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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157947
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062497
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】中野 宏
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA04
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA38
2H171JA39
2H171JA40
2H171KA23
2H171KA25
2H171KA27
2H171LA03
2H171LA08
2H171LA13
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB01
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA22
2H171SA26
2H171TA15
2H171TA20
(57)【要約】
【課題】第1色、第2色、第3色の現像ローラを、所定のずれたタイミングで圧接させ、または、離間させる。
【解決手段】画像形成装置は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cを機械的に連動して回転させるカラー連動ギヤ列110であって、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cの位相がずれた状態を維持して各カム90を連動させるカラー連動ギヤ列110と、モータMの駆動力を第4カム90Kに伝達させるモノクロ伝達ギヤ列120Kと、モノクロ伝達ギヤ列120KによりモータMから第4カム90Kに駆動力を伝達するか否かを切り替えるモノクロクラッチ150Kと、モータMの駆動力をカラー連動ギヤ列110に伝達させるカラー伝達ギヤ列120Aと、カラー伝達ギヤ列120AによりモータMからカラー連動ギヤ列110に駆動力を伝達するか否かを切り替えるカラークラッチ150Aと、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1色、第2色、第3色、第4色のそれぞれに対応する複数のプロセスユニットであって、各プロセスユニットは、現像ローラを有する現像ユニットと、感光ドラムを有するドラムユニットを備える、複数のプロセスユニットと、
前記複数のプロセスユニットの各感光ドラムと対面して配置されたベルトを有する転写ユニットと、
モータと、
第1色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第1カムと、
第2色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第2カムと、
第3色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第3カムと、
第4色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第4カムと、
前記第1カム、前記第2カムおよび前記第3カムを機械的に連動して回転させるカラー連動ギヤ列であって、前記第1カム、前記第2カムおよび前記第3カムの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるカラー連動ギヤ列と、
前記モータの駆動力を前記第4カムに伝達させるモノクロ伝達ギヤ列と、
前記モノクロ伝達ギヤ列により前記モータから前記第4カムに駆動力を伝達するか否かを切り替えるモノクロクラッチと、
前記モータの駆動力を前記カラー連動ギヤ列に伝達させるカラー伝達ギヤ列と、
前記カラー伝達ギヤ列により前記モータから前記カラー連動ギヤ列に駆動力を伝達するか否かを切り替えるカラークラッチと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセスユニットは、前記現像ユニットを、前記現像ローラが対応する前記感光ドラムに圧接する圧接位置と、前記現像ローラが対応する前記感光ドラムから離間する離間位置との間で揺動可能なように、前記ドラムユニットに連結させるヒンジを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カラー連動ギヤ列は、
前記第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、
前記第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、
前記第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、
前記第1カムギヤと前記第2カムギヤを連結するアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、
前記第2カムギヤと前記第3カムギヤを連結するアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、
を有し、
前記第1カム、前記第2カム、前記第3カムおよび前記第4カムは、前記ベルトの、前記感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、前記第1カム、前記第2カム、前記第3カム、前記第4カムの順に配置され、
前記カラー伝達ギヤ列は、前記第3カムギヤと係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カラー連動ギヤ列は、
前記第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、
前記第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、
前記第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、
前記第1カムギヤと前記第2カムギヤを連結するアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、
前記第2カムギヤと前記第3カムギヤを連結するアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、
を有し、
前記第1カム、前記第2カム、前記第3カムおよび前記第4カムは、前記ベルトの、前記感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、前記第1カム、前記第2カム、前記第3カム、前記第4カムの順に配置され、
前記カラー伝達ギヤ列は、前記第2カムギヤと係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カラー連動ギヤ列は、
前記第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、
前記第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、
前記第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、
前記第1カムギヤと前記第2カムギヤを連結するアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、
前記第2カムギヤと前記第3カムギヤを連結するアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、
を有し、
前記第1カム、前記第2カム、前記第3カムおよび前記第4カムは、前記ベルトの、前記感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、前記第1カム、前記第2カム、前記第3カム、前記第4カムの順に配置され、
前記カラー伝達ギヤ列は、前記第1カムギヤと係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記カラー連動ギヤ列は、
前記第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、
前記第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、
前記第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、
前記第1カムギヤと前記第2カムギヤを連結するアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、
前記第2カムギヤと前記第3カムギヤを連結するアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、
を有し、
前記第1カム、前記第2カム、前記第3カムおよび前記第4カムは、前記ベルトの、前記感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、前記第1カム、前記第2カム、前記第3カム、前記第4カムの順に配置され、
前記カラー伝達ギヤ列は、前記1-2アイドルギヤと係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記カラー連動ギヤ列は、
前記第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、
前記第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、
前記第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、
前記第1カムギヤと前記第2カムギヤを連結するアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、
前記第2カムギヤと前記第3カムギヤを連結するアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、
を有し、
前記第1カム、前記第2カム、前記第3カムおよび前記第4カムは、前記ベルトの、前記感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、前記第1カム、前記第2カム、前記第3カム、前記第4カムの順に配置され、
前記カラー伝達ギヤ列は、前記2-3アイドルギヤと係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1色はイエローであり、
前記第2色はマゼンタであり、
前記第3色はシアンであり、
前記第4色はブラックであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ベルトは、前記感光ドラムからトナー像を転写され、
前記画像形成装置は、前記ベルト上のトナー像をシートに転写する二次転写ローラをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラを、感光ドラムに圧接する圧接位置と、感光ドラムから離間する離間位置との間で移動させることが可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像ローラを感光ドラムに圧接する圧接位置と、感光ドラムから離間する離間位置との間で移動させることが可能な画像形成装置が知られている(特許文献1)。この発明では、イエロー、マゼンタ、シアンの3色に対応する現像ローラが、ベルトの移動方向の上流側からこの順に配置されている。そして、3色の各現像ローラは、それぞれ、対応する感光ドラムに対して一斉に圧接し、または、離間するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-224418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成に用いるトナーをできるだけ劣化させないようにするため、感光ドラムからベルトへの転写に必要な最低限の時間だけ現像ローラを感光ドラムに圧接させることが望まれる。
しかし、特許文献1の発明では、各現像ローラは、それぞれ、対応する感光ドラムに対して一斉に圧接または離間するため、3色のうちの一部の色の現像ローラは、感光ドラムに対して、現像に必要なタイミングよりも早く圧接したり、遅く離間したりする場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、現像ローラを感光ドラムに、順次、圧接または離間させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するための画像形成装置は、第1色、第2色、第3色、第4色のそれぞれに対応する複数のプロセスユニットであって、各プロセスユニットは、現像ローラを有する現像ユニットと、感光ドラムを有するドラムユニットを備える、複数のプロセスユニットと、複数のプロセスユニットの各感光ドラムと対面して配置されたベルトを有する転写ユニットと、モータと、第1色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第1カムと、第2色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第2カムと、第3色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第3カムと、第4色の現像ローラを、対応する感光ドラムに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第4カムと、第1カム、第2カムおよび第3カムを機械的に連動して回転させるカラー連動ギヤ列であって、第1カム、第2カムおよび第3カムの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるカラー連動ギヤ列と、モータの駆動力を第4カムに伝達させるモノクロ伝達ギヤ列と、モノクロ伝達ギヤ列によりモータから第4カムに駆動力を伝達するか否かを切り替えるモノクロクラッチと、モータの駆動力をカラー連動ギヤ列に伝達させるカラー伝達ギヤ列と、カラー伝達ギヤ列によりモータからカラー連動ギヤ列に駆動力を伝達するか否かを切り替えるカラークラッチと、を備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、モータの駆動力は、カラー伝達ギヤ列とカラークラッチを介して、カラー連動ギヤ列を駆動する。そして、カラー連動ギヤ列は、第1カム、第2カムおよび第3カムを機械的に連動して回転させる。このとき、カラー連動ギヤ列は、第1カム、第2カムおよび第3カムの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるので、第1色、第2色、第3色の現像ローラが、所定のずれたタイミングで圧接し、または、離間することができる。
【0008】
プロセスユニットは、現像ユニットを、現像ローラが対応する感光ドラムに圧接する圧接位置と、現像ローラが対応する感光ドラムから離間する離間位置との間で揺動可能なように、ドラムユニットに連結させるヒンジを有していてもよい。
【0009】
カラー連動ギヤ列は、第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、第1カムギヤおよび第2カムギヤに噛み合うアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、第2カムギヤおよび第3カムギヤに噛み合うアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、を有することができる。この場合、第1カム、第2カム、第3カムおよび第4カムは、ベルトの、感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、第1カム、第2カム、第3カム、第4カムの順に配置され、カラー伝達ギヤ列は、第3カムギヤと係合する構成であってもよい。
【0010】
このような構成によれば、カラー伝達ギヤ列が第4カムギヤに近い第3カムギヤと係合することで、第3カムギヤと第4カムギヤの間の位相の誤差を抑え、4色の現像ローラの圧接、離間のタイミングの精度を良くすることができる。
【0011】
カラー連動ギヤ列は、第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、第1カムギヤおよび第2カムギヤに噛み合うアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、第2カムギヤおよび第3カムギヤに噛み合うアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、を有することができる。この場合、第1カム、第2カム、第3カムおよび第4カムは、ベルトの、感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、第1カム、第2カム、第3カム、第4カムの順に配置され、カラー伝達ギヤ列は、第2カムギヤと係合する構成であってもよい。
【0012】
このような構成によれば、カラー伝達ギヤ列がカラー連動ギヤ列の中央に位置する第2カムギヤと係合しているので、第1カムギヤと第3カムギヤのバックラッシュ等に起因して発生する、位相の設計値からの誤差を最小限にすることができる。
【0013】
カラー連動ギヤ列は、第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、第1カムギヤおよび第2カムギヤに噛み合うアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、第2カムギヤおよび第3カムギヤに噛み合うアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、を有することができる。この場合、第1カム、第2カム、第3カムおよび第4カムは、ベルトの、感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、第1カム、第2カム、第3カム、第4カムの順に配置され、カラー伝達ギヤ列は、第1カムギヤと係合する構成であってもよい。
【0014】
このような構成によれば、カラー伝達ギヤ列が、第4カムギヤから最も遠い第1カムギヤに係合するので、カラー伝達ギヤ列を、モノクロ伝達ギヤ列と干渉させずにレイアウトし易く、画像形成装置の小型化を図ることができる。また、カラー伝達ギヤ列が、ベルトの移動方向における最上流に位置する第1カムギヤに係合する場合、印字開始時の圧接動作は、第1カムの回転開始のタイミングが重要である。そのため、この場合には、第1カムに係合するギヤ列を短くすることで、第1カムギヤの位相の設計値からの誤差を最小限にすることができる。
【0015】
カラー連動ギヤ列は、第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、第1カムギヤおよび第2カムギヤに噛み合うアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、第2カムギヤおよび第3カムギヤに噛み合うアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、を有することができる。この場合、第1カム、第2カム、第3カムおよび第4カムは、ベルトの、感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、第1カム、第2カム、第3カム、第4カムの順に配置され、カラー伝達ギヤ列は、1-2アイドルギヤと係合する構成であってもよい。
【0016】
このような構成によれば、カラー伝達ギヤ列が、1-2アイドルギヤと係合するので、第1カムギヤと第3カムギヤの位相の設計値からの誤差を抑えることができる。また、1-2アイドルギヤは、第4カムギヤから比較的遠いので、カラー伝達ギヤ列をモノクロ伝達ギヤ列と干渉させずにレイアウトし易く、画像形成装置の小型化を図ることができる。
【0017】
カラー連動ギヤ列は、第1カムと一体に回転する第1カムギヤと、第2カムと一体に回転する第2カムギヤと、第3カムと一体に回転する第3カムギヤと、第1カムギヤおよび第2カムギヤに噛み合うアイドルギヤである1-2アイドルギヤと、第2カムギヤおよび第3カムギヤに噛み合うアイドルギヤである2-3アイドルギヤと、を有することができる。この場合、第1カム、第2カム、第3カムおよび第4カムは、ベルトの、感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて、または下流から上流に向けて、第1カム、第2カム、第3カム、第4カムの順に配置され、カラー伝達ギヤ列は、2-3アイドルギヤと係合する構成であってもよい。
【0018】
このような構成によれば、カラー伝達ギヤ列が2-3アイドルギヤと係合するので、第2色および第3色のカムギヤと第4カムギヤとの間の位相の誤差を比較的抑えることができる。また、カラー伝達ギヤ列が2-3アイドルギヤと係合することで、第1カムギヤと第3カムギヤの位相の設計値からの誤差を抑えることができる。
【0019】
前記した画像形成装置において、第1色はイエローであり、第2色はマゼンタであり、第3色はシアンであり、第4色はブラックであってもよい。
【0020】
ベルトは、感光ドラムからトナー像を転写され、画像形成装置は、ベルト上のトナー像をシートに転写する二次転写ローラをさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1色、第2色、第3色の現像ローラが、所定のずれたタイミングで圧接し、または、離間することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】現像ローラを感光ドラムに対して接触・離間させるための構成の一例を示す図であり、現像ローラが圧接位置にある場合を示す。
図3】現像ローラを感光ドラムに対して接触・離間させるための構成の一例を示す図であり、現像ローラが離間位置にある場合を示す。
図4】第1実施形態におけるギヤ列を示す図である。
図5】クラッチの構成の一例を説明する図であり、(a)切断状態と、(b)伝達状態を示す。
図6】現像ローラが、上流から下流へ向けて順次圧接する動作を説明する図(a)~(d)である。
図7】現像ローラが、上流から下流へ向けて順次離間する動作を説明する図(a)~(d)である。
図8】第2実施形態におけるギヤ列を示す図である。
図9】第3実施形態におけるギヤ列を示す図である。
図10】第4実施形態におけるギヤ列を示す図である。
図11】第5実施形態におけるギヤ列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態に係る画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いたカラーレーザプリンタであり、シートSにカラー画像を形成する。画像形成装置1は、筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、制御部2と、モータMとを備えている。なお、本実施形態においては、図1の右側を前、左側を後、上下をそのまま上下とし、図1の紙面手前側を左、紙面奥側を右とする。
【0024】
筐体10は、フロントカバー11と、排出トレイ13を有する。フロントカバー11は、下端を中心に回動可能であり、筐体10の前側の開口12を開閉することができる。排出トレイ13は、筐体10の上面に形成されている。
【0025】
シート供給部20は、シートSを収容するシートトレイ21と、給紙ローラ22とを備えている。シートSは、画像形成装置1で画像を形成することができる媒体であって、普通紙、封筒、葉書、薄紙、厚紙、光沢紙、樹脂シート、シール等を含む。
【0026】
画像形成部30は、複数のプロセスユニットPと、カートリッジトレイTRと、露光装置40と、転写ユニット70と、二次転写ローラ78と、定着器80と、排出ローラ15を備えている。
【0027】
複数のプロセスユニットPは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した4つのプロセスユニットPY,PM,PC,PKを含む。本実施形態において、イエローは第1色であり、マゼンタは第2色であり、シアンは第3色であり、ブラックは第4色である。以下、本明細書および図面においては、各色に対応して設けられた部材について、色を区別して示す場合には、符号にY,M,C,Kを付す。
【0028】
図2に示すように、各プロセスユニットPは、現像ローラ61を有する現像ユニット60と、感光ドラム51を有するドラムユニット50とを備える。複数の現像ユニット60は、イエローに対応した現像ローラ61Yを有する現像ユニット60Yと、マゼンタに対応した現像ローラ61Mを有する現像ユニット60Mと、シアンに対応した現像ローラ61Cを有する現像ユニット60Cと、ブラックに対応した現像ローラ61Kを有する現像ユニット60Kとを含む。複数のドラムユニット50は、イエローに対応した感光ドラム51Yを有するドラムユニット50Yと、マゼンタに対応した感光ドラム51Mを有するドラムユニット50Mと、シアンに対応した感光ドラム51Cを有するドラムユニット50Cと、ブラックに対応した感光ドラム51Kを有するドラムユニット50Kとを含む。図示は省略するが、各ドラムユニット50は、感光ドラム51を帯電させる帯電器を有している。
【0029】
各現像ユニット60は、トナーを収容する現像フレーム62を有している。各現像ローラ61は、現像フレーム62に回転可能に支持されている。各ドラムユニット50は、ドラムフレーム52を有している。各感光ドラム51は、ドラムフレーム52に回転可能に支持されている。
【0030】
各プロセスユニットPは、現像ユニット60を、現像ローラ61が対応する感光ドラム51に圧接する圧接位置と、現像ローラ61が対応する感光ドラム51から離間する離間位置との間で揺動可能なように、ドラムユニット50に連結させるヒンジ65を有している。具体的には、各現像フレーム62は、ヒンジ65によって、ドラムフレーム52に揺動可能に連結されている。この構成によって、現像ユニット60は、図2に示すような、現像ローラ61が対応する感光ドラム51に圧接する位置と、図3に示すような、現像ローラ61が対応する感光ドラム51から離間する位置との間で揺動可能である。また、ヒンジ65によって現像フレーム62とドラムフレーム52が連結されていることによって、現像ユニット60は、ドラムユニット50に対して分離不能である。各現像フレーム62は、後述するカム90に押されることで、現像フレーム62を揺動させるための離間レバー62Aを有する。離間レバー62Aは下方に長く延びている。なお、図示は省略するが、現像フレーム62は、ヒンジ65回りの回転方向において、図示しないバネによって、現像ローラ61が感光ドラム51に圧接する方向に付勢されている。
【0031】
図1に戻り、カートリッジトレイTRは、複数のプロセスユニットPを装着可能なトレイである。カートリッジトレイTRは、筐体10に対してスライド移動可能である。カートリッジトレイTRは、フロントカバー11を開けた場合に、筐体10の開口12から引き出して取り出し、または、開口12を通して装着することができる。
【0032】
露光装置40は、図示しないレーザダイオード、偏向器、レンズおよびミラーを備えている。露光装置40は、複数の感光ドラム51を露光する二点鎖線で示した複数の光ビームを発して、各感光ドラム51の表面を露光するように構成されている。
【0033】
転写ユニット70は、無端状のベルト71と、駆動ローラ72と、従動ローラ73と、テンションローラ74と、複数の転写ローラ75とを有する。ベルト71は、駆動ローラ72、従動ローラ73およびテンションローラ74に巻き掛けられている。ベルト71は、外側の面が複数のプロセスユニットPの各感光ドラム51に対面して配置されている。各転写ローラ75は、各感光ドラム51との間でベルト71を挟持するようにベルト71の内側に配置されている。
【0034】
二次転写ローラ78は、従動ローラ73との間でベルト71を挟持するように、従動ローラ73の後ろに配置されている。二次転写ローラ78は、ベルト71上のトナー像を、従動ローラ73との間で搬送されるシートSに転写する。
【0035】
定着器80は、複数のプロセスユニットPの後方に設けられている。定着器80は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81に対向して配置された加圧ローラ82とを備えている。
【0036】
排出ローラ15は、定着器80から排出されたシートSを排出トレイ13上に排出するように、定着器80の上方に配置されている。
【0037】
画像形成部30では、感光ドラム51の表面が、帯電器により一様に帯電された後、露光装置40から照射される光ビームにより露光される。これにより、感光ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、現像ユニット60内に収容されたトナーは現像ローラ61の表面に担持され、接触位置に位置する現像ローラ61から感光ドラム51上に形成された静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム51上にトナー像が形成される。次に、感光ドラム51上のトナー像は、転写ローラ75との間を通過することで、ベルト71に転写される。そして、ベルト71上のトナー像は、ベルト71と二次転写ローラ78との間に搬送されてきたシートSの表面に転写される。さらに、トナー像が転写されたシートSが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、トナー像がシートSに熱定着される。その後、シートSは、排出ローラ15により排出トレイ13上に排出される。
【0038】
次に、現像ローラ61を感光ドラム51に対して圧接し、または、離間させるための構成について説明する。
図2に示すように、画像形成装置1は、感光ドラム51から現像ローラ61を離間させるための機構として、複数のカム90と、カラー連動ギヤ列110と、第4カムギヤ118とを有する。
【0039】
複数のカム90は、イエローの現像ローラ61Yを、対応する感光ドラム51Yに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第1カム90Yと、マゼンタの現像ローラ61Mを、対応する感光ドラム51Mに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第2カム90Mと、シアンの現像ローラ61Cを、対応する感光ドラム51Cに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第3カム90Cと、ブラックの現像ローラ61Kを、対応する感光ドラム51Kに対して圧接位置と離間位置との間で移動させる第4カム90Kと、を含む。第1カム90Y、第2カム90M、第3カム90Cおよび第4カム90Kは、ベルト71の、感光ドラム51に対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて第1カム90Y、第2カム90M、第3カム90C、第4カム90Kの順に配置されている。
【0040】
カラー連動ギヤ列110は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cを機械的に連動して回転させるギヤ列である。カラー連動ギヤ列110は、第1カムギヤ111と、第2カムギヤ112と、第3カムギヤ113と、1-2アイドルギヤ114と、1-3アイドルギヤ115とを有してなる。カラー連動ギヤ列110の各カムギヤ111,112,113の直径は、同じである。
第1カムギヤ111は、第1カム90Yが一体に形成された歯車であり、第1カム90Yと一体に回転する。第2カムギヤ112は、第2カム90Mが一体に形成された歯車であり、第2カム90Mと一体に回転する。第3カムギヤ113は、第3カム90Cと一体に形成された歯車であり、第3カム90Cと一体に回転する。1-2アイドルギヤ114は、第1カムギヤ111および第2カムギヤ112と噛み合うアイドルギヤである。2-3アイドルギヤ115は、第2カムギヤ112および第3カムギヤ113に噛み合うアイドルギヤである。なお、ブラックの第4カム90Kは、第4カムギヤ118と一体に形成されている。第4カムギヤ118の直径は、カラー連動ギヤ列110の各ギヤの直径と同じである。カラー連動ギヤ列110を構成する歯車は、互いに噛み合っていることで、1つの歯車が回転する場合には、他の歯車も機械的に連動して回転する。
【0041】
各カム90は、カム山91を有する。そして、図2に示すように、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cの各カム山91は、所定角度ずつ位相がずれている。カラー連動ギヤ列110は、この所定の位相がずれた状態を維持して各カム90を連動させる。
【0042】
各カム90は、モータMからの駆動力を受けて回転する。そして、図2に示すようにカム山91が離間レバー62Aに接触していない状態では、図示しないバネの付勢力によって、現像ローラ61が感光ドラム51に圧接される。一方、図3に示すように、カム山91が離間レバー62Aに接触して押し動かした状態では、現像ローラ61が感光ドラム51から離間する。
【0043】
次に、カラー連動ギヤ列110および第4カムギヤ118を回転させ、または、回転を停止させるための構成について説明する。
図4に示すように、画像形成装置1は、モータMの駆動力をカラー連動ギヤ列110および第4カムギヤ118に伝達させるための構成として、モータMの駆動力を第4カム90Kに伝達させるモノクロ伝達ギヤ列120Kと、モノクロクラッチ150Kと、モータMの駆動力をカラー連動ギヤ列110に伝達させるカラー伝達ギヤ列120Aと、カラークラッチ150Aとを備える。
【0044】
モータMは、出力軸に出力ギヤM1が設けられている。モータMは、制御部2によって制御されて駆動される。
【0045】
モノクロ伝達ギヤ列120Kは、第1アイドルギヤ121と、第2アイドルギヤ122と、第3アイドルギヤ123と、第4アイドルギヤ124とを有する。第1アイドルギヤは、出力ギヤM1に噛み合う。第2アイドルギヤ122は、第1アイドルギヤ121と噛み合う。第3アイドルギヤ123は、第2アイドルギヤ122と噛み合う。第4アイドルギヤ124は第3アイドルギヤ123と噛み合う
【0046】
モノクロクラッチ150Kは、モノクロ伝達ギヤ列120KによりモータMから第4カム90Kに駆動力を伝達するか否かを切り替えるクラッチである。図5(a),(b)に示すように、モノクロクラッチ150Kは、クラッチ歯車151と、レバー155と、ソレノイドアクチュエータ157とを有する。クラッチ歯車151は、外周に、ギヤ歯が設けられたセクタギヤ部152Aと、ギヤ歯が設けられていない欠歯部152Bとを有する。また、詳細の図示は省略するが、クラッチ歯車151は、セクタギヤ部152Aから軸方向にずれた位置に、セクタギヤ部152Aと同じ径で、第4アイドルギヤ124とは噛み合わず、第4カムギヤ118と噛み合う、全周にギヤ歯を有する出力ギヤ152Cを有している。さらに、クラッチ歯車151は、セクタギヤ部152Aと軸方向にずれた部分の外周の一部に切欠き153を有する。
【0047】
レバー155は、揺動軸155Xを中心に揺動可能である。レバー155は、切欠き153と係合可能な突起155Aを有する。レバー155は、図示しないバネにより、突起155Aが切欠き153と係合する方向に付勢されている。レバー155の突起155Aが切欠き153に係合している状態においては、欠歯部152Bが第4アイドルギヤ124と対向することで、第4アイドルギヤ124からクラッチ歯車151に駆動力が伝達されない切断状態となるようになっている。また、モノクロクラッチ150Kは、図5(a)の切断状態において、クラッチ歯車151を図の時計回りに付勢するバネ(図示省略)を有している。
【0048】
ソレノイドアクチュエータ157は、レバー155に接続された作動部157Aを有する。ソレノイドアクチュエータ157は、制御部2によって電流が流されることで、所定時間、作動部157Aを引き込む。図5(a)の切断状態から、クラッチ歯車151が時計回りに回転してセクタギヤ部152Aが第4アイドルギヤ124に噛み合うと、図5(b)に示すように、第4アイドルギヤ124によって時計回りに回転させられる伝達状態となる。ソレノイドアクチュエータ157は、セクタギヤ部152Aが第4アイドルギヤ124に噛み合った後は、電流が停止される。そして、切断状態からクラッチ歯車151が1回転したところで、再び欠歯部152Bが第4アイドルギヤ124に対向し、突起155Aが切欠き153に係合することでクラッチ歯車151が停止する。
【0049】
クラッチ歯車151の出力ギヤ152Cの直径は、第4カムギヤ118の直径の半分であるので、クラッチ歯車151が1回転して停止すると、第4カムギヤ118は、半回転して停止する。このようにして、ソレノイドアクチュエータ157を一度作動させるごとに、第4カムギヤ118が半回転し、これに伴い、第4カム90Kが180度回転するようになっている。
【0050】
カラー伝達ギヤ列120Aは、モノクロ伝達ギヤ列120Kと同様に、第1アイドルギヤ121と、第2アイドルギヤ122と、第3アイドルギヤ123と、第4アイドルギヤ124とを有する。第1アイドルギヤ121は、出力ギヤM1に噛み合う。第2アイドルギヤ122は、第1アイドルギヤ121と噛み合う。第3アイドルギヤ123は、第2アイドルギヤ122と噛み合う。第4アイドルギヤ124は第3アイドルギヤ123と噛み合う
【0051】
カラークラッチ150Aは、カラー伝達ギヤ列120AによりモータMからカラー連動ギヤ列110に駆動力を伝達するか否かを切り替えるクラッチである。カラークラッチ150Aは、モノクロクラッチ150Kと同じ構成を有するので、詳細な説明は省略する。カラークラッチ150Aのセクタギヤ部152Aは、カラー伝達ギヤ列120Aの第4アイドルギヤ124と噛み合い可能である。
【0052】
制御部2は、画像形成をしていない待機状態において、図2に示すように、すべての現像ローラ61を離間位置に位置させている。そして、印刷ジョブを受けると、転写ユニット70を駆動して、ベルト71を動かし、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で、順次、露光装置40により感光ドラム51を露光する。そして、所定のタイミングで、カラークラッチ150Aのソレノイドアクチュエータ157と、モノクロクラッチ150Kのソレノイドアクチュエータ157を動かすことで、第1カム90Y、第2カム90M、第3カム90Cおよび第4カム90Kを回転させる。
【0053】
これにより、図2に示す、すべての色の現像ローラ61が離間位置にある状態から、図6(a)に示す、イエローの現像ローラ61Yが圧接位置に位置する状態、図6(b)に示す、イエローおよびマゼンタの現像ローラ61Y,61Mが圧接位置に位置する状態、図6(c)に示す、イエロー、マゼンタおよびシアンの現像ローラ61Y,61M,61Cが圧接位置に位置する状態、図6(d)に示す、すべての現像ローラ61が圧接位置に位置する状態へと遷移させることができる。
【0054】
そして、イエローのトナー像をベルト71へ転写するのが完了した後のタイミングで、カラークラッチ150Aのソレノイドアクチュエータ157と、モノクロクラッチ150Kのソレノイドアクチュエータ157を所定時間動かす。これにより、図6(d)に示すすべての色の現像ローラ61が圧接位置にある状態から、図7(a)に示す、イエローの現像ローラ61Yが離間位置に位置する状態、図7(b)に示す、イエローおよびマゼンタの現像ローラ61Y,61Mが離間位置に位置する状態、図7(c)に示す、イエロー、マゼンタおよびシアンの現像ローラ61Y,61M,61Cが離間位置に位置する状態、図7(d)に示す、すべての現像ローラ61が離間位置に位置する状態へと遷移させることができる。
【0055】
以上に説明したように、本実施形態の画像形成装置1によれば、モータMの駆動力は、カラー伝達ギヤ列120Aとカラークラッチ150Aを介して、カラー連動ギヤ列110を駆動する。そして、カラー連動ギヤ列110は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cを機械的に連動して回転させる。このとき、カラー連動ギヤ列110は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるので、イエロー、マゼンタ、シアンの現像ローラ61Y,61M,61Cが、所定のずれたタイミングで圧接し、または、離間することができる。
【0056】
そして、本実施形態では、カラー伝達ギヤ列120Aが、第4カムギヤ118に近い第3カムギヤ113と係合することで、第3カムギヤ113と第4カムギヤ118の間の位相の誤差を抑え、4色の現像ローラ61の圧接、離間のタイミングの精度を良くすることができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図8に示すように、第2実施形態の画像形成装置1は、第1実施形態に対して、カラー伝達ギヤ列120Aが、カラー連動ギヤ列110の各ギヤのうち、第3カムギヤ113に係合するのではなく、第2カムギヤ112に係合している。具体的には、カラークラッチ150Aの出力ギヤ152Cが、第2カムギヤ112に噛み合っている。また、第1実施形態に対しては、第3カムギヤ113と第2カムギヤ112の位置の違いに対応させるため、カラー伝達ギヤ列120Aの各ギヤの配置を異ならせている。
【0058】
このような第2実施形態によっても、カラー連動ギヤ列110は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるので、イエロー、マゼンタ、シアンの現像ローラ61Y,61M,61Cが、所定のずれたタイミングで圧接し、または、離間することができる。
【0059】
そして、第2実施形態では、カラー伝達ギヤ列120Aがカラー連動ギヤ列110の中央に位置する第2カムギヤ112と係合しているので、第1カムギヤ111と第3カムギヤ113の位相の設計値からの誤差を、最小限にすることができる。
【0060】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図9に示すように、第3実施形態の画像形成装置1は、第1実施形態に対して、カラー伝達ギヤ列120Aが、カラー連動ギヤ列110の各ギヤのうち、第2カムギヤ112に係合するのではなく、第1カムギヤ111に係合している。具体的には、カラークラッチ150Aの出力ギヤ152Cが、第1カムギヤ111に噛み合っている。また、第1実施形態に対しては、第3カムギヤ113と第1カムギヤ111の位置の違いに対応させるため、カラー伝達ギヤ列120Aの各ギヤの配置を異ならせている。
【0061】
このような第3実施形態によっても、カラー連動ギヤ列110は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるので、イエロー、マゼンタ、シアンの現像ローラ61Y,61M,61Cが、所定のずれたタイミングで圧接し、または、離間することができる。
【0062】
そして、第3実施形態では、カラー伝達ギヤ列120Aが、第4カムギヤ118から最も遠い第1カムギヤ111に係合するので、カラー伝達ギヤ列120Aを、モノクロ伝達ギヤ列120Kと干渉させずにレイアウトし易く、画像形成装置1の小型化を図ることができる。また、印字開始時の圧接動作は、第1カム90Yの回転開始のタイミングが重要である。第3実施形態では、カラー伝達ギヤ列120Aが、ベルト71の移動方向における最上流に位置する第1カムギヤ111に係合するので、第1カム90Yに係合するギヤ列を短くすることで、第1カムギヤ111の位相の設計値からの誤差を最小限にすることができる。
【0063】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
図10に示すように、第4実施形態の画像形成装置1は、第1実施形態に対して、カラー伝達ギヤ列120Aが、カラー連動ギヤ列110の各ギヤのうち、第2カムギヤ112に係合するのではなく、1-2アイドルギヤ114に係合している。具体的には、カラー伝達ギヤ列120Aは、第5アイドルギヤ125をさらに有し、カラークラッチ150Aの出力ギヤ152Cが、第5アイドルギヤ125を介して1-2アイドルギヤ114に係合している。また、第1実施形態に対しては、第3カムギヤ113と1-2アイドルギヤ114の位置の違いに対応させるため、カラー伝達ギヤ列120Aの各ギヤの配置を異ならせている。
【0064】
このような第4実施形態によっても、カラー連動ギヤ列110は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるので、イエロー、マゼンタ、シアンの現像ローラ61Y,61M,61Cが、所定のずれたタイミングで圧接し、または、離間することができる。
【0065】
そして、第4実施形態では、カラー伝達ギヤ列120Aが、1-2アイドルギヤ114と係合するので、第1カムギヤ111と第3カムギヤ113の位相の設計値からの誤差を抑えることができる。また、1-2アイドルギヤ114は、第4カムギヤ118から比較的遠いので、カラー伝達ギヤ列120Aをモノクロ伝達ギヤ列120Kと干渉させずにレイアウトし易く、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
【0066】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。
図11に示すように、第5実施形態の画像形成装置1は、第1実施形態に対して、カラー伝達ギヤ列120Aが、カラー連動ギヤ列110の各ギヤのうち、第3カムギヤ113に係合するのではなく、2-3アイドルギヤ115に係合している。具体的には、カラー伝達ギヤ列120Aは、第5アイドルギヤ125をさらに有し、カラークラッチ150Aの出力ギヤ152Cが、第5アイドルギヤ125を介して1-2アイドルギヤ114に係合している。なお、第1アイドルギヤ121が2-3アイドルギヤと近いため、第3アイドルギヤ123および第4アイドルギヤ124を省略して第2アイドルギヤ122をカラークラッチ150Aと係合可能に配置している。
【0067】
このような第4実施形態によっても、カラー連動ギヤ列110は、第1カム90Y、第2カム90Mおよび第3カム90Cの位相がずれた状態を維持して各カムを連動させるので、イエロー、マゼンタ、シアンの現像ローラ61Y,61M,61Cが、所定のずれたタイミングで圧接し、または、離間することができる。
【0068】
そして、第5実施形態では、カラー伝達ギヤ列120Aが2-3アイドルギヤ115と係合するので、マゼンタの第2カムギヤ112およびシアンの第3カムギヤ113と第4カムギヤ118との間の位相の誤差を比較的抑えることができる。また、カラー伝達ギヤ列120Aが2-3アイドルギヤ115と係合することで、第1カムギヤ111と第3カムギヤ113の位相の設計値からの誤差を抑えることができる。
【0069】
以上に発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0070】
例えば、前記実施形態においては、カラークラッチ150Aは、カラー伝達ギヤ列120Aとカラー連動ギヤ列110との間に配置されていたが、モータMの出力ギヤM1とカラー伝達ギヤ列120Aの間に配置されていてもよいし、カラー伝達ギヤ列120Aの任意の2つのギヤの間に配置されていてもよい。同様に、モノクロクラッチ150Kは、モノクロ伝達ギヤ列120Kと第4カムギヤ118との間に配置されていたが、モータMの出力ギヤM1とモノクロ伝達ギヤ列120Kの間に配置されていてもよいし、モノクロ伝達ギヤ列120Kの2つのギヤの間に配置されていてもよい。
【0071】
前記実施形態においては、第1カム、第2カム、第3カムおよび第4カムは、ベルトの感光ドラムに対面する部分の移動方向において、上流から下流に向けて第1カム、第2カム、第3カム、第4カムの順に配置されていたが、下流から上流に向けて第1カム、第2カム、第3カム、第4カムの順に配置されていてもよい。
【0072】
前記実施形態においては、ベルト71にトナー像を転写した後、シートSにトナー像を転写する、いわゆる中間転写タイプの画像形成装置を例示したが、感光ドラム51からシートSに直接転写するタイプの画像形成装置に本発明を適用することもできる。
【0073】
また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、複合機やコピー機等であってもよい。
【0074】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
50 ドラムユニット
51 感光ドラム
52 ドラムフレーム
60 現像ユニット
61 現像ローラ
65 ヒンジ
70 転写ユニット
71 ベルト
90 カム
90Y 第1カム
90M 第2カム
90C 第3カム
90K 第4カム
110 カラー連動ギヤ列
111 第1カムギヤ
112 第2カムギヤ
113 第3カムギヤ
118 第4カムギヤ
120A カラー伝達ギヤ列
120K モノクロ伝達ギヤ列
150A カラークラッチ
150K モノクロクラッチ
M モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11