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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157960
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/14 20060101AFI20221006BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G03G21/14
G03G21/00 312
G03G21/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062517
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】王 裕ブン
(72)【発明者】
【氏名】橋本 淳一
【テーマコード(参考)】
2H134
2H270
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GA10
2H134GB02
2H134HA11
2H134HA12
2H134HA16
2H134JB01
2H134KB03
2H134KB05
2H134KB06
2H134KB07
2H134KB08
2H134KB11
2H134KB14
2H134KG03
2H270MA19
2H270MC28
2H270MC39
2H270MC48
2H270MC50
2H270MC52
2H270MC56
2H270MC61
2H270MC70
2H270MD12
2H270MD13
2H270ZC03
2H270ZC06
(57)【要約】
【課題】クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要な感光ドラム、転写ベルト、ドラムクリーニングローラを駆動させ、クリーニング動作を実行するのに必要でないシート供給ローラの駆動を停止させておくことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、感光ドラム51、転写ベルト73およびドラムクリーニングローラ53を駆動する第1モータM1と、シート供給ローラ23を駆動する第2モータM2と、制御部200とを備える。制御部200は、ドラムクリーニングローラ53上のトナーを感光ドラム51に排出し、感光ドラム51上のトナーを転写ベルト73に転写し、転写ベルト73上のトナーをベルトクリーニングローラ101によって廃トナー収容部に回収するクリーニング動作を実行する。制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、第1モータM1を駆動し、第2モータM2を駆動しない。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光ドラムと、
トナーを前記感光ドラムに供給可能な磁気ローラであって、前記感光ドラムから離間した位置に位置する磁気ローラと、
前記感光ドラム上のトナー像をシートに転写するための転写ベルトと、
シートを前記転写ベルトに供給するシート供給ローラと、
前記感光ドラム上のトナーを回収可能なドラムクリーニングローラであって、回収したトナーを前記感光ドラムに排出可能なドラムクリーニングローラと、
前記転写ベルト上のトナーを回収するベルトクリーニング部材と、
前記ベルトクリーニング部材で回収したトナーを収容する廃トナー収容部と、
前記感光ドラム、前記転写ベルトおよび前記ドラムクリーニングローラを駆動する第1モータと、
前記シート供給ローラを駆動する第2モータと、
シートに画像を形成する印刷動作と、前記ドラムクリーニングローラ上のトナーをクリーニングするクリーニング動作と、を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記印刷動作を実行する場合、
前記ドラムクリーニングローラによって前記感光ドラム上のトナーを回収する第1回収処理を実行し、
前記クリーニング動作を実行する場合、
前記第1回収処理によって回収された前記ドラムクリーニングローラ上のトナーを、前記感光ドラムに排出する排出処理と、
前記感光ドラム上のトナーを、前記転写ベルトに転写する転写処理と、
前記転写ベルト上のトナーを、前記ベルトクリーニング部材によって前記廃トナー収容部に回収する第2回収処理と、を実行し、
さらに、
前記制御部は、前記クリーニング動作を実行する場合、前記第1モータを駆動し、前記第2モータを駆動しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記印刷動作を実行する場合、前記第1モータおよび前記第2モータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記感光ドラムは、第1方向に延びるドラム軸について回転可能であり、
前記磁気ローラは、前記第1方向に延びる第1ローラ軸について回転可能であり、
前記シート供給ローラは、前記第1方向に延びる第2ローラ軸について回転可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ベルトクリーニング部材は、ベルトクリーニングローラであり、
前記第1モータは、前記ベルトクリーニングローラを駆動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1モータは、前記磁気ローラを駆動し、
画像形成装置は、前記第1モータからの駆動力を前記磁気ローラに伝達する伝達状態と、前記第1モータからの駆動力を前記磁気ローラに伝達しない切断状態とに切替可能なクラッチをさらに備え、
前記制御部は、前記クリーニング動作を実行する場合、前記クラッチを前記切断状態にすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記印刷動作を実行する場合、前記クラッチを前記伝達状態にすることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記感光ドラムは、
第1感光ドラムと、
第2感光ドラムと、を含み、
前記磁気ローラは、
トナーを前記第1感光ドラムに供給可能な第1磁気ローラであって、前記第1感光ドラムから離間した位置に位置する第1磁気ローラと、
トナーを前記第2感光ドラムに供給可能な第2磁気ローラであって、前記第2感光ドラムから離間した位置に位置する第2磁気ローラと、を含み、
前記ドラムクリーニングローラは、
前記第1感光ドラム上のトナーを回収可能な第1ドラムクリーニングローラであって、回収したトナーを前記第1感光ドラムに排出可能な第1ドラムクリーニングローラと、
前記第2感光ドラム上のトナーを回収可能な第2ドラムクリーニングローラであって、回収したトナーを前記第2感光ドラムに排出可能な第2ドラムクリーニングローラと、を含み、
前記第1モータは、前記第1磁気ローラを駆動し、
前記第2モータは、前記第2磁気ローラを駆動し、
画像形成装置は、前記第1モータからの駆動力を前記第1磁気ローラに伝達する第1伝達状態と、前記第1モータからの駆動力を前記第1磁気ローラに伝達しない第1切断状態とに切替可能な第1クラッチをさらに備え、
前記制御部は、前記クリーニング動作を実行する場合、前記第1クラッチを前記第1切断状態にすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2モータからの駆動力を前記第2磁気ローラに伝達する第2伝達状態と、前記第2モータからの駆動力を前記第2磁気ローラに伝達しない第2切断状態とに切替可能な第2クラッチをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記印刷動作として、
前記第1磁気ローラおよび前記第2磁気ローラを駆動するカラー印刷動作と、
前記第2磁気ローラを駆動し、前記第1磁気ローラを駆動しないモノクロ印刷動作と、を実行可能であり、
前記カラー印刷動作を実行する場合、前記第1クラッチを前記第1伝達状態にし、前記第2クラッチを前記第2伝達状態にし、
前記モノクロ印刷動作を実行する場合、前記第1クラッチを前記第1切断状態にし、前記第2クラッチを前記第2伝達状態にし、
前記クリーニング動作を実行する場合、前記第2クラッチを前記第2切断状態にすることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
トナー像をシートに定着する定着ローラをさらに備え、
前記第2モータは、前記定着ローラを駆動することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記磁気ローラに供給されるトナーを収容するトナーボックスであって、トナーを攪拌する攪拌部材を有するトナーボックスをさらに備え、
前記第2モータは、前記攪拌部材を駆動することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像が形成されたシートを排出するシート排出ローラをさらに備え、
前記第2モータは、前記シート排出ローラを駆動することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記転写ベルトは、前記感光ドラムとの間でシートを挟んで搬送することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、トナーを感光ドラムに供給可能な磁気ローラを備える2成分現像方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1成分現像方式の画像形成装置として、感光ドラムと、トナーを感光ドラムに供給する現像ローラと、感光ドラム上のトナー像をシートに転写する転写ベルトと、感光ドラム上のトナーを回収可能なドラムクリーニングローラと、転写ベルト上のトナーを回収するベルトクリーニング部材と、ベルトクリーニング部材で回収したトナーを収容する廃トナー収容部と、シートを転写ベルトに供給するシート供給ローラとを備えるものが知られている(特許文献1)。
【0003】
この技術では、シートに画像を形成する場合にドラムクリーニングローラによって感光ドラム上のトナーを回収する。そして、画像形成終了後にドラムクリーニングローラ上のトナーを感光ドラムに排出する。感光ドラムに排出されたトナーは、転写ベルトに転写される。転写ベルトに転写されたトナーは、ベルトクリーニング部材で回収される。ベルトクリーニング部材で回収されたトナーは、廃トナー収容部に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-227241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、トナーを感光ドラムに供給可能な磁気ローラを備える2成分現像方式の画像形成装置において、上述したクリーニング機構が採用されたものは知られていない。そこで、本願出願人は、ドラムクリーニングローラが回収したトナーを感光ドラムと転写ベルトを介してベルトクリーニング部材に回収させ、廃トナー収容部に収容する、2成分現像方式の画像形成装置を提案している。
【0006】
このような2成分現像方式の画像形成装置において、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要な感光ドラム、転写ベルト、ドラムクリーニングローラを駆動させ、クリーニング動作を実行するのに必要でないシート供給ローラの駆動を停止させておきたい。
【0007】
そこで、本開示は、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要な感光ドラム、転写ベルト、ドラムクリーニングローラを駆動させ、クリーニング動作を実行するのに必要でないシート供給ローラの駆動を停止させておくことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
画像形成装置は、感光ドラムと、トナーを感光ドラムに供給可能な磁気ローラであって、感光ドラムから離間した位置に位置する磁気ローラと、感光ドラム上のトナー像をシートに転写するための転写ベルトと、シートを転写ベルトに供給するシート供給ローラと、感光ドラム上のトナーを回収可能なドラムクリーニングローラであって、回収したトナーを感光ドラムに排出可能なドラムクリーニングローラと、転写ベルト上のトナーを回収するベルトクリーニング部材と、ベルトクリーニング部材で回収したトナーを収容する廃トナー収容部と、感光ドラム、転写ベルトおよびドラムクリーニングローラを駆動する第1モータと、シート供給ローラを駆動する第2モータと、シートに画像を形成する印刷動作と、ドラムクリーニングローラ上のトナーをクリーニングするクリーニング動作と、を実行する制御部と、を備える。
制御部は、印刷動作を実行する場合、ドラムクリーニングローラによって感光ドラム上のトナーを回収する第1回収処理を実行する。
制御部は、クリーニング動作を実行する場合、第1回収処理によって回収されたドラムクリーニングローラ上のトナーを、感光ドラムに排出する排出処理と、感光ドラム上のトナーを、転写ベルトに転写する転写処理と、転写ベルト上のトナーを、ベルトクリーニング部材によって廃トナー収容部に回収する第2回収処理と、を実行する。
さらに、制御部は、クリーニング動作を実行する場合、第1モータを駆動し、第2モータを駆動しない。
【0009】
このような構成によれば、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要な感光ドラム、転写ベルト、ドラムクリーニングローラを駆動させ、クリーニング動作を実行するのに必要でないシート供給ローラの駆動を停止させておくことができる。
【0010】
また、制御部は、印刷動作を実行する場合、第1モータおよび第2モータを駆動する構成とすることができる。
【0011】
また、感光ドラムは、第1方向に延びるドラム軸について回転可能であり、磁気ローラは、第1方向に延びる第1ローラ軸について回転可能であり、シート供給ローラは、第1方向に延びる第2ローラ軸について回転可能である構成とすることができる。
【0012】
また、ベルトクリーニング部材は、ベルトクリーニングローラであり、第1モータは、ベルトクリーニングローラを駆動する構成とすることができる。
【0013】
これによれば、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要なベルトクリーニングローラを駆動させることができる。
【0014】
また、第1モータは、磁気ローラを駆動し、画像形成装置は、第1モータからの駆動力を磁気ローラに伝達する伝達状態と、第1モータからの駆動力を磁気ローラに伝達しない切断状態とに切替可能なクラッチをさらに備え、制御部は、クリーニング動作を実行する場合、クラッチを切断状態にする構成とすることができる。
【0015】
これによれば、クリーニング動作を実行する場合に、磁気ローラの駆動を停止させることができる。
【0016】
また、制御部は、印刷動作を実行する場合、クラッチを伝達状態にする構成とすることができる。
【0017】
これによれば、印刷動作を実行する場合に、磁気ローラを駆動させることができる。
【0018】
また、感光ドラムは、第1感光ドラムと、第2感光ドラムと、を含み、磁気ローラは、トナーを第1感光ドラムに供給可能な第1磁気ローラであって、第1感光ドラムから離間した位置に位置する第1磁気ローラと、トナーを第2感光ドラムに供給可能な第2磁気ローラであって、第2感光ドラムから離間した位置に位置する第2磁気ローラと、を含み、ドラムクリーニングローラは、第1感光ドラム上のトナーを回収可能な第1ドラムクリーニングローラであって、回収したトナーを第1感光ドラムに排出可能な第1ドラムクリーニングローラと、第2感光ドラム上のトナーを回収可能な第2ドラムクリーニングローラであって、回収したトナーを第2感光ドラムに排出可能な第2ドラムクリーニングローラと、を含み、第1モータは、第1磁気ローラを駆動し、第2モータは、第2磁気ローラを駆動し、画像形成装置は、第1モータからの駆動力を第1磁気ローラに伝達する第1伝達状態と、第1モータからの駆動力を第1磁気ローラに伝達しない第1切断状態とに切替可能な第1クラッチをさらに備え、制御部は、クリーニング動作を実行する場合、第1クラッチを第1切断状態にする構成とすることができる。
【0019】
これによれば、クリーニング動作を実行する場合に、第1クラッチを第1切断状態にすることで第1磁気ローラを駆動しないようにすることができ、第2モータを駆動しないことで第2磁気ローラを駆動しないようにすることができる。
【0020】
また、画像形成装置は、第2モータからの駆動力を第2磁気ローラに伝達する第2伝達状態と、第2モータからの駆動力を第2磁気ローラに伝達しない第2切断状態とに切替可能な第2クラッチをさらに備える構成とすることができる。
【0021】
これによれば、第2モータを駆動する場合でも、第2クラッチを第2切断状態にすることで第2磁気ローラの駆動を停止させることができる。
【0022】
また、制御部は、印刷動作として、第1磁気ローラおよび第2磁気ローラを駆動するカラー印刷動作と、第2磁気ローラを駆動し、第1磁気ローラを駆動しないモノクロ印刷動作と、を実行可能であり、カラー印刷動作を実行する場合、第1クラッチを第1伝達状態にし、第2クラッチを第2伝達状態にし、モノクロ印刷動作を実行する場合、第1クラッチを第1切断状態にし、第2クラッチを第2伝達状態にし、クリーニング動作を実行する場合、第2クラッチを第2切断状態にする構成とすることができる。
【0023】
これによれば、カラー印刷動作を実行する場合に、第1磁気ローラおよび第2磁気ローラを駆動させることができる。また、モノクロ印刷動作を実行する場合に、第1磁気ローラの駆動を停止させ、第2磁気ローラを駆動させることができる。
【0024】
また、画像形成装置は、トナー像をシートに定着する定着ローラをさらに備え、第2モータは、定着ローラを駆動する構成とすることができる。
【0025】
これによれば、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要でない定着ローラの駆動を停止させておくことができる。
【0026】
また、画像形成装置は、磁気ローラに供給されるトナーを収容するトナーボックスであって、トナーを攪拌する攪拌部材を有するトナーボックスをさらに備え、第2モータは、攪拌部材を駆動する構成とすることができる。
【0027】
これによれば、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要でない攪拌部材の駆動を停止させておくことができる。
【0028】
また、画像形成装置は、画像が形成されたシートを排出するシート排出ローラをさらに備え、第2モータは、シート排出ローラを駆動する構成とすることができる。
【0029】
これによれば、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要でないシート排出ローラの駆動を停止させておくことができる。
【0030】
また、転写ベルトは、感光ドラムとの間でシートを挟んで搬送する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0031】
本開示によれば、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要な感光ドラム、転写ベルト、ドラムクリーニングローラを駆動させ、クリーニング動作を実行するのに必要でないシート供給ローラの駆動を停止させておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】画像形成装置を示す断面図である。
図2】ドラムユニットが引き出し位置に位置する状態を示す断面図である。
図3】トナーカートリッジが装着されたドラムユニットを示す断面図である。
図4】モータの駆動力の伝達構成を簡略化して示す図である。
図5】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】印刷動作の一例を示すフローチャートである。
図7】クリーニング動作の一例を示すフローチャートである。
図8】カラー印刷動作を実行した後にクリーニング動作を実行する場合を示すタイミングチャートである。
図9】モノクロ印刷動作を実行した後にクリーニング動作を実行する場合を示すタイミングチャートである。
図10】変形例のモータの駆動力の伝達構成を簡略化して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、本体筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、排出部90と、ベルトクリーナ100と、制御部200とを備えている。
【0034】
本体筐体10は、開口10Aと、フロントカバー11とを有している。フロントカバー11は、開口10Aを開ける開位置(図2参照)と、開口10Aを閉じる閉位置との間を移動可能である。詳しくは、フロントカバー11は、開位置と閉位置との間で回動可能である。
【0035】
シート供給部20は、供給トレイ21と、シート搬送機構22とを備えている。供給トレイ21は、シートSを収容する。シート搬送機構22は、供給トレイ21からシートSを画像形成部30へ搬送する。シート搬送機構22は、シート供給ローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、搬送ローラ26と、レジストレーションローラ27とを備えている。
【0036】
シート供給ローラ23は、シートSを後述する転写ベルト73に向けて供給するローラである。シート供給ローラ23は、第1方向に延びる第2ローラ軸23Xについて回転可能である。シート供給ローラ23は、シートSを供給トレイ21から送り出す。分離ローラ24と分離パッド25は、供給トレイ21から送り出されたシートSを1枚ずつ分離する。搬送ローラ26とレジストレーションローラ27は、シートSを搬送する。また、レジストレーションローラ27は、シートSの先端の位置を揃えることでシートSの斜行を補正する。
【0037】
画像形成部30は、露光ユニット40と、プロセスユニットUと、転写ユニット70と、定着装置80とを備えている。
【0038】
露光ユニット40は、帯電後の感光ドラム51の表面を露光する。露光ユニット40は、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光ユニット40は、仮想線で示すように、光ビームを、感光ドラム51に出射する。
【0039】
プロセスユニットUは、ドラムユニット50と、4つのトナーボックスTCとを備えている。
【0040】
トナーボックスTCは、後述する磁気ローラ61に供給されるトナーを収容する。トナーは、非磁性体である。トナーは、第1極性としての正に帯電する正帯電性のトナーである。トナーボックスTCは、攪拌部材の一例としてのアジテータAGを有する。アジテータAGは、回転することで、トナーボックスTC内のトナーを攪拌する。
【0041】
4つのトナーボックスTCは、後述する第2方向に並んでいる。詳しくは、4つのトナーボックスTCは、イエローのトナーを収容する第1トナーボックスTCYと、ブラックのトナーを収容する第2トナーボックスTCKと、マゼンタのトナーを収容する第3トナーボックスTCMと、シアンのトナーを収容する第4トナーボックスTCCとを含む。第1トナーボックスTCY、第3トナーボックスTCM、第4トナーボックスTCCおよび第2トナーボックスTCKは、シートSの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に並んでいる。
【0042】
アジテータAGは、第1トナーボックスTCY内のトナーを攪拌する第1アジテータAGYと、第2トナーボックスTCK内のトナーを攪拌する第2アジテータAGKと、第3トナーボックスTCM内のトナーを攪拌する第3アジテータAGMと、第4トナーボックスTCC内のトナーを攪拌する第4アジテータAGCとを含む。
【0043】
図2に示すように、トナーボックスTCは、ドラムユニット50に着脱可能となっている。詳しくは、トナーボックスTCは、ドラム軸51Xが延びる第1方向に交差する方向に着脱可能となっている。より詳しくは、トナーボックスTCは、ドラム軸51Xが延びる第1方向に直交する方向に着脱可能となっている。
【0044】
ドラムユニット50は、本体筐体10に対して、着脱可能である。ドラムユニット50は、本体筐体10に対して、開口10Aを介して第2方向に移動可能なドロアである。詳しくは、ドラムユニット50は、本体筐体10に対して、ドラムユニット50が本体筐体10内に位置する収容位置(図1参照)と、本体筐体10から引き出された引き出し位置との間で第2方向に移動可能となっている。図3に示すように、ドラムユニット50は、感光ドラム51と、スコロトロン帯電器52と、ドラムクリーニングローラ53と、現像ユニット60と、シートガイド54とを備えている。詳しくは、ドラムユニット50は、4つの感光ドラム51と、4つのスコロトロン帯電器52と、4つのドラムクリーニングローラ53と、4つの現像ユニット60を備えている。
【0045】
感光ドラム51は、第1方向に延びるドラム軸51Xについて回転可能である。第2方向は、第1方向と交差する方向である。詳しくは、第2方向は、第1方向と直交する方向である。4つの感光ドラム51は、第2方向に並んでいる。4つの感光ドラム51は、イエローのトナーに対応する第1感光ドラム51Yと、ブラックのトナーに対応する第2感光ドラム51Kと、マゼンタのトナーに対応する第3感光ドラム51Mと、シアンのトナーに対応する第4感光ドラム51Cとを含む。第1感光ドラム51Y、第3感光ドラム51M、第4感光ドラム51Cおよび第2感光ドラム51Kは、シートSの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に並んでいる。
【0046】
スコロトロン帯電器52は、感光ドラム51の表面を帯電させる。スコロトロン帯電器52は、符号を省略して示す放電ワイヤ、グリッド電極などを備えている。スコロトロン帯電器52は、正の帯電バイアスVgが印加されることで、感光ドラム51の表面を帯電させる。スコロトロン帯電器52は、感光ドラム51の表面から離間した位置に位置している。感光ドラム51とスコロトロン帯電器52は、非接触である。
【0047】
4つのスコロトロン帯電器52は、第2方向に並んでいる。4つのスコロトロン帯電器52は、第1感光ドラム51Yの表面を帯電させる第1スコロトロン帯電器52Yと、第2感光ドラム51Kの表面を帯電させる第2スコロトロン帯電器52Kと、第3感光ドラム51Mの表面を帯電させる第3スコロトロン帯電器52Mと、第4感光ドラム51Cの表面を帯電させる第4スコロトロン帯電器52Cとを含む。第1スコロトロン帯電器52Y、第3スコロトロン帯電器52M、第4スコロトロン帯電器52Cおよび第2スコロトロン帯電器52Kは、シートSの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に並んでいる。
【0048】
ドラムクリーニングローラ53は、第1方向に延びるクリーニング軸53Xについて回転可能である。ドラムクリーニングローラ53は、感光ドラム51上のトナーを回収可能なローラである。また、ドラムクリーニングローラ53は、回収したトナーを感光ドラム51に排出可能である。
【0049】
詳しくは、ドラムクリーニングローラ53は、ドラムクリーニングバイアスVclnが印加されることで、感光ドラム51上のトナーを回収可能であり、また、回収したトナーを感光ドラム51に排出可能である。より詳しくは、ドラムクリーニングローラ53は、第1極性と逆極性の第2極性としての負のドラムクリーニングバイアス-Vc1が印加されることで、感光ドラム51上のトナーを回収する。また、ドラムクリーニングローラ53は、正のドラムクリーニングバイアス+Vc2が印加されることで、トナーを感光ドラム51に排出する。
【0050】
4つのドラムクリーニングローラ53は、第1ドラムクリーニングローラ53Yと、第2ドラムクリーニングローラ53Kと、第3ドラムクリーニングローラ53Mと、第4ドラムクリーニングローラ53Cとを含む。
【0051】
第1ドラムクリーニングローラ53Yは、第1感光ドラム51Y上のトナーを回収可能である。また、第1ドラムクリーニングローラ53Yは、回収したトナーを第1感光ドラム51Yに排出可能である。第2ドラムクリーニングローラ53Kは、第2感光ドラム51K上のトナーを回収可能である。また、第2ドラムクリーニングローラ53Kは、回収したトナーを第2感光ドラム51Kに排出可能である。第3ドラムクリーニングローラ53Mは、第3感光ドラム51M上のトナーを回収可能である。また、第3ドラムクリーニングローラ53Mは、回収したトナーを第3感光ドラム51Mに排出可能である。第4ドラムクリーニングローラ53Cは、第4感光ドラム51C上のトナーを回収可能である。また、第4ドラムクリーニングローラ53Cは、回収したトナーを第4感光ドラム51Cに排出可能である。
【0052】
4つの現像ユニット60は、第2方向に並んでいる。現像ユニット60は、ドラムユニット50に対するトナーボックスTCの装着方向において、トナーボックスTCと感光ドラム51との間に位置する。4つの現像ユニット60は、それぞれ、磁気ローラ61と、現像容器62と、第1オーガ63と、第2オーガ64と、層厚規制ブレード65とを備えている。
【0053】
磁気ローラ61は、トナーを感光ドラム51に供給可能なローラである。詳しくは、磁気ローラ61は、正に帯電するトナーを感光ドラム51に供給可能である。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面の、露光ユニット40によって露光された部分にトナーを供給する。磁気ローラ61は、正の現像バイアスVbが印加されることで、感光ドラム51の表面の露光部分にトナーを供給する。
【0054】
磁気ローラ61は、磁気ローラ61の表面が第1方向に延びる第1ローラ軸61Xについて回転可能である。詳しくは、磁気ローラ61は、磁気シャフト61Aと、スリーブ61Bとを有する。
【0055】
磁気シャフト61Aは、周方向に異なる磁極が所定パターンで配置されている。磁気シャフト61Aは、例えば、複数の永久磁石が埋設された円柱状の部材である。磁気シャフト61Aは、第1方向に延びる。磁気シャフト61Aは、現像容器62に固定される。
【0056】
スリーブ61Bは、例えば、非磁性金属材料を主体とする円筒状部材からなる。スリーブ61Bは、磁気シャフト61Aについて回転可能である。スリーブ61Bは、磁気シャフト61Aを中心として回転可能である。スリーブ61Bは、表面にキャリアとトナーを担持する。詳しくは、スリーブ61Bは、磁気シャフト61Aの磁力により表面にキャリアを保持するとともに、キャリアを介してトナーを保持する。
【0057】
磁気ローラ61は、ドラムユニット50に対するトナーボックスTCの装着方向において、トナーボックスTCと感光ドラム51との間に位置する。スリーブ61Bは、第1ローラ軸61Xについて回転可能となっている。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面と向かい合っている。磁気ローラ61は、感光ドラム51の表面から離間した位置に位置している。感光ドラム51と磁気ローラ61は、非接触である。磁気ローラ61は、第1磁気ローラ61Yと、第2磁気ローラ61Kと、第3磁気ローラ61Mと、第4磁気ローラ61Cとを含む。
【0058】
第1磁気ローラ61Yは、トナーを第1感光ドラム51Yに供給可能である。また、第1磁気ローラ61Yは、第1感光ドラム51Yから離間した位置に位置する。第2磁気ローラ61Kは、トナーを第2感光ドラム51Kに供給可能である。また、第2磁気ローラ61Kは、第2感光ドラム51Kから離間した位置に位置する。第3磁気ローラ61Mは、トナーを第3感光ドラム51Mに供給可能である。また、第3磁気ローラ61Mは、第3感光ドラム51Mから離間した位置に位置する。第4磁気ローラ61Cは、トナーを第4感光ドラム51Cに供給可能である。また、第4磁気ローラ61Cは、第4感光ドラム51Cから離間した位置に位置する。
【0059】
現像容器62は、磁性体であるキャリアを収容する容器である。キャリアは、例えば、鉄粉である。現像容器62は、トナーボックスTCからトナーが補給されることを許容する補給口66を有する。補給口66は、第1オーガ63および第2オーガ64に対して磁気ローラ61とは反対側に位置する。
【0060】
補給口66は、第1オーガ63および第2オーガ64より上に位置する。詳しくは、補給口66は、第1オーガ63の上に位置する。第1ローラ軸61Xは、第1オーガ63および第2オーガ64より下に位置する。詳しくは、第1ローラ軸61Xは、第2オーガ64の下に位置する。
【0061】
現像容器62は、第1トナーボックスTCYからトナーが補給されることを許容する第1補給口66Yを有する第1現像容器62Yと、第2トナーボックスTCKからトナーが補給されることを許容する第2補給口66Kを有する第2現像容器62Kと、第3トナーボックスTCMからトナーが補給されることを許容する第3補給口66Mを有する第3現像容器62Mと、第4トナーボックスTCCからトナーが補給されることを許容する第4補給口66Cを有する第4現像容器62Cとを含む。
【0062】
第1オーガ63は、現像容器62内に位置する。第1オーガ63は、第1方向に延びる第1オーガ軸63Xについて回転可能である。第1オーガ63は、第2方向で第2オーガ64と並んでいる。第1オーガ63は、第2オーガ64よりも補給口66の近くに位置する。第1オーガ63は、現像容器62内のキャリアとトナーとを循環する。第1オーガ63は、補給口66から補給されたトナーを第2オーガ64に搬送する。
【0063】
第1オーガ63は、第1現像容器62Y内に位置するY第1オーガ63Yと、第2現像容器62K内に位置するK第1オーガ63Kと、第3現像容器62M内に位置するM第1オーガ63Mと、第4現像容器62C内に位置するC第1オーガ63Cとを含む。
【0064】
第2オーガ64は、現像容器62内に位置する。第2オーガ64は、第1方向に延びる第2オーガ軸64Xについて回転可能である。第2オーガ64は、現像容器62内のキャリアとトナーとを磁気ローラ61へ向けて搬送可能である。第2オーガ64は、トナーを磁気ローラ61に供給する。第2オーガ64は、現像容器62内のキャリアとトナーとを循環する。
【0065】
第2オーガ64は、第1現像容器62Y内に位置するY第2オーガ64Yと、第2現像容器62K内に位置するK第2オーガ64Kと、第3現像容器62M内に位置するM第2オーガ64Mと、第4現像容器62C内に位置するC第2オーガ64Cとを含む。
【0066】
層厚規制ブレード65は、磁気ローラ61上のトナーの層の厚さを規制する部材である。層厚規制ブレード65は、磁気ローラ61とは非接触となっている。層厚規制ブレード65は、第1オーガ63および第2オーガ64より下に位置する。詳しくは、層厚規制ブレード65は、第1オーガ63の下に位置する。層厚規制ブレード65は、第2方向において、磁気ローラ61と並んでいる。第1ローラ軸61Xは、第2方向において、層厚規制ブレード65とドラム軸51Xの間に位置する。
【0067】
層厚規制ブレード65は、第1磁気ローラ61Y上のトナーの層の厚さを規制する第1層厚規制ブレード65Yと、第2磁気ローラ61K上のトナーの層の厚さを規制する第2層厚規制ブレード65Kと、第3磁気ローラ61M上のトナーの層の厚さを規制する第3層厚規制ブレード65Mと、第4磁気ローラ61C上のトナーの層の厚さを規制する第4層厚規制ブレード65Cとを含む。
【0068】
シートガイド54は、シートSを感光ドラム51に向けてガイドするガイドである。シートガイド54は、第2方向において、感光ドラム51と並んでいる。シートガイド54は、4つの感光ドラム51よりも、シートSの搬送方向の上流に位置する。
【0069】
第1磁気ローラ61Yは、第1方向および第2方向と交差する第3方向において、シートガイド54とY第2オーガ64Yとの間に位置する。好ましくは、第3方向は、第1方向および第2方向と直交する。第1層厚規制ブレード65Yは、第3方向において、シートガイド54とY第1オーガ63Yとの間に位置する。
【0070】
図1に示すように、転写ユニット70は、感光ドラム51上のトナー像をシートSに転写する。転写ユニット70は、第3方向において、シート供給部20とドラムユニット50との間に位置する。転写ユニット70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、転写ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
【0071】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、第2方向に離間している。駆動ローラ71および従動ローラ72は、エンドレスベルトからなる転写ベルト73を支持している。転写ローラ74は、転写ベルト73の内側に位置する。転写ローラ74は、感光ドラム51との間で転写ベルト73を挟持する。転写ベルト73は、転写ローラ74に負の転写バイアスVtが印加されることで、感光ドラム51上のトナー像をシートSに転写する。
【0072】
4つの転写ローラ74は、第2方向に並んでいる。4つの転写ローラ74は、第1感光ドラム51Y上のトナー像をシートSに転写する第1転写ローラ74Yと、第2感光ドラム51K上のトナー像をシートSに転写する第2転写ローラ74Kと、第3感光ドラム51M上のトナー像をシートSに転写する第3転写ローラ74Mと、第4感光ドラム51C上のトナー像をシートSに転写する第4転写ローラ74Cとを含む。第1転写ローラ74Y、第3転写ローラ74M、第4転写ローラ74Cおよび第2転写ローラ74Kは、シートSの搬送方向の上流から下流に向けてこの順に並んでいる。
【0073】
定着装置80は、シートS上のトナー像をシートSに定着する。定着装置80は、トナー像をシートSに定着する定着ローラの一例としての加熱ローラ81と、加圧ローラ82とを備えている。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを挟む。
【0074】
画像形成部30では、スコロトロン帯電器52が、感光ドラム51の表面を帯電する。その後、露光ユニット40は、感光ドラム51の表面を露光する。これにより、感光ドラム51上に静電潜像が形成される。
【0075】
トナーボックスTCは、現像容器62内にトナーを補給する。第1オーガ63は、現像容器62内のトナーとキャリアを第2オーガ64に搬送する。第2オーガ64は、現像容器62内のトナーとキャリアを磁気ローラ61に搬送する。磁気ローラ61は、トナーを感光ドラム51上の静電潜像に供給する。これにより、感光ドラム51上にトナー像が形成される。
【0076】
転写ベルト73は、感光ドラム51との間でシートSを挟んで搬送する。シートSは、感光ドラム51と転写ローラ74の間を通過する。この際、感光ドラム51上のトナー像が、シートSに転写される。その後、シートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を通過する。この際、シートS上のトナー像が定着される。
【0077】
排出部90は、複数のシート排出ローラ91を備えている。シート排出ローラ91は、画像が形成されたシートSを本体筐体10の外に排出する。
【0078】
ベルトクリーナ100は、転写ベルト73上のトナーを回収可能である。ベルトクリーナ100は、ベルトクリーニング部材の一例としてのベルトクリーニングローラ101と、回収ローラ102と、掻き取りブレード103と、廃トナー収容部104と、バックアップローラ105とを備えている。バックアップローラ105は、転写ベルト73の内側に位置する。バックアップローラ105は、ベルトクリーニングローラ101との間で転写ベルト73を挟持する。
【0079】
ベルトクリーニングローラ101は、転写ベルト73から転写ベルト73上のトナーを回収する。詳しくは、ベルトクリーニングローラ101は、負のベルトクリーニングバイアスVbcが印加されることで、転写ベルト73上のトナーを回収する。回収ローラ102は、ベルトクリーニングローラ101上のトナーを回収する。掻き取りブレード103は、回収ローラ102上のトナーを掻き取る。
【0080】
廃トナー収容部104は、ベルトクリーニングローラ101で回収したトナーを収容する。詳しくは、廃トナー収容部104は、ベルトクリーニングローラ101から回収ローラ102に回収され、回収ローラ102上から掻き取りブレード103によって掻き落とされたトナーを収容する。
【0081】
図4に示すように、カラープリンタ1は、第1モータM1と、第2モータM2と、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、供給クラッチC3とをさらに備えている。
【0082】
第1モータM1は、感光ドラム51、転写ベルト73およびドラムクリーニングローラ53を駆動するモータである。詳しくは、第1モータM1は、4つの感光ドラム51(51Y,51M,51C,51K)、4つのドラムクリーニングローラ53(53Y,53M,53C,53K)を駆動する。また、第1モータM1は、駆動ローラ71を駆動することで、転写ベルト73および4つの転写ローラ74(74Y,74M,74C,74K)を駆動する。第1モータM1の駆動力は、図示しないギヤ列を介して、4つの感光ドラム51、4つのドラムクリーニングローラ53および駆動ローラ71に伝達される。
【0083】
また、第1モータM1は、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61M、第4磁気ローラ61C、ベルトクリーニングローラ101および回収ローラ102を駆動する。第1モータM1の駆動力は、図示しないギヤ列を介して、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61M、第4磁気ローラ61C、ベルトクリーニングローラ101および回収ローラ102に伝達される。
【0084】
第1モータM1の駆動力を第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cに伝達するギヤ列は、制御部200により制御される第1クラッチC1を含む。第1クラッチC1は、例えば、電磁クラッチである。第1クラッチC1は、第1モータM1からの駆動力を第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cに伝達する第1伝達状態と、第1モータM1からの駆動力を第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cに伝達しない第1切断状態とに切替可能である。
【0085】
制御部200は、第1クラッチC1を第1伝達状態にすることで第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cの各スリーブ61Bを回転させる。また、制御部200は、第1クラッチC1を第1切断状態にすることで第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cの各スリーブ61Bの回転を停止させる。
【0086】
第2モータM2は、シート供給ローラ23を駆動するモータである。第2モータM2の駆動力は、図示しないギヤ列を介して、シート供給ローラ23に伝達される。第2モータM2の駆動力をシート供給ローラ23に伝達するギヤ列は、制御部200により制御される供給クラッチC3を含む。供給クラッチC3は、例えば、電磁クラッチである。供給クラッチC3は、第2モータM2からの駆動力をシート供給ローラ23に伝達する第3伝達状態と、第2モータM2からの駆動力をシート供給ローラ23に伝達しない第3切断状態とに切替可能である。
【0087】
制御部200は、供給クラッチC3を第3伝達状態にすることでシート供給ローラ23を回転させてシートSを供給トレイ21から送り出す。また、制御部200は、供給クラッチC3を第3切断状態にすることでシート供給ローラ23を停止させる。
【0088】
また、第2モータM2は、分離ローラ24、搬送ローラ26およびレジストレーションローラ27を駆動する。第2モータM2の駆動力は、図示しないギヤ列を介して、分離ローラ24、搬送ローラ26およびレジストレーションローラ27に伝達される。
【0089】
また、第2モータM2は、第2磁気ローラ61K、加熱ローラ81、シート排出ローラ91および4つのトナーボックスTCの各アジテータAG(AGY,AGM,AGC,AGK)を駆動する。第2モータM2の駆動力は、図示しないギヤ列を介して、第2磁気ローラ61K、加熱ローラ81、シート排出ローラ91および4つのアジテータAGに伝達される。
【0090】
第2モータM2の駆動力を第2磁気ローラ61Kに伝達するギヤ列は、制御部200により制御される第2クラッチC2を含む。第2クラッチC2は、例えば、電磁クラッチである。第2クラッチC2は、第2モータM2からの駆動力を第2磁気ローラ61Kに伝達する第2伝達状態と、第2モータM2からの駆動力を第2磁気ローラ61Kに伝達しない第2切断状態とに切替可能である。
【0091】
制御部200は、第2クラッチC2を第2伝達状態にすることで第2磁気ローラ61Kのスリーブ61Bを回転させる。また、制御部200は、第2クラッチC2を第2切断状態にすることで第2磁気ローラ61Kのスリーブ61Bの回転を停止させる。
【0092】
制御部200は、CPU、RAM、ROM、入出力回路などを有している。制御部200は、ROMなどに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。制御部200は、第1モータM1、第2モータM2、第1クラッチC1、第2クラッチC2および供給クラッチC3を制御する。また、制御部200は、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、ドラムクリーニングバイアスVcln、転写バイアスVtおよびベルトクリーニングバイアスVbcを制御する。
【0093】
制御部200は、シートSに画像を形成する印刷動作と、ドラムクリーニングローラ53上のトナーをクリーニングするクリーニング動作とを実行する。
【0094】
制御部200は、印刷動作を実行する場合、第1モータM1および第2モータM2を駆動する。これにより、シート供給ローラ23、分離ローラ24、搬送ローラ26、レジストレーションローラ27、転写ベルト73、4つの転写ローラ74、4つの感光ドラム51、4つのドラムクリーニングローラ53、加熱ローラ81、シート排出ローラ91、ベルトクリーニングローラ101、回収ローラ102および4つのアジテータAGを駆動させることができる。
【0095】
制御部200は、印刷動作として、シートSにカラーの画像を形成するカラー印刷動作と、シートSにモノクロの画像を形成するモノクロ印刷動作とを実行可能である。
【0096】
制御部200は、カラー印刷動作を実行する場合、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61M、第4磁気ローラ61Cおよび第2磁気ローラ61Kを駆動する。具体的には、制御部200は、カラー印刷動作を実行する場合、第1クラッチC1を第1伝達状態にし、第2クラッチC2を第2伝達状態にする。これにより、第1モータM1の駆動力が第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cに伝達されて第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cの各スリーブ61Bが駆動する。また、第2モータM2の駆動力が第2磁気ローラ61Kに伝達されて第2磁気ローラ61Kのスリーブ61Bが駆動する。
【0097】
制御部200は、モノクロ印刷動作を実行する場合、第2磁気ローラ61Kを駆動し、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cを駆動しない。具体的には、制御部200は、モノクロ印刷動作を実行する場合、第1クラッチC1を第1切断状態にし、第2クラッチC2を第2伝達状態にする。これにより、第1モータM1の駆動力が第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cに伝達されず、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61M、第4磁気ローラ61Cの各スリーブ61Bは駆動しない。また、第2モータM2の駆動力が第2磁気ローラ61Kに伝達されて第2磁気ローラ61Kのスリーブ61Bは駆動する。
【0098】
制御部200は、印刷動作を実行する場合、カラー印刷動作であるか、モノクロ印刷動作であるかに関わらず、磁気ローラ61に現像バイアスVbを印加する。詳しくは、制御部200は、印刷動作を実行する場合、磁気ローラ61に、第1値の現像バイアスVbを印加する。以下では、第1値の現像バイアスVbを「現像バイアスVb1」とする。制御部200は、印刷動作を実行する場合、磁気ローラ61のスリーブ61Bに現像バイアスVb1を印加する。
【0099】
また、制御部200は、印刷動作を実行する場合、カラー印刷動作であるか、モノクロ印刷動作であるかに関わらず、第1回収処理を実行する。制御部200は、第1回収処理において、4つのドラムクリーニングローラ53にドラムクリーニングバイアス-Vc1を印加する。これにより、制御部200は、ドラムクリーニングローラ53によって感光ドラム51上のトナーを回収する。
【0100】
制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、第1モータM1を駆動し、第2モータM2を駆動しない。これにより、4つのドラムクリーニングローラ53、4つの感光ドラム51、転写ベルト73、4つの転写ローラ74、ベルトクリーニングローラ101および回収ローラ102を駆動させることができる。一方で、シート供給ローラ23、分離ローラ24、搬送ローラ26、レジストレーションローラ27、加熱ローラ81、シート排出ローラ91および4つのアジテータAGは駆動しない。
【0101】
制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、帯電バイアス印加処理と、現像バイアス印加処理と、排出処理と、転写処理と、第2回収処理とを実行する。
【0102】
制御部200は、帯電バイアス印加処理において、4つのスコロトロン帯電器52に帯電バイアスVgを印加する。これにより、制御部200は、4つのスコロトロン帯電器52によって4つの感光ドラム51の表面を帯電させる。制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、露光ユニット40によって、帯電後の4つの感光ドラム51の表面を露光しない。
【0103】
制御部200は、現像バイアス印加処理において、4つの磁気ローラ61に現像バイアスVbを印加する。詳しくは、制御部200は、現像バイアス印加処理において、磁気ローラ61の表面電位の絶対値が、帯電後の感光ドラム51の未露光部分の表面電位の絶対値よりも大きくなるように、4つの磁気ローラ61に現像バイアスVbを印加する。
【0104】
制御部200は、現像バイアス印加処理を実行する場合、4つの磁気ローラ61に、正の現像バイアスVbを印加する。また、制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、現像バイアス印加処理において、4つの磁気ローラ61に、第1値の絶対値よりも大きな絶対値である第2値の現像バイアスVbを印加する。以下では、第2値の現像バイアスVbを「現像バイアスVb2」とする。制御部200は、現像バイアス印加処理を実行する場合、4つの磁気ローラ61の各スリーブ61Bに現像バイアスVb2を印加する。
【0105】
制御部200は、排出処理において、4つのドラムクリーニングローラ53にドラムクリーニングバイアス+Vc2を印加する。これにより、制御部200は、印刷動作中の第1回収処理によって回収されたドラムクリーニングローラ53上のトナーを、感光ドラム51に排出する。
【0106】
制御部200は、転写処理において、4つの転写ローラ74に転写バイアスVtを印加する。これにより、制御部200は、感光ドラム51上のトナーを、直接、転写ベルト73に転写する。
【0107】
制御部200は、第2回収処理において、ベルトクリーニングローラ101にベルトクリーニングバイアスVbcを印加する。これにより、制御部200は、転写ベルト73上のトナーを、ベルトクリーニングローラ101によって廃トナー収容部104に回収する。
【0108】
制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、4つの磁気ローラ61の回転を停止させる。詳しくは、制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、第2モータM2を駆動しないとともに、第1クラッチC1を第1切断状態にする。これにより、第1モータM1の駆動力が第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cに伝達されず、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61M、第4磁気ローラ61Cの各スリーブ61Bの回転を停止させることができる。また、第2磁気ローラ61Kのスリーブ61Bの回転を停止させることができる。制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、第2クラッチC2を第2切断状態にする。
【0109】
次に、制御部200の動作の一例について、フローチャートおよびタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、クラッチC1~C3を伝達状態にする場合を「ONにする」といい、クラッチC1~C3を切断状態にする場合を「OFFにする」という。印刷ジョブを受信する前、クラッチC1~C3は、OFFになっている。
【0110】
図5に示すように、制御部200は、印刷開始の指令や画像データなどを含む印刷ジョブを受信すると、第1モータM1および第2モータM2をONにする(S11)(図8,t11)。これにより、分離ローラ24、搬送ローラ26、レジストレーションローラ27、転写ベルト73、4つの転写ローラ74、4つの感光ドラム51、4つのドラムクリーニングローラ53、加熱ローラ81、シート排出ローラ91、ベルトクリーニングローラ101、回収ローラ102および4つのアジテータAGが回転する。
【0111】
また、制御部200は、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、ドラムクリーニングバイアスVcln、ベルトクリーニングバイアスVbcをONにする(S12)(図8,t12)。制御部200は、帯電バイアスVgをONにすることで、スコロトロン帯電器52によって感光ドラム51の表面を帯電する帯電バイアス印加処理を開始する。また、制御部200は、ベルトクリーニングバイアスVbcをONにすることで、転写ベルト73上のトナーをベルトクリーニングローラ101によって廃トナー収容部104に回収する。
【0112】
また、制御部200は、現像バイアスVbとして、現像バイアスVb1を磁気ローラ61のスリーブ61Bに印加する。また、制御部200は、ドラムクリーニングバイアスVclnとして、トナーを回収するためのドラムクリーニングバイアス-Vc1をドラムクリーニングローラ53に印加する。これにより、制御部200は、ドラムクリーニングローラ53によって感光ドラム51上のトナーを回収する第1回収処理を開始する。
【0113】
その後、制御部200は、印刷動作を実行する(S20)。詳しくは、図6に示すように、制御部200は、供給クラッチC3をONにしてシート供給ローラ23を回転させ(図8,t21)、シートSの供給を開始する(S21)。制御部200は、シートSを1枚供給した後、供給クラッチC3をOFFにしてシート供給ローラ23を停止させる。
【0114】
また、制御部200は、印刷動作がカラー印刷動作であるか否かを判定する(S22)。カラー印刷動作である場合(S22,Yes)、制御部200は、第1クラッチC1と第2クラッチC2をONにする(S23)(図8,t23)。これにより、4つの磁気ローラ61の各スリーブ61Bが回転する。
【0115】
そして、制御部200は、露光、現像、転写、定着を実行し、供給されたシートSにカラーの画像を形成する(S25)。このとき、制御部200は、図8に示すように、露光ユニット40によって、イエロー(Y)に対応する第1感光ドラム51Y、マゼンタ(M)に対応する第3感光ドラム51M、シアン(C)に対応する第4感光ドラム51C、ブラック(K)に対応する第2感光ドラム51Kの順に露光を実行する。
【0116】
また、本実施形態において、制御部200は、転写を実行する前にベルトクリーニングバイアスVbcをOFFにする。一例として、制御部200は、ベルトクリーニングバイアスVbcをONにしてから第3時間T3が経過したときにベルトクリーニングバイアスVbcをOFFにする(図8,t29)。第3時間T3は、例えば、転写ベルト73が1回転以上、回転する時間に設定されている。
【0117】
また、本実施形態において、制御部200は、イエロー(Y)に対応する第1転写ローラ74Y、マゼンタ(M)に対応する第3転写ローラ74M、シアン(C)に対応する第4転写ローラ74C、ブラック(K)に対応する第2転写ローラ74Kの順に、転写を開始するタイミングで転写バイアスVtをONにする。その後、制御部200は、イエロー(Y)に対応する第1転写ローラ74Y、マゼンタ(M)に対応する第3転写ローラ74M、シアン(C)に対応する第4転写ローラ74C、ブラック(K)に対応する第2転写ローラ74Kの順に、転写が終了したタイミングで転写バイアスVtをOFFにする。
【0118】
なお、制御部200は、カラー印刷動作の実行中において、4つの転写ローラ74について転写バイアスVtを同時にONにしてもよい。また、制御部200は、カラー印刷動作の実行中において、4つの転写ローラ74について転写バイアスVtを同時にOFFにしてもよい。
【0119】
図6のステップS25の後、制御部200は、印刷ジョブに次の頁があるか否かを判定する(S26)。次の頁がある場合(S26,Yes)、制御部200は、所定のタイミングで供給クラッチC3をONにしてシート供給ローラ23を回転させ、次のシートSの供給を開始する(S27)。その後、制御部200は、次のシートSに画像を形成する(S25)。ステップS26において、印刷ジョブに次の頁がない場合(No)、制御部200は、印刷動作としてのカラー印刷動作を終了する。
【0120】
ステップS22において、印刷動作がモノクロ印刷動作である場合(No)、制御部200は、第1クラッチC1をOFFにし、第2クラッチC2をONにする(S24)(図9,t24)。これにより、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cの各スリーブ61Bは回転せず、第2磁気ローラ61Kのスリーブ61Bのみが回転する。
【0121】
そして、制御部200は、露光、現像、転写、定着を実行し、供給されたシートSにモノクロの画像を形成する(S25)。このとき、制御部200は、図9に示すように、露光ユニット40によって、ブラック(K)に対応する第2感光ドラム51Kのみに露光を実行する。また、制御部200は、転写を開始するタイミングで、ブラック(K)に対応する第2転写ローラ74Kのみに転写バイアスVtをONにする。その後、制御部200は、転写が終了したタイミングで転写バイアスVtをOFFにする。
【0122】
図6のステップS25の後、制御部200は、印刷ジョブに次の頁があるか否かを判定する(S26)。次の頁がある場合(S26,Yes)、制御部200は、次のシートSの供給を開始し(S27)、次のシートSに画像を形成する(S25)。次の頁がない場合(S26,No)、制御部200は、印刷動作としてのモノクロ印刷動作を終了する。
【0123】
図5に戻り、印刷動作が終了すると、制御部200は、クリーニング動作を実行する(S30)。詳しくは、図7に示すように、制御部200は、第1クラッチC1と第2クラッチC2をOFFにする(S31)(図8,t31)。これにより、4つの磁気ローラ61の各スリーブ61Bが停止する。
【0124】
また、制御部200は、第2モータM2をOFFにする(S32)(図8,t32)。これにより、クリーニング動作では使用しない、シート供給ローラ23、分離ローラ24、搬送ローラ26、レジストレーションローラ27、加熱ローラ81、シート排出ローラ91および4つのアジテータAGを駆動しないようにすることができる。
【0125】
その後、制御部200は、現像バイアスVbをVb1からVb2に切り替え、ドラムクリーニングバイアスVclnを-Vc1から+Vc2に切り替える。また、制御部200は、転写バイアスVtおよびベルトクリーニングバイアスVbcをONにする(S33)(図8,t33)。
【0126】
制御部200は、磁気ローラ61のスリーブ61Bに現像バイアスVb2を印加することで、現像バイアス印加処理を開始する。また、制御部200は、ドラムクリーニングローラ53にドラムクリーニングバイアス+Vc2を印加することで、第1回収処理を終了するとともに、ドラムクリーニングローラ53上のトナーを感光ドラム51に排出する排出処理を開始する。
【0127】
また、制御部200は、転写ローラ74に転写バイアスVtを印加することで、感光ドラム51上のトナーを転写ベルト73に転写する転写処理を開始する。また、制御部200は、ベルトクリーニングローラ101にベルトクリーニングバイアスVbcを印加することで、転写ベルト73上のトナーをベルトクリーニングローラ101によって廃トナー収容部104に回収する第2回収処理を開始する。
【0128】
その後、制御部200は、ドラムクリーニングバイアスVclnを-Vc1から+Vc2に切り替えてから第1時間T1が経過したか否かを判定する(S34)。第1時間T1が経過した場合(S34,Yes)、制御部200は、ドラムクリーニングバイアスVclnを+Vc2から-Vc1に切り替えるとともに、転写バイアスVtをOFFにする(S35)(図8,t35)。第1時間T1は、例えば、ドラムクリーニングローラ53が1回転以上、回転する時間に設定されている。
【0129】
制御部200は、ドラムクリーニングローラ53にドラムクリーニングバイアス-Vc1を印加することで、感光ドラム51上のトナーをドラムクリーニングローラ53によって回収する。制御部200は、ドラムクリーニングローラ53に印加するドラムクリーニングバイアスVclnを+Vc2から-Vc1に切り替えることで、排出処理を終了する。また、制御部200は、転写バイアスVtをOFFにすることで、転写処理を終了する。このとき、制御部200は、第2回収処理を継続して実行する。
【0130】
その後、制御部200は、転写バイアスVtをOFFにしてから第2時間T2が経過したか否かを判定する(S36)。第2時間T2が経過した場合(S36,Yes)、制御部200は、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、ドラムクリーニングバイアスVcln、ベルトクリーニングバイアスVbcをOFFにし(S37)(図8,t37)、クリーニング動作を終了する。第2時間T2は、例えば、転写ベルト73の、第1感光ドラム51Yに向かい合う部分が、転写ベルト73の回転によって、ベルトクリーニングローラ101に向かい合う位置に移動するまでの時間以上の時間に設定されている。
【0131】
制御部200は、帯電バイアスVgをOFFにすることで、帯電バイアス印加処理を終了する。また、制御部200は、現像バイアスVbをOFFにすることで、現像バイアス印加処理を終了する。また、制御部200は、ベルトクリーニングバイアスVbcをOFFにすることで、第2回収処理を終了する。制御部200は、クリーニング動作の実行中(図8,t31~t37)、露光ユニット40をOFFにし、感光ドラム51の表面を露光しない。
【0132】
図5に戻り、クリーニング動作が終了すると、制御部200は、第1モータM1をOFFにする(S41)(図8,t41)。これにより、クリーニング動作で使用した、4つの感光ドラム51、4つのドラムクリーニングローラ53、転写ベルト73、4つの転写ローラ74、ベルトクリーニングローラ101および回収ローラ102が停止する。
【0133】
本実施形態によれば、トナーを感光ドラム51に供給可能な磁気ローラ61を備える2成分現像方式のカラープリンタ1において、印刷動作を実行しているときは感光ドラム51上のトナーをドラムクリーニングローラ53で回収することができる。また、クリーニング動作を実行することで、2成分現像方式のカラープリンタ1において、ドラムクリーニングローラ53が回収したトナーを感光ドラム51と転写ベルト73を介してベルトクリーニングローラ101に回収させ、廃トナー収容部104に収容することができる。
【0134】
本実施形態では、クリーニング動作を実行する場合、第1モータM1を駆動し、第2モータM2を駆動しないので、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要な感光ドラム51、転写ベルト73、ドラムクリーニングローラ53、ベルトクリーニングローラ101を駆動させることができる。一方で、クリーニング動作を実行するのに必要でないシート供給ローラ23、加熱ローラ81、シート排出ローラ91、アジテータAGの駆動を停止させておくことができる。
【0135】
また、第1モータM1が第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cを駆動し、第2モータM2が第2磁気ローラ61Kを駆動する構成で、第1クラッチC1を備えるので、クリーニング動作を実行する場合に、第1クラッチC1を第1切断状態にすることで、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cを駆動しないようにすることができる。また、クリーニング動作を実行する場合に、第2モータM2を駆動しないことで、第2磁気ローラ61Kを駆動しないようにすることができる。
【0136】
また、第2クラッチC2をさらに備えることで、第2モータM2を駆動する場合でも、第2クラッチC2を第2切断状態にすることで第2磁気ローラ61Kの駆動を停止させることができる。
【0137】
また、カラー印刷動作を実行する場合に第1クラッチC1を第1伝達状態にし、第2クラッチC2を第2伝達状態にすることで、カラー印刷動作を実行する場合に、4つの磁気ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を駆動させることができる。また、モノクロ印刷動作を実行する場合に第1クラッチC1を第1切断状態にし、第2クラッチC2を第2伝達状態にすることで、モノクロ印刷動作を実行する場合に、第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cの駆動を停止させ、第2磁気ローラ61Kを駆動させることができる。
【0138】
また、クリーニング動作を実行する場合に現像バイアス印加処理を実行することで、磁気ローラ61のスリーブ61Bの表面電位の絶対値を、感光ドラム51の表面電位の絶対値よりも大きくすることができる。これにより、クリーニング動作を実行しているときに感光ドラム51上のトナーが磁気ローラ61に移動するのを抑制することができる。
【0139】
また、クリーニング動作を実行する場合に磁気ローラ61のスリーブ61B回転を停止させるので、クリーニング動作を実行しているときに磁気ローラ61上のトナーが感光ドラム51に移動するのを抑制することができる。
【0140】
また、4つの感光ドラム51のそれぞれに対応してドラムクリーニングローラ53を備えるので、印刷動作を実行しているときに転写ベルト73を介して異なる色のトナーが感光ドラム51の表面に付着した場合であっても、対応するドラムクリーニングローラ53で回収することができる。これにより、感光ドラム51の表面に付着した異なる色のトナーが磁気ローラ61に移動したり、シートSに転写されたりするのを抑制することができる。
【0141】
また、帯電装置としてスコロトロン帯電器52を採用したことで、スコロトロン帯電器52を感光ドラム51に対して非接触とすることができる。これにより、クリーニング動作を実行するときにスコロトロン帯電器52を感光ドラム51から離間させる必要がない。
【0142】
以上、実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。
【0143】
上述の実施形態では、第1モータM1が第1磁気ローラ61Y、第3磁気ローラ61Mおよび第4磁気ローラ61Cを駆動し、第2モータM2が第2磁気ローラ61Kを駆動する構成であったが、これに限定されない。例えば、図10に示すように、第1モータM1が4つの磁気ローラ61(61Y,61M,61C,61K)を駆動する構成であってもよい。
【0144】
図10に示す変形例において、第1モータM1の駆動力を4つの磁気ローラ61に伝達するギヤ列は、制御部200により制御されるクラッチCLを備える。クラッチCLは、例えば、電磁クラッチである。クラッチCLは、第1モータM1からの駆動力を4つの磁気ローラ61に伝達する伝達状態と、第1モータM1からの駆動力を4つの磁気ローラ61に伝達しない切断状態とに切替可能である。
【0145】
制御部200は、印刷動作を実行する場合、クラッチCLを伝達状態にする。これによれば、印刷動作を実行する場合に、印刷動作を実行するのに必要な磁気ローラ61を駆動させることができる。
【0146】
また、制御部200は、クリーニング動作を実行する場合、クラッチCLを切断状態にする。これによれば、クリーニング動作を実行する場合に、クリーニング動作を実行するのに必要でない磁気ローラ61の駆動を停止させることができる。
【0147】
なお、上述の変形例では、磁気ローラ61を、感光ドラム51などを駆動する第1モータM1によって駆動させたが、これに限定されない。例えば、磁気ローラ61を第2モータM2によって駆動させてもよい。また、磁気ローラ61を、第1モータM1および第2モータM2以外の第3のモータによって駆動させてもよい。第3のモータは、磁気ローラ61を駆動させるための専用のモータであってもよい。磁気ローラ61を駆動させる専用のモータを備える場合、制御部200は、モータをONにすることで磁気ローラ61を駆動させ、モータをOFFにすることで磁気ローラ61の駆動を停止させる構成であってもよい。
【0148】
上述の実施形態では、定着ローラとしての加熱ローラ81を第2モータM2によって駆動させたが、これに限定されない。例えば、定着ローラを第2モータM2以外のモータによって駆動させてもよい。第2モータM2以外のモータは、定着ローラを駆動させるための専用のモータであってもよい。攪拌部材としてのアジテータAG、および、シート排出ローラ91についても同様である。また、第2モータM2は、シート供給ローラ23を駆動させるための専用のモータであってもよい。
【0149】
上述の実施形態では、印刷動作を実行する場合、磁気ローラ61に現像バイアスVb1を印加し、クリーニング動作を実行する場合、現像バイアス印加処理において、磁気ローラ61に現像バイアスVb2を印加したが、これに限定されない。例えば、クリーニング動作を実行する場合、現像バイアス印加処理において、磁気ローラ61に、印刷動作を実行する場合と同じ現像バイアスVb1を印加してもよい。
【0150】
上述の実施形態では、クリーニング動作を実行する場合に、磁気ローラ61に現像バイアスVb2を印加することで、磁気ローラ61の表面電位の絶対値を、感光ドラム51の表面電位の絶対値よりも大きくしたが、これに限定されない。例えば、クリーニング動作を実行する場合に、感光ドラム51の表面電位の絶対値を、磁気ローラ61の表面電位の絶対値よりも小さくしてもよい。具体的には、スコロトロン帯電器52に印刷動作を実行する場合よりも絶対値が小さい帯電バイアスVgを印加することで、感光ドラム51の表面電位の絶対値を小さくしてもよい。また、露光ユニット40によって感光ドラム51の表面を露光することで、感光ドラム51の表面電位の絶対値を小さくしてもよい。また、クリーニング動作を実行する場合に、磁気ローラ61の表面電位の絶対値と、感光ドラム51の表面電位の絶対値を略同じにしてもよい。
【0151】
上述の実施形態では、クリーニング動作を実行する場合に、スリーブ61Bの回転を停止させたが、これに限定されない。例えば、クリーニング動作を実行する場合に、スリーブ61Bを回転させてもよい。
【0152】
上述の実施形態では、クリーニング動作において、排出処理、転写処理および第2回収処理を同時に開始したが、これに限定されない。例えば、クリーニング動作において、排出処理、転写処理および第2回収処理をこの順に開始してもよい。
【0153】
上述の実施形態では、クリーニング動作において、排出処理と転写処理を同時に終了したが、これに限定されない。例えば、クリーニング動作において、排出処理を終了した後に転写処理を終了してもよい。
【0154】
上述の実施形態では、磁気ローラ61は、磁気シャフト61Aと、スリーブ61Bとを有し、スリーブ61Bのみが回転可能であったが、これに限定されない。例えば、磁気ローラは、磁気ローラの全体が回転可能であってもよい。
【0155】
上述の実施形態では、感光ドラム51の表面を帯電させる帯電装置としてスコロトロン帯電器52を例示したが、これに限定されない。例えば、帯電装置は、グリッド電極を持たないコロトロン帯電器であってもよい。また、帯電装置は、帯電ローラであってもよい。
【0156】
上述の実施形態では、光ビームを感光ドラム51に出射することで、感光ドラム51の表面を露光する露光ユニット40を例示したが、これに限定されない。例えば、露光ユニットは、第1方向に並ぶ複数のLEDを有する露光ヘッドを備え、LEDからの光を感光ドラムに照射することで、感光ドラムの表面を露光する構成であってもよい。
【0157】
上述の実施形態では、転写ベルト73は、感光ドラム51との間でシートSを搬送するベルトであったが、これに限定されない。例えば、転写ベルトは、いわゆる中間転写ベルトであり、転写ユニットは、中間転写ベルト上のトナー像をシートに転写する2次転写ローラをさらに備える構成であってもよい。
【0158】
上述の実施形態では、定着ローラとして加熱ローラ81を例示したが、これに限定されない。例えば、定着ローラは、加圧ローラ82であってもよい。また、加熱ローラ81と加圧ローラ82の両方が定着ローラであってもよい。また、定着装置は、エンドレスベルトからなる定着ベルトを備える構成であってもよい。定着装置が定着ベルトを備える場合、第2モータM2によって定着ベルトを駆動させてもよい。
【0159】
上述の実施形態では、ベルトクリーナ100は、ベルトクリーニングローラ101、回収ローラ102、掻き取りブレード103を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、ベルトクリーナは、回収ローラを備えない構成であってもよい。
【0160】
上述の実施形態では、ベルトクリーニング部材は、ベルトクリーニングローラ101であったが、これに限定されない。例えば、ベルトクリーニング部材は、転写ベルト上のトナーを掻き取って回収するベルトクリーニングブレードなどであってもよい。
【0161】
上述の実施形態では、トナーボックスTCが有する攪拌部材としてアジテータAGを例示したが、これに限定されない。例えば、攪拌部材は、オーガなどであってもよい。
【0162】
上述の実施形態では、トナーを収容するトナーボックスTCが、感光ドラム51と現像ユニット60(磁気ローラ61)を有するドラムユニット50に対して着脱可能であったが、これに限定されない。例えば、磁気ローラと、トナーを収容するトナー収容部とを有するカートリッジが、感光ドラムを有するドラムユニットに対して着脱可能であってもよい。また、トナー収容部が、感光ドラムと磁気ローラを有するドラムユニットに対して着脱できない構成であってもよい。すなわち、ドラムユニットが、感光ドラムと、磁気ローラと、トナー収容部とを一体に有する構成であってもよい。なお、上述のトナー収容部は、トナーを攪拌する攪拌部材を有し、第2モータがトナー収容部の攪拌部材を駆動する構成であってもよい。
【0163】
上述の実施形態では、感光ドラム51、磁気ローラ61、ドラムクリーニングローラ53の数がそれぞれ4つであったが、これに限定されない。例えば、2つであってもよいし、3つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0164】
上述の実施形態では、画像形成装置として、感光ドラム51、磁気ローラ61、ドラムクリーニングローラ53を複数備えるカラープリンタ1を例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成装置は、感光ドラム、磁気ローラ、ドラムクリーニングローラを1つずつ備えるモノクロのプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、複写機、複合機などであってもよい。
【0165】
上述の実施形態では、第1極性は、正であったが、これに限定されない。例えば、第1極性は、負であってもよい。すなわち、画像形成装置は、正帯電性のトナーを用いる画像形成装置に限定されず、負帯電性のトナーを用いる画像形成装置であってもよい。
【0166】
なお、負帯電性のトナーを用いる画像形成装置の場合、バイアスの正負は、上述の実施形態とは逆になる。具体的には、帯電バイアスVg、現像バイアスVb、トナーを排出するときのドラムクリーニングバイアスVclnは、負になる。また、転写バイアスVt、トナーを回収するときのドラムクリーニングバイアスVcln、ベルトクリーニングバイアスVbcは、正になる。
【0167】
上述の実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0168】
1 カラープリンタ
23 シート供給ローラ
51 感光ドラム
53 ドラムクリーニングローラ
61 磁気ローラ
73 転写ベルト
101 ベルトクリーニングローラ
104 廃トナー収容部
200 制御部
M1 第1モータ
M2 第2モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10