面650Aと、一週間単位の画面650Bとが含まれる。これらの画面650A及び650Bは、操作部604を用いた操作に応じて切り替えられる。例えば画面650Aに含まれるスイッチ690を切り替える操作に応じて、画面650Aから画面650Bに切り替えられる。同様に、画面650Bに含まれるスイッチ690を切り替える操作に応じて、画面650Bから画面650Aに切り替えられる。
【0061】
画面650Aには、各警備モードが設定されていた時間帯を表すドーナツ型のチャート655が含まれる。ここでは、画面650Aの対象の日が20XX年12月1日であるものとする。上述した例では、20XX年12月1日の0時から9時までは有人警戒モードが設定され、9時から15時まで無人警戒モードが設定され、15時から18時まで解除モードが設定され、18時から24時まで有人警戒モードが設定されている。この場合、円周の時間軸に沿って、0時から9時の時間帯及び18時から24時の時間帯に有人警戒モードを表す要素656が表示され、9時から15時の時間帯に無人警戒モードを表す要素657が表示され、15時から18時までの時間帯に解除モードを表す要素658が表示される。要素656~658は、色、色の濃淡、又はパターンを異ならせることにより、それぞれ区別して表示される。
【0062】
チャート655を見ることにより、見守り者又は対象者は各警備モードが設定されていた時間帯が分かる。例えば後述するグラフ651において解除モードの利用時間の合計を確認した後に、チャート655を見ることにより、解除モードが実際に一日のどの時間帯で設定されていたかが分かる。
【0063】
画面650Bには、一週間の各曜日について各警備モードの利用時間の合計を表すグラフ651が横に並べて表示される。グラフ651は、一日に占める各警備モードの利用時間の合計を表す積み上げ棒グラフである。グラフ651の縦軸は一日の時間を示す。バー652、653、及び654は、それぞれ、有人警戒モードの利用時間の合計、無人警戒モードの利用時間の合計、及び解除モードの利用時間の合計を表す。バー652~654は、色、色の濃淡、又はパターンを異ならせることにより、それぞれ区別して表示される。グラフ651では、バー652が最初に積み上げられ、バー652の上にバー653及び654が順番に積み上げられる。すなわち、有人警戒モードの利用時間の合計を表すバー652は最初に配置される。
【0064】
ここでは、例えば20XX年12月1日月曜日の有人警戒モードの利用時間の合計が15時間である場合、月曜日のグラフ651に含まれるバー652は、一日に占めるこの利用時間の合計の割合に応じた長さを有する。また、20XX年12月1日月曜日の無人警戒モードの利用時間の合計が6時間である場合、月曜日のグラフ651に含まれるバー653は、一日に占めるこの利用時間の合計の割合に応じた長さを有する。さらに、20XX年12月1日月曜日の解除モードの利用時間の合計が3時間である場合、月曜日のグラフ651に含まれるバー654は、一日に占めるこの利用時間の合計の割合に応じた長さを有する。グラフ651を見ることにより、見守り者又は対象者は一日に占める各警備モードの利用時間の合計が分かる。
【0065】
また、画面650Bには、評価欄660が含まれる。評価欄660は、本発明に係る「評価画像」の一例である。評価欄660には、評価結果に含まれる評価レベルを表す星形のマーク661と、評価結果に含まれるコメント662とが含まれる。マーク661は、評価レベルに応じた数だけ中が塗りつぶされる。なお、残りのマーク661は中が塗りつぶされず背景色となる。例えば評価レベルが4である場合には、図7に示されるように4つのマーク661が全て塗りつぶされる。また、評価欄660には、評価結果に含まれる「外出時、在宅時ともに防犯意識が高く、しっかり防犯機能を使用して頂いています。引き続き、変わらず防犯機能をご活用下さい。」というコメント662が表示される。
【0066】
なお、上述したステップS14~S18の処理は、1週間等の所定の時間間隔で行われてもよい。この場合、ステップS18において、積算情報、警備モード情報、及び評価結果は、サーバ装置400からプッシュ型で送信される。或いは、上述したステップS14~S18の処理は、端末装置600からの要求に応じて行われてもよい。この場合、ステップS18において、積算情報、警備モード情報、及び評価結果は、端末装置600からの要求に応じてサーバ装置400からプル型で送信される。一の例において、端末装置600において見守りサービスの機能を提供するためのアプリケーションプログラムが起動されると、端末装置600からサーバ装置400に積算情報、警備モード情報、及び評価結果の取得要求が行われ、この取得要求に応じてステップS14~S18の処理が行われる。
【0067】
また、端末装置600からの要求に応じてプル型で送信される場合において端末装置600からリアルタイムの情報の取得要求が行われたときは、所定期間の開始時刻から現在時刻までの期間が所定期間となる。例えば20XX年12月3日15時にリアルタイムの情報の取得要求が行われた場合には、この日が属する週の開始日である20XX年12月1日0時から20XX年12月3日15時までの期間に占める警戒モードの利用時間の合計の割合が指標値として算出され、この指標値を用いて評価レベルが決定される。この場合、20XX年12月1日0時から20XX年12月3日15時までの期間の評価レベルとこの評価レベルに応じたコメントとを含む評価結果がサーバ装置400から端末装置600に送信され、端末装置600に表示される。
【0068】
上述した実施形態によれば、警戒モードの利用時間の合計に応じた評価レベルが端末装置600に表示されるため、複数の警備モードが適切に利用されているか否かを容易に認識することができ、監視サービスの活用度を容易に把握することができる。また、評価レベルが低い場合は、警戒モードに設定するよう見守り者が対象者に呼び掛けたり、警戒モードを積極的に設定しようと対象者自身が気付くことができる。また、有人警戒モードが設定されている場合には評価レベルが上がるため、より実情に即した評価レベルが決定される。さらに、端末装置600には、評価レベルとともに評価レベルに応じたコメントが表示されるため、見守り者又は対象者は警備モードの利用の仕方をどのように改善すればよいかが分かる。
【0069】
変形例
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態は、以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0070】
変形例1
上述した実施形態において、指標値は、所定期間に占める警戒モードの利用時間の合計の割合に限定されない。指標値は、警戒モードの利用時間の合計であってもよいし、警戒モードの利用時間の合計に応じた点数であってもよい。この点数は、警戒モードの利用時間の合計が大きくなるほど大きくなる。例えば指標値が警戒モードの利用時間の合計に応じた点数である場合、警戒モードの利用時間の合計に応じた点数が第1閾値未満である場合には評価レベル1が、第1閾値以上第2閾値未満である場合には評価レベル2が、第2閾値以上である場合には評価レベル3が決定される。
【0071】
また、所定期間において設定された警備モードの種類に応じて、指標値に重み付けが行われてもよい。ここでは、指標値が、有人警戒モードの利用時間の合計に応じた点数と無人警戒モードの利用時間の合計に応じた点数との合計であるものとする。この場合、有人警戒モードの利用時間の合計に応じた点数には、1.5や2等の1より大きい重み係数を用いてこの点数が大きくなるように重み付けが行われてもよい。これにより、所定期間に設定された警備モードに有人警戒モードが含まれる場合には、評価レベルが上がり易くなる。
【0072】
或いは、所定期間において設定された警備モードの種類に応じて、閾値が変更されてもよい。例えば所定期間に設定された警備モードに有人警戒モードが含まれる場合には、閾値が下げられてもよい。この方法であっても、所定期間に設定された警備モードに有人警戒モードが含まれる場合には、評価レベルが上がり易くなる。
【0073】
変形例2
上述した実施形態において、評価レベルは、各警備モードの利用時間の合計に応じた指標値に加えて、警備モードの設定履歴により示される所定期間に設定された警備モードの種類とその警備モードが設定された時間帯とに応じて決定されてもよい。一の例において、評価レベルは、第2所定期間に設定された警備モードの種類と、この警備モードが設定された時間帯とに応じて調整される。例えば夜間の時間帯に警戒モードが設定された場合には、この時間帯に適した警備モードが設定されているため、評価レベルが1つ上げられる。一方、例えば深夜の時間帯に解除モードが設定されていた場合には、本来であれば警戒モードが設定されるべき時間帯であるにも関わらず不適切な警備モードが設定されていると考えられるため、評価レベルが1つ下げられる。或いは、評価レベルを上げるのに代えて閾値が下げられ、評価レベルを下げるのに代えて閾値が上げられてもよい。この変形例によれば、警備モードが設定された時間帯とその警備モードの種類とを考慮した、より実情に即した適切な評価レベルが決定されるため、対象者又は見守り者の納得感が高くなる。また、実情に即したコメントを出力することで、見守り者又は対象者が評価レベルを上げるために必要な行動を把握することができる。
【0074】
変形例3
上述した実施形態において、評価レベルは、各警備モードの利用時間の合計に加えて、所定期間におけるセンサ100の検知結果と、警備モードの設定履歴により示される所定期間に設定された警備モードの種類及びこの警備モードが設定された時間帯とに応じて決定されてもよい。一の例において、評価レベルは、第2所定期間におけるセンサ100の検知結果と、第2所定期間に設定された警備モードの種類と、この警備モードが設定された時間帯とに応じて調整される。センサ100の検知結果は、センサ100の検知情報により示される。センサ100の検知結果には、センサ100の設置場所や種類等の属性情報が含まれてもよい。
【0075】
例えば屋内のセンサ100により第2所定期間内の或る時間帯に屋内に居る対象者が検知された状態が2時間等の所定時間以上継続しており、且つこの時間帯に設定された警備モードが解除モードである場合には、本来であれば有人警戒モードが設定されるべきであるにも関わらず不適切な警備モードが設定されていると考えられるため、評価レベルが1つ下げられる。或いは、評価レベルを下げるのに代えて閾値が上げられてもよい。
【0076】
また、窓センサにより第2所定期間内の或る時間帯に窓の開放が検知されていない状態が2時間等の所定時間以上継続しており、且つこの時間帯に設定された警備モードが解除モードである場合には、本来であれば有人警戒モード又は無人警戒モードが設定されるべきであるにも関わらず不適切な警備モードが設定されていると考えられるため、評価レベルが1つ下げられる。或いは、評価レベルを下げるのに代えて閾値が上げられてもよい。
【0077】
一方、屋外のセンサ100及び窓センサにより第2所定期間内の或る時間帯に屋外に居る対象者が検知された状態又は窓の開放が検知された状態が所定時間以上継続しており、且つこの時間帯に設定された警備モードが解除モードである場合には、対象者はこの時間帯に屋外作業や換気等の活動を行っており、解除モードの設定が必要な状況であったと考えられるため、評価レベルが1つ上げられる。或いは、評価レベルを上げるのに代えて閾値が下げられてもよい。
【0078】
この変形例によれば、センサ100の検知結果と、設定された警備モードの種類とを考慮した、より実情に即した適切な評価レベルが決定されるため、対象者又は見守り者の納得感が高くなる。
【0079】
変形例4
上述した実施形態において、第2所定期間に設定された有人警戒モードの回数に応じて、評価レベルが上げられてもよい。一の例において、1週間に3回等の所定回数以上有人警戒モードが設定された場合には、評価レベルが1つ上げられてもよい。別の例において、1週間毎日1回以上有人警戒モードが設定された場合には、評価レベルが1つ上げられてもよい。
【0080】
また、第2所定期間に設定された有人警戒モードの利用時間の長さに応じて、評価レベルが上げられてもよい。一の例において、1週間の有人警戒モードの利用時間の合計が42時間等の閾値以上である場合には、評価レベルが1つ上げられてもよい。
【0081】
変形例5
上述した実施形態において、評価結果には、センサ100の検知結果と、警備モードの設定履歴により示される所定期間に設定された警備モードの種類とに応じたコメントが含まれてもよい。センサ100の検知結果は、センサ100の検知情報により示される。センサ100の検知結果には、センサ100の設置場所や種類等の属性情報が含まれてもよい。
【0082】
例えば対象者が就寝している時間帯に解除モードが設定された場合、評価結果には、「就寝時にも防犯機能を活用するようお勧めください。」というコメントが含まれてもよい。対象者が就寝している時間帯は、例えば屋内のセンサ100の検知結果から特定される。このコメントが表示されることにより、見守り者又は対象者は警備モードの利用の仕方をどのように改善すればよいかがより詳細に分かる。
【0083】
また、評価結果には、センサ100の検知情報と、警備モードの設定履歴又はこの設定履歴により示される所定期間に設定された警備モードの種類とに応じて、防犯以外の事象に関するコメントが含まれてもよい。ここでは、センサ100に二酸化炭素濃度を測定するセンサが含まれるものとする。例えばこのセンサにより測定された二酸化炭素濃度が閾値以上であるが、窓センサにより窓の開放が検知されておらず、又は有人警戒モードが設定されている場合には、評価結果には、「防犯機能を良く活用して頂いていますが、窓を開けて換気をしても良いかもしれません。」という窓を開けることを勧めるコメントが含まれてもよい。さらに、評価結果には、サーバ装置400が外部装置から取得した、対象者が居住している地域の窃盗や詐欺等の防犯情報が含まれてもよい。このコメント又は地域の防犯情報が表示されることにより、見守り者又は対象者は、対象者の危険に関する様々な情報を得ることができる。
【0084】
変形例6
上述した実施形態において、第2所定期間の評価レベルに加えて、第1所定期間の評価レベルが決定されてもよい。ここでは、第1所定期間が1日であるものとする。この変形例では、1日における警戒モードの利用時間の合計に応じた指標値が算出され、この指標値に応じた評価レベルが決定される。なお、対象の日は、見守り者又は対象者の操作により選択されてもよいし、前日等、現在の日付を基準に設定されてもよい。そして、1日の評価レベルとその評価レベルに応じたコメントとを含む評価結果がサーバ装置400から端末装置600に送信され表示される。この場合、画面650Aには1日の評価レベルとその評価レベルに応じたコメントが表示される。画面650Bには、上述した実施形態のように、1週間の評価レベルとその評価レベルに応じたコメントが表示される。この変形例によれば、第1所定期間と第2所定期間のそれぞれについて、複数の警備モードが適切に利用されているか否かを容易に認識することができる。
【0085】
変形例7
上述した実施形態において、評価レベルによって評価結果の通知方法が異なってもよい。具体的には、評価レベルが閾値以下の場合には、評価結果が積極的に通知されてもよい。例えば評価レベルが3以上の場合には、見守り者又は対象者が見守りサービスの機能を提供するためのアプリケーションプログラムを起動する操作を行うと、画面650A又は650Bが表示されるものの、特に評価結果の通知は行われない。一方、評価レベルが2以下の場合には、出力手段415は、見守り者又は対象者が操作を行わなくても、プッシュ通知方式で評価レベルが2以下であることを端末装置600に通知する。この場合、端末装置600においては、見守り者又は対象者が操作を行わなくても、通知音の出力、通知メッセージの表示、アイコン表示の変化等により、見守り者又は対象者に評価レベルが2以下であることを通知する処理が行われる。この変形例によれば、評価レベルが閾値以下の場合には、見守り者又は対象者が操作を行わなくても評価結果が分かる。
【0086】
変形例8
上述した実施形態において、評価レベルは1から4の4段階のレベルに限定されない。評価レベルは、3段階以下のレベルであってもよいし、5段階以上のレベルであってもよい。評価レベルは、数字に限定されず、「高」、「中」、「低」といった文字又は記号により表現されてもよい。
【0087】
また、評価値は評価レベルに限定されない。例えば評価レベルに代えて又は加えて、指標値が評価値として用いられてもよい。この場合、指標値を含む評価結果がサーバ装置400から端末装置600に送信されて表示される。この指標値は、実施形態に係る所定期間に占める警戒モードの利用時間の合計の割合に限定されず、上述した変形例1に係る警戒モードの利用時間の合計又は警戒モードの利用時間の合計に応じた点数であってもよい。この方法であっても、複数の警備モードが適切に利用されているか否かを容易に認識することができる。
【0088】
変形例9
上述した実施形態において、サーバ装置400は、画面650A及び650Bに対応するウェブ画面を生成し、端末装置600に提供してもよい。
【0089】
変形例10
上述した実施形態において、一の装置の機能を複数の装置が分散して有してもよいし、複数の装置の機能を一の装置がまとめて有していてもよい。例えばコントローラ200は、必ずしも監視対象エリアの侵入監視を行う機能と対象者の見守りを行うための機能とを両方とも有していなくてもよい。コントローラ200に代えて監視対象エリアの侵入監視を行う機能を有する第1コントローラと、対象者の見守りを行うための機能を有する第2コントローラとが用いられてもよい。
【0090】
変形例11
上述した実施形態において、監視システム10において各機能の主体は例示であり、この例に限定されない。サーバ装置400の機能をコントローラ200又は端末装置600が有していてもよい。すなわち、サーバ装置400が行っている処理をコントローラ200又は端末装置600が行ってもよい。一の例において、サーバ装置400の取得手段411、算出手段412、決定手段413、生成手段414、及び出力手段415のうち少なくとも一部をコントローラ200又は端末装置600が有していてもよい。別の例において、サーバ装置400に代えて各端末装置600が生成手段414を有し、各端末装置600の記憶部602にはコメントテーブル421が記憶されてもよい。
【0091】
変形例12
上述した実施形態において、監視システム10の動作は上述した例に限定されない。監視システム10の処理手順は、矛盾の無い限り、順序が入れ替えられてもよい。また、監視システム10の一部の処理手順が省略されてもよい。
【0092】
変形例13
本発明の別の形態は、監視システム10、センサ100、コントローラ200、設定ユニット300、サーバ装置400、及び端末装置600のうち少なくともいずれかにおいて行われる処理のステップを有する方法を提供してもよい。また、本発明のさらに別の形態は、センサ100、コントローラ200、設定ユニット300、サーバ装置400、又は端末装置600において実行されるプログラムを提供してもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されて提供されてもよいし、インターネット等を介したダウンロードによって提供されてもよい。
【符号の説明】
【0093】
10:監視システム、100:センサ、200:コントローラ、211:取得手段、212:設定手段、213:送信手段、300:設定ユニット、400:サーバ装置、411:取得手段、412:算出手段、413:決定手段、414:生成手段、415:出力手段、600:端末装置、605:表示部、611:取得手段、612:表示制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7