(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157845
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】光源装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/11 20200101AFI20221006BHJP
【FI】
H05B47/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062301
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】木暮 靖男
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA05
3K273QA06
3K273RA14
3K273SA03
3K273SA35
3K273SA45
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA37
3K273TA41
3K273UA22
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】温度変化等の外乱による影響を受け難く、所望の光量を安定して維持することが可能な光源装置を提供すること。
【解決手段】光源装置が、N個(Nは2以上の整数)の光源と、N個の光源から出射される光の強度を検出する光センサと、N個の光源から出射される光の基準強度をそれぞれ記憶する記憶手段と、N個の光源の発光を所定の制御周期で制御する制御手段と、を備え、制御周期は、光センサにより光の強度を検出する第1期間と、N個の光源がそれぞれ所定の光量で発光する第2期間と、からなり、制御手段は、第1期間内にN個の光源のいずれか1つを所定時間発光させて、光センサにより光の強度を検出し、検出された光の強度と基準強度に基づいて光量の補正量を求め、第1期間と連続する第2期間内に、前記補正量に基づいて、前記N個の光源のいずれか1つから出射される光の光量を補正し、N個の光源から出射される光の光量が、N回の制御周期によって、それぞれ補正される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N個(Nは2以上の整数)の光源と、
前記N個の光源から出射される光の強度を検出する光センサと、
前記N個の光源から出射される光の基準強度をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記N個の光源の発光を所定の制御周期で制御する制御手段と、
を備え、
前記制御周期は、前記光センサにより光の強度を検出する第1期間と、前記N個の光源がそれぞれ所定の光量で発光する第2期間と、からなり、
前記制御手段は、
前記第1期間内に前記N個の光源のいずれか1つを所定時間発光させて、前記光センサにより光の強度を検出し、検出された光の強度と前記基準強度に基づいて光量の補正量を求め、
前記第1期間と連続する前記第2期間内に、前記補正量に基づいて、前記N個の光源のいずれか1つから出射される光の光量を補正し、
前記N個の光源から出射される光の光量が、N回の前記制御周期によって、それぞれ補正される
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記N個の光源から出射される光の光量が、連続するN回の前記制御周期で順番に補正されることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記N個の光源の、前記第2期間内の点灯期間と消灯期間のデューティ比を調整することによって前記N個の光源から出射される光の光量をそれぞれ補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記点灯期間が、前記所定時間に応じて短くなるように変更されることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記所定時間の発光が、前記点灯期間の発光と連続することを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記N個の光源の、前記第2期間内の発光強度を調整することによって前記N個の光源から出射される光の光量をそれぞれ補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源装置。
【請求項7】
前記所定時間の発光が、前記第2期間の発光と連続することを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記N個の光源が、M種類(Mは2以上N以下の整数)の異なる色の光を出射する光源からなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記N個の光源から出射される光を混合し白色光を出射する光混合器をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
前記光混合器は、前記N個の光源から出射される光を混合して拡散する拡散板であることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記光センサは、前記拡散板からの反射光を受光するように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記N個の光源は、励起光を出射する1個からN個のLED素子と、各LED素子の光路中に配置され前記励起光によって蛍光を発する蛍光体と、を有することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項13】
前記基準強度は、前記光混合器から出射される前記白色光が所定の分光分布になるように調整されたときの、前記N個の光源から出射される光の強度であることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の光源を備える光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、照明装置、光学系の校正、液晶のバックライト装置などの用途で、演色性の高い(例えば、平均演色評価数Raが80以上の)光源装置が実用に供されている。このような光源装置は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を出射する複数のLEDを備え、RGBの各光を適正な比率で混合して所定の色度の白色光を出射するように構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の光源装置は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光を放出する複数のLEDをユニットケースの底部に並列に複数列配設されたLEDアレイと、ユニットケースの側面に配設された光センサと、光センサと各LEDアレイに電気的に接続された制御回路と、LEDアレイを覆うように配設される光学部材(拡散シート、レンズシート)等を備えている。
光センサは、LEDから出射されたRGB光を検出する機能を有し、制御回路は、光センサの出力をピークホールドして目標値と比較し、比較結果に基づいてRGBの各LEDの駆動電流を制御し、光源装置からは所定の色度の白色光が出射されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の光源装置によれば、RGBの光がそれぞれ所定の光量となるようにフィードバック制御されるため、光源装置からは所定の色度の白色光が出射される。しかしながら、特許文献1の構成は、RGBの各LEDからの異なる分光分布を持つ光に対応した分光感度を備える光センサが必要となるため、構成が複雑となり、また、各光センサの温度に対する感度特性に差がある場合、微視的には光量及び色度にばらつきが生じるといった問題があった。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、温度変化等の外乱による影響を受け難く、所望の光量を安定して維持することが可能な光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の光源装置は、N個(Nは2以上の整数)の光源と、N個の光源から出射される光の強度を検出する光センサと、N個の光源から出射される光の基準強度をそれぞれ記憶する記憶手段と、N個の光源の発光を所定の制御周期で制御する制御手段と、を備え、制御周期は、光センサにより光の強度を検出する第1期間と、N個の光源がそれぞれ所定の光量で発光する第2期間と、からなり、制御手段は、第1期間内にN個の光源のいずれか1つを所定時間発光させて、光センサにより光の強度を検出し、検出された光の強度と基準強度に基づいて光量の補正量を求め、第1期間と連続する第2期間内に、前記補正量に基づいて、前記N個の光源のいずれか1つから出射される光の光量を補正し、N個の光源から出射される光の光量が、N回の制御周期によって、それぞれ補正されることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、N個の光源から出射される光の光量が順番に補正されるため、所定の光量を安定して維持することが可能となる。
【0009】
また、N個の光源から出射される光の光量が、連続するN回の制御周期で順番に補正されることが望ましい。
【0010】
制御手段は、N個の光源の、第2期間内の点灯期間と消灯期間のデューティ比を調整することによってN個の光源から出射される光の光量をそれぞれ補正することが望ましい。また、この場合、点灯期間が、所定時間に応じて短くなるように変更されることが望ましい。また、所定時間の発光が、点灯期間の発光と連続することが望ましい。
【0011】
また、制御手段は、N個の光源の、第2期間内の発光強度を調整することによってN個の光源から出射される光の光量をそれぞれ補正することが望ましい。また、この場合、所定時間の発光が、第2期間の発光と連続することが望ましい。
【0012】
また、N個の光源が、M種類(Mは2以上N以下の整数)の異なる色の光を出射する光源からなることが望ましい。また、この場合、N個の光源から出射される光を混合し白色光を出射する光混合器をさらに備えることが望ましい。また、この場合、光混合器は、N個の光源から出射される光を混合して拡散する拡散板であることが望ましい。
【0013】
また、光センサは、拡散板からの反射光を受光するように配置されていることが望ましい。
【0014】
また、N個の光源は、励起光を出射する1個からN個のLED素子と、各LED素子の光路中に配置され励起光によって蛍光を発する蛍光体と、を有することが望ましい。
【0015】
また、目標強度は、光混合器から出射される白色光が所定の分光分布になるように調整されたときの、N個の光源から出射される光の強度であることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、N個の光源の発光強度が所定の周期で検出され、N個の光源から出射される光の光量が順番に補正されるため、温度変化等の外乱による影響を受け難く、所望の光量を安定して維持することが可能な光源装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置の構成を説明する分解斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の光照射装置の電気的な接続を説明するブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置の初期調整工程を説明するフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置の初期調整工程を説明するフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置の初期調整工程を説明するフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置の動作を示すタイミングチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムのフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムのフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第1の変形例のタイミングチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第1の変形例のフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第1の変形例のフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第2の変形例のタイミングチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第2の変形例のフローチャートである。
【
図14】
図14は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第2の変形例のフローチャートである。
【
図15】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置の初期調整工程を説明するフローチャートである。
【
図16】
図16は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置の初期調整工程を説明するフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置の初期調整工程を説明するフローチャートである。
【
図18】
図18は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置の動作を示すタイミングチャートである。
【
図19】
図19は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムのフローチャートである。
【
図20】
図20は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムのフローチャートである。
【
図21】
図21は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第3の変形例のタイミングチャートである。
【
図22】
図22は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第3の変形例のフローチャートである。
【
図23】
図23は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置で実行される制御プログラムの第3の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光照射装置1(光源装置)の構成を説明する分解斜視図である。また、
図2は、
図1の光照射装置1の電気的な接続を説明するブロック図である。本実施形態の光照射装置1は、例えば、印刷物・塗装の検査用光源、撮像素子などの校正用光源、液晶のバックライト装置などの用途で用いられる、演色性の高い光源装置である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の光照射装置1は、光源ユニット10、拡散板20(光混合器)、ケース30、制御基板40を備えている。
【0021】
光源ユニット10は、異なる色の光を出射する複数のLED11、12、13、14、15(光源)と、各LED11、12、13、14、15からの光の強度を検出する光センサ17と、これらの素子が搭載される矩形状の基板19と、を備えている。なお、
図1において、各LED11、12、13、14、15は、それぞれ異なるグレースケールを用いて示している。
【0022】
LED11は、例えば、赤色の光を出射する光源であり、
図2に示すように、紫外光を出射するLED素子18と、LED素子18上に配置され、LED素子18からの紫外光(励起光)を吸収して赤色光を発光する蛍光体11aと、を有している。
LED12は、例えば、橙色の光を出射する光源であり、
図2に示すように、紫外光を出射するLED素子18と、LED素子18上に配置され、LED素子18からの紫外光(励起光)を吸収して橙色光を発光する蛍光体12aと、を有している。
LED13は、例えば、緑色の光を出射する光源であり、
図2に示すように、紫外光を出射するLED素子18と、LED素子18上に配置され、LED素子18からの紫外光(励起光)を吸収して緑色光を発光する蛍光体13aと、を有している。
LED14は、例えば、青緑色の光を出射する光源であり、
図2に示すように、紫外光を出射するLED素子18と、LED素子18上に配置され、LED素子18からの紫外光(励起光)を吸収して青緑色光を発光する蛍光体14aと、を有している。
LED15は、例えば、青色の光を出射する光源であり、
図2に示すように、紫外光を出射するLED素子18と、LED素子18上に配置され、LED素子18からの紫外光(励起光)を吸収して青色光を発光する蛍光体15aと、を有している。
本実施形態においては、各LED11、12、13、14、15は、基板19の表面上に分散して(例えば、千鳥状に)配置されている(
図1)。また、各LED11、12、13、14、15は、基板19を介して制御基板40と電気的に接続されており、制御基板40からの信号によって各LED11、12、13、14、15の発光が制御されるようになっている(
図2)。なお、
図2においては、図面を見易くするために、各LED11、12、13、14、15を1個ずつ示しているが、実際には各LED11、12、13、14、15は複数個(例えば、10個)ずつ存在し、全てのLED11、12、13、14、15が制御基板40からの信号によって個別に制御されるようになっている。なお、各LED11、12、13、14、15は、必ずしも千鳥状に配置されている必要はなく、光が照射された領域で、光の色がより均一になるように、各LED11、12、13、14、15の割合(個数)や配置を変更することができる。
【0023】
光センサ17は、基板19の表面上に配置され、拡散板20からの反射光を受光するセンサ(例えば、フォトダイオード)であり、各LED11、12、13、14、15から出射された光の一部が光センサ17によって受光されるように構成されている。光センサ17は、基板19を介して制御基板40と電気的に接続されており、受光した光を光電変換して制御基板40に対して出力する(
図2)。
【0024】
拡散板20は、光源ユニット10を覆うように配置され、LED11、12、13、14、15から入射する光を混合して拡散させ、白色光を出射する光学素子である。本実施形態の拡散板20は、平面からなる表面(
図1において外側の面)と不連続な凹凸面からなる裏面(光源ユニット10と対向する面)を有している。拡散板20は、例えば、透明樹脂や光学ガラスからなり、表面は光出射面となっており、裏面は、サンドブラスト処理された光拡散面となっている。
【0025】
ケース30は、矩形升形の部材であり、光源ユニット10と拡散板20を収容している。
【0026】
制御基板40は、基板19と電気的に接続され、光センサ17からの信号を受信すると共に、各LED11、12、13、14、15の発光を制御する電子回路である。
図2に示すように、本実施形態の制御基板40は、CPU41(制御手段)、記憶部42(記憶手段)、LED駆動回路43、AD変換回路44等を有している。
【0027】
CPU41は、論理演算を実行する演算部(不図示)、データ等が一時的にストアされるRAM(不図示)等から構成され、光照射装置1全体を制御する機能を備えている。CPU41は、記憶部42、LED駆動回路43、AD変換回路44と電気的に接続されており、光照射装置1に電源が入力されると、記憶部42に記憶された制御プログラムを読み出し、これら各部を制御する(詳細は後述)。
【0028】
記憶部42は、CPU41で実行される、発光強度調整プログラム、基準値設定プログラム、制御プログラムや各プログラムで使用されるデータを保存する、いわゆる不揮発性メモリである。
【0029】
AD変換回路44は、光源ユニット10の光センサ17と電気的に接続され、光センサ17からのアナログ信号をデジタル信号に変換してCPU41に出力する回路である。
【0030】
LED駆動回路43は、光源ユニット10の各LED11、12、13、14、15と電気的に接続され、各LED11、12、13、14、15に駆動電流を供給する回路である。LED駆動回路43は、CPU41からの指示(信号)に従って、各LED11、12、13、14、15のLED素子18をオン・オフすると共に、所定の駆動電流を各LED素子18に出力する。なお、本実施形態のLED駆動回路43は、各LED11、12、13、14、15のLED素子18を、予め設定した電流値Ifで、かつ所定の周波数(例えば、100Hz)でPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御することにより、各LED11、12、13、14、15の光量を調整する。
【0031】
LED駆動回路43からの駆動電流が各LED素子18に供給されると、各LED素子18からは駆動電流に応じた光量の紫外光(例えば、波長365nm)が出射され、各LED11、12、13、14、15からは各LED素子18の紫外光の光量に応じた各色光が出射される。そして、各LED11、12、13、14、15から出射される各色光は、拡散板20によって混合、拡散され、白色光として出射されるようになっている。なお、各LED11、12、13、14、15からの各色光は、拡散板20から白色光が出射されるように、工場出荷時に所定の光量に調整されている(つまり、各色光のバランスが調整されている)。なお、本明細書において、各LED11、12、13、14、15の「光量」とは、各LED11、12、13、14、15から出射される各色光の「強度」(つまり、各LED11、12、13、14、15の「発光強度(W)」)と「時間(s)」との積分値(つまり、エネルギー(J))を意味するものとする。
【0032】
(光照射装置1の初期調整工程)
図3~
図5は、工場出荷時に行われる、光照射装置1の初期調整工程を説明するフローチャートであり、
図3及び
図4は、全てのLED11、12、13、14、15の光量を調整する光量調整工程を示し、
図5は、
図3及び
図4で調整された光量における発光強度を基準強度として記憶させる基準強度設定工程である。なお、
図3~
図5においては、説明の便宜のため、各1個のLED11、12、13、14、15の光量調整、基準強度設定を行うものとして説明するが、実際には全てのLED11、12、13、14、15について光量調整、基準強度設定が行われる。
【0033】
図2に示すように、光量調整工程は、拡散板20の前に分光分布測定器50のセンサ部51を配置し、不図示のケーブルで分光分布測定器50と制御基板40とを接続した状態で、作業者からの指示に基づいて(例えば、作業者が不図示の操作部を操作することによって)、CPU41が記憶部42内の光量調整プログラムを実行することによって行われる。
【0034】
図3に示すように、光量調整プログラムが実行されると、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、まずLED11を、予め設定した電流値Ifで、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty50%で点灯する(ステップS101)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED11の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS102)。ステップS102で、CPU41が、LED11の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS102:NO)、LED11のDuty値(つまり、LED11がオンしている比率(デューティ比))を変更する(ステップS103)。つまり、LED11の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が大きくなるように変更し、LED11の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が小さくなるように変更する。そして、ステップS102とステップS103を繰り返し、CPU41が、LED11の光量が所定値になったと判断すると(ステップS102:YES)、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、CPU41は、ステップS103で変更されたDuty値を記憶部42内に配列aの要素(1)として保存し、LED11を消灯する。ステップS104が終了すると処理はステップS105に進む。なお、本実施形態の配列aは、全てのLED11、12、13、14、15の工場出荷時のDuty値を保存する配列(Array)であり、要素数は全てのLED11、12、13、14、15の個数(例えば、N個(Nは2以上の整数))に等しい。
【0035】
ステップS105では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED12を、予め設定した電流値Ifで、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty50%で点灯する(ステップS105)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED12の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS106)。ステップS106で、CPU41が、LED12の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS106:NO)、LED12のDuty値(つまり、LED12がオンしている比率(時間))を変更する(ステップS107)。つまり、LED12の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が大きくなるように変更し、LED12の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が小さくなるように変更する。そして、ステップS106とステップS107を繰り返し、CPU41が、LED12の光量が所定値になったと判断すると(ステップS106:YES)、処理はステップS108に進む。
ステップS108では、ステップS107で変更されたDuty値を、配列aの要素(2)として保存し、LED12を消灯する。ステップS108が終了すると処理はステップS109に進む。
【0036】
ステップS109では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED13を、予め設定した電流値Ifで、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty50%で点灯する(ステップS109)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED13の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110で、CPU41が、LED13の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS110:NO)、LED13のDuty値(つまり、LED13がオンしている比率(時間))を変更する(ステップS111)。つまり、LED13の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が大きくなるように変更し、LED13の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が小さくなるように変更する。そして、ステップS110とステップS111を繰り返し、CPU41が、LED13の光量が所定値になったと判断すると(ステップS110:YES)、処理はステップS112に進む。
ステップS112では、ステップS111で変更されたDuty値を、配列aの要素(3)として保存し、LED13を消灯する。ステップS112が終了すると処理はステップS113に進む。
【0037】
ステップS113(
図4)では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED14を、予め設定した電流値Ifで、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty50%で点灯する(ステップS113)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED14の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS114)。ステップS114で、CPU41が、LED14の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS114:NO)、LED14のDuty値(つまり、LED14がオンしている比率(時間))を変更する(ステップS115)。つまり、LED14の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が大きくなるように変更し、LED14の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が小さくなるように変更する。そして、ステップS114とステップS115を繰り返し、CPU41が、LED14の光量が所定値になったと判断すると(ステップS114:YES)、処理はステップS116に進む。
ステップS116では、ステップS115で変更されたDuty値を、配列aの要素(4)として保存し、LED14を消灯する。ステップS116が終了すると処理はステップS117に進む。
【0038】
ステップS117では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED15を、予め設定した電流値Ifで、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty50%で点灯する(ステップS117)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED15の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS118)。ステップS118で、CPU41が、LED15の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS118:NO)、LED15のDuty値(つまり、LED15がオンしている比率(時間))を変更する(ステップS119)。つまり、LED15の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が大きくなるように変更し、LED15の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、Duty値が小さくなるように変更する。そして、ステップS118とステップS119を繰り返し、CPU41が、LED15の光量が所定値になったと判断すると(ステップS118:YES)、処理はステップS120に進む。
ステップS120では、ステップS119で変更されたDuty値を、配列aの要素(5)として保存し、LED15を消灯する。
このように、全てのLED11、12、13、14、15について、工場出荷時の光量調整が行われ、その時のDuty値が配列aに保存されると、光量調整プログラムは終了する。
そして、光量調整プログラムが終了すると、CPU41は、記憶部42内の基準強度設定工程(基準強度設定プログラム)を実行する。
【0039】
図5に示すように、基準強度設定プログラムが実行されると、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、まずLED11を、予め設定した電流値Ifで、かつ配列a(1)に記憶したDuty値(@100Hz)で点灯する(ステップS151)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を記憶部42内に配列bの要素(1)として保存し、LED11を消灯する(ステップS152)。なお、本実施形態の配列bは、全てのLED11、12、13、14、15の工場出荷時の発光強度を初期値(つまり、基準強度)として保存する配列(Array)であり、要素数は全てのLED11、12、13、14、15の個数(例えば、N個(Nは2以上の整数))に等しい。
【0040】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED12を、予め設定した電流値Ifで、かつ配列a(2)に記憶したDuty値(@100Hz)で点灯する(ステップS153)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(2)として保存し、LED12を消灯する(ステップS154)。
【0041】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED13を、予め設定した電流値Ifで、かつ配列a(3)に記憶したDuty値(@100Hz)で点灯する(ステップS155)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(3)として保存し、LED13を消灯する(ステップS156)。
【0042】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED14を、予め設定した電流値Ifで、かつ配列a(4)に記憶したDuty値(@100Hz)で点灯する(ステップS157)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(4)として保存し、LED14を消灯する(ステップS158)。
【0043】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED15を、予め設定した電流値Ifで、かつ配列a(5)に記憶したDuty値(@100Hz)で点灯する(ステップS159)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(5)として保存し、LED15を消灯する(ステップS160)。
このように、全てのLED11、12、13、14、15について、工場出荷時の発光強度(基準強度)が配列bに保存されると、基準強度設定プログラムは終了する。
【0044】
全てのLED11、12、13、14、15について、工場出荷時のDuty値が配列aに保存されているため、各LED11、12、13、14、15を配列aに保存されたDuty値を用いて発光させると、拡散板20からは演色性の高い白色光が出射される。
しかしながら、各LED11、12、13、14、15が発光すると、各LED素子18が発熱することによって紫外光の強度が変化してしまうため、光照射装置1の使用時に理想的な白色光(つまり、演色性の高い白色光)が得られないといった問題がある。
そこで、本実施形態においては、各LED11、12、13、14、15の発光強度を定期的に光センサ17で検出し、各LED11、12、13、14、15から所定の光量の光が出射されるようにフィードバック制御している。
【0045】
(光照射装置1のフィードバック制御)
次に、
図6のタイミングチャートと
図7~
図8のフローチャートを参照し、CPU41で実行される制御プログラムについて説明する。制御プログラムは、光照射装置1に電源が入力されたときに、記憶部42から読み出され、CPU41で実行される、通常使用時の処理である。なお、
図6~
図8においては、説明の便宜のため、各1個のLED11、12、13、14、15の処理(動作)について説明するが、実際には全てのLED11、12、13、14、15について同様の処理が行われる。
【0046】
図6に示すように、本実施形態の光照射装置1は、PWM制御の基準クロックに従って、各LED11、12、13、14、15をパルス駆動するように構成されており、CPU41は、PWM制御の基準クロックに同期するリングカウンタ(不図示)のカウント値に基づいて、各LED11、12、13、14、15をフィードバック制御するように構成されている。より具体的には、リングカウンタのカウント値は、各LED11、12、13、14、15を示すインデックスとして機能し、カウント値が「1」のとき、LED11のフィードバック制御を行い、カウント値が「2」のとき、LED12のフィードバック制御を行い、カウント値が「3」のとき、LED13のフィードバック制御を行い、カウント値が「4」のとき、LED14のフィードバック制御を行い、カウント値が「5」のとき、LED15のフィードバック制御を行うように構成されている。なお、本実施形態においては、リングカウンタは、基準クロックの立ち下がりに同期して「1」~「5」のカウント値を順にカウントし、これを繰り返すが、実際には全てのLED11、12、13、14、15の個数(例えば、N個(Nは2以上の整数))をカウントする。
また、
図6において、T1は、基準クロックの周期を示し、本実施形態においては、10msに設定されている。また、T2は、T1内に設定され、光センサ17によって各LED11、12、13、14、15の発光強度を検出する検出期間(第1期間)を示し、本実施形態においては、100μsに設定されている。また、T3は、PWM制御によって各LED11、12、13、14、15が発光可能な期間(第2期間)を示し、本実施形態においては、9.9msに設定されている。
このように、本実施形態においては、PWM制御における、各LED11、12、13、14、15の消灯期間の一部が、各LED11、12、13、14、15の発光強度を検出する検出期間(第1期間)に割り当てられており、各LED11、12、13、14、15がDuty99%以下(つまり、T3内)でPWM制御されて、所定の光量が得られるようになっている。
【0047】
図7に示すように、制御プログラムが実行されると、CPU41は、ステップS201を実行し、各種パラメータをイニシャライズする。具体的には、リングカウンタのカウント値を「0」にリセットし、記憶部42内の配列a(1)~(5)の内容を、配列c(1)~(5)にコピーする(ステップS201)。そして、ステップS201の処理が終了すると、処理はステップS202に進む。
【0048】
ステップS202では、CPU41は、基準クロックが「L(Low)」になったか否かを判断する。基準クロックが「L」になっていないと判断した場合(ステップS202:NO)、ステップS202を繰り返し、基準クロックが「L」になったと判断した場合(ステップS202:YES)、処理はステップS203に進む。
【0049】
ステップS203では、CPU41は、リングカウンタのカウント値をインクリメント(+1)し、処理はステップS204に進む。
【0050】
ステップS204では、CPU41は、リングカウンタのカウント値が「1」であるか否かを判断する。カウント値が「1」でないと判断した場合(ステップS204:NO)、処理はステップS210に進み、カウント値が「1」であると判断した場合(ステップS204:YES)、処理はステップS205に進む。
【0051】
ステップS205では、CPU41は、「t1(例えば、25μs)」の期間待機し、LED駆動回路43を制御して、LED11を光量調整プログラムで使用した電流値Ifで所定時間「t2(例えば、50μs)」パルス点灯する(ステップS206)。そして、CPU41は、所定時間「t2」内の光センサ17の出力をAD変換回路44でAD変換して、LED11の現在発光強度Pc(1)として取得し(ステップS207)、現在発光強度Pc(1)とLED11の初期値(つまり、基準強度(配列b(1)))とを比較して、基準強度(配列b(1))からの発光強度の変化量から、必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)を求め、配列c(1)を更新する(ステップS208)。次いで、CPU41は、「t3(例えば、25μs)」の期間待機し(ステップS209)、配列c(1)~(5)の各Duty値で各LED11、12、13、14、15を点灯する(ステップS233(
図8))。ステップS233の処理が終了すると、処理はステップS202(
図7)に戻る。
このように、リングカウンタのカウント値が「1」のとき、ステップS204~ステップS209が実行され、LED11の発光強度をモニタするために、T2期間内でLED11がパルス点灯され(
図6中「tm」で示し、以下「モニタ発光」ともいう。)、LED11の現在発光強度Pc(1)から必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)が求められる。そして、ステップS233が実行されることによって、補正されたDuty値でLED11が点灯し、T3期間内で所定の光量が得られるようになっている。斯くして、LED11のフィードバック制御が実行される。
【0052】
ステップS210では、CPU41は、リングカウンタのカウント値が「2」であるか否かを判断する。カウント値が「2」でないと判断した場合(ステップS210:NO)、処理はステップS216に進み、カウント値が「2」であると判断した場合(ステップS210:YES)、処理はステップS211に進む。
【0053】
ステップS211では、CPU41は、「t1(例えば、25μs)」の期間待機し、LED駆動回路43を制御して、LED12を光量調整プログラムで使用した電流値Ifで所定時間「t2(例えば、50μs)」パルス点灯する(ステップS212)。そして、CPU41は、所定時間「t2」内の光センサ17の出力をAD変換回路44でAD変換して、LED12の現在発光強度Pc(2)として取得し(ステップS213)、現在発光強度Pc(2)とLED12の初期値(つまり、基準強度(配列b(2)))とを比較して、基準強度(配列b(2))からの発光強度の変化量から、必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)を求め、配列c(2)を更新する(ステップS214)。次いで、CPU41は、「t3(例えば、25μs)」の期間待機し(ステップS215)、配列c(1)~(5)の各Duty値で各LED11、12、13、14、15を点灯する(ステップS233(
図8))。ステップS233の処理が終了すると、処理はステップS202(
図7)に戻る。
このように、リングカウンタのカウント値が「2」のとき、ステップS210~ステップS215が実行され、LED12の発光強度をモニタするために、T2期間内でLED12がパルス点灯され(
図6中「tm」で示す)、LED12の現在発光強度Pc(2)から必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)が求められる。そして、ステップS233が実行されることによって、補正されたDuty値でLED12が点灯し、T3期間内で所定の光量が得られるようになっている。斯くして、LED12のフィードバック制御が実行される。
【0054】
ステップS216では、CPU41は、リングカウンタのカウント値が「3」であるか否かを判断する。カウント値が「3」でないと判断した場合(ステップS216:NO)、処理はステップS222に進み、カウント値が「3」であると判断した場合(ステップS216:YES)、処理はステップS217に進む。
【0055】
ステップS217では、CPU41は、「t1(例えば、25μs)」の期間待機し、LED駆動回路43を制御して、LED13を光量調整プログラムで使用した電流値Ifで所定時間「t2(例えば、50μs)」パルス点灯する(ステップS218)。そして、CPU41は、所定時間「t2」内の光センサ17の出力をAD変換回路44でAD変換して、LED13の現在発光強度Pc(3)として取得し(ステップS219)、現在発光強度Pc(3)とLED13の初期値(つまり、基準強度(配列b(3)))とを比較して、基準強度(配列b(3))からの発光強度の変化量から、必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)を求め、配列c(3)を更新する(ステップS220)。次いで、CPU41は、「t3(例えば、25μs)」の期間待機し(ステップS221)、配列c(1)~(5)の各Duty値で各LED11、12、13、14、15を点灯する(ステップS233)。ステップS233の処理が終了すると、処理はステップS202(
図7)に戻る。
このように、リングカウンタのカウント値が「3」のとき、ステップS216~ステップS221が実行され、LED13の発光強度をモニタするために、T2期間内でLED13がパルス点灯され(
図6中「tm」で示す)、LED13の現在発光強度Pc(3)から必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)が求められる。そして、ステップS233が実行されることによって、補正されたDuty値でLED13が点灯し、T3期間内で所定の光量が得られるようになっている。斯くして、LED13のフィードバック制御が実行される。
【0056】
ステップS222では、CPU41は、リングカウンタのカウント値が「4」であるか否かを判断する。カウント値が「4」でないと判断した場合(ステップS222:NO)、処理はステップS228に進み、カウント値が「4」であると判断した場合(ステップS222:YES)、処理はステップS223に進む。
【0057】
ステップS223では、CPU41は、「t1(例えば、25μs)」の期間待機し、LED駆動回路43を制御して、LED14を光量調整プログラムで使用した電流値Ifで所定時間「t2(例えば、50μs)」パルス点灯する(ステップS224)。そして、CPU41は、所定時間「t2」内の光センサ17の出力をAD変換回路44でAD変換して、LED14の現在発光強度Pc(4)として取得し(ステップS225)、現在発光強度Pc(4)とLED14の初期値(つまり、基準強度(配列b(4)))とを比較して、基準強度(配列b(4))からの発光強度の変化量から、必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)を求め、配列c(4)を更新する(ステップS226)。次いで、CPU41は、「t3(例えば、25μs)」の期間待機し(ステップS227)、配列c(1)~(5)の各Duty値で各LED11、12、13、14、15を点灯する(ステップS233)。ステップS233の処理が終了すると、処理はステップS202(
図7)に戻る。
このように、リングカウンタのカウント値が「4」のとき、ステップS222~ステップS227が実行され、LED14の発光強度をモニタするために、T2期間内でLED14がパルス点灯され(
図6中「tm」で示す)、LED14の現在発光強度Pc(4)から必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)が求められる。そして、ステップS233が実行されることによって、補正されたDuty値でLED14が点灯し、T3期間内で所定の光量が得られるようになっている。斯くして、LED14のフィードバック制御が実行される。
【0058】
ステップS228では、リングカウンタのカウント値が「5」であるため、CPU41は、「t1(例えば、25μs)」の期間待機し、LED駆動回路43を制御して、LED15を光量調整プログラムで使用した電流値Ifで所定時間「t2(例えば、50μs)」パルス点灯する(ステップS229)。そして、CPU41は、所定時間「t2」内の光センサ17の出力をAD変換回路44でAD変換して、LED15の現在発光強度Pc(5)として取得し(ステップS230)、現在発光強度Pc(5)とLED15の初期値(つまり、基準強度(配列b(5)))とを比較して、基準強度(配列b(5))からの発光強度の変化量から、必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)を求め、配列c(5)を更新する(ステップS231)。次いで、CPU41は、「t3(例えば、25μs)」の期間待機し(ステップS232)、配列c(1)~(5)の各Duty値で各LED11、12、13、14、15を点灯する(ステップS233)。ステップS233の処理が終了すると、処理はステップS202(
図7)に戻る。
このように、リングカウンタのカウント値が「5」のとき、ステップS228~ステップS232が実行され、LED15の発光強度をモニタするために、T2期間内でLED15がパルス点灯され(
図6中「tm」で示す)、LED15の現在発光強度Pc(5)から必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)が求められる。そして、ステップS233が実行されることによって、補正されたDuty値でLED15が点灯し、T3期間内で所定の光量が得られるようになっている。斯くして、LED15のフィードバック制御が実行される。
【0059】
このように、本実施形態の光照射装置1においては、制御プログラムが実行されることにより、PWM制御の基準クロックに従って、各T2期間内で、各LED11、12、13、14、15が1つずつ順番にパルス駆動されて発光強度が検出され、検出された発光強度と工場出荷時の基準強度に基づいて必要な光量の補正量(つまり、Dutyの補正値)が求められる。そして、各T3期間内で、各LED11、12、13、14、15が補正されたDuty値で点灯することによって所定の光量が維持されるようになっている。従って、本実施形態の光照射装置1からは常に演色性の高い白色光が得られる。
なお、上述のように、本実施形態においては、各LED11、12、13、14、15をPWM制御することによって光量を調整しており、PWM制御時の消灯時間の一部(つまり、T2)を利用して各LED11、12、13、14、15の発光強度を検出しているため、PWM制御に影響を与えることもなく、所定の光量が正確に得られる。
【0060】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態の光源ユニット10は、異なる色の光を出射する複数のLED11、12、13、14、15を有するとしたが、このような構成に限定されるものではなく、M種類(Mは2以上N以下の整数)の異なる色の光を出射する光源とすることができる。
【0062】
また、本実施形態の各LED11、12、13、14、15は、それぞれ、蛍光体11a、12a、13a、14a、15aを有し、異なる色の光を出射するものとしたが、例えば、各LEDが1種類の蛍光体を有する構成(つまり、1色の光を発する構成)であってもよい。また、本発明は、蛍光体を有さない構成(つまり、紫外光を照射する光照射装置)に適用することも可能である。
また、各LED11、12、13、14、15は、紫外光(励起光)を出射するLED素子18を有し、励起光によって蛍光体11a、12a、13a、14a、15aを励起するものとしたが、例えば、各LED11、12、13、14、15の一部が、直接(つまり、蛍光体を介さず)目的の色の光を発するLEDで構成されてもよい。
【0063】
また、本実施形態の光量調整工程及び基準強度設定工程は、それぞれ、光量調整プログラム及び基準強度設定プログラムによって自動で行なわれるものとしたが、必ずしもこのような構成に限定されるものではなく、例えば、光量調整工程及び基準強度設定工程は、工場の作業者によってマニュアルで行うこともできる。
【0064】
また、本実施形態の光照射装置1は、印刷物・塗装の検査用光源、撮像素子などの校正用光源、液晶のバックライト装置などの用途で用いられるとしたが、必ずしもこのような用途に限定されるものではなく、例えば、内視鏡用光源や顕微鏡用光源にも適用可能である。また、この場合、光混合器として、拡散板20に代えて、光伝導ロッドやダイクロイックミラーなどの光学部品が使用できる。
【0065】
(制御プログラムの第1の変形例)
図9~
図11は、本実施形態の光照射装置1で実行される制御プログラムの第1の変形例を説明するタイミングチャート(
図9)とフローチャートである(
図10、
図11)。
図9に示すように、本変形例に係る制御プログラムは、モニタ発光直後(つまり、「tm」直後)の各LED11、12、13、14、15を、モニタ発光分(つまり、所定時間「t2(50μs)」)だけ短縮して、「t1am」で示す期間(Duty)で発光させる点で、本実施形態(
図6~
図8)の制御プログラムと異なる。
図10、
図11に示すように、本変形例の制御プログラムは、ステップS209の後のステップS233に代えて、ステップS233Aが実行され、ステップS215の後のステップS233に代えて、ステップS233Bが実行され、ステップS221の後のステップS233に代えて、ステップS233Cが実行され、ステップS227の後のステップS233に代えて、ステップS233Dが実行され、ステップS232の後のステップS233に代えて、ステップS233Eが実行される。
【0066】
ステップS233Aでは、モニタ発光直後(つまり、フィードバック制御の対象)のLED11を、配列c(1)のDuty値よりも所定時間「t2(50μs)」だけ短縮して点灯し、残りのLED12、13、14、15を、配列c(2)、(3)、(4)、(5)のDuty値でそれぞれ点灯する。
【0067】
ステップS233Bでは、モニタ発光直後(つまり、フィードバック制御の対象)のLED12を、配列c(2)のDuty値よりも所定時間「t2(50μs)」だけ短縮して点灯し、残りのLED11、13、14、15を、配列c(1)、(3)、(4)、(5)のDuty値でそれぞれ点灯する。
【0068】
ステップS233Cでは、モニタ発光直後(つまり、フィードバック制御の対象)のLED13を、配列c(3)のDuty値よりも所定時間「t2(50μs)」だけ短縮して点灯し、残りのLED11、12、14、15を、配列c(1)、(2)、(4)、(5)のDuty値でそれぞれ点灯する。
【0069】
ステップS233Dでは、モニタ発光直後(つまり、フィードバック制御の対象)のLED14を、配列c(4)のDuty値よりも所定時間「t2(50μs)」だけ短縮して点灯し、残りのLED11、12、13、15を、配列c(1)、(2)、(3)、(5)のDuty値でそれぞれ点灯する。
【0070】
ステップS233Eでは、モニタ発光直後(つまり、フィードバック制御の対象)のLED15を、配列c(5)のDuty値よりも所定時間「t2(50μs)」だけ短縮して点灯し、残りのLED11、12、13、14を、配列c(1)、(2)、(3)、(4)のDuty値でそれぞれ点灯する。
【0071】
このように、本変形例に係る制御プログラムは、モニタ発光直後(つまり、「tm」直後)の各LED11、12、13、14、15を、モニタ発光分(つまり、所定時間「t2(50μs)」)だけ短縮して発光させるため、モニタ発光分の光量が誤差にならない。
【0072】
(制御プログラムの第2の変形例)
図12~
図14は、本実施形態の光照射装置1で実行される制御プログラムの第2の変形例を説明するタイミングチャート(
図12)とフローチャートである(
図13、
図14)。
図12に示すように、本変形例に係る制御プログラムは、モニタ発光直後(つまり、「tm」直後)の各LED11、12、13、14、15の発光「t1am」が、モニタ発光「tm」と連続しており、「t3(25μs)」の待機時間が設けられていない点で、第1の変形例(
図9~
図11)の制御プログラムと異なる。
図13、
図14に示すように、本変形例の制御プログラムでは、ステップS205、S211、S217、S223、S228の待機時間「t1」が50μsに設定されているため、モニタ発光「tm」と、その直後の各LED11、12、13、14、15の発光「t1am」とが連続する。
【0073】
(第2の実施形態)
図15~
図17は、本発明の第2の実施形態に係る光照射装置2(
図1)の工場出荷時に行われる、光照射装置2の初期調整工程を説明するフローチャートであり、
図15及び
図16は、全てのLED11、12、13、14、15の光量を調整する光量調整工程を示し、
図17は、
図15及び
図16で調整された光量における発光強度を基準強度として記憶させる基準強度設定工程である。なお、第1の実施形態と同様、
図15~
図17においては、説明の便宜のため、各1個のLED11、12、13、14、15の光量調整、基準強度設定を行うものとして説明するが、実際には全てのLED11、12、13、14、15について光量調整、基準強度設定が行われる。
本実施形態の光照射装置2は、LED駆動回路43が、各LED11、12、13、14、15のLED素子18を、予め設定した所定周波数(例えば、100Hz)Duty99%で電流値Ifを変更する、PAM(Pulse Amplitude Modulation:パルス強度変調)制御することにより、各LED11、12、13、14、15の光量を調整する。
【0074】
第1の実施形態と同様、光量調整工程は、拡散板20の前に分光分布測定器50のセンサ部51を配置し、不図示のケーブルで分光分布測定器50と制御基板40とを接続した状態で、作業者からの指示に基づいて(例えば、作業者が不図示の操作部を操作することによって)、CPU41が記憶部42内の光量調整プログラムを実行することによって行われる(
図2)。
【0075】
図15に示すように、光量調整プログラムが実行されると、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、まずLED11を、予め設定した電流値If(例えば、30mA)で、かつ所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%で点灯する(ステップS501)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED11の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS502)。ステップS502で、CPU41が、LED11の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS502:NO)、LED11の電流値Ifを変更する(ステップS503)。つまり、LED11の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが大きくなるように変更し、LED11の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが小さくなるように変更する。そして、ステップS502とステップS503を繰り返し、CPU41が、LED11の光量が所定値になったと判断すると(ステップS502:YES)、処理はステップS504に進む。
ステップS504では、CPU41は、ステップS503で変更された電流値Ifを記憶部42内に配列aの要素(1)として保存し、LED11を消灯する。ステップS504が終了すると処理はステップS505に進む。なお、本実施形態の配列aは、全てのLED11、12、13、14、15の工場出荷時の電流値Ifを保存する配列(Array)であり、要素数は全てのLED11、12、13、14、15の個数(例えば、N個(Nは2以上の整数))に等しい。
【0076】
ステップS505では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED12を、予め設定した電流値If(例えば、30mA)で、かつ所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%で点灯する(ステップS505)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED12の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS506)。ステップS506で、CPU41が、LED12の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS506:NO)、LED12の電流値Ifを変更する(ステップS507)。つまり、LED12の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが大きくなるように変更し、LED12の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが小さくなるように変更する。そして、ステップS506とステップS507を繰り返し、CPU41が、LED12の光量が所定値になったと判断すると(ステップS506:YES)、処理はステップS508に進む。
ステップS508では、ステップS507で変更された電流値Ifを、配列aの要素(2)として保存し、LED12を消灯する。ステップS508が終了すると処理はステップS509に進む。
【0077】
ステップS509では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED13を、予め設定した電流値Ifで、かつ所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%で点灯する(ステップS509)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED13の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS510)。ステップS510で、CPU41が、LED13の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS510:NO)、LED13の電流値Ifを変更する(ステップS511)。つまり、LED13の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが大きくなるように変更し、LED13の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが小さくなるように変更する。そして、ステップS510とステップS511を繰り返し、CPU41が、LED13の光量が所定値になったと判断すると(ステップS510:YES)、処理はステップS512に進む。
ステップS512では、ステップS511で変更された電流値Ifを、配列aの要素(3)として保存し、LED13を消灯する。ステップS512が終了すると処理はステップS513に進む。
【0078】
ステップS513(
図16)では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED14を、予め設定した電流値Ifで、かつ所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%で点灯する(ステップS513)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED14の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS514)。ステップS514で、CPU41が、LED14の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS514:NO)、LED14の電流値Ifを変更する(ステップS515)。つまり、LED14の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが大きくなるように変更し、LED14の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが小さくなるように変更する。そして、ステップS514とステップS515を繰り返し、CPU41が、LED14の光量が所定値になったと判断すると(ステップS514:YES)、処理はステップS516に進む。
ステップS516では、ステップS515で変更された電流値Ifを、配列aの要素(4)として保存し、LED14を消灯する。ステップS516が終了すると処理はステップS517に進む。
【0079】
ステップS517では、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED15を、予め設定した電流値Ifで、かつ所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%で点灯する(ステップS517)。そして、分光分布測定器50で測定されるLED15の光量が所定値になっているか否かを判断する(ステップS518)。ステップS518で、CPU41が、LED15の光量が所定値になっていないと判断すると(ステップS518:NO)、LED15の電流値Ifを変更する(ステップS519)。つまり、LED15の光量が所定値よりも小さい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが大きくなるように変更し、LED15の光量が所定値よりも大きい場合には、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、電流値Ifが小さくなるように変更する。そして、ステップS518とステップS519を繰り返し、CPU41が、LED15の光量が所定値になったと判断すると(ステップS518:YES)、処理はステップS520に進む。
ステップS520では、ステップS519で変更された電流値Ifを、配列aの要素(5)として保存し、LED15を消灯する。
このように、全てのLED11、12、13、14、15について、工場出荷時の光量調整が行われ、その時の電流値Ifが配列aに保存されると、光量調整プログラムは終了する。
そして、光量調整プログラムが終了すると、CPU41は、記憶部42内の基準強度設定工程(基準強度設定プログラム)を実行する。
【0080】
図17に示すように、基準値設定プログラムが実行されると、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、まずLED11を、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%、かつ配列a(1)に記憶した電流値Ifで点灯する(ステップS551)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を記憶部42内に配列bの要素(1)として保存し、LED11を消灯する(ステップS552)。なお、本実施形態の配列bは、全てのLED11、12、13、14、15の工場出荷時の発光強度を初期値(つまり、基準強度)として保存する配列(Array)であり、要素数は全てのLED11、12、13、14、15の個数(例えば、N個(Nは2以上の整数))に等しい。
【0081】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED12を、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%、かつ配列a(2)に記憶した電流値Ifで点灯する(ステップS553)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(2)として保存し、LED12を消灯する(ステップS554)。
【0082】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED13を、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%、かつ配列a(3)に記憶した電流値Ifで点灯する(ステップS555)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(3)として保存し、LED13を消灯する(ステップS556)。
【0083】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED14を、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%、かつ配列a(4)に記憶した電流値Ifで点灯する(ステップS557)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(4)として保存し、LED14を消灯する(ステップS558)。
【0084】
次に、CPU41は、LED駆動回路43を制御し、LED15を、所定の周波数(例えば、100Hz)Duty99%、かつ配列a(5)に記憶した電流値Ifで点灯する(ステップS559)。そして、その時の光センサ17の出力(発光強度)をAD変換回路44でAD変換して、発光強度を配列bの要素(5)として保存し、LED15を消灯する(ステップS560)。
このように、全てのLED11、12、13、14、15について、工場出荷時の発光強度(基準強度)が配列bに保存されると、基準強度設定プログラムは終了する。
【0085】
全てのLED11、12、13、14、15について、工場出荷時の電流値Ifが配列aに保存されているため、各LED11、12、13、14、15を配列aに保存された電流値Ifを用いて発光させると、拡散板20からは演色性の高い白色光が出射される。
しかしながら、各LED11、12、13、14、15が発光すると、各LED素子18が発熱することによって紫外光の強度が変化してしまうため、光照射装置2の使用時に理想的な白色光(つまり、演色性の高い白色光)が得られないといった問題がある。
そこで、本実施形態においても、第1の実施形態と同様、各LED11、12、13、14、15の発光強度を定期的に光センサ17で検出し、各LED11、12、13、14、15から所定の光量の光が出射されるようにフィードバック制御している。
【0086】
(光照射装置2のフィードバック制御)
次に、
図18のタイミングチャートと
図19~
図20のフローチャートを参照し、CPU41で実行される制御プログラムについて説明する。制御プログラムは、光照射装置2に電源が入力されたときに、記憶部42から読み出され、CPU41で実行される、通常使用時の処理である。なお、
図18~
図20においては、説明の便宜のため、各1個のLED11、12、13、14、15の処理(動作)について説明するが、実際には全てのLED11、12、13、14、15について同様の処理が行われる。
【0087】
図18に示すように、本実施形態の光照射装置2は、第1の実施形態と同様、基準クロック(例えば、100Hz)に従って、各LED11、12、13、14、15をパルス駆動するように構成されており、CPU41は、基準クロックに同期するリングカウンタ(不図示)のカウント値に基づいて、各LED11、12、13、14、15をフィードバック制御するように構成されている。
図18において、T1は、基準クロックの周期(制御周期)を示し、本実施形態においては、10msに設定されている。また、T2は、T1内に設定され、光センサ17によって各LED11、12、13、14、15の発光強度を検出する検出期間(第1期間)を示し、本実施形態においては、100μsに設定されている。また、T3は、PAM制御によって各LED11、12、13、14、15が発光可能な期間(第2期間)を示し、本実施形態においては、9.9msに設定されている。
このように、本実施形態においては、各LED11、12、13、14、15の発光強度を検出する検出期間(第1期間、モニタ発光「tm」)が一定周期で割り当てられており、各LED11、12、13、14、15がDuty99%(つまり、T3内)でPAM制御されて(つまり、電流値Ifが調整されて)、所定の光量が得られるようになっている。
【0088】
図19及び
図20に示すように、本実施形態の制御プログラムは、ステップS206X、S212X、S218X、S224X、S229Xにおいて、CPU41が各LED11、12、13、14、15を配列a(1)~(5)の各電流値Ifで所定時間「t2(例えば、50μs)」パルス点灯し、ステップS208X、S214X、S220X、S226X、S231Xにおいて、CPU41が電流値Ifの補正値を求めて配列c(1)~(5)を更新し、ステップS223Xにおいて、配列c(1)~(5)の各電流値Ifで各LED11、12、13、14、15を点灯する点で第1の実施形態の制御プログラムとは異なっている。
【0089】
このように、本実施形態の光照射装置2においては、制御プログラムが実行されることにより、基準クロックに従って、各T2期間内で、各LED11、12、13、14、15が1つずつ順番にパルス駆動されて発光強度が検出され、検出された発光強度と工場出荷時の基準強度に基づいて必要な光量の補正量(つまり、電流値Ifの補正値)が求められる。そして、各T3期間内で、各LED11、12、13、14、15が補正された電流値Ifで点灯することによって所定の光量が維持されるようになっている。従って、本実施形態の光照射装置2からは常に演色性の高い白色光が得られる。
【0090】
(制御プログラムの第3の変形例)
図21~
図23は、本実施形態の光照射装置2で実行される制御プログラムの変形例(第3の変形例)を説明するタイミングチャート(
図21)とフローチャートである(
図22、
図23)。
図21に示すように、本変形例に係る制御プログラムは、モニタ発光「tm」が、全T2期間(100μs)に設定されている点で、第2の実施形態(
図18~
図20)の制御プログラムと異なる。
図22、
図23に示すように、本変形例の制御プログラムは、ステップS205、S206に代えて、ステップS205Xが実行され、ステップS211、S212に代えて、ステップS211Xが実行され、ステップS217、S218に代えて、ステップS217Xが実行され、ステップS223、S224に代えて、ステップS223Xが実行され、ステップS228、S229に代えて、ステップS228Xが実行される。
また、第2の実施形態(
図18~
図20)の制御プログラムのステップS209、S215、S221、S227、S232は削除されている。
【0091】
ステップS204で、CPU41が、リングカウンタのカウント値が「1」であると判断すると(ステップS204:YES)、処理はステップS205Xに進み、CPU41は、LED駆動回路43を制御して、LED11を配列a(1)の電流値IfでT2期間(100μs)オンにし、LED12、13、14、15をT2期間(100μs)オフにする。次いで、CPU41は、上述のステップS207、S208X、S233Xを実行する。
【0092】
また、ステップS210で、CPU41が、リングカウンタのカウント値が「2」であると判断すると(ステップS210:YES)、処理はステップS211Xに進み、CPU41は、LED駆動回路43を制御して、LED12を配列a(2)の電流値IfでT2期間(100μs)オンにし、LED11、13、14、15をT2期間(100μs)オフにする。次いで、CPU41は、上述のステップS213、S214X、S233Xを実行する。
【0093】
また、ステップS216で、CPU41が、リングカウンタのカウント値が「3」であると判断すると(ステップS216:YES)、処理はステップS217Xに進み、CPU41は、LED駆動回路43を制御して、LED13を配列a(3)の電流値IfでT2期間(100μs)オンにし、LED11、12、14、15をT2期間(100μs)オフにする。次いで、CPU41は、上述のステップS219、S220X、S233Xを実行する。
【0094】
また、ステップS222で、CPU41が、リングカウンタのカウント値が「4」であると判断すると(ステップS222:YES)、処理はステップS223Xに進み、CPU41は、LED駆動回路43を制御して、LED14を配列a(4)の電流値IfでT2期間(100μs)オンにし、LED11、12、13、15をT2期間(100μs)オフにする。次いで、CPU41は、上述のステップS225、S226X、S233Xを実行する。
【0095】
また、ステップS222で、CPU41が、リングカウンタのカウント値が「4」でない(つまり、「5」である)と判断すると(ステップS222:NO)、処理はステップS228Xに進み、CPU41は、LED駆動回路43を制御して、LED15を配列a(5)の電流値IfでT2期間(100μs)オンにし、LED11、12、13、14をT2期間(100μs)オフにする。次いで、CPU41は、上述のステップS230、S231X、S233Xを実行する。
【0096】
このように、本変形例の制御プログラムでは、各T2期間内で、各LED11、12、13、14、15の発光強度が順番に検出され、検出された発光強度と工場出荷時の基準強度に基づいて必要な光量の補正量(つまり、電流値Ifの補正値)が求められる。そして、各T3期間内で、各LED11、12、13、14、15が補正された電流値Ifで点灯することによって所定の光量が維持されるようになっている。従って、本実施形態の光照射装置2からは常に演色性の高い白色光が得られる。
【0097】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0098】
1 :光照射装置
2 :光照射装置
10 :光源ユニット
11 :LED
11a :蛍光体
12 :LED
12a :蛍光体
13 :LED
13a :蛍光体
14 :LED
14a :蛍光体
15 :LED
15a :蛍光体
17 :光センサ
18 :LED素子
19 :基板
20 :拡散板
30 :ケース
40 :制御基板
41 :CPU
42 :記憶部
43 :LED駆動回路
44 :AD変換回路
50 :分光分布測定器
51 :センサ部