(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022157981
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】ワークの搬送装置及びマッピング方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20221006BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062551
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】猪股 徹也
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲カク▼
【テーマコード(参考)】
3C707
5F131
【Fターム(参考)】
3C707AS24
3C707BS15
3C707KV11
3C707KX07
3C707NS13
5F131AA02
5F131CA70
5F131DA22
5F131DA42
5F131DB03
5F131DB52
5F131DB54
5F131DB76
5F131DB82
5F131DD34
5F131DD89
5F131KA12
5F131KA52
5F131KA62
(57)【要約】
【課題】第1の方向に配列した複数のスロットを備える収容部におけるワークの在荷状態を判別するマッピングを行うときに、反射型のセンサを使用しつつワークの在荷状態を正確に判別できるようにする。
【解決手段】収容部であるカセットステージの全てのスロットにワークであるウエハを1つずつ収容し(ステップ101)、その状態のカセットステージの位置に向けて、ハンドごと反射型のセンサを移動させる(ステップ102)。センサを第1の方向(垂直方向)に沿って移動させてウエハからの反射光を検出させる動作を、第1の方向に直交する第2の方向(水平方向)に沿ってセンサを移動させて繰り返し実行して検出分布データを取得する(ステップ105)。検出分布データに基づいて、実稼働時に用いるマッピング位置を決定する(ステップ106)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列した複数のスロットを備えて前記スロットごとに1つのワークを収容可能な収容部を対象とした前記ワークの搬送を行う搬送装置であって、
前記ワークを搬送するときに前記ワークを保持するハンドと、
前記ワークに光を照射して反射光を検出する反射型のセンサと、
前記ハンド及び前記センサを前記収容部に対して移動させる移動機構と、
前記移動機構を駆動し制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、全ての前記スロットに1つずつ前記ワークが収容されている状態の前記収容部の位置に向けて前記センサを移動させたのち、前記センサを前記第1の方向に沿って移動させて前記ワークからの前記反射光を検出させる動作を、前記収容部の前面において前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って前記ワークにおける前記センサからの前記光の照射位置を移動させて繰り返し実行して検出分布データを取得し、前記検出分布データに基づいてマッピング位置を決定し、
前記マッピング位置は、前記収容部における前記ワークの在荷状態を判別するマッピングを行うために前記センサを前記第1の方向に沿って移動させるときの、前記照射位置の前記第2の方向に沿う位置である、搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出分布データの取得の前に、前記収容部の前面で前記センサを前記第1の方向に沿って移動させて、前記検出分布データを取得するときと前記マッピングを行うときの前記第1の方向に沿った前記センサの移動範囲を決定する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記センサは前記ハンドに取り付けられている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ワークは板状物であって前記スロットに水平に収容され、前記第1の方向は垂直方向である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記移動機構を制御して前記ワークの搬送を行うときに、決定された前記マッピング位置を使用して前記収容部に対するマッピングを行う制御を実行する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記検出分布データから第1のマッピング位置及び第2のマッピング位置を決定し、前記マッピングを行うときに、前記第1の方向の順方向に沿って前記第1のマッピング位置において前記センサを移動させ、その後、前記第1の方向の逆方向に沿って前記第2のマッピング位置において前記センサを移動させる、請求項5に記載の搬送装置。
【請求項7】
第1の方向に配列した複数のスロットを備えて前記スロットごとに1つのワークを収容可能な収容部における前記ワークの在荷状態を判別するマッピング方法であって、
全ての前記スロットに1つずつ前記ワークが収容されている状態の前記収容部の位置に向けて反射型のセンサを移動させる移動工程と、
前記移動工程ののち、前記センサを前記第1の方向に沿って移動させて前記ワークからの前記反射光を検出させる動作を、前記収容部の前面において前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って前記ワークにおける前記センサからの光の照射位置を移動させて繰り返し実行して検出分布データを取得する取得工程と、
前記検出分布データに基づいてマッピング位置を決定する決定工程と、
を有し、
前記マッピング位置は、前記マッピングを行うために前記センサを前記第1の方向に沿って移動させるときの、前記照射位置の前記第2の方向に沿う位置である、マッピング方法。
【請求項8】
前記移動工程ののち前記決定工程の前に、前記収容部の前面で前記センサを前記第1の方向に沿って移動させて、前記取得工程と前記マッピングを実施するときとにおける前記第1の方向に沿った前記センサの移動範囲を決定する、請求項7に記載のマッピング方法。
【請求項9】
前記ワークは板状物であって前記スロットに水平に収容され、前記第1の方向は垂直方向である、請求項7または8に記載のマッピング方法。
【請求項10】
前記決定工程ののち前記ワークの搬送を行うときに、前記マッピング位置を使用して前記収容部に対するマッピングを行う、請求項7乃至9のいずれか1項に記載のマッピング方法。
【請求項11】
前記決定工程において第1のマッピング位置及び第2のマッピング位置を決定し、前記マッピングを行うときに、前記第1の方向の順方向に沿って前記第1のマッピング位置において前記センサを移動させ、その後、前記第1の方向の逆方向に沿って前記第2のマッピング位置において前記センサを移動させる、請求項10に記載のマッピング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送用ロボットなどの搬送装置を用いたワークの搬送に関し、特に、カセットあるいはカセットステージなどの収容部におけるワークの在荷状態を判別するマッピングの精度を向上させた搬送装置及びマッピング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送用ロボットなどの搬送装置によって、半導体ウエハやガラス基板などの板状のワークを搬送する場合、搬送対象のワークは、カセットあるいはカセットステージなどと呼ばれる収容部に収容されており、搬送装置は、その先端に設けられたハンドを搬送元の収容部内に伸ばしてワークを取り出し、ハンド上にワークを載置した状態でワークを搬送し、搬送先の収容部にワークを収容する。半導体ウエハなどのワークを搬送する搬送ロボットの一例が特許文献1に示されている。一般に収容部は複数枚のワークを収容可能であるから、実際に搬送を行う前に、収容部のどの位置にワークが存在するかの在荷状態を調べる必要があり、これをマッピングと呼ぶ。収容部には複数のスロットが垂直方向に積み重なるように設けられているとして、マッピングを実行することにより、何番目と何番目のスロットにワークが存在するかを知ることができ、その結果に応じて最適な搬送シーケンスを組み立てることができる。搬送シーケンスでは、搬送元の収容部の何番目のスロットからワークを取り出して、搬送先の収容部における現在空きスロットとなっている何番目のスロットにそのワークを収容するかが指定される。
【0003】
マッピングは、センサを用いて収容部内のワークを非接触で検出してその位置を求めることによって行われる。マッピングに使用されるセンサには、ワークによって光路が遮られることによりワークを検出する透過型のセンサと、ワークに検出用の光を照射しワークのエッジ(あるいは端面)で反射された光を検出し、その反射量や反射位置に基づいてワークを検出する反射型のセンサとがある。ワークは例えば半導体ウエハであってその厚さは例えば1mm以下である。また収容部においてワークが1枚ずつ置かれるスロットの相互の間隔は5mm~10mm程度である。これらの理由から、透過型あるいは反射型のいずれのセンサを用いる場合においても、検出用の光はビーム径を絞れて指向性が鋭いレーザー光であることが好ましい。透過型のセンサを用いた場合には、ワークの材質によらずに安定した検出結果が得られる、という利点があるが、センサを収容部やワークに接近させる必要があって収容部やワークと干渉したり接触したりするおそれがある。また、センサをハンドに取り付けるとして、ハンドなどのハードウェア構造がワークを透過検出できる形状である必要がある。透過型のセンサを用いてマッピングを行う例が特許文献2,3に記載されている。
【0004】
反射型のセンサを用いた場合は、ワークから離れた位置からワークの在荷状態を知ることができるので、センサとワークとの干渉を防ぐことができ、ハードウェア構造にも制約がない。例えば搬送装置が搬送用ロボットである場合、ロボットのアームあるいはハンドにセンサを配置できればセンサの周囲をマッピング用の特別な形状とする必要がないから、反射型のセンサを用いるマッピングは、導入、運用の面でメリットが大きい。しかしながら反射型のセンサを用いるマッピングでは、ワークの材質や寸法、表面状態によっては検出精度が劣化する可能性がある。ワークによる光の吸収が無視でき、かつワーク表面が粗面であれば光は乱反射するので、ワークの検出を確実に行うことができる。これに対し、例えばワークがシリコンウエハーであってその表面が鏡面加工されている場合、センサからの検出用の光をどこに照射するかというマッピング位置によっては検出用の光が全反射することがあり、そのような場合には適切にワークを検出することができなくなる。より具体的にマッピング位置とは、スロットの配列する方向(第1の方向とする)にセンサを動かしてマッピングを行うときに、収容部の前面において第1の方向とは直交する方向(第2の方向とする)に沿った、ワークにおけるセンサからの光が照射される位置のことである。マッピング位置は、第2の方向に実際にセンサを移動することによって変化させることもできるし、第2の方向でのセンサの位置は変えずに、センサからの光の照射方向を変えることによっても変化させることができる。反射型のセンサを用いてマッピングを行うときは、安定して検出を行うことができるように、ワーク位置が既知である場合の検出結果を参照しつつ人手によってマッピング位置の調整を行う必要がある。
【0005】
カセットステージにワークを収容する場合、スロットごとに1枚のワークが収容される必要がある。しかしながら何らかの理由によって1つのスロットに2枚以上のワークが重なって置かれたり、2つのスロットに跨るようにワークが置かれたりすることがある。このように誤った形態でカセットステージ内にワークが収容された状態すなわち不良状態にあるときにカセットステージからワークを取り出そうとすると、ワークが破損するおそれがある。したがって、マッピングではそれらの不良状態を認識してアラートを発し、それにより破損事故などを防止できるようにすることが望まれる。このような不良状態は、マッピングを行ったときに検出されたワークの厚さやスロット内でのワークの位置によって判別が可能である。マッピングによる在荷状態の判別に誤りがあった場合、ワークが在荷していないスロットにロボットがワークを取得しに行ってエラーで停止する、ワークが既に在荷しているスロットに重複してワークを配置してしまいワークを破損させる、などの不具合が発生する。ワークの搬送は継続して行われるものであるから、マッピングは長期間にわたって正確に行えることが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-84651号公報
【特許文献2】特開2004-327501号公報
【特許文献3】特開2000-36528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
反射型のセンサを使用したマッピングは、ワークや収容部に接近しないでマッピングを行うことができるという利点を有するが、ワークの材質や表面状態によってはワークの在荷状態を正確に判別できなくなることがある。
【0008】
本発明の目的は、ワークを搬送する搬送装置であって、反射型のセンサを使用しつつワークの在荷状態を正確に判別できる搬送装置と、そのように正確にマッピングを行うことができるマッピング方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の方向に配列した複数のスロットを備えスロットごとに1つのワークを収容可能な収容部を対象としたワークの搬送を行うときは、実際にワークの搬送を行う前にマッピングを行って収容部におけるワークの在荷状態を判別する。マッピングでは、センサを第1の方向に沿って移動させてスロットごとにワークが在荷しているどうかを判別する。マッピング実行時にセンサがワークや収容部と干渉することを防ぐために反射型のセンサを用いる場合、マッピング位置によってはワークの形状や材質によってワークの検出が不安定になることがあるので、事前に最適なマッピング位置を求めておく必要がある。本発明は、ワークの搬送を行う前の事前処理としてのマッピング位置の決定を自動化しようとするものである。マッピング位置を1回決めてしまえば、ワークの形状や材質が変更とならない限り、同じマッピング位置を使用することが可能である。
【0010】
したがって本発明の搬送装置は、第1の方向に配列した複数のスロットを備えてスロットごとに1つのワークを収容可能な収容部を対象としたワークの搬送を行う搬送装置であって、ワークを搬送するときにワークを保持するハンドと、ワークに光を照射して反射光を検出する反射型のセンサと、ハンド及びセンサを収容部に対して移動させる移動機構と、移動機構を駆動し制御する制御手段とを有し、制御手段は、全てのスロットに1つずつワークが収容されている状態の収容部の位置に向けてセンサを移動させたのち、センサを第1の方向に沿って移動させてワークからの反射光を検出させる動作を、収容部の前面において第1の方向に直交する第2の方向に沿ってセンサから光の照射位置を移動させて繰り返し実行して検出分布データを取得し、検出分布データに基づいてマッピング位置を決定する。マッピング位置は、収容部におけるワークの在荷状態を判別するマッピングを行うためにセンサを第1の方向に沿って移動させるときの、ワークにおける照射位置の第2の方向に沿う位置である。
【0011】
全てのスロットに1つずつワークを収容した状態の収容部に対し、センサを第1の方向に沿って移動させてワークからの反射光を検出させる動作を、収容部の前面において第1の方向に直交する第2の方向に沿ってセンサを移動させて繰り返し実行することは、その収容部に対して異なるマッピング位置でマッピングを繰り返すことであるといえる。この場合、センサからは、マッピング位置ごとかつスロットごとにワークの検出強度を示すデータが得られる。これらのデータは、マッピング位置とスロットの位置とをそれぞれ座標とする検出分布データとして表すことができる。すべてのスロットに1つずつワークが収容されていることが既知であるから、そのことに基づいて、スロットごとにワークが適切な検出強度で検出されているマッピング位置を検出分布データから抽出することができる。本発明の搬送装置では、このように検出分布データからマッピング位置を決定することにより、実稼働時に実際にワークを搬送するときのマッピングにおいて、ワークの在荷状態を正確に判別できることが可能になる。
【0012】
本発明の搬送装置では、制御手段は、検出分布データの取得の前に、収容部の前面でセンサを第1の方向に沿って移動させて、検出分布データを取得するときとマッピングを行うときの第1の方向に沿ったセンサの移動範囲を決定することが好ましい。このように第1の方向に沿ったセンサの移動範囲を事前に決定することにより、第1の方向に沿ったセンサの移動量を最小限に抑えることができて作業効率が向上する。また第1の方向に沿った移動範囲を決定しておくことにより、その移動範囲におけるセンサの位置から何番目のスロットにワークが存在するかを容易に判別することが可能になる。
【0013】
本発明の搬送装置では、センサはハンドに取り付けられていることが好ましい。マッピングのためにはセンサを移動させる必要があるが、収容部に対して移動するハンドにセンサを取り付けることにより、搬送装置における移動機構の構成を簡略化できる。
【0014】
本発明の搬送装置では、例えばワークは板状物であってスロットに水平に収容され、第1の方向は垂直方向である。反射型のセンサによる検出は、ワークが板状物であるときに不安定になりがちであるが、本発明の搬送方法によれば、そのような場合であってもワークの在荷状態を確実に判別できるマッピングを行うことが可能になる。
【0015】
本発明の搬送装置では、制御手段は、移動機構を制御してワークの搬送を行うときに、決定されたマッピング位置を使用して収容部に対するマッピングを行う制御を実行することができる。このような搬送装置では、上述したようにマッピング位置を決定した後に実際にワークの搬送を行うときに、決定されたマッピング位置でマッピングを行うので、収容部におけるワークの在荷状態を正確に判別することができる。その場合、制御手段は、検出分布データから第1のマッピング位置及び第2のマッピング位置を決定し、マッピングを行うときに、第1の方向の順方向に沿って第1のマッピング位置においてセンサを移動させ、その後、第1の方向の逆方向に沿って第2のマッピング位置においてセンサを移動させてもよい。センサを第1の方向に沿って往復移動させつつ異なるマッピング位置においてマッピングを行うので、センサの移動量の増加を最小限に抑えつつ、マッピングの精度を向上させることができる。
【0016】
本発明のマッピング方法は、第1の方向に配列した複数のスロットを備えてスロットごとに1つのワークを収容可能な収容部におけるワークの在荷状態を判別するマッピング方法であって、全てのスロットに1つずつワークが収容されている状態の収容部の位置に向けて反射型のセンサを移動させる移動工程と、移動工程ののち、センサを第1の方向に沿って移動させてワークからの反射光を検出させる動作を、収容部の前面において第1の方向に直交する第2の方向に沿ってセンサからの光の照射位置を移動させて繰り返し実行して検出分布データを取得する取得工程と、検出分布データに基づいてマッピング位置を決定する決定工程と、を有する。マッピング位置は、マッピングを行うためにセンサを第1の方向に沿って移動させるときの、照射位置の第2の方向に沿う位置である。
【0017】
本発明のマッピング方法では、最適なマッピング位置を求めるために。全てのスロットに1つずつワークを収容した状態の収容部に対し、マッピング位置を変えながらマッピングを繰り返し、そのときのセンサからのデータに基づき、検出分布データを得る。すべてのスロットに1つずつワークが収容されていることが既知であるから、検出分布データから、スロットごとにワークが適切な検出強度で検出されているマッピング位置を抽出することができる。本発明のマッピング方法では、このように検出分布データからマッピング位置を決定することにより、実稼働時に実際にワークを搬送するときのマッピングにおいて、ワークの在荷状態を正確に判別できることが可能になる。
【0018】
本発明のマッピング方法では、移動工程ののち決定工程の前に、収容部の前面でセンサを第1の方向に沿って移動させて、取得工程とマッピングを実施するときとにおける第1の方向に沿ったセンサの移動範囲を決定することが好ましい。このように第1の方向に沿ったセンサの移動範囲を事前に決定することにより、第1の方向に沿ったセンサの移動量を最小限に抑えることができて作業効率が向上する。また第1の方向に沿った移動範囲を決定しておくことにより、その移動範囲におけるセンサの位置から何番目のスロットにワークが存在するかを容易に判別することが可能になる。
【0019】
本発明のマッピング方法では、例えばワークは板状物であってスロットに水平に収容され、第1の方向は垂直方向である。反射型のセンサによる検出は、ワークが板状物であるときに不安定になりがちであるが、本発明のマッピング方法によれば、そのような場合であってもワークの在荷状態を確実に判別できるマッピングを行うことが可能になる。
【0020】
本発明のマッピング方法では、決定工程ののちワークの搬送を行うときに、マッピング位置を使用して収容部に対するマッピングを行うことができる。この方法では、マッピング位置を決定した後に実際にワークの搬送を行うときに、決定されたマッピング位置でマッピングを行うので、収容部におけるワークの在荷状態を正確に判別することができる。その場合、決定工程において第1のマッピング位置及び第2のマッピング位置を決定し、マッピングを行うときに、第1の方向の順方向に沿って第1のマッピング位置においてセンサを移動させ、その後、第1の方向の逆方向に沿って第2のマッピング位置においてセンサを移動させてもよい。センサを第1の方向に沿って往復移動させつつ異なるマッピング位置においてマッピングを行うので、センサの移動量の増加を最小限に抑えつつ、マッピングの精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ワークを搬送する搬送装置であって、反射型のセンサを使用しつつワークの在荷状態を正確に判別できる搬送装置と、そのように正確にマッピングを行うことができるマッピング方法とを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の一形態の搬送装置である搬送用ロボットを示す図である。
【
図2】(a),(b)は、ハンドとセンサとワークとの関係を示す平面図である。
【
図3】マッピング位置を決定する手順を示すフローチャートである。
【
図4】マッピング最下点LLとマッピング最上点ULを説明する側面図である。
【
図5】検出分布データの取得方法を説明する図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の一形態の搬送装置である搬送用ロボットを示している。
図1に示す搬送用ロボット20は、板状物であるワークの搬送に用いられるものである。以下では、ワークがシリコンウエハなどのウエハ50であり、ウエハ50は、収容部であるカセットステージ40に収容されるものとする。カセットステージ40は、第1の方向、ここでは具体的には垂直方向に配列された複数のスロットを備えている。このカセットステージ40では、スロットごとに1枚のウエハ50が水平に収容されるものとする。搬送用ロボット20は、ウエハ50の搬送を行う前に、カセットステージ40におけるウエハ50の在荷状態を判別するマッピングを実行する。
【0024】
図1に示す搬送用ロボット20は、例えば特許文献1に記載された水平多関節型ロボットと同様のものであり、基台21に対して直列に取り付けられた3本のアーム22~24と、先端側のアーム24の先端に取り付けられたハンド25と、を備えている。
図1はアーム22~24が折り畳まれた状態で描かれているが、アーム22~24を広げた状態とすることもでき、特に、アーム22,23は基台21に対するアーム22の取り付け位置を中心として、水平面内でアーム23の先端が半径方向に移動するリンク機構を構成している。アーム24はアーム23に対して水平面内で回転可能であり、ハンド25はアーム24に対して回転可能である。基台21には、根元側のアーム22を昇降させる不図示の昇降機構と、垂直軸の周りでアーム22を回転させる不図示の回転機構とが設けられている。ハンド25には、マッピングを行うための反射型のセンサ29が取り付けられている。搬送用ロボット20には、さらに、搬送用ロボット20を駆動し制御するためのロボットコントローラ30が接続している。ロボットコントローラ30は、基台21に設けられた昇降機構や回転機構、アーム22,23からなるリンク機構、アーム23に対してアーム24を回転させる機構、アーム24に対してハンド25を回転する機構を制御し、後述するセンサ29からの検出信号を処理する。特にロボットコントローラ30は、マッピング位置決定のための動作、マッピング動作及びワークを搬送する動作についての制御を実行する。
【0025】
図2(a),(b)は、マッピングを行っているときのハンド25とセンサ29とウエハ50との関係を示している。ハンド25は、その一端側においてフォーク部26が設けられた細長い部材であって、ハンド25の他端には反射型のセンサ29が取り付けられている。フォーク部20は、先端側が2つに分岐した形状を有し、ウエハ50などのワークを搬送する際にそのワークを保持する部分である。搬送時において板状物であるワークは、フォーク部26の表面に水平に載置される。センサ29は、レーザーダイオード(LD)などによってレーザー光60を発生して出射する発光部と、レーザー光60がウエハ50などのワークによって反射したときの反射光を検出する受光部とを一体にしたものである。
【0026】
ワークがウエハ50であるとき、ウエハ50のマッピングは、ウエハ50の厚さ方向にセンサ29を移動させながら、センサ29からウエハ50の端面(ウエハエッジ)に向けてレーザー光60を照射し、ウエハ50の端面からの反射光を検出することによって行われる。反射光を検出している期間内でのセンサ29の移動量から、ウエハ50の厚さも検出することができる。しかしながら反射光の方向や強度は、ウエハ50の端面の表面状態によって大きく変化する。ウエハ50の端面が粗面であるときは、照射されたレーザー光60は、
図2(a)に示すように、ウエハ50の端面において乱反射し、乱反射による反射光の一部がセンサ29の受光部に到達する。その結果、センサ29は、マッピング位置に依存せずにウエハ50を検知することができる。これに対し、ウエハ50の端面が例えば鏡面となっている場合は、照射されたレーザー光60は、
図2(b)に示すように、ウエハ50の端面で一方向に鏡面反射する。この場合、マッピング位置が不適切であるウエハ50にレーザー光60が照射されていても反射光がセンサ29に戻らず、センサ29がウエハ50を検出できないことがある。本実施形態の搬送用ロボット20は、ウエハ50の搬送のためにマッピングを行う前に、ウエハ50の材質や形状に基づく適切なマッピング位置を搬送装置自体が自動的に求めようとするものである。
【0027】
搬送用ロボット20は、搬送元のカセットステージ40からウエハ50を1枚取り出して搬送先の装置またはカセットステージ40に向けてそのウエハ50を搬送する処理や、搬送元の装置またはカセットステージ40から搬送されてきたウエハ50を搬送先のカセットステージ40の空いているスロットに収容する処理を実行する。収容部であるカセットステージ40は、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)スタンダードE47.1に規定される正面開口式カセット一体型搬送、保管箱であるFOUP(Front-Opening Unified Pod)など正面開口式のものである。したがって、搬送用ロボット20がカセットステージ40内のスロットからウエハ50を取り出すとき、及びカセットステージ40内の空きスロットに対してウエハ50を収容するときに、搬送用ロボット20のハンド25は、そのフォーク部26側を先端として、カセットステージ40の正面の開口を介して所定のスロットを目指してカセットステージ40内に進入する。
【0028】
本実施形態におけるマッピング位置の決定について説明する。
図3は、マッピング位置の決定の手順を示している。
図3に示す手順のうちステップ102~106は、ロボットコントローラ30が搬送用ロボット20を制御することによって実行されるものである。マッピング位置は、ウエハ50の形状や材質ごとに決定する必要があるから、まずステップ101において、搬送対象となるウエハと同一形状、同一材質のウエハ50を、マッピング対象であるカセットステージ40の全てのスロットに1枚ずつ収容する。次に、ステップ102において、通常のウエハ搬送に用いるためのカセットステージ位置のティーチングを行う。この場合、対象とするカセットステージ40の正面の位置であって、このカセットステージ40内にアクセスしようとするハンド25が待機する位置である待機位置にハンド25を動かすティーチングを行う。
【0029】
次に、ステップ103において、ハンド25に取り付けた反射型のセンサ29がステージカセット40の方を向くようにアーム24に対してハンド25を回転させ、センサ29からのレーザー光60が、カセットステージ40をその開口側から正面視した状態でウエハ50のほぼ中央を照射する位置であってカセットステージ40の1番下のスロットの下端位置をマッピング最下点LLとして、ハンド25のティーチングを行う。このティーチングはマッピングのためのティーチングであって、ティーチング位置はマッピングのためのものとしてロボットコントローラ30に登録される。続いてハンド25を垂直方向上方に移動させて、同様に、カセットステージ40の1番上のスロットの上端位置をマッピング最上点ULとしてティーチングを行う。
図4は、ここでのティーチングを説明する図である。マッピング最下点LLとマッピング最上点ULとの間の区間とこの区間の両端にそれぞれ設定した若干のマージンの区間とが、ステップ104においてマッピング位置を決定するときや、マッピング位置の決定後にマッピングを実際に行うときの垂直方向でのセンサ29の移動範囲、すなわちハンド25の移動範囲であるマッピング範囲として決定される。
【0030】
ステップ102でハンド25を待機位置にティーチングするときのティーチング高さTLと、マッピング最下点LLとから、搬送用ロボット20から見た、言い換えれば搬送用ロボット20の座標系で表した実際のスロット高さとレーザー光60の照射によって検知される高さとの間のオフセットが得られる。このオフセットをマッピングオフセットと呼ぶと、マッピングオフセットは、
マッピングオフセット=LL-TL
で表される。マッピングオフセットは、ウエハ50を検出するときにそのウエハ50がカセットステージ40の下から何番目のスロットに存在しているかを判定するために用いることができる。ここで垂直方向をZ方向、待機位置にあるハンド25からカセットステージ40に向かう方向をY方向、カセットステージ40の前面においてZ方向と直交する方向をX方向とする。X方向とY方向とは水平面内にあって相互に直交する。
【0031】
ステップ101~104を実行することによって、最適なマッピング位置を求めるための前段取りが完了したことになる。その後、ステップ105において、マッピング位置の決定に用いられる検出分布データを取得する。
図5(a),(b)は、検出分布データの取得を説明する図である。検出分布データの取得では、
図5(a)に示すように、全てのスロットにウエハ50が収容されているカセットステージ40に対し、ウエハ40の搬送時に行うマッピングと同様にレーザー光60を出射しながらマッピング範囲内でセンサ29を垂直方向すなわちZ方向に沿って移動させ、カセットステージ40内の各ウエハ50の検出を試みる。これを検出動作と呼ぶ。そしてこの検出動作を、X方向にセンサ29を移動させながら繰り返し実行する。
図5(b)は、X方向のどの位置において検出動作を行うかを、センサ29からのレーザー光60によって示している。具体的には、マッピング最下点LLを求めたときのX方向の位置を中心として、X方向の正負の方向に例えば±10mmの範囲を設定し、この範囲内で0.5mmから1mmのピッチでセンサ29をX方向に沿って移動させながら検出動作を行う。ここで検出動作を行った位置の中から、後述するように、最適なマッピング位置が探索される。
図5(b)に示す例では、X方向におけるA~Kの11か所で検出動作を行っており、このうち位置Fは、マッピング最下点LLを求めたときの位置である。
【0032】
以上の説明では、センサ29を実際にX方向に移動させて検出動作を繰り返すものとした。しかしながらマッピング位置は、ウエハ50におけるレーザー光60のX方向に沿った照射位置であるので、センサ29(あるいはハンド25)のX方向の位置を固定したまま、Y方向を中心に水平面内でレーザー光60の出射方向を例えば±5°の範囲内で、0.2°から0.4°のピッチで変化させて検出動作を繰り返してもよい。レーザー光60の出射方向は、例えば、アーム24に対するハンド25の角度を変えることによって、容易に変化させることができる。さらには、最適なマッピング位置の決定の精度を高めるために、Y方向に例えば±5mmの範囲でセンサ29の位置をずらしながら検出動作を行ってもよい。
【0033】
X方向でのセンサ29の位置を変えながら検出動作を繰り返すと、カセットステージ40のスロットごと、かつ検出動作を行ったX方向の位置ごとに、センサ29から、該当するスロットに収容されているウエハ50の厚さとして検出結果が得られる。こうして得られる一連の検出結果は、X方向の位置を一方の次元、Z方向でのスロットの位置を他方の次元とする2次元の検出分布データとして表現することができる。
図6は、カセットステージ40におけるスロットの数が10であって、下からスロット位置として順番に1から10が付与されており、X方向における検出動作の位置が上述したA~Kの11か所であり、各スロットには厚さ0.9mmのシリコンウエハがウエハ50として格納されている場合に得られた検出分布データの一例を示している。図において黒色で表されている領域は、センサ29がウエハ50を検知した領域である。領域のZ方向(図示上下方向)の寸法が大きいほど、ウエハ50がより厚く検出されたことを示している。点線は、ウエハ50が存在するにも関わらずウエハ50を検出できなかったことを示している。X方向の位置ごと、スロットの位置ごとに実際に検出されたウエハ50の厚さを表1に示している。表1における数値の単位はmmである。
【0034】
【0035】
検出分布データが得られたら、ステップ106において、検出分布データに基づいて、実際に搬送を行う際のマッピングにおいて使用するX方向のマッピング位置を決定する。以下、検出分布データからのマッピング位置の決定について説明する。
【0036】
図6及び表1に示した例では、厚さ0.9mmのウエハ50をカセットステージ40の各スロットに格納しているので、全てのスロットにおいて検出厚さが0.9mmであるX方向の位置が、マッピング位置として最も好適ということになる。そういう観点から表1の結果を検討すると、位置A,B,Kにおいては、カセットステージ40に実際にはウエハ50が10枚存在しているにも関わらず、検出できていないウエハ50がある。これは、レーザー光60の照射位置がウエハ50の中心位置からX方向に沿って遠く離れたことにより、ウエハ60の端面におけるレーザー光60の正しい反射が得られず、そのためウエハ50を正しく検出できなかったことが原因として考えられる。マッピングの結果としては信頼できないことから、これらの位置A,B,Kではマッピングを実施すべきでない。
【0037】
位置F,G.Hにおいては、ウエハ50の実際の厚さが1mm程度であるにも関わらず、2mmから4mmという大きな厚さでウエハ50を検出しているスロットがあり、また、同じ厚さのウエハ50が検出対象であるにも関わらず、検出された厚さにおいて2倍以上のばらつきも見られる。これは、ウエハ50におけるレーザー光60の反射角の関係で過反射が発生していることが原因として考えられる。この状態では、検出されたウエハ厚みからスロット内でのウエハの重なりの有無を検知しようとした場合に信頼できないことから、これらの位置F,G,Hでのマッピングも実施すべきではない。
【0038】
位置A,B,F,G,H,Kがマッピング位置として不適であるので、残る位置C,D,E,I,Jの中からマッピングに適したX方向の位置を選択してマッピング位置とする。ここでは、位置Dあるいは位置Iをマッピング位置として定める。このようにマッピング位置を定めたら、先にステップ103においてマッピングのための位置として登録したティーチング位置を、今回決定したマッピング位置に自動的に補正する。マッピング位置を決定するための条件としては、以下の(1)~(3)が挙げられる。
【0039】
(1) 検出厚さの平均値が所定の厚み(例えばウエハ50の厚み)に最も近い;
(2) 検出厚さの全ての値におけるばらつきが最も小さい;
(3) 検出厚さの最大値と最小値との差が最も小さい。
【0040】
マッピング位置を決定するときは、条件(1)~(3)のいずれか1つを用いてもよいし、これらの条件のうちの2つを用いてもよいし、条件(1)~(3)の全てを用いてもよい。また上記ではX方向の位置をずらしながら検出動作を行っているが、アーム24に対するハンド25の軸角度やセンサ29のY方向の位置をずらしながら同様に検出動作を行い、安定した検出結果が得られる軸角度やY方向位置を見つけ、ハンド25の軸角度とY方向の位置との少なくとも一方とX方向の位置とを組み合わせてマッピング位置としてもよい。
【0041】
ステップ101~106の処理を実行することによって、カセットステージ40におけるウエハ50の在荷状態を判別するマッピングを行うための最適のマッピング位置が決定されたことになる。このようにマッピング位置がひとたび決定されれば、その後、搬送用ロボット20を実際に稼働させてウエハ50を搬送させるときのマッピングは、この決定されたマッピング位置において実行する。ウエハ50のX方向の中心位置をレーザー光60が照射するようにハンド25を移動させるためにステップ103においてマッピング位置として登録されたティーチング位置が、ステップ106において、上述のように決定されたマッピング位置に補正されているので、実際の搬送時のマッピングは、マッピングのために登録されているティーチング位置にハンド25を動かすことによって実行できる。
【0042】
最も短時間でマッピングを終わらせるためには、所定のマッピング位置においてセンサ29をマッピング範囲内において上方向または下方向に1回だけ動かして検出動作を行うことである。しかしながら、よりマッピングの精度を向上させるためには、上方向への移動と下方向への移動とを組み合わせた往復動作でセンサ29を移動させて検出動作を行い、往路と復路の検出値を平均することができる。往復動作によるマッピングを行う場合、ステップ106において異なる2つのマッピング位置を求めた上で、往路と復路とで異なるマッピング位置での検出動作を行うようにすることが好ましい。
図6及び表1に示した例でマッピング位置として位置D及び位置Jが決定された場合、
図7に示すようにセンサ29の上昇時にはマッピング位置Dで検出動作を行い、下降時にはマッピング位置Jで検出動作を行い、その後、それぞれの検出結果をスロットごとに平均して最終的なマッピング結果とする。
図7において太線70は、レーザー光60の照射位置の軌跡を示している。
【0043】
以上説明した本実施形態の搬送用ロボット20では、全てのスロットにウエハ50を収容したカセットステージ40に対してX方向の位置を変えながら検出動作を行うことにより検出分布データを取得し、この検出分布データから最適なマッピング位置を自動的に決定する。そしてその後の実際のウエハ50の搬送時には、決定されたマッピング位置を使用する。その結果、人手を介してマッピング位置の調整を行うことなく、反射型のセンサを使用しつつカセットステージ40におけるウエハ50の在荷状態を判別するマッピングを正確に実行できるようになる。
【符号の説明】
【0044】
20…搬送用ロボット;21…基台;22~24…アーム;25…ハンド;26…フォーク部;29…センサ;30…ロボットコントローラ;40…カセットステージ;50…ウエハ;60…レーザー光;70…マッピング経路。