(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157961
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】現像ユニットおよびドラムユニット
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20221006BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G03G15/08 390B
G03G21/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062518
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】小森 彩香
(72)【発明者】
【氏名】小川 航司
(72)【発明者】
【氏名】樋上 和馬
(72)【発明者】
【氏名】早川 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】福田 紘也
【テーマコード(参考)】
2H077
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AB02
2H077AB18
2H077AC02
2H077AD06
2H077AD13
2H077AD18
2H077AE06
2H077BA08
2H077CA12
2H077EA03
2H270KA22
2H270SA03
2H270SB03
2H270SB13
2H270SB16
2H270SC06
(57)【要約】
【課題】現像容器内の圧力が高くなるのを抑制することができる現像ユニットおよびドラムユニットを提供する。
【解決手段】現像ユニット60は、回転可能な磁気ローラ61と、磁気ローラ61を回転可能に保持するとともに、キャリアとトナーを収容可能な現像容器62であって、現像容器62内と現像容器62外を連通させる通気口622を有する現像容器62と、現像容器62内に位置する回転可能な第1オーガ63であって、現像容器62内のキャリアとトナーを搬送する第1オーガ63と、現像容器62内に位置する回転可能な第2オーガ64であって、現像容器62内のキャリアとトナーを搬送するとともに、現像容器62内のキャリアとトナーを磁気ローラ61に供給する第2オーガ64と、通気性を有するフィルタ66であって、通気口622を覆うフィルタ66とを備え、第2オーガ64は、磁気ローラ61とフィルタ66の間に位置する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びるローラ軸について回転可能な磁気ローラと、
前記磁気ローラを回転可能に保持するとともに、キャリアとトナーを収容可能な現像容器であって、前記現像容器内と前記現像容器外を連通させる通気口を有する現像容器と、
前記現像容器内に位置し、前記第1方向に延びる第1オーガ軸について回転可能な第1オーガであって、前記現像容器内のキャリアとトナーを搬送する第1オーガと、
前記現像容器内に位置し、前記第1方向に延びる第2オーガ軸について回転可能な第2オーガであって、前記現像容器内のキャリアとトナーを搬送するとともに、前記現像容器内のキャリアとトナーを前記磁気ローラに供給する第2オーガと、
通気性を有するフィルタであって、前記通気口を覆うフィルタと、を備え、
前記第2オーガは、前記磁気ローラと前記フィルタの間に位置することを特徴とする現像ユニット。
【請求項2】
現像ユニットが画像形成装置本体に装着された状態において、
前記磁気ローラは、前記第2オーガの下に位置し、
前記通気口は、前記第2オーガの上に位置することを特徴とする請求項1に記載の現像ユニット。
【請求項3】
前記通気口は、
第1通気口と、
前記第1方向において前記第1通気口から離れて位置する第2通気口と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像ユニット。
【請求項4】
前記第1通気口は、前記第2オーガによるキャリアとトナーの前記第1方向における搬送方向において、前記第2通気口の上流に位置することを特徴とする請求項3に記載の現像ユニット。
【請求項5】
現像ユニットが装着される画像形成装置本体は、前記画像形成装置本体内に前記第1方向の一方側から他方側に向かう気流を形成するファンを備え、
前記第1通気口は、前記第1方向において、前記第2通気口よりも前記一方側に位置することを特徴とする請求項4に記載の現像ユニット。
【請求項6】
前記現像容器は、トナーを収容するトナーカートリッジからトナーが補給されることを許容する補給口であって、前記第1オーガに向けてトナーを補給するための補給口を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項7】
前記現像容器の外周面は、前記フィルタが取り付けられる凹部を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項8】
前記現像容器の外周面は、前記フィルタが取り付けられる取付面を有し、
前記取付面は、前記第2オーガ軸を中心とする円弧状の面であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項9】
前記現像容器の外周面は、前記フィルタが取り付けられる取付面を有し、
前記取付面は、平面であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項10】
前記現像容器は、
前記第1オーガを収容する第1収容室と、
前記第2オーガを収容する第2収容室と、
前記第1収容室と前記第2収容室をつなぐ第1連通口と、
前記第1収容室と前記第2収容室をつなぐ第2連通口であって、前記第1方向において前記第1連通口から離れて位置する第2連通口と、を有し、
前記通気口は、前記第1方向において、前記第1連通口と前記第2連通口の間に位置することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項11】
前記第2オーガから前記通気口までの距離は、前記第2オーガから前記磁気ローラまでの距離よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の現像ユニット。
【請求項12】
前記第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムと、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の現像ユニットと、を備えるドラムユニットであって、
トナーを収容するトナーカートリッジが着脱可能に装着されることを特徴とするドラムユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像ユニットおよびドラムユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現像ユニットとして、トナーが収容される現像容器と、トナーを撹拌しながら搬送して現像容器内のトナーを循環させる一対のオーガと、現像容器内のトナーを表面に担持可能な現像ローラとを有するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現像ユニットは、画像形成中に現像容器内の圧力が高くなると、現像容器と現像ローラの隙間からトナーが噴き出すおそれがあった。また、現像ユニットにおいて、現像ユニットの小型化のために、オーガを現像ローラの上に配置する構成が考えられる。この構成では、現像容器内のトナーが、現像ローラの上にたまる構成となる。そのため、現像容器内の圧力が高くなると、現像容器と現像ローラの隙間からトナーが噴き出すおそれが高くなる。
【0005】
そこで、本開示は、現像容器内の圧力が高くなるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
現像ユニットは、第1方向に延びるローラ軸について回転可能な磁気ローラと、磁気ローラを回転可能に保持するとともに、キャリアとトナーを収容可能な現像容器であって、現像容器内と現像容器外を連通させる通気口を有する現像容器と、現像容器内に位置し、第1方向に延びる第1オーガ軸について回転可能な第1オーガであって、現像容器内のキャリアとトナーを搬送する第1オーガと、現像容器内に位置し、第1方向に延びる第2オーガ軸について回転可能な第2オーガであって、現像容器内のキャリアとトナーを搬送するとともに、現像容器内のキャリアとトナーを磁気ローラに供給する第2オーガと、通気性を有するフィルタであって、通気口を覆うフィルタと、を備え、第2オーガは、磁気ローラとフィルタの間に位置する。
【0007】
このような構成によれば、通気口およびフィルタを空気が通過することで、現像容器内の圧力が高くなるのを抑制することができる。
【0008】
また、現像ユニットが画像形成装置本体に装着された状態において、磁気ローラは、第2オーガの下に位置し、通気口は、第2オーガの上に位置する構成とすることができる。
【0009】
これによれば、磁気ローラが第2オーガの下に位置することで、現像容器内にたまったキャリアとトナーを磁気ローラに良好に供給することができる。また、通気口が第2オーガの上に位置することで、通気口およびフィルタが、現像容器内にたまったキャリアとトナーに埋もれるのを抑制することができる。これにより、通気口およびフィルタによって現像容器内の圧力が高くなるのを効果的に抑制することができる。
【0010】
また、通気口は、第1通気口と、第1方向において第1通気口から離れて位置する第2通気口と、を有する構成とすることができる。
【0011】
これによれば、2つの通気口およびフィルタを通して空気が現像容器の内外を行き来しやすくなるので、現像容器内の圧力が高くなるのをより抑制することができる。
【0012】
また、第1通気口は、第2オーガによるキャリアとトナーの第1方向における搬送方向において、第2通気口の上流に位置する構成とすることができる。
【0013】
これによれば、第2オーガの回転によって空気を第1通気口から吸い込み、第2通気口から排出することができる。これにより、現像容器内の圧力と現像容器外の圧力をより近づけることができる。
【0014】
また、現像ユニットが装着される画像形成装置本体は、画像形成装置本体内に第1方向の一方側から他方側に向かう気流を形成するファンを備え、第1通気口は、第1方向において、第2通気口よりも一方側に位置する構成とすることができる。
【0015】
これによれば、ファンによって形成される画像形成装置本体内の気流の方向と、第2オーガによって形成される現像容器内の空気が流れる方向を同じ向きにすることができる。これにより、現像容器の内外において空気を良好に流すことができる。
【0016】
また、現像容器は、トナーを収容するトナーカートリッジからトナーが補給されることを許容する補給口であって、第1オーガに向けてトナーを補給するための補給口を有する構成とすることができる。
【0017】
また、現像容器の外周面は、フィルタが取り付けられる凹部を有する構成とすることができる。
【0018】
これによれば、フィルタを凹部に取り付けたときに、フィルタの、現像容器の外周面における突出量を小さくすることができる。
【0019】
また、現像容器の外周面は、フィルタが取り付けられる取付面を有し、取付面は、第2オーガ軸を中心とする円弧状の面である構成とすることができる。
【0020】
これによれば、現像容器をコンパクトにすることができるので、現像ユニットをコンパクトにすることができる。
【0021】
また、現像容器の外周面は、フィルタが取り付けられる取付面を有し、取付面は、平面である構成とすることができる。
【0022】
これによれば、フィルタを取付面に取り付けやすくすることができる。
【0023】
また、現像容器は、第1オーガを収容する第1収容室と、第2オーガを収容する第2収容室と、第1収容室と第2収容室をつなぐ第1連通口と、第1収容室と第2収容室をつなぐ第2連通口であって、第1方向において第1連通口から離れて位置する第2連通口と、を有し、通気口は、第1方向において、第1連通口と第2連通口の間に位置する構成とすることができる。
【0024】
これによれば、通気口およびフィルタが、第1連通口付近や第2連通口付近にたまるキャリアとトナーに埋もれるのを抑制することができる。これにより、通気口およびフィルタによって現像容器内の圧力が高くなるのを効果的に抑制することができる。
【0025】
また、第2オーガから通気口までの距離は、第2オーガから磁気ローラまでの距離よりも小さい構成とすることができる。
【0026】
これによれば、現像容器をコンパクトにすることができるので、現像ユニットをコンパクトにすることができる。
【0027】
また、ドラムユニットは、第1方向に延びるドラム軸について回転可能な感光体ドラムと、上述の現像ユニットと、を備え、トナーを収容するトナーカートリッジが着脱可能に装着される。
【発明の効果】
【0028】
本開示によれば、現像容器内の圧力が高くなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】ドラムユニットが引き出し位置に位置する状態を示す断面図である。
【
図3】トナーカートリッジが装着されたドラムユニットを示す断面図である。
【
図6】現像ユニットの平面図(a)と縦断面図(b)である。
【
図7】本体筐体内の空気の流れを示す断面図である。
【
図8】現像ユニット内の空気の流れを示す断面図である。
【
図9】変形例の現像ユニットを示す斜視図(a)と横断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、カラープリンタであり、画像形成装置本体の一例としての本体筐体10と、シート供給部20と、画像形成部30と、排出部90とを備えている。
【0031】
本体筐体10には、後述する現像ユニット60が装着される。本体筐体10は、開口10Aと、フロントカバー11とを有している。フロントカバー11は、開口10Aを開ける開位置(
図2参照)と、開口10Aを閉じる閉位置との間を移動可能である。詳しくは、フロントカバー11は、開位置と閉位置との間で回動可能である。また、本体筐体10は、本体筐体10内に気流を形成するファン15を備える。ファン15は、後述する第2方向において、現像ユニット60よりも開口10Aから遠い位置に位置する。
【0032】
シート供給部20は、供給トレイ21と、シート搬送機構22とを備えている。供給トレイ21は、シートSを収容する。シート搬送機構22は、供給トレイ21からシートSを画像形成部30へ搬送する。
【0033】
画像形成部30は、スキャナユニット40と、プロセスユニットUと、転写部材70と、定着装置80とを備えている。
【0034】
スキャナユニット40は、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。スキャナユニット40は、仮想線で示すように、光ビームを、感光体ドラム51に出射する。
【0035】
プロセスユニットUは、ドラムユニット50と、4つのトナーカートリッジTCとを備えている。
【0036】
トナーカートリッジTCは、非磁性体であるトナーを収容する。
図2に示すように、トナーカートリッジTCは、ドラムユニット50に着脱可能に装着されるようになっている。詳しくは、トナーカートリッジTCは、ドラムユニット50に対してドラム軸51Xが延びる第1方向に直交する方向に着脱可能となっている。
【0037】
ドラムユニット50は、本体筐体10に対して、開口10Aを介して第2方向に移動可能となっている。詳しくは、ドラムユニット50は、本体筐体10に対して、ドラムユニット50が本体筐体10内に位置する収容位置(
図1参照)と、本体筐体10から引き出された引き出し位置との間で第2方向に移動可能となっている。
図3に示すように、ドラムユニット50は、4つの感光体ドラム51と、4つのスコロトロン帯電器52と、4つのクリーニングローラ53と、4つの現像ユニット60と、シートガイド54とを備える。
【0038】
感光体ドラム51は、第1方向に延びるドラム軸51Xについて回転可能である。第2方向は、第1方向と交差する方向である。詳しくは、第2方向は、第1方向と直交する方向である。4つの感光体ドラム51は、第2方向に並んでいる。
【0039】
スコロトロン帯電器52は、感光体ドラム51を帯電させる帯電器である。なお、スコロトロン帯電器52の代わりに、帯電ローラが用いられてもよい。
クリーニングローラ53は、感光体ドラム51をクリーニングするローラである。なお、クリーニングローラ53の代わりに、クリーニングブレードが用いられてもよい。
【0040】
4つの現像ユニット60は、第2方向に並んでいる。現像ユニット60は、トナーカートリッジTCと感光体ドラム51との間に位置する。各現像ユニット60は、それぞれ、磁気ローラ61と、現像容器62と、第1オーガ63と、第2オーガ64と、層厚規制部材65とを備えている。
【0041】
磁気ローラ61は、感光体ドラム51にトナーを供給するローラである。磁気ローラ61は、第1方向に延びるローラ軸61Xについて回転可能である。詳しくは、磁気ローラ61は、磁気軸部材61Aと、スリーブ61Bとを有する。
【0042】
磁気軸部材61Aは、周方向に異なる磁極が所定パターンで配置されている。磁気軸部材61Aは、例えば、複数の永久磁石が埋設された円柱状の部材である。磁気軸部材61Aは、現像容器62に固定される。
【0043】
スリーブ61Bは、例えば、非磁性金属材料を主体とする円筒状部材からなる。スリーブ61Bは、磁気軸部材61Aを中心として回転可能である。スリーブ61Bは、ローラ軸61Xについて回転可能となっている。スリーブ61Bは、磁気軸部材61Aの磁力によりスリーブ61Bの表面にキャリアを保持するとともに、キャリアを介してトナーを保持する。
【0044】
磁気ローラ61は、トナーカートリッジTCと感光体ドラム51との間に位置する。磁気ローラ61は、感光体ドラム51の表面と向かい合っている。磁気ローラ61は、感光体ドラム51の表面から離れている。
【0045】
現像容器62は、磁性体であるキャリアと、トナーカートリッジTCから供給されたトナーを収容可能な容器である。キャリアは、例えば、鉄粉である。現像容器62は、磁気ローラ61のスリーブ61B、第1オーガ63、および、第2オーガ64を回転可能に保持する。現像容器62は、トナーカートリッジTCからトナーが補給されることを許容する補給口621を有する。補給口621は、トナーカートリッジTCから第1オーガ63に向けてトナーを補給するための開口である。補給口621は、第1オーガ63および第2オーガ64に対して磁気ローラ61とは反対側に位置する。
【0046】
補給口621は、現像ユニット60が本体筐体10に装着された状態(以下、「装着状態」という。)において、第1オーガ63および第2オーガ64より上に位置する。詳しくは、補給口621は、装着状態において、第1オーガ63の上に位置する。ローラ軸61Xは、装着状態において、第1オーガ63および第2オーガ64より下に位置する。詳しくは、ローラ軸61Xは、装着状態において、第2オーガ64の下に位置する。
【0047】
第1オーガ63は、現像容器62内に位置する。第1オーガ63は、第1方向に延びる第1オーガ軸63Xについて回転可能である。第1オーガ63は、第2方向で第2オーガ64と並んでいる。第1オーガ63は、第2オーガ64よりも補給口621の近くに位置する。第1オーガ63は、現像容器62内のキャリアとトナーを搬送する。詳しくは、第1オーガ63は、キャリアと、補給口621から補給されたトナーを第2オーガ64に搬送する。
【0048】
第2オーガ64は、現像容器62内に位置する。第2オーガ64は、第1方向に延びる第2オーガ軸64Xについて回転可能である。第2オーガ64は、現像容器62内のキャリアとトナーを搬送するとともに、現像容器62内のキャリアとトナーを磁気ローラ61に供給する。詳しくは、第2オーガ64は、現像容器62内のキャリアとトナーを第1オーガ63に搬送する。現像容器62内のキャリアとトナーは、第1オーガ63と第2オーガ64とによって搬送されることで、現像容器62内を循環する。また、第2オーガ64は、キャリアとトナーを磁気ローラ61に向けて搬送することで、キャリアとトナーを磁気ローラ61に供給する。
【0049】
層厚規制部材65は、磁気ローラ61上のトナーの層の厚さを規制する部材である。層厚規制部材65は、磁気ローラ61とは非接触となっている。層厚規制部材65は、装着状態において、第1オーガ63および第2オーガ64より下に位置する。詳しくは、層厚規制部材65は、装着状態において、第1オーガ63の下に位置する。層厚規制部材65は、第2方向において、磁気ローラ61と並んでいる。ローラ軸61Xは、第2方向において、層厚規制部材65とドラム軸51Xの間に位置する。
【0050】
シートガイド54は、シートSを感光体ドラム51に向けて案内するガイドである。シートガイド54は、第2方向において、感光体ドラム51と並んでいる。シートガイド54は、4つの感光体ドラム51よりも、シートSの搬送方向の上流に位置する。
【0051】
シートSの搬送方向において最も上流に位置する磁気ローラ61は、シートガイド54と第2オーガ64との間に位置する。シートSの搬送方向において最も上流に位置する層厚規制部材65は、シートガイド54と第1オーガ63との間に位置する。
【0052】
図1に示すように、転写部材70は、感光体ドラム51上のトナー像をシートSに転写する部材である。転写部材70は、シート供給部20とドラムユニット50との間に位置する。転写部材70は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
【0053】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、第2方向に離間している。駆動ローラ71および従動ローラ72は、エンドレスベルトからなる搬送ベルト73を支持している。転写ローラ74は、搬送ベルト73の内側に位置する。転写ローラ74は、感光体ドラム51との間で搬送ベルト73を挟持する。
【0054】
定着装置80は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82とを備えている。加圧ローラ82は、加熱ローラ81との間でシートSを挟む。
【0055】
画像形成部30では、スコロトロン帯電器52が、感光体ドラム51の表面を帯電する。その後、スキャナユニット40は、感光体ドラム51の表面を露光する。これにより、感光体ドラム51上に静電潜像が形成される。
【0056】
トナーカートリッジTCは、現像容器62内にトナーを補給する。第1オーガ63は、現像容器62内のトナーとキャリアを第2オーガ64に搬送する。第2オーガ64は、現像容器62内のトナーとキャリアを磁気ローラ61に供給する。磁気ローラ61は、トナーを感光体ドラム51上の静電潜像に供給する。これにより、感光体ドラム51上にトナー像が形成される。
【0057】
搬送ベルト73は、感光体ドラム51との間でシートSを搬送する。シートSは、感光体ドラム51と転写ローラ74の間を通過する。この際、感光体ドラム51上のトナー像が、シートSに転写される。その後、シートSは、加熱ローラ81と加圧ローラ82の間を通過する。この際、シートS上のトナー像が熱定着される。
【0058】
排出部90は、複数の搬送ローラ91を備えている。搬送ローラ91は、シートSを本体筐体10の外に排出する。
【0059】
図4に示すように、現像ユニット60は、フィルタ66をさらに備えている。また、現像容器62は、補給口621のほか、通気口622を有する。
【0060】
通気口622は、現像容器62内と現像容器62外を連通させる開口である。詳しくは、通気口622は、現像容器62の後述する第2収容室624(
図5参照)の内部と、現像容器62の外部とを連通させる。通気口622は、第1通気口622Aと、第2通気口622Bとを有する。第2通気口622Bは、第1方向において、第1通気口622Aから離れて位置する。すなわち、第1通気口622Aと第2通気口622Bは、第1方向において、離れて位置する。
【0061】
フィルタ66は、通気性を有するシート状の部材である。フィルタ66は、例えば、不織布などからなる。フィルタ66は、通気口622を覆うように現像容器62に取り付けられる。
【0062】
詳しくは、現像容器62の外周面は、凹部62Cを有している。通気口622は、凹部62Cの底に位置する。フィルタ66は、通気口622を覆うように凹部62Cの底面に取り付けられる。凹部62Cの底面は、フィルタ66が取り付けられる取付面62Aとなっている。すなわち、現像容器62の外周面は、フィルタ66が取り付けられる取付面62Aを有している。一例として、フィルタ66は、取付面62Aに貼り付けられている。
【0063】
図5に示すように、取付面62Aは、第2オーガ64の第2オーガ軸64Xを中心とする円弧状の面である。凹部62Cの深さは、フィルタ66の厚みよりも大きいことが望ましい。
【0064】
図6(a)に示すように、フィルタ66は、第1通気口622Aを覆うように取り付けられる第1フィルタ66Aと、第2通気口622Bを覆うように取り付けられる第2フィルタ66Bとを含む。
【0065】
図6(b)に示すように、現像容器62は、第1収容室623と、第2収容室624と、仕切り壁625と、第1連通口626と、第2連通口627とをさらに有している。
第1収容室623は、第1オーガ63を収容する空間である。第2収容室624は、第2オーガ64を収容する空間である。第1収容室623内および第2収容室624内には、キャリアが充填されている。
【0066】
仕切り壁625は、第1収容室623と第2収容室624を仕切る壁である。
第1連通口626および第2連通口627は、第1収容室623と第2収容室624をつなぐ開口である。第1連通口626は、第1収容室623から第2収容室624へのトナーおよびキャリアの移動を許容する。第2連通口627は、第2収容室624から第1収容室623へのトナーおよびキャリアの移動を許容する。
【0067】
第2連通口627は、第1方向において、第1連通口626から離れて位置する。具体的には、第1連通口626は、仕切り壁625の第1方向における一端に位置し、第2連通口627は、仕切り壁625の第1方向における他端に位置する。
【0068】
補給口621は、第1収容室623につながっている。詳しくは、補給口621は、第1収容室623の第1方向における他端部につながっている。補給口621から第1連通口626までの距離は、補給口621から第2連通口627までの距離よりも大きい。
【0069】
第1オーガ63は、補給口621から第1収容室623内に補給されたトナーを、キャリアとともに第1収容室623の第1方向における一端部に向けて搬送する。第1オーガ63によって第1収容室623の第1方向における一端部に搬送されたキャリアとトナーは、第1連通口626を通って第2収容室624に供給される。
【0070】
第2オーガ64は、第1連通口626から第2収容室624に供給されたトナーを、キャリアとともに第2収容室624の第1方向における他端部に向けて搬送する。このとき、第2オーガ64によって搬送されるトナーは、キャリアが磁気ローラ61の磁力によって磁気ローラ61の表面に付着することで、キャリアとともに磁気ローラ61に供給される。また、第2オーガ64によって第2収容室624の第1方向における他端部に搬送されたキャリアとトナーは、第2連通口627を通って第1収容室623に移動する。
【0071】
このように、現像ユニット60では、現像容器62内のキャリアとトナーを第1オーガ63と第2オーガ64によって現像容器62内で循環させつつ、トナーを磁気ローラ61に供給する。
【0072】
図6(a),(b)に示すように、第1通気口622Aは、第2オーガ64によるキャリアとトナーの搬送方向において、第2通気口622Bの上流に位置する。別の言い方をすれば、第2通気口622Bは、第2オーガ64によるキャリアとトナーの搬送方向において、第1通気口622Aの下流に位置する。
【0073】
また、通気口622は、第1方向において、第1連通口626と第2連通口627の間に位置する。詳しくは、第1通気口622Aおよび第2通気口622Bは、第1方向において、第1連通口626と第2連通口627の間(
図6に示す2本の一点鎖線の間)に位置する。第1連通口626は、第1通気口622Aよりも、現像容器62の第1方向における一端に近い位置に位置する。第2連通口627は、第2通気口622Bよりも、現像容器62の第1方向における他端に近い位置に位置する。
【0074】
図7に示すように、本体筐体10は、ファン15のほか、ダクト16を備えている。ダクト16は、第1方向に延びる。ダクト16は、第2方向における現像ユニット60に近い面に複数のダクト開口16Aを有している。
【0075】
ファン15は、ダクト16の第1方向における一端に位置する。ファン15は、羽根車15Aが回転することで、ダクト16内の空気を第1方向における一方側から他方側に向けて流動させる。これにより、本体筐体10内の空気がダクト開口16Aからダクト16内に取り込まれ、本体筐体10内に、
図7に破線の矢印で示すような、第1方向の一方側から他方側に向かうような気流が形成される。
【0076】
第1通気口622Aは、第1方向において、第2通気口622Bよりも一方側に位置する。すなわち、第1通気口622Aは、本体筐体10内に形成される気流の上流側に位置し、第2通気口622Bは、本体筐体10内に形成される気流の下流側に位置する。第1通気口622Aは、第1方向において、第2通気口622Bよりもファン15に近い位置に位置する。
【0077】
図5に示すように、現像ユニット60が本体筐体10に装着された装着状態において、磁気ローラ61は、第2オーガ64の下に位置する。また、装着状態において、通気口622は、第2オーガ64の上に位置する。詳しくは、装着状態において、第1通気口622Aおよび第2通気口622Bは、第2オーガ64の上に位置する。装着状態において、通気口622(第1通気口622Aと第2通気口622B)、第2オーガ64、および、磁気ローラ61は、上から下に向けてこの順に並んでいる。
【0078】
第2オーガ64は、磁気ローラ61とフィルタ66の間に位置する。詳しくは、第2オーガ64は、第2オーガ64と通気口622が向かい合う方向において、磁気ローラ61とフィルタ66の間に位置する。より詳しくは、第2オーガ64は、第2オーガ64と第1通気口622Aが向かい合う方向において、磁気ローラ61とフィルタ66の間に位置する。また、第2オーガ64は、第2オーガ64と第2通気口622Bが向かい合う方向において、磁気ローラ61とフィルタ66の間に位置する。
【0079】
第2オーガ64から通気口622までの距離は、第2オーガ64から磁気ローラ61までの距離よりも小さい。詳しくは、第2オーガ64から第1通気口622Aまでの距離は、第2オーガ64から磁気ローラ61までの距離よりも小さい。また、第2オーガ64から第2通気口622Bまでの距離は、第2オーガ64から磁気ローラ61までの距離よりも小さい。すなわち、第2オーガ64は、磁気ローラ61に対してよりも、通気口622(第1通気口622Aおよび第2通気口622B)に対して近い位置に位置する。
【0080】
以上説明した現像ユニット60によれば、通気口622およびフィルタ66を空気が通過することで、現像容器62内の圧力が高くなるのを抑制することができる。詳しくは、通気口622およびフィルタ66を空気が通過することで、第2収容室624内の圧力が高くなるのを抑制することができる。これにより、画像形成中に、現像容器62と磁気ローラ61の隙間からトナーが噴き出すのを抑制することができる。
【0081】
また、装着状態において、磁気ローラ61が第2オーガ64の下に位置することで、現像容器62内、詳しくは、第2収容室624内にたまったキャリアとトナー(仮想線参照)を磁気ローラ61に良好に供給することができる。また、装着状態において、通気口622が第2オーガ64の上に位置することで、通気口622およびフィルタ66が、第2収容室624内にたまったキャリアとトナーに埋もれるのを抑制することができる。これにより、通気口622およびフィルタ66によって現像容器62内の圧力が高くなるのを効果的に抑制することができる。
【0082】
また、現像容器62が2つの通気口622(第1通気口622Aおよび第2通気口622B)を有するので、2つの通気口622およびフィルタ66を通して空気が現像容器62の内外を行き来しやすくなる。これにより、現像容器62内の圧力が高くなるのをより抑制することができる。
【0083】
また、
図8に示すように、第1通気口622Aが、第2オーガ64によるキャリアとトナーの搬送方向において、第2通気口622Bの上流に位置するので、第2オーガ64の回転によって空気(破線参照)を第1通気口622Aから吸い込み、第2通気口622Bから排出することができる。これにより、現像容器62内の圧力と現像容器62外の圧力をより近づけることができる。
【0084】
また、
図7に示したように、第1通気口622Aが本体筐体10内に形成される気流(破線参照)の上流側に位置し、第2通気口622Bが本体筐体10内に形成される気流の下流側に位置するので、ファン15によって形成される本体筐体10内の気流の方向と、第2オーガ64によって形成される現像容器62内の空気(仮想線参照)が流れる方向を第1方向において同じ向きにすることができる。これにより、現像容器62の内外において空気を良好に流すことができる。
【0085】
また、
図5に示したように、現像容器62の外周面がフィルタ66が取り付けられる凹部62Cを有するので、フィルタ66を凹部62C(取付面62A)に取り付けたときに、フィルタ66の、現像容器62の外周面における突出量を小さくすることができる。特に、凹部62Cの深さをフィルタ66の厚みよりも大きくすることで、フィルタ66を、現像容器62の外周面よりも突出しないようにすることができる。
【0086】
また、取付面62Aが第2オーガ軸64Xを中心とする円弧状の面であるので、現像容器62をコンパクトにすることができる。これにより、現像ユニット60をコンパクトにすることができる。
【0087】
また、
図6に示したように、通気口622(第1通気口622Aおよび第2通気口622B)が第1方向において第1連通口626と第2連通口627の間に位置するので、通気口622およびフィルタ66が、第1連通口626付近や第2連通口627付近にたまるキャリアとトナーに埋もれるのを抑制することができる。これにより、通気口622およびフィルタ66によって現像容器62内の圧力が高くなるのを効果的に抑制することができる。
【0088】
また、第2オーガ64と通気口622の距離が近いので、現像容器62をコンパクトにすることができる。これにより、現像ユニット60をコンパクトにすることができる。
【0089】
また、トナーカートリッジTCからトナーが補給される補給口621が第1収容室623につながっているので、現像容器62内に補給されたトナーが、磁気ローラ61にトナーを供給する第2収容室624に到達する前に、第1オーガ63によって現像容器62内のキャリアと補給されたトナーとを攪拌することができる。これにより、補給されたトナーを現像容器62内で均一に分散させることができるとともに、磁気ローラ61に供給される前に適度に摩擦帯電させることができる。
【0090】
また、トナーカートリッジTCがドラムユニット50に直接、着脱可能に装着されるので、トナーカートリッジとドラムユニットを個別に本体筐体に装着する場合と比較して、現像ユニット60にトナーを補給するための機構をコンパクトにすることができる。
【0091】
以上、実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。なお、以下では、上述の実施形態と異なる点について説明し、同じ点については同様の構成要素に同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0092】
上述の実施形態では、現像容器62の外周面が凹部62Cを有し、凹部62Cの底面がフィルタ66が取り付けられる取付面62Aとなっていたが、これに限定されない。例えば、取付面は、取付面の周囲の面と面一な面であってもよい。
【0093】
上述の実施形態では、取付面62Aは、円弧状の面であったが、これに限定されない。例えば、
図9(a),(b)に示すように、取付面62Aは、平面であってもよい。これによれば、フィルタ66を取付面62Aに取り付けやすくすることができる。
【0094】
上述の実施形態では、フィルタ66は、第1通気口622Aを覆うように取り付けられる第1フィルタ66Aと、第2通気口622Bを覆うように取り付けられる第2フィルタ66Bとを含んでいたが、これに限定されない。例えば、フィルタは、第1方向に長い1つのフィルタであって、第1通気口622Aと第2通気口622Bの両方を覆うように取り付けられていてもよい。すなわち、フィルタは、複数の通気口を覆う構成であってもよい。
【0095】
上述の実施形態では、現像容器62は、2つの通気口622(第1通気口622Aおよび第2通気口622B)を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、現像容器は、通気口を1つだけ有する構成であってもよいし、3つ以上の通気口を有する構成であってもよい。また、現像容器が通気口を1つだけ有する構成において、通気口は、上述の実施形態の第1通気口622Aと第2通気口622Bとをつなげたような、第1方向に長い開口であってもよい。
【0096】
上述の実施形態では、現像ユニット60が本体筐体10に装着された装着状態において、通気口622、第2オーガ64および磁気ローラ61は、上から下に向けてこの順に並んでいたが、これに限定されない。例えば、装着状態において、通気口、第2オーガおよび磁気ローラは、第2方向に並んでいてもよい。
【0097】
上述の実施形態では、画像形成装置本体としての本体筐体10は、ファン15を1つだけ備えていたが、これに限定されない。例えば、画像形成装置本体は、複数のファンを備えていてもよい。一例として、画像形成装置本体は、
図7に示したようなダクト16の第1方向における一端と他端の両方にダクトを備えていてもよい。
【0098】
上述の実施形態では、トナーカートリッジTCは、ドラムユニット50に装着された状態で、プロセスユニットUとして本体筐体10に着脱可能であったが、これに限定されない。例えば、トナーカートリッジとドラムユニットは、本体筐体に対して個別に着脱可能であってもよい。
【0099】
上述の実施形態では、現像ユニット60は、感光体ドラム51を備えるドラムユニット50の一部として本体筐体10に着脱可能であったが、これに限定されない。例えば、現像ユニットは、本体筐体に対して直接、着脱可能であってもよい。また、現像ユニットは、感光体ドラムを備えるユニットであってもよい。
【0100】
上述の実施形態では、画像形成装置1は、カラープリンタであったが、これに限定されない。例えば、画像形成装置は、モノクロのプリンタであってもよい。また、画像形成装置は、プリンタに限定されず、例えば、複写機、複合機などであってもよい。
【0101】
上述の実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0102】
50 ドラムユニット
51 感光体ドラム
51X ドラム軸
60 現像ユニット
61 磁気ローラ
61X ローラ軸
62 現像容器
63 第1オーガ
63X 第1オーガ軸
64 第2オーガ
64X 第2オーガ軸
66 フィルタ
622 通気口
TC トナーカートリッジ