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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157980
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】トラック用の荷役作業台車
(51)【国際特許分類】
   E06C 7/18 20060101AFI20221006BHJP
   E06C 1/39 20060101ALI20221006BHJP
   E06C 1/397 20060101ALI20221006BHJP
   E04G 1/32 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
E06C7/18
E06C1/39 A
E06C1/397
E04G1/32 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062550
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】507060516
【氏名又は名称】ジャパン スチールス グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】與那原 一郎
【テーマコード(参考)】
2E044
【Fターム(参考)】
2E044AA06
2E044BA05
2E044BB09
2E044BC09
2E044CA01
2E044CC01
2E044DA01
2E044DB01
2E044EE13
(57)【要約】
【課題】荷役作業台車の作業用ステージの上での作業者の作業性を向上する。
【解決手段】トラック用の荷役作業台車10は、基台15と、垂直の正面側支柱および背面側支柱に固定される作業用ステージ20と、手摺支柱部23a、24aに取り付けられた安全手摺33、34と、作業者が作業用ステージ20と地面との間を登り下りする梯子31、32と、を備えた作業台車本体36を有し、作業用ステージ20よりも上方に突出して作業台車本体36に取り付けられる垂直支持棒材41、42と上端連結棒材43とを備えた吊り枠体40が作業台車本体36に設けられ、作業者に装着されるワイヤーロープが巻き取られる安全ブロックが吊り枠体40に装着される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラックの荷台に隣接して配置され、トラックに対して荷役作業を行う際に使用されるトラック用の荷役作業台車であって、
トラック側の正面側水平棒材、および当該正面側水平棒材に平行に延びる背面側水平棒材を有し、走行車輪が設けられる基台と、
前記正面側水平棒材の両端部に取り付けられる垂直の正面側支柱、および前記背面側水平棒材の両端部に取り付けられる垂直の背面側支柱に固定され、前記基台の上方に配置される作業用ステージと、
前記背面側支柱のうち前記作業用ステージよりも上の部分により形成される手摺支柱部に取り付けられた安全手摺と、
前記正面側支柱と前記背面側支柱との間に取り付けられ、作業者が前記作業用ステージと地面との間を登り下りする梯子と、を備えた作業台車本体を有し、
前記作業用ステージよりも上方に突出して前記作業台車本体に取り付けられる2本の垂直支持棒材と、前記垂直支持棒材の上端部に取り付けられる上端連結棒材とを備えた吊り枠体を前記作業台車本体に設け、
作業者に装着されるワイヤーロープが巻き取られる安全ブロックを前記吊り枠体に装着した、トラック用の荷役作業台車。
【請求項2】
請求項1記載のトラック用の荷役作業台車において、
前記垂直支持棒材を前記正面側支柱に取り付け、2本の前記垂直支持棒材の下端部を下端連結棒材により連結した、トラック用の荷役作業台車。
【請求項3】
請求項2記載のトラック用の荷役作業台車において、
前記垂直支持棒材に、トラックの煽り板に係合されるフックを設けた、トラック用の荷役作業台車。
【請求項4】
請求項1記載のトラック用の荷役作業台車において、
前記垂直支持棒材を前記安全手摺に取り付け、前記垂直支持棒材の上部にトラックの荷台の上方に向けて湾曲する湾曲部を設けた、トラック用の荷役作業台車。
【請求項5】
請求項4記載のトラック用の荷役作業台車において、前記正面側支柱のうち前記作業用ステージよりも上の部分により形成される手摺部に、トラックの煽り板に係合されるフックを設けた、トラック用の荷役作業台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台に荷物の積み込みや積み降ろし作業を行う際に使用するトラック用の荷役作業台車に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷役作業には、荷台に荷物を積み込んだり、積み込んだ荷物をロープにより結束したりする積み込み作業と、結束された荷物をほどいたり、荷台から荷物を降ろす積み降ろし作業等がある。このような荷役作業においては、荷役作業の安全を図るために、作業者はトラックの側面に配置された作業台の上に乗って荷役作業をしたり、作業台と荷台との間を移動したりする必要がある。
【0003】
トラック荷役作業に用いる作業台車としては、特許文献1に記載されるようなものが開発されている。この作業台車は、トラック側の正面側水平棒材とこれと平行な背面側水平支柱とを備え走行車輪が設けられた基台と、それぞれの水平棒材の両端部に設けられた支柱とを有している。支柱には作業用ステージが取り付けられ、作業用ステージと外部との間で作業者が乗り降りするための梯子が支柱に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-167778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この荷役作業台車はトラックの荷台と地面との間を作業者が登り降りするのに有効であり、作業者がトラックの荷台に乗り移るときには梯子を使用して地盤面から作業用ステージに登り、作業用ステージから荷台に乗り移ることができる。一方、荷台から地面に戻るときには、荷台から作業用ステージに乗り移り、作業用ステージから梯子を使用して地面に降りることができる。
【0006】
荷役作業台車は、作業者が作業用ステージを介して荷台と地面との間を行き来するために使用されるだけでなく、作業用ステージの上を走行して荷台の上の作業者との間で荷物の受け渡しを行う作業がある。そのような作業を行うときには、作業用ステージの上の作業者は、常に作業用ステージの上に立ってその上を移動して作業を行うことになる。
【0007】
上記従来の荷役作業台車は、作業者が作業用ステージの上を走行して荷物の受け渡しをすることを想定しておらず、作業者は安全ベルトを装着することなく、作業用ステージにおいて作業を行うことになる。このため、作業者は作業用ステージにおいて転落の不安を感じながら慎重に作業をしなければならず、作業用ステージの上での作業性が悪いという問題点がある。
【0008】
本発明の目的は、荷役作業台車の作業用ステージの上での作業者の作業性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトラック用の荷役作業台車は、トラックの荷台に隣接して配置され、トラックに対して荷役作業を行う際に使用されるトラック用の荷役作業台車であって、トラック側の正面側水平棒材、および当該正面側水平棒材に平行に延びる背面側水平棒材を有し、走行車輪が設けられる基台と、前記正面側水平棒材の両端部に取り付けられる垂直の正面側支柱、および前記背面側水平棒材の両端部に取り付けられる垂直の背面側支柱に固定され、前記基台の上方に配置される作業用ステージと、前記背面側支柱のうち前記作業用ステージよりも上の部分により形成される手摺支柱部に取り付けられた安全手摺と、前記正面側支柱と前記背面側支柱との間に取り付けられ、作業者が前記作業用ステージと地面との間を登り下りする梯子と、を備えた作業台車本体を有し、前記作業用ステージよりも上方に突出して前記作業台車本体に取り付けられる2本の垂直支持棒材と、前記垂直支持棒材の上端部に取り付けられる上端連結棒材とを備えた吊り枠体を前記作業台車本体に設け、作業者に装着されるワイヤーロープが巻き取られる安全ブロックを前記吊り枠体に装着した。
【発明の効果】
【0010】
作業台車本体に設けられた作業ステージには梯子を使用して安全に登り降りすることができる。作業台車本体に設けられた吊り枠には安全ブロックを取り付けることができ、作業用ステージにおいて荷物の積み降ろし作業を行う際には、作業者は安全ブロックのワイヤーロープを腰ベルトに連結すると、作業用ステージからの転落が防止されるので、作業者は転落を気にすることなく、能率的に荷物の積み込み積み降ろし作業を行うことができ、荷役作業の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態であるトラック用の荷役作業台車を正面側から見た斜視図である。
図2】作業者が作業用ステージに乗っている状態における荷役作業台車の正面図である。
図3】トラックの荷台に荷役作業台車を配置して荷役作業をしている状態を示す側面図である。
図4】他の実施の形態であるトラック用の荷役作業台車の背面図である。
図5図4に示した荷役作業台車をトラックの荷台に配置して荷役作業をしている状態を示す側面図である。
図6】作業台車本体に設けられた走行車輪の変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。それぞれの図面においては、トラック用の荷役作業台車を構成する部材のうち、共通性を有する部材には、同一の符号が付されている。
【0013】
図1図3に示される荷役作業台車10は、正面側水平棒材11とこれに平行に延びる背面側水平棒材12とを有し、正面側水平棒材11と背面側水平棒材12は、それぞれの両端に取り付けられる連結棒材13、14により連結される。正面側水平棒材11と背面側水平棒材12とこれよりも短い連結棒材13、14との4本の棒材により長方形の基台15が形成される。これらの棒材は、金属製の横断面四角形の角パイプにより形成されている。基台15の両端部には、基台15の幅方向つまり前後方向に延びる支持脚部材16が取り付けられており、支持脚部材16の両端部には、走行車輪17を備えたキャスター18が装着されている。荷役作業台車10はキャスター18を有しているので、荷役作業場所としてのトラックの荷台と、荷役作業台車10の保管場所との間で、荷役作業台車10を容易に走行移動させることができる。
【0014】
正面側水平棒材11の両端部には、垂直の正面側支柱21、22が取り付けられている。また、背面側水平棒材12の両端部には、背面側支柱23、24が取り付けられている。それぞれの支柱は、金属製の横断面円形の丸パイプにより形成されており、作業用ステージ20がそれぞれの支柱に取り付けられている。作業用ステージ20は、四辺形の枠材25と枠材25に足場板として取り付けられるエクスパンドメタル26とを有している。作業用ステージ20は基台15の上方に配置されており、その高さはトラックの荷台の位置に設定されている。ただし、立てられた状態のトラックの煽り板の上面高さに近い位置に作業用ステージ20の高さ位置を設定してもよい。
【0015】
正面側支柱21と背面側支柱23との間には、3つの梯子部材31aが固定され、これらの梯子部材31aにより昇降用の梯子31が基台15の一端部と作業用ステージ20の一端部との間に形成されている。正面側支柱22と背面側支柱24との間には、3つの梯子部材32aが固定され、これらの梯子部材32aにより昇降用の梯子32が基台の他端部と作業用ステージ20の他端部との間に形成されている。背面側支柱23の上部は手摺支柱部23aを形成し、背面側支柱24の上部は手摺支柱部24aを形成している。両方の手摺支柱部23a、24aの間には、上下2本の安全手摺33、34が取り付けられており、安全手摺33、34は4本の支柱と同様に、金属製の横断面円形の丸パイプにより形成されている。さらに、作業用ステージ20に突き当てられるように、手摺支柱部23a、24aの間には幅木35が取り付けられている。
【0016】
このように、基台15に取り付けられる正面側支柱21、22と背面側支柱23、24と作業用ステージ20と、安全手摺33、34とにより作業台車本体36が構成される。
【0017】
作業台車本体36は、図3に示されるように、トラック37の荷台38に対する荷役作業を行う場合には、基台15の正面側水平棒材11がトラック側に配置され、背面側水平棒材12は正面側水平棒材11に対してトラック37から離れた位置に配置される。このように、この明細書において、荷役作業台車10の正面側と背面側は、荷役作業台車10がトラック37に隣接して配置された状態のときを基準として、トラック37に近い方を正面側とし、トラック37から離れた方を背面側とする。
【0018】
それぞれの正面側支柱21、22の上部、つまり作業用ステージ20よりも上方に突出した突出部は、作業者が梯子31、32を登り下りする際の昇降用の手摺部21a、22aを形成している。図1および図2に示した荷役作業台車10においては、梯子31、32がそれぞれ作業用ステージ20の端部に作業用ステージ20に対して直角方向に配置されている。作業者は、いずれか一方の梯子31、32を使用して、地面と作業用ステージ20との間を昇降することができる。そのときには、作業者は、正面側支柱21、22の手摺部21a、22aを一方の手で持ち、背面側支柱23、24の手摺支柱部23a、24aを他方の手で持つことにより、安全に作業用ステージ20に昇降することができる。このように、作業用ステージ20を支持するための4本の支柱の上端部は、作業者の登り下りの際の安全手摺として機能している。
【0019】
作業台車本体36は、2本の正面側支柱21、22と2本の背面側支柱23、24とを有し、それぞれの支柱は梯子部材31a、32aが取り付けられる梯子31、32の一部を構成している。さらに、正面側支柱21、22の上部は手摺部21a、22aとして機能しており、背面側支柱23、24の上端部は手摺として機能するとともに安全手摺33、34が取り付けられる手摺支柱部23a、24aとなっている。このように、基台15に取り付けられる4本の垂直な支柱は、作業用ステージ20を支持する部材と、手摺としての機能を有しており、少ない部品点数により軽量な荷役作業台車10が得られる。軽量構造の荷役作業台車10をキャスター18によりトラック37の荷台38に移動させることにより、安全に荷役作業を行うことができ、荷役作業の作業性を向上させることができる。
【0020】
図3に示されるように、荷役作業台車10をトラック37の荷台38に隣接して配置すると、作業用ステージ20が荷台38の高さの位置となるように設定されている。図3においては、符号P1で示す作業者は作業用ステージ20の上で作業をしており、符号P2で示す作業者は荷台38の上で作業をしている。
【0021】
荷役作業が行われるときには、キャスター18に設けられた図示しないストッパを操作することにより、作業台車本体36をトラック37に隣接させて固定した状態とすることができ、荷役作業を安全に行うことができる。作業用ステージ20とトラック37の荷台38との間で作業者が行き来する際には、立てられた煽り板39を跨ぐことになるが、作業用ステージ20と荷台38との間には大きな高さの相違がなく、作業者は安全に移動することができる。
【0022】
作業台車本体36には吊り枠体40が設けられている。吊り枠体40は、正面側支柱21に取り付けられる垂直支持棒材41と、正面側支柱22に取り付けられる垂直支持棒材42とを備えており、2本の垂直支持棒材41、42の上端部は上端連結棒材43により連結されている。さらに、垂直支持棒材41、42の下端部は下端連結棒材44により連結され、吊り枠体40は四辺形となっている。これらの棒材は金属製の横断面円形の丸パイプにより形成され、棒材相互は溶接により接合されており、軽量であっても吊り枠体40は十分な強度を有している。
【0023】
垂直支持棒材41は正面側支柱21の内側に配置され、2つのクランプ部材45aにより垂直支持棒材41の上下方向中央部と下端部とで正面側支柱21に取り外し自在に取り付けられている。同様に、垂直支持棒材42は正面側支柱22の内側に配置され、2つのクランプ部材45bにより垂直支持棒材42の上下方向中央部と下端部とで正面側支柱22に取り外し自在に取り付けられている。このように、垂直支持棒材41、42は、正面側支柱21、22に対して前後方向にはずれていないので、作業台車本体36をトラック37の側面に配置しても、正面側支柱21、22とトラック37の側面との間に隙間が発生することなく、作業者は安全に作業用ステージ20と荷台38との間を行き来することができる。ただし、それぞれの垂直支持棒材41、42を正面側支柱21、22の外側に取り付けるようにしても、同様に隙間の発生を防止すことができる。また、それぞれの垂直支持棒材41、42を正面側支柱21、22に溶接により固定するようにしてもよい。
【0024】
それぞれの垂直支持棒材41、42にはフック46がクランプ部材47により取り付けられている。フック46は荷役作業台車10の前方に向けて突出する水平部46aと、その先端部に下方に向けて突出する垂直部46bとを有しており、フック46をトラック37の煽り板39に引っ掛けることができる。フック46を煽り板39に引っ掛けることにより、荷役作業台車10が不用意にトラック37から離れることが防止される。フック46はクランプ部材47を緩めることにより、上下方向に移動自在である。図3に示される位置からフック46を下降移動させることにより、フック46を煽り板39に係合させることができる。ただし、フック46を正面側支柱21、22に取り付けるようにしてもよい。
【0025】
それぞれの垂直支持棒材41、42の上端部には吊り金具51が取り付けられており、それぞれの吊り金具51には、図2に示されるように、安全ブロック52が装着される。安全ブロック52は、セイフティブロックとも言われ、筐体53の内部にはワイヤーロープ54が巻き取られており、ワイヤーロープ54の先端部には作業者のベルトに装着される装着金具55が設けられている。安全ブロック52はワイヤーロープ54がゆっくりと繰り出されるときには、ワイヤーロープ54は少ない抵抗で繰り出され、作業者が安全ブロック52に接近する方向に移動すると、ワイヤーロープ54は自動的に巻き取られる。これに対し、ワイヤーロープ54が急速に繰り出されると、ワイヤーロープ54はロックされる。これにより、作業用ステージ20から作業者が転落する場合には、ワイヤーロープ54はロックされて作業者の安全が確保される。
【0026】
図2に示されるように、吊り枠体40に2つの安全ブロック52を装着すると、作業用ステージ20の上の作業者P1の腰ベルトに安全ロープつまりワイヤーロープ54を取り付けることができるとともに、図3に示されるように、トラック37の荷台38の上で作業する作業者P2の腰ベルトにワイヤーロープ54を取り付けることができる。このように、吊り枠体40を利用することにより、作業者P1が作業用ステージ20の上を走行して作業を行い、トラック37の荷台38の上の作業者P2との間で荷物の受け渡し作業を行う場合に、作業用ステージ20の上の作業者P1は転落の不安を感じることなく、効率的に作業を行うことができる。しかも、荷台38の上の作業者P2も安全に作業を行うことができる。ただし、吊り枠体40の1つの安全ブロック52を取り付けるようにして、作業用ステージ20の上の作業者P1のみにワイヤーロープを取り付けるようにしてもよい。
【0027】
図4は他の実施の形態であるトラック用の荷役作業台車の背面図であり、図5図4に示した荷役作業台車をトラックの荷台に配置して荷役作業をしている状態を示す側面図である。
【0028】
図4および図5に示す作業台車本体36は、上述した荷役作業台車と同様であり、基台15に取り付けられる正面側支柱21、22と背面側支柱23、24を有し、4本の支柱には作業用ステージ20が基台15の上方に配置されている。正面側支柱21、2のうち作業用ステージ20よりも上側の部分は手摺部21a、22aを構成し、背面側支柱23、24のうち作業用ステージ20よりも上側の部分は手摺支柱部23a、24aを構成している。
【0029】
図4および図5に示される荷役作業台車10は、上述した荷役作業台車10と相違して、作業台車本体36の背面側に吊り枠体40が取り付けられている。吊り枠体40は、安全手摺33と作業用ステージ20に取り付けられる2本の垂直支持棒材41、42とこれらの上端部を連結する上端連結棒材43とを有し、門形となっている。この形態の荷役作業台車10においても、それぞれの垂直支持棒材41、42を作業台車本体36に溶接固定するようにしてもよい。
【0030】
吊り枠体40の上端連結棒材43の長さは、図1に示した上端連結棒材43より短く設定されており、図1に示した下端連結棒材44を設けることなく、吊り枠体40の強度を維持することができる。ただし、それぞれの垂直支持棒材41、42を背面側支柱23、24に取り付けることもでき、その場合には吊り枠体40の強度を高めるために、下端連結棒材44を設けることが好ましいる
吊り枠体40を構成する2本の垂直支持棒材41、42の上端部には、トラック37の荷台38の上方に向けて湾曲する湾曲部48が設けられている。この吊り枠体40に、図4に示されるように、2つの安全ブロック52を取り付けると、図5に示されように、作業用ステージ20の上の作業者P1と、荷台38の上の作業者P2とにワイヤーロープ54を取り付けることができる。ただし、吊り枠体40に1つの安全ブロック52を装着して、作業用ステージ20の上の作業者P1のみにワイヤーロープを装着するようにしてもよい。
【0031】
図5に示される荷役作業台車10においては、フック46が正面側支柱21、22に上下動自在に装着されており、図5においては、フック46がトラック37の煽り板39に係合した状態で示されている。
【0032】
図6は作業台車本体36に設けられた走行車輪17の変形例を示す側面図である。支持脚部材16の内部には摺動部材56が支持脚部材16の前後に設けられ、走行車輪17を有するキャスター18の基部19は摺動部材56に取り付けられている。摺動部材56を矢印で示すように、前後方向に移動させると、走行車輪17の前後方向の位置を変化させることができる。これにより、作業台車本体36が使用される場所に応じて前後の走行車輪17の間の距離を長くすることにより、作業台車本体36の安定性を高めることができる。
【0033】
作業台車本体36は平面視において長方形となっており、長方形の両端部に梯子31、32が設けられている。2台の作業台車本体36を端部で突き合わせると、トラックの荷台に沿って2台の作業台車本体36を配置することができる。これにより、複数の作業者がそれぞれ作業用ステージ20の上で作業することができる。
【0034】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 トラック用の荷役作業台車
11 正面側水平棒材
12 背面側水平棒材
15 基台
16 支持脚部材
17 走行車輪
18 キャスター
20 作業用ステージ
21、22 正面側支柱
23、24 背面側支柱
26 エクスパンドメタル
31、32 梯子
33、34 安全手摺
36 作業台車本体
37 トラック
38 荷台
39 煽り板
40 吊り枠体
41、42 垂直支持棒材
43 上端連結棒材
44 下端連結棒材
46 フック
48 湾曲部、
51 吊り金具
52 安全ブロック
54 ワイヤーロープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6